以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段の左側に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前の右側には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
その他に受皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30より下流側に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から16ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2〜3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40bを備えている。装飾部品40bはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用のロゴ役物200(例えば4個の図形が左右方向に並んだ装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。ロゴ役物200は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これらロゴ役物200を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔連動可動ユニット〕
ロゴ役物200の後方側の位置であって、液晶表示器42の前方側の位置には、連動可動ユニット300が配置されている。連動可動ユニット300は、ロゴ役物200とともに又は単独で動作する。図3に示すように、ロゴ役物200及び連動可動ユニット300が可動していない場合、連動可動ユニット300は、ロゴ役物200の後ろに隠れてほとんど視認することができない。ただし、連動可動ユニット300が可動していなくても、ロゴ役物200が可動すると(例えば落下すると)、連動可動ユニット300が視認可能となる。また、ロゴ役物200が可動していなくても、連動可動ユニット300が可動すると、連動可動ユニット300が視認可能となる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、連動可動ユニット300の非可動時の正面図である。
図5は、連動可動ユニット300の非可動時の背面図である。
図6は、連動可動ユニット300の非可動時の斜視図である。
図7は、連動可動ユニット300の非可動時の正面図であり、側部可動体(左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360、右下シャッター370)の図示を省略した図である。
図8は、連動可動ユニット300の非可動時の正面図であり、上部可動体(中央シャッターユニット330)の図示を省略した図である。
図9は、連動可動ユニット300の可動時の正面図である。
図10は、連動可動ユニット300の可動時の背面図である。
図11は、連動可動ユニット300の可動時の斜視図である。
図12は、連動可動ユニット300の可動時の正面図であり、側部可動体の図示を省略した図である。
図13は、連動可動ユニット300の可動時の正面図であり、上部可動体の図示を省略した図である。
連動可動ユニット300は、図4〜図8に示す非可動時の状態から、図9〜図13に示す可動時の状態に可動可能である。
図4に示すように、連動可動ユニット300は、シャッターベースユニット310、中央シャッターユニット330、左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360、右下シャッター370等を備えている。
〔シャッターベースユニット〕
シャッターベースユニット310は、連動可動ユニット300の土台となる部材であり、ベース部材311、左モータ312、左ギア列313、シャッター左アーム314、ベース左案内溝315(図7参照)、左上ガイド316、右モータ317、右ギア列318、シャッター右アーム319、ベース右案内溝320(図7参照)、右上ガイド321等を備えている。
図4に示すように、ベース部材311は、上辺・左辺・右辺を有する門状の部材であり、前面側に各種部材が配置される。ベース部材311は、左ベース部材、中央ベース部材、及び、右ベース部材といったように、複数の部材を結合した部材とすることもできる。
左モータ312は、中央シャッターユニット330を可動する際の駆動源となる電子部品である。
左ギア列313は、左モータ312の下方に配置された複数のギアによって構成される。より詳細には、図9に示すように、左ギア列313は、左モータギア313a、左中間ギア313b、左シャッターアームギア313cにより構成される。
左シャッターアームギア313cの前面には、左シャッターアームギア連結部材313dが配置されている。左シャッターアームギア連結部材313dは、左シャッターアームギア313cの前面に配置された凹部を有する突起と、突起の前面に配置されるブッシュと、凹部及びブッシュに挿入されるピン等により構成されている。なお、以下で説明する各連結部材は、部品の大きさや部品の点数といった構造上の多少の相違はあるが、基本的な構成は同様である。
