JP6767159B2 - 画像形成装置および電流抑制部材 - Google Patents

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Description

この発明は画像形成装置および電流抑制部材に関し、特にたとえば、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する、画像形成装置およびそれに用いる電流抑制部材に関する。
従来の画像形成装置の一例が特許文献1に開示される。特許文献1の画像形成装置は、着脱可能な給紙トレイ(給紙カセット)を有する給紙装置を備える。給紙トレイの底板は、金属製であって、用紙搬送方向の上流側部分に設けられた回転支点を支点として回動可能である。そして、給紙トレイを画像形成装置本体にセットした状態では、給紙トレイのアース電極部が、画像形成装置本体を介してアースされる。これにより、給紙時に用紙間の摩擦によって生じる静電気が給紙トレイの底板に移動して、底板に電荷が溜まってしまうことが防止される。
また、従来の画像形成装置の他の一例が特許文献2に開示される。特許文献2の画像形成装置は、転写ユニットとレジストローラとの間に設けられるガイドユニットを備える。このガイドユニットは、導電性のガイド板と、ガイド板を支持する絶縁性の支持部材と、支持部材に取り付けられてアース板と電気的に接続される接続部材と、ガイド板と接続部材との間に電気的に接続されたバリスタまたはツェナダイオード等の非線形素子とを備える。この非線形素子は、ガイド板とアース板との間に所定値以上の電圧が印加された場合に、抵抗値が減少するものである。
特開2011−131958号公報 特開2007−298735号公報
特許文献1の技術では、給紙トレイの底板(金属部材)の帯電を防止できる。しかしながら、湿度が高い環境下において用紙の抵抗値が低下した場合などには、転写ニップ部の転写電流が、用紙(低抵抗紙)を通って給紙トレイの底板に流れ込み、画像形成装置本体を介して抜けてしまう恐れがある。転写ニップ部に所定の転写電界が形成されないと、トナー像が用紙に適切に転写されず、画像抜け等の転写不良が発生してしまう。
一方、特許文献2の技術では、バリスタまたはツェナダイオード等の非線形素子を設けることで、ガイド板(金属部材)の帯電を抑制しつつ、転写電流のガイド板への流れ込みを抑制可能であるが、非線形素子を用いるので、コストが掛かる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像形成装置および電流抑制部材を提供することである。
この発明の他の目的は、金属部材の帯電を抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる、画像形成装置および電流抑制部材を提供することである。
第1の発明は、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、電流抑制部材は、接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、第1金属部材および第2金属部材の双方に接触するように設けられ、貫通部を介して第1金属部材と第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、第1金属部材は、給紙カセットまたは本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、貫通部は、コイルスプリングの径方向に対して平行に延びる複数の長孔を含む、画像形成装置である。
第2の発明は、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、電流抑制部材は、接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、第1金属部材および第2金属部材の双方に接触するように設けられ、貫通部を介して第1金属部材と第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、第1金属部材は、給紙カセットまたは本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、貫通部は、コイルスプリングの中心部に対応する位置から放射状に延びる複数の長孔を含む、画像形成装置である。
第3の発明は、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、電流抑制部材は、接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、第1金属部材および第2金属部材の双方に接触するように設けられ、貫通部を介して第1金属部材と第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、第1金属部材は、給紙カセットまたは本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、貫通部は、電流抑制部材に対してランダムに配置される複数の孔を含む、画像形成装置である。
第4の発明は、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、電流抑制部材は、接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、第1金属部材および第2金属部材の双方に接触するように設けられ、貫通部を介して第1金属部材と第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、第1金属部材は、給紙カセットまたは本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、貫通部は、コイルスプリングの先端部に沿って配置される複数の孔を含む、画像形成装置である。
第1から第4の発明では、画像形成装置は、電子写真方式によって用紙に画像を形成する装置であって、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する。画像形成装置は、給紙カセットの底板またはガイド部材などの金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備える。この電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状(薄板状)に形成され、かつ厚み方向に貫通する、つまり一方の面と他方の面とを連通させる貫通部を有する。また、接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含む。電流抑制部材は、接地用電流経路を構成するコイルスプリング等の第1金属部材と本体フレーム等の第2金属部材との間に挟まれると共に、第1金属部材および第2金属部材の双方に接触するように設けられる。そして、貫通部を介して第1金属部材と第2金属部材とが所定間隔をあけて対向する。さらに、第1金属部材は、給紙カセットまたは本体フレームに設けられるコイルスプリングである
