JP6766956B2 - 液冷ジャケットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液冷ジャケットの製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、液冷ジャケットの製造方法が開示されている。図24は、従来の液冷ジャケットの製造方法を示す断面図である。従来の液冷ジャケットの製造方法では、アルミニウム合金製のジャケット本体101の段差部に設けられた段差側面101cと、アルミニウム合金製の封止体102の側面102cとを突き合わせて形成された突合せ部J10に対して摩擦攪拌接合を行うというものである。また、従来の液冷ジャケットの製造方法では、回転ツールFの攪拌ピンF2のみを突合せ部J10に挿入して摩擦攪拌接合を行っている。また、従来の液冷ジャケットの製造方法では、回転ツールFの回転中心軸Cを突合せ部J10に重ねて相対移動させるというものである。
特開2015−131321号公報
ここで、ジャケット本体101は複雑な形状となりやすく、例えば、4000系アルミニウム合金の鋳造材で形成し、封止体102のように比較的単純な形状のものは、1000系アルミニウム合金の展伸材で形成するというような場合がある。このように、アルミニウム合金の材種の異なる部材同士を接合して、液冷ジャケットを製造する場合がある。このような場合は、ジャケット本体101の方が封止体102よりも硬度が高くなることが一般的であるため、図24のように摩擦攪拌接合を行うと、攪拌ピンが封止体102側から受ける材料抵抗に比べて、ジャケット本体101側から受ける材料抵抗が大きくなる。そのため、回転ツールFの攪拌ピンによって異なる材種をバランスよく攪拌することが困難となり、接合後の塑性化領域に空洞欠陥が発生し接合強度が低下するという問題がある。
このような観点から、本発明は、材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために第一の発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体のみに接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、封止体と攪拌ピンとの摩擦熱によって第一突合せ部の主として封止体側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、第一突合せ部において段差側面と封止体の側面とを接合することができる。また、攪拌ピンのみを封止体のみに接触させて摩擦攪拌を行うため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入は殆どない。これにより、第一突合せ部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、接合強度の低下を招くことなく攪拌ピンとジャケット本体との接触を容易に回避することができる。
また、第二の発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記ジャケット本体の前記段差側面にもわずかに接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、攪拌ピンの外周面をジャケット本体の段差側面にわずかに接触させるに留めるため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、第一突合せ部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、攪拌ピンがジャケット本体側に大きく侵入することなく第一突合せ部を接合することが可能となる。
また、前記封止体の板厚を前記段差側面の高さよりも大きくすることが好ましい。かかる製造方法によれば、接合部の金属不足を容易に補うことができる。
また、前記攪拌ピンの外周面の傾斜角度を前記段差側面の傾斜角度と同一にすることが好ましい。かかる製造方法によれば、第一の発明では攪拌ピンと段差側面とが接触するのを回避しつつ、攪拌ピンをジャケット本体に近接させることができる。また、第二の発明では攪拌ピンがジャケット本体側に大きく侵入することなく第一突合せ部を均一に接合することが可能となる。
また、前記封止体の側面に傾斜面を形成し、前記載置工程では、前記段差側面と前記傾斜面とを面接触させることが好ましい。かかる製造方法によれば、接合部の金属不足を容易に補うことができる。
また、前記封止体はアルミニウム合金製展伸材で形成し、前記ジャケット本体はアルミニウム合金鋳造材で形成することが好ましい。
また、前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて左回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを右回転させ、前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて右回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを左回転させることが好ましい。
かかる製造方法によれば、螺旋溝によって塑性流動化した金属が攪拌ピンの先端側に導かれるため、バリの発生を少なくすることができる。
また、前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に形成される塑性化領域のうち、前記ジャケット本体側がシアー側となり、前記封止体側がフロー側となるように前記回転ツールの回転方向及び進行方向を設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、前記ジャケット本体側がシアー側となり、第一突合せ部の周囲における攪拌ピンによる攪拌作用が高まり、第一突合せ部における温度上昇が期待でき、第一突合せ部において段差側面と封止体の側面とをより確実に接合することができる。
また、第三の発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、記攪拌ピンは、先細りとなるように傾斜する外周面を備えるとともに平坦な先端面を備え、前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記攪拌ピンの先端を前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの前記外周面と前記段差側面とを離間させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、封止体と攪拌ピンとの摩擦熱によって第一突合せ部の封止体側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、第一突合せ部において段差側面と封止体の側面とを接合することができる。また、第一突合せ部においては攪拌ピンのみを封止体のみに接触させて摩擦攪拌を行うため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入は殆どない。これにより、第一突合せ部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、接合強度の低下を招くことなく攪拌ピンとジャケット本体との接触を容易に回避することができる。また、攪拌ピンの先端面を段差底面よりも深く挿入することにより、第二突合せ部も確実に摩擦攪拌できるため接合強度を高めることができる。
