JP6764244B2 - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光フィルムの製造方法、積層フィルムに関するものである。
従来、画像表示装置として液晶表示装置が知られている。液晶表示装置は、液晶パネルと、液晶パネルの両面に設けられた偏光素子と、を有している。偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルムを延伸させた延伸フィルムに、ヨウ素のような二色性色素を吸着配向させた偏光フィルムが知られている。
偏光フィルムの製造方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1に記載の製造方法では、まず、基材フィルムの表面にポリビニルアルコール(PVA)樹脂の塗膜を形成して樹脂層を設けた後、樹脂層と基材フィルムとの積層フィルムを延伸する。次いで、樹脂層を二色性色素であるヨウ素で染色した後、さらに一方向に延伸する。これにより、樹脂層を偏光子とし、偏光フィルムを製造している。
その他の偏光フィルムの製造方法としては、ポリビニルアルコールのフィルムと、基材フィルムとを積層させた後に延伸し、さらにヨウ素染色と延伸とを行うことで偏光フィルムとする方法が知られている。
特開2000−338329号公報
近年、液晶表示装置には、軽量化のため小型化や薄型化が求められている。そのため、液晶表示装置を構成する偏光子、偏光フィルムについても薄型化が検討されている。
また、偏光子は、製造時に二色性色素で染色した樹脂層を延伸する際、延伸倍率が高くなると、偏光子の偏光特性が向上しやすいことが知られている。そのため、近年では、液晶表示装置に用いられる偏光フィルムとして、高い延伸倍率で延伸された薄い偏光子を有するものが求められており、偏光フィルムの製造方法においても改良が求められていた。
また、上述した特許文献1においては、上述のような薄型化された偏光子や偏光フィルムを効率的に製造することについての解決手段は記載がなく、薄型化された偏光子、偏光フィルムを効率的に製造する方法が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、薄膜化および高倍率での延伸が容易な偏光フィルムの製造方法を提供することを目的とする。また、このような偏光フィルムを好適に製造可能とする積層フィルムを提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、帯状の第1基材フィルムを長手方向に搬送しながら、前記第1基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗布し、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層形成工程で得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記樹脂層の表面に、帯状の第2基材フィルムを貼合し積層フィルムを得る貼合工程と、前記積層フィルムを長手方向に搬送しながら、前記積層フィルムを延伸し、前記樹脂層が延伸された延伸フィルムと、前記第1基材フィルムおよび前記第2基材フィルムが延伸された延伸基材フィルムとを含む延伸積層フィルムを得る延伸工程と、前記延伸積層フィルムの一方の面から前記延伸基材フィルムを剥離し、前記延伸フィルムの片面に前記延伸基材フィルムが積層した片面積層フィルムを得る剥離工程と、二色性色素により前記延伸フィルムを染色し偏光子とする偏光子形成工程と、を備える偏光フィルムの製造方法を提供する。
本発明の一態様においては、前記延伸工程では、固定端横延伸法を用いて前記積層フィルムを延伸する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記延伸工程では、自由端一軸延伸法を用いて前記積層フィルムを延伸する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記延伸工程では、6.2倍を超える延伸倍率で前記積層フィルムを延伸する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記延伸工程では、前記積層フィルムの長手方向に縮小させながら前記積層フィルムの短手方向に延伸する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液は、可塑剤を含有する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記貼合工程において、前記樹脂層と前記第2基材フィルムとを水系接着剤を介して貼合する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記1基材フィルムおよび前記第2基材フィルムは未延伸である製造方法としてもよい。
前記偏光子形成工程の後に、前記偏光子を複数に切り分け前記偏光フィルムを得る偏光フィルム形成工程を有する製造方法としてもよい。
本発明の一態様は、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂層と、前記樹脂層の両面にそれぞれ設けられた帯状の基材フィルムと、を有し、前記樹脂層は、配向度0.1以下のフィルムであり、前記基材フィルムの配向度は0.13以下のフィルムである積層フィルムを提供する。
本発明の一態様は、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする帯状のフィルムと、前記フィルムの両面にそれぞれ設けられた帯状の基材フィルムと、を有し、前記フィルムと前記基材フィルムとは同方向に配向しており、前記基材フィルムの配向度は3.2以上である積層フィルムを提供する。
本発明によれば、薄膜化および高倍率での延伸が容易な偏光フィルムの製造方法を提供することができる。また、このような偏光フィルムを好適に製造可能とする積層フィルムを提供することができる。
本実施形態に係る偏光フィルムの製造方法を用いて製造される偏光フィルムを示す概略断面図である。 樹脂層形成工程の一例を示す模式図である。 貼合工程の一例を示す模式図である。 延伸工程の一例を示す模式図である。 剥離工程の一例を示す模式図である。 偏光子形成工程における染色処理の一例を示す模式図である。 偏光子形成工程における延伸処理の一例を示す模式図である。 実施例において試験片を延伸させる様子を示す模式図である。 実施例において試験片を延伸させる様子を示す模式図である。
以下、図1〜図7を参照しながら、本実施形態に係る偏光フィルムの製造方法、および積層フィルムについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせてある。
[偏光フィルム]
図1は、本実施形態に係る偏光フィルムの製造方法を用いて製造される偏光フィルムを示す概略断面図である。図に示すように、本実施形態の偏光フィルムの製造方法で製造される偏光フィルム10は、偏光子1を有している。また、偏光フィルム10は、偏光子1の一方の面に形成された保護フィルム2と、を有していてもよい。