シャッター左アーム314は、左シャッターアームギア313cの前方に配置され、中央シャッターユニット330の主に中央部分から左側部分を上下に可動させる部材である。
シャッター左アーム314は、左アーム第1連結部材314a、左アーム案内溝314b、左アーム第2連結部材314cを備えている。
左アーム第1連結部材314aは、シャッター左アーム314の右端部付近に配置され、シャッター左アーム314の回転軸となっている。シャッター左アーム314は、左アーム第1連結部材314aを回転軸として回転する。なお、シャッター左アーム314は、バネ等の付勢部材によって、左アーム第1連結部材314aを回転軸として、時計回りの方向に付勢されている。
図8に示すように、シャッター左アーム314は、非可動時は水平に配置されるが、図9に示すように、可動時は左下方向に傾いて配置される。
左アーム案内溝314bは、シャッター左アーム314の長手方向に延びた溝であり、左アーム案内溝314bには、左シャッターアームギア連結部材313dが挿入される。
左アーム第2連結部材314cは、シャッター左アーム314の左端部付近に配置され、中央シャッターユニット330の左上案内溝333に挿入される。
ベース左案内溝315は、ベース部材311の左端部付近に配置され、上下に延びた溝であり、左上シャッター340の背面に配置された左上シャッター下連結部材342が挿入される。
左上ガイド316は、中央シャッターユニット330の移動を補助しつつ、中央シャッターユニット330の移動範囲を規制する部材であり、中央シャッターユニット330の左端部が収納される。
右モータ317は、中央シャッターユニット330を可動する際の駆動源となる電子部品である。
右ギア列318は、右モータ317の下方に配置された複数のギアによって構成される。より詳細には、図9に示すように、右ギア列318は、右モータギア318a、右中間ギア318b、右シャッターアームギア318cにより構成される。
右シャッターアームギア318cの前面には、右シャッターアームギア連結部材318dが配置されている。
シャッター右アーム319は、右シャッターアームギア318cの前方に配置され、中央シャッターユニット330の主に中央部分から右側部分を上下に可動させる部材である。
シャッター右アーム319は、右アーム第1連結部材319a、右アーム案内溝319b、右アーム第2連結部材319cを備えている。
右アーム第1連結部材319aは、シャッター右アーム319の左端部付近に配置され、シャッター右アーム319の回転軸となっている。シャッター右アーム319は、右アーム第1連結部材319aを回転軸として回転する。なお、シャッター右アーム319は、バネ等の付勢部材によって、右アーム第1連結部材319aを回転軸として、反時計回りの方向に付勢されている。
図8に示すように、シャッター右アーム319は、非可動時は水平に配置されるが、図9に示すように、可動時は右下方向に傾いて配置される。
右アーム案内溝319bは、シャッター右アーム319の長手方向に延びた溝であり、右アーム案内溝319bには、右シャッターアームギア連結部材318dが挿入される。
右アーム第2連結部材319cは、シャッター右アーム319の右端部付近に配置され、中央シャッターユニット330の右上案内溝335に挿入される。
ベース右案内溝320は、ベース部材311の右端部付近に配置され、上下に延びた溝であり、右上シャッター360の背面に配置された右上シャッター下連結部材362が挿入される。
右上ガイド321は、中央シャッターユニット330の移動を補助しつつ、中央シャッターユニット330の移動範囲を規制する部材であり、中央シャッターユニット330の右端部が収納される。
〔中央シャッターユニット〕
図4に示すように、中央シャッターユニット330は、上下に可動する可動体であり、情報表示部331、装飾部332、左上案内溝333、左下案内溝334、右上案内溝335、右下案内溝336を備えている。中央シャッターユニット330は、上下方向(所定の第1往復方向)で往復可能な第1可動体である。
情報表示部331は、文字情報を表示する領域であり、図示の例では、「ABCDEF」の文字が表示されている。
装飾部332は、中央シャッターユニット330の装飾性を高める部材であり、図示の例では、鎖やランプ、破壊された檻等を模した構造物となっている。
左上案内溝333は、中央シャッターユニット330の左端部の上段に配置されており、左右方向に延びた溝である。
左上案内溝333には、左アーム第2連結部材314cが挿入される。
左下案内溝334は、中央シャッターユニット330の左端部の下段に配置されており、左右方向に延びた溝である。
左下案内溝334には、左上シャッター上連結部材341が挿入される。
右上案内溝335は、中央シャッターユニット330の右端部の上段に配置されており、左右方向に延びた溝である。
右上案内溝335には、右アーム第2連結部材319cが挿入される。
右下案内溝336は、中央シャッターユニット330の右端部の下段に配置されており、左右方向に延びた溝である。
右下案内溝336には、右上シャッター上連結部材361が挿入される。
〔左上シャッター〕
左上シャッター340は、左右に可動する可動体であり、左上シャッター上連結部材341、左上シャッター下連結部材342、左上シャッター連結孔343(図14参照)を備えている。
図4に示すように、左上シャッター上連結部材341は、左上シャッター340の上端部付近の前面側に配置され、中央シャッターユニット330の左下案内溝334に挿入される。
