JP6765115B2 - 非線形光学顕微鏡、空間位相変調器および非線形光学顕微鏡法 - Google Patents
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Description
向上させようとすると、信号に寄与する体積から考えて、信号強度がN3倍低下するので、背景光に埋もれやすくなる。そのため、観察可能な深さと空間分解能はトレードオフの関係にある。
ー揺らぎ雑音が大きくなるが、変調周波数がMHzを超えてくると、ショット雑音限界での
高感度測定が可能となる。また、変調周波数が高くなれば、イメージング速度も向上可能である。したがって、空間重なり変調を高速に行える手法の開発が望まれる。
は、励起光の一部の領域に位相変調を与えることで、集光点近傍での空間強度分布を変調
する。試料表面近傍では空間強度分布は変化しないので、蛍光強度の周波数解析により試料表面で発生する背景光を分離することができる。しかしながら、マルチカラーイメージングを行う場合には、全ての多波長励起光の空間強度分布を変調しなければならない。そのため、各励起光に最適化した複数の変調器が必要である。
、第1の液晶デバイス、電気光学位相変調器、第2の液晶デバイスによって構成することが好ましい。第1の液晶デバイスは、偏光方向がそろっている第1の励起光の一部の領域(位相変調を与える領域)の偏光方向と、その他の領域(位相変調を与えない領域)の偏光方向が異なるようにして出力する。電気光学位相変調器は、第1の方向と第2の方向の偏光の位相差を所定の変調周波数で変調する。第2の液晶デバイスは、第1の励起光の偏
光方向を揃えて出力する。このようにすれば、第1の励起光の一部の領域とその他の領域のあいだに相対的な位相変調を与えることができる。
相変調すなわち空間重なり変調が実現できる。
ることができる。すなわち、本発明において、前記第1の励起光と前記第2の励起光は異なる波長を有し、前記信号抽出手段は、前記第1の励起光のみから生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメージングを行えばよい。
本発明に係る空間重なり変調非線形光学顕微鏡(SPOM-NOM: SPatial Overlap Modulation Nonlinear Optical Microscopy)は、2波長以上の励起光によって誘起される非線形
光学過程の信号光を検出する。このような非線形光学過程にはいくつかの種類があるが、ここでは和周波発生(SFG: Sum Frequency Generation)顕微鏡を例にして、本発明の基
礎となる空間重なり変調法の原理を説明する。
の光強度分布Iω1(r,t), Iω2(r,t)を用いて、
と表される。2つの励起光パルスの空間的重なり面積が大きいほど和周波光強度が高く発生分布も狭くなる。2つのパルスの集光位置が時間的に揺らぐと、和周波光の時間平均光強度分布は空間的に広がり、信号光強度にも揺らぎが生じる。従来のSFG顕微鏡では、
空間的な重なり面積が大きくなるように2つの励起光パルスの集光位置を固定した状態で使用し、かつ、時間的に揺らぎが生じないようにしている。これに対して、空間重なり変調非線形光学顕微鏡では、2つのパルスの集光位置を時間的に変調し、変調により揺らいだ信号成分を検出する。このように、本発明では、パルスの集光位置を積極的に移動させて、和周波光の揺らぎ成分を測定対象とする。
本発明者らによる先行技術(特許文献1、非特許文献1)では、ビームポインティング
変調ユニットや波面変調ユニットを用いて励起光の集光位置を動かしている。これに対して、本発明では、励起光の一部の領域のみを位相変調することで、集光点での励起光の空間強度分布を変化させる。
以下、本手法が適用可能な非線形光学過程の例を説明する。
図13(A)に示すように、分子は、周波数ω1, ω2の2個の光子を同時に吸収し、基底状態から励起状態へ遷移する。その後、励起状態から蛍光を発し、基底状態へ遷移する。このとき発せられる蛍光が非縮退2光子励起蛍光である。2光子励起蛍光強度は励起光強度の2乗に比例するため,励起光をきつく集光することにより光軸方向の分解能が得られる。そのため,共焦点ピンホールなしで3次元イメージングが可能である。光褪色や光損傷も集光点近傍に抑制される。1光子励起蛍光顕微鏡では励起光として紫外光や可視光の励起光を用いるのに対して2光子励起蛍光顕微鏡では近赤外光を用いる。近赤外光は生体試料中における散乱や1光子吸収が小さいため、励起光が試料の深部まで到達でき、深部イメージングが可能である。また、励起光と蛍光の波長が大きく異なることから励起光と蛍光の分離も容易である。
2光子励起のSFGとは,図13(B)に示すように周波数ω1, ω2の2個の光子が和の
周波数ω3=ω1+ω2をもつ1個の光子に変換される2次の非線形光学過程であり、反転対
称性のない分子・媒質でのみ生じる現象である。そのため、SFG顕微鏡では生体組織中に
おける配向構造や組織構造を可視化することが可能である。
DFGとは,図13(C)に示すように周波数ω1, ω2の2個の光子が差の周波数ω3 =
