以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作(操作入力)することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に上始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、上始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。また、始動ゲート20及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。さらに、可変始動入賞装置28及び第2可変入賞装置31は、上始動入賞口26の下方部分に配置されている。
左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24は、第2可変入賞装置31の右側に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で上始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。
ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に上始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球するか、普通入賞口24に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、上始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、上始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28bを有しており、これら開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。左右の開閉部材28bは各先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28bはそれぞれ閉止位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して下始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が9ラウンド大当りに対応する態様で停止表示された場合、特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第1大入賞口30b(上大入賞口)への入賞を可能にする(特別電動役物、第1特別入賞事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、上始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、所定の条件が満たされた場合(特別図柄が16ラウンド大当りに対応する態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31b(下大入賞口)への入賞を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、可変始動入賞装置28の下方に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有しており、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材31aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき第2大入賞口31bへの入賞は困難な状態(第2大入賞口31bは閉塞中)である。第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が容易な状態となり、第2大入賞口31bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材31aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列や構造物の形状は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28a)や第1可変入賞装置30(開放時の上大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(開放時の下大入賞口31b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放中の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)や第1可変入賞装置30(上大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(下大入賞口31b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用のロゴ役物40f(可動体)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用のロゴ役物40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これらロゴ役物40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。なお、ここでいうロゴ役物40fの「役物」とは、「普通電動役物」や「特別電動役物」の類を意味するものではく、演出上の装飾体を指して称するときの意味である。また、ロゴ役物40fを可動させるロゴ役物ユニットの詳細は後述する。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、下始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、ロゴ役物ユニット200の正面図である。
ロゴ役物ユニット200は、ロゴ役物40fを可動させるユニットであり、可動体ユニット300と、昇降ユニット400と、ストッパユニット500とを備えている。
可動体ユニット300は、主にロゴ役物40fの構造物を構成するユニットである。
昇降ユニット400は、主にロゴ役物40fをモータによって昇降させるユニットである。
ストッパユニット500は、主にロゴ役物40fの昇降をストッパによって停止させるユニットである。
図5は、可動体ユニット300の分解斜視図である。
可動体ユニット300は、可動体ユニット本体部310と、上可動体上部分320と、上可動体下部分330と、上可動体装飾部分340とを備えている。
可動体ユニット本体部310は、可動体ユニット300の土台となる部材であり、可動体ユニット本体部310の左右に配置された円筒形状のガイド312に沿って昇降可能である。
上可動体上部分320は、可動体ユニット本体部310の前面側に配置されており、ロゴ役物40fの上側の部分を構成する部材である。
上可動体下部分330は、可動体ユニット本体部310の前面側に配置されており、ロゴ役物40fの下側の部分を構成する部材である。
上可動体装飾部分340は、上可動体上部分320及び上可動体下部分330の前面側に配置されており、ロゴ役物40fの文字部分及び文字部分の周囲に配置された装飾部分を構成する部材である。
上可動体装飾部分340の裏面には、裏面側に突出する複数のピンが設けられており、複数のピンは、上可動体上部分320や上可動体下部分330のガイド溝に挿入される。
そして、ガイド溝の内部をピンが移動することにより、上可動体装飾部分340は、上可動体装飾部分340を構成する各パーツが一体化された状態(文字部分が認識可能な状態)から、上可動体装飾部分340を構成する各パーツが分離された状態(文字部分が認識困難な状態)に移行することができる。
上可動体上部分320、上可動体下部分330及び上可動体装飾部分340により構成されるロゴ役物40fは、原点位置(上端位置、収納位置)から可動位置(下端位置)まで移動可能な可動体である。
また、ロゴ役物40fは、分離可能な上可動体上部分320(第1可動体)及び上可動体下部分330(第2可動体)を含んでいる。
