JP2021112755A - 液冷ジャケットの製造方法 - Google Patents

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久司 堀
伸城 瀬尾
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Abstract

【課題】材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】ジャケット本体2に封止体3を載置することにより端面11aと裏面3bとを重ね合わせて突合せ部J1に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、回転する回転ツールFの攪拌ピンF2を側面3cに挿入し、攪拌ピンF2の外周面を傾斜面11bにわずかに接触させつつ、ショルダ部F1の底面を側面3cに接触させた状態で、前記隙間に第二アルミニウム合金を流入させながら、突合せ部J1よりも封止体3側に設定された設定移動ルートL1に沿って所定の深さで側面3cの廻りに一周させて突合せ部J1を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、攪拌ピンF2を徐々に上方に移動させて、前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、液冷ジャケットの製造方法に関する。
魔作撹拌接合を利用した液冷ジャケットの製造方法が知られている。図19は、従来の液冷ジャケットの製造方法を示す断面図である。従来の液冷ジャケットの製造方法では、アルミニウム合金製のジャケット本体101の段差部に設けられた段差側面101cと、アルミニウム合金製の封止体102の側面102cとを突き合わせて形成された突合せ部J10に対して摩擦攪拌接合を行うというものである。また、従来の液冷ジャケットの製造方法では、回転ツールF40の連結部F41を封止体102から離間させ、攪拌ピンF42のみを突合せ部J10に挿入して摩擦攪拌接合を行っている。また、従来の液冷ジャケットの製造方法では、回転ツールF40の回転中心軸線Zを突合せ部J10に重ねて相対移動させるというものである。
特開2015−131321号公報
ここで、ジャケット本体101は複雑な形状となりやすく、例えば、4000系アルミニウム合金の鋳造材で形成し、封止体102のように比較的単純な形状のものは、1000系アルミニウム合金の展伸材で形成するというような場合がある。このように、アルミニウム合金の材種の異なる部材同士を接合して、液冷ジャケットを製造する場合がある。このような場合は、図19のように摩擦攪拌接合を行うと、攪拌ピンF42が封止体102側から受ける材料抵抗に比べて、ジャケット本体101側から受ける材料抵抗が大きくなる。そのため、回転ツールF40の攪拌ピンF42によって異なる材種をバランスよく攪拌することが困難となり、接合後の塑性化領域に空洞欠陥が発生し接合強度が低下するという問題がある。また、回転ツールF40で塑性流動材を押さえないため、接合表面にバリが多く発生するおそれがある。
また、図19に示すように、攪拌ピンF42を突合せ部J10から離脱させる際、鉛直方向に攪拌ピンF42を引き抜くため、摩擦攪拌の終了位置における摩擦熱が過大になる。これにより、当該終了位置において、ジャケット本体101側の金属が封止体102側に混入しやすくなり、接合不良の一因となるという問題がある。
このような観点から、本発明は、材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記周壁部の端面は前記ジャケット本体の側面に向かって下り勾配となる傾斜面となっており、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記封止体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記周壁部の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記封止体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記封止体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記封止体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、回転する前記攪拌ピンを前記設定移動ルートと重複する位置から前記設定移動ルートよりもさらに前記封止体の表面側に設定した終了位置に向かうまでの間に徐々に上方に移動させて、前記終了位置で前記封止体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする。
また、本発明は、底底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記周壁部の端面は前記ジャケット本体の側面に向かって下り勾配となる傾斜面となっており、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記封止体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記周壁部の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記封止体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記封止体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記封止体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、前記設定移動ルート上で進行方向に移動させつつ前記攪拌ピンを徐々に上方に移動させて、前記設定移動ルート上の終了位置で前記封止体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする。
かかる製造方法によれば、封止体と攪拌ピンとの摩擦熱によって突合せ部の主として封止体側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、突合せ部において周壁部と封止体とを接合することができる。また、攪拌ピンの外周面をジャケット本体の周壁部にわずかに接触させるに留めるため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、回転ツールのショルダ部の底面を封止体に接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。また、周壁部の端面に傾斜面を設けることで、周壁部と回転ツールとの接触代を小さくすることができる。また、回転ツールを設定移動ルートと重複する位置から設定移動ルートよりもさらに封止体の表面側に設定した終了位置に向かうまでの間に徐々に上方に移動させて、終了位置で封止体から攪拌ピンを離脱させることにより、設定移動ルート上で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。また、回転ツールを設定移動ルート上で進行方向に移動させつつ攪拌ピンを徐々に上方に移動させて、設定移動ルート上の終了位置で封止体から攪拌ピンを離脱させることにより、設定移動ルート上の一点で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルート上において、ジャケット本体の第一アルミニウム合金が封止体側に混入するのを防ぐことができる。
