JP2014019905A - 溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】引張強度(TS)780MPa以上、降伏比(YR)0.45以上0.85以下の溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【解決手段】 鋼板の組成を、質量%で、C:0.05%以上0.25%以下、Si:0.5%以上3.0%以下、Mn:1.5%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上2.5%以下、Bi:0.0001%以上0.010%以下およびN:0.01%以下含有する化学組成を有するとともに、面積率で、70%以下のフェライトおよび5%以上25%以下の残留オーステナイトを含有する鋼組織を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。具体的には、本発明は、780MPa以上の引張強度を有し、降伏比が0.45以上0.85以下でありながら優れた成形性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。ここで、本発明において、「溶融亜鉛めっき鋼板」には「合金化溶融亜鉛めっき鋼板」が含まれ、「高強度溶融亜鉛めっき鋼板」には「高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板」が含まれる。
近年、地球環境保護を目的として自動車の燃費向上が求められていることから、乗員の安全性を確保しつつ車体の軽量化を可能にする高強度鋼板へのニーズが高まっている。特に、自動車用骨格部材の軽量化は車体の軽量化への寄与が大きいことから、自動車用骨格部材に供される鋼板について、780MPa以上の引張強度を有する高強度鋼板、とりわけ、防錆性が要求される部材への適用が可能な高強度溶融亜鉛めっき鋼板へのニーズが高まっている。そして、自動車用骨格部材に供される鋼板には、高い引張強度のみならず、プレス成形性、溶接性、めっき密着性といった、部材成形時に要求される様々な性能を満足することが必要とされる。中でも、ロッカーやピラー類のような自動車用骨格部品の成形プロセスにおいては、絞り成形と伸びフランジ成形が多用されていることから、延性と伸びフランジ性に優れる高強度鋼板が必要とされる。
ここで、絞り成形時と伸びフランジ成形時に問題となるくびれ発生を抑制する観点から、引張試験によって評価される一様伸び、別の表現で、均一伸び(UEL)を低下させないことが、延性および伸びフランジ性の確保に対して極めて効果的である。このように、780MPa以上の引張強度を有しながら延性および伸びフランジ性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が求められている。しかし、一般に引張強度と延性および伸びフランジ性とはトレードオフの関係にあり、引張強度の上昇に伴って、延性と伸びフランジ性は低下する。このため、高い引張強度と優れた延性および伸びフランジ性とを両立させることは容易ではない。
また、延性や伸びフランジ性が良好であったとしても、鋼板の降伏比が高いと、しわが発生する、あるいは、スプリングバック量が大きくなることによる成形時の形状不良の問題が顕在化する場合がある。一方、鋼板の降伏比が低いと、衝突変形時における破壊が助長される場合がある。したがって、延性および伸びフランジ性に優れるとともに、鋼板の降伏比を適切な範囲に制御することが重要である。具体的には、鋼板の降伏比は0.45以上0.85以下の範囲に制御しなければならない。ここで、降伏比は0.2%耐力を引張強度で除した値である。
ところで、溶融亜鉛めっき鋼板は、生産性の観点から連続溶融亜鉛めっき設備により製造されることが一般的である。再結晶および均質化焼鈍を行うために、連続溶融亜鉛めっき設備における製造プロセスは、冷延鋼板などの基材鋼板を加熱し、所定の温度範囲内にて基材鋼板を保持し(この処理を「焼鈍」といい、焼鈍における保持温度を「焼鈍温度」という。)、この保持終了後の基材鋼板を冷却し、この焼鈍温度からの冷却の際に、450℃前後に加熱された溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、必要に応じて再加熱して合金化処理を施す、という特徴的な温度履歴を有する。
すなわち、焼鈍温度からの冷却過程において450℃前後で一旦冷却が中断される。780MPa以上の引張強度を確保するために調整された化学組成を有する高強度鋼板において、450℃は本質的にベイナイト変態が進行しやすい温度域である。そのため、焼鈍温度からの冷却過程において上記温度域に一旦保持されることにより、ベイナイト変態が進行するのであるが、上記温度域に保持される時間が短いため、SiやMnを多く含有する高強度鋼においては、ベイナイト変態が完結せずに、変態したベイナイトから排出されたCが塊状のオーステナイトに濃化する。斯かる状態から常温までの冷却が施されると、Cの濃化した前記オーステナイトの一部は非常に硬質なマルテンサイトになり、それが成形時の不均一変形を助長し、絞り成形や伸びフランジ成形における割れを誘発する。
したがって、溶融亜鉛めっき鋼板においては、優れた延性および伸びフランジ性を確保することは極めて困難となる。さらに、残存したオーステナイトは極めて不安定であり、遅れ破壊を助長し、硬質なマルテンサイトの生成は降伏比を著しく低下させる。
また、連続溶融亜鉛めっき設備における製造プロセスにおいて、焼鈍温度からの冷却速度は通常5〜15℃/s程度であり、連続焼鈍設備における製造プロセスのものより小さい。このため、780MPa以上の引張強度を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造することはそれ自体容易なことではない。