図6は、昇降ユニット400の分解斜視図である。
昇降ユニット400は、左右の支柱部分412、及び、左右の支柱部分412を接続する天井部分414を含む昇降ユニット本体部410を備えている。
左右の支柱部分412には、それぞれ、上可動体モータ420と、モータギア422と、アイドルギア424と、第1上可動体昇降ラック426と、上可動体昇降ピニオンギア434と、第2上可動体昇降ラック440と、固定ラック450とが配置されている。
〔左右別の構成〕
ここで、上記の上可動体モータ420(駆動体)には、詳細には左右に分かれた左上可動体モータ420b及び右上可動体モータ420aがあり、これらは互いに協働して動作する。同様に、第1上可動体昇降ラック426(駆動体、保持部材)には、第1左上可動体昇降ラック426b及び第1右上可動体昇降ラック426aがあり、また、第2上可動体昇降ラック440(駆動体、保持部材)には、第2左上可動体昇降ラック440b及び第2右上可動体昇降ラック440aがある。このため以降の説明では、左右別の構成があるものについては、適宜参照符号を分けて称することとする。
上可動体モータ420(第1駆動体、第2駆動体)は、ロゴ役物40fの駆動源となるモータである。なお、図中左側の上可動体モータ420は、左上可動体モータ420bであり、図中右側の上可動体モータ420は、右上可動体モータ420aである。
モータギア422は、上可動体モータ420(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)が回転することにより回転するギアである。
アイドルギア424は、モータギア422の回転に伴って回転するギアであり、下側のアイドルギア424はモータギア422と噛み合っており、上側のアイドルギア424は第1上可動体昇降ラック426(第1左上可動体昇降ラック426b,第1右上可動体昇降ラック426a)の歯列部428と噛み合っている。なお、2つのアイドルギア424は、図中では前後方向に離れて図示している。
第1上可動体昇降ラック426(第1左上可動体昇降ラック426b,第1右上可動体昇降ラック426a)は、アイドルギア424に噛み合う歯列部428、上可動体昇降ピニオンギア434と連結する結合ピン430、及び、第1上可動体昇降ラック426を上方に引っ張る板バネ432を有する。
上可動体昇降ピニオンギア434は、結合ピン430に連結されているため、第1上可動体昇降ラック426(第1左上可動体昇降ラック426b,第1右上可動体昇降ラック426a)の上下動に合わせて昇降する。
また、上可動体昇降ピニオンギア434は、第2上可動体昇降ラック440(第2左上可動体昇降ラック440b,第2右上可動体昇降ラック440a)と固定ラック450との間に挟まれて配置されている。
第2上可動体昇降ラック440(第2左上可動体昇降ラック440b,第2右上可動体昇降ラック440a)は、上可動体昇降ピニオンギア434と噛み合う歯列部442を有し、上可動体昇降ピニオンギア434の回転に伴って昇降する。
固定ラック450は、上可動体昇降ピニオンギア434と噛み合う歯列部452を有し、支柱部分412に固定されている。
図7は、ストッパユニット500の分解斜視図である。
ストッパユニット500は、左右のベース部分510を備えている。
左右のベース部分510には、それぞれ、ストッパソレノイド520と、中間ストッパ530と、下ストッパ540とが配置されている。
図示の例では、ストッパソレノイド520が作動していない状態(未通電時)を示しており、中間ストッパ530のフック部分532が第1突起部471(図12参照)を受ける状態となっているとともに、下ストッパ540のフック部分542が第2突起部472(図12参照)を受けない状態となっている。
なお、ストッパソレノイド520が作動すると(通電時の状態となると)、中間ストッパ530のフック部分532が第1突起部471(図13参照)を受けない状態となり、下ストッパ540のフック部分542が第2突起部472(図13参照)を受ける状態となる。
中間ストッパ530及び下ストッパ540により構成されるストッパは、ロゴ役物40fを移動経路(落下経路)の途中で停止する停止状態、及び、ロゴ役物40fを移動経路の途中で停止しない非停止状態に移行可能な停止部材である。
また、中間ストッパ530及び下ストッパ540により構成されるストッパは、連動して動作するとともに停止状態と非停止状態とが逆の状態となる中間ストッパ530(第1停止部材)及び下ストッパ540(第2停止部材)を含んでいる。
そして、中間ストッパ530が停止状態に移行しており、かつ、下ストッパ540が非停止状態に移行している場合には上可動体上部分320は中間ストッパ530によって移動経路の途中で停止するとともに上可動体下部分330は上可動体上部分320から分離して可動位置方向に移動し(図13参照)、中間ストッパ530が非停止状態に移行しており、かつ、下ストッパ540が停止状態に移行している場合には上可動体上部分320は上可動体下部分330と一体になって可動位置方向に移動するとともに上可動体下部分330は下ストッパ540によって移動経路の途中で停止する(図12参照)。
図8~図13は、ロゴ役物ユニット200の動作について説明する図である。なお、図8~図11は、ロゴ役物ユニット200の左側部分を拡大して示しているので、右側部分については対称に考えればよい。
図8に示すように、左右の上可動体モータ(左上可動体モータ420b及び右上可動体モータ420a)を回転させると、左右のモータギア422が回転し、左右のモータギア422に接合している左右のアイドルギア424が回転する。
左右のアイドルギア424が回転すると、アイドルギア424に接合している左右の第1上可動体昇降ラック426(第1左上可動体昇降ラック426b,第1右上可動体昇降ラック426a)が可動し、それに伴い左右の上可動体昇降ピニオンギア434が回転し、左右の第2上可動体昇降ラック440(第2左上可動体昇降ラック440b,第2右上可動体昇降ラック440a)が可動する。
そして、図9及び図10に示すように、左右の第2上可動体昇降ラック440(第2左上可動体昇降ラック440b,第2右上可動体昇降ラック440a)が可動すると、第2上可動体昇降ラック440(第2左上可動体昇降ラック440b,第2右上可動体昇降ラック440a)が左右の上可動体昇降ロックリンク460を押し下げる。
これにより、左右の上可動体昇降ロックリンク460に連結されている左右の原点ストッパ462が回転し、上可動体(上可動体下部分330)の保持が解除されることにより上可動体(上可動体上部分320及び上可動体下部分330)が落下する。
ここで、図10に示すように、上可動体上部分320の左右の側面に対応する位置には、第1突起部471が配置されており、上可動体下部分330の左右の側面に対応する位置には、第2突起部472が配置されている。
〔未通電時〕
図11に示すように、上可動体が落下した際、左右のストッパソレノイド520が未通電時である場合には、左右のプランジャ522及び左右のプランジャ522に連結されている左右のプランジャヘッド524が可動せず、プランジャヘッド524に連結されている左右の中間ストッパ530及び左右の下ストッパ540も可動しない。
図示の例では、中間ストッパ530は、中間ストッパ530のフック部分532が第1突起部471(図12参照)を受ける状態となっているとともに、下ストッパ540のフック部分542が第2突起部472(図12参照)を受けない状態となっている。
このような状況で、上可動体が落下すると、中間ストッパ530と上可動体上部分320の側面側に配置されている第1突起部471とが接触することで図12に示す状態にて停止する。
〔通電時〕
一方、上可動体が落下した際、左右のストッパソレノイド520が通電時である場合には、図11に示すように、左右のプランジャ522及び左右のプランジャ522に連結されている左右のプランジャヘッド524が可動し、プランジャヘッド524に連結されている左右の中間ストッパ530及び左右の下ストッパ540が可動する。
この場合、中間ストッパ530のフック部分532が第1突起部471(図13参照)を受けない状態となっているとともに、下ストッパ540のフック部分542が第2突起部472(図13参照)を受ける状態となる。