ω1 - ω2をもつ1個の光子に変換される2次の非線形光学過程であり、反転対称性のな
い分子・媒質でのみ生じる現象である。周波数差をラマン振動数に一致させることにより、試料の化学成分や熱力学的状態に由来する振動コントラストが得られる。
3光子励起のSFGとは図13(D)に示すように周波数ω1, ω2, ω3の3個の光子が和の周波数ω4=ω1 + ω2 + ω3をもつ1個の光子に変換される3次の非線形光学過程であ
り、全ての分子・媒質で生じる現象である。ただし、励起光と信号光の波長が大きく異なり屈折率が大きく異なるために、位相整合条件を満たすことが困難である。そのため、一般的に屈折率が一様な分布の媒質中ではTHGは発生せず、屈折率分布が不均一な媒質中(
屈折率の異なる媒質の境界)で発生する。入射光である3個の光子の周波数が同じ周波数の場合をTHGと呼ぶ。
周波数ω1, ω2, ω3の3つの入射場と媒質の相互作用により、新しい周波数ω4 = ω1 - ω2 + ω3の光が発生する3次の非線形光学過程をFWM過程と呼ぶ。相互作用を行う場の順番により、FWM過程には図13(E)(F)に示す2つの過程がある。非共鳴FWM顕微鏡
では、屈折率の分布を測定することが可能である。
図14(A)のようにFWM過程において2つの励起光の周波数差ω1-ω2がラマン振動数
ΩRに近づくとFWM過程が増強される。振動共鳴により増強されたFWM過程をCARS過程と呼
ぶ。CARS強度は周波数ω1のポンプ光と周波数ω2のストークス光の周波数差ω1-ω2がラ
マン振動数ΩRに近づくほど強くなる。そのため、CARS顕微鏡では、試料の化学成分や熱
力学的状態に由来する振動コントラストが得られる。
図14(B)のようにFWM過程において2つの励起光の周波数和ω1+ω3が電子共鳴振動
数Ωeに近づくとFWM過程が増強される。2光子電子共鳴により増強されたFWM過程をSPE過
程と呼ぶ。SPE強度は周波数和ω1+ω3が電子共鳴振動数Ωeに近づくほど強くなる。その
ため、SPE顕微鏡では,試料の吸収に基づくコントラストが得られる。
TPAは超短光パルスの強度自身に誘起された吸収係数の変化に起因する。TPAは、2個の光子が同時に吸収され、基底状態から励起状態へ遷移する。TPA顕微鏡では吸収による励
起光強度の微小な変化量を測定するために、図14(C)に示すように、第1光子と第2光子の周波数が異なる2波長励起を行う。TPAが生じると、励起光強度は周波数ω2の光強度が減少した量だけ周波数ω1の光強度が減少する。従来は、ω2の励起光を強度変調して、ω1の励起光に生じる周波数fの信号を測定するが、本手法を適用する場合は強度変調を行う必要はない。ω1とω2の両方の励起光に生じる空間重なり変調周波数に応じた周波数成分のどちらか、または両方を測定すればよい.TPA顕微鏡では吸収コントラストが得ら
れる。
ラマン活性媒質に周波数ω1のポンプ光と周波数ω2のストークス光を入射したとき、ラ
マン散乱によりポンプ光がストークス光に変換され、ストークス光が増幅される過程がSRS過程である(図14(D))。空間重なり変調を用いない従来のSRS顕微鏡では、SRSに
よるストークス光強度とポンプ光強度の微小な変化量を測定するために、TPA顕微鏡と同
様に一方の励起光に強度変調を行う。空間重なり変調法では、励起光の強度変調を行う必要は無く一方の励起光の強度分布を変化させればよい。SRS顕微鏡では振動コントラスト
が得られる。
本実施形態にかかる非線形光学顕微鏡では、2波長以上の励起光によって誘起する非線形光学過程を用いる。非線形光学過程としては、多光子励起蛍光、和周波発生(第2高調波発生)、差周波発生、第3高調波発生、4光波混合、コヒーレント反ストークス散乱、誘導パラメトリック発光、多光子吸収、誘導ラマン散乱などがある。
てレーザーパルスを発振する。薄膜偏光板(ビームスプリッター)12でこのレーザーパルスを分割し、一方をそのまま励起光パルス2として用い、他方をパラメトリック発振器(波長変換手段)13により波長1080nmに変換して励起光パルス1として用いる。
試料検出する。この際、励起光は励起光カットフィルターによって除去する。PMTによって検出された信号から特定の周波数成分を抽出するために、ロックインアンプを用いて空間位相変調の周波数に応じた周波数成分を抽出する。ロックインアンプによって抽出された信号は、例えばコンピュータに送られて表示・記憶等の処理が成される。なお、周波数成分の抽出はデジタル信号処理によって行ってもよい。
図5(B)は、空間位相変調ユニット14の詳細構成を示す図である。空間位相変調ユニット14の詳細構成は、主に、第1の8ゾーン液晶デバイス141、電気光学位相変調器(EOM)144,第2の8ゾーン液晶デバイス147を含む。
光方向は変化させない。符号63は、液晶デバイス141から出力される励起光1の偏光方向を示す。このように、液晶デバイス141によって選択された領域のみ、偏光の方向がy方向となる。液晶デバイス141から出力された励起光1は、レンズ142,143を介して電気光学位相変調器144に入射される。