また、前記載置工程では、前記ジャケット本体の側面よりも前記封止体の側面の方が外側となるように、前記ジャケット本体及び前記封止体を形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、接合部が金属不足となるのを防ぐことができる。
また、前記回転ツールの回転方向及び進行方法を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、突合せ部の摩擦攪拌が促進され、より好適に接合することができる。
また、本発明は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記封止体の裏面の周縁部は前記封止体の側面に向かって板厚が小さくなるように傾斜面となっており、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記ジャケット本体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記封止体の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記ジャケット本体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記ジャケット本体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記ジャケット本体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、回転する前記攪拌ピンを前記設定移動ルートと重複する位置から前記設定移動ルートよりもさらに前記ジャケット本体の底部側に設定した終了位置に向かうまでの間に徐々に上方に移動させて、前記終了位置で前記ジャケット本体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする。
また、本発明は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記封止体の裏面の周縁部は前記封止体の側面に向かって板厚が小さくなるように傾斜面となっており、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記ジャケット本体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記封止体の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記ジャケット本体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記ジャケット本体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記ジャケット本体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、前記本接合工程において、前記設定移動ルート上で進行方向に移動させつつ前記攪拌ピンを徐々に上方に移動させて、前記設定移動ルート上の終了位置で前記封止体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
かかる製造方法によれば、ジャケット本体と攪拌ピンとの摩擦熱によって突合せ部の主としてジャケット本体側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化され、突合せ部において周壁部と封止体とを接合することができる。また、攪拌ピンの外周面を封止体にわずかに接触させるに留めるため、封止体からジャケット本体への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部においては主としてジャケット本体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ショルダ部の底面をジャケット本体に接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。また、封止体の裏面に傾斜面を設けることで、封止体と回転ツールとの接触代を小さくすることができる。また、回転ツールを設定移動ルートと重複する位置から設定移動ルートよりもさらにジャケット本体の底部側に設定した終了位置に向かうまでの間に徐々に上方に移動させて、終了位置でジャケット本体から攪拌ピンを離脱させることにより、設定移動ルート上で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。また、回転ツールを設定移動ルート上で進行方向に移動させつつ攪拌ピンを徐々に上方に移動させて、設定移動ルート上の終了位置で封止体から攪拌ピンを離脱させることにより、設定移動ルート上の一点で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルート上において、封止体の第一アルミニウム合金がジャケット本体側に混入するのを防ぐことができる。
また、前記載置工程では、前記封止体の側面よりも前記ジャケット本体の側面の方が外側となるように、前記ジャケット本体と前記封止体とを形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、接合部が金属不足となるのを防ぐことができる。
また、前記回転ツールの回転方向及び進行方法を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、突合せ部の摩擦攪拌が促進され、より好適に接合することができる。
本発明に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、材種の異なるアルミニウム合金を好適に接合することができる。