また、第四の発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記攪拌ピンは、先細りとなるように傾斜する外周面を備えるとともに平坦な先端面を備え、前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記攪拌ピンの先端を前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの前記外周面を前記段差側面にわずかに接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、攪拌ピンの外周面をジャケット本体の段差側面にわずかに接触させるに留めるため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入を極力小さくすることができる。これにより、第一突合せ部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、攪拌ピンがジャケット本体側に大きく侵入することなく第一突合せ部を接合することが可能となる。また、攪拌ピンの先端面を段差底面よりも深く挿入することにより、第二突合せ部も確実に摩擦攪拌できるため接合強度を高めることができる。
また、前記封止体の板厚を前記段差側面の高さよりも大きくすることが好ましい。かかる製造方法によれば、接合部の金属不足を容易に補うことができる。
また、前記攪拌ピンの外周面の傾斜角度と、前記段差側面の傾斜角度が同一であることが好ましい。かかる製造方法によれば、第三の発明では攪拌ピンと段差側面とが接触するのを回避しつつ、攪拌ピンをジャケット本体に近接させることができる。また、第四の発明では攪拌ピンがジャケット本体側に大きく侵入することなく第一突合せ部を均一に接合することが可能となる。
また、前記攪拌ピンの外周面の傾斜角度を前記段差側面の傾斜角度と同一にすることが好ましい。かかる製造方法によれば、接合部の金属不足を容易に補うことができる。
また、前記封止体はアルミニウム合金製展伸材で形成し、前記ジャケット本体はアルミニウム合金鋳造材で形成することが好ましい。
また、前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて左回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを右回転させ、前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて右回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを左回転させることが好ましい。
かかる製造方法によれば、螺旋溝によって塑性流動化した金属が攪拌ピンの先端側に導かれるため、バリの発生を少なくすることができる。
また、前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に形成される塑性化領域のうち、前記ジャケット本体側がシアー側となり、前記封止体側がフロー側となるように前記回転ツールの回転方向及び進行方向を設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、前記ジャケット本体側がシアー側となり、第一突合せ部の周囲における攪拌ピンによる攪拌作用が高まり、第一突合せ部における温度上昇が期待でき、第一突合せ部において段差側面と封止体の側面とをより確実に接合することができる。
また、前記第一突合せ部は、前記段差側面と前記封止体の前記側面とが断面略V字状の隙間をあけて突き合わされることが好ましい。
また、前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に塑性化領域が形成され、前記塑性化領域は、前記第二突合せ部を超えてジャケット本体に達するように形成されていることが好ましい。
本発明に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる。
本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の準備工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の載置工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットに製造方法の本接合工程後を示す断面図である。 第一実施形態の第一変形例に係る液冷ジャケットの製造方法の載置工程を示す断面図である。 第一実施形態の第二変形例に係る液冷ジャケットの製造方法の載置工程を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第四実施形態の第一変形例に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 実施例に係る第一試験の試験体を示す断面図である。 実施例に係る第一試験の試験体を示す平面図である。 実施例に係る第一試験の試験方法を示す平面図である。 実施例に係る第一試験の試験結果を示す平面図である。 実施例に係る第一試験の試験結果を示す断面図である。 実施例に係る第一試験の試験結果を示す断面図である。 実施例に係る第二試験の試験結果を示す平面図である。 実施例に係る第二試験の試験結果を示す断面図である。 実施例に係る第三試験の試験結果を示す平面図である。 実施例に係る第三試験の試験結果を示す断面図である。 実施例に係る第四試験の試験結果を示す平面図である。 実施例に係る第四試験の試験結果を示す断面図である。 従来の液冷ジャケットの製造方法を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、ジャケット本体2と、封止体3とを摩擦攪拌接合して液冷ジャケット1を製造するものである。液冷ジャケット1は、封止体3の上に発熱体(図示省略)を設置するとともに、内部に流体を流して発熱体と熱交換を行う部材である。なお、以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面という意味である。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法は、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、を行う。準備工程は、ジャケット本体2と封止体3とを準備する工程である。ジャケット本体2は、底部10と、周壁部11とで主に構成されている。ジャケット本体2は、第一アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第一アルミニウム合金は、例えば、JISH5302 ADC12(Al-Si-Cu系)等のアルミニウム合金鋳造材を用いている。