そして、第1の発明では、貫通部は、コイルスプリングの径方向に対して平行に延びる複数の長孔を含む。また、第2の発明では、貫通部は、コイルスプリングの中心部に対応する位置から放射状に延びる複数の長孔を含む。さらに、第3の発明では、貫通部は、電流抑制部材に対してランダムに配置される複数の孔を含む。さらにまた、第4の発明では、貫通部は、コイルスプリングの先端部に沿って配置される複数の孔を含む。
第1から第4の発明によれば、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含む接地用電流経路に対して、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ貫通部を有する電流抑制部材を設けたので、給紙カセットの底板の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる。したがって、用紙の重送を防止しつつ、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。また、シート状の電流抑制部材を設けるだけなので、コストを低減できる。
さらに、第1から第4の発明によれば、電流抑制部材に接触させる一方の金属部材をコイルスプリングとするので、接地用電流経路に対して電流抑制部材が安定的に介挿される。
の発明は、第1ないし第4のいずれかの発明に従属する発明である。第の発明では、コイルスプリングは、底板の回転支点部に締結された段ビス等の締結部材によって固定される。そして、締結部材は、給紙カセットに形成された貫通孔に対して回転可能に設けられる。
の発明は、第ないし第のいずれかの発明に従属する発明である。第の発明では、コイルスプリングが電流抑制部材に接触する部分の長さ或いは面積は、当該コイルスプリングが貫通部に対向する部分の長さ或いは面積よりも大きい。
の発明によれば、第1金属部材であるコイルスプリングと第2金属部材との接触が適切に防止される。
の発明は、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、接地用電流経路は、用紙にトナー像を定着させる定着部の用紙搬送方向上流側に設けられる金属製のガイド部材から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、電流抑制部材は、ガイド部材の用紙をガイドずるガイド面に設けられ、電流抑制部材は、ガイド部材から定着部側に突出しかつ可撓性を有する突出部を備える、画像形成装置である。
の発明によれば、ガイド部材の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる。したがって、用紙上のトナー像の乱れを防止しつつ、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。また、用紙に付着したトナーがガイド部材の先端部に付着して溜まることを防止できる。
の発明は、トナー像を担持する像担持体と、像担持体から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、接地用電流経路は、用紙にトナー像を定着させる定着部の用紙搬送方向上流側に設けられる金属製のガイド部材から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、電流抑制部材は、ガイド部材の用紙をガイドずるガイド面に設けられ、貫通部は、用紙搬送方向に沿って延びる複数の長孔を含む、画像形成装置である。
の発明は、画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、貫通部は、平行に延びる複数の長孔を含む、電流抑制部材である。
第10の発明は、画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、貫通部は、放射状に延びる複数の長孔を含む、電流抑制部材である。
第11の発明は、画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、貫通部は、ランダムに配置される複数の孔を含む、電流抑制部材である。
第12の発明は、画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、貫通部は、円形状に並んで配置される複数の孔を含む、電流抑制部材である。
第9から第12の発明では、電流抑制部材は、画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられるシート状の部材であって、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性の材料によって形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有する。
そして、第9の発明では、貫通部は、平行に延びる複数の長孔を含む。また、第10の発明では、貫通部は、放射状に延びる複数の長孔を含む。さらに、第11の発明では、貫通部は、ランダムに配置される複数の孔を含む。さらにまた、第12の発明では、貫通部は、円形状に並んで配置される複数の孔を含む。
第9から第12の発明によれば、金属部材の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制でき、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。また、このような電流抑制部材は安価に製造できる。