本発明の実施形態に係る回転ツールを示す側面図である。 本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケットを示す分解斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の載置工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る本接合工程における開始位置を側方から見た断面図である。 第一実施形態に係る本接合工程における押入区間を側方から見た断面図である。 第一実施形態に係る本接合工程における中間点S1付近を進行方向後方から見た断面図である。 第一実施形態に係る本接合工程における終了後を示す斜視図である。 第一実施形態に係る本接合工程における離脱区間を側方から見た断面図である。 本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る本接合工程における終了後を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る液冷ジャケットを示す分解斜視図である。 第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の載置工程を示す断面図である。 第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第三実施形態に係る本接合工程における中間点S1付近を進行方向後方から見た断面図である。 第三実施形態に係る本接合工程における終了後を示す斜視図である。 本発明の第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第四実施形態に係る本接合工程における終了後を示す斜視図である。 従来の液冷ジャケットの製造方法を示す断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。まずは、本発明の実施形態における接合方法で用いる回転ツールFについて説明する。回転ツールFは、摩擦攪拌接合に用いられるツールである。図1に示すように、回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、ショルダ部F1と、攪拌ピンF2とで主に構成されている。ショルダ部F1は、円柱状を呈し、摩擦攪拌装置の主軸に接続される部位である。
攪拌ピンF2は、ショルダ部F1の底面の中央から垂下しており、ショルダ部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2はショルダ部F1から離間するにつれて先細り(テーパー状)になっている。攪拌ピンF2の傾斜角度αについては各実施形態において詳述する。攪拌ピンF2の先端には、回転中心軸線Zに対して垂直な平坦面F3が形成されている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。螺旋溝は、回転ツールFを右回転させる場合は基端から先端に向かうにつれて左回りに形成され、回転ツールFを左回転させる場合は基端から先端に向かうにつれて右回りに形成される。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属を螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導くことが可能になり、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
[第一実施形態]
次に、本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態の液冷ジャケットの製造方法は、ジャケット本体2と封止体3とを摩擦攪拌接合して液冷ジャケット1を製造するというものである。液冷ジャケット1は、封止体3の上に発熱体(図示省略)を設置するとともに、内部に流体を流して発熱体と熱交換を行う部材である。なお、以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面という意味である。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、を行う。図2に示すように、準備工程は、ジャケット本体2及び封止体3を準備する工程である。
ジャケット本体2は、底部10と、周壁部11とで主に構成されている。底部10は平面視矩形を呈する板状部材である。周壁部11は、底部10の周縁部から矩形枠状に立ち上がる壁部である。周壁部11の4つの角部は丸面取り加工が施されている。
周壁部11の端面11aには、周方向全体に亘って傾斜面11bが設けられている。傾斜面11bは、側面11cに向かって下り(底部10側)勾配となっている。底部10及び周壁部11で凹部13が形成されている。
ジャケット本体2は、第一アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第一アルミニウム合金は、例えば、JISH5302 ADC12(Al-Si-Cu系)等のアルミニウム合金鋳造材を用いている。
封止体3は、ジャケット本体2の開口部を封止する板状部材である。封止体3は、ジャケット本体2よりも一回り大きくなるように形成されている。封止体3の角部は丸面取り加工が施されている。封止体3の裏面3bは平坦面になっている。
封止体3は、第二アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第二アルミニウム合金は、第一アルミニウム合金よりも硬度の低い材料である。第二アルミニウム合金は、例えば、JIS A1050,A1100,A6063等のアルミニウム合金展伸材で形成されている。なお、本明細書において硬度はブリネル硬さをいい、JIS Z 2243に準じた方法によって測定することができる。
載置工程は、図3に示すように、ジャケット本体2に封止体3を載置する工程である。載置工程では、ジャケット本体2の周壁部11の端面11aに封止体3の裏面3bを載置する。前述のように、封止体3は、ジャケット本体2よりも一回り大きくなるように形成されているため、ジャケット本体2の側面11cよりも封止体3の側面3cの方が外側となる。
周壁部11の端面11aと封止体3の裏面3b、及び、傾斜面11bと封止体3の裏面3bとを突き合わせて突合せ部J1を形成する。突合せ部J1は、周壁部11の端面11aと封止体3の裏面3bのように対向する面同士が接触した部分と、ジャケット本体2の傾斜面11bと裏面3bのように断面略V字状の隙間を形成した部分とで構成される。
本実施形態の本接合工程は、図4に示すように、回転ツールFを用いて、突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。本接合工程において、回転ツールFは、封止体3の側面3cから見た場合に回転中心軸線Zが「設定移動ルートL1」(一点鎖線)を通るように移動する。回転中心軸線Zと封止体3の側面3cとは垂直となるようにする。設定移動ルートL1は、突合せ部J1よりも封止体3の表面3a側に設定する。
