JP6764225B2 - 再生炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維強化プラスチックを原料とする再生炭素繊維の製造方法、およびその製造方法で製造される再生炭素繊維に関する。特に、一定以上の厚さを有する炭素繊維強化プラスチックから再生炭素繊維を製造する方法と、その製造方法によって製造された再生炭素繊維の集合体に関する。
炭素繊維は、鉄のおよそ1/4の比重でありながら強度が高く、腐食しないという特徴がある。炭素繊維は糸又は織物として単独で用いられたり、各種の樹脂のマトリックス(母材)の中にフィラー(充填剤)として添加された「炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic)」の形態で用いられたりする。特に炭素繊維強化プラスチックは、飛行機、自動車、自転車、タンク等の圧力容器等に広く用いられている。一般的な炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維に樹脂を含浸し硬化して製造されるが、このとき種々の形状の端材や規格外品が発生する。そこで、炭素繊維強化プラスチックの端材や規格外品から樹脂のみを除去し、再利用可能な再生炭素繊維を製造する技術が求められている。
炭素繊維強化プラスチックのマトリックスには、多種多様な樹脂が用いられる。任意の種類の樹脂を除去して再生炭素繊維を製造する方法として、本願発明の発明者らは、樹脂を熱分解して再生炭素繊維を製造する方法を発明し、特許文献1および特許文献2に開示している。特許文献1に開示した技術は、コンベアに搭載した炭素繊維強化プラスチックを連続式炉の中に投入して通過させることで、長繊維状の炭素繊維を製造している。特許文献2は、炭化乾留炉で炭素繊維強化プラスチックの一部の樹脂を固定炭素に転換し、引き続き連続式炉で加熱処理を行って、再生炭素繊維を製造する技術を開示している。
特許文献3には、炭素繊維強化プラスチックを800℃以上の過熱水蒸気によって処理することにより、プラスチックの68〜80%を除去した状態で炭素繊維を回収する技術が開示されている。特許文献3には、過熱水蒸気を製造するヒータ部と、製造された水蒸気を導入する導入部と、炭素繊維強化プラスチックを保持する保持部を備えた回収装置が開示されている。
特許第4949123号公報 特許第5347056号公報 特開第2011−122032号公報
従来、再生炭素繊維の原料として用いる炭素繊維強化プラスチックは、織物、不織布、薄板、またはチップに由来する、厚み(高さ)の小さいものが大部分であった。原料である炭素繊維強化プラスチックが、棒状あるいは塊状といった厚みのある立体形状であった場合には、樹脂を熱分解する前に原料の破砕を行う必要があった。しかし、炭素繊維プラスチックは非常に高強度であり、破砕を行うためには高強度の物品を破砕する高価な装置が必要となっていた。また破砕に時間がかかるため、製造工程全体の作業効率が悪かった。さらに、破砕工程ではフィラーである炭素繊維もまた切断されてしまうので、長繊維の再生炭素繊維を製造することは困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従来よりも厚みのある立体形状の炭素繊維強化プラスチックに含まれる樹脂を均一に熱分解し、好ましい形状を有する再生炭素繊維を効率的に、且つ低いコストで製造する技術を提供することを目的としている。
本発明はさらに、再生炭素繊維の集合体を提供することを目的としている。
本発明は、再生炭素繊維の製造方法に関する。本発明の製造方法は、炭素繊維およびマトリックス成分を含有し、且つ1mm以上300mm以下の厚さに成形されている炭素繊維強化プラスチックを原料として、再生炭素繊維を製造する方法であって、炭化乾留炉の炭化乾留室内に炭素繊維強化プラスチックを収容する工程と、200℃以上800℃以下の目標温度で炭化乾留室を維持する加熱工程と、を備えている。本発明の製造方法は、炭化乾留室に高さ方向を三分割以上に分割する区画を形成しており、それぞれの区画に対して、有効容積の70容積%以下となるように炭素繊維強化プラスチックを収容していることを特徴とする。