この発明によれば、金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に対して、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ貫通部を有する電流抑制部材を設けたので、金属部材の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる。したがって、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。また、シート状の電流抑制部材を設けるだけなので、コストを低減できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の第1実施例である画像形成装置の概略構成を示す図解図である。 図1の画像形成装置が備える本体フレームおよび給紙カセットを示す斜視図である。 給紙カセットを示す平面図である。 給紙カセットのコイルスプリング周辺部を拡大して示す断面図である。 本体フレームを示す図解図であって、(A)は本体フレームの部分断面図であり、(B)は本体フレームに設けられる電流抑制部材の正面図である。 画像形成装置に対して給紙カセットを装着するときの様子を示す図解図である。 コイルスプリングと電流抑制部材との位置関係を説明するための図解図であって、(A)は電流抑制部材を正面側から見た様子を示す図解図であり、(B)は(A)のVII(B)-VII(B)線における断面図である。 給紙カセットの底板に蓄積される電荷を調べた実験結果を示すグラフである。 この発明の第2実施例である画像形成装置が備える電流抑制部材の一例を示す図解図である。 電流抑制部材の他の一例を示す図解図である。 電流抑制部材のさらに他の一例を示す図解図である。 電流抑制部材のさらに他の一例を示す図解図である。 電流抑制部材のさらに他の一例を示す図解図である。 板ばねと電流抑制部材との位置関係を説明するための図解図であって、(A)は電流抑制部材を正面側から見た様子を示す図解図であり、(B)は(A)のXIV(B)-XIV(B)線における断面図である。 この発明の第3実施例である画像形成装置の転写部および定着部の周辺部を概略的に示す断面図である。 図15の定着前ガイドに設けられる電流抑制部材を示す図解図である。
[第1実施例]
図1および図2を参照して、この発明の第1実施例である画像形成装置10は、電子写真方式によって用紙に画像を形成する装置であって、トナー像を担持する中間転写ベルト(像担持体)54と、中間転写ベルト54から用紙に対してトナー像を転写する転写部とを有する。
詳細は後述するように、画像形成装置10は、装置本体12に対して着脱可能に装着される給紙カセット48を備える。この給紙カセット48の底板(金属部材)86は、装置本体12の背面側に設けられる金属製の本体フレーム76とコイルスプリング92を介して電気的に接続され、この本体フレーム76を通じて接地されることで帯電が抑制される。そして、この給紙カセット48の底板86から本体フレーム76に至る接地用電流経路には、電流抑制部材100が設けられる。
先ず、画像形成装置10の基本構成について概略的に説明する。この第1実施例では、画像形成装置10は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成部30および給紙カセット48等を備える装置本体12、およびその上方に配置される画像読取装置14を含む。
画像読取装置14は、透明材によって形成される原稿載置台16を備える。原稿載置台16の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー18が開閉自在に取り付けられる。この原稿押えカバー18には、原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF(自動原稿送り装置)24が設けられる。また、図示は省略するが、原稿載置台16の前面側には、ユーザによる印刷指示等の入力操作を受け付けるタッチパネルおよび操作ボタン等の操作部が設けられる。
また、画像読取装置14には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える画像読取部26が内蔵される。画像読取部26は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
装置本体12には、CPUおよびメモリ等を含む制御部28および画像形成部30等が内蔵される。制御部28は、タッチパネル等の操作部への入力操作などに応じて、画像形成装置10の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置10に種々の動作を実行させる。
画像形成部30は、露光ユニット32、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38、帯電器40、中間転写ベルトユニット42、転写ローラ44、および定着ユニット46等を備え、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50から搬送される用紙上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ52に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部26で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
なお、画像形成装置10において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体であり、帯電器40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位に帯電させる部材である。また、露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。現像器34は、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーによって顕像化するものである。また、クリーナユニット38は、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去する。
中間転写ベルトユニット42は、中間転写ベルト54、駆動ローラ56、従動ローラ58、および4つの中間転写ローラ60などを備え、感光体ドラム36の上方に配置される。
中間転写ベルト54は、可撓性を有する無端状のベルトであって、カーボンブラック等の導電性材料を適宜配合した合成樹脂またはゴム等によって形成される。中間転写ベルト54は、駆動ローラ56および従動ローラ58によって懸架され、その外周面(下面)が感光体ドラム36の外周面に当接するように配置される。そして、中間転写ベルト54は、駆動ローラ56の回転駆動に伴い、所定方向に周回移動する。
駆動ローラ56は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。従動ローラ58は、中間転写ベルト54の周回移動に伴って回転すると共に、中間転写ベルト54に一定の張力を与えて中間転写ベルト54の弛みを防止する。
中間転写ローラ60は、中間転写ベルト54を挟んで各感光体ドラム36と対向する位置のそれぞれに配置される。画像形成時には、中間転写ローラ60に所定の電圧(1次転写電圧)が印加されることによって、感光体ドラム36と中間転写ベルト54との間に転写電界が形成される。そして、この転写電界の作用により、感光体ドラム36の外周面に形成されたトナー像が中間転写ベルト54の外周面に転写される。