図4に示すように、本接合工程では、開始位置SP1から中間点S1までの押入区間と、設定移動ルートL1上の中間点S1から一周廻って中間点S2(図8参照)までの本区間と、中間点S2から終了位置EP1(図8参照)までの離脱区間の三つの区間を連続して摩擦攪拌接合する。中間点S1,S2は、設定移動ルートL1上に設定されている。
開始位置SP1は、封止体3の側面3cにおいて、設定移動ルートL1よりもさらに封止体3の表面3a側に設定されている。本実施形態では、開始位置SP1と中間点S1とを結ぶ線分と、設定移動ルートL1とのなす角度が鈍角となる位置に設定している。
本接合工程の押入区間では、図5及び図6に示すように、開始位置SP1から中間点S1までの摩擦攪拌を行う。押入区間では、封止体3の側面3cに対して回転中心軸線Zを垂直にしつつ、左回転させた攪拌ピンF2を開始位置SP1に挿入した後、回転ツールFの回転中心軸線Zを設定移動ルートL1と重複する位置まで移動させる。この際、図6に示すように、少なくとも中間点S1に到達するまでに予め設定された「所定の深さ」に達するように攪拌ピンF2を徐々に押し入れていく。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1に移動させながら徐々に下降させていく。
所定の深さとは、設定移動ルートL1上の中間点S1から中間点S2までの本区間において、攪拌ピンF2を押し込む深さをいう。
攪拌ピンF2が中間点S1に到達したら、そのまま本区間に移行する。中間点S1に達した際に、図7に示すように、攪拌ピンF2の外周面とジャケット本体2の傾斜面11b及び端面11aとがわずかに接触するように設定する。このとき、少なくとも攪拌ピンF2の外周面と周壁部11との接触により、周壁部11側の第一アルミニウム合金がわずかに削りとられ、第一アルミニウム合金が封止体3側に混入する。本区間では、所定の深さを維持したまま設定移動ルートL1に沿って回転ツールFを移動させることにより、封止体3の第二アルミニウム合金を突合せ部J1の隙間に流入させながら摩擦攪拌を行う。回転ツールFは、進行方向左側に封止体3が位置するようにし、設定移動ルートL1に沿って一周させる。回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域W1が形成される。
ここで、所定の深さにおけるジャケット本体2の傾斜面11bに対する攪拌ピンF2の外周面の接触代をオフセット量Nとする。本実施形態のように、攪拌ピンF2の外周面を傾斜面11bにわずかに接触させる場合は、オフセット量Nを、例えば、0<N≦0.5mmの間で設定し、好ましくは0<N≦0.25mmの間で設定する。設定移動ルートL1は攪拌ピンF2と傾斜面11bとの接触代が前記の範囲となるように封止体3の側面3c上に設定する。
なお、本実施形態に係る本接合工程では、回転ツールFのショルダ部F1の底面を封止体3の側面3cと接触させつつ、平坦面F3をジャケット本体2の端面11aと接触させるように回転ツールFの挿入深さを設定したが、挿入深さの設定はこれに限らない。例えば、ショルダ部F1の底面を封止体3の側面3cに接触させつつ、平坦面F3をジャケット本体2の端面11aと接触させず、傾斜面11bのみと接触させるように挿入深さを設定してもよい。
本区間では、回転ツールFを、設定移動ルートL1(図4参照)に沿って一周させる。図8に示すように、回転ツールFを一周させて攪拌ピンF2が中間点S2に到達したら、そのまま離脱区間に移行する。離脱区間では、図9に示すように、中間点S2から終了位置EP1に向かうまでの間に攪拌ピンF2を徐々に上方に移動させて、終了位置EP1で封止体3から攪拌ピンF2を離脱させる。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを終了位置EP1に移動させながら封止体3から離間する方向に徐々に引抜いていく。終了位置EP1は、終了位置EP1と中間点S2とが結ぶ線分と設定移動ルートL1とでなす角度が鈍角となる位置に設定する。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、封止体3と攪拌ピンF2との摩擦熱によって突合せ部J1の主として封止体3側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化される。そのため、突合せ部J1において周壁部11と封止体3とを接合することができる。また、攪拌ピンF2の外周面をジャケット本体2の傾斜面11bにわずかに接触させるに留めるため、ジャケット本体2から封止体3への第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部J1においては主として封止体3側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。
仮に、傾斜面11bを設けずに、ジャケット本体2の端面11aの全体と封止体3の裏面3bとを面接触させると、攪拌ピンF2と周壁部11との接触代が大きくなってしまい、ジャケット本体2から封止体3への第一アルミニウム合金の混入が多くなってしまうという問題がある。しかし、本実施形態によれば、ジャケット本体2の端面11aに傾斜面11bを設けているため、傾斜面11bと攪拌ピンF2との接触代が大きくなるのを容易に回避することができる。
また、攪拌ピンF2の傾斜角度α(図1参照)及び傾斜面11bの傾斜角度β(図3参照)は適宜設定すればよいが、本実施形態では、傾斜面11bの傾斜角度βと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(傾斜面11bと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と傾斜面11bとをバランスよく接触させることができる。
また、ショルダ部F1の底面を封止体3の側面3cに接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。
また、本接合工程では、回転ツールFの回転方向及び進行方向は適宜設定すればよいが、回転ツールFの移動軌跡に形成される塑性化領域W1のうち、周壁部11側、換言すれば突合せ部J1側がアドバンシング側となり、封止体3側がリトリーティング側となるように回転ツールFの回転方向及び進行方向を設定した。突合せ部J1側がアドバンシング側となるように設定することで、突合せ部J1の周囲における攪拌ピンF2による攪拌作用が高まり、突合せ部J1における温度上昇が期待でき、突合せ部J1において周壁部11と封止体3とをより確実に接合することができる。
なお、アドバンシング側とは、被接合部に対する回転ツールFの外周の相対速度が、回転ツールFの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側を意味する。一方、リトリーティング側とは、回転ツールFの移動方向の反対方向に回転ツールFが回動することで、被接合部に対する回転ツールFの相対速度が低速になる側を言う。