偏光子1は、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものを用いることができる。偏光子1の形成材料について、詳しくは後述する。
保護フィルム2は、偏光子1の表面を保護するものである。保護フィルム2は、例えば、接着剤層または粘着剤層を介して偏光子1の表面に貼合されている。保護フィルム2の形成材料について、詳しくは後述する。
偏光フィルム10は、その他必要に応じて、偏光子1の表面に位相差フィルムや輝度向上フィルム等の光学的機能を有するフィルムを有していてもよい。
すなわち、本実施形態の偏光フィルムの製造方法において製造される偏光フィルムは、最小の層構成の場合、偏光子1のみであり、必要に応じて所望の光学特性や機械特性を有する各種の機能を有する層を積層した多層構造とすることができる。
[偏光フィルムの製造方法]
図2〜図7は、本実施形態に係る偏光フィルムの製造方法を示す説明図である。本実施形態の偏光フィルムの製造方法は、
(1)帯状の第1基材フィルムを長手方向に搬送しながら、第1基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗布し樹脂層を形成する樹脂層形成工程
(2)樹脂膜の表面に帯状の第2基材フィルムを貼合し積層フィルムを得る貼合工程
(3)積層フィルムを延伸し、樹脂フィルムが延伸された延伸フィルムと、第1・第2基材フィルムが延伸された延伸基材フィルムとを含む延伸積層フィルムを得る延伸工程
(4)延伸積層フィルムの一方の面から延伸基材フィルムを剥離し、延伸フィルムの片面に延伸基材フィルムが積層した片面積層フィルムを得る剥離工程
(5)二色性色素により延伸フィルムを染色し偏光子とする偏光子形成工程
(6)偏光子の表面に保護フィルムを貼合する保護工程
(7)偏光子を複数に切り分け偏光フィルムを形成する偏光フィルム形成工程
を有している。
以下、順に説明する。
<樹脂層形成工程>
図2は、樹脂層形成工程の一例を示す模式図である。樹脂層形成工程では、帯状の第1基材フィルムを長手方向に搬送しながら、第1基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗布し、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂層を形成する。
図2に示すように、巻出しロール101から巻き出された第1基材フィルム21Aは、搬送ロール102により長手方向に搬送される。搬送経路内には、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗布する塗布装置109が設けられ、第1基材フィルム21Aの表面にポリビニルアルコール系樹脂溶液の塗膜19を形成する。当該塗膜を乾燥させることにより、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂層11と、第1基材フィルム21Aとの積層フィルム(積層体)30が得られる。
(樹脂層)
樹脂層11を形成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をけん化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体を用いることができる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などを挙げることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、けん化度が80.0モル%以上であることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が80.0モル%以上であると、偏光子を形成した後の耐水性が高くなり易く、また湿潤環境および高温環境に耐える性質が高くなり易い。上記けん化度は、90.0モル%以上であることがより好ましく、94.0モル%以上であることがさらに好ましく、100モル%(完全けん化品)であることが最も好ましい。
ここで「けん化度」とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸エステル残基が、けん化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式で定義される数値である。また、けん化度は、JIS K 6726(1994)で規定されている方法で求めることができる。
けん化度(モル%)=(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)×100
また、ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールでもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミドなどで変性したものなどが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましい。変性の割合は30モル%未満である場合には、二色性色素の吸着が阻害されにくく、変性による偏光性能の低下を生じ難い。
このように、本実施形態で用いる樹脂層11の形成材料は、純粋なポリビニルアルコール樹脂でなくてもよく、けん化度、共重合するモノマーの種類、PVAを変性する残基の種類により種々の化学構造を有している。このようにポリビニルアルコール樹脂を基本骨格とし、採用し得る誘導体をまとめて、本実施形態では「ポリビニルアルコール系樹脂」と称する。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度も特に限定されるものではないが、100〜10000が好ましく、1500〜8000がより好ましく、さらには2000〜5000であることがさらに好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)によって定められた方法によって求めることができる。
上記のようなポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂溶液を、第1基材フィルム21A上に塗布して乾燥させ、樹脂層11を形成する。ポリビニルアルコール系樹脂を溶解する溶媒としては、水や、アルコール類、ケトン類、エステル類などの極性有機溶媒を用いることができるが、水を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液には、適宜極性有機溶媒を追加してもよい。
上記方法で樹脂層11を形成する場合、用いるポリビニルアルコール系樹脂溶液には、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールを挙げることができる。可塑剤は、1種のみ用いることとしてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、エチレングリコールやグリセリンは好適に用いられる。また、必要に応じて、界面活性剤などのブロッキング防止剤も併用することも出来る。