このように、780MPa以上の引張強度を有しながら延性および伸びフランジ性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板を提供することは、幾つかの技術がこれまでに提案されているが、非常に困難な技術課題である。
上記技術課題を解決する従来のアプローチの多くは、鋼板の化学組成と連続溶融亜鉛めっき設備における温度履歴等とを適正化するというものである。
一様伸びと穴広げ性を改善する技術として、特許文献1には、C含有量を0.25%以上とし、Si、あるいは、Alの含有量を高めた特定の化学組成を有し、2〜30%の残留オーステナイトを含有し、残留オーステナイト中のC量が0.8〜1.0%である鋼組織の合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。当該鋼板は一様伸びと穴広げ性が高いので、優れた延性と伸びフランジ性を示す。一方、実施例によれば、Ac〜Acの温度域で再結晶焼鈍した鋼板を5℃/秒以上の冷却速度で冷却し、その冷却停止温度を350℃超とする製造方法が開示されている。Ac〜Acの温度域で焼鈍した前記化学組成のようなC含有量の高い鋼においては、マルテンサイト変態開始温度は350℃以下であるので、残留オーステナイトの制御はベイナイト変態が利用される。そのような場合、前述したように、鋼板に残存する一部のオーステナイトは塊状となり、不安定となるため、遅れ破壊の発生が懸念される。
一方、マルテンサイト変態を利用し、オーステナイトを制御すると、オーステナイトは微細なフィルム状になり、その安定性は著しく高まり、遅れ破壊の無害化が達成される。さらに、マルテンサイトを焼戻すことによって、マルテンサイトが一様に軟質化し、成形時における割れが抑制される。具体的には、溶融亜鉛めっき処理工程の前に、鋼板を350℃以下になるまで急冷することが重要である。以下の特許文献2および特許文献3は、斯かる組織制御を利用した技術である。
均一伸び、すなわち、延性を改善する技術として、特許文献2には、特定の化学組成を有する冷延鋼板に対して、Ac(℃)以上、(Ac+100)(℃)以下で再結晶焼鈍を施し、20℃/s以下の冷却速度で600〜700℃の温度範囲に冷却し、その後350℃以下になるまで冷却し、480℃以上の溶融亜鉛めっき浴に浸漬を施す溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されている。
一方、伸びフランジ性を改善する技術として、特許文献3には、特定の化学組成を有する冷延鋼板に対して、750〜900℃で焼鈍した後、100〜350℃の温度域まで冷却し、オーステナイトをマルテンサイトに変態させた後、再加熱して溶融亜鉛めっき処理を施す溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されている。
特開2011−168816号公報 特開2011−32543号公報 特開2010−275627号公報
前述したように、延性あるいは伸びフランジ性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板を提供する技術が提案されているが、何れも十分なものとはいえない。
特許文献2に開示された技術は、優れているものの、780MPa以上の引張強度を確保することが困難である。すなわち、特許文献2に開示された鋼はフェライトの分率を90〜95%とし、焼戻しマルテンサイトを含む複相組織である。所望の特性を達成するためには斯かる組織を必要とするが、この組織を維持したまま、引張強度を780MPa以上に高めることは不可能である。
特許文献3に開示された技術では、降伏比を適正な範囲に制御すること、さらに、優れた延性を確保する、すなわち、均一伸びを高めることが困難である。すなわち、特許文献3に開示された鋼はフェライトと焼戻しマルテンサイトを含む複相組織とし、焼戻しマルテンサイトとフェライトの硬度比を小さくした鋼である。このため、降伏比が著しく高くなるだけでなく、引張強度が780MPa以上になると、均一伸びを高めることが困難となる。
このように、延性および伸びフランジ性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板を提供することについて技術が提案されているが、何れも十分なものとはいえなかった。
本発明は、前述したように従来製造することが困難であった、780MPa以上の引張強度を有しながら、降伏比が0.45以上0.85以下であり、優れた成形性、すなわち、優れた延性および優れた伸びフランジ性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
ここで、「優れた延性」とは、JIS5号試験片に基づき、引張試験を施した際、最大荷重に達した際の公称伸びである均一伸びが7.0%以上である機械特性を有することを目標とする。また、「優れた伸びフランジ性」とは、JFST1001に規定の方法で測定した穴拡げ率(HER)が25%以上である機械特性を有することを目標とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の化学組成について、C、Si、Mnを限られた範囲に制御し、その鋼板にBiを積極的に添加するとともに、それに対する最適な製造条件を適用することによって、従来の技術では製造することが困難であった、780MPa以上の引張強度を有しながら、降伏比が0.45以上0.85以下であり、優れた延性および伸びフランジ性をも有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができるという新知見を得た。