転写ローラ44は、駆動ローラ56との間で中間転写ベルト54を押圧するように設けられる。画像形成時には、転写ローラ44に所定の電圧(2次転写電圧)が印加されることによって、中間転写ベルト54と転写ローラ44との間に転写電界が形成される。そして、この転写電界の作用により、中間転写ベルト54と転写ローラ44との間の転写ニップ部(転写部)を用紙が通過する間に、中間転写ベルト54の外周面に形成されたトナー像が用紙に転写(2次転写)される。
定着ユニット46は、ヒートローラ62および加圧ローラ64を備え、転写ローラ44の上方に配置される。ヒートローラ62は、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラ62と加圧ローラ64との間の定着ニップ部(定着部)を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
また、定着ユニット46の用紙搬送方向上流側には、トナー像が転写された用紙を定着ユニット46の定着ニップ部に案内するための定着前ガイド70が設けられる。定着前ガイド70は、対向配置される一対の板状のガイド部材を含み、一対のガイド部材の間に用紙搬送路の一部を形成する。
さらに、画像形成部30の下方には、画像形成部30に対して用紙を供給する給紙カセット48が設けられる。この給紙カセット48の底板(用紙積載トレイまたは回転板とも言う。)86の上には、複数の用紙が積載される。なお、図1および図2では、1つの給紙カセット48のみを示しているが、画像形成装置10に設ける給紙カセット48の数は任意である。給紙カセット48の具体的構成については、後述する。
また、給紙カセット48の用紙搬送方向における下流側端部の上方には、給紙カセット48から最上位の用紙を取り出すためのピックアップローラ72が設けられる。また、ピックアップローラ72の用紙搬送方向における下流側には、用紙に推進力を与えると共に、用紙の重送を防止する給紙ローラ74が設けられる。
このような装置本体12内には、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50から搬送される用紙をレジストローラ68、転写ローラ44および定着ユニット46を経由させて排紙トレイ52に送るための第1用紙搬送路L1が形成される。また、用紙に対して両面印刷を行う際に、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した後の用紙を、転写ローラ44の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に戻すための第2用紙搬送路L2が形成される。この第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2には、用紙に対して補助的に推進力を与えるための複数の搬送ローラ66が適宜設けられる。
装置本体12において片面印刷(画像形成)を行う際には、用紙は、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50から1枚ずつ第1用紙搬送路L1に導かれ、搬送ローラ66によってレジストローラ68まで搬送される。そして、レジストローラ68によって、用紙の先端と中間転写ベルト54上の画像情報の先端とが整合するタイミングで用紙が転写ローラ44(転写ニップ部)に搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット46(定着ニップ部)を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着されて、排紙トレイ52上に用紙が排出される。
一方、両面印刷を行う際には、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した用紙の後端部が排紙トレイ52近傍の搬送ローラ66まで到達したとき、この搬送ローラ66を逆回転させることによって、用紙が逆走して第2用紙搬送路L2に導かれる。第2用紙搬送路L2に導かれた用紙は、搬送ローラ66によって第2用紙搬送路L2を搬送されて、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に導かれる。この時点で用紙の表裏は反転されるので、その後、転写ローラ44および定着ユニット46を用紙が通過することによって、用紙の裏面に印刷が行われる。
続いて、図2〜図4を参照して給紙カセット48の構成について説明する。給紙カセット48は、上側開放の箱状に形成されるカセット本体80を備え、装置本体12に対して正面側から着脱可能に装着される。このカセット本体80には、一対のサイドガイド82、用紙後端押え板84、および底板86等が設けられる。
サイドガイド82は、底板86上に積載される用紙の用紙搬送方向と直交する方向(用紙幅方向)における紙端のそれぞれ、つまり用紙の両側端を規制するものであり、その一方または双方が用紙幅方向に移動可能に設けられる。用紙後端押え板84は、底板86上に積載される用紙の用紙搬送方向における後端を規制するものであり、用紙搬送方向における前後方向に移動可能に設けられる。カセット本体80、サイドガイド82および用紙後端押え板84は、合成樹脂などの絶縁性の材料によって形成される。
底板86は、略矩形の平板状に形成される鋼板などの金属部材であって、カセット本体80のピックアップローラ72側の底部に配置される。底板86の用紙搬送方向上流側の両側部には、上方に立ち上がる立上部が形成され、この立上部に回転支点部(軸受部)86aが形成される。回転支点部86aは、段ビス等の締結部材88によってカセット本体80に締結され、底板86は、この回転支点部86aおよび締結部材88を支点として回動可能に設けられる。また、回転支点部86aに締結された締結部材88は、底板86の回動と共に、カセット本体80に形成された貫通孔80aに対して軸周りに回転可能とされる。また、底板86の用紙搬送方向下流側の先端部は、付勢部材90(図1参照)によって上方に付勢されており、給紙時には、底板86上に積載された最上位の用紙の先端部は、ピックアップローラ72に押し当てられる。
このような給紙カセット48においては、底板86が金属製であるため、このままでは、用紙間の摩擦によって生じる静電気が底板86に移動し、給紙枚数が増加するにつれて、底板86に対して電荷が徐々に溜まっていく。そして、底板86が過度に帯電されると、用紙の重送などの不具合が生じてしまう。