ポリビニルアルコール系樹脂溶液の塗工方法としては、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング法およびグラビアコーティング法等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコーター法、リップコート法、スクリーンコーティング法、スプレー法等公知の方法を適宜選択して採用することができる。
樹脂層11の厚さは、3μm以上であることが好ましい。また、樹脂層11の厚さは、50μm以下であることが好ましく、20μm以下であるとより好ましい。この時、樹脂層11の配向度は、実質的に延伸されていないことから、0.1以下とすることが好ましい。
(第1基材フィルム)
第1基材フィルム21Aに用いる樹脂としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。第1基材フィルム21Aは、後述する偏光子形成工程において第1基材フィルム21Aとともに延伸される。そのため第1基材フィルム21Aは、樹脂層11の延伸に適した温度範囲で同様に延伸できるようなものを用いることが好ましい。その際には、第1基材フィルム21Aを形成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgまたは融点Tmに基づいて、適切なフィルムを選択するとよい。
本実施形態においては、基材フィルム21として、延伸工程における積層フィルム30の延伸方向に対して未延伸であるものを使用することが好ましい。また、延伸工程における延伸方向と直交し、かつ積層フィルム30面内の方向に関して、基材フィルム21は延伸されていてもよいし、未延伸であってもよいが、未延伸であることが好ましい。
すなわち、基材フィルム21は、延伸工程で積層フィルム30を長手方向に延伸する場合、長手方向に未延伸であることが好ましく、短手方向および長手方向に未延伸であることがより好ましい。基材フィルム21は、延伸工程で積層フィルム30を短手方向に延伸する場合、短手方向に未延伸であることが好ましく、短手方向および長手方向に未延伸であることがより好ましい。例えば、第1基材フィルム21Aは、配向度が0.13以下であるような未延伸フィルムが好ましい。
ここで、「延伸倍率」とは、延伸方向における「延伸前の長さに対する延伸後の長さの比」であり、延伸後の長さを延伸前の長さで除した値である。
第1基材フィルム21Aの形成材料である熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、(メタ)アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
第1基材フィルム21Aは、上述の樹脂を1種類のみ用いて形成されたフィルムであってもよく、2種類以上の樹脂の混合物を用いて形成されたフィルムであってもよい。また、基材フィルム21は、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレンなどは、安定的に高倍率に延伸しやすく好ましい。また、プロピレンにエチレンを共重合することで得られるエチレン−ポリプロピレン共重合体なども用いることもできる。共重合は他の種類のモノマーでも可能であり、プロピレンに共重合可能な他種のモノマーとしては、たとえば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。
また、プロピレン系樹脂フィルムを構成するプロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックの立体規則性を有するプロピレン系樹脂からなるプロピレン系樹脂フィルムは、その取扱い性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
第1基材フィルム21Aには、上記の熱可塑性樹脂の他に、任意の適切な添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、たとえば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、および着色剤などが挙げられる。
第1基材フィルム21A中の上記にて例示した熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50質量%〜100質量%、より好ましくは50質量%〜99質量%、さらに好ましくは60質量%〜98質量%、特に好ましくは70質量%〜97質量%である。第1基材フィルム21A中の熱可塑性樹脂の含有量が50質量%未満の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現されないおそれがあるからである。
延伸前の第1基材フィルム21Aの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性の点から、1μm〜500μmが好ましく、1μm〜300μmがより好ましく、5μm〜200μmがさらに好ましく、5μm〜150μmがよりさらに好ましい。
第1基材フィルム21Aは、樹脂層11との密着性を向上させるために、少なくとも樹脂層11が形成される側の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等を行ってもよい。また密着性を向上させるために、樹脂層11に面する側の第1基材フィルム21Aの表面に、第1基材フィルム21Aと樹脂層11との両方にある程度強い密着力を発揮する材料を用いてプライマー層を形成してもよい。
プライマー層の形成材料は、第1基材フィルム21Aと樹脂層11との両方にある程度強い密着力を発揮する材料であれば特に限定されない。たとえば、透明性、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<貼合工程>
図3は、貼合工程の一例を示す模式図である。貼合工程では、積層フィルム30を長手方向に搬送しながら、樹脂層11の表面に、帯状の第2基材フィルム21Bを貼合し積層フィルム31を得る。
図3に示すように、巻出しロール111から巻き出された積層フィルム30は、巻出しロール112から巻き出された第2基材フィルム21Bと、一対のロール113,114において重なる。第2基材フィルム21Bと積層フィルム30が有する樹脂層11との対向面のいずれか一方または両方には、不図示の粘着剤または接着剤が配設されている。第2基材フィルム21Bと樹脂層11とは、不図示の粘着剤または接着剤を介して積層し、一対のロール113,114の間を通過することで貼合される。
第2基材フィルム21Bの形成材料としては、上述の第1基材フィルム21Aと同様のものを用いることができる。第1基材フィルム21Aと第2基材フィルム21Bとは、形成材料や厚みが異なっていてもよいが、一致しているほうがよい。第1基材フィルム21Aと第2基材フィルム21Bとの厚みの差は±20μmの範囲であることが好ましい。
これにより、樹脂層11の両面に第1基材フィルム21Aおよび第2基材フィルム21Bが貼合された積層フィルム31が得られる。
(接着剤・粘着剤)
貼合工程においては、上述した積層フィルム30が有する樹脂層11と第2基材フィルム21Bとを接着剤または粘着剤(感圧性接着剤)を介して貼合する。
