JP6764847B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法で用いられる鋼素材とは、熱間圧延に供される鋼片をいう。例えば、転炉で溶製された溶鋼を鋳造することにより得られた鋼スラブを鋼素材として挙げることができる。この鋼素材は、Feを主成分として含有するとともに、Siを0.8〜2.7質量%含有する。又、この鋼素材は不可避的不純物も含有する。この鋼素材がSiを0.8〜2.7質量%含有する理由を次に記す。
Cは、鋼板の強度を高める元素である。高強度鋼板として用いる場合には、C含有量は0.05質量%以上であることが好ましい。一方、C含有量が過剰になると溶接性が低下する。そのため、C含有量は0.5質量%以下であることが好ましい。
Mnは、鋼板の強度を高めるとともに、残留オーステナイトの生成を促進して加工性を高める元素である。高強度鋼板として用いる場合には、Mn含有量は1.6質量%以上であることが好ましい。一方、Mn含有量が過剰になると延性や溶接性が劣化する。そのため、Mn含有量は4.0質量%以下であることが好ましい。
Alは、鋼素材を溶製する際に脱酸剤として作用する元素である。Alで脱酸する場合には、その効果を有効に発揮させるために、Al含有量は0.010質量%以上であることが好ましい。一方、Al含有量が過剰になると鋼板中にアルミナなどの介在物が多く生成し、加工性を劣化させることがある。そのため、Al含有量は0.5質量%以下であることが好ましい。
Tiは、炭化物や窒化物を形成して鋼板の強度を向上させる元素である。又、Ti窒化物を形成することで、鋼中N含有量を低減させてB窒化物の形成を抑制し、固溶Bの焼入れ性を有効に活用するための元素でもある。このような効果を有効に発揮させるために、Ti含有量は0.005質量%以上であることが好ましい。一方、Ti含有量が過剰になると、Ti炭化物やTi窒化物が過剰となり、延性、伸びフランジ性及び伸び加工性を劣化させる。そのため、Ti含有量は0.2質量%以下であることが好ましい。
Nbは、組織を微細化して鋼板の強度と靭性を向上させる元素である。この効果を有効に発揮させるために、Nb含有量は0.005質量%以上であることが好ましい。一方、Nb含有量が過剰になると、加工性を劣化させる。そのため、Nb含有量は0.1質量%以下であることが好ましい。
Vは、組織を微細化して鋼板の強度と靭性を向上させる元素である。この効果を有効に発揮させるために、V含有量は0.005質量%以上であることが好ましい。一方、V含有量が過剰になると、上記効果が飽和してコストが増加するだけである。そのため、V含有量は0.3質量%以下であることが好ましい。
Bは、焼入れ性を向上させて鋼板の高強度化に寄与する元素である。この効果を有効に発揮させるために、B含有量は0.0005質量%以上であることが好ましい。一方、B含有量が過剰になると、上記効果が飽和してコストが増加するだけである。そのため、B含有量は0.01質量%以下であることが好ましい。
Moは、高温域からの冷却中に生成するフェライトを抑制する元素である。この効果を有効に発揮させるために、Mo含有量は0.01質量%以上であることが好ましい。一方、Mo含有量が過剰になると、上記効果が飽和してコストが増加するだけである。そのため、Mo含有量は0.5質量%以下であることが好ましい。
Caは、鋼中の硫化物を球状化して伸びフランジ性を高めることに有効な元素である。この効果を有効に発揮させるために、Ca含有量は0.0005質量%以上であることが好ましい。一方、Ca含有量が過剰になると、上記効果が飽和してコストが増加するだけである。そのため、Ca含有量は0.005質量%以下であることが好ましい。
Cuは、鋼板の耐食性向上に有効な元素である。この効果を有効に発揮させるために、Cu含有量は0.01質量%以上であることが好ましい。一方、Cu含有量が過剰になると、上記効果が飽和してコストが増加するだけである。そのため、Cu含有量は1.0質量%以下であることが好ましい。
Niは、鋼板の耐食性向上に有効な元素である。この効果を有効に発揮させるために、Ni含有量は0.01質量%以上であることが好ましい。一方、Ni含有量が過剰になると、上記効果が飽和してコストが増加するだけである。そのため、Ni含有量は1.0質量%以下であることが好ましい。
Crは、酸化を抑制する元素である。鋼素材がCrを含有することによって、粒界に生成するSi酸化物量が低減して、固溶Si量が増加する。固溶SiとCrはともに酸化抑制元素として作用して、酸化工程において急速な酸化の進行を防止する。こうした効果を発揮させるために、Cr含有量は0.1質量%以上であることが好ましい。一方、鋼素材がCrを過剰に含有すると、酸化の進行が大幅に抑制されて酸化不足を引き起こす。そのため、Cr含有量は0.3質量%以下であることが好ましい。
