JP6766688B2 - 連続鋳造機 - Google Patents
連続鋳造機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6766688B2 JP6766688B2 JP2017035511A JP2017035511A JP6766688B2 JP 6766688 B2 JP6766688 B2 JP 6766688B2 JP 2017035511 A JP2017035511 A JP 2017035511A JP 2017035511 A JP2017035511 A JP 2017035511A JP 6766688 B2 JP6766688 B2 JP 6766688B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slab
- stirring device
- electromagnetic force
- continuous casting
- casting machine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について、2つの実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)を例示して説明する。次いで、実施例について説明する。
以下、第1実施形態について説明する。まず、本実施形態の連続鋳造機10(図1参照)の構成について説明する。次いで、本実施形態の連続鋳造機10を用いた鋳片S(図1参照)の鋳造方法について説明する。次いで、本実施形態の効果について説明する。なお、本実施形態は、後述する実施例における実施例5(図5の表参照)に相当する。
本実施形態の連続鋳造機10は、鋳片Sを鋳造する機能を有する。連続鋳造機10は、図1に示されるように、搬送部20と、鋳型30と、第1撹拌装置40と、第2撹拌装置50と、大圧下ロール60と、を含んで構成されている。以下、図1の連続鋳造機10は、正面側から見た状態を示すものとして説明する。図1において、+Y方向は装置高さ方向上側(又は高さ方向上側)、−Y方向は装置高さ方向下側(又は高さ方向下側)を意味し、+X方向は装置幅方向右側、−X方向は装置幅方向左側を意味し、+Z方向は装置奥行き方向奥側、−Z方向は装置奥行き方向手前側を意味する。すなわち、「正面側から見た状態」とは、装置奥行き方向手前側から見た状態を意味する。
本実施形態の搬送部20は、鋳片Sを冷却しながら、鋳片Sを鋳片Sの移動方向(図1中の矢印A方向)に沿って搬送する機能を有する。搬送部20は、図1に示されるように、複数のロール22と、冷却装置24と、を含んで構成されている。
鋳型30は、図示を省略したタンディッシュ(溶鋼を貯蔵する容器)から排出された溶鋼を、鋳型30の内面に接した溶鋼の側面(液面)を凝固させて、搬送部20に受け渡す機能を有する。鋳型30を下側から見ると、鋳型30には、矩形状に貫通している貫通孔(図示省略)が形成されている。そのため、鋳型30は、その内側を通過し断面が矩形状の溶鋼を搬送部20に受け渡すようになっている。なお、タンディッシュには、図示を省略した取鍋から排出された溶鋼が受け渡されるようになっている。以下、本明細書では、鋳片Sの鋳造時における、鋳型30内の溶鋼の液面をメニスカスMという。
第1撹拌装置40は、鋳片Sに矩形波の電磁力をかけて、鋳片Sの内部の未凝固部を電磁撹拌する機能を有する。本実施形態の第1撹拌装置40は、図1に示されるように、正面側から見ると、移動経路(及び搬送部20)の上側(及び右側)の位置であって、移動経路における左上側から中央下側に亘り左下側に向けて凸状に湾曲している部分の略中央に配置されている。具体的には、第1撹拌装置40は、正面側から見ると、その中心40Aの位置がメニスカスMから鋳片Sの移動経路に沿って10.0m下流側となるように配置されている。なお、第1撹拌装置40が配置されている位置は、移動経路において、内部(中央部分)に未凝固部を含む鋳片Sが移動する位置とされている。なお、明細書において、「未凝固部を電磁撹拌する」とは、未凝固部内の溶鋼を電磁撹拌することを意味する。
第2撹拌装置50は、鋳片Sに矩形波の電磁力をかけて、鋳片Sの内部の未凝固部を電磁撹拌する機能を有する。本実施形態の第2撹拌装置50は、図1に示されるように、正面側から見ると、移動経路の上側の位置、かつ、移動経路における左上側から中央下側に亘り左下側に向けて凸状に湾曲している部分であって、第1撹拌装置40よりも下流側に配置されている。具体的には、第2撹拌装置50は、正面側から見ると、その中心50Aの位置がメニスカスMから鋳片Sの移動経路に沿って一例として15.0m下流側(第1撹拌装置50の中心40Aの位置から移動経路に沿って5.0m下流側)となるように配置されている。すなわち、第2撹拌装置50が配置されている位置は、移動経路において、内部に未凝固部を含む鋳片Sが移動する位置であって、第1撹拌装置40よりも移動経路に沿う下流側の位置とされている。
大圧下ロール60は、移動経路に沿って移動する鋳片Sを鋳片Sの厚み方向から挟んで圧下する機能を有する。大圧下ロール60は、図1に示されるように、装置奥行き方向に沿って配置されている一対のロールで構成されている。大圧下ロール60を構成する一対のロールは、設定された一定の対向間隔で離れた状態で、軸周りに回転可能とされている。ここで、大圧下ロール60は、圧下装置の一例である。
次に、本実施形態の連続鋳造機10を用いた鋳片Sの鋳造方法について、図面を参照しつつ説明する。
次に、本実施形態の効果(第1〜第3の効果)について説明する。
第1の効果とは、第1撹拌装置40及び第2撹拌装置50により、鋳片Sに矩形波の電磁力をかけて、未凝固部を電磁撹拌することによる効果である。以下、第1の効果について、本実施形態を、以下に説明する比較形態と比較しつつ、図面を参照して説明する。なお、比較形態の説明において、本実施形態で用いた部品等と同じ部品等を用いる場合、図示しなくてもその部品等の符号をそのまま用いて行う。