このような状況で、上可動体が落下すると、下ストッパ540と上可動体下部分330の側面側に配置されている第2突起部472とが接触することで図13に示す状態にて停止する。
図14は、上可動体の位置検出機構の詳細を示す図である。なお、図14においては、モータやギア等の部材に関しては図示を省略している。
上可動体の位置検出機構としては、上位置検出部301(検出手段、第1センサ、第2センサ)、中位置検出部302、及び、下位置検出部303がある。
上位置検出部301(第1検出手段、第2検出手段)には、左右に2個のフォトセンサ(左フォトセンサ301b,右フォトセンサ301a)が配置されており、上可動体が上位置(例えば原点位置)に配置されているか否かを検出する。なお、原点位置は移動経路の終端の1つである(もう1つの終端は可動位置とする。)。
中位置検出部302には、左右に2個のフォトセンサが配置されており、上可動体が中位置(例えば原点位置と可動位置の間の特定の位置)に配置されているか否かを検出する。
下位置検出部303には、左右に2個のフォトセンサが配置されており、上可動体が下位置(例えば可動位置)に配置されているか否かを検出する。
ロゴ役物40fの所定の位置には、各フォトセンサ(左フォトセンサ301b,右フォトセンサ301aを含む)を遮光する遮光板が取り付けられており、遮光板がフォトセンサを遮る状態にあるときに、演出制御装置124は、ロゴ役物40fが上記の各位置にあると判断することができる。
なお、フォトセンサ(左フォトセンサ301b,右フォトセンサ301a)が左右に分かれて配置されているのは、以下の理由による。
先ず、本実施形態では、ロゴ役物40fが可動体ユニット本体部310、上可動体上部分320、上可動体下部分330及び複数の上可動体装飾部分340から構成されており(図5)、全体として大型である上、構造が複雑であるため重量が比較的大きい。このため、本実施形態では左右の2つのモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)が協働してロゴ役物40fを移動させる構成を採用しており、いずれか一方のモータの駆動力だけではロゴ役物40fを移動(特に上昇)させることは困難である(下降、落下時の移動は自重により可能。)。
このとき、左上可動体モータ420bについては第2左上可動体昇降ラック440bを介してロゴ役物40f(可動体ユニット本体部310)の左側部位に駆動力を伝達し、右上可動体モータ420aについては第2右上可動体昇降ラック440aを介してロゴ役物40f(可動体ユニット本体部310)の右側部位に駆動力を伝達する(第1駆動体、第2駆動体)。そして、ロゴ役物40f(可動体ユニット本体部310)は左右別々のガイド312に沿って昇降する構造であることから、構造ないし機構上は左側部位と右側部位が別々に原点位置を有していることになる。
したがって、左上可動体モータ420b及び第2左上可動体昇降ラック440bからの駆動力に基づくロゴ役物40fの原点位置(左側の終端)への到達については左フォトセンサ301bにより検知(検出)し、右上可動体モータ420a及び第2右上可動体昇降ラック440aからの駆動力に基づくロゴ役物40fの原点位置(右側の終端)への到達については右フォトセンサ301aにより検知(検出)することとしている。演出制御装置(演出制御CPU)は、左右のフォトセンサ301b,301aからの検出信号(センサ信号)に基づいて各モータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)の動作を個別に(独立して)制御する。なお、ロゴ役物40fの上昇時(原点位置復帰時)に左右別に原点位置(終端)への到達を検出することによる左上可動体モータ420b及び右上可動体モータ420aの動作制御についてはさらに後述する。
図15は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、上始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、下始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図16は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97が設けられている。これらソレノイド88,90,97は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に上可動体モータ420(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)、ストッパソレノイド520、位置検出部(上位置検出部301、中位置検出部302、下位置検出部303)が接続されている。上可動体モータ420(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)は、上述したリンク機構等を介して上記のロゴ役物40fを駆動する。ストッパソレノイド520は、上可動体モータ420(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)の落下状態を変化させる中間ストッパ530及び下ストッパ540を駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53、上可動体モータ420、ストッパソレノイド520にそれぞれ印加される。
一方、位置検出部(上位置検出部301、中位置検出部302、下位置検出部303)は、ロゴ役物40fの位置情報を取得するためのセンサであり、位置検出部からの出力信号は、パネル電飾基板138を経由して演出制御装置124(演出制御CPU126)に入力される。また、上記のように、上位置検出部301には左フォトセンサ301b及び右フォトセンサ301aが含まれる。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図17及び図18は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、電断復帰コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。電断復帰コマンドは、電源が投入されたことを示すコマンドであり、電源投入時に、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(電断復帰コマンド、RAMクリアコマンド等を含む演出制御に必要なコマンド)を出力する。RAMクリアコマンドは、RAMクリアスイッチの押下によって主制御装置70のRAM76がクリアされたことを示すコマンドであり、電源投入時に、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される。なお、イニシャル動作(詳細は後述)は、主制御装置70からの電断復帰コマンド又はRAMクリアコマンドの受信時に、演出制御装置124によって実行される役物確認動作である。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図18に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図20中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図20中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図20)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図19は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図17)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図20は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、普通図柄記憶更新処理、第1特別図柄記憶更新処理、第2特別図柄記憶更新処理等を実行する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球4個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図20中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄抽選の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄抽選の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(電断復帰コマンド、RAMクリアコマンド等を含む演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
