JP6763663B2 - 円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ - Google Patents

円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ Download PDF

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Description

本発明は、外科手術の分野で特に有用な、消毒液等の医療用液体を皮膚に塗布するためのアプリケータ、特に中空の筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器の開封・開裂・破断機構に特徴を有するアプリケータに関する。
従来、手術前の外科用洗浄剤や消毒液を皮膚に塗布するためのアプリケータとしては、手術前の外科用洗浄又は塗布剤を皮膚に塗布するのに特に有用である、破断可能な液体容器内に収納された液体を表面に塗布するための送り出し装置を備えた液体アプリケータ(特許文献1)や、液体入りガラス・アンプルを受け入れる柔軟な細長い中空円筒体を有するとともに、液体を小分け排出するためにアンプルの破砕機構を備えた携帯型液体アプリケータ(特許文献2)や、容器を備える中空の細長い部材と、前記中空の細長い部材から半径方向に外側に延びるフランジと、前記フランジに取り付けられている分配器要素とを有する、流体を塗布又は供給するためのアプリケータであって、前記分配器要素は、少なくとも2つのオリフィスと、少なくとも2つのオリフィスを分離する突出要素と、前記分配器要素の前記第1の側に取り付けられている吸収パッドとを含む、アプリケータ(特許文献3)が知られている。
また、所望の表面に消毒剤を塗布するための、並びに消毒剤に由来する望ましくない副産物を選択的に除去するためのアプリケータ(特許文献4)、流体を収容するためのパケットと、パケットに外部圧力を印加してパケットを圧縮し、流体をパケットから解放することを可能にするように構成された可撓性の蓋を有するハンドルを備えたアプリケータ・デバイス(特許文献5)や、細長い中空体と塗布パッドと中空体内に挿入されるアクチュエータ・スリーブを有し、長手方向突出部を有するアクチュエータ・スリーブが中空体内を移動するとき、中空体の中の液体容器の蓋部に対して作用して開放し、液体容器から塗布パッドに液体を放出する塗布具(特許文献6)や、筒状に形成された本体部と、該本体部の一方の端部に装着された薬液を含浸する多孔質体と、他方の端部に嵌合されたスリットを有するキャップと、からなる外容器と、摘み部を有する蓋材にてシールされ前記薬液が封入された内容器と、からなる液体塗布具であって、前記内容器が、前記本体部に収納され、前記摘み部が前記キャップの方向に折り返され、前記スリットを通して前記外容器の外側に飛び出していることを特徴とする液体塗布具(特許文献7)が知られている。
そしてまた、一方の端部に開口口を有し、他方の端部に含浸性を有する多孔質体が装着された、筒状に延長された本体と、薬液が充填され口部をシール材で封止されたボトルと、前記本体と前記ボトルとを連結する略筒状の接続体と、からなる液体塗布具であって、前記接続体は、内面に前記ボトルの口元と螺合するためのネジ状部と、外面に前記開口口に連携して可動する凸状リブと、が形成され、前記開口口は、側壁に、前記凸状リブをガイドする略S字状のガイド溝が形成され、内面に、中間棚が形成され、該中間棚の内面に前記シール材を破材するための穴を有した先端が鋭角な内筒が、軸線に沿って前記口部の方向に形成されていることを特徴とする液体塗布具(特許文献8)や、液体充填アンプルを受容するのに好適な中空本体と一体的に形成された、ヒンジ、握り部および足部を有するレバーを備え、足部はアンプルに隣接して位置付けられ、かつレバーが押し下げられるとアンプルを破砕して液体を放出するアプリケータ(特許文献9)が知られている。
特開平6−277297号公報 特表2004−515285号公報 特表2008−515484号公報 特表2009−526624号公報 特表2012−513879号公報 特表2012−513880号公報 特開2013−23271号公報 特開2013−23282号公報 特表2015−514551号公報
本発明の課題は、中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開封手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータにおける、前記円筒状液体容器の種々の開封機構を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、円筒状液体容器の種々の開封機構を備えた医療用液体のアプリケータを考案した。すなわち本発明は以下のとおりである。
[1]中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開裂手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータであって、
前記円筒状液体容器の下底面の円周部、又は下底面の直径部がイージーピールに形成され、円筒状液体容器の上部には、ピストンロッドを有するピストンが嵌合されており、