図1に示すように、底部10は、平面視矩形を呈する板状部材である。周壁部11は、底部10の周縁部から矩形枠状に立ち上がる壁部である。周壁部11の内周縁には段差部12が形成されている。段差部12は、段差底面12aと、段差底面12aから立ち上がる段差側面12bとで構成されている。図2に示すように、段差側面12bは、段差底面12aから開口部に向かって外側に広がるように傾斜している。段差側面12bの傾斜角度βは適宜設定すればよいが、例えば、鉛直面に対して3°〜30°になっている。底部10及び周壁部11で凹部13が形成されている。
封止体3は、ジャケット本体2の開口部を封止する板状部材である。封止体3は、段差部12に載置される大きさになっている。封止体3の板厚は、段差側面12bの高さと略同等になっている。封止体3は、第二アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第二アルミニウム合金は、第一アルミニウム合金よりも硬度の低い材料である。第二アルミニウム合金は、例えば、JIS A1050,A1100,A6063等のアルミニウム合金展伸材で形成されている。
載置工程は、図2に示すように、ジャケット本体2に封止体3を載置する工程である。載置工程では、段差底面12aに封止体3の裏面3bを載置する。段差側面12bと封止体3の側面3cとが突き合わされて第一突合せ部J1が形成される。第一突合せ部J1は、段差側面12bと封止体3の側面3cとが面接触する場合と、本実施形態のように断面略V字状の隙間をあけて突き合わされる場合の両方を含み得る。また、段差底面12aと、封止体3の裏面3bとが突き合わされて第二突合せ部J2が形成される。本実施形態では、封止体3を載置すると、周壁部11の端面11aと、封止体3の表面3aとは面一になる。
本接合工程は、図3及び図4に示すように、回転ツールFを用いてジャケット本体2と封止体3とを摩擦攪拌接合する工程である。回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、摩擦攪拌装置(図示省略)の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈し、ボルトが締結されるネジ孔(図示省略)が形成されている。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。図4に示すように、攪拌ピンF2の先端には、回転中心軸Cに対して垂直であり、かつ、平坦な先端面F3が形成されている。つまり、攪拌ピンF2の外面は、先細りとなる外周面と、先端に形成された先端面F3とで構成されている。側面視した場合において、回転中心軸Cと攪拌ピンF2の外周面とのなす傾斜角度αは、例えば5°〜30°の範囲で適宜設定すればよいが、本実施形態では、段差側面12bの傾斜角度βと同一となるように設定されている。
攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(ジャケット本体2及び封止体3)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
図3に示すように、回転ツールFを用いて摩擦攪拌を行う際には、封止体3に右回転した攪拌ピンF2のみを挿入し、封止体3と連結部F1とは離間させつつ移動させる。言い換えると、攪拌ピンF2の基端部は露出させた状態で摩擦攪拌を行う。回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域W1が形成される。本実施形態では、封止体3に設定した開始位置Spに攪拌ピンを挿入し、封止体3に対して右廻りに回転ツールFを相対移動させる。
図4に示すように、本接合工程では、攪拌ピンF2のみを封止体3のみに接触させて第一突合せ部J1に沿って一周させる。本実施形態では、攪拌ピンF2の先端面F3もジャケット本体2に接触しないように挿入深さを設定している。「攪拌ピンF2のみを封止体3のみに接触させた状態」とは、摩擦攪拌を行っている際に、攪拌ピンF2の外面がジャケット本体2に接触していない状態を言い、攪拌ピンF2の外周面と段差側面12bとの距離がゼロである場合、又は攪拌ピンF2の先端面F3と段差底面12aとの距離がゼロである場合も含み得る。
段差側面12bから攪拌ピンF2の外周面までの距離が遠すぎると第一突合せ部J1の接合強度が低下する。段差側面12bから攪拌ピンF2の外周面までの離間距離Lはジャケット本体2及び封止体3の材料によって適宜設定すればよいが、本実施形態のように攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bに接触させず、かつ、先端面F3を段差底面12aに接触させない場合は、例えば、0≦L≦0.5mmに設定し、好ましくは0≦L≦0.3mmに設定することが好ましい。
回転ツールFを封止体3の廻りに一周させたら、塑性化領域W1の始端と終端とを重複させる。回転ツールFは、封止体3の表面3aにおいて、徐々に上昇させて引き抜くようにしてもよい。図5は、本実施形態に係る本接合工程後の接合部の断面図である。塑性化領域W1は、第一突合せ部J1を境に封止体3側に形成されている。また、攪拌ピンF2の先端面F3は段差底面12aに接触させておらず(図4参照)、塑性化領域W1は、第二突合せ部J2を超えてジャケット本体2に達するように形成されている。
以上説明した本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、回転ツールFの攪拌ピンF2と段差側面12bとは接触させていないが、封止体3と攪拌ピンF2との摩擦熱によって第一突合せ部J1の主として封止体3側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、第一突合せ部J1において段差側面12bと封止体3の側面3cとを接合することができる。また、攪拌ピンF2のみを封止体3のみに接触させて摩擦攪拌を行うため、ジャケット本体2から封止体3への第一アルミニウム合金の混入は殆どない。これにより、第一突合せ部J1においては主として封止体3側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。
また、ジャケット本体2の段差側面12bを外側に傾斜させているため、攪拌ピンF2とジャケット本体2との接触を容易に回避することができる。また、本実施形態では、段差側面12bの傾斜角度βと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(段差側面12bと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と段差側面12bとの接触を避けつつ、攪拌ピンF2と段差側面12bとを極力近接させることができる。