また、側方から見た場合に、封止体3の寸法をジャケット本体2の周壁部11の寸法よりも大きくなるように設定している。換言すると、回転ツールFの進行方向後方から見た場合に、封止体3の側面3cが、ジャケット本体2の側面11cよりも高い位置となるように設定している(図7参照)。これにより、突合せ部J1にV字状の隙間が形成されていても、接合部の金属不足を防ぐことができる。
また、回転ツールFを移動させながら所定の深さとなるまで攪拌ピンF2を徐々に押入することにより、設定移動ルートL1上で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。また、回転ツールFを移動させながら攪拌ピンF2を徐々に引抜いていくことにより、設定移動ルートL1上で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルートL1において、ジャケット本体2の第一アルミニウム合金が封止体3側に混入するのを防ぐことができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態では、図10及び図11に示すように、本接合工程における開始位置SP1及び終了位置EP1の位置をいずれも設定移動ルートL1上に設定する点で第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、載置工程と、本接合工程とを行う。準備工程及び載置工程は、第一実施形態と同一である。
本接合工程では、図10に示すように、開始位置SP1を設定移動ルートL1上に設定する。本接合工程では、設定移動ルートL1上の開始位置SP1から中間点S1までの押入区間と、中間点S1から一周廻って中間点S2(図11参照)までの本区間と、中間点S2から設定移動ルートL1上の終了位置EP1(図11参照)までの離脱区間の三つの区間を連続して摩擦攪拌する。
押入区間では、開始位置SP1から中間点S1までの摩擦攪拌を行う(図5及び6参照)。押入区間では、封止体3の側面3cに対して回転中心軸線Zを垂直となるようにしつつ、左回転させた攪拌ピンF2を設定移動ルートL1上の開始位置SP1に挿入し、中間点S1まで移動させる。この際、少なくとも中間点S1に到達するまでに予め設定された「所定の深さ」に達するように攪拌ピンF2を徐々に押し入れていく。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1上で進行方向に移動させながら徐々に下降させていく。所定の深さについては第一実施形態と同様である。
また、中間点S1に達した際に、ショルダ部F1の底面を封止体3の側面3cに接触させつつ、攪拌ピンF2の外周面をジャケット本体2の傾斜面11b及び端面11aにわずかに接触させた状態とし、そのまま本区間の摩擦攪拌接合に移行する。攪拌ピンF2の外周面とジャケット本体2の傾斜面11bとの接触代であるオフセット量N及び設定移動ルートL1の設定は第一実施形態と同一である。
本区間では、図11に示すように、回転ツールFを一周させて攪拌ピンF2が中間点S2に到達したら、そのまま離脱区間に移行する。離脱区間では、中間点S2から設定移動ルートL1上の終了位置EP1に向かうまでの間に攪拌ピンF2を徐々に上方に移動させて(図9参照)、終了位置EP1で封止体3から攪拌ピンF2を離脱させる。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1上で進行方向に移動させながら徐々に引抜いていく。
以上説明した本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。さらに、第二実施形態に係る本接合工程の押入区間では、回転ツールFを設定移動ルートL1上で移動させつつ所定の深さとなるまで攪拌ピンF2を徐々に押入することにより、設定移動ルートL1上の一点で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。また、第二実施形態に係る本接合工程の離脱区間では、回転ツールFを設定移動ルートL1上で移動させつつ攪拌ピンF2を徐々に離脱させることにより、設定移動ルートL1上の一点で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルートL1において、ジャケット本体2の第一アルミニウム合金が封止体3側に混入するのを防ぐことができる。本実施形態のように本接合工程における開始位置SP1及び終了位置EP1は、設定移動ルートL1上に設定してもよい。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態では、ジャケット本体2Aが第二アルミニウム合金で形成され、封止体3Aが第一アルミニウム合金で形成され、ジャケット本体2Aではなく封止体3Aが傾斜面を備える点で、第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、を行う。図12に示すように、準備工程は、ジャケット本体2A及び封止体3Aを用意する工程である。
ジャケット本体2Aの周壁部11の端面11aは平坦面になっている。また、ジャケット本体2Aは、第二アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第二アルミニウム合金は、第一アルミニウム合金より硬度の低いアルミニウム合金であり、例えば、JIS A1050,A1100,A6063等のアルミニウム合金展伸材で形成されている。
図13に示すように、封止体3Aは、ジャケット本体2Aよりも一周り小さくなるように形成されている。封止体3Aの裏面3bの周縁部には、全周に亘って傾斜面3dが形成されている。傾斜面3dは、側面3cに向けて封止体3Aの板厚が小さくなるように傾斜している。封止体3Aは、第一アルミニウム合金を主に含んで形成されている。第一アルミニウム合金は、例えば、JISH5302 ADC12(Al-Si-Cu系)等のアルミニウム合金鋳造材を用いている。
載置工程は、図13に示すように、ジャケット本体2Aに封止体3Aを載置する工程である。載置工程では、周壁部11の端面11aに封止体3Aの裏面3bを載置する。前述のように、封止体3Aは、ジャケット本体2Aよりも一周り小さくなるように形成されているため、封止体3の側面3cよりもジャケット本体2の側面11cの方が外側となる。
周壁部11の端面11aと封止体3Aの裏面3b、及び、端面11aと封止体3Aの傾斜面3dとを突き合わせて突合せ部J2を形成する。突合せ部J2は、周壁部11の端面11aと封止体3Aの裏面3bのように対向する面同士が接触した部分と、端面11aと封止体3Aの傾斜面3dのように断面略V字状の隙間を形成した部分とで構成される。
本実施形態の本接合工程は、図14に示すように、回転ツールFを用いて、突合せ部J2を摩擦攪拌接合する工程である。本接合工程において、回転ツールFは、封止体3Aの側面3cから見た場合に回転中心軸線Zが「設定移動ルートL1」(一点鎖線)を通るように移動する。回転中心軸線Zとジャケット本体2Aの側面11cとは垂直となるようにする。設定移動ルートL1は、突合せ部J2よりもジャケット本体2Aの端面11aよりも底部10側に設定する。