左上シャッター下連結部材342は、左上シャッター340の上端部付近の背面側であって、左上シャッター上連結部材341よりも下方の位置に配置され、シャッターベースユニット310のベース左案内溝315(図9参照)に挿入される。
図14に示すように、左上シャッター340の左上シャッター連結孔343は、左上シャッター340の下端部付近に配置された孔である。左上シャッター連結孔343には、左下シャッター350の左下シャッター中央連結部材351が挿入される。
〔左下シャッター〕
図4に示すように、左下シャッター350は、左右に可動する可動体であり、左下シャッター中央連結部材351(図14参照)、左下シャッターベース連結部材352を備えている。
図14に示すように、左下シャッター350の左下シャッター中央連結部材351は、左下シャッター350の背面の中央やや上寄りに配置されており、左上シャッター340の左上シャッター連結孔343に挿入される。
図4に示すように、左下シャッターベース連結部材352は、左下シャッター350の下端部に配置されており、左下シャッター350の回転軸となる。
左上シャッター340及び左下シャッター350は、上下方向(第1往復方向)と直交する左右方向(第2往復方向)で往復可能な第2可動体である。本実施形態では、左側の側部可動体(第2可動体)として、左上シャッター340及び左下シャッター350といった2つの可動体を備えている。
〔右上シャッター〕
右上シャッター360は、左右に可動する可動体であり、右上シャッター上連結部材361、右上シャッター下連結部材362、右上シャッター中央連結部材363(図14参照)を備えている。
図4に示すように、右上シャッター上連結部材361は、右上シャッター360の上端部付近の前面側に配置され、中央シャッターユニット330の右下案内溝336に挿入される。
右上シャッター下連結部材362は、右上シャッター360の上端部付近の背面側であって、右上シャッター上連結部材361よりも下方の位置に配置され、シャッターベースユニット310のベース右案内溝320(図9参照)に挿入される。
図14に示すように、右上シャッター360の右上シャッター中央連結部材363は、右上シャッター360の背面の中央やや下寄りに配置され、右下シャッター370の右下シャッター連結孔371に挿入される。
〔右下シャッター〕
図4に示すように、右下シャッター370は、左右に可動する可動体であり、右下シャッター連結孔371(図14参照)、右下シャッターベース連結部材372を備えている。
図14に示すように、右下シャッター370の右下シャッター連結孔371は、右下シャッター370の上端部付近に配置された孔である。右下シャッター連結孔371には、右上シャッター360の右上シャッター中央連結部材363が挿入される。
図4に示すように、右下シャッターベース連結部材372は、右下シャッター370の下端部に配置されており、右下シャッター370の回転軸となる。
右上シャッター360及び右下シャッター370は、上下方向(第1往復方向)と直交する左右方向(第2往復方向)で往復可能な第2可動体である。本実施形態では、右側の側部可動体(第2可動体)として、右上シャッター360及び右下シャッター370といった2つの可動体を備えている。
図14は、連動可動ユニット300の分解斜視図である。
図中に示すように、連動可動ユニット300は、前方側から順番に、中央シャッターユニット330、左下シャッター350及び右上シャッター360、左上シャッター340及び右下シャッター370、シャッター左アーム314及びシャッター右アーム319、シャッターベースユニット310が配置されている。
中央シャッターユニット330とシャッター左アーム314とは、中央シャッターユニット330の左上案内溝333に挿入される左アーム第2連結部材314cによって連結される。
中央シャッターユニット330と左上シャッター340とは、中央シャッターユニット330の左下案内溝334に挿入される左上シャッター上連結部材341によって連結される。
中央シャッターユニット330とシャッター右アーム319とは、中央シャッターユニット330の右上案内溝335に挿入される右アーム第2連結部材319cによって連結される。
中央シャッターユニット330と右上シャッター360とは、中央シャッターユニット330の右下案内溝336に挿入される右上シャッター上連結部材361によって連結される。
左上シャッター340と左下シャッター350とは、左上シャッター340の左上シャッター連結孔343に挿入される左下シャッター中央連結部材351によって連結される。
左上シャッター340とシャッターベースユニット310とは、シャッターベースユニット310のベース左案内溝315に挿入される左上シャッター下連結部材342によって連結される。
左下シャッター350とシャッターベースユニット310とは、左下シャッターベース連結部材352によって連結される。
右上シャッター360と右下シャッター370とは、右下シャッター370の右下シャッター連結孔371に挿入される右上シャッター中央連結部材363によって連結される。
右上シャッター360とシャッターベースユニット310とは、シャッターベースユニット310のベース右案内溝320に挿入される右上シャッター下連結部材362によって連結される。