なお、本明細書において、「接着剤」は、基材に塗付した時は液状で基材に濡れて、固化することで接着性を発現する(すなわち、固化するまでは、接着性を発現しない)ものとする。
また、本明細書において、「粘着剤」は、柔軟なゴム状であり、それ自体を貼り付けることで直ぐに接着性を発現するものとする。粘着剤を用いる際には、固化工程を必要としない。
次工程の延伸時に、延伸温度が高温でも剥れが発生しにくいことから、接着剤を使用することが好ましい。
粘着剤は、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる。
第2基材フィルム21Bや樹脂層11上に粘着剤の層を形成する方法は特に限定されない。例えば、第2基材フィルム21Bまたは樹脂層11に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む溶液を塗布し、乾燥させることで形成することができる。または、予めセパレーター上に形成された粘着剤層を、基材フィルム21または延伸フィルム12に貼り合せ、セパレーターを除去して転写することにより、形成することもできる。
接着剤は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系ウレタン系接着剤、水系ポリエステル系接着剤、水系酢酸ビニルエマルジョン系接着剤、水系アクリル系接着剤などを用いた水系接着剤が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されてもよい。
水系接着剤を用いたフィルムの貼合方法は特に限定されるものではなく、第2基材フィルム21Bまたは樹脂層11の表面に接着剤を均一に塗布、または、流し込み、塗布面にもう一方のフィルムを重ねてロールなどにより貼合し、乾燥する方法などが挙げられる。例えば、接着剤は、その調製後、15℃〜40℃の温度下で塗布され、貼合温度は、例えば15℃〜30℃の範囲である。
水系接着剤を使用する場合は、フィルムを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するため乾燥させる。乾燥炉の温度は、30℃〜90℃が好ましい。30℃未満であると接着面が剥離しやすくなる傾向がある。90℃を超えると、熱によって樹脂層11が変形し、偏光子の光学性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は10秒〜1000秒とすることができる。
また、非水系の接着剤として、光硬化性接着剤を用いることもできる。光硬化性接着剤としては、たとえば、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。また、(メタ)アクロイル基を含む成分と光ラジカル重合開始剤との混合物なども挙げることができる。
光硬化性接着剤にてフィルム同士を貼合する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクタープレート法、ダイコート法、噴霧法などにより、フィルムの接着面に接着剤を塗布し、2枚のフィルムを重ね合わせ、光を照射する方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物である2枚のフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。
フィルムの表面に接着剤を塗布した後、ニップロールなどで挟んでフィルム貼り合わせ、乾燥させる、または光照射することにより接着される。また、この積層体をロール等で加圧して均一に押し広げる方法も好適に使用することができる。
フィルムの接着表面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
接着剤として光硬化性樹脂を用いた場合は、フィルムを積層後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
活性エネルギー線の照射によって第2基材フィルム21Bや樹脂層11上の光硬化性接着剤を硬化させる場合、これらフィルムの透過率、色相、透明性など、全工程を経た後の偏光板の諸機能が低下しない活性エネルギー線照射条件で硬化を行うことが好ましい。
このようにして得られる、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする帯状の樹脂層11と、樹脂層11の両面にそれぞれ設けられた帯状の基材フィルム(第1基材フィルム21A、第2基材フィルム21B)と、を有し、第1基材フィルム21Aおよび第2基材フィルム21Bが配向度0.13以下の未延伸フィルムである積層フィルム31は、本発明における「積層フィルム」に該当する。
<延伸工程>
図4は、延伸工程の一例を示す模式図である。延伸工程では、積層フィルム31を一体的に延伸し、樹脂フィルムが延伸された延伸フィルムと、基材フィルムが延伸された延伸基材フィルムとを含む延伸積層フィルム32を得る。図4(a)は固定端延伸法で積層フィルム31を延伸し延伸積層フィルム32を得る様子を示し、図4(b)は、自由端一軸延伸で積層フィルム31を延伸し延伸積層フィルム32を得る様子を示す。
(延伸方法)
延伸工程においては、上述したような積層フィルム31を延伸して延伸積層フィルム32を得る。延伸の方法としては、自由端延伸であってもよく、固定端延伸であってもよい。
ここで、「自由端延伸」とは、フィルムを一方向に延伸する際、延伸方向に直交する方向へのフィルムの収縮を抑制することなく延伸することを指す。自由端延伸の方法としては、例えば、2つ以上のロールの回転速度差により未延伸の樹脂フィルムを延伸する方法や、ロングスパン延伸法と呼ばれる方法を挙げることができる。ロングスパン延伸法は、2対のニップロールとその間に配置されたオーブンを有する縦延伸機を用い、オーブン中で未延伸の樹脂フィルムを加熱しながら、2対のニップロールの回転速度差により延伸する方法である。
また、「固定端延伸」とは、フィルムを一方向に延伸する際、延伸方向に直交する方向へのフィルムの収縮を抑制しながら延伸することを指す。固定端延伸の方法としては、例えば、加熱炉で加熱しながら搬送ロールを用いて行うロール延伸において、ロール間の距離を短くして搬送方向に延伸する方法、熱ロール延伸、テンター法による延伸を挙げることができる。
延伸工程は、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。また延伸工程は、一軸延伸であってもよく、二軸延伸であってもよい。さらに斜め延伸であってもよい。
図4(a)に示す方法では、巻出しロール121から巻き出された積層フィルム31は、不図示の加熱炉に導入される。加熱炉において積層フィルム31は、積層フィルム31の幅方向の両端を複数の把持部129で把持されながら、積層フィルム31の長手方向に順次搬送される。把持部129は、積層フィルム31に対して幅方向に広げる応力を加えることにより、幅方向(図中、符号D1で示すTD方向)に積層フィルム31を延伸し、延伸積層フィルム32Aを形成する。