また、攪拌ピンF2のみを封止体3のみに接触させて摩擦攪拌接合を行うため、攪拌ピンF2の回転中心軸Cに対して一方側と他方側で、攪拌ピンF2が受ける材料抵抗の不均衡をなくすことができる。これにより、塑性流動材がバランス良く摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本接合工程では、回転ツールFの回転方向及び進行方向は適宜設定すればよいが、回転ツールFの移動軌跡に形成される塑性化領域W1のうち、ジャケット本体2側がシアー側となり、封止体3側がフロー側となるように回転ツールFの回転方向及び進行方向を設定した。これにより、仮に摩擦攪拌によるトンネル状の空洞欠陥ができたとしても、液冷ジャケット1の中空部から遠い部分に当該空洞欠陥が形成されるため水密性及び気密性を高めることができる。また、ジャケット本体2側がシアー側となるように設定することで、第一突合せ部J1の周囲における攪拌ピンF2による攪拌作用が高まり、第一突合せ部J1における温度上昇が期待でき、第一突合せ部J1において段差側面12bと封止体3の側面3cとをより確実に接合することができる。
なお、シアー側(Advancing side)とは、被接合部に対する回転ツールの外周の相対速度が、回転ツールの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側を意味する。一方、フロー側(Retreating side)とは、回転ツールの移動方向の反対方向に回転ツールが回動することで、被接合部に対する回転ツールの相対速度が低速になる側を言う。
また、ジャケット本体2の第一アルミニウム合金は、封止体3の第二アルミニウム合金よりも硬度の高い材料になっている。これにより、液冷ジャケット1の耐久性を高めることができる。また、ジャケット本体2の第一アルミニウム合金をアルミニウム合金鋳造材とし、封止体3の第二アルミニウム合金をアルミニウム合金展伸材とすることが好ましい。第一アルミニウム合金を例えば、JISH5302 ADC12等のAl−Si−Cu系アルミニウム合金鋳造材とすることにより、ジャケット本体2の鋳造性、強度、被削性等を高めることができる。また、第二アルミニウム合金を例えば、JIS A1000系又はA6000系とすることにより、加工性、熱伝導性を高めることができる。
また、本実施形態では、攪拌ピンF2の先端面F3を段差底面12aよりも深く挿入しないが、塑性化領域W1が第二突合せ部J2に達するようにすることで接合強度を高めることができる。
[第一変形例]
次に、第一実施形態の第一変形例について説明する。図6に示す第一変形例のように、封止体3の板厚を、段差側面12bの高さ寸法よりも大きくなるように設定してもよい。第一突合せ部J1は、隙間があるように形成されているため接合部が金属不足になるおそれがあるが、第一変形例のようにすることで金属不足を補うことができる。
[第二変形例]
次に、第一実施形態の第二変形例について説明する。図7に示す第二変形例のように、封止体3の側面3cを傾斜させて傾斜面を設けてもよい。側面3cは、裏面3bから表面3aに向かうにつれて外側に傾斜している。側面3cの傾斜角度γは、段差側面12bの傾斜角度βと同一になっている。これにより、載置工程では、段差側面12bと、封止体3の側面3cとが面接触する。第二変形例によれば、第一突合せ部J1に隙間が発生しないため、接合部の金属不足を補うことができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法は、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、を行う。第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の準備工程及び載置工程は、第一実施形態と同等であるため、説明を省略する。また、第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
本接合工程は、図8に示すように、回転ツールFを用いてジャケット本体2と封止体3とを摩擦攪拌接合する工程である。本接合工程では、攪拌ピンF2を第一突合せ部J1に沿って相対移動させる際に、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bにわずかに接触させ、かつ、先端面F3を段差底面12aに接触させないようにして摩擦攪拌接合を行う。
ここで、段差側面12bに対する攪拌ピンF2の外周面の接触代をオフセット量Nとする。本実施形態のように、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bに接触させ、かつ、攪拌ピンF2の先端面F3を段差底面12aに接触させない場合は、オフセット量Nを、0<N≦0.5mmの間で設定し、好ましくは0<N≦0.25mmの間で設定する。
図24に示す従来の液冷ジャケットの製造方法であると、ジャケット本体101と封止体102とで硬度が異なるため、回転中心軸Cを挟んで一方側と他方側とで攪拌ピンF2が受ける材料抵抗も大きく異なる。そのため、塑性流動材がバランス良く攪拌されず、接合強度が低下する要因になっていた。しかし、本実施形態によれば、攪拌ピンF2の外周面とジャケット本体2との接触代を極力小さくしているため、攪拌ピンF2がジャケット本体2から受ける材料抵抗を極力小さくすることができる。また、本実施形態では、段差側面12bの傾斜角度βと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(段差側面12bと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と段差側面12bとの接触代を高さ方向に亘って均一にすることができる。これにより、本実施形態では、塑性流動材がバランス良く攪拌されるため、接合部の強度低下を抑制することができる。
なお、第二実施形態でも、第一実施形態の第一変形例及び第二変形例のように、封止体3の板厚を大きくしたり、側面に傾斜面を設けてもよい。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法は、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、を行う。第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の準備工程及び載置工程は、第一実施形態と同等であるため、説明を省略する。また、第三実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
本接合工程は、図9に示すように、回転ツールFを用いてジャケット本体2と封止体3とを摩擦攪拌接合する工程である。本接合工程では、攪拌ピンF2を第一突合せ部J1に沿って相対移動させる際に、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bに接触させず、かつ、先端面F3を段差底面12aよりも深く挿入した状態で摩擦攪拌接合を行う。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、攪拌ピンF2と段差側面12bは接触させていないが、封止体3と攪拌ピンF2との摩擦熱によって第一突合せ部J1の主として封止体3側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、第一突合せ部J1において段差側面12bと封止体3の側面3cとを接合することができる。また、第一突合せ部J1においては攪拌ピンF2のみを封止体3のみに接触させて摩擦攪拌を行うため、ジャケット本体2から封止体3への第一アルミニウム合金の混入は殆どない。これにより、第一突合せ部J1においては主として封止体3側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。