右下シャッター370とシャッターベースユニット310とは、右下シャッターベース連結部材372によって連結される。
シャッター左アーム314とシャッターベースユニット310とは、左アーム第1連結部材314aによって連結される。
シャッター左アーム314と左シャッターアームギア313cは、シャッター左アーム314の左アーム案内溝314bに挿入される左シャッターアームギア連結部材313dによって連結される。
シャッター右アーム319とシャッターベースユニット310とは、右アーム第1連結部材319aによって連結される。
シャッター右アーム319と右シャッターアームギア318cは、シャッター右アーム319の右アーム案内溝319bに挿入される右シャッターアームギア連結部材318dによって連結される。
次に、連動可動ユニット300の動作について説明する。
図6に示すように、連動可動ユニット300が可動していない場合、上部可動体(中央シャッターユニット330)及び側部可動体(左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360、右下シャッター370)は、可動前位置に待機している。
この状態で、左モータ312及び右モータ317を同時に駆動すると(規定の方向に回転すると)、連動可動ユニット300が可動する。
具体的には、図11に示すように、上部可動体(中央シャッターユニット330)は下方の可動後位置に移動し、側部可動体のうち左上シャッター340及び左下シャッター350は右方向の可動後位置に移動し、側部可動体のうち右上シャッター360及び右下シャッター370は左方向の可動後位置に移動する。
このような動作を正面から見ると、図12に示すように、シャッター左アーム314が矢印A1に示すように上下動することにより、それに連結されている中央シャッターユニット330が矢印A2に示すように上下動する。シャッター左アーム314と中央シャッターユニット330との連結部分は、左アーム第2連結部材314cである。
また、シャッター右アーム319が矢印A3に示すように上下動することにより、それに連結されている中央シャッターユニット330が矢印A2に示すように上下動する。シャッター右アーム319と中央シャッターユニット330との連結部分は、右アーム第2連結部材319cである。
さらに、図13に示すように、左上シャッター340は、左上シャッター340の上端部付近に配置された左上シャッター下連結部材342によって、ベース左案内溝315の溝に沿って上下に可動可能となっている(矢印B1)。
また、左下シャッター350は、回転軸となる左下シャッターベース連結部材352を中心に回転可能となっている。
そして、左上シャッター340と左下シャッター350とは、左上シャッター連結孔343(図14参照)と左下シャッター中央連結部材351(図14参照)とによって連結されている。このため、左上シャッター340は、矢印B2に示すように左右に可動可能(円弧状の軌道を往復運動可能)となっている。また、左下シャッター350は、矢印B3に示すように左右に可動可能(円弧状の軌道を往復運動可能)となっている。
右上シャッター360は、右上シャッター360の上端部付近に配置された右上シャッター下連結部材362によって、ベース右案内溝320の溝に沿って上下に可動可能となっている(矢印C1)。
また、右下シャッター370は、回転軸となる右下シャッターベース連結部材372を中心に回転可能となっている。
そして、右上シャッター360と右下シャッター370とは、右下シャッター連結孔371(図14参照)と右上シャッター中央連結部材363(図14参照)とによって連結されている。このため、右上シャッター360は、矢印C2に示すように左右に可動可能(円弧状の軌道を往復運動可能)となっている。また、右下シャッター370は、矢印C3に示すように左右に可動可能(円弧状の軌道を往復運動可能)となっている。
連動可動ユニット300の可動時の各部材の動作の詳細は、以下の通りである。
図9に示すように、左モータ312が駆動すると、左ギア列313の各ギアが回転し、シャッター左アーム314が左アーム第1連結部材314aを回転軸として回転しつつ、左アーム案内溝314bに挿入された左シャッターアームギア連結部材313dが左アーム案内溝314bの内部を移動する。これにより、シャッター左アーム314は、左下方向に傾く。
また、右モータ317が駆動すると、右ギア列318の各ギアが回転し、シャッター右アーム319が、右アーム第1連結部材319aを回転軸として回転しつつ、右アーム案内溝319bに挿入された右シャッターアームギア連結部材318dが右アーム案内溝319bの内部を移動する。これにより、シャッター右アーム319は、右下方向に傾く。
〔上部可動体(中央シャッターユニット330)の動作〕
そして、シャッター左アーム314と中央シャッターユニット330とは、左アーム第1連結部材314aによって連結されており、シャッター右アーム319と中央シャッターユニット330とは、右アーム第1連結部材319aによって連結されている。このため、中央シャッターユニット330は、シャッター左アーム314及びシャッター右アーム319が傾くことによって、下方に押し下げられる。
左アーム第2連結部材314cは、中央シャッターユニット330の左上案内溝333に挿入されているため、左上案内溝333に案内されて左上案内溝333の内部を移動する。