次に、主制御装置70から送信される情報(コマンド)に基づいて各種演出を実行する演出制御装置124について説明する。演出制御装置124により実行される各種演出は、以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図21は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、システム動作管理処理(S400a)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、賞球内容コマンド、電断復帰コマンド、RAMクリアコマンド等がある。
ステップS400a:システム動作管理処理では、演出制御CPU126は、例えば電断復帰後のシステム動作を管理する処理を実行する。なお、システム動作管理処理の詳細は後述する。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、特別図柄の記憶数に関する記憶数表示演出(例えば、記憶数に応じた記憶マーカを表示する演出)の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126はロゴ役物40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。ロゴ役物40fは上可動体モータ420(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)やストッパソレノイド520等を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。ロゴ役物40fによる演出は、原点位置からの落下や落下後の原点位置への復帰等の移動を伴って行われる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔システム動作管理処理〕
図22は、システム動作管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、上可動体イニシャル動作の実行条件を満たしているか否かを確認する。この確認は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、電断復帰コマンド又はRAMクリアコマンドが記憶されているか否かにより確認することができる。電断復帰コマンド又はRAMクリアコマンドがRAM130のコマンドバッファ領域に記憶されている場合、演出制御CPU126は、上可動体イニシャル動作の実行条件を満たしていると判断することができる。なお、上可動体イニシャル動作の実行条件は、上可動体に関するエラー状態が発生した場合に満たされる条件としてもよい。
その結果、上可動体イニシャル動作の実行条件を満たしていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。一方、上可動体イニシャル動作の実行条件を満たしていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS704を実行する。
ステップS702:演出制御CPU126は、上可動体イニシャル動作実行処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、どのような種類の上可動体イニシャル動作を実行するかを決定する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS704:演出制御CPU126は、その他システム動作実行処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、上可動体以外の可動体に関するシステム動作実行処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図21)に復帰する。
〔上可動体イニシャル動作実行処理〕
図23は、上可動体イニシャル動作実行処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS750:演出制御CPU126は、左上可動体モータ420bのインデックス状態をチェックする処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、上位置検出部301の左側のフォトセンサ(左フォトセンサ301b)の遮光状態をチェックする処理を実行する。
ステップS752:演出制御CPU126は、ロゴ役物40fが落下状態にあるか否かを確認する。この確認は、上位置検出部301の左側のフォトセンサ(左フォトセンサ301b)の出力信号に基づいて判断することができる。上位置検出部301の左側のフォトセンサ(左フォトセンサ301b)の出力信号が遮光状態に対応する信号(例えば、Highレベル)でない場合、演出制御CPU126は、ロゴ役物40fが落下状態にある(原点位置にない)と判断することができる。なお、ここでは左フォトセンサ301bの出力信号(検出信号)を用いて落下状態か否かを判断しているが、右フォトセンサ301aの出力信号を用いてもよいし、左右両方の出力信号を用いて判断してもよい。
その結果、ロゴ役物40fが落下状態にあることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS754を実行する。一方、ロゴ役物40fが落下状態にあることを確認できない場合(No)、すなわち、ロゴ役物40fが原点位置にある場合、演出制御CPU126はステップS760を実行する。
ステップS754:演出制御CPU126は、イニシャル準備動作1を実行する。イニシャル準備動作1の詳細は後述する。
ステップS756:演出制御CPU126は、イニシャル準備動作2を実行する。イニシャル準備動作2の詳細は後述する。
ステップS758,ステップS760:演出制御CPU126は、通常のイニシャル動作を実行する。通常のイニシャル動作の詳細は後述する。
なお、イニシャル準備動作1,2及び通常のイニシャル動作は、プログラミング化(テーブル化)されている。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126はシステム動作管理処理(図22)に復帰する。
図24は、イニシャル準備動作1の詳細を示す図である。
イニシャル準備動作1は、左上可動体モータ420bを動作させる処理である。なお、右上可動体モータ420aは励磁方向の違いのみであるため、図示は省略する(以下のイニシャル準備動作2及び通常のイニシャル動作でも同様)。
ここで、図中の「役物動作」は上可動体(ロゴ役物40f)をどのように動作させるかを示しており、「移動ステップ」は左上可動体モータ420bのステップ数を示しており、「タイマ(ms)」は左上可動体モータ420bを動作させる又は動作させない時間を示しており、「速度(pps)」は上可動体の移動速度を示しており、「回転方向」は左上可動体モータ420bの回転方向(励磁方向)を示しており、「インデックス検出」はフォトセンサの検出状態(検出条件)を示しており、「備考」は各段階で実行される制御処理等を示しており、「ソレノイド」はストッパソレノイド520の状態を示している。なお、「速度(pps)」は左上可動体モータ420bの回転速度として考えてもよい(図中の数値は変換する必要あり。)。
イニシャル準備動作1は、1段階目から11段階目までの段階を備える。
〔1段階目~5段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、1段階目から4段階目までは「5」であり、5段階目は「450(マージン713)」である。