前記ピストンロッドによりピストンを押し込み、円筒状液体容器内の液体に圧力をかけることにより前記イージーピールを開裂させ、円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
[2]中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開裂手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータであって、
前記円筒状液体容器の下端の縮径筒状口には、断面逆T字型コックが嵌合され、中空の筒状部材の内周面には、前記断面逆T字型コックの頂板を挿通しうる切欠部を有する内向きフランジが設けられており、
前記円筒状液体容器の下端に断面逆T字型コックの頂板を内向きフランジの切欠開口部に挿通した後、前記ハンドル部を回転させ、次いでハンドル部を引き抜き、断面逆T字型コックの嵌入栓部から縮径筒状口を離間し、円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
[3]中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開裂手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータであって、
前記円筒状液体容器の下端がネジキャップとして形成され、中空の筒状部材の内周にはネジキャップを回転できないようにネジキャップ固定部が設けられており、
前記円筒状液体容器下端のネジキャップをネジキャップ固定部で固定した状態で、前記ハンドル部を回転させて、円筒状液体容器本体をネジキャップから引き外し、円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
[4]中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開裂手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータであって、
前記円筒状液体容器の下底面又は下方部分が容易に切裂くことができる素材で形成され、前記中空の筒状部材の内周面には長手方向に1又は2以上の切刃が設けられており、
前記円筒状液体容器の上底面を中空の筒状部材内に押し込むことにより、円筒状液体容器が下降してその下底面又は下方部分が1又は2以上の切刃で切り裂かれ、円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
[5]中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開裂手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータであって、
前記円筒状液体容器が中空の筒状部材に固定され、前記円筒状液体容器の上底面から下底面まで挿通され、下底面にその足部が固着されたピンが設けられており、
前記ピンを引き抜くことにより、開裂しやすい素材で形成された円筒状液体容器の下底面が開裂させ、円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
[6]中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開裂手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータであって、
前記円筒状液体容器の下端の縮径筒状口に底板が固着され、前記中空の筒状部材の内周面には前記底板を規制ガイドすることができる捻切りストッパが固設されており、
前記円筒状液体容器の下端の底板を前記捻切りストッパの切欠きに嵌入した後、ハンドル部を回転させてストッパに当接させた後、ストッパに抗ってなおもハンドル部を回転させて、縮径筒状口を閉塞していた底板を縮径筒状口から捻切って、筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
[7]筒状部材が、下方に向かって細くなるテーパーを有する円筒形状であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか記載のアプリケータ。
[8]塗布パッドと取付板が略オムスビ形状であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか記載のアプリケータ。
中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該液体容器の開封手段とを備えたハンドル部;及び、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを備えた塗布部;を有する医療用液体のアプリケータにおける、前記円筒状液体容器の種々の開封機構が開示された。