ここで、延伸積層フィルム32Aの長手方向(図中、符号D2で示すMD方向)については、巻出しロール121と、下流側に配置された搬送ロールや巻取りロール等のロールと、の回転速度の違いにより延伸させることとしてもよく、延伸させないこととしてもよい。
さらに、巻出しロール121の巻出し速度を、下流側に配置された搬送ロールや巻取りロール等のロールよりも早くし、積層フィルム31の長手方向を収縮させながら積層フィルム31の幅方向に延伸させてもよい。本明細書では、このような、搬送方向には収縮させながら、幅方向には延伸させる延伸方法を、「同時二軸延伸」と称することがある。
また、図4(b)に示す方法では、不図示の巻出しロールから巻き出された積層フィルム31は、搬送ロール122〜126により長手方向に搬送される。積層フィルム31は、搬送経路内において不図示の加熱炉に導入される。ここでは、搬送ロール123〜126が加熱炉内に配置されているものとする。加熱炉において積層フィルム31は、低速回転する搬送ロール124および高速回転する搬送ロール125に巻きかけられて長手方向に搬送される。
積層フィルム31は、加熱炉で加熱されながら、搬送ロール124と搬送ロール125との周速差により、搬送ロール124と搬送ロール125との間において、長手方向(図中、符号D3で示すMD方向)に延伸しつつ短手方向(図中、符号D4で示すTD方向)に収縮し、延伸積層フィルム32Bとなる。
延伸して得られる延伸積層フィルム32において、樹脂層11が延伸されて得られる延伸フィルムの厚さは、例えば10μm以下であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
延伸工程における延伸倍率は、採用する延伸方法にもよるが、5倍超とすることが好ましく、6倍超とすることがより好ましく、7倍以上とすることもでき、通常10倍以下である。
このように、延伸工程においては、積層フィルムを加熱しながら延伸する。そのため、材料である樹脂層11が可塑剤を含む場合、加熱中に可塑剤が蒸発し、延伸に用いる機器を可塑剤で汚染するおそれがある。
しかし、積層フィルム31においては、樹脂層11の両面は第1基材フィルム21A、第2基材フィルム21Bに貼合されており、樹脂層11の表面は、第1基材フィルム21A、第2基材フィルム21Bで覆われている。そのため、加熱炉にて積層フィルム31を加熱した場合、樹脂層11から蒸発しようとする可塑剤は、は第1基材フィルム21A、第2基材フィルム21Bにより蒸発が抑制される。したがって、積層フィルム31においては、樹脂層11が可塑剤を含有していたとしても、基材フィルムが片面にしか設けられていない積層フィルムと比べると、可塑剤による機器の汚染を抑制可能である。
このようにして得られる延伸積層フィルム32は、本発明における「積層フィルム」に該当し、樹脂層11から得られるフィルムと、基材フィルム(第1基材フィルム21A、第2基材フィルム21B)から得られるフィルムとが同方向に配向している。また、基材フィルムから得られるフィルムの配向度は3.2以上となっている。
<剥離工程>
図5は、剥離工程の一例を示す模式図である。剥離工程では、延伸積層フィルム32の一方の面から延伸基材フィルム22を剥離し、延伸フィルム12の片面に延伸基材フィルム22が積層した片面積層フィルム33を得る。図では、第1基材フィルム21Aを延伸して得られる延伸基材フィルムを第1延伸基材フィルム22Aとし、第2基材フィルム21Bを延伸して得られる延伸基材フィルムを第2延伸基材フィルム22Bとしている。
図5に示すように、延伸フィルム12の表面に延伸基材フィルム22(22A,22B)が貼合された延伸積層フィルム32は、搬送ロール131,132を用いて長手方向に搬送される。搬送経路内には剥離ロール134が設けられており、延伸積層フィルム32から、例えば第2延伸基材フィルム22Bを剥離する。剥離された第2延伸基材フィルム22Bは、巻取りロール135に巻き取られる。延伸積層フィルム32から第2延伸基材フィルム22Bが剥離されることにより、延伸フィルム12の片面に第1延伸基材フィルム22Aが積層した片面積層フィルム33が得られる。
このとき、樹脂層11が可塑剤を含有する物である場合、樹脂層11を形成材料とする延伸フィルム12にも可塑剤を含有する。延伸フィルム12が可塑剤を含有していると、延伸積層フィルム32から第2延伸基材フィルム22Bを剥離する際、延伸フィルム12が可塑剤を含有しない場合と比べて、第2延伸基材フィルム22Bを剥離しやすく好ましい。
<偏光子形成工程>
図6,7は、偏光子形成工程の一例を示す模式図である。偏光子形成工程では、二色性色素による延伸フィルム12の染色(以下、染色処理)することにより偏光子とする。図6は、偏光子形成工程における染色処理の一例を示す模式図である。また、染色工程ののち、架橋工程において片面積層フィルム33を全体の長手方向への延伸を行ってもよい。図7は、偏光子形成工程における延伸処理の一例を示す模式図である。
(染色処理)
図6に示すように、片面積層フィルム33は、搬送ロール141〜144により長手方向に搬送される。片面積層フィルム33は、搬送経路中に設けられた染色浴150において、二色性色素が溶解した染色溶液151に浸漬され、染色されながら搬送される。これにより、片面積層フィルム33が有する延伸フィルム12は染色され、染色された延伸フィルム13を有する片面積層フィルム34が得られる。
本実施形態においては、片面積層フィルム33を構成する延伸フィルム12を、二色性色素で染色する。二色性色素としては、たとえば、ヨウ素や有機染料が挙げられる。
染色処理は、例えば、二色性色素を溶媒に溶解した溶液(染色溶液)に、片面積層フィルム33全体を浸漬することにより行う。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。
二色性色素の濃度は、0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.02質量%〜7質量%であることがより好ましく、0.025質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、さらにヨウ化物を添加することが好ましい。このヨウ化物としては、たとえば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。これらヨウ化物の添加割合は、染色溶液において、0.01質量%〜20質量%であることが好ましい。
ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムの割合は質量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることが特に好ましい。
染色溶液への延伸フィルム12の浸漬時間は、特に限定されないが、15秒〜15分間の範囲であることが好ましく、1分〜3分間であることがより好ましい。また、染色溶液の温度は、10℃〜60℃の範囲にあることが好ましく、20℃〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
(架橋処理)