また、右アーム第2連結部材319cは、中央シャッターユニット330の右上案内溝335に挿入されているため、右上案内溝335に案内されて右上案内溝335の内部を移動する。
〔左側の側部可動体(左上シャッター340及び左下シャッター350)の動作〕
中央シャッターユニット330が下方に押し下げられると、これに連動して、左上シャッター上連結部材341及び左上シャッター下連結部材342が下方に押し下げられ、左上シャッター340及び左下シャッター350が右方向に移動する。
具体的には、左上シャッター340には、下方に移動させる力が働くが、左上シャッター340の下端部は、左下シャッター350に接続されているため、左上シャッター340の下端部が左下シャッター350に引っ張られるようにして右方向に移動する。
また、左下シャッター350には、下方に移動させる力が働くが、左下シャッター350の下端部には左下シャッターベース連結部材352が配置されているため、左下シャッター350は、左下シャッターベース連結部材352を回転軸として回転し、右方向に移動する。
この場合、左上シャッター340と左下シャッター350とは、左上シャッター340の下端部と、左下シャッター350の上端部よりもやや下寄りの位置で接続されているため、左下シャッター350の上端部は、左下シャッター350の下端部よりも、右側に突出する。
〔右側の側部可動体(右上シャッター360及び右下シャッター370)の動作〕
中央シャッターユニット330が下方に押し下げられると、これに連動して、右上シャッター上連結部材361及び右上シャッター下連結部材362が下方に押し下げられ、右上シャッター360及び右下シャッター370が左方向に移動する。
具体的には、右上シャッター360には、下方に移動させる力が働くが、右上シャッター360の下端部のやや上方付近は、右下シャッター370の上端部に接続されているため、右上シャッター360の下端部のやや上方付近が右下シャッター370に押し出されるように左方向に移動する。
また、右下シャッター370には、下方に移動させる力が働くが、右下シャッター370の下端部には右下シャッターベース連結部材372が配置されているため、右下シャッター370は、右下シャッターベース連結部材372を回転軸として回転し、左方向に移動する。
この場合、右上シャッター360と右下シャッター370とは、右上シャッター360の下端部よりもやや上寄りの位置と、右下シャッター370の上端部の位置で接続されているため、右上シャッター360の上端部は、右下シャッター370の上端部よりも、左側に突出する。
中央シャッターユニット330の動作を背面側から見ると、図5に示すように、連動可動ユニット300が可動していない状態(中央シャッターユニット330が下方に移動していない状態)では、左上シャッター下連結部材342は、ベース左案内溝315の溝の上端部に配置され、右上シャッター下連結部材362は、ベース右案内溝320の溝の上端部に配置されている。
一方、図10に示すように、連動可動ユニット300が可動した状態(中央シャッターユニット330が下方に移動した状態)では、左上シャッター下連結部材342は、ベース左案内溝315の溝の下端部付近まで移動し、右上シャッター下連結部材362は、ベース右案内溝320の溝の下端部付近まで移動している。
これにより、中央シャッターユニット330の可動に連動して、左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360、右下シャッター370が可動する。
本実施形態において、左モータ312、左ギア列313、左シャッターアームギア連結部材313d、シャッター左アーム314、左アーム第1連結部材314a、左アーム案内溝314b、左アーム第2連結部材314c、ベース左案内溝315、左上案内溝333、左下案内溝334、左上シャッター上連結部材341、左上シャッター下連結部材342、左上シャッター連結孔343、左下シャッターベース連結部材352等は、中央シャッターユニット330(第1可動体)の可動に連動して左上シャッター340及び左下シャッター350(第2可動体)を可動させる連動可動手段に相当する。
この連動可動手段は、中央シャッターユニット330の可動に連動して、左上シャッター340及び左下シャッター350といった2つの可動体を可動させる。
この連動可動手段のうち、左モータ312は、一の駆動源であり、残りの構成要素の少なくとも1つの構成要素は、一の駆動源により可動し、中央シャッターユニット330を上下方向で可動させ、中央シャッターユニット330の可動にともなって左上シャッター340及び左下シャッター350を左右方向で可動させるリンク機構である。
また、本実施形態において、右モータ317、右ギア列318、右シャッターアームギア連結部材318d、シャッター右アーム319、右アーム第1連結部材319a、右アーム案内溝319b、右アーム第2連結部材319c、ベース右案内溝320、右上案内溝335、右下案内溝336、右上シャッター上連結部材361、右上シャッター下連結部材362、右下シャッター連結孔371、右下シャッターベース連結部材372等は、中央シャッターユニット330(第1可動体)の可動に連動して右上シャッター360及び右下シャッター370(第2可動体)を可動させる連動可動手段に相当する。
この連動可動手段は、中央シャッターユニット330の可動に連動して、右上シャッター360及び右下シャッター370といった2つの可動体を可動させる。