タイマは、1段階目から5段階目まで順番に、「49.46」、「32.55」、「24.74」、「14.32」、「937.5(マージン1485.42)」である。
速度は、1段階目から5段階目まで順番に、「101.1」、「153.6」、「202.1」、「349.1」、「480」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出は、Highレベルである。
備考は、1段階目から4段階目までは「(A)」であり、5段階目は「下位置インデックス検知動作マージンは713ステップに設定、かつ、(A)」である。なお、「(A)」は、「インデックス検出は連続検知に該当し、Highレベル検知後は、現在の処理を終了して〔6段階目〕に移行する。」という内容である。
ストッパソレノイドは、「OFF」である。
すなわち、1段階目から5段階目までの間でセンサの検出状況を監視し、上可動体がセンサで検出されると6段階目以降で行われる押し込み動作に移行するようになっている。また、モータによる脱調等を防止するために移動速度も徐々に速くしている。
〔6段階目~9段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、6段階目及び7段階目は「4」であり、8段階目は「3」であり、9段階目は「2」である。
タイマは、6段階目から9段階目まで順番に、「11.46」、「19.79」、「19.53」、「19.78」である。
速度は、6段階目から9段階目まで順番に、「349.1」、「202.1」、「153.6」、「101.1」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出及び備考は、無しである。
ストッパソレノイドは、「OFF」である。
すなわち、上可動体の検出に基づいて押し込み動作を実行する。また、モータによる速度を徐々に戻すようにしている。
〔10段階目及び11段階目〕
役物動作は、「停止」である。
移動ステップ、速度、回転方向、インデックス検出は、無しである。
タイマは、10段階目は「10」であり、11段階目は「90」である。
備考は、10段階目は「励磁維持」であり、11段階目は「励磁無し」である。
ストッパソレノイドは、「OFF」である。
すなわち、モータを停止するための動作を実行している。
イニシャル準備動作1は、イニシャル準備動作2を実行する前に実行する動作である。イニシャル準備動作1を実行することにより、演出制御装置124は、イニシャル準備動作2(復帰動作)を実行する前に、上可動体を下端部の位置(可動位置)まで移動させることができる(復帰動作実行手段)。
図25は、イニシャル準備動作2の詳細を示す図である。
イニシャル準備動作2は、1段階目から27段階目までの段階を備える。
〔1段階目、8段階目、15段階目、22段階目、26段階目〕
役物動作は、「上昇」である。
移動ステップは、1段階目、8段階目、15段階目及び22段階目は「240」であり、26段階目は「360」である。
タイマは、1段階目、8段階目、15段階目及び22段階目は「2000」であり、26段階目は「3000」である。
速度は、「120」である。
回転方向は、「CW2(時計回り)」である。
インデックス検出及び備考は、無しである。
ストッパソレノイドは、1段階目、15段階目及び26段階目は「OFF」であり、8段階目及び22段階目は「ON」である。
〔2~4段階目、6,7段階目、9~11段階目、13,14段階目、16~18段階目、20,21段階目、23~25段階目〕
役物動作は、「停止」である。
移動ステップ、速度、回転方向、インデックス検出は無しである。
タイマは、2段階目、6段階目、9段階目、13段階目、16段階目、20段階目及び23段階目は「10」であり、3段階目、7段階目、10段階目、14段階目、17段階目、21段階目及び24段階目は「90」であり、4段階目、11段階目、18段階目、及び25段階目は「100」である。
備考は、2段階目、6段階目、9段階目、13段階目、16段階目、20段階目及び23段階目は「励磁維持」であり、3段階目、4段階目、7段階目、10段階目、11段階目、14段階目、17段階目、18段階目、21段階目、24段階目及び25段階目は「励磁無し」である。
ストッパソレノイドは、2段階目、3段階目、11段階目、13段階目、14段階目、16段階目、17段階目、25段階目は「OFF」であり、4段階目、6段階目、7段階目、9段階目、10段階目、18段階目、20段階目、21段階目、23段階目、24段階目は「ON」である。
〔5段階目、12段階目、19段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、「60」である。
タイマは、「500」である。
速度は、「120」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出及び備考は、無しである。
ストッパソレノイドは、5段階目及び19段階目は「ON」であり、12段階目は「OFF」である。
〔27段階目〕
役物動作は、動作せずにレベルチェックを行う動作である。
移動ステップ、速度及び回転方向は、無しである。
タイマは、「100」である。
インデックス検出は、Highレベルである。
備考は、インデックス検出は連続検知に該当し、上位置のHighレベル検知後は、現在の処理を終了するという内容と、励磁無しという内容である。
ストッパソレノイドは、「OFF」である。
このようなイニシャル準備動作2を実行することにより、演出制御装置124は、上可動体の初期動作時に上可動体が原点位置(上端位置)に配置されていない場合、上可動体を原点位置に向かう原点位置方向に第1所定量移動させ、上可動体を可動位置(下端位置)に向かう可動位置方向に第1所定量よりも少ない第2所定量移動させるとともに、第1所定量の移動及び第2所定量の移動を1周期としたときに1周期毎にストッパソレノイド520の停止状態と非停止状態とを切り替える復帰動作を少なくとも2周期分実行することができる(復帰動作実行手段)。
また、26段階目における「上昇」動作は、最後の上昇動作(22段階目における「上昇動作」)をさらに確実にするための補助動作(保険的な動作)となっている。このような動作を実行することで、イニシャル準備動作を確実に完了させることができる。
例えば、1周期目は、5段階目から11段階目であり、2周期目は12段階目から18段階目であり、3周期目は19段階目から25段階目である。なお、1周期は、ストッパソレノイドのON・OFFが切り替わるタイミングから始まるものとしてもよい。
図26及び図27は、通常のイニシャル動作の詳細を示す図である。
通常のイニシャル動作は、1段階目から33段階目までの段階を備える。
なお、ストッパソレノイド520に関しては特に図示していないが、ONであってもOFFであってもよく、イニシャル準備動作1,2のように、上可動体の動作に合わせてON又はOFFに設定してもよい。
〔1段階目〕
役物動作は、「停止」である。
移動ステップ、速度、回転方向、インデックス検出は、無しである。
タイマは、「100」である。
備考は、「励磁無し」である。
〔2段階目~6段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、2段階目から5段階目までは「5」であり、6段階目は「442(マージン713)」である。
タイマは、2段階目から6段階目まで順番に、「49.46」、「32.55」、「24.74」、「14.32」、「920.83(マージン1485.42)」である。
速度は、2段階目から6段階目まで順番に、「101.1」、「153.6」、「202.1」、「349.1」、「480」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出は、Highエッジである。
備考は、2段階目から5段階目までは「(A)」であり、6段階目は「下位置インデックス検知動作マージンは713ステップに設定、かつ、(A)」である。なお、「(A)」は、「インデックス検出はエッジ検知に該当し、Highエッジ検知後は、現在の処理を終了して〔7段階目〕に移行する。」という内容である。
〔7段階目~10段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、7段階目及び8段階目は「4」であり、9段階目は「3」であり、10段階目は「2」である。