れにより、電気光学位相変調器144におけるy方向の屈折率がny=n0+Δncos(2πfmt)のように変化する。なお、x方向には電圧を印加せず、したがってx方向の屈折率はnxで固定である。
位相変調の与え方には幾通りかの方法がある。例えば、与える位相シフトの量を、1周期のあいだで0からθ(0<θ≦π)のあいだとしてもよいし、−θからθのあいだとして
もよい。
波数2fmの成分を抽出すればr=+δまたはr=−δにおいて発生した非線形光を抽出できる。ここで、r=+δおよびr=−δで生じる非線形光の位相は異なるので、対応する位相を有する信号を抽出すればr=+δまたはr=−δにおいて発生した非線形光を抽出できる。なお、非線形光は完全な正弦波とはならないので、それぞれ高調波成分を抽出してもよい。r=0において発生した非線形光を抽出するには変調周波数の奇数倍の成分を取得すればよく、r=±δにおいて非線形光を抽出するには変調周波数の偶数倍の成分を取得すればよい。
上述の構成の空間重なり変調顕微鏡を用いて、200nmの蛍光ビーズの2光子蛍光像を取得した。図9(A)−(D)はそれぞれ、従来の2光子蛍光顕微鏡を用いて測定した場合、および本手法において励起光1の領域を2分割、4分割、8分割して測定した場合の2光子蛍光像を示す。また、図9(E)は、それぞれの手法の面内方向(光軸と垂直な面)の信号光の強度分布を示す。領域分割数によらず、従来の手法と比較して空間分解能が向上していることが分かる。
μmにおける断面図(2色カラー図)が示されている。本手法により2色同時イメージン
グが可能となっていること、および深部観察で発生する背景光を除去することにより観察可能な深さが向上していることが分かる。
以上のように、非線形光学過程による信号光を測定する非線形光学顕微鏡において一方の励起光の位相を部分的に変調して励起光の強度分布を変化させることで空間重なり変調が達成され、空間分解能を光軸に垂直な面内方向および光軸方向の両方について向上させることができる。また、集光点以外から発生する信号光を抑制できるので、従来よりも深い部分のイメージングができるようになる。
励起光の一部の領域に対して位相変調を与える際に領域をどのように分割するかは、適宜決定すればよい。分割の形状は、扇形状、同心円状、メッシュ状などが考えられ、また分割数も2分割、4分割、8分割などが考えられるが、これらに限定されるわけではない。
12 ビームスプリッター
13 光パラメトリック発振器
14 空間位相変調ユニット
15 時間遅延ステージ
16 ダイクロイックミラー
141,147 8ゾーン液晶デバイス
144 電気光学変調器
142,143,145,146 レンズ
Claims (13)
- 第1の励起光を試料上に集光する第1の光学系と、
第2の励起光を試料上に集光する第2の光学系と、
前記第1の励起光の光束の一部の領域について、所定の変調周波数の位相変調を与える空間位相変調手段と、
前記第1の励起光と前記第2の励起光を試料上に集光する集光光学系と、
試料から生じる信号光から、前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出する信号抽出手段と、
を備え、
前記第1の励起光の偏光方向はそろっており、
前記空間位相変調手段は、
前記第1の励起光の一部の領域の偏光方向を第1の方向とし、他の領域の偏光方向を第1の方向とは異なる第2の方向として出力する、第1の液晶デバイスと、
第1の方向と第2の方向の偏光の位相差を前記変調周波数で変調する電気光学位相変調器と、
前記第1の励起光の全ての領域の偏光方向をそろえて出力する、第2の液晶デバイスと、
を含む、非線形光学顕微鏡。 - 第1の励起光を試料上に集光する第1の光学系と、
第2の励起光を試料上に集光する第2の光学系と、
前記第1の励起光の光束の一部の領域について、所定の変調周波数の位相変調を与える空間位相変調手段と、
前記第1の励起光と前記第2の励起光を試料上に集光する集光光学系と、
試料から生じる信号光から、前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出する信号抽出手段と、
を備え、
前記第1の励起光と前記第2の励起光は異なる波長を有し、
前記信号抽出手段は、前記第1の励起光のみから生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメージングを行
う、
非線形光学顕微鏡。 - 第1の励起光を試料上に集光する第1の光学系と、
第2の励起光を試料上に集光する第2の光学系と、
前記第1の励起光の光束の一部の領域について、所定の変調周波数の位相変調を与える空間位相変調手段と、
前記第1の励起光と前記第2の励起光を試料上に集光する集光光学系と、
試料から生じる信号光から、前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出する信号抽出手段と、
を備え、
第3の励起光を試料上に集光する第3の光学系をさらに備え、
前記第1、第2および第3の励起光はいずれも異なる波長を有し、