この連動可動手段のうち、右モータ317は、一の駆動源であり、残りの構成要素の少なくとも1つの構成要素は、一の駆動源により可動し、中央シャッターユニット330を上下方向で可動させ、中央シャッターユニット330の可動にともなって右上シャッター360及び右下シャッター370を左右方向で可動させるリンク機構である。
このように、本実施形態では、左モータ312及び右モータ317を同時に駆動させて、中央シャッターユニット330を水平な状態のまま下方に移動させることができる。
また、本実施形態では、左モータ312だけ、又は、右モータ317だけを駆動させて、中央シャッターユニット330を傾けた状態で下方に移動させることもできる。
図15は、左モータ312だけを駆動させた片側可動時の様子を示す図である。
左モータ312が駆動すると、左ギア列313の各ギアが回転し、シャッター左アーム314が左アーム第1連結部材314aを回転軸として回転しつつ、左アーム案内溝314bに挿入された左シャッターアームギア連結部材313dが左アーム案内溝314bの内部を移動する。これにより、シャッター左アーム314は、矢印D1の方向に移動する。
そして、シャッター左アーム314と中央シャッターユニット330とは、左アーム第1連結部材314aによって連結されているため、中央シャッターユニット330は、シャッター左アーム314によって、主に左側が下方に押し下げられる(矢印D2参照)。
左アーム第2連結部材314cは、中央シャッターユニット330の左上案内溝333に挿入されているため、左上案内溝333に案内されて左上案内溝333の内部を移動する。
また、中央シャッターユニット330の左端部側が下方に押し下げられると、これに連動して、左上シャッター上連結部材341及び左上シャッター下連結部材342が下方に押し下げられ、左上シャッター340及び左下シャッター350が右方向に移動する。
具体的には、左上シャッター340には、下方に移動させる力が働くが、左上シャッター340の下端部は、左下シャッター350に接続されているため、下端部が左下シャッター350に引っ張られるようにして右方向(矢印D3の方向)に移動する。
また、左下シャッター350には、下方に移動させる力が働くが、左下シャッター350の下端部には左下シャッターベース連結部材352が配置されているため、左下シャッター350は、左下シャッターベース連結部材352を回転軸として回転し、右方向(矢印D4の方向)に移動する。
このように、左モータ312だけを駆動させた場合、中央シャッターユニット330が左下方向に傾き、それにともなって左上シャッター340及び左下シャッター350も可動するが、右上シャッター360及び右下シャッター370は可動しない。なお、右上シャッター360及び右下シャッター370は、バネ等の付勢部材によって右方向に付勢されているため、中央シャッターユニット330が左下方向に傾いても、元の待機位置に留まるようになっている。
図16は、右モータ317だけを駆動させた片側可動時の様子を示す図である。
右モータ317が駆動すると、右ギア列318の各ギアが回転し、シャッター右アーム319が、右アーム第1連結部材319aを回転軸として回転しつつ、右アーム案内溝319bに挿入された右シャッターアームギア連結部材318dが右アーム案内溝319bの内部を移動する。これにより、シャッター右アーム319は、矢印E1の方向に移動する。
そして、シャッター右アーム319と中央シャッターユニット330とは、右アーム第1連結部材319aによって連結されているため、中央シャッターユニット330は、シャッター右アーム319によって、主に右側が下方に押し下げられる(矢印E2参照)。
右アーム第2連結部材319cは、中央シャッターユニット330の右上案内溝335に挿入されているため、右上案内溝335に案内されて右上案内溝335の内部を移動する。
また、中央シャッターユニット330の右端部側が下方に押し下げられると、これに連動して、右上シャッター上連結部材361及び右上シャッター下連結部材362が下方に押し下げられ、右上シャッター360及び右下シャッター370が左方向に移動する。
具体的には、右上シャッター360には、下方に移動させる力が働くが、右上シャッター360の下端部のやや上方付近は、右下シャッター370の上端部に接続されているため、右上シャッター360の下端部のやや上方付近が右下シャッター370に押し出されるように左方向(矢印E3の方向)に移動する。
また、右下シャッター370には、下方に移動させる力が働くが、右下シャッター370の下端部には右下シャッターベース連結部材372が配置されているため、右下シャッター370は、右下シャッターベース連結部材372を回転軸として回転し、左方向(矢印E4の方向)に移動する。
このように、右モータ317だけを駆動させた場合、中央シャッターユニット330が右下方向に傾き、それにともなって右上シャッター360及び右下シャッター370も可動するが、左上シャッター340及び左下シャッター350は可動しない。なお、左上シャッター340及び左下シャッター350は、バネ等の付勢部材によって左方向に付勢されているため、中央シャッターユニット330が右下方向に傾いても、元の待機位置に留まるようになっている。
図17は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図18は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