タイマは、7段階目から10段階目まで順番に、「11.46」、「19.79」、「19.53」、「19.78」である。
速度は、7段階目から10段階目まで順番に、「349.1」、「202.1」、「153.6」、「101.1」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出及び備考は、無しである。
〔11段階目及び12段階目〕
役物動作は、「停止」である。
移動ステップ、速度、回転方向、インデックス検出は、無しである。
タイマは、11段階目は「1000」であり、12段階目は「10」である。
備考は、11段階目は「励磁維持」であり、12段階目は「励磁無し」である。
〔13段階目~16段階目〕
役物動作は、「上昇」である。
移動ステップは、13段階目から15段階目までは「5」であり、16段階目は「425(マージン713)」である。
タイマは、13段階目から16段階目まで順番に、「49.46」、「32.55」、「24.74」、「1328.13(マージン2228.13)」である。
速度は、13段階目から16段階目まで順番に、「101.1」、「153.6」、「202.1」、「320」である。
回転方向は、「CW2(時計回り)」である。
インデックス検出は、Highエッジである。
備考は、13段階目から15段階目までは「(B)」であり、16段階目は「上位置インデックス検知動作マージンは713ステップに設定、かつ、(B)」である。なお、「(B)」は、「インデックス検出はエッジ検知に該当し、Highエッジ検知後は、現在の処理を終了して〔17段階目〕に移行する。」という内容である。
〔17段階目~20段階目〕
役物動作は、「上昇」である。
移動ステップは、17段階目及び18段階目は「6」であり、19段階目は「23」であり、20段階目は「100」である。
タイマは、17段階目から20段階目まで順番に、「29.69」、「39.06」、「227.5」、「989.12」である。
速度は、17段階目から20段階目まで順番に、「202.1」、「153.6」、「101.1」、「101.1」である。
回転方向は、「CW2(時計回り)」である。
インデックス検出は、17段階目から19段階目までは無しであり、20段階目はHighレベルである。なお、インデックス検出は連続検知に該当し、Highレベル検知後は、現在の処理を終了する。
備考は、無しである。
〔21段階目及び22段階目〕
役物動作は、「停止」である。
移動ステップ、速度、回転方向、インデックス検出は、無しである。
タイマは、21段階目は「10」であり、22段階目は「90」である。
備考は、21段階目は「励磁維持」であり、22段階目は「励磁無し」である。
〔23段階目~27段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、23段階目から26段階目までは「5」であり、27段階目は「432(マージン713)」である。
タイマは、23段階目から27段階目まで順番に、「49.46」、「32.55」、「24.74」、「14.32」、「900.00(マージン1485.42)」である。
速度は、23段階目から27段階目まで順番に、「101.1」、「153.6」、「202.1」、「349.1」、「480」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出は、Highエッジである。
備考は、23段階目から26段階目までは「(C)」であり、27段階目は「中位置インデックス検知動作マージンは713ステップに設定、かつ、(C)」である。なお、「(C)」は、「インデックス検出はエッジ検知に該当し、Highエッジ検知後は、現在の処理を終了して〔28段階目〕に移行する。」という内容である。
〔28段階目~31段階目〕
役物動作は、「下降」である。
移動ステップは、28段階目から31段階目まで順番に、「8」、「6」、「5」、「4」である。
タイマは、28段階目から31段階目まで順番に、「22.92」、「29.69」、「32.55」、「39.56」である。
速度は、28段階目から31段階目まで順番に、「349.1」、「202.1」、「153.6」、「101.1」である。
回転方向は、「CCW2(反時計回り)」である。
インデックス検出及び備考は、無しである。
〔32段階目及び33段階目〕
役物動作は、「停止」である。
移動ステップ、速度、回転方向、インデックス検出は、無しである。
タイマは、32段階目は「10」であり、33段階目は「490」である。
備考は、32段階目は「励磁維持」であり、33段階目は「励磁無し」である。
このような通常のイニシャル動作を実行することにより、演出制御装置124は、イニシャル準備動作1及びイニシャル準備動作2を実行した後であっても、通常のイニシャル動作を実行することができ、復帰動作の確実性を向上させることができる。
なお、イニシャル動作に関しては、インデックス抜け対策として、押し込み動作終了から所定時間後(例えば500ms後)に、再度インデックスのレベル検出を行うことで、可動体が確実に原点位置にあるか否かを監視するようにすることもできる。
〔上昇時のモータ動作制御〕
次に、ロゴ役物40fを原点位置(移動経路の終端)に上昇移動させる際のモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)の制御についてさらに詳しく説明する。
図28は、ロゴ役物40fの上昇時の制御に関する構成を概念的に示した図である。上記のように本実施形態では、2つのモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)が協働して駆動力を発揮することでロゴ役物40fの上昇が可能となっている。このとき各モータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)は、対応する第2上可動体昇降ラック440(第2左上可動体昇降ラック440b,第2右上可動体昇降ラック440a)を介して左側部位と右側部位にそれぞれ駆動力を伝達し、ロゴ役物40fを原点位置まで上昇させる。
上記のように、本実施形態では機構上の理由から、ロゴ役物40fの左側部位と右側部位でそれぞれに原点位置の検出が行われる。すなわち、ロゴ役物40fの原点位置(終端)への到達は、左右別々の上位置検出部301(左フォトセンサ301b,右フォトセンサ301a)で検出され、左側部位では第2左上可動体昇降ラック440bの遮光片部(図示していない)が左フォトセンサ301bを遮光状態にすると左検出信号が出力され、右側部位では第2右上可動体昇降ラック440aの遮光片部(図示していない)が右フォトセンサ301aを遮光状態にすると右検出信号が出力される。また、各検出信号は、演出制御CPU126に入力される。なお、図28ではパネル電飾基板138の図示を省略している。
演出制御CPU126は、2つのモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)を互いに独立して制御することができ、ロゴ役物40fの上昇動作時においては、それぞれの出力の回転方向(CCW2/CW2)及び回転速度を個別に制御している(駆動制御手段)。このため演出制御CPU126のROM128には、予め上昇時の制御に適した制御テーブルが左右別々に記憶されており、具体的には、左上可動体モータ動作テーブル421b及び右上可動体モータ動作テーブル421aが格納されている。演出制御CPU126は、ロゴ役物40fを原点位置に上昇(移動)させる際、左上可動体モータ動作テーブル421bに基づいて左上可動体モータ420bの動作を制御し、右上可動体モータ動作テーブル421aに基づいて右上可動体モータ420aの動作を制御する。
〔上可動体モータ動作テーブルの例〕
図29は、左上可動体モータ動作テーブル421bの構成例を示す図である。なお、右上可動体モータ動作テーブル421aの構成例については、左上可動体モータ動作テーブル421bと回転方向を逆(CW2→CCW2)として考えればよい。
図29のテーブルに示されるように、ロゴ役物40fの上昇時の動作は、1段階目から8段階目まである。なお、ここに挙げた1段階目から8段階目までの動作は、先に挙げた「通常のイニシャル動作(1/2)」及び「通常のイニシャル動作(2/2)」における13段階目から20段階目に相当する(各段階の内容は同じ)ものであり、図29には1~8までの各段階番号に「通常のイニシャル動作(1/2)」及び「通常のイニシャル動作(2/2)」における段階番号を括弧書きで付している。