本発明は、上記新知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、
前記鋼板は、質量%で、C:0.05%以上0.25%以下、Si:0.5%以上3.0%以下、Mn:1.5%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上2.5%以下、Bi:0.0001%以上0.010%以下およびN:0.01%以下を含有する化学組成を有するとともに、面積率で、70%以下のフェライトおよび5%以上25%以下の残留オーステナイトを含有する鋼組織を有し、 前記溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が780MPa以上であり、降伏比(YR)が0.45以上0.85以下である機械特性を有する ことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
(2)前記化学組成が、質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする上記(1)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
(4)均一伸び(UEL)が7.0%以上であり、穴広げ率(HER)が25%以上である機械特性を有することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
(5)下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(A)請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の化学組成を有する鋼材に1100℃以上1300℃以下で熱間圧延を開始し、800℃以上1000℃以下の温度域で熱間圧延を完了し、400℃以上750℃以下の温度域で巻取を行って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)前記熱延鋼板に、酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
(C)前記冷延鋼板に、720℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却し、100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持し、引き続き、溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
(6)上記(5)に記載の製造方法により得られた溶融亜鉛めっき鋼板に430℃以上600℃以下の温度域で合金化処理を施すことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明により、780MPa以上の極めて高い引張強度を有しながら、降伏比が0.45以上0.85以下であり、さらに、優れた延性および伸びフランジ性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板は、産業上、特に、自動車分野において、広範に使用可能である。特に、自動車の車体のようにプレス成形、その中でも、従来適用が困難であった延性および伸びフランジ成形が必要不可欠となる用途に好適である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
1.化学組成
はじめに、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の化学組成を上記のように規定した理由を説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量を表す「%」は特に断りがない限り質量%を意味する。
(C:0.05%以上0.25%以下)
Cは、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。C含有量が0.05%未満では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.05%以上とする。C含有量を0.06%以上にすると、980MPa以上の引張強度を確保することが容易になる。したがって、C含有量は0.06%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.25%超では、溶接性の劣化が顕著となるだけでなく、遅れ破壊の危険性が高まる。したがって、C含有量は0.25%以下とする。マルテンサイト変態を冷却中に開始させる観点からはC含有量を0.23%以下とすることが好ましい。
(Si:0.5%以上3.0%以下)
Siは、鋼板の強度を高めるとともに、降伏比を下げる作用を有する元素である。また、めっき密着性を高める作用を有する元素でもある。Si含有量が0.5%未満では、0.85以下の降伏比を確保することが困難となる。したがって、Si含有量は0.5%以上とする。Si含有量を0.8%以上にすると、延性が一層向上する。したがって、Si含有量は0.8%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が3.0%超では、めっき濡れ性の低下が著しくなり、不めっきが多発する。したがって、Si含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下である。