このため、従来技術として、底板の給紙カセットの装着方向奥側の回転支点部の周辺部に金属製の弾性部材を設け、この弾性部材を介して底板と金属製の本体フレームとを電気的に接続することで、底板を接地して(アースを取って)帯電を防止するものがある。
この第1実施例においても、金属製の弾性部材としてコイルスプリング92を用いて底板86と本体フレーム76とを電気的に接続し、底板86の帯電を抑制するための接地用電流経路を形成することで、底板86の帯電を防止するようにしている。具体的には、この第1実施例では、底板86の回転支点部86aに締結された締結部材88を利用して、給紙カセット48のカセット本体80にコイルスプリング92が取り付けられる。そして、装置本体12に給紙カセット48を装着した状態では、底板86から締結部材88およびコイルスプリング92を通じて本体フレーム76に至る接地用電流経路が形成されるようにしている。
ここで、底板86を接地しておけば、底板86の帯電は防止されるが、湿度が高い環境下において用紙の抵抗値が低下した場合などには、転写ニップ部の転写電流が、用紙(低抵抗紙)を通って底板86に流れ込み、接地用電流経路を通って抜けてしまう恐れがある。転写ニップ部に所定の転写電界が形成されないと、画像抜け等の転写不良が発生してしまう。すなわち、重送などの不具合を解消するために底板86の過度の帯電を防止する必要がある一方で、この底板86を介した転写電流の抜け(流出)を適切に抑制する必要がある。
そこで、この第1実施例では、給紙カセット48の底板86から本体フレーム76に至る接地用電流経路に対して電流抑制部材100を介挿することで、底板86の帯電を抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制するようにしている。以下、具体的に説明する。
図5および図6に示すように、装置本体12の背面側に設けられる金属製の本体フレーム76には、給紙カセット48のコイルスプリング92と対応する位置に、電流抑制部材100が両面テープまたは接着剤などを用いて貼り付けられる。
電流抑制部材100は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂などの絶縁性の材料によってシート状(薄板状)に形成される。そして、電流抑制部材100は、その厚み方向に貫通する、つまり一方の面と他方の面とを連通させる貫通部102を有する。この第1実施例では、電流抑制部材100は、略矩形のシート状に形成される。電流抑制部材100の厚みは、たとえば0.19mmである。
なお、この発明で言う絶縁性の材料とは、10の8乗以上の抵抗率[Ω・cm]を有するものを言い、この第1実施例では、10の17乗の抵抗率を有する絶縁性のポリエチレンテレフタレートを用いて電流抑制部材100を形成している。ただし、少なくとも10の8乗以上の抵抗率を有する絶縁性の材料であれば、電流抑制部材100を形成する材料は特に限定されず、これによって本願発明の効果は発揮される。また、電流抑制部材100は、角部の一部が矩形状に切り欠かれているが、これは本体フレーム76に形成された孔や突起などとの干渉を避けるためであり、電流抑制部材100の形状は、適宜変更可能である。
また、この第1実施例では、電流抑制部材100に形成される貫通部102は、コイルスプリング92の径方向に対して平行に延びる複数の長孔(スリット)によって構成される。具体的には、正面視で横方向に延びる角丸矩形状の3つの長孔が、上下方向に並ぶように形成される。また、貫通部102は、コイルスプリング92の先端部が貫通部102を跨ぐ状態となるように配置される(図7(A)参照)。この際、貫通部102は、その長手方向の長さがコイルスプリング92の先端部(当接部)の径よりも大きく、その短手方向の長さがコイルスプリング92の先端部の径よりも小さなるように形成されることが好ましい。また、貫通部102は、コイルスプリング92が電流抑制部材100に接触する部分の長さ或いは面積が、コイルスプリング92が貫通部102に対向する部分の長さ或いは面積よりも大きくなるように形成されることが好ましい。
そして、図7に示すように、装置本体12に給紙カセット48を装着した状態では、電流抑制部材100は、底板86の接地用電流経路を構成するコイルスプリング(第1金属部材)92と本体フレーム(第2金属部材)76との間に挟まれて、コイルスプリング92および本体フレーム76の双方に接触する。また、貫通部102を介してコイルスプリング92と本体フレーム76とが所定間隔(つまり電流抑制部材100の厚み分の間隔)をあけて対向する。
この際、コイルスプリング92が電流抑制部材100に接触する部分の長さが、コイルスプリング92が貫通部102に対向する部分の長さよりも大きく設定されていることにより、コイルスプリング92と本体フレーム76との接触が適切に防止される。また、電流抑制部材100の一方の面にコイルスプリング92を接触させ、コイルスプリング92によって電流抑制部材100を押圧することで、コイルスプリング92と電流抑制部材100とが安定的に接触する。つまり、電流抑制部材100に接触させる一方の金属部材を弾性部材とすることで、接地用電流経路に対して電流抑制部材100が安定的に介挿される。
このような画像形成装置10では、給紙カセット48からの給紙枚数が増加するにつれて、底板86に対して電荷が徐々に溜まっていく。そして、底板86に所定量以上の電荷が溜まると、貫通部102を通じて、コイルスプリング92から本体フレーム76に放電され、底板86の電荷は、接地用電流経路を通って解放される。つまり、給紙カセット48の底板(金属部材)86においては、電荷が少しずつ溜まっては解放されることが繰り返される。これにより、給紙カセット48から用紙が重送されることを防止しつつ、転写ニップ部(転写ローラ44)の転写電流が用紙を介して一気に抜けしまうことが防止される。
図8には、本願発明者らが、給紙カセット48の底板86に対して電荷が蓄積されるときの挙動を調べた実験結果を示す。図8に示すように、第1実施例の画像形成装置10においては、底板86に対して−2.2kV近くまで電荷が蓄積されては解放されるという良好な結果が確認された。
以上のように、この第1実施例によれば、給紙カセット48の底板86から本体フレーム76に接地用電流経路に対して、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ貫通部102を有する電流抑制部材100を設けたので、底板86の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる。したがって、用紙の重送を防止しつつ、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。
また、シート状の電流抑制部材100を設けるだけなので、コストを低減できる。