染色処理に次いで架橋処理を行うことができる。架橋処理は、たとえば、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に、染色した延伸フィルム13を有する片面積層フィルムを浸漬することにより行われる。架橋剤としては、従来公知の物質を使用することができる。たとえば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物や、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどが挙げられる。架橋剤は1種類でもよいし、2種類以上を併用してもよい。
架橋溶液として、架橋剤を溶媒に溶解した溶液を使用できる。溶媒としては、たとえば水が使用できるが、さらに、水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、これに限定されるものではないが、1質量%〜20質量%の範囲にあることが好ましく、6質量%〜15質量%であることがより好ましい。
架橋溶液中には、ヨウ化物を添加してもよい。ヨウ化物の添加により、樹脂層の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、たとえば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンが挙げられる。ヨウ化物の含有量は、0.05質量%〜15質量%、より好ましくは0.5質量%〜8質量%である。
架橋溶液への積層フィルムの浸漬時間は、15秒〜20分間であることが好ましく、30秒〜15分間であることがより好ましい。また、架橋溶液の温度は、10℃〜80℃の範囲にあることが好ましい。
(延伸処理)
次いで、図7に示すように、片面積層フィルム34を延伸してもよい。この場合、片面積層フィルム34は、搬送ロール161〜164により長手方向に搬送される。片面積層フィルム34は、搬送経路中に設けられた延伸浴170において、例えばホウ酸水溶液171に浸漬されながら搬送される。更に、延伸浴170においては、搬送ロール162と搬送ロール163との間で片面積層フィルム34全体が延伸される。これにより、延伸フィルム13は延伸され、長尺の偏光子14となる。また、これにより、偏光子14と延伸された延伸基材フィルム23と、を有する積層フィルム35が得られる。
延伸処理では、片面積層フィルム34を一軸延伸する。延伸方法としては、固定端延伸および自由端延伸のいずれも採用することができる。また、延伸処理は、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。
また、延伸処理では、片面積層フィルム34を水中で延伸することもできる。水中延伸で用いる水としては、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等を挙げることができる。また、上述した染色処理の後に延伸処理を行う場合には、水中延伸で用いる水に、二色性色素を溶解させた水溶液とすることで、染色処理により延伸フィルムに吸着させた二色性色素の溶出を抑制することができる。さらに、水中延伸で用いる水に、ホウ化化合物を溶解した水溶液とすることで、延伸処理と同時に上述の架橋処理を行うこととしてもよい。
延伸処理は、例えば、片面積層フィルム34を、50℃以上のホウ酸含有水溶液に浸漬し、当該水溶液中で延伸することにより行う。
このようにして積層フィルムが有する延伸フィルムは、フィルムの延伸方向に吸収軸を有する偏光子14となる。偏光子14の総延伸倍率は、採用する延伸方法にもよるが、5倍超とすることが好ましく、6倍超とすることがより好ましく、7倍以上とすることもでき、通常10倍以下である。
なお、ここでは、染色処理の後に延伸処理を行うこととして説明したが、染色処理の前に延伸処理を行い、延伸された積層フィルムに対して染色処理を行ってもよいし、染色処理と同時に延伸処理を行なってもよい。
(その他の処理)
なお、延伸フィルム12の原料である樹脂層11の形成時に可塑剤を用いている場合には、上述した染色処理および延伸処理に先立って、可塑剤を除去する処理を行う。可塑剤の除去は、例えば、積層フィルム30を室温〜50℃程度の水に浸漬し、延伸フィルム12に水を膨潤させることにより、延伸フィルム12から可塑剤を溶出させることで行う。
また、架橋処理、またはホウ酸含有水溶液中での水中延伸処理の後には、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等の水に浸漬して積層フィルムを水洗浄して、ホウ酸等を洗い流す処理を行う。その後、積層フィルムを乾燥させる処理を行う。乾燥処理は、自然乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、減圧乾燥など、公知の方法を採用することができる。
<保護フィルム貼合工程>
保護フィルム貼合工程では、偏光子形成工程で得られた偏光子の表面に保護フィルムを貼合する。偏光子と保護フィルムの貼合方法は、特に限定されない。たとえば、偏光子と保護フィルムとのいずれか一方または両方の貼合面に粘着剤層または接着剤層を形成し、粘着剤層または接着剤層を介して両者を貼合することができる。接着剤、粘着剤としては、基材フィルムと樹脂フィルムとを貼合するに使用するものと同様のものが適用できる。
(保護フィルム)
保護フィルムは、光学機能を有さない単なる保護フィルムであってもよく、位相差フィルムや輝度向上フィルムといった光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。
保護フィルムの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのような樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルムなど、当分野において従来より広く用いられてきているフィルムを挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。延伸することで、環状ポリオレフィン系樹脂フィルムに任意の位相差値を付与することができる。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一般に表面活性が劣るため、偏光子と接着させる表面には、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を行うのが好ましい。中でも、比較的容易に実施可能なプラズマ処理、コロナ処理が好適である。
酢酸セルロース系樹脂フィルムの表面には、視野角特性を改良するために液晶層などを形成してもよい。また、位相差を付与するため酢酸セルロース系樹脂フィルムを延伸させたものでもよい。酢酸セルロース系樹脂フィルムは、偏光フィルムとの接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
上述したような保護フィルムの表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層などの光学層を形成することもできる。保護フィルム表面にこれらの光学層を形成する方法はとくに限定されず、公知の方法を用いることができる。