また、ジャケット本体2の段差側面12bを外側に傾斜させているため、攪拌ピンF2と段差側面12bとの接触を容易に回避することができる。また、本実施形態では、段差側面12bの傾斜角度βと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(段差側面12bと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と段差側面12bその接触を避けつつ、攪拌ピンF2と段差側面12bとを極力近接させることができる。
また、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bから離間させて摩擦攪拌接合を行うため、攪拌ピンF2の回転中心軸Cに対して一方側と他方側で、攪拌ピンF2が受ける材料抵抗の不均衡を小さくすることができる。これにより、塑性流動材がバランス良く摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。本実施形態のように、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bに接触させず、かつ、先端面F3を段差底面12aよりも深く挿入する場合、段差側面12bから攪拌ピンF2の外周面までの離間距離Lを、例えば、0≦L≦0.5mmに設定し、好ましくは0≦L≦0.3mmに設定することが好ましい。
また、攪拌ピンF2の先端面F3を段差底面12aに挿入することにより、接合部の下部をより確実に摩擦攪拌することができる。これにより、塑性化領域W1に空洞欠陥等が発生するのを防ぎ、接合強度を高めることができる。また、攪拌ピンF2の先端面F3の全面が、封止体3の側面3cよりも封止体3の中央側に位置している。これにより、第二突合せ部J2の接合領域を大きくすることができるため、接合強度を高めることができる。
なお、第三実施形態でも、第一実施形態の第一変形例及び第二変形例のように、封止体3の板厚を大きくしたり、側面に傾斜面を設けてもよい。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法は、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、を行う。第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の準備工程及び載置工程は、第一実施形態と同等であるため、説明を省略する。また、第四実施形態では、第三実施形態と相違する部分を中心に説明する。
本接合工程は、図10に示すように、回転ツールFを用いてジャケット本体2と封止体3とを摩擦攪拌接合する工程である。本接合工程では、攪拌ピンF2を第一突合せ部J1に沿って相対移動させる際に、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bにわずかに接触させ、かつ、先端面F3を段差底面12aよりも深く挿入して摩擦攪拌接合を行う。
ここで、段差側面12bに対する攪拌ピンF2の外周面の接触代をオフセット量Nとする。本実施形態のように、攪拌ピンF2の先端面F3を段差底面12aよりも深く挿入し、かつ、攪拌ピンF2の外周面を段差側面12bに接触させる場合は、オフセット量Nを、0<N≦1.0mmの間で設定し、好ましくは0<N≦0.85mmの間で設定し、より好ましくは0<N≦0.65mmの間で設定する。
図24に示す従来の液冷ジャケットの製造方法であると、ジャケット本体101と封止体102とで硬度が異なるため、回転中心軸Cを挟んで一方側と他方側とで攪拌ピンF2が受ける材料抵抗も大きく異なる。そのため、塑性流動材がバランス良く攪拌されず、接合強度が低下する要因になっていた。しかし、本実施形態によれば、攪拌ピンF2の外周面とジャケット本体2との接触代を極力小さくしているため、攪拌ピンF2がジャケット本体2から受ける材料抵抗を小さくすることができる。また、本実施形態では、段差側面12bの傾斜角度βと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(段差側面12bと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と段差側面12bとの接触代を高さ方向に亘って均一にすることができる。これにより、本実施形態では、塑性流動材がバランス良く攪拌されるため、接合部の強度低下を抑制することができる。
また、攪拌ピンF2の先端面F3を段差底面12aに挿入することにより、接合部の下部をより確実に摩擦攪拌することができる。これにより、塑性化領域W1に空洞欠陥等が発生するのを防ぎ、接合強度を高めることができる。つまり、第一突合せ部J1及び第二突合せ部J2の両方を強固に接合することができる。
なお、第四実施形態でも、第一実施形態の第一変形例及び第二変形例のように、封止体3の板厚を大きくしたり、側面に傾斜面を設けてもよい。
[第四実施形態の第一変形例]
次に、第四実施形態の第一変形例について説明する。図11に示すように、当該第一変形例では、回転ツールFAを用いる点で、第四実施形態と相違する。当該変形例では、第四実施形態と相違する部分を中心に説明する。
本接合工程で用いる回転ツールFAは、連結部F1と、攪拌ピンF2とを備えて構成されている。攪拌ピンF2の先端には、回転中心軸Cに対して垂直であり、かつ、平坦な先端面F3が形成されている。攪拌ピンF2の先端面F3には、突起部F4が形成されている。突起部F4は、先端面F3から下方に突出する部位である。突起部F4の形状は特に制限されないが、本実施形態では、円柱状になっている。突起部F4の側面と、先端面F3とで段差部が形成されている。
当該第一変形例の本接合工程では、突起部F4を段差底面12aよりも深く挿入する。先端面F3は、第二突合せ部J2よりも上に位置している。突起部F4によって摩擦攪拌されて巻き上げられた塑性流動材は先端面F3で押えられる。これにより、突起部F4周りをより確実に摩擦攪拌することができるとともに第二突合せ部J2の酸化被膜が確実に分断される。これにより、第二突合せ部J2の接合強度を高めることができる。また、当該変形例のように、突起部F4のみを第二突合せ部J2よりも深く挿入するように設定することで、先端面F3を第二突合せ部J2よりも深く挿入する場合に比べて塑性化領域W1の幅を小さくすることができる。これにより、塑性流動材が凹部13へ流出するのを防ぐことができるとともに、段差底面12aの幅も小さく設定することができる。