〔特記事項〕
ただし、ロゴ役物40fの上昇動作は電源ON時のイニシャル動作としてだけでなく、実際に遊技が行われている間にリーチ演出(図柄変動中の演出)等を実行中にロゴ役物40fを落下させた後、原点位置へ復帰させる場合の動作としても行われる。この場合の制御は、演出制御処理中のその他の処理(図21中のステップS412)で演出制御CPU126が実行することができる。したがって、各段階(1段階目から8段階目)の内容については、繰り返しになるためここでは説明を省略するが、以下に、図29に示す4段階目と8段階目の備考について特記する。
〔4段階目の備考〕
4段階目の備考は、「自己の上位置インデックス検知動作マージンは713ステップに設定、かつ、(B)」というものであるが、これは、「左フォトセンサ301bからのHighエッジ検出信号を検知するまでは、左上可動体モータ420bの移動ステップに713ステップのマージンを設定して上昇動作を行い、Highエッジ検出信号を検知すると現在の処理を終了して〔5段階目〕に移行する。」という内容である。また、右上可動体モータ動作テーブル421aについては、内容を左右対称に考えればよい。
〔8段階目の備考〕
8段階目の備考は、「他方の上位置インデックス検知」というものであるが、これは、「右フォトセンサ301aからのHighレベル検出信号を検知するまで左上可動体モータ420bについて現在の処理を継続し、右フォトセンサ301aからHighレベル検出信号を検知すると現在の処理を終了する。」というものである。また、右上可動体モータ動作テーブル421aについては、内容を左右対称に考えればよい。
図30は、ロゴ役物40fの上昇時の制御シーケンス図である。以下、制御の流れに沿って説明する。
〔上昇動作開始指示〕
ステップS900,S901:演出制御CPU126は、タイミングを同じくして左上可動体モータ420b及び右上可動体モータ420aに対し、それぞれ個別に上昇動作開始を指示する。このとき、左上可動体モータ420bについては左上可動体モータ動作テーブル421bの内容に基づいて出力の回転方向(CW2)及び速度(移動ステップ数、タイマ)が制御され、右上可動体モータ420aについては右上可動体モータ動作テーブル421aの内容に基づいて出力の回転方向(CCW2)及び速度(移動ステップ数、タイマ)が制御される。
〔1段階目~4段階目:上昇動作〕
ステップS902,S904:左上可動体モータ420b及び右上可動体モータ420aは、各テーブル421b,421aの1段階目から4段階目の内容に基づく動作を実行する。これにより、第2左上可動体昇降ラック440b及び第2右上可動体昇降ラック440aを介してロゴ役物40fに駆動力が伝達され、上昇動作が行われる。
〔左フォトセンサ301bのインデックスエッジ検知〕
ステップS906:左上可動体モータ420bが上記の1段階目から4段階目までの各内容に基づく上昇動作の実行中、いずれかの段階で左フォトセンサ301bからのHighエッジ検出信号が出力される。なお、いずれの段階でHighエッジ検出信号が出力されるかは、上昇動作前のロゴ役物40fや各種機構部品の状態によってばらつきが生じる。
したがって、左フォトセンサ301bからHighエッジ検出信号が出力されるタイミングと、右フォトセンサ301aからHighエッジ検出信号が出力されるタイミングは必ずしも一致しているわけではない。なお、左右のフォトセンサ301a,301bから出力されるHighエッジ検出信号は、実際には演出制御CPU126によるモータ制御処理上で検知の判断がなされる。
〔左右の時間差発生〕
ここで、実際に左フォトセンサ301bのインデックスエッジ検知タイミングと右フォトセンサ301aのインデックスエッジ検知タイミングに時間差があり、例えば、ステップS906で左フォトセンサ301bから先にインデックスエッジ検知がなされたが、右フォトセンサ301aについては未だインデックス検知がされておらず、同タイミングではステップS908に至らない場合を想定する。
〔5段階目~7段階目:左上可動体モータ420b押し込み動作〕
ステップS910:左フォトセンサ301bからHighエッジ検出信号が出力されたことに伴い、左上可動体モータ420bでは、左上可動体モータ動作テーブル421bの5段階目から7段階目の内容に基づく動作を実行する。これにより、第2左上可動体昇降ラック440bを介してロゴ役物40fの左側部位に駆動力が伝達され、原点位置到達後の押し込み動作が行われる。
〔右上可動体モータ420a上昇動作〕
〔継続〕ステップS904:これに対し、左上可動体モータ420bが5段階目から7段階目までの押し込み動作に移行しても、同タイミングで未だ右フォトセンサ301aからHighエッジ検出信号が出力されていないので、右上可動体モータ420aについては4段階目までの上昇動作が行われている。
〔左上可動体モータ420bによる8段階目の押し込み動作継続〕
ステップS914:また、左上可動体モータ420bの押し込み動作が7段階目まで終了しても、未だ右側部分ではロゴ役物40fが原点位置(移動経路の終端)に到達できておらず、他方である右フォトセンサ301aからはHighレベル検出信号の出力が確認できていなければ、左上可動体モータ420bは8段階目の押し込み動作を継続する。これにより、他方の右上可動体モータ420aが上昇動作を行っている間は、左上可動体モータ420bが押し込み動作継続に伴い上昇方向への駆動力を発生することで、両者の協働によりロゴ役物40fを円滑に上昇させることができる。
〔右フォトセンサ301aインデックスエッジ検知〕
ステップS908:そして、ロゴ役物40fの右側部分が原点位置(移動経路の終端)に到達すると、このタイミングで右フォトセンサ301aからHighエッジ検出信号が出力される。
〔右上可動体モータ420a5段階目~7段階目押し込み動作〕
ステップS912:これにより右上可動体モータ420aは、右上可動体モータ動作テーブル421aの5段階目から7段階目の内容に基づく動作に移行する。ここでは、第2右上可動体昇降ラック440aを介してロゴ役物40fの右側部位に駆動力が伝達され、原点位置到達後の押し込み動作が行われる。
〔左上可動体モータ420b動作終了〕
ステップS918:先のステップS908で右フォトセンサ301aインデックスエッジ検知からHighエッジ検出信号が出力された後であるため、左上可動体モータ420bが8段階目の押し込み動作中に右フォトセンサ301aのHighレベル検出信号を確認することができる。これにより、左上可動体モータ420bは上昇動作(押し込み動作)を終了する。
〔右上可動体モータ420a動作終了〕
ステップS916:5段階目から7段階目までの押し込み動作を終了すると、右上可動体モータ420aも8段階目の押し込み動作に移行する。
ステップS920:しかしながら、このとき既に他方の左フォトセンサ301bの検出信号がHighレベルであることを確認できることから、右上可動体モータ420aはそのまま上昇動作(押し込み動作)を終了する。
なお、上記の例はロゴ役物40fの左側部分が先に原点位置に到達した場合の例であるが、右側部分が先に到達した場合は左右対称に考えればよい。また、左フォトセンサ301b又は右フォトセンサ301aからHighエッジ検出信号が出力されるタイミングはその都度変化するため、上記のタイミングは一例である。また、Highエッジ検出信号が出力されるのは遮光片部が原点位置に到達して各フォトセンサ301a,301bが遮光状態となった最初のタイミングであり、原点位置到達後はHighレベル検出信号が出力され続ける。
〔その他の例〕
上記の例とは別に、左上可動体モータ420b又は右上可動体モータ420aのいずれか一方が8段階目の押し込み動作を実行中であるが、他方については依然として対応のフォトセンサからHighレベル検出信号の出力が確認できない場合、演出制御CPU126は所定タイミング(例えば押し込み動作の10ステップ後)で左右両方のモータ420a,420bが昇降動作を最初(例えば1段階目)からやり直す再処理を実行することとし、再処理を行ってもなお、両方の上位置でHigh検出信号の出力を検知できない場合、別途エラー状態を設定することとしてもよい。