(Mn:1.5%以上5.0%以下)
Mnは、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。Mn含有量が1.5%未満では、フェライトの生成が過剰となり、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、Mn含有量は1.5%以上とする。Mn含有量を2.0%以上にすると、980MPa以上の引張強度を確保することが容易になる。したがって、Mn含有量は2.0%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が5.0%超では、バンド組織が発達してしまい曲げ性の劣化が著しくなる。したがって、Mn含有量は5.0%以下とする。冷間圧延時の荷重を低減して生産性を向上させる観点からは3.7%以下とすることが好ましい。
(P:0.05%以下)
Pは、一般には鋼に不可避的に含有される不純物であるが、固溶強化により鋼板の強度を高める作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.05%超では溶接性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.05%以下とする。好ましくは、0.015%以下である。上記作用をより確実に得るには、P含有量を0.003%以上とすることが好ましい。
(S:0.01以下)
Sは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、溶接性の観点からは低いほど好ましい。S含有量が0.01%超では溶接性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0015%以下である。
(sol.Al:0.001%以上2.5%以下)
Alは、鋼を脱酸して鋼材を健全化する作用を有する元素であり、また、延性を向上させる作用を有する元素でもある。sol.Al含有量が0.001%未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.015%以上である。さらに好ましくは、0.020%以上である。一方、sol.Al含有量が2.5%超では、溶接性の低下が著しくなるとともに、酸化物系介在物が増加して表面性状の劣化が著しくなる。したがって、sol.Al含有量は2.5%以下とする。好ましくは2.0%以下である。通常、sol.Al量は、上限が1.5%であるが、本発明の場合、溶接時の凝固割れが発生しにくい化学組成であるため、2.5%まで許容される。
(Bi:0.0001%以上0.010%以下)
Biは、本発明において重要な元素であり、その添加によって、均一伸びを高めるとともに降伏比を0.85以下に抑制する作用を有する元素であり、さらに、曲げ性も高める作用を有する元素である。したがって、所望の降伏比を確保するために、0.0001%以上のBi含有量が必要である。一方、Bi含有量が0.010%超では、熱間加工性が劣化して、熱間圧延が困難になるだけでなく、降伏比が0.85以上になり、成形時にしわなどが発生しやすくなる。したがって、Bi含有量は0.010%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
(N:0.01%以下)
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、伸びフランジ性の観点からは低いほど好ましい。N含有量が0.01%超では伸びフランジ性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の基材である鋼板の化学組成は、上述の各元素の他に以下に説明する任意添加成分を適宜含有してもよい。
(Ti:0.2%以下、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
これらの元素は、いずれも鋼板の強度を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、Ti、NbおよびVについては、それぞれ0.2%を超えて含有させると熱間圧延および冷間圧延が困難になる。また、Cr、Mo、CuおよびNiは1.0%を超えて含有させても、上記作用による効果は飽和して経済的に不利となり、また、熱間圧延や冷間圧延が困難となる。また、Bは0.01%を超えて含有させると、Bを含む酸化物が鋼板表面に生成して表面性状が劣化する。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.003%以上、Nb:0.003%以上、V:0.003%以上、Cr:0.005%以上、Mo:0.005%以上、Cu:0.005%以上、Ni:0.005%以上およびB:0.0003%以上の少なくとも一つを満足させることが好ましい。
(Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
これらの元素は、いずれも介在物制御、特に介在物の微細分散化に寄与し、曲げ性を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、いずれも0.01%を超えて含有させると表面性状の劣化が顕在化する場合がある。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、これらの元素の少なくとも一つの含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