なお、図11に示す第四実施形態の第一変形例では、突起部F4(攪拌ピンF2の先端)が第二突合せ部J2よりも深く挿入するように設定しているが、先端面F3が第二突合せ部J2よりも深く挿入するように設定してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。当該実施例では、主に、攪拌ピンF2の回転速度、接合速度、封止体の側面の傾斜の有無及びオフセット量N等の各条件をパラメータとして摩擦攪拌接合を行った。また、各接合部(塑性化領域)のマクロ断面を観察して接合状態を確認するとともに引張試験を行った。当該実施例では、4種類の試験(以下、「第一試験」、「第二試験」、「第三試験」、「第四試験」と言う。)を行った。
[第一試験]
第一試験では、図12及び図13に示す試験体20を用いて試験を行った。試験体20は、ベース部材21と、封止体22及び封止体23とで構成されている。ベース部材21は、アルミニウム合金鋳造材:ADC12(JISH5302 Al-Si-Cu系)を用いた。封止体22,23は、アルミニウム合金展伸材:JIS A1050を用いた。ベース部材21は、封止体22,23に比べて硬度が高くなっている。ベース部材21には、段差部24,24が形成されている。段差部24は、段差底面24aと、段差底面24aから斜め外側に傾斜する段差側面24b,24bとで構成されている。封止体22の側面22c,22dは、外側に傾斜している。鉛直面に対する段差側面24b,24bの傾斜角度βはいずれも10°である。段差底面24aの中央には、溝部25が形成されている。段差部24の深さ及び封止体22の板厚はいずれも3.0mmである。封止体22の各側面22c,22d及び封止体23の各側面23c,23dの傾斜角度γは鉛直面に対して10°である。
図12及び図13に示すように、一方の段差部24に封止体22を載置することにより、突合せ部J11及び突合せ部J12が形成される。封止体22の裏面22bは、段差底面24aと面接触する。また、封止体22の表面22aは、ベース部材21の表面と面一になる。また、他方の段差部24に封止体23を載置することにより、突合せ部J13及び突合せ部J14が形成される。封止体23の裏面23bは、段差底面24aと面接触する。また、封止体23の表面23aは、ベース部材21の表面と面一になる。第一試験では、図14に示すように、回転ツールFを用いて突合せ部J11〜14に対してそれぞれ摩擦攪拌接合を行った。回転ツールFは、図4に示すものと同じ形状のものを用いた。回転ツールFの接合速度(送り速度)は、突合せ部J11〜J14とも700mm/分に設定した。また、突合せ部J11〜J14とも回転ツールFの先端面F3は段差底面24aに接触させていない。
図14に示すように、突合せ部J11(試行NO.1)では、封止体22の一端側に設定された開始位置Sp1に右回転させた回転ツールFを挿入し、封止体22のみに接触さた状態で突合せ部J11に沿って回転ツールFを相対移動させ、他端側に設定された終了位置Ep1で離脱させた。回転ツールFの回転数は5000rpmに設定し、オフセット量Nは0.0mmに設定した(回転ツールFとベース部材21とは接触させていない)。
突合せ部J12(試行NO.2)では、封止体22の他端側に設定された開始位置Sp2に右回転させた回転ツールFを挿入し、突合せ部J12に沿って回転ツールFを相対移動させ、一端側に設定された終了位置Ep2で離脱させた。回転ツールFの回転数は5000rpmに設定し、オフセット量Nは0.25mmに設定した。
突合せ部J13(試行NO.3)では、封止体23の一端側に設定された開始位置Sp3に右回転させた回転ツールFを挿入し、突合せ部J13に沿って回転ツールFを相対移動させ、他端側に設定された終了位置Ep3で離脱させた。回転ツールFの回転数は5000rpmに設定し、オフセット量Nは0.50mmに設定した。
突合せ部J14(試行NO.4)では、封止体22の他端側に設定された開始位置Sp4に右回転させた回転ツールFを挿入し、突合せ部J14に沿って回転ツールFを相対移動させ、一端側に設定された終了位置Ep4で離脱させた。回転ツールFの回転数は7000rpmに設定し、オフセット量Nは0.25mmに設定した。
なお、図15〜17の「X地点」、「Y地点」、「Z地点」は、図14示すX,Y,Zの位置に対応している。
図15に示す試行NO.3のように、オフセット量Nが大きいと、試行NO.1,2と比べて表面にバリが多く発生していることがわかる。図16及び図17に示すように、試行NO.1〜4のいずれにおいても、突合せ部J11〜J14とも空洞が無く良好に接合されていることがわかる。一方、試行NO.1〜4のいずれにおいても、塑性化領域Wの下部には空洞が散見される。また、試行NO.3のようにオフセット量Nが大きくなると、突合せ部J13は接合されているものの塑性化領域Wの内部の空洞も大きくなるとともに、表面に発生する凹溝も大きくなる傾向がある。
図16に示すように、試行NO.1の引張強さは278N/mmであり、試行NO.2の引張強さは283N/mmであった。また、図17に示すように、試行NO.3の引張強さは75N/mmであり、試行NO.4の引張強さは276N/mmであった。試行NO.1,2,4については、塑性化領域Wに空洞欠陥があるものの引張強さは所定の強度を満たしている。一方、試行NO.3については、塑性化領域Wの欠肉及び空洞がいずれも多く、引張強さも著しく低かった。なお、本実施例における引張強さは、破断荷重(N)から接合部幅(mm)を除して算出した。
[第二試験]
第二試験では、第一試験と同じようにベース部材及び封止体を用意して、第一試験と概ね同じ要領で2か所の突合せ部に対して摩擦攪拌接合を行った(当該2か所の突合せ部についてそれぞれ試行NO.5,6とする)。封止体については、第一試験と同様に傾斜面を設け、段差側面と面接触させている。回転ツールについては、図11に示すように、突起部F4を備えた回転ツールFAを用いて、突起部F4を段差底面24aよりも深く挿入するとともに、先端面F3を段差底面24aに接触させないで摩擦攪拌接合を行った(図12参照)。
試行NO.5では、回転ツールFAの回転数を7500rpmに設定し、オフセット量Nを0.25mmに設定した。試行NO.6では、回転ツールFAの回転数を10000rpmに設定し、オフセット量Nを0.25mmに設定した。また、試行NO.5,6を行う際に、接合速度(送り速度)を所定の区間ごとに300mm/分、500mm/分、700mm/分と徐々に速度を上げて行った。
図18に示すように、試行NO.5,6とも表面に発生するバリは少なかった。図19に示すように、試行NO.5,6とも段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部(第一突合せ部に相当)の接合状態は空洞もなく良好であった。また、段差部の段差底面と封止体の裏面との突合せ部(第二突合せ部に相当)の接合状態においても空洞もなく良好であった。また、試行NO.5,6を対比すると、試行NO.5の方が塑性化領域Wの表面の凹溝が小さい。第二試験では、回転ツールFAの接合速度の差は、接合状態に大きな影響を与えないと考えられる。
試行NO.5における引張強さは、接合速度が300mm/分の区間で318N/mmであり、500mm/分の区間で316N/mmであり、700mm/分の区間で318N/mmであった。試行NO.5の引張強さはいずれも高い値となった。