本発明の再生炭素繊維の製造方法は、炭化乾留室の前記区画が炭素繊維強化プラスチックを収容する棚によって規定されていることが好ましい。これに加えて、棚に過熱水蒸気の供給路が設けられており、過熱水蒸気の供給路から、100℃以上800℃以下の過熱水蒸気が供給されることが好ましい。
本発明はまた、再生炭素繊維の集合体を提供する。本発明による再生炭素繊維の集合体は、1mm以上300mm以下の厚さに成形されている炭素繊維強化プラスチックを原料とした再生炭素繊維の集合体であって、以下の式(1)、
K={1000×(ρ/ρ)}/(L/D)・・・(式1)
ここで、ρ:炭素繊維集合体の見かけ密度、ρ:炭素繊維真密度、L:炭素繊維平均長さ、D:炭素繊維平均直径の値が、0.0025≦K≦1750となることを特徴としている。
本発明の再生炭素繊維の製造方法は、炭化乾留炉の炭化乾留室の中の高さ方向を三分割以上に分割する区画の中に、原料である炭素繊維強化プラスチックを有効容積の70容積%以下となるようにそのまま収容して加熱することで、従来よりも分厚い炭素繊維強化プラスチックの樹脂を除去して再生炭素繊維を製造することが可能である。本発明の再生炭素繊維の製造方法は、炭素繊維強化プラスチックを破砕することなく原料として用いることができるので、より迅速且つ容易に再生炭素繊維を製造することができる。また高価な破砕装置を用いる必要がないため、製造装置全体をより安価に構成することができる。
本発明の再生炭素繊維の製造方法は、炭化乾留室の区画を形成する棚の水蒸気供給路から過熱水蒸気が供給されることで、炭化乾留室全体をより均一に加熱することができる。この結果、厚さのある炭素繊維強化プラスチックから、より迅速に再生炭素繊維を製造することができる。
本発明の再生炭素繊維の製造方法によって製造される再生炭素繊維の集合体は、密度と、平均長さと、平均直径との間で特定の条件を満たしていることによって、目付が均一でハンドリングしやすい繊維の集合体となる。
図1は、炭化乾留炉の概略構成を示す断面図である。 図2は、水蒸気供給路を備えた棚の概略構成を示す斜視図である。 図3は、炭化乾留路内の棚に炭素繊維強化プラスチックを収容した一形態を示す図である。
以下、再生炭素繊維の製造方法(以下、単に製造方法とも言う)に用いられる製造装置200について、図面を参照しつつ好適な実施例について説明する。次に、好適な製造条件を説明し、最後に本発明の製造方法によって製造される再生炭素繊維の集合体の特性について説明する。
本実施形態の炭化乾留炉201を備えた製造装置200を図1に示す。炭化乾留炉201は、箱状の本体部205を備えている。本体部205の内部には炭化乾留室102が形成されており、炭化乾留室102の下部には燃焼室203が形成されている。本体部205と、炭化乾留室102との間の空間には、加熱室215が形成されている。本体部205と炭化乾留室102の外壁とは、いずれも耐熱性の金属で形成されている。本体部205の正面には開口部が設けられており、この開口部の位置は炭化乾留室102の開口部の位置と整合している。本体部205の開口部と炭化乾留室102の開口部とは、図示されない一つの封止扉を閉じることによって同時に封止することができ、炭化乾留室102の内部を無酸素状態として加熱することが可能となる。
燃焼室203にはバーナー104が設けられており、バーナー104の燃焼によって燃焼室203から加熱室215に輻射熱を供給し、この輻射熱で炭化乾留室102を加熱する。また、炭化乾留炉200には、炭化乾留室102の内部とブロワー105とを連通させるガス燃焼用配管107が設けられている。乾留によって発生する乾留ガスは、ガス燃焼用配管107を通過してブロアー105の空気と混合されて燃焼する。乾留ガスの燃焼熱は、炭化乾留室102の昇温と温度維持に用いられる。