前記信号抽出手段は、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第3の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメージングを行う、
非線形光学顕微鏡。 - 前記第1の励起光の偏光方向はそろっており、
前記空間位相変調手段は、
前記第1の励起光の一部の領域の偏光方向を第1の方向とし、他の領域の偏光方向を第1の方向とは異なる第2の方向として出力する、第1の液晶デバイスと、
第1の方向と第2の方向の偏光の位相差を前記変調周波数で変調する電気光学位相変調器と、
前記第1の励起光の全ての領域の偏光方向をそろえて出力する、第2の液晶デバイスと、
を含む、
請求項2または3に記載の非線形光学顕微鏡。 - 前記第1の励起光と前記第2の励起光は異なる波長を有し、
前記信号抽出手段は、前記第1の励起光のみから生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメージングを行う、
請求項1または3に記載の非線形光学顕微鏡。 - 第3の励起光を試料上に集光する第3の光学系をさらに備え、
前記第1、第2および第3の励起光はいずれも異なる波長を有し、
前記信号抽出手段は、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第3の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメージングを行う、
請求項1または2に記載の非線形光学顕微鏡。 - 前記第1の励起光について位相変調を与える領域を選択する領域選択手段をさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の非線形光学顕微鏡。 - 前記第1の励起光に変調を与える領域は、複数に分割された領域のうちの一部である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の非線形光学顕微鏡。 - 前記信号抽出手段は、前記信号光から前記変調周波数の整数倍の周波数成分を抽出する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の非線形光学顕微鏡。 - 偏光がそろっている光を、一部の領域の偏光方向を第1の方向とし、他の領域の偏光方向を前記第1の方向とは異なる第2の方向として出力する第1の液晶デバイスと、
第1の方向と第2の方向の位相差を所定の変調周波数で変調する電気光学位相変調器と、
前記光の全ての領域の偏光方向をそろえて出力する第2の液晶デバイスと、
を含む、空間位相変調器。 - 第1の励起光の光束の一部の領域について、所定の変調周波数の位相変調を与える空間位相変調工程と、
前記第1の励起光と第2の励起光を試料上に集光する集光工程と、
試料から生じる信号光から、前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出する抽出工程と、
を含み、
前記第1の励起光の偏光方向はそろっており、
前記空間位相変調工程では、
前記第1の励起光の一部の領域の偏光方向を第1の方向とし、他の領域の偏光方向を第1の方向とは異なる第2の方向として出力し、
第1の方向と第2の方向の偏光の位相差を前記変調周波数で変調し、
前記第1の励起光の全ての領域の偏光方向をそろえて出力する、
非線形光学顕微鏡法。 - 第1の励起光の光束の一部の領域について、所定の変調周波数の位相変調を与える空間位相変調工程と、
前記第1の励起光と第2の励起光を試料上に集光する集光工程と、
試料から生じる信号光から、前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出する抽出工程と、
を含み、
前記第1の励起光と前記第2の励起光は異なる波長を有し、
前記抽出工程では、前記第1の励起光のみから生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメージングを行う、
非線形光学顕微鏡法。 - 第1の励起光の光束の一部の領域について、所定の変調周波数の位相変調を与える空間位相変調工程と、
前記第1の励起光と第2の励起光と第3の励起光を試料上に集光する集光工程と、
試料から生じる信号光から、前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出する抽出工程と、
を含み、
前記第1、第2および第3の励起光はいずれも異なる波長を有し、
前記抽出工程では、前記第1の励起光と前記第2の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出するとともに、前記第1の励起光と前記第3の励起光から生じる非線形光から前記変調周波数に応じた周波数成分を抽出することで多色イメ
ージングを行う、
非線形光学顕微鏡法。
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