演出制御装置124には、演出を制御する上で必要となる様々な機能部品が装備されている。具体的には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納された制御ROM180や、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、制御の正常性を監視するウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188、演出画像の描画を行うVDP152、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を格納するCGROM(画像・音声ROM)190の他に、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132等が装備されている。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、アンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46〜53の演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198は、先ず演出制御CPU126から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体等の駆動源となる可動体モータ57、左モータ312、右モータ317の駆動パターンを制御する。SMC199は、先ず演出制御CPU126から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46〜53や可動体モータ57、左モータ312、右モータ317に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材62,64,66を接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、各操作部材62,64,66は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57、左モータ312、右モータ317が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介してロゴ役物200を駆動する。左モータ312及び右モータ317は、上述したリンク機構等を介して上部可動体(中央シャッターユニット330)や側部可動体(左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360、右下シャッター370)を駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ57、左モータ312、右モータ317にそれぞれ印加される。
演出制御装置124は、特別図柄の変動中や大当り遊技の実行中等に可動体モータ57、左モータ312、右モータ317を駆動して、ロゴ役物200や連動可動ユニット300(上部可動体、側部可動体)を可動させることができる。特別図柄の変動中に、これらの可動体を可動させる場合には、当選の期待度が低い場合と比較して、当選の期待度が高い場合に、より多くの可動体を可動させることができる。
例えば、演出制御装置124は、先読み変動や当該変動、特別図柄の変動中の序盤等において、左モータ312だけ、又は、右モータ317だけを駆動させて、当選の期待度を示唆するようにすることができる。また、演出制御装置124は、特別図柄の変動中の中盤において、左モータ312及び右モータ317を駆動させて、当選の期待度を向上させることができる。さらに、演出制御装置124は、特別図柄の変動中の終盤において、大当りが確定した場合には、可動体モータ57、左モータ312及び右モータ317を駆動させて、ロゴ役物200や連動可動ユニット300といった全ての可動体を可動させることができる。
また、演出制御装置124は、一定の周期で左モータ312の正転及び反転を繰り返し、一定の周期とずれた周期で右モータ317の正転及び反転を繰り返すようにすることで、連動可動ユニット300の各可動体を波打つように可動させることができる。
さらに、演出制御装置124は、演出上で特定のキャラクターが出現する前は、中央シャッターユニット330を全落下させないように(半落下するように)左モータ312又は右モータ317を駆動し、演出上で特定のキャラクターが出現した際には、中央シャッターユニット330の片側を全落下させるように左モータ312又は右モータ317を駆動し、演出上で特定のキャラクターに勝利した場合(例えば大当りになった場合)、中央シャッターユニット330の両側を全落下させるように左モータ312及び右モータ317を駆動することができる。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