また、上記の例では、インデックス検知の論理は各フォトセンサ301a,301bのHighエッジ/レベル検知としているが、反転(Lowエッジ/レベル検知)をインデックス検知の論理としてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれは、以下のような効果がある。
(1)ロゴ役物40fを可動位置から原点位置に移動(上昇)させる動作において、左右のモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)が協働して動作を行うが、仮に左フォトセンサ301b又は右フォトセンサ301aの一方から先にインデックスエッジ検出信号が出力された場合でも、他方のインデックスHighレベルが検知されるまでは左右両方のモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)による上昇動作(押し込み動作)を継続することで、ロゴ役物40fの円滑な上昇動作を実現することができる。
(2)上記(1)においても、演出制御CPU126が2つのモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)それぞれに対応した別々のテーブル(左上可動体モータ動作テーブル421b,右上可動体モータ動作テーブル421a)に基づいて出力の回転方向及び速度を制御するため、各モータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)はそれぞれ自己の対応するフォトセンサの検知状況に応じた動作の制御が可能となる。具体的には、左右それぞれに原点位置の到達前は上昇に適した態様(1段階目から4段階目)の動作を実行し、原点位置に到達した後は押し込み動作に適した態様(5段階目から8段階目)の動作を実行することができる。
(3)そして、左右2つのモータ(左上可動体モータ420b,右上可動体モータ420a)が動作を終了するのは、自己及び他方の両方で原点位置(移動経路の終端)への到達が確認できた後となるので、いずれか片方だけが先に動作を終了してしまうことがなく、ロゴ役物40fを確実に原点位置に復帰(到達)させることができる。
また、イニシャル動作に関して以下のような効果もある。
(I)本実施形態によれば、復帰動作を少なくとも2周期分実行するイニシャル準備動作2を実行するため、中間ストッパ530や下ストッパ540が停止状態である場合であっても、中間ストッパ530や下ストッパ540が非停止状態である場合であっても、復帰動作の実行中にいずれは中間ストッパ530や下ストッパ540が非停止状態となる。これにより、中間ストッパ530や下ストッパ540が非停止状態となっている状況で上可動体を原点位置に戻すことができ、上可動体と中間ストッパ530や下ストッパ540の状況に応じた効率の良い復帰処理を実行することができる。
(II)本実施形態によれば、上可動体(ロゴ役物40f)を原点位置方向に第1所定量移動させ、上可動体を可動位置方向に第1所定量よりも少ない第2所定量移動させるため、復帰動作の実行中に第2所定量によって上可動体を可動位置方向に戻すことができ(例えば4段階進んで1段階戻すといった状況を作り出すことができ)、上可動体を原点位置方向だけに移動させる方式と比較して、上可動体が中間ストッパ530や下ストッパ540によって停止した状態で上可動体を移動させてしまうことを極力減らすことができ、結果として、中間ストッパ530や下ストッパ540への負荷を軽減させることができる。
(III)本実施形態によれば、復帰動作を実行する前に、上可動体を可動位置(下端位置)まで移動させるイニシャル準備動作1を実行するため、イニシャル準備動作2による復帰動作の実行前に上可動体を可動位置に移動させることができ、いきなりイニシャル準備動作2による復帰動作を実行する方式と比較して、復帰動作の正確性や確実性を向上させることができる。
(IV)本実施形態によれば、2つの可動体(上可動体上部分320及び上可動体下部分330)が、2つのストッパ(中間ストッパ530及び下ストッパ540)によって可動制御される複雑な構造体となっているが、このような複雑な構造体であっても、上述した少なくとも2周期分の復帰動作を含むイニシャル準備動作2によって、上可動体や中間ストッパ530、下ストッパ540の停止状況によらずに、上可動体を原点位置に復帰させることができる。
(V)本実施形態によれば、イニシャル準備動作2を実行することによって、少なくとも2周期分の復帰動作(ロゴ役物の落下状態でのイニシャル準備動作2として4段階上昇(2秒)、1段階下降(0.5秒)を繰り返すとともに、ストッパソレノイド520を上可動体の上下動作の周期毎にON/OFFさせる動作)を実行することで、落下時における上可動体の形態に関係なく中間ストッパ530や下ストッパ540に負荷がかからないように復帰処理を実行することができる。
(VI)本実施形態によれば、中間ストッパ530や下ストッパ540の作動状況に応じて自由落下時の形態が異なる上可動体が、どのような形態で落下していた場合であっても同じ復帰制御(イニシャル準備動作1及びイニシャル準備動作2)によって原点復帰が可能となる。
(VII)本実施形態によれば、復帰動作(イニシャル準備動作1及びイニシャル準備動作2)をプログラミング化(テーブル化)しておくことにより、プログラム内での上可動体の状態管理が容易となる。
(VIII)本実施形態のロゴ役物40fは、ストッパ(中間ストッパ530及び下ストッパ540)を作動させることにより上下が一体に落下するが、ストッパ非作動時はロゴ役物の上部分がストッパによって引っ掛かることによりロゴ役物の下部分のみ落下する。ロゴ役物を落下状態から収納方向(原点方向)へ移動する場合、ストッパの状態を落下時と一致させないと、ストッパで引っ掛かり生じ、ロゴ役物40fがロックしてしまう。このような構造でロゴ役物の落下状態での電断やサブリセットを想定すると、落下状態かつストッパの作動・非作動の情報が失われていても確実に原点位置に戻れるような復帰動作が必要となる。そこで、ロゴ役物の落下状態でのイニシャル準備動作2として「4段階上昇(2秒)、1段階下降(0.5秒)を繰り返すとともに、ストッパソレノイドをロゴ役物の上下動作の周期毎にON/OFFさせる」という動作を含ませる。これにより、落下時におけるロゴ役物の形態に関係なくストッパに負荷がかからないように復帰処理を行うことができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
本発明は、ロゴ役物40fとは異なる形態の可動体を移動させる遊技機に適用することができる。例えば、前後方向に移動する可動体や左右方向に移動する可動体を用いた遊技機に適用してもよい。したがって、可動体の移動経路は上下方向に限らない。
一実施形態では、左右2つのモータを用いた例を挙げているが、3つ以上のモータを用いて可動体に駆動力を付与する態様であってもよい。この場合、一実施形態でいう「一方」を1つ目のモータとすると、「他方」はその他の2つ目、3つ目のモータとして考えることができる。
一実施形態で挙げた可動体モータ動作テーブルの内容は一例であり、制御上のパラメータ(ステップ数、速度、タイマ等)は各種モータの仕様に応じて変更可能である。
一実施形態では駆動体にモータを用いているが、駆動力を付与するその他のアクチュエータに本発明を適用してもよい。
本発明は、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機にも適用することもできる。
本発明は、確変領域を有しない遊技機に適用することもでき、確変領域を有する遊技機にも適用することもできる。
本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することができ、同時回しを採用している遊技機にも適用することもできる。
上述した実施形態では、2つの可動体(上可動体上部分320及び上可動体下部分330)が2つのストッパ(中間ストッパ530及び下ストッパ540)によって駆動制御される例で説明したが、1つの可動体が1つのストッパで駆動制御される態様であっても、本発明を適用することができる。
また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらは適宜に変形可能である。