本発明の円筒状液体容器の開封機構(イージーピールオープンタイプ)を備えたアプリケータの全体構成図である。 図1における円筒状液体容器の斜視図である。 図1における円筒状液体容器の開封機構(イージーピールオープンタイプ)による開封の仕方の説明図である。 本発明の円筒状液体容器の開封機構(引き抜きタイプ)を備えたアプリケータの全体構成図である。 図4における円筒状液体容器の斜視図である。 図4における円筒状液体容器の開封機構(引き抜きタイプ)による開封の仕方の説明図である。 本発明の円筒状液体容器の開封機構(脱ネジキャップタイプ)を備えたアプリケータの全体構成図である。 図7における円筒状液体容器の斜視図である。 図7における円筒状液体容器の開封機構(脱ネジキャップタイプ)による開封の仕方の説明図である。 本発明の円筒状液体容器の開封機構(切裂きタイプ)を備えたアプリケータの全体構成図である。 図10における円筒状液体容器の斜視図である。 図10における円筒状液体容器の開封機構(切裂きタイプ)による開封の仕方の説明図である。 本発明の円筒状液体容器の開封機構(ピン引き抜きタイプ)を備えたアプリケータの全体構成図である。 図13における円筒状液体容器の斜視図である。 図13における円筒状液体容器の開封機構(ピン引き抜きタイプ)による開封の仕方の説明図である。 本発明の円筒状液体容器の開封機構(捻切りタイプ)を備えたアプリケータの全体構成図である。 図16における円筒状液体容器の斜視図である。 図16における捻切り契合部の拡大斜視図である。 図16における円筒状液体容器の開封機構(捻切りタイプ)による開封の仕方の説明図である。
本発明の円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは、イージーピールオープンタイプ、引き抜きタイプ、脱ネジキャップタイプ、切裂きタイプ、ピン引き抜きタイプ、及び捻切りタイプの6種類の開封機構を有するものに大別することができる。これら6種類の開封機構について図1〜19に基づいて説明するが、これら6種類のアプリケータは、下方に向かって細くなるテーパーを有する円筒形状等の中空の筒状部材2と、該筒状部材2に内蔵されている円筒状液体容器3と、該液体容器3の開封手段とを備えたハンドル部1;及び、前記筒状部材2の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッド41の取付板42と、該取付板42に付着された塗布パッド41とを備えた略オムスビ形状等の塗布部4;を有する医療用液体のアプリケータという共通点を有しているので、主として各タイプの開封機構について以下説明する。
(イージーピールオープンタイプ)
イージーピールオープンタイプの円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは図1〜3に示されている。このタイプの円筒状液体容器3の下底面31は、その円周部32の一部又は全部において液体容器3の円筒体36の下底円周部37とイージーピールされている。また、このタイプの円筒状液体容器3の上部には、ピストンロッド51を有するピストン50が勘合されている。このタイプの円筒状液体容器3は、開封時には中空の筒状部材2内に係止されている。上記円筒状液体容器3と中空の筒状部材2の係止機構は制限されないが、例えば円筒状液体容器3の円筒体36の周方向に設けられた突片38(窪み)と筒状部材2の内周面21に周方向に設けられた窪み22(突片)を挙げることができる。上記イージーピールをする方法としては公知の方法であればよく、例えば、ポリプロピレン等のプラスチック製の円筒状液体容器3の円筒体36の下底円周部37に、ポリエチレン等のフィルムからなる下底面の円周部32の一部又は全部をイージーピールとする方法を例示することができる。また、イージーピールオープンの仕組みとしては、シール層自身が破壊されて剥離する凝集剥離タイプ、フィルムのサポート層とシール層から剥離する層間剥離タイプ、フィルムと筒状体との剥離強度を調節した界面剥離タイプのいずれでもよい。
このイージーピールオープンタイプの開封手段は、上記ピストン50とイージーピール32であり、開封機構は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2に係止させた状態で、ピストンロッド51によりピストン50を押し下げて容器内の液体に圧力をかけ、その液圧で円筒状液体容器3の下底面の円周部32のイージーピールをオープンし、容器内の液体を塗布パッド41に送出するものである。図3(a)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2に係止させるために押し下げている状態を示し、図3(b)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2に係止した状態で、ピストンロッド51を押し下げることにより、ピストン50で容器内の液体に圧力をかけ、その液圧で円筒状液体容器3の下底面31の半円周部32のイージーピールをオープンし、容器内の液体を塗布パッド41に送出するものである。
このイージーピールオープンタイプの変形として、円筒状液体容器3の下底面31の直径方向にイージーオープン用の脆弱ラインを設けておき、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2に係止した状態で、ピストンロッド51を押し下げることにより、ピストン50で容器内の液体に圧力をかけ、その液圧で円筒状液体容器3の下底面31のイージーオープン用の脆弱ラインを開裂し、容器内の液