式(1) Vp=(1/ρ)−(1/ρ0)
ここで、ρ0は、鋳片Sの移動方向において、鋳片Sの厚みの1/4の厚みの部分でポロシティのない部分における鋳片Sの密度ρを平均化した値である。また、ρは、鋳片Sの厚みの1/2の厚みの部分でポロシティがある部分における鋳片Sの密度を、鋳片Sの幅方向の断面においてそれぞれ測定した値であり、最大ポロシティ体積は、幅方向における最大値を示している。なお、ρはJIS Z8807の測定原理に従う市販の比重測定装置によって測定した。
第2の効果とは、第2撹拌装置50が、鋳片Sの未凝固部における第1撹拌装置40により電磁撹拌された部分に、第1撹拌装置50が当該部分にかけた電磁力と同じ向きの電磁力をかけて、当該部分を電磁撹拌することの効果である。
第3の効果とは、第1撹拌装置40及び第2撹拌装置50により、鋳片Sに矩形波の電磁力をかけて、未凝固部を電磁撹拌したうえで、鋳片Sの移動経路における第1撹拌装置40と第2撹拌装置50との間隔よりも、移動経路における第2撹拌装置50との間隔が短い位置に、大圧下ロール60が配置されていることの作用である。
次に、第2実施形態について説明する。
本実施形態の連続鋳造機(図示省略)は、第1実施形態の連続鋳造機10(図1参照)と同じ構造とされている。ただし、本実施形態の連続鋳造機は、第1撹拌装置40及び第2撹拌装置50が発生する電磁力の波形のみが異なる。なお、本実施形態は、後述する実施例における実施例10(図5の表参照)に相当する。
本実施形態の連続鋳造機による鋳片Sの鋳造方法は、第1撹拌装置40及び第2撹拌装置50が鋳片Sにかける電磁力の波形が異なる点以外、第1実施形態の場合と同じである。なお、本実施形態の場合、未凝固部内の等軸晶を含む溶鋼が、電磁力による一方向への移動と、慣性力による(減速した状態での)移動とを間欠的に繰り返すことで、未凝固部内において、等軸晶が鋳片Sの表層から中心に向かって成長する柱状晶に衝突し易くなる(衝突頻度が増える)と考えられる。その結果、等軸晶の起源となる柱状晶の先端部が切断されて、等軸晶厚みが増加すると考えられる。
本実施形態は、第1実施形態の場合と同様の作用により、第1実施形態と同様の効果を奏する。
次に、実施例及び比較例について図面を参照しつつ説明する。
実施例1〜11と、比較例1及び2とについて、図5の表の条件で、鋳片Sを鋳造して、上面等軸晶率(%)、最大偏析厚み(mm)及び最大ポロシティ体積(cm3/g)を評価した。なお、各実施例及び各比較例で用いた連続鋳造機は、第1実施形態の連続鋳造機10を用いて行った。その際、各実施例及び各比較例における、電磁撹拌の条件に合うように、第1撹拌装置40及び第2撹拌装置50の電磁力の波形を設定した。なお、すべての実施例のうち、実施例1、3、5、7、9及び11は前述の第1実施形態に含まれる形態であり、これら以外の実施例、すなわち、実施例2、4、6、8及び10は前述の第2実施形態に含まれる形態である。
ここで、図5の表について説明する。各実施例及び各比較例における、鋳造された鋳片Sの厚みを鋳片厚(mm)、鋳造された鋳片Sの幅を鋳片幅(mm)とした。また、中心fsとは、中心固相率であり、鋳片Sの板厚方向の中央部における凝固部の割合(百分率)を意味する。例えば、中心fsが0.1の場合、鋳片Sにおける凝固部の割合が10%で未凝固部の割合が90%であることを意味する。
式(2) u=7500・Sh/(1−Sh)・V
式(3) Sh=(Ke−1)/(K0−1)
式(4) Ke=Cp/C0
ここで、Keは実効分配係数、Cpは鋳片深さ方向位置でのEPMA測定による各元素濃度、C0は溶鋼の溶質濃度、K0は平衡分配係数でK0 C=0.19、K0 Si=0.77、K0 Mn=0.23、K0 S=0.05である。
なお、平均溶鋼流速(m/s)とは、第1撹拌装置40及び第2撹拌装置50での未凝固部内の同じ向きの溶鋼流速(m/s)の平均である。
図5の表に示される、実施例1〜11と、比較例1及び2とについて、図5の表の条件で、鋳片Sを鋳造して、上面等軸晶率(%)、最大偏析厚み(mm)及び最大ポロシティ体積(cm3/g)を求めた。その後、本評価では、求めた3つの値から、以下のように評価した。上面等軸晶率の評価では、22.0(%)以上を良好とした。最大偏析厚みの評価では、0.4(mm)以下を良好とした。最大ポロシティ体積の評価では、3.0×10ー4(cm3/g)以下を良好とした。そして、総合評価では、以上の3つの評価においてすべて良好となった場合のみを合格とし、1つでも良好でなかった場合を不合格とした。
図5の表によれば、実施例1〜11は、総合評価においてすべて合格であった。これに対して、比較例1及び2は、総合評価において何れも不合格であった。なお、比較例1及び2は、何れも上記3つの評価すべてで良好でなかった。
以上のとおり、実施例1〜11は、比較例1及び2に比べて、鋳造された鋳片Sの品質が優れているといえる。
40 第1撹拌装置
50 第2撹拌装置
60 大圧下ロール(圧下装置の一例)
T2 周期
τ2/T2 デューティ比
Claims (3)
- 内部に未凝固部を含む鋳片の移動経路に配置され、鋳片に矩形波の電磁力をかけて、前記鋳片の未凝固部を電磁撹拌する第1撹拌装置と、
前記第1撹拌装置よりも前記移動経路における鋳片の移動方向の下流側に配置され、前記第1撹拌装置により前記矩形波の電磁力がかけられた前記鋳片に前記矩形波と周期及び向きが同じでデューティ比の異なる矩形波の電磁力をかけて、前記鋳片の未凝固部を電磁撹拌する第2撹拌装置と、
を備えた連続鋳造機。 - 前記デューティ比は、前記第1撹拌装置により前記鋳片にかけられる前記矩形波のデューティ比の0.85倍以上、1.15倍以下とされている、
請求項1に記載の連続鋳造機。 - 前記第2撹拌装置よりも前記移動方向の下流側に配置され、鋳片を前記鋳片の厚み方向から挟んで圧下する圧下装置を備え、
前記圧下装置は、前記移動経路に沿う前記第1撹拌装置と前記第2撹拌装置との間隔よりも、前記移動経路に沿う前記第2撹拌装置との間隔が短い位置に配置されている、