ここで、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、上記REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。
2.鋼組織
次に、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の鋼組織について説明する。
(フェライトの面積率:70%以下)
フェライトの面積率が70%超では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、フェライトの面積率は70%以下とする。フェライトの面積率の下限は特に規定する必要はなく、0%であっても構わない。ここに、フェライトは本発明の場合、再結晶によって生成するので、16%以上の伸び、絞り成形時の特性を考慮した場合、好ましくは、25〜70面積%が好ましいが、引張強度1180MPa以上のより高強度化の観点からは、フェライト相が存在しないことが好ましい場合もある。
(残留オーステナイトの面積率:5%以上25%以下)
後述するように、再結晶焼鈍を施した鋼板を350℃以下に冷却し、マルテンサイト変態を活用することによって、残留オーステナイトを制御する。斯かる場合、オーステナイトは遅れ破壊を助長することなく、さらに、降伏比を低下させることなく、延性と伸びフランジ性を向上させる作用を有する。残留オーステナイトの面積率が5%未満では、降伏比が所望の範囲に制御できなくなる。したがって、残留オーステナイトの面積率は5%以上とする。一方、残留オーステナイトの面積率が25%超では、オーステナイトへのC、Mnの分配が不十分となり、オーステナイトの安定性が低下する。したがって、残留オーステナイトの面積率は25%以下とする。
なお、フェライトと残留オーステナイト以外に、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトを含有させてもよい。それらの相の存在量は、面積率で、90%以下が許容される。後述する製造条件において、ベイナイトとマルテンサイトは焼戻されているので、成形時における割れの発生は抑制される。
4.溶融亜鉛めっき層
本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の化学組成は特に規定する必要はないが、溶融亜鉛めっき層が合金化溶融亜鉛めっき層である場合には、以下の条件を満足することが好ましい。
(Fe:8質量%以上15質量%以下)
合金化溶融亜鉛めっき層中のFe含有量を8質量%以上とすることにより、合金化処理後のめっき層の表層部における軟質部位の形成が抑制され、摺動性が高まる。このように摺動性が改善されると、めっき層が基材である鋼板との界面から剥離することによるフレーク状の剥離が抑制される。したがって、Fe含有量は8質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは9.5質量%以上である。一方、Fe含有量を15質量%以下にすると、鋼板に曲げ加工が施された際に曲げ部の内側で合金化溶融亜鉛めっき層が圧縮変形を受けることによって生じるパウダリング剥離が抑制される。したがって、Fe含有量は15質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは14質量%以下である。
(Al:0.15質量%以上0.50質量%)
溶融亜鉛めっき層中のAl含有量を0.15質量%以上とすることにより、溶融亜鉛めっき浴中における合金層の発達をより適正に抑制することができ、めっき付着量の制御が容易となる。したがって、Al含有量は0.15質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.20質量%以上、特に好ましくは0.25質量%以上である。一方、Al含有量を0.50質量%以下とすることにより、適度な合金化速度を確保することができ、通常のライン速度でも600℃以下の合金化処理温度で上記Fe含有量を確保することができ、引張強度の低下を回避できる。したがって、Al含有量は0.50質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.45質量%以下、特に好ましくは0.40質量%以下である。
(その他)
溶融亜鉛めっき層中へは、合金化処理過程において、母材からSi、Mn、P、S、Ti、Nb、V、Cr、Mo、Cu、Ni、B、Ca、Mg、Zr、REM、Bi等がとりこまれるが、通常の条件で溶融めっきおよび合金化処理した際にめっき層中にとりこまれる範囲内であれば、めっき品質に悪影響を及ぼさないので、問題ない。ここでいう通常のめっき条件とは、後述するように、めっき浴温度が400℃以上490℃以下で、鋼板の侵入温度が400℃以上500℃以下、合金化温度が430℃以上600℃以下である。
4.製造方法
次に、上記の特徴を有する本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の好ましい製造方法について説明する。
(A)熱間圧延工程
上記化学組成を有する溶鋼を転炉、電気炉等の常法の溶製方法で溶製し、連続鋳造法でスラブ等の鋼材とするのが好ましい。なお、連続鋳造法に代えて、造塊法、薄スラブ鋳造法などを採用してもよい。この鋼材に熱間圧延を施し熱延鋼板とする。熱間圧延は、鋳造された鋼材を室温まで冷却せず温片のまま加熱炉に装入して加熱した後に圧延する直送圧延、または、温片のままわずかの保熱を行った後に直ちに圧延する直接圧延、または、鋼材を一旦冷却した後に再加熱して圧延する再加熱圧延の何れでもよい。このとき、熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上圧延工程とからなる場合には、粗圧延後仕上圧延前の粗バーに対して誘導加熱等により全長の温度均一化を図ると、特性変動を抑制することができるので好ましい。