保護フィルムの厚さは、薄型化の要求から、できるだけ薄いものが好ましく、90μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。逆に薄すぎると強度が低下して加工性に劣るため、5μm以上であることが好ましい。
本実施形態の偏光フィルムの製造方法では、偏光子の一方の面に保護フィルムを貼合した後、偏光子の他方の面から基材フィルムを剥離する。基材フィルムの剥離方法は特に限定されるものでなく、通常知られた方法を採用できる。基材フィルムは、偏光子に保護フィルムを貼合した後、そのまますぐに剥離してもよいし、保護フィルムの貼合後に全体を一度ロール状に巻き取った後、別に剥離工程を設けて剥離してもよい。
<粘着剤形成工程>
このようにして得られた積層体は、ガラスセルに貼合するための粘着剤の層を設けてもよい。
粘着剤としては、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などのベースポリマーと、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤と、ガラスとの密着性を考えてシランカップリング剤などの添加剤を加えた組成物が挙げられる。更に粘着剤組成物は、粘着剤層に帯電防止性を付与するための帯電防止剤としてイオン性化合物をさらに含有していてもよい。イオン性化合物は、無機カチオン又は有機カチオンと、無機アニオン又は有機アニオンとを有する化合物である。
積層体上に粘着剤の層を形成する方法は特に限定されない。例えば、基材フィルム21または延伸フィルム12に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む溶液を塗布し、乾燥させることで形成することができる。または、予めセパレーター上に形成された粘着剤を、基材フィルム21または延伸フィルム12に、貼り合せて形成することもできる。セパレーターを使用することにより、偏光板を液晶セルに貼合するまでの間、粘着剤の表面を保護することができる。
<偏光フィルム形成工程>
このようにして得られた帯状の偏光子と帯状の保護フィルムとの積層体を複数枚に適宜切り分けることにより、図1で示した偏光フィルムを形成する。切り分ける際には、帯状の偏光子を液晶パネルの大きさに応じて枚葉に切り分けた後に、切り分けた偏光子を液晶パネルに貼合することとしてもよい。
本実施形態の偏光フィルムの製造方法では、以上のような工程により偏光フィルムを製造することができる。
以上のような本実施形態の偏光フィルムの製造方法においては、次のような効果が得られる。
まず、本実施形態の偏光フィルムの製造方法においては、延伸工程で延伸する樹脂フィルムは、一対の基材フィルムで挟持されている。以下の説明では、本実施形態の製造方法で用いるこのような、樹脂フィルムの両面を基材フィルムで支持する積層フィルムを、「積層フィルムA」とする。
これに対し、樹脂フィルムが片面のみ基材フィルムで支持されている積層フィルムを「積層フィルムB」とする。
延伸工程において積層フィルムA,Bを延伸すると、樹脂フィルムの延伸の限界を超えたときに樹脂フィルムは破断する。その際、樹脂フィルムを両面から基材フィルムで支持する積層フィルムAは、樹脂フィルムを片面から基材フィルムで支持する積層フィルムBと比べて延伸時に樹脂フィルムが破断しにくい。そのため、積層フィルムBよりも積層フィルムAの方が、高倍率に延伸させることが可能となる。また、歩留まりが向上し、廃棄物の量を低減させることができる。
また、本実施形態の偏光フィルムの製造方法では、偏光子形成工程において延伸処理を施す場合、延伸フィルムは基材フィルムと積層されているため、染色された延伸フィルムを単独で延伸処理するときと比べて、破断しにくい。そのため、歩留まりが向上し、廃棄物の量を低減させることができる。
これらにより、本実施形態の偏光フィルムの製造方法によれば、製造時に偏光子の破断を好適に抑制し、さらに高倍率での延伸が容易となる。また、このような偏光フィルムを好適に製造可能とする積層フィルムを提供することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、後述する方法によりモデルサンプルの試験片を作製し、延伸に要する応力を測定して評価した。モデルサンプルの作製においては、下記の方法で調整した接着剤を用いて、樹脂層と基材フィルムとを貼合した。
(接着剤の調整)
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業株式会社製、Z−200、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、3質量%ポリビニルアルコール水溶液を調製した。
また、得られた水溶液に架橋剤(田岡化学株式会社製、スミレーズレジン(登録商標)650)をポリビニルアルコール粉末2質量部に対して1質量部の割合で混合し、水系接着剤を調製した。
また、評価に際しては、以下の方法により物性値を測定した。
(面内位相差測定)
試験片の面内位相差(単位:nm)は、王子計測機器株式会社製KOBRA(登録商標)−WPRを用いて測定した。
(厚み測定)
試験片の厚み(単位:μm)は、接触式厚み計(株式会社ニコン製、DIGITAL READ OUT TC-101)により測定した。
(配向度)
試験片の配向度は、面内位相差÷厚み÷10で算出した。
(水準1:固定端延伸)
[実施例1]
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業株式会社製、Z−200、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、3質量%ポリビニルアルコール水溶液を調製した。
また、得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業株式会社製、スミレーズレジン(登録商標)650)をポリビニルアルコール粉末2質量部に対して1質量部の割合で混合し、プライマー層形成用塗工液を調製した。
ポリビニルアルコール水溶液を塗工し樹脂層を形成する基材フィルムとして、未延伸のポリプロピレンフィルム(厚み90μm、融点163℃、配向度0.13)を用いた。この基材フィルムの80℃での引張弾性率は205MPaであった。
この基材フィルムを連続的に搬送しながら、片面にコロナ処理を施した。次いで、コロナ処理された面に、マイクログラビアコーターを用いてプライマー層用塗工液を連続塗工し、60℃で3分間乾燥させることにより、基材フィルムの片面に厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
次いで、基材フィルムを搬送しながら、プライマー層上にポリビニルアルコール水溶液を連続塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、プライマー層上に平均厚み11.8μmの樹脂層が形成された積層フィルム(以下、積層フィルム1)を得た。
片面コロナ処理を施した未延伸の基材フィルムをロールから巻き出しながら、基材フィルムのコロナ処理面に上述の水系接着剤をグラビア塗工した。塗工は、塗工直後の膜厚が4μmとなるように行った。