炭化乾留炉201は、加熱室215と燃焼室203とにそれぞれ連通する熱風放出ダクト108を備えている。熱風放出ダクト108には、加熱室102と燃焼室203との間のそれぞれの通路にダンパー109が設けられており、過剰な熱を適宜外部に放出して温度調節を行う。本実施形態では、燃焼室203内に温度計測センサ141が配置されており、加熱室115内の側壁に温度計測センサ142が配置されており、炭化乾留室102の上部に温度計測センサ143が配置されており、炭化乾留室102の下部に温度計測センサ144が配置されている。これらの測定結果を用いて、ダンパー109の開閉により、炭化乾留室102の温度は200℃以上800℃以下の範囲で維持される。200℃以上800℃以下の温度範囲では、樹脂が好適に熱分解される一方で、炭素繊維の損傷はほとんど発生しない。
炭化乾留炉201はまた、外部ボイラー212と、加熱室215内に配置されている過熱水蒸気発生装置213と、外部ボイラー212から過熱水蒸気発生装置213を経由して炭化乾留室102の内部に至るまで配管されている水蒸気配管214とを備えている。過熱水蒸気発生装置213として、たとえば熱交換器を使用することができ、外部ボイラー212で予熱された水蒸気が加熱室215内に設けられた過熱水蒸気発生装置213に供給され、過熱水蒸気となって炭化乾留室102内を直接加熱する。加熱室215の温度が100℃を越えた時点で、過熱水蒸気発生装置213から、水蒸気配管214を経由して、炭化乾留室102に100℃以上800℃以下の過熱水蒸気が供給される。過熱水蒸気の供給は、乾留が終わり、冷却が開始されるまで継続される。
図2に、炭化乾留室102の内部に配置する耐熱棚111の斜視図を示す。本実施形態の耐熱棚111は、4本の支柱116と、この支柱116同士を接続する複数の水平部材117と、対向する一対の水平部材117を接続する補助部材118とによって、ほぼ直方体形状に形成されている。水平部材117と補助部材118とは、炭化乾留室102の内部を高さ方向について三分割以上に分割できる複数の面を規定している。水平部材117と補助部材118とが規定した面上に、再生炭素繊維の原料である炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPとも言う)を搭載した多孔板231(またはトレイ)を搭載した状態で、CFRPの乾留が行われる。また、補助部材118の位置は、炭化乾留室102の横方向(幅方向)についてCFRPを均等に配置する場合の、幅方向を三分割する位置の基準として利用される。
耐熱棚111を構成する支柱116、水平部材117、および補助部材118は、中空な耐熱金属で形成されており、内部が連通していて、過熱水蒸気の供給路として機能することができる。支柱116、水平部材117、および補助部材118のそれぞれには、複数の貫通孔119が設けられている。耐熱棚111の支柱116の一つが、水蒸気配管214に接続されており、水蒸気配管214から供給された過熱水蒸気は、耐熱棚111の内部を通過して、複数の貫通孔119から炭化乾留室102に放出される。
必須ではないが、図1に示すように、外部ボイラー212と過熱水蒸気発生装置213との間の水蒸気配管214にコンプレッサ220を接続することができる。コンプレッサ220によって、加熱工程の終了後に純酸素若しくは酸素を含む気体を供給することができる。酸素を含む気体としては、たとえば、空気や酸素と窒素の混合物が挙げられる。また、外部ボイラー212をコンプレッサ220と同時に稼働させることで、純酸素と水蒸気の混合物、または酸素を含む気体と水蒸気の混合物を供給することができる。
次に、1mm以上300mm以下の厚さに成形されているCFRP230を原料として、再生炭素繊維を製造する方法を説明する。再生炭素繊維の製造方法は、炭化乾留炉201の炭化乾留室102内にCFRP230を収容する工程と、CFRP230を200℃以上800℃以下の温度で炭化乾留室を維持する加熱工程と、を備えている。