(熱間圧延に供する鋼材の温度:1100℃以上1300℃以下)
熱間圧延に供する鋼材の温度は、1100℃以上1300℃以下とする。このときの鋼材の温度は、例えば、直送圧延および再加熱圧延の場合には、加熱炉を出るときの温度であり、例えば、直接圧延の場合には保熱の後の温度であり、いずれの場合にも、直接的には、熱間圧延の入側での鋼材の温度、つまり鋼材の圧延開始時の温度である。熱間圧延に供する鋼材の温度が1100℃未満では、熱間圧延時の変形抵抗が高くなり、操業が困難になる。したがって、熱間圧延に供する鋼材の温度は1100℃以上とする。一方、熱間圧延に供する鋼材の温度が1300℃超では、スケールロス増加による歩留まりの低下が著しくなる。したがって、熱延鋼板に供する鋼材の温度は1300℃以下とする。熱間圧延に供する際に1100℃以上1300℃の温度域に保持する時間は特に規定しないが、曲げ性を向上させるためには、30分間以上とすることがさらに好ましい。また、過度のスケールロスを抑制するために10時間以下とすることが好ましく、5時間以下とすることがさらに好ましい。なお、直送圧延または直接圧延を行う場合であって、加熱処理または保熱を施さずにそのまま熱間圧延に供してもよい。
(圧延完了温度:800℃以上1000℃以下)
圧延完了温度は800℃以上1000℃以下とする。圧延完了温度が800℃未満では、圧延時の変形抵抗が大きく、操業が困難となる。したがって、圧延完了温度は800℃以上とする。一方、圧延完了温度が1000℃超では、粒界酸化が顕著となり、溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状の劣化が著しくなる。したがって、圧延完了温度は1000℃以下とする。
(巻取温度:400℃以上750℃以下)
巻取温度は400℃以上750℃以下とする。巻取温度が400℃未満では、硬質なベイナイトやマルテンサイトが生成し、その後の冷間圧延が困難となる。したがって、巻取温度は400℃以上とする。好ましくは500℃以上である。一方、巻取温度が750℃超では、粒界酸化が顕著となり、溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状の劣化が著しくなる。したがって、巻取温度は750℃以下とする。好ましくは650℃以下である。
(B)酸洗・冷間圧延工程
熱延鋼板は常法により酸洗を施された後に冷間圧延が行われ、冷延鋼板とされる。
酸洗の前または後に0〜5%程度の軽度の圧延を行って形状を修正すると、平坦確保の点で有利となるので好ましい。また、酸洗前に軽度の圧延を行うことにより酸洗性が向上し、表面濃化元素の除去が促進され、めっき密着性を向上させる効果がある。
連続溶融亜鉛めっき後の鋼板の組織を微細化する観点からは、冷間圧延の圧下率は30%以上とすることが好ましい。また、冷間圧延中の破断を抑制する観点からは、冷間圧延の圧下率は70%以下とすることが好ましい。
(C)連続溶融亜鉛めっき工程
上記酸洗・冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、後述の再結晶焼鈍を行い、引き続き、溶融亜鉛めっきを施す。合金化処理を施す場合には、430℃以上600℃以下の温度域に溶融亜鉛めっき鋼板を加熱することで行う。このような再結晶焼鈍、溶融亜鉛めっき、そして、合金化処理の各工程は、連続して行うのが好ましい。
(再結晶焼鈍温度:720℃以上950℃以下)
再結晶焼鈍処理は、上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、溶融亜鉛めっき工程に先だって、720℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却し、100℃以上550℃以下の温度域に、好ましくは、10秒間以上500秒間以下保持することで行う。なお、冷却後の100〜550℃での鋼板の保持は、連続処理のときには、場合によっては、一部、引続いて行う溶融亜鉛めっき処理に重なってもよい。
再結晶焼鈍温度(単に“焼鈍温度”ともいう)は、720℃以上950℃以下とする。焼鈍温度が720℃未満では、未再結晶が残存し、靭性が著しく低下する。したがって、焼鈍温度は720℃以上とする。焼鈍温度を750℃以上にすると、フェライトの再結晶が進み、延性が一層向上する。したがって、焼鈍温度は750℃以上とすることが好ましい。また、焼鈍温度を950℃以下とすることにより、焼鈍炉の損傷を抑制して、生産性を向上させることができる。なお、未再結晶を完全に除去し、良好な靭性を安定して確保するには、再結晶焼鈍時間(単に“焼鈍時間”ともいう)を10秒間以上とすることが好ましい。また、生産性の観点からは、焼鈍時間を300秒間以下とすることが好ましい。
また、延性を向上させるために0.8%以上のSiを含有させる場合には、めっきの濡れ性や合金化処理性を確保し、溶融亜鉛めっき鋼板について良好な外観とするために、焼鈍中の雰囲気ガスの期露点を−30℃以上とすることが好ましい。
(350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却)
上記再結晶焼鈍の後、350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却する。350℃以上720℃以下の温度域における冷却は、フェライト変態を制御して、目的とする鋼組織を確保するために重要である。