次いで、塗工した水系接着剤の膜と、上記樹脂層とをニップロールで貼り合わせ、60℃で4分間乾燥させることにより、樹脂層の両面に基材フィルムが積層された積層フィルム(以下、積層フィルム2)を得た。
得られた積層フィルム2から、3000mm(長辺:フィルム原反の長手方向に一致する)×250mm(短辺:フィルム原反の短手方向に一致する)の矩形の試験片1000を作製した。
図8は、得られた試験片を延伸させる様子を示す模式図である。
まず、試験片1000の短辺方向の両側をテンター延伸装置(予熱ゾーン4m、延伸ゾーン4m、熱固定ゾーン4m、)のクリップ1100で把持し、短辺方向に延伸させた。延伸条件は、クリップ間距離200mm、延伸温度160℃、ライン速度2m/分とした。
試験片を上記条件で延伸させたところ、延伸倍率が7.1倍を超えると、樹脂層を延伸して得られた延伸フィルムに破断が生じた。
延伸フィルムに破断を生じない延伸倍率のうち最大値(最大延伸倍率)である7.1倍で試験片を延伸し、固定端一軸延伸された延伸積層フィルムを得た。
得られた延伸積層フィルムの表面から延伸された基材フィルムを剥離し、延伸されたPVAフィルム(延伸PVAフィルム)を得た。
得られた延伸PVAフィルムは、厚み1.6μm、面内位相差56.3nm、配向度3.52であった。
[比較例1]
積層フィルム1から、3000mm(長辺:フィルム原反の長手方向に一致する)×250mm(短辺:フィルム原反の短手方向に一致する)の矩形の試験片を作製した。
得られた試験片を、実施例1と同じ延伸条件で延伸させたところ、延伸倍率が5.2倍を超えると、PVAフィルムに破断が生じた。
最大延伸倍率である5.2倍で試験片を延伸し、固定端一軸延伸された延伸積層フィルムを得た。
得られた延伸積層フィルムの表面から延伸された基材フィルムを剥離し、延伸PVAフィルムを得た。
得られた延伸PVAフィルムは、厚み2.3μm、面内位相差62.2nm、配向度2.70であった。
実施例1、比較例1の結果を、表1に示す。
Figure 0006764244
(水準2:自由端延伸)
実施例1と同様にして得られた積層フィルム2から、160mm(短辺:フィルム原反の短手方向に一致する)×250mm(長辺:フィルム原反の長手方向に一致する)の矩形の試験片2000を作製した。
図9は、得られた試験片を延伸させる様子を示す模式図である。
まず、試験片2000の長辺方向の両側をテンター延伸装置のクリップ1100で把持し、長辺方向に延伸させた。延伸条件は、クリップ間距離200mm、延伸温度160℃、ライン速度2m/分とした。
試験片2000を上記条件で延伸させたところ、延伸倍率が7.1倍を超えると、樹脂層が白化した。
延伸フィルムが白化しない延伸倍率のうち最大値(最大延伸倍率)である7.1倍で試験片を延伸し、自由端一軸延伸された延伸積層フィルム2100を得た。このとき、ネックイン率は63%であった。
得られた延伸積層フィルム2100の表面から延伸された基材フィルムを剥離し、延伸PVAフィルムを得た。
得られた延伸PVAフィルムは、厚み4.8μm、面内位相差171.7nm、配向度3.58であった。
[比較例2]
積層フィルム1から、160mm(短辺:フィルム原反の短手方向に一致する)×250mm(長辺:フィルム原反の長手方向に一致する)の矩形の試験片を作製した。
得られた試験片を、実施例1と同じ延伸条件で延伸させたところ、延伸倍率が5.4倍を超えると、PVAフィルムが白化した。
最大延伸倍率である5.4倍で試験片を延伸し、自由端一軸延伸された延伸積層フィルムを得た。このとき、ネックイン率は65%であった。
得られた延伸積層フィルムの表面から延伸された基材フィルムを剥離し、延伸PVAフィルムを得た。
得られた延伸PVAフィルムは、厚み5.9μm、面内位相差188.1nm、配向度3.19であった。
実施例2、比較例2の結果を、表2に示す。
Figure 0006764244
評価の結果、本発明の偏光フィルムの製造方法によれば、高い延伸倍率で延伸され、配向度が高い偏光フィルムを製造することができることが分かり、本発明が有用であることが分かった。
1,14…偏光子、10…偏光フィルム、11…樹脂層、12,13…延伸フィルム、21,21A,21B…基材フィルム、22,23…延伸基材フィルム、30…積層フィルム(積層体)、31…積層フィルム、32,32A,32B…延伸積層フィルム、33,34…片面積層フィルム

Claims (8)

  1. 帯状の第1基材フィルムを長手方向に搬送しながら、前記第1基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗布し、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層形成工程で得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記樹脂層の表面に、水系接着剤を介して帯状の第2基材フィルムを貼合し積層フィルムを得る貼合工程と、
    前記積層フィルムを長手方向に搬送しながら、前記積層フィルムを延伸し、前記樹脂層が延伸された延伸フィルムと、前記第1基材フィルムが延伸された第1延伸基材フィルムと前記第2基材フィルムが延伸された第2延伸基材フィルムとを含む延伸積層フィルムを得る延伸工程と、
    前記延伸積層フィルムの一方の面から前記第2延伸基材フィルムを剥離し、前記延伸フィルムの片面に前記第1延伸基材フィルムが積層した片面積層フィルムを得る剥離工程と、
    二色性色素により前記延伸フィルムを染色し偏光子とする偏光子形成工程と、を備える偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記延伸工程では、固定端横延伸法を用いて前記積層フィルムを延伸する請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  3. 前記延伸工程では、自由端一軸延伸法を用いて前記積層フィルムを延伸する請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  4. 前記延伸工程では、6.2倍を超える延伸倍率で前記積層フィルムを延伸する請求項2または3に記載の偏光フィルムの製造方法。
  5. 前記延伸工程では、前記積層フィルムの長手方向に縮小させながら前記積層フィルムの短手方向に延伸する請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
  6. 前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液は、可塑剤を含有する請求項1から5のいずれか1項に記載の偏光フィルムの製造方法。
  7. 前記1基材フィルムおよび前記第2基材フィルムは未延伸である請求項1からのいずれか1項に記載の偏光フィルムの製造方法。
  8. 前記偏光子形成工程の後に、前記偏光子を複数に切り分け前記偏光フィルムを得る偏光フィルム形成工程を有する請求項1からのいずれか1項に記載の偏光フィルムの製造方法。
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