炭化乾留室102内にCFRP230を収容する工程について、図3を参照しつつ説明する。1mm以上300mm以下の厚さに成形されているCFRP230は、周囲から均一に加熱することで、樹脂を熱分解して炭素繊維のみを再生することが可能となる。炭化乾留室102の内部を、耐熱棚111によって高さ方向に三分割以上に分割し、それぞれの区画に対して、有効容積の70容積%以下となるようにCFRP230を収容して加熱することで、収容したCFRP230を均一に加熱して再生炭素繊維を得ることができる。70容積%を超えてCFRP230を収容した区画がある場合、その区画では熱と水蒸気の流路が確保できず、長時間の加熱を行っても必要以上に樹脂が残存して好適な特性を有する再生炭素繊維を製造できないことが確認されている。
図3に、炭化乾留室102内の耐熱棚111にCFRP230を収容した好適な一形態を示す。耐熱棚111の水平部材117と補助部材118上には、多孔板231または孔を有さないトレイ231が搭載される。多孔板231またはトレイ231の上に、CFRP230が配置される。CFRP230の配置は、炭化乾留室102の内部を高さ方向に三分割以上に分割した場合に、それぞれの区画に対して、有効容積の70容積%以下であれば良く、たとえば図3に示したように、耐熱棚111が炭化乾留室102を六分割している場合には、それぞれの区画について有効容積の70容積%であれば、再生炭素繊維を製造することができる。
図3に示したように、角柱状のCFRP230を規則正しく配置する場合の好適な形態は、CFRP230を一段ずつ縦横交互に並べる「井桁積み」の形態である。井桁積みを行うことによって、隣り合うCFRP230の上下左右の間に規則正しく空間が空くことになり、またたわみも防止することができるので、より均一に加熱することができる。また、並べられたCFRP230の両端部には、CFRP230よりも高さのある角材231をスペーサとして配置することで、CFRP230の上方に空間を維持して熱と水蒸気の流路を確保することが可能となる。
より板厚の厚いCFRP230を原料とする場合に、CFRP230を配置する多孔板231の開口率をより大きくすることが好ましい。パンチングメタルやエキスパンドメタル等の開口率の大きな多孔板231を用いることで、開口を通過する気流を増やして、特に厚さ(高さ)が5mm以上20mm未満のCFRP230について、樹脂を均一かつ迅速に分解することができる。
また、板厚が5mm以上20mm未満のCFRP230を原料とする場合には、炭化乾留室102を、高さ方向だけではなく、縦方向(奥行方向)または横方向(幅方向)についても三分割以上となるように区画を定義し、それぞれの区画に対して有効容積の70容積%以下となるようにCFRP230を配置することが好ましい。すなわち、炭化乾留室102内の全域に、より均等にCFRP230を配置することが好ましい。さらに、均等に配置した個々のCFRP230は、互いに間隔を開けることが好ましい。このような配置によって、CFRP230を均等に加熱することができる。板厚が20mm以上のCFRP230を原料とする場合には、高さ方向と、縦方向と、横方向のそれぞれについて三分割以上に区画形成し、それぞれの区画に対して有効容積の60容積%以下となるようにCFRP230を配置することで、より対流が発生しやすい空間を確保して、再生炭素繊維を製造することが可能となる。
次に、加熱工程について説明する。炭化乾留室102の耐熱棚111に搭載されたCFRP230は、高温の無酸素状態に維持されることで、CFRP230に含まれるマトリックス成分の樹脂を加熱分解し、再生炭素繊維を製造する。本実施形態の加熱工程の条件の一例を挙げると、炭化乾留室102内の目標温度を200℃〜800℃とし、封止した状態で、加熱を2時間〜24時間継続する。炭化乾留室102は、運転開始時には、燃料が供給されたバーナー104の燃焼によって昇温される。炭化乾留室102が充分に高温となると、CFRP230の樹脂が乾留熱分解し、可燃ガスであるメタンやベンゼン等の炭化水素ガスが発生する。そしてこれらのガスは乾留ガスとしてブロアー105の空気と混合されて燃焼し、炭化乾留炉201の温度の維持に貢献する。