なお、上述の第1実施例では、貫通部102を構成する長孔を正面視で横方向に延びるように形成しているが、この長孔は上下方向または斜め方向に延びるように形成されてもよい。また、貫通部102は1つの長孔であってもよい。
[第2実施例]
次に、図9を参照して、この発明の第2実施例である画像形成装置10について説明する。この第2実施例では、電流抑制部材100に形成する貫通部102の態様が上述の第1実施例と異なる。その他の部分の構成については同様であるので、上述の第1実施例と共通する部分については、同じ参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図9に示すように、この第2実施例の画像形成装置10が備える電流抑制部材100は、コイルスプリング92と本体フレーム76との間に挟まれると共に、コイルスプリング92および本体フレーム76の双方に接触するように設けられる。電流抑制部材100は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、その厚み方向に貫通する貫通部102を有する。そして、この第2実施例では、貫通部102は、コイルスプリング92の中心部に対応する位置から放射状に延びる複数の長孔によって構成され、コイルスプリング92の先端部が貫通部102を跨ぐ状態となるように配置される。
この第2実施例によれば、第1実施例と同様に、底板86の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる。したがって、用紙の重送を防止しつつ、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。
なお、電流抑制部材100に形成する貫通部102の数、形状および配置などは、第1実施例および第2実施例に示した態様に限定されず、適宜変更可能である。
たとえば、図10に示すように、貫通部102は、電流抑制部材100に対してランダムに配置される複数の円形の孔であってもよい。また、たとえば、図11に示すように、貫通部102は、コイルスプリング92の先端部に沿って円形状に並んで配置される、複数の円形の孔であってもよい。
さらに、上述の各実施例または変形例においては、電流抑制部材100に形成する貫通部102を孔によって構成したが、貫通部102は、切欠きまたは隙間などであってもよい。つまり、貫通部102は、その周縁の一部が開放されていてもよい。
たとえば、図12に示すように、貫通部102は、電流抑制部材100の周縁部に所定間隔に並んで形成される複数の略三角形状の切欠きまたは隙間であってもよい。また、たとえば、図13に示すように、貫通部102は、正面視で横方向に延びる複数の略矩形の切欠きまたは隙間であってもよい。
さらにまた、貫通部102は、図5、図9〜図13に示した貫通部102の態様を適宜組み合わせて構成することもできる。
なお、図9〜図13に示す実施例または変形例においても、第1実施例と同様に、電流抑制部材100に形成する貫通部102は、コイルスプリング92が電流抑制部材100に接触する部分の長さ或いは面積が、コイルスプリング92が貫通部102に対向する部分の長さ或いは面積よりも大きくなるように形成されることが好ましい。
また、上述の各実施例では、接地用電流経路の一部を構成する弾性部材(第1金属部材)として、コイルスプリング92を用いているが、これに限定されない。たとえば、図14に示すように、弾性部材は、板ばね120であってもよい。弾性部材として板ばね120を用いる場合においても、電流抑制部材100に形成する貫通部102は、板ばね120が電流抑制部材100に接触する部分の面積が、板ばね120が貫通部102に対向する部分の面積よりも大きくなるように形成されることが好ましい。
さらに、上述の各実施例では、弾性部材(コイルスプリング92)を給紙カセット48に設け、電流抑制部材100を本体フレーム76に設けるようにしているが、この配置は逆でもよい。つまり、弾性部材を本体フレーム76に設け、電流抑制部材100を給紙カセット48に設けてもよい。この場合には、たとえば、給紙カセット48のカセット本体80の外側面に底板86と電気的に接続された金属プレート(板金)を取り付け、この金属プレートに電流抑制部材100を貼り付けるとよい。
[第3実施例]
続いて、図15および図16を参照して、この発明の第3実施例である画像形成装置10について説明する。この第3実施例では、定着前ガイド70が備えるガイド部材112から本体フレーム114に至る接地用電流経路に電流抑制部材100を設ける点が上述の第1実施例と異なる。その他の部分の構成については同様であるので、上述の第1実施例と共通する部分については、同じ参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図15および図16に示すように、この第3実施例の画像形成装置10は、定着ユニット46(定着ニップ部)の用紙搬送方向上流側に設けられる定着前ガイド70を備える。
定着前ガイド70は、転写ローラ44(転写ニップ部)においてトナー像が転写された用紙を、定着ユニット46の定着ニップ部に案内するための案内部材であって、対向配置される一対の板状のガイド部材110,112を含む。ガイド部材110,112のそれぞれは、金属製である。また、用紙の裏面側に配置されるガイド部材(金属部材)112は、金属製の本体フレーム114と電気的に接続され、本体フレーム114を通じて接地されることで帯電が抑制されている。これは、用紙との摩擦などによってガイド部材112が過度に帯電すると、用紙とガイド部材112との間に火花放電が発生して、用紙上のトナー像が乱れてしまう恐れがあるからである。
ここで、ガイド部材112を接地しておけば、ガイド部材112の帯電は防止されるが、湿度が高い環境下において用紙の抵抗値が低下した場合などには、転写ニップ部(転写部)の転写電流が、用紙(低抵抗紙)を通ってガイド部材112に流れ込み、接地用電流経路を通って抜けてしまう恐れがある。すなわち、ガイド部材112においても、過度の帯電を防止する必要がある一方で、このガイド部材112を介した転写電流の抜けを適切に抑制する必要がある。
そこで、この第3実施例では、ガイド部材112から本体フレーム114に至る接地用電流経路に対して電流抑制部材100を設けることで、ガイド部材112の帯電を抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制するようにしている。
具体的には、金属部材であるガイド部材112のガイド面に対して、電流抑制部材100が両面テープまたは接着剤などを用いて貼り付けられる。電流抑制部材100は、ガイド部材112の用紙をガイドずるガイド面を覆うように設けられ、ガイド部材112のガイド面の全表面領域のうち、少なくとも用紙が接触し得る領域に設けられる。