この他に、電源制御ユニット162にはRAMクリアスイッチ163が設けられている。RAMクリアスイッチ163は、RAMクリア(RAM76の使用禁止領域を除く全領域の初期化)を行うためのスイッチであり、電源投入時にRAMクリアスイッチ163が操作されると、RAMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置92に入力される。なお、RAMクリアスイッチが主制御装置70に設けられていてもよい。また、RAMクリア信号を払出制御装置92には入力させず、主制御装置70がRAMクリア信号の入力を受け付けると、主制御装置70が払出制御装置92に対してRAMクリアコマンドを送信する構成としてもよい。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、中央シャッターユニット330の可動に連動して、左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360及び右下シャッター370を可動させるため、中央シャッターユニット330が可動した際には、左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360及び右下シャッター370も可動することになり、中央シャッターユニット330が単独で可動する方式や左上シャッター340等が単独で可動する方式と比較して、視覚的効果を向上させることができ、結果として、可動体の可動のさせ方を改良することができる。
(2)本実施形態によれば、中央シャッターユニット330の可動に連動して、左上シャッター340、左下シャッター350、右上シャッター360及び右下シャッター370といった4個の可動体を可動させるため、1つの左上シャッター340だけや、1つの左下シャッター350だけが連動して可動する方式と比較して、視覚的効果をより一層向上させることができる。
(3)本実施形態によれば、一の駆動源(左モータ312)とリンク機構によって中央シャッターユニット330と左上シャッター340及び左下シャッター350とを連動して可動させることができるので、少ない動力源で複数の可動体を可動させながら、視覚的効果を向上させることができる。なお、右モータ317、右上シャッター360及び右下シャッター370についても同様の効果が得られる。
(4)本実施形態の連動可動ユニット300には、上下動が可能な上部可動体(中央シャッターユニット330)が設けられ、この上部可動体の側端部には、上部可動体の上下動にともなって可動する第1側部可動体(左上シャッター340、右上シャッター350)が連結されている。第1側部可動体には、第1側部可動体の可動にともなって可動する第2側部可動体(左下シャッター350、右下シャッター370)が連結されている。第1側部可動体及び第2側部可動体は、液晶表示器42の液晶画面の左右に1組ずつ設けられている。また、上部可動体には左側駆動源(左モータ312)及び右側駆動源(右モータ317)といった2つの駆動源が設けられ、左右のうち片側のみの可動が可能となっている。このような構成により、上部可動体と左右の側部可動体が一体的に動作するため、上部可動体のみが動作する場合と比較して、可動体全体の可動量が増加し、視覚的効果の高い演出を実行することができる。また、上部可動体は、駆動源が2つ設けられ、左右のうち片側のみ動作が可能となっているため、バリエーションに富んだ視覚演出を実行することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらは適宜に変形可能である。
本発明は、様々なタイプの遊技機(ループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機、同時回しの遊技機、転落タイプ(転落抽選での当選により高確率状態が終了するタイプ)の遊技機、設定変更機能を有する遊技機、確変領域を有しない遊技機)に適用することができる。
上述した実施形態では、側部可動体は、左側に2個配置し、右側に2個配置する例で説明したが、左側に1個配置し、右側に1個配置する形態であってもよく、左側に3個以上配置し、右側に3個以上配置する形態であってもよい。また、左右の側部可動体の個数は、異なる個数であってもよい。
上述した実施形態では、連動可動手段は、メカ式のリンク機構の例で説明したが、電動式の制御による手段であってもよい。つまり、上部可動体と側部可動体とは、機械的に連動して可動させてもよく、電動式の制御によって連動して可動させてもよい。上部可動体と側部可動体とを電動式の制御によって連動して可動させる場合、中央シャッターユニット330を上下に可動させる第1モータと、左上シャッター340及び左下シャッター350を左右に可動させる第2モータと、右上シャッター360及び右下シャッター370を左右に可動させる第3モータとを用意することができる。この場合、モータの数は増加するが、上部可動体と側部可動体とを連結するリンク機構は不要となる。なお、第2モータは、左上シャッター340と左下シャッター350とを単独で動作させる場合には2個のモータとすることができる。この点は、第3モータについても同様である。
第1往復方向と第2往復方向とは、直交していなくてもよい。
第1往復方向は、上下方向でなくてもよい。第1往復方向は、左右方向であってもよく、上下方向を基準として所定角度傾いた方向であってもよい。
第2往復方向は、左右方向でなくてもよい。第2往復方向は、上下方向であってもよく、左右方向を基準として所定角度傾いた方向であってもよい。
往復方向は、直線的な方向であってもよく、円弧状の方向であってもよい。往復方向が円弧状の方向である場合、円弧状の方向は、回転中心から円弧に向かう直線的な方向に置き換えることができる。