加熱工程では、過熱水蒸気発生装置213で100℃以上800℃以下の過熱水蒸気を発生させて、水蒸気配管214に供給する。本実施形態における過熱水蒸気発生装置213は熱交換器であり、外部ボイラー212で予熱された水蒸気が加熱室215内に設けられた過熱水蒸気発生装置213に供給され、過熱水蒸気となって炭化乾留室102内を直接加熱する。耐熱棚111の支柱116の一つが、水蒸気配管214に接続されており、供給された過熱水蒸気は、耐熱棚111の内部を通過して、複数の貫通孔119から炭化乾留室102に放出される。過熱水蒸気の供給によって、炭化乾留室102内の対流を促進し、炭化乾留室102内で乾留により発生した乾留ガスを燃焼室203に効率よく追い出すことが可能となる。
加熱工程を終了した炭素繊維強化プラスチックは、多くの場合、表面に固定炭素が付着した再生炭素繊維となっている。必須ではないが、加熱工程の終了後に、水蒸気配管214に接続されているコンプレッサ220から、酸素を含む空気を供給する工程を追加することによって、炭素繊維の表面に付着した炭素を燃焼させて、好ましい特性を有する再生炭素繊維を製造することが可能である。
本発明の加熱工程によって製造する再生炭素繊維の集合体の特性を制御することで、取り扱いが容易な再生炭素繊維を得ることができる。すなわち、1mm以上300mm以下の厚さに成形されている炭素繊維強化プラスチックを、炭化乾留室102で加熱することで製造される再生炭素繊維の集合体であって、
以下の式(1)、
K={1000×(ρ/ρ)}/(L/D)・・・(式1)
(ここで、ρ:炭素繊維集合体の見かけ密度、ρ:炭素繊維真密度、L:炭素繊維平均長さ、D:炭素繊維平均直径)、
の値が、0.0025≦K≦1750とする。
ここで、見かけ密度とは繊維集合体の質量を体積で除した値であり、一定の体積の容器に繊維集合体を収納したときの繊維集合体の質量を測定して求めることができる。また、繊維の真密度とは繊維そのものの質量を繊維の体積で除した値であり、比重計により繊維の比重を測定することにより求めることができる。
本発明者らは、式(1)の値が、0.0025よりも小さい場合には、繊維集合体において繊維同士の接触や絡み合いに乏しくて集合体を安定に形成しにくいので、ハンドリングしにくく、また、式(1)の値が1750よりも大きい場合には繊維同士の接触や絡み合いが強すぎて目付(単位面積当たりの質量)ムラの大きい不均一な集合体しか得られないことを見出した。本発明者らは、Kの値が、0.0025≦K≦1750の場合には、目付が均一でハンドリングしやすい繊維集合体が得られることを見出したものである。
以上説明したように、本実施形態の再生炭素繊維の製造方法によれば、厚さのあるCFRP230を炭化乾留炉201の炭化乾留室102に所定の容積割合で充填して炭化乾留することで、再生炭素繊維を製造することが可能である。
なお、本実施形態の再生炭素繊維の製造方法において、原料となるCFRP230のフィラー成分の炭素繊維には、例えばポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)を用いることができる。また、マトリックス成分の樹脂として、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等を例示することができる。
本実施例では、容積が約1.7mで、炭化乾留有効容積1.0mである炭化乾留室102を備えた製造装置200によって、再生炭素繊維を製造した。炭化乾留室102内の耐熱棚111によって規定されている縦方向の区画、すなわち多孔板231と多孔板231との間の容積は2.8×10mmである。この縦方向の区画に、縦1000mm、横60mm、厚さ(高さ)6mmの角柱状のCFRP230を井桁状に段積み配置した。CFRP230を配置する段数を変更することによって、区画ごとの容積率を、60%、70%、80%の三段階に設定して再生炭素繊維を製造した。炭化乾留室102内の目標温度を550℃とし、封止した状態で、750℃の水蒸気を供給しつつ加熱を4時間継続加熱した。
本実施例で製造した再生炭素繊維の特性を評価したところ、容積率を60%とした場合と、容積率を70%とした場合では,全てのCFRP230について、マトリックス成分である樹脂が均一に除去されていた。これに対して、容積率が80%となるように、より多くの量のCFRP230を収容した場合には、マトリックス生分が不均一に残存している部分が発生した。