電流抑制部材100は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂などの絶縁性の材料によってシート状に形成され、その厚み方向に貫通する貫通部102を有する。この第3実施例では、電流抑制部材100は、略矩形のシート状に形成される。電流抑制部材100の厚みは、たとえば0.19mmである。
また、この第3実施例では、電流抑制部材100に形成される貫通部102は、用紙搬送方向に沿って延びる複数の長孔(スリット)によって構成される。具体的には、用紙搬送方向に延びる矩形状の6つの長孔が、用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に並ぶように形成される。ただし、貫通部102の形状、数および配置態様などは、適宜変更可能であり、たとえば、円形などの孔をランダムまたは所定の配置態様に並べるようにしてもよい。
さらに、この第3実施例では、電流抑制部材100は、ガイド部材112から定着ニップ部側に突出しかつ可撓性を有する突出部112aを有する。この際、電流抑制部材100の全体が可撓性を有していてもよいし、少なくとも突出部112aの部分が可撓性を有するようにしてもよい。ガイド部材112からの突出部112aの突出長さは、たとえば1〜2mmである。このような突出部112aを電流抑制部材100に設けておくことで、用紙の裏面側に付着したトナーがガイド部材112の先端部に付着して溜まることを防止できる。すなわち、用紙搬送時には、用紙の接触圧により電流抑制部材100の突出部112aが用紙もしくは第1用紙搬送路L1に沿って曲げられる。このため、用紙が電流抑制部材100の突出部112aで強くしごかれないので、用紙の裏面のトナーが電流抑制部材100の突出部112aの先端部に付着し難い。また、用紙の裏面のトナーが電流抑制部材100の突出部112aの先端部に付着したとしても、電流抑制部材100が薄いことから、その突出部112aの先端部に付着するトナーの量が僅かであり、突出部112aが自己の弾性反発力により元の形状に戻ったときには、突出部112aの先端部に付着した僅かなトナーが弾き飛ばされる。
このような第3実施例の画像形成装置10では、転写ニップ部の転写電流が用紙(低抵抗紙)を通って定着前ガイド70に流れ込んできても、用紙からガイド部材112に流れる電流は、電流抑制部材100の貫通部102を通じたものであるので、転写ニップ部の転写電流が用紙を介して一気に抜けしまうことが防止される。
第3実施例によれば、定着前ガイド70のガイド部材112から本体フレーム114に至る接地用電流経路に対して貫通部102を有するシート状の電流抑制部材100を設けたので、ガイド部材112の帯電を適切に抑制しつつ、転写電流の抜けを適切に抑制できる。したがって、用紙上のトナー像の乱れを防止しつつ、画像抜け等の転写不良の発生を防止できる。
なお、上述の第3実施例では、定着前ガイド70のガイド部材112から本体フレーム114に至る接地用電流経路に対して電流抑制部材100を設けるようにしたが、これに限定されない。たとえば、転写ニップ部とレジストローラ68との間に設けられる転写前ガイドのガイド部材から本体フレームに至る接地用電流経路に対して電流抑制部材100を設けることもできる。
また、上述の各実施例では、画像形成装置10として、複写機、ファクシミリおよびプリンタ等を組み合わせた複合機を例示したが、画像形成装置10は、複写機、ファクシミリおよびプリンタ等のいずれか、またはこれらの少なくとも2つを組み合わせた複合機であってもよい。
なお、上述の第2および第3実施例に示した第1実施例からの構成の変更は、それぞれ個別に説明したが、各実施例または各変形例において記載している技術的特徴のそれぞれは、互いに組み合わせることが可能である。
また、上で挙げた具体的な数値、材質および形状などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …画像形成装置
30 …画像形成部
44 …転写ローラ
46 …定着ユニット
48 …給紙カセット
54 …中間転写ベルト(像担持体)
70 …定着前ガイド
76 …本体フレーム(第2金属部材)
80 …カセット本体
86 …底板(金属部材)
88 …締結部材
92 …コイルスプリング(第1金属部材,弾性部材)
100 …電流抑制部材
102 …貫通部
112 …ガイド部材(金属部材)
120 …板ばね(第1金属部材,弾性部材)

Claims (12)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から用紙に対して前記トナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
    金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、
    前記電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、
    前記電流抑制部材は、前記接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、前記第1金属部材および前記第2金属部材の双方に接触するように設けられ、
    前記貫通部を介して前記第1金属部材と前記第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、
    前記第1金属部材は、前記給紙カセットまたは前記本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、
    前記貫通部は、前記コイルスプリングの径方向に対して平行に延びる複数の長孔を含む、画像形成装置。
  2. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から用紙に対して前記トナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
    金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、
    前記電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、
    前記電流抑制部材は、前記接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、前記第1金属部材および前記第2金属部材の双方に接触するように設けられ、
    前記貫通部を介して前記第1金属部材と前記第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、