上記温度域における平均冷却速度が5℃/秒未満ではフェライト変態が過度に進行してしまい、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、上記温度域における平均冷却速度は5℃/秒以上とする。好ましくは、10℃/秒以上である。一方、上記温度域における平均冷却速度が200℃/秒超では、マルテンサイト変態が急激に進むことによって、鋼板の平坦性が著しく低下し、操業が困難になる。したがって、上記温度域における平均冷却速度が200℃/秒以下とする。好ましくは60℃/秒以下である。
上記冷却停止温度が100℃未満では、殆どのオーステナイトがマルテンサイトに変態し、降伏比が著しく高くなるとともに、延性が劣化する。したがって、冷却停止温度は100℃以上とする。一方、冷却停止温度が350℃を超えると、不安定なオーステナイトが形成し、遅れ破壊の危険性が高まるだけでなく、その殆どが冷却後に硬質なマルテンサイトになるので、伸びフランジ性と降伏比が著しく低下する。したがって、冷却停止温度は350℃以下とする。なお、冷却停止温度を320℃以下にすると、延性および伸びフランジ性が一層向上する。したがって、冷却停止温度は320℃以下とすることが好ましい。
(100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持)
上記冷却の後、100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持する。100℃以上550℃以下の温度域における保持時間が10秒間未満では、オーステナイトへのC分配が十分に進行せず、その結果、塊状のオーステナイトが残存してしまい、遅れ破壊の危険性が高まる。したがって、上記保持時間は10秒間以上とする。一方、上記保持時間が500秒間超では、焼戻しが過度に進行してしまい、その結果、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、上記保持時間は500秒間以下とする。なお、生産性の観点からは、上記滞在時間を300秒間以下とすることが好ましい。また、上記保持温度が100℃未満では、残存するオーステナイトが不安定になる。したがって、保持温度は100℃以上とする。一方、保持温度が550℃を超えると、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、保持温度は550℃以下とする。
上記保持の後、引き続き溶融亜鉛めっき処理を施す。なお、溶融亜鉛めっきでは、常法にしたがって、400℃以上490℃以下の溶融亜鉛めっき浴中に浸漬することにより行う。
(合金化処理温度:430℃以上600℃以下)
合金化処理を施す場合には、めっき浴浸漬後に430℃以上600℃以下の温度域で行う。合金化処理温度が430℃未満では、合金化未処理部のムラが発生し、鋼板の表面性状が劣化する。一方、合金化処理温度が600℃を超えると、めっきと鋼板の密着性が著しく劣化する。なお、合金化処理温度を500℃以上550℃以下とし、かつ合金化処理時間を10秒間以上60秒間以下とすれば、合金化度(めっき層のFe含有量)を8質量%以上13質量%以下として、めっきの密着性を向上させることが容易になるので好ましい。
連続溶融亜鉛めっき処理後には、伸び率0.05%以上1%以下の調質圧延を施すことが好ましい。調質圧延によって降伏点伸びの発生を抑制するとともに、プレス時の焼付けやかじりを防止することができる。
このように、化学組成の調整、鋳造、圧延、その後の焼鈍−溶融亜鉛めっき条件の適正化によって、面積率で、フェライトを含有しないか、70%以下のフェライトおよび5%以上25%以下の残留オーステナイトを含有する鋼組織を得ることができ、引張強度が780MPa以上であり、降伏比(YR)が0.45以上0.85以下であり、成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板も得られる。
延性は引張試験によって得られる均一伸び(UEL)が7.0%以上である場合を良好とする。穴拡げ性は、JFST1001に規定される方法により測定した穴拡げ率(HER)が25%以上である場合を良好とする。
さらに、本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
1.評価用鋼板の製造
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により245mm厚のスラブとした。得られたスラブに表2に示す条件にて熱間圧延を行い、2.6mm厚の熱延鋼板を製板した。得られた熱延鋼板を酸洗し、酸洗後、冷間圧延を行い、1.2mm厚の冷延鋼板を製板した。
得られた冷延鋼板について、連続溶融亜鉛めっき処理における熱履歴を模擬するように、表3に示す条件の熱処理を施して焼鈍冷延鋼板を作製した。すなわち、表3に示す焼鈍温度まで加熱して表3に示す焼鈍時間だけ保持した後に、表3に示す冷却速度で表3に示す停止温度まで冷却し、次いで表3に示す保持温度として表3に示す保持時間だけ保持し、続いて、想定めっき浴温である460℃まで10秒間かけて加熱または冷却し、460℃で2秒間保持した。続いて、合金化処理を施す場合には、表3に示す合金化温度まで4秒間かけて加熱し、合金化処理を模擬するように、各々の合金化温度で5秒間保持し、その後、10℃/秒の冷却速度で室温まで冷却した。一方、合金化処理を施さない場合、460℃の保持後に、10℃/秒の冷却速度で室温まで冷却した。このようにして得られた焼鈍冷延鋼板に、伸び率0.1%で調質圧延を行い、各種評価用鋼板を準備した。
本例において作製した焼鈍冷延鋼板は、溶融亜鉛めっきが施されていないが、溶融亜鉛めっき鋼板と同じ熱履歴を受けているので、鋼板の機械的性質は同じ熱履歴を有する溶融亜鉛めっき鋼板と実質的に同一である。
2.評価方法
各種製造条件で得られた焼鈍冷延鋼板に対して、鋼組織を解析し、引張試験と穴広げ試験を実施し、それぞれの機械特性を評価した。各評価の方法は次のとおりである。
(フェライトの面積率)
各焼鈍冷延鋼板の圧延方向および圧延方向に対して直角方向から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向に対して直角方向断面の組織を電子顕微鏡で観察し、8mmの領域を写真撮影し、画像解析によりフェライトの面積率を調査した。
(残留オーステナイトの面積率)
各焼鈍冷延鋼板から25mm×25mm×板厚1.2mmの試験片を切り出し、この試験片に化学研磨を施して0.3mm減厚し、化学研磨後の試験片表面に対しX線回折を三回実施し、得られたプロファイルを解析し、残留オーステナイトの面積率を平均した値を算出した。
(機械的性質)
圧延方向に対する直角方向が引張方向となるJIS5号引張試験片を採取し、降伏強度(YS)、引張強度(TS)、均一伸び(UEl)、伸び(El)を測定した。穴拡げ率(HER)はJFST1001に規定の方法で測定した。
3.評価結果
上記の評価の結果を表4に示す。
なお、表1〜4において下線を付された数値は、その数値により示される含有量、条件、または機械特性が本発明の範囲外であることを示している。
表4における供試材No.3、5、6、9〜14、16、20〜22、24、25、27および29〜35は、本発明の条件を全て満足する本発明例の鋼板である。
一方、供試材No.1、15および17は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、目的とする引張強度が得られなかった。
供試材No.2、8および19は、化学組成が本発明で規定する範囲を外れるため、目的とする降伏比が得られなかった。
供試材No.4および7は、化学組成が本発明で規定する範囲を外れるため、目的とする引張強度が得られなかった。
供試材No.18は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、目的とする降伏比が得られず、伸びフランジ性が好ましくなかった。
供試材No.23および28は、化学組成が本発明で規定する範囲を外れるため、目的とする降伏比が得られず、延性が好ましくなかった。
供試材No.26は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、オーステナイトの面積率が少なくなり、目的とする降伏比が得られなかった。
また、本発明例のうち、製造条件が好ましい範囲にある供試材No.3、5、6、9〜14、16、20〜22、25、27および29〜35は、均一伸びが7.0%以上、穴広げ率が25%以上であり、優れた延性と優れた伸びフランジ性を有する。
Figure 2014019905
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Claims (6)

  1. 鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、
    前記鋼板は、質量%で、C:0.05%以上0.25%以下、Si:0.5%以上3.0%以下、Mn:1.5%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上2.5%以下、Bi:0.0001%以上0.010%以下およびN:0.01%以下含有する化学組成を有するとともに、面積率で、70%以下のフェライトおよび5%以上25%以下の残留オーステナイトを含有する鋼組織を有し、
    前記溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が780MPa以上であり、降伏比(YR)が0.45以上0.85以下である機械特性を有する
    ことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記化学組成が、質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 均一伸び(UEL)が7.0%以上であり、穴広げ率(HER)が25%以上である機械特性を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の化学組成を有する鋼材に1100℃以上1300℃以下で熱間圧延を開始し、800℃以上1000℃以下の温度域で熱間圧延を完了し、400℃以上750℃以下の温度域で巻取を行って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (B)前記熱延鋼板に、酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
    (C)前記冷延鋼板に、720℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却し、100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持し、引き続き、溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られた溶融亜鉛めっき鋼板に430℃以上600℃以下の温度域で合金化処理を施すことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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