図14に示すように、本接合工程では、開始位置SP1から中間点S1までの押入区間と、設定移動ルートL1上の中間点S1から一周廻って中間点S2(図16参照)までの本区間と、中間点S2から終了位置EP1(図16参照)までの離脱区間の三つの区間を連続して摩擦攪拌接合する。中間点S1,S2は、設定移動ルートL1上に設定されている。
開始位置SP1は、ジャケット本体2Aの側面11cにおいて、設定移動ルートL1よりもさらにジャケット本体2Aの底部10側に設定されている。本実施形態では、開始位置SP1と中間点S1とを結ぶ線分と、設定移動ルートL1とのなす角度が鈍角となる位置に設定している。
本接合工程の押入区間では、開始位置SP1から中間点S1までの摩擦攪拌を行う。押入区間では、ジャケット本体2Aの側面11cに対して回転中心軸線Zを垂直にしつつ、右回転させた攪拌ピンF2を開始位置SP1に挿入した後、回転ツールFの回転中心軸線Zを設定移動ルートL1と重複する位置まで移動させる。この際、少なくとも中間点S1に到達するまでに予め設定された「所定の深さ」に達するように攪拌ピンF2を徐々に押し入れていく(図5及び図6参照)。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1に移動させながら徐々に下降させていく。
攪拌ピンF2が中間点S1に到達したら、そのまま本区間に移行する。中間点S1に達した際に、図15に示すように、攪拌ピンF2の外周面と封止体3Aの傾斜面3d及び裏面3bとがわずかに接触するように設定する。このとき、少なくとも攪拌ピンF2の外周面と封止体3Aとの接触により、封止体3A側の第一アルミニウム合金がわずかに削りとられ、第一アルミニウム合金がジャケット本体2A側に混入する。本区間では、所定の深さを維持したまま設定移動ルートL1に沿って回転ツールFを移動させることにより、周壁部11の第二アルミニウム合金を突合せ部J2の隙間に流入させながら摩擦攪拌を行う。回転ツールFは、進行方向左側に封止体3Aが位置するようにし、設定移動ルートL1に沿って一周させる。回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域W1が形成される。
ここで、所定の深さにおける封止体3Aの傾斜面3dに対する攪拌ピンF2の外周面の接触代をオフセット量N1とする。本実施形態のように、攪拌ピンF2の外周面を傾斜面3dにわずかに接触させる場合は、オフセット量N1を、例えば、0<N1≦0.5mmの間で設定し、好ましくは0<N1≦0.25mmの間で設定する。設定移動ルートL1は、攪拌ピンF2と傾斜面3dとの接触代が前記の範囲となるようにジャケット本体2Aの側面11c上に設定する。
なお、本実施形態に係る本接合工程では、回転ツールFのショルダ部F1の底面をジャケット本体2Aの側面11cに接触させつつ、平坦面F3を封止体3Aの裏面3bに接触させるように、回転ツールFの挿入深さを設定したが、挿入深さの設定はこれに限らない。例えば、回転ツールFのショルダ部F1の底面をジャケット本体2Aのジャケット本体2Aの側面11cに接触させつつ、平坦面F3を封止体3Aの裏面3bに接触させず、傾斜面3dのみと接触するように挿入深さを設定してもよい。
本区間では、回転ツールFを、設定移動ルートL1(図14参照)に沿って一周させる。図16に示すように、回転ツールFを一周させて攪拌ピンF2が中間点S2に到達したら、そのまま離脱区間に移行する。離脱区間では、中間点S2から終了位置EP1に向かうまでの間に攪拌ピンF2を徐々に上方に移動させて、終了位置EP1でジャケット本体2Aから攪拌ピンF2を離脱させる(図9参照)。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを終了位置EP1に移動させながらジャケット本体2Aから離間する方向に徐々に引抜いていく。終了位置EP1は、終了位置EP1と中間点S2とが結ぶ線分と設定移動ルートL1とでなす角度が鈍角となる位置に設定する。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、ジャケット本体2Aと攪拌ピンF2との摩擦熱によって突合せ部J2の主としてジャケット本体2A側の第二アルミニウム合金が攪拌されて塑性流動化される。そのため、突合せ部J2において周壁部11と封止体3Aとを接合することができる。また、攪拌ピンF2の外周面を封止体3Aの傾斜面3dにわずかに接触させるに留めるため、封止体3Aからジャケット本体2Aへの第一アルミニウム合金の混入を極力少なくすることができる。これにより、突合せ部J2においては主としてジャケット本体2A側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。
仮に、傾斜面3dを設けずに、ジャケット本体2Aの端面11aの全体と封止体3Aの裏面3bとを面接触させると、攪拌ピンF2と封止体3Aとの接触代が大きくなってしまい、封止体3Aからジャケット本体2Aへの第一アルミニウム合金の混入が多くなってしまうという問題がある。しかし、本実施形態によれば、封止体3Aの裏面3bに傾斜面3dを設けているため、傾斜面3dと攪拌ピンF2との接触代が大きくなるのを容易に回避することができる。
また、攪拌ピンF2の傾斜角度α(図1参照)及び傾斜面3dの傾斜角度γ(図13参照)は適宜設定すればよいが、本実施形態では、傾斜面3dの傾斜角度γと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(傾斜面3dと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と傾斜面3dとをバランスよく接触させることができる。
また、ショルダ部F1の底面をジャケット本体2Aの側面11cに接触させて塑性流動材を押さえることにより、バリの発生を抑制することができる。
また、本接合工程では、回転ツールFの回転方向及び進行方向は適宜設定すればよいが、回転ツールFの移動軌跡に形成される塑性化領域W1のうち、封止体3A側、換言すれば突合せ部J2側がアドバンシング側となり、ジャケット本体2A側がリトリーティング側となるように回転ツールFの回転方向及び進行方向を設定した。突合せ部J2側がアドバンシング側となるように設定することで、突合せ部J2の周囲における攪拌ピンF2による攪拌作用が高まり、突合せ部J2における温度上昇が期待でき、突合せ部J2において周壁部11と封止体3Aとをより確実に接合することができる。
また、側方側から見た場合に、ジャケット本体2Aの寸法が封止体3Aの寸法よりも大きくなるように設定している。換言すると、回転ツールFの進行方向後方から見た場合に、ジャケット本体2Aの側面11cが、封止体3Aの側面3cよりも高い位置となるように設定している(図15参照)。これにより、突合せ部J2にV字状の隙間が形成されていても、接合部の金属不足を防ぐことができる。