請求項1又は2に記載の連続鋳造機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017035511A JP6766688B2 (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | 連続鋳造機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017035511A JP6766688B2 (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | 連続鋳造機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018140414A JP2018140414A (ja) | 2018-09-13 |
JP6766688B2 true JP6766688B2 (ja) | 2020-10-14 |
Family
ID=63527378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017035511A Active JP6766688B2 (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | 連続鋳造機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6766688B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112077272B (zh) * | 2019-06-12 | 2021-06-15 | 宝山钢铁股份有限公司 | 板坯连铸二冷区的电磁搅拌装置及方法 |
-
2017
- 2017-02-27 JP JP2017035511A patent/JP6766688B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018140414A (ja) | 2018-09-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW200416088A (en) | Casting steel strip with low surface roughness and low porosity | |
JP6766688B2 (ja) | 連続鋳造機 | |
UA102094C2 (uk) | Спосіб модульованого електромагнітного перемішування металів на пізній стадії твердіння | |
JP6844313B2 (ja) | 連続鋳造機及び連続鋳造方法 | |
WO1999029452A1 (fr) | Procede et appareil de moulage de metal en fusion et pieces ainsi obtenues | |
JP5272720B2 (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
CN106536087B (zh) | 用于薄扁坯连铸的方法和设备 | |
JP2008149379A (ja) | 優れた凝固組織を有する鋳片 | |
JP6844312B2 (ja) | 連続鋳造機 | |
JP6954446B2 (ja) | 連続鋳造方法、スラブ鋳片、及び連続鋳造機 | |
JP5429139B2 (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JP2003251438A (ja) | 気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法及びその鋳片を加工した鋼材 | |
JP3984476B2 (ja) | 気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法及び製造された鋳片 | |
JP3417906B2 (ja) | 連続鋳造鋳型内の電磁攪拌方法 | |
JPH06238398A (ja) | 分離間隙を形成する方法 | |
JP5710448B2 (ja) | 鋳造末期における鋳型内電磁撹拌装置の制御方法 | |
JP2008254050A (ja) | 連続鋳造鋳片の製造方法 | |
JP3257546B2 (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
CN108500226A (zh) | 一种抑制柱状晶生长的连铸凝固过程控制方法 | |
WO2022138002A1 (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JP2005152996A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JP2010099704A (ja) | 鋼鋳片の連続鋳造方法 | |
CZ20022649A3 (en) | Method of continuous casting and machine for implementation of this method | |
JP2011101895A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JP3704329B2 (ja) | 溶融金属の鋳造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200713 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200831 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6766688 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |