JP6764709B2 - X線自動判定装置、x線自動判定方法 - Google Patents
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Description
X線検査装置101は、手荷物のX線画像を撮影する。装置制御サーバ103(装置制御プログラム512)はX線画像を取得し、データ管理サーバ301(データ管理プログラム812)を介して自動判定サーバ102に対してそのX線画像を送信する。X線検査装置101は、X線画像に加えて、X線透過量などの付随データも併せて送信する。以下ではこれらをまとめてX線データと呼ぶ。
自動判定プログラム212は、取得したX線データを用いて、検査対象の材質を判定する。検査対象の材質は、例えば低エネルギーと高エネルギーの2種類の透過X線エネルギーを取得し、その差分に基づき判定することができる。この分野では、高低エネルギーの差分から材質を判定する方法はよく知られているため、説明は省略する。自動判定プログラム212は、有機物、軽金属・軽い無機物、金属などの材質を、X線画像の画素毎に判定する。本ステップにより、図12の各画素が表す材質(判定不可/有機物/軽い無機物・軽金属/金属)を得ることができる。
自動判定プログラム212は、各画素の材質と各画素のX線透過量に基づき、図12〜図13で説明した手順にしたがって、X線画像内の各材質の画素領域を特定する。以後のステップにおいては、この特定した画素領域を、安全判定の対象とする。
自動判定プログラム212は、ステップS1403において特定した各材質の画素領域について、その面積が安全条件DB213の各材質に対応する面積閾値「面積閾値(金属類)」「面積閾値(有機物)」「面積閾値(金属類・有機物)」を超えているか否かを判定する。これら材質の面積が大きい場合、当該物品は必ずしも安全ではないと考えられるからである。各材質の画素領域の面積が面積閾値を超えていない場合、当該検査対象は安全であると判断してステップS1411へスキップする。いずれかの材質の画素領域の面積が対応する面積閾値を超えている場合、当該検査対象は安全ではない可能性があると判断して、ステップS1405へ進む。面積だけでなく、各材質の密度を併せて総合判定してもよい。
ステップS1403において各材質の画素領域として特定されなかった画素領域であっても、例えば荷物内に小さな金属が多く散りばめられているような場合は、それらを組み立てて危険な物品を構成することができる可能性もある。そこで、X線画像の各画素のうち金属類であると判定された画素の個数を集計し、安全条件DB213の「金属量閾値(全体)」を超えている場合は、ステップS1410へスキップする。
自動判定プログラム212は、ステップS1404において安全と判断されなかった画素領域に対して、形状特徴量DB214が格納している形状特徴量を用いて、形状認識により当該画素領域内に含まれる物品を特定する。本ステップにおいて物品を特定できなかった場合は目視検査をする必要があるので、ステップS1410へスキップする。本ステップにおいて明確に危険物品であることが特定された場合も同様である。それ以外の物品として特定された場合は、ステップS1406へ進む。
自動判定プログラム212は、ステップS1405において特定した物品の画素領域上で、複数の物品が重なっているか否かを判定する。複数の物品が重なっている場合は、ステップS1405において危険物品ではないと判定された場合であっても、実際には危険物品が含まれている可能性があるからである。
X線照射方向に沿って複数の物品が重なっている場合、その重なっている部分はX線透過量が小さいと考えられる。そこで、ステップS1405において特定した物品における通常のX線透過量を、重なり判定条件DB215の「透過量平均値」としてあらかじめ定義しておき、実際のX線透過量がこれを下回るか否かにより、複数物品が重なっているか否かを判定することとした。X線透過量はX線の照射位置によってばらつくので、全体の平均値をもって通常のX線透過量として定義することとした。
X線透過量の平均値のみでは重なりを正確に判定できない可能性もある。同じ物品であっても、X線の照射位置によって透過量が大きく異なる場合もあるからである。そこで「透過量平均値」に加えて、当該物品の各照射位置におけるX線透過量のうち最も小さいものを重なり判定条件DB215の「透過量下限値」としてあらかじめ定義しておき、実際のX線透過量の最小値がこれを下回るか否かにより、複数物品が重なっているか否かを判定することとした。例えば実際のX線透過量が「透過量平均値」「透過量下限値」いずれかを下回る場合は、複数物品が重なっていると判定できる。
複数の物品が横に並んでいる(X線照射方向に対して垂直な方向に重なっている)場合は、ステップS1405において、これら並んでいる複数物品の形状が一体となって誤って1つの物品として認識される可能性がある。この場合、実際の画素領域のサイズは、認識された物品が通常有しているサイズよりも大きいと考えられる。そこで、ステップS1405において特定した物品が有する通常サイズを、重なり判定条件DB215の「面積最大値」「長辺最大値」としてあらかじめ定義しておき、ステップS1405において認識した物品のサイズがこれらを超えるか否かにより、複数物品が並んでいるか否かを判定することとした。
重なり判定条件DB215は、以上の重なり判定条件に加えて、ステップS1405において特定した物品の材質として通常想定される「金属類比率」「有機物比率」を定義することもできる。ステップS1405において特定した物品の材質がこれらを逸脱している場合は、複数物品が横に並んでいると考えられる。
ステップS1404のみによって安全物品であるか否かを判定してもよい。その場合、ステップS1405〜S1406は省略することができる。
自動判定プログラム212は、(a)ステップS1404において安全条件DB213が規定する安全条件を満たすと判断した場合、または(b)ステップS1405において安全物品であると判定し、さらにステップS1406において複数物品が重なっていないと判断した場合、のいずれかであれば、検査対象が安全である旨の最終判定結果を出力する。それ以外であれば、検査対象は安全であると判定できなかった旨の最終判定結果を出力する。
自動判定プログラム212は、最終判定結果をデータ管理サーバ301に対して送信する。以上のステップにおいて安全であると判定されていない画素領域がある場合は、当該画素領域を特定する情報を併せて送信してもよい。
検査員端末104は、データ管理サーバ301を介して、自動判定プログラム212による最終判定結果を取得する。検査員端末104のユーザ(検査員)は、安全であると判定された荷物については目視検査をスキップし(S1409)、安全であると判定されなかった荷物については目視検査する(S1410)。検査員端末104はこのとき、図7の画面例のように、X線画像および安全と判定できなかった画素領域をハイライトするなどして、検査員による目視確認を補助する。安全と判断されなかった画素領域のみを切り出して拡大表示をしたり、複数の荷物から安全と判断されなかった画素領域を切り出してまとめて提示したりしても構わない。
自動判定プログラム212は、いずれかの端末から終了指示を受け取った場合は、本フローチャートを終了する。それ以外であればステップS1401に戻って同様の処理を繰り返す。
本発明に係る自動判定サーバ102は、X線透過量が「連続領域閾値」を下回りかつ材質が連続している画素領域の面積が、「面積閾値」を超えているか否かに基づき、検査対象が安全であるか否かを判定する。これにより、確実に安全であるとみなすことができる画素領域を目視検査する必要がなくなるので、検査員の省力化を図ることができる。また検査員が見る画素領域を絞り込むことができるので、目視検査の質が向上する。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換える事が可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について他の構成の追加・削除・置換をすることができる。
102:自動判定サーバ
103:装置制御サーバ
104:検査員端末
301:データ管理サーバ
302:管理員端末
Claims (13)
- X線を用いて物品を判定するX線自動判定装置であって、
前記物品に対してX線を照射することにより生成したX線画像を用いて前記物品が安全であるか否かを判定する判定部、
前記物品が安全であるか否かを判定する際に用いる安全条件を記述した安全条件データベース、
を備え、
前記安全条件データベースは、前記安全条件として、
前記物品に対してX線を照射したとき前記物品を透過したX線透過量に基づき前記物品の材質が安全であるか否かを判定する条件である透過量閾値、
前記X線画像のうち前記X線透過量が小さい部分の面積に基づき前記物品が安全であるか否かを判定する条件である面積閾値、
を記述しており、
前記判定部は、前記X線透過量に基づき前記物品の材質を判定し、
前記判定部は、前記X線画像の画素領域のうち前記X線透過量が前記透過量閾値を下回りかつ材質が連続している部分の面積が、前記面積閾値を超えているか否かに基づき、前記物品が安全であるかそれとも安全とは限らないかを判定してその結果を出力し、
前記X線自動判定装置はさらに、物品の種別ごとに形状特徴量を記述した形状特徴量データベースを備え、
前記判定部は、前記X線画像から形状特徴量を抽出してその抽出した形状特徴量を前記形状特徴量データベースが記述している形状特徴量と比較することにより、前記物品が安全であるか否かを判定し、
前記X線自動判定装置はさらに、複数の物品が重なった状態で前記X線画像が取得されたか否かを判定する際に用いる重なり条件を記述した重なり条件データベースを備え、
前記判定部は、複数の物品が重なった状態で前記X線画像が取得されたか否かを前記重なり条件に基づき判定し、複数の物品が重なっていると判定した場合は、前記X線画像内に含まれる物品が安全とは限らない旨の判定結果を出力する
ことを特徴とするX線自動判定装置。 - 前記重なり条件データベースは、前記重なり条件として、前記物品に対してX線を照射したとき前記物品を透過すると想定される想定X線透過量を前記物品の種別ごとに記述しており、
前記判定部は、前記X線透過量が前記想定X線透過量を下回る場合は、複数の物品が前記X線の照射軸方向に沿って重なっていると判定する
ことを特徴とする請求項1記載のX線自動判定装置。 - 前記重なり条件データベースは、前記重なり条件として、前記物品が有していると想定される想定サイズを前記物品の種別ごとに記述しており、
前記判定部は、前記物品のサイズが前記想定サイズを超えている場合は、複数の物品が前記X線の照射軸に対して垂直な方向に重なっていると判定する
ことを特徴とする請求項1記載のX線自動判定装置。 - 前記判定部は、前記X線透過量のうち高エネルギー成分と低エネルギー成分を用いて、前記物品の材質を判定する
ことを特徴とする請求項1記載のX線自動判定装置。 - 前記安全条件データベースはさらに、
前記X線画像の画素領域の材質が金属類であるか否かを判定する条件である金属類閾値、
前記X線画像の画素領域の材質が有機物であるか否かを判定する条件である有機物閾値、
を記述しており、
前記判定部は、前記X線透過量に基づき前記物品の材質が金属類、有機物、それ以外のいずれであるかを判定し、
前記判定部は、前記物品の材質が金属類であると判定した前記X線画像の画素が所定サイズの画素ウインドウ内に前記金属類閾値以上存在する場合、前記画素ウインドウは金属類によって構成された画素領域であると判定し、
前記判定部は、前記物品の材質が有機物であると判定した前記X線画像の画素が前記所定サイズの前記画素ウインドウ内に前記有機物閾値以上存在する場合、前記画素ウインドウは有機物によって構成された画素領域であると判定する
ことを特徴とする請求項1記載のX線自動判定装置。 - 前記安全条件データベースはさらに、前記X線画像の画素領域の材質が金属類または有機物の少なくともいずれかである部分が連続しているか否かを判定する条件である連続領域閾値を記述しており、
前記判定部は、前記X線透過量が前記連続領域閾値を下回りかつ材質が金属類または有機物の少なくともいずれかである画素が連続している連続領域が存在する場合は、その連続領域を、前記物品が安全であるか否かを判定する対象として特定する
ことを特徴とする請求項5記載のX線自動判定装置。 - 前記安全条件データベースは、前記面積閾値として、
前記連続領域が金属類によって構成されている場合において前記物品が安全であるか否かを判定する条件である金属類面積閾値、
前記連続領域が有機物によって構成されている場合において前記物品が安全であるか否かを判定する条件である有機物面積閾値、
を記述しており、
前記判定部は、金属類によって構成されていると判断した前記連続領域の面積が前記金属類面積閾値を超えている場合は、前記物品が安全とは限らない旨の判定結果を出力し、 前記判定部は、有機物によって構成されていると判断した前記連続領域の面積が前記有機物面積閾値を超えている場合は、前記物品が安全とは限らない旨の判定結果を出力する ことを特徴とする請求項6記載のX線自動判定装置。 - 前記重なり条件データベースは、前記想定X線透過量として、前記物品に対してX線を照射したとき前記物品を透過すると想定されるX線の透過量の平均値である平均X線透過量を前記物品の種別ごとに記述しており、
前記判定部は、前記X線透過量が前記平均X線透過量を下回る場合は、複数の物品が前記X線の照射軸方向に沿って重なっていると判定する
ことを特徴とする請求項2記載のX線自動判定装置。 - 前記重なり条件データベースは、前記想定X線透過量として、前記物品に対してX線を照射したとき前記物品を透過すると想定されるX線の透過量の最小値である最小X線透過量を前記物品の種別ごとに記述しており、
前記判定部は、前記X線画像のうち前記X線透過量が前記最小X線透過量を下回る画素が所定個数を超えている場合は、複数の物品が前記X線の照射軸方向に沿って重なっていると判定する
ことを特徴とする請求項2記載のX線自動判定装置。 - 前記重なり条件データベースは、前記想定サイズとして、前記物品の長辺の想定長さまたは前記物品の想定面積を前記物品の種別ごとに記述しており、
前記判定部は、前記物品の長辺長さが前記想定長さを超えているかまたは前記物品の面積が前記想定面積を超えている場合は、複数の物品が前記X線の照射軸に対して垂直な方向に重なっていると判定する
ことを特徴とする請求項3記載のX線自動判定装置。 - 前記安全条件データベースは、前記安全条件としてさらに、前記物品の材質のうち金属類である部分の面積として許容される範囲を表す金属類総量閾値を記述しており、
前記判定部は、前記物品の材質が金属類である部分の総面積が前記金属類総量閾値を超えている場合は、前記物品が安全とは限らない旨の判定結果を出力する
ことを特徴とする請求項1記載のX線自動判定装置。 - 前記判定部は、前記物品が安全とは限らない旨の判定結果を出力する場合は、前記X線画像のうち安全とは限らないと判定した部分を、判定根拠として判定結果と併せて出力する
ことを特徴とする請求項1記載のX線自動判定装置。 - X線を用いて物品を判定するX線自動判定方法であって、
前記物品に対してX線を照射することにより生成したX線画像を用いて前記物品が安全であるか否かを判定する判定ステップ、
前記物品が安全であるか否かを判定する際に用いる安全条件を記述した安全条件データベースを読み取るステップ、
を有し、
前記安全条件データベースは、前記安全条件として、
前記物品に対してX線を照射したとき前記物品を透過したX線透過量に基づき前記物品の材質が安全であるか否かを判定する条件である透過量閾値、
前記X線画像のうち前記X線透過量が小さい部分の面積に基づき前記物品が安全であるか否かを判定する条件である面積閾値、
を記述しており、
前記判定ステップにおいては、前記X線透過量に基づき前記物品の材質を判定し、
前記判定ステップにおいては、前記X線画像の画素領域のうち前記X線透過量が前記透過量閾値を下回りかつ材質が連続している部分の面積が、前記面積閾値を超えているか否かに基づき、前記物品が安全であるかそれとも安全とは限らないかを判定してその結果を出力し、
前記X線自動判定方法はさらに、物品の種別ごとに形状特徴量を記述した形状特徴量データベースを読み取るステップを備え、
前記判定ステップにおいては、前記X線画像から形状特徴量を抽出してその抽出した形状特徴量を前記形状特徴量データベースが記述している形状特徴量と比較することにより、前記物品が安全であるか否かを判定し、
前記X線自動判定方法はさらに、複数の物品が重なった状態で前記X線画像が取得されたか否かを判定する際に用いる重なり条件を記述した重なり条件データベースを読み取るステップを有し、
前記判定ステップにおいては、複数の物品が重なった状態で前記X線画像が取得されたか否かを前記重なり条件に基づき判定し、複数の物品が重なっていると判定した場合は、前記X線画像内に含まれる物品が安全とは限らない旨の判定結果を出力する
ことを特徴とするX線自動判定方法。
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