また、回転ツールFを移動させながら所定の深さとなるまで攪拌ピンF2を徐々に押入することにより、設定移動ルートL1上で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。また、回転ツールFを移動させながら攪拌ピンF2を徐々に引抜いていくことにより、設定移動ルートL1上で摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルートL1において、封止体3Aの第一アルミニウム合金がジャケット本体2A側に混入するのを防ぐことができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態では、図17及び図18に示すように、本接合工程における開始位置SP1及び終了位置EP1の位置をいずれも設定移動ルートL1上に設定する点で第三実施形態と相違する。本実施形態では、第三実施形態と相違する部分を中心に説明する。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、載置工程と、本接合工程とを行う。準備工程及び載置工程は、第三実施形態と同一である。
本接合工程では、図17に示すように、開始位置SP1を設定移動ルートL1上に設定する。本接合工程では、設定移動ルートL1上の開始位置SP1から中間点S1までの押入区間と、中間点S1から一周廻って中間点S2(図18参照)までの本区間と、中間点S2から設定移動ルートL1上の終了位置EP1(図18参照)までの離脱区間の三つの区間を連続して摩擦攪拌する。
押入区間では、開始位置SP1から中間点S1までの摩擦攪拌を行う(図5及び6参照)。押入区間では、封止体3Aの側面3cに対して回転中心軸線Zを垂直となるようにしつつ、右回転させた攪拌ピンF2を設定移動ルートL1上の開始位置SP1に挿入し、中間点S1まで移動させる。この際、少なくとも中間点S1に到達するまでに予め設定された「所定の深さ」に達するように攪拌ピンF2を徐々に押し入れていく。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1上で進行方向に移動させながら徐々に下降させていく。所定の深さについては第三実施形態と同様である。
また、中間点S1に達した際に、ショルダ部F1の底面を封止体3Aの側面3cに接触させつつ、攪拌ピンF2の外周面を封止体3Aの傾斜面3d及び裏面3bにわずかに接触させた状態とし、そのまま本区間の摩擦攪拌接合に移行する。攪拌ピンF2の外周面と封止体3Aの傾斜面3dとの接触代であるオフセット量N1及び設定移動ルートL1の設定は第三実施形態と同一である。
本区間では、図18に示すように、回転ツールFを一周させて攪拌ピンF2が中間点S2に到達したら、そのまま離脱区間に移行する。離脱区間では、中間点S2から設定移動ルートL1上の終了位置EP1に向かうまでの間に攪拌ピンF2を徐々に上方に移動させて(図9参照)、終了位置EP1でジャケット本体2Aから攪拌ピンF2を離脱させる。つまり、回転ツールFを一ヶ所に留まらせることなく、回転ツールFを設定移動ルートL1上で進行方向に移動させながら徐々に引抜いていく。
以上説明した本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によっても第三実施形態と略同等の効果を奏することができる。さらに、第四実施形態に係る本接合工程の押入区間では、回転ツールFを設定移動ルートL1上で移動させつつ所定の深さとなるまで攪拌ピンF2を徐々に押入することにより、設定移動ルートL1上の一点で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。また、第四実施形態に係る本接合工程の離脱区間では、回転ツールFを設定移動ルートL1上で移動させつつ攪拌ピンF2を徐々に離脱させることにより、設定移動ルートL1上の一点で回転ツールFが停止して摩擦熱が過大になるのを防ぐことができる。これにより、設定移動ルートL1において、封止体3Aの第一アルミニウム合金がジャケット本体2A側に混入するのを防ぐことができる。本実施形態のように本接合工程における開始位置SP1及び終了位置EP1は、設定移動ルートL1上に設定してもよい。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、前記の実施形態では、ジャケット本体2,2A及び封止体3,3Aのうち、第二アルミニウム合金を用いる一方側の寸法を、他方側よりも一周り大きく設定したが、両者を同一の大きさで形成してもよい。
1 液冷ジャケット
2,2A ジャケット本体
3,3A 封止体
3a 表面(封止体の表面)
3b 裏面(封止体の裏面)
3c 側面(封止体の側面)
3d 傾斜面(封止体の傾斜面)
11 周壁部
11a 端面(周壁部の端面)
11b 傾斜面(周壁部の傾斜面)
11c 側面(周壁部の側面)
J1,J2 突合せ部
L1 設定移動ルート
SP1 開始位置
EP1 終了位置
S1,S2 中間点
F 回転ツール
F1 ショルダ部
F2 攪拌ピン
F3 平坦面

Claims (12)

  1. 底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記周壁部の端面は前記ジャケット本体の側面に向かって下り勾配となる傾斜面となっており、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、
    前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記封止体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記周壁部の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記封止体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記封止体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記封止体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、回転する前記攪拌ピンを前記設定移動ルートと重複する位置から前記設定移動ルートよりもさらに前記封止体の表面側に設定した終了位置に向かうまでの間に徐々に上方に移動させて、前記終了位置で前記封止体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  2. 前記載置工程では、前記ジャケット本体の側面よりも前記封止体の側面の方が外側となるように、前記ジャケット本体及び前記封止体を形成することを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  3. 前記回転ツールの回転方向及び進行方法を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  4. 底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記周壁部の端面は前記ジャケット本体の側面に向かって下り勾配となる傾斜面となっており、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、