試行NO.6における引張強さは、接合速度が300mm/分の区間で326N/mmであり、500mm/分の区間で327N/mmであり、700mm/分の区間で328N/mmであった。試行NO.6の引張強さもいずれも高い値となった。また、試行NO.6は、試行NO.5に比べてすべて良い結果となった。
[第三試験]
第三試験では、第一試験と同じようにベース部材及び封止体を用意して、第一試験と概ね同じ要領で2箇所の突合せ部に対して摩擦攪拌接合を行った(当該2か所の突合せ部についてぞれぞれ試行NO.7,8とする)。第三試験のベース部材は、アルミニウム合金鋳造材:ADC12(JIS H5302 Al-Si-Cu系)を用いた。封止体は、アルミニウム合金展伸材:JIS A1050を用いた。封止体については、側面の傾斜面は設けていないため段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部には隙間が生じている(図2参照)。また、回転ツールについては、図11に示すように、突起部F4を備えた回転ツールFAを用いて、突起部F4を段差底面24aよりも深く挿入するとともに、先端面F3を段差底面24aに接触させないで摩擦攪拌接合を行った(図12参照)。第三試験では、回転ツールFAの接合速度は300mm/分に設定し、回転速度は7500rpmに設定した。
また、試行NO.7のオフセット量Nは、所定の区間ごとに0.05mm、0.25mm、0.45mmの三段階に徐々に大きくしていった。また、試行NO.8のオフセット量Nは、所定の区間ごとに0.65mm、0.85mm、1.05mmの三段階に徐々に大きくしていった。
図20及び図21に示すように、試行NO.7においては、段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部(第一突合せ部に相当)の接合状態は空洞もなく良好であった。また、封止体の裏面と段差部の段差底面との突合せ部(第二突合せ部に相当)の接合状態においても空洞もなく良好であった。
試行NO.7における引張強さは、オフセット量Nが0.05mmの区間で255N/mmであり、0.25mmの区間で286N/mmであり、0.45mmの区間で313N/mmであった。試行NO.7の引張強さはいずれも高い値となった。
試行NO.8における引張強さは、オフセット量Nが0.65mmの区間で301N/mmであり、0.85mmの区間で278N/mmであり、1.05mmの区間で296N/mmであった。試行NO.8の引張強さはいずれも高い値となった。オフセット量Nが0.45mmで引張強さが最も大きな値となった。NO.8のオフセット量Nが1.05mmでは、欠肉は多いものの引張強さの値は大きかった。
[第四試験]
第四試験では、第一試験と同じようにベース部材及び封止体を用意して、第一試験と概ね同じ要領で2か所の突合せ部に対して摩擦攪拌接合を行った(当該2か所の突合せ部についてそれぞれ試行NO.9,10とする)。第四試験のベース部材は、アルミニウム合金鋳造材:JISH5302 ADC12を用いた。封止体は、アルミニウム合金展伸材:JIS A6063を用いた。封止体については、側面の傾斜面は設けていないため段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部には隙間が生じている(図2参照)。また、回転ツールについては、図11に示すように、突起部F4を備えた回転ツールFAを用いて、突起部F4を段差底面24aよりも深く挿入するとともに、先端面F3を段差底面24aに接触させないで摩擦攪拌接合を行った(図12参照)。オフセット量Nは、試行NO.9,10とも0.25mmに設定し、所定区間ごとに接合速度を300mm/分、500mm/分、700mm/分の三段階に徐々に大きくしていった。試行NO.9の回転ツールFAの回転速度は5000rpmに設定した。試行NO.10の回転ツールFAの回転速度は7500rpmに設定した。
図22及び図23に示すように、試行NO.10の接合速度300mm/分の場合には、塑性化領域Wの封止体側において、段差底面から上方に巻き上がるような空洞欠陥Qが形成されており接合状態は不良であった。つまり、回転ツールFAの接合速度が遅く、回転速度が速いと段差底面から巻き上がるような空洞欠陥が発生する傾向がある。なお、試行NO.10の接合速度500mm/分の場合には、空洞欠陥Qは存在しておらず、接合状態は良好であった。試行NO.9,10のその他の条件については、段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部(第一突合せ部に相当)の接合状態は空洞もなく良好であった。また、封止体の裏面と段差部の段差底面との突合せ部(第二突合せ部に相当)の接合状態は、空洞もなく良好であった。
試行NO.9における引張強さは、接合速度が300mm/分の区間で488N/mmであり、500mm/分の区間で501N/mmであり、700mm/分の区間で486N/mmであった。試行NO.9の引張強さはいずれも高い値となった。
試行NO.10における引張強さは、接合速度が300mm/分の区間で81N/mmであり、500mm/分の区間で283N/mmであり、700mm/分の区間で444N/mmであった。試行NO.10の引張強さは接合速度が300mm/分の区間で著しく低い値となった。
[まとめ]
第一試験では段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部(第一突合せ部に相当)は良好な接合状態となっているが、第二〜四試験のように突起部を備えた回転ツールFAを用いて、突起部を段差部の段差底面よりも深く挿入した方が段差底面と封止体の裏面との突合せ部(第二突合せ部に相当)がより確実に摩擦攪拌接合されることがわかる。また、第三,四試験のように、封止体の側面に傾斜面を設けなくても段差部の段差側面と封止体の側面との突合せ部(第一突合せ部に相当)は概ね良好な接合状態となっているが、第二試験のように封止体に傾斜面を設けた方が塑性化領域の表面の凹溝も小さく好ましいことがわかる。
1 液冷ジャケット
2 ジャケット本体
3 封止体
F 回転ツール
F1 連結部
F2 攪拌ピン
J1 第一突合せ部
J2 第二突合せ部
W 塑性化領域

Claims (20)

  1. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、
    前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体のみに接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  2. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、