実施例1と同一の製造装置200を用い、表面が曲面である厚さが300mmの板状のCFRPを原料として、再生炭素繊維の製造を行った。本実施例では、CFRPを収容するための多孔板に、開口率の高いエキスパンドメタルを用いた。そして、耐熱棚111の水平部材117と補助部材118に設けられた炭化乾留室102を、高さ方向だけではなく、縦方向(奥行方向)と横方向(幅方向)についても三分割に区画を規定し、それぞれの区画に対して有効容積の70容積%以下となるようにCFRPを積み重ねることなく配置した。そして、炭化乾留室102内の目標温度を550℃とし、封止した状態で、750℃の水蒸気を供給しつつ加熱を6時間継続加熱することで、再生炭素繊維を製造することができた。
炭素繊維集合体の特性
実施例1において得られた炭素繊維集合体は均一な外観を呈しており、炭化容器から次工程に搬送するコンベア上への移送を支障なく行うことができた。この炭素繊維集合体を1000mlの容器に入れたところ、236gであった。したがって、この繊維集合体の見かけ密度は0.236g/mlと求められた。また、密度勾配管式比重計で測定した炭素繊維の真密度は1.8g/mlであった。さらにデジタル顕微鏡で測定した炭素繊維の平均長は8340μm、平均直径は7μmであった。これらの値から計算されたK値は、0.198であった。
実施例1において得られた炭素繊維集合体をボールミルで粉砕して、デジタル顕微鏡で測定した平均繊維長2.8μmの炭素繊維集合体を得た。この炭素繊維の真密度は実施例3と同様1.8g/mlであった。これを1000mmlの容器に入れたところ1080gであった。したがって、この繊維集合体の見かけ密度は1.080g/mlと求められた。この繊維集合体は均一な外観を呈しており、炭化容器から次工程に搬送するコンベア上への移送を支障なく行うことができた。この繊維集合体の平均繊維長は2.8μmと繊維直径のよりも7μmよりも細かく粉砕されていたが、長さ2000μm以上の繊維が混在していることが、繊維集合体の絡み合いに寄与したものと考察された。すなわち式1におけるLおよびDは平均値であることが重要である。
以上、本発明について好適な実施形態および実施例を挙げて説明したが、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である.
102 炭化乾留室
104 バーナー
105 ブロワー
107 ガス燃焼用配管
111 耐熱棚
116 支柱
117 水平部材
118 補助部材
119 貫通孔
141,142,143,144温度計測センサ
200 再生炭素繊維の製造装置
201 炭化乾留炉
203 燃焼室
205 本体部
212 外部ボイラー
213 過熱水蒸気発生装置
214 水蒸気配管
215 加熱室
220 コンプレッサ
230 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)

Claims (1)

  1. 炭素繊維およびマトリックス成分を含有し、且つ1mm以上300mm以下の厚さに成形されている炭素繊維強化プラスチックを原料として、再生炭素繊維を製造する方法であって、
    炭化乾留炉の炭化乾留室内に炭素繊維強化プラスチックを収容する工程と、
    200℃以上800℃以下の目標温度で炭化乾留室を維持する加熱工程と、
    を備えており、
    前記炭化乾留室の内部に高さ方向を三分割以上に分割する区画を形成し、それぞれの区画に対して、有効容積の70容積%以下となるように炭素繊維強化プラスチックを収容しており、
    前記炭化乾留室の前記区画が炭素繊維強化プラスチックを収容する棚によって規定されており、
    前記棚に添って過熱水蒸気の供給路が設けられており、
    当該過熱水蒸気の供給路から、100℃以上800℃以下の過熱水蒸気が供給されることを特徴とする再生炭素繊維の製造方法。
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