SもPと同様に、鋼素材が不可避的不純物として含有する元素である。Sは鋼板中に介在物を生成して、加工性を劣化させる。そのため、S含有量はできるだけ低く、例えば0.01質量%以下であることが好ましい。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、上記化学組成を満足する鋼素材を熱間圧延して600℃以上で巻取ることで、熱延材が得られる。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、上記熱延材を酸洗することで、酸洗材が得られる。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、上記焼鈍素材に対して酸化還元焼鈍を行うことで、焼鈍材が得られる。より具体的には、上記焼鈍素材に対して、当該焼鈍素材の幅端部を酸化させ、次いで当該焼鈍素材の全幅を酸化させることで酸化膜を形成する工程(酸化工程)と、この酸化膜を還元させて還元Fe層を形成する工程(還元工程)と、還元反応完了後の焼鈍素材を冷却して所望の金属組織を得る工程(冷却工程)とを有する焼鈍処理を行うことで、溶融亜鉛めっき浴に浸漬するための焼鈍材(即ちめっき素材)が得られる。
酸化工程では、まず、加熱下で上記焼鈍素材の板幅方向端部(即ち幅端部)を酸化させて、当該板幅方向端部の鋼板表面に酸化物を形成する(以下、プレ酸化ともいう)。この際、板幅方向中央部を酸化しない(すなわち、板幅方向端部のみを酸化する)構成とすることが好ましいが、板幅方向中央部よりも板幅方向端部の方が多く酸化するような構成であれば、板幅中央部が少し酸化されても構わない。プレ酸化により、加熱中の焼鈍素材における板幅方向端部の放射率を板幅方向中央部の放射率に近づけて、板幅方向端部の昇温速度を向上させる。そして、プレ酸化によって焼鈍素材の板幅方向端部に酸化物を形成した後、加熱下で当該焼鈍素材の板幅方向全体において酸化反応を進行させて全幅に亘って酸化膜を形成する(以下、全体酸化ともいう)。全体酸化により、焼鈍素材の板幅方向各所で形成される酸化膜の厚さを均一にさせる。
還元工程では、酸化工程にて焼鈍素材の全幅に形成された酸化膜を加熱下で還元させて、還元Fe層を形成する。これにより、Siが表層に露出していない焼鈍材を得ることができる。
冷却工程では、還元反応完了後の焼鈍素材を目標冷却パターンに従って、適宜冷却する。これにより、所望の金属組織を得ることができる。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、上記焼鈍材に対して溶融亜鉛めっきを施すことで、溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
板幅方向両端からそれぞれ70mmまでのエッジ部ではSiの粒界酸化が存在せず、板幅方向においてエッジ部を除いた部分であるセンター部ではSiの粒界酸化が存在する熱延鋼板を供試材として、次のラボ加熱試験を行い、昇温速度を評価した。
まず、供試材のエッジ部及びセンター部から、長さ140mmで幅70mmである供試片をそれぞれ採取した。
センター部の昇温速度に対するエッジ部の昇温速度の乖離の程度から、エッジ部の昇温速度がセンター部の昇温速度と同程度か否かを評価した。具体的には次の方法で評価した。
供試材のエッジ部から採取した供試片に対して、大気雰囲気でエッジヒータを用いてプレ酸化する場合を模擬した加熱を行うこと以外は、実施例1と同様にしてラボ加熱試験を行い、昇温速度を評価した。
いる。
Claims (5)
- Siを0.8〜2.7質量%含有する鋼素材を熱間圧延して600℃以上で巻取ることで熱延材を得て、
前記熱延材を酸洗することで焼鈍素材を得て、
前記焼鈍素材の幅端部を酸化させ、次いで当該焼鈍素材の全幅を酸化させることで酸化膜を形成して、
前記酸化膜を還元し、次いで溶融亜鉛めっきを施すことで溶融亜鉛めっき鋼板を得る、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 前記焼鈍素材の幅端部を酸化させる前に、当該焼鈍素材に冷間圧延を施す、請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 予熱帯のエッジバーナーを用いて前記焼鈍素材の幅端部を酸化させる、請求項1又は2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 大気雰囲気でエッジヒータを用いて前記焼鈍素材の幅端部を酸化させる、請求項1又は2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法で得られた溶融亜鉛めっき鋼板が有するめっき層を合金化させることで合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得る、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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