    前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記ジャケット本体の前記段差側面にもわずかに接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  3. 前記封止体の板厚を前記段差側面の高さよりも大きくすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  4. 前記攪拌ピンの外周面の傾斜角度を前記段差側面の傾斜角度と同一にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  5. 前記封止体の側面に傾斜面を形成し、
    前記載置工程では、前記段差側面と前記傾斜面とを面接触させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  6. 前記封止体はアルミニウム合金展伸材で形成し、前記ジャケット本体はアルミニウム合金鋳造材で形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  7. 前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて左回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを右回転させ、
    前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて右回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを左回転させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  8. 前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に形成される塑性化領域のうち、前記ジャケット本体側がシアー側となり、前記封止体側がフロー側となるように前記回転ツールの回転方向及び進行方向を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  9. 前記第一突合せ部は、前記段差側面と前記封止体の前記側面とが断面略V字状の隙間をあけて突き合わされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  10. 前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に塑性化領域が形成され、
    前記塑性化領域は、前記第二突合せ部を超えてジャケット本体に達するように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  11. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記攪拌ピンは、先細りとなるように傾斜する外周面を備えるとともに平坦な先端面を備え、
    前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記攪拌ピンの先端を前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの前記外周面と前記段差側面とを離間させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  12. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を備えるジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体と、を攪拌ピンを備える回転ツールを用いて接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記攪拌ピンは、先細りとなるように傾斜する外周面を備えるとともに平坦な先端面を備え、
    前記周壁部の内周縁に、段差底面と、当該段差底面から前記開口部に向かって広がるように斜めに立ち上がる段差側面と、を有する段差部を形成する準備工程と、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置し、前記段差側面と前記封止体の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差底面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記攪拌ピンの先端を前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの前記外周面を前記段差側面にわずかに接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  13. 前記封止体の板厚を前記段差側面の高さよりも大きくすることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  14. 前記攪拌ピンの外周面の傾斜角度を前記段差側面の傾斜角度と同一にすることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  15. 前記封止体の側面に傾斜面を形成し、
    前記載置工程では、前記段差側面と前記傾斜面とを面接触させることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  16. 前記封止体はアルミニウム合金展伸材で形成し、前記ジャケット本体はアルミニウム合金鋳造材で形成することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  17. 前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて左回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを右回転させ、
    前記回転ツールの外周面に基端から先端に向うにつれて右回りの螺旋溝を刻設した場合、前記回転ツールを左回転させることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  18. 前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に形成される塑性化領域のうち、前記ジャケット本体側がシアー側となり、前記封止体側がフロー側となるように前記回転ツールの回転方向及び進行方向を設定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  19. 前記第一突合せ部は、前記段差側面と前記封止体の前記側面とが断面略V字状の隙間をあけて突き合わされることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  20. 前記本接合工程では、前記回転ツールの移動軌跡に塑性化領域が形成され、
    前記塑性化領域は、前記第二突合せ部を超えてジャケット本体に達するように形成されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
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