    前記第1金属部材は、前記給紙カセットまたは前記本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、
    前記貫通部は、前記コイルスプリングの中心部に対応する位置から放射状に延びる複数の長孔を含む、画像形成装置。
  3. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から用紙に対して前記トナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
    金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、
    前記電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、
    前記電流抑制部材は、前記接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、前記第1金属部材および前記第2金属部材の双方に接触するように設けられ、
    前記貫通部を介して前記第1金属部材と前記第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、
    前記第1金属部材は、前記給紙カセットまたは前記本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、
    前記貫通部は、前記電流抑制部材に対してランダムに配置される複数の孔を含む、画像形成装置。
  4. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から用紙に対して前記トナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
    金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、
    前記電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記接地用電流経路は、給紙カセットの金属製の底板から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、
    前記電流抑制部材は、前記接地用電流経路を構成する第1金属部材と第2金属部材との間に挟まれると共に、前記第1金属部材および前記第2金属部材の双方に接触するように設けられ、
    前記貫通部を介して前記第1金属部材と前記第2金属部材とが所定間隔をあけて対向し、
    前記第1金属部材は、前記給紙カセットまたは前記本体フレームに設けられるコイルスプリングであって、
    前記貫通部は、前記コイルスプリングの先端部に沿って配置される複数の孔を含む、画像形成装置。
  5. 前記コイルスプリングは、前記底板の回転支点部に締結された締結部材によって固定され、
    前記締結部材は、前記給紙カセットに形成された貫通孔に対して回転可能に設けられる、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記コイルスプリングが前記電流抑制部材に接触する部分の長さ或いは面積は、当該コイルスプリングが前記貫通部に対向する部分の長さ或いは面積よりも大きい、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から用紙に対して前記トナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
    金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、
    前記電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記接地用電流経路は、前記用紙にトナー像を定着させる定着部の用紙搬送方向上流側に設けられる金属製のガイド部材から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、
    前記電流抑制部材は、前記ガイド部材の前記用紙をガイドずるガイド面に設けられ、
    前記電流抑制部材は、前記ガイド部材から前記定着部側に突出しかつ可撓性を有する突出部を備える、画像形成装置。
  8. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体から用紙に対して前記トナー像を転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
    金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材を備え、
    前記電流抑制部材は、絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記接地用電流経路は、前記用紙にトナー像を定着させる定着部の用紙搬送方向上流側に設けられる金属製のガイド部材から金属製の本体フレームに至る電流経路を含み、
    前記電流抑制部材は、前記ガイド部材の前記用紙をガイドずるガイド面に設けられ、
    前記貫通部は、前記用紙搬送方向に沿って延びる複数の長孔を含む、画像形成装置。
  9. 画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、
    絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記貫通部は、平行に延びる複数の長孔を含む、電流抑制部材
  10. 画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、
    絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記貫通部は、放射状に延びる複数の長孔を含む、電流抑制部材
  11. 画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、
    絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記貫通部は、ランダムに配置される複数の孔を含む、電流抑制部材
  12. 画像形成装置が備える金属部材の帯電を抑制するための接地用電流経路に設けられる電流抑制部材であって、
    絶縁性の材料によってシート状に形成され、かつ厚み方向に貫通する貫通部を有し、
    前記貫通部は、円形状に並んで配置される複数の孔を含む、電流抑制部材
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