    前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記封止体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記周壁部の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記封止体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記封止体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記封止体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、前記設定移動ルート上で進行方向に移動させつつ前記攪拌ピンを徐々に上方に移動させて、前記設定移動ルート上の終了位置で前記封止体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  5. 前記載置工程では、前記ジャケット本体の側面よりも前記封止体の側面の方が外側となるように、前記ジャケット本体及び前記封止体を形成することを特徴とする請求項4に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  6. 前記回転ツールの回転方向及び進行方法を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  7. 底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記封止体の裏面の周縁部は前記封止体の側面に向かって板厚が小さくなるように傾斜面となっており、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、
    前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記ジャケット本体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記封止体の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記ジャケット本体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記ジャケット本体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記ジャケット本体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、回転する前記攪拌ピンを前記設定移動ルートと重複する位置から前記設定移動ルートよりもさらに前記ジャケット本体の底部側に設定した終了位置に向かうまでの間に徐々に上方に移動させて、前記終了位置で前記ジャケット本体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  8. 前記載置工程では、前記封止体の側面よりも前記ジャケット本体の側面の方が外側となるように、前記ジャケット本体と前記封止体とを形成することを特徴とする請求項7に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  9. 前記回転ツールの回転方向及び進行方法を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  10. 底部及び前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体は第二アルミニウム合金で形成されており、前記封止体は第一アルミニウム合金で形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記封止体の裏面の周縁部は前記封止体の側面に向かって板厚が小さくなるように傾斜面となっており、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、ショルダ部を備え、前記ショルダ部の底面の中央から垂下する攪拌ピンを備えており、
    前記攪拌ピンは、先細りのテーパー状となっており、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置することにより前記周壁部の端面と前記封止体の裏面とを重ね合わせて突合せ部に断面V字状の隙間を形成する載置工程と、
    回転する前記回転ツールの前記攪拌ピンを前記ジャケット本体の側面に挿入し、前記攪拌ピンの外周面を前記封止体の前記傾斜面にわずかに接触させつつ、前記ショルダ部の底面を前記ジャケット本体の側面に接触させた状態で、前記隙間に前記第二アルミニウム合金を流入させながら、前記突合せ部よりも前記ジャケット本体側に設定された設定移動ルートに沿って所定の深さで前記ジャケット本体の側面の廻りに一周させて前記突合せ部を摩擦攪拌する本接合工程と、を含み、
    前記本接合工程において、前記設定移動ルート上で進行方向に移動させつつ前記攪拌ピンを徐々に上方に移動させて、前記設定移動ルート上の終了位置で前記封止体から前記攪拌ピンを離脱させることを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  11. 前記載置工程では、前記封止体の側面よりも前記ジャケット本体の側面の方が外側となるように、前記ジャケット本体と前記封止体とを形成することを特徴とする請求項10に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  12. 前記回転ツールの回転方向及び進行方法を前記突合せ部側がアドバンシング側となるように設定することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の液冷ジャケットの製造方法。
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JP3222972U (ja) * 2016-09-12 2019-09-12 宣徳醫材科技股▲ふん▼有限公司 鼻パッド付防護マスク
JP3229085U (ja) * 2020-08-29 2020-11-26 一瀬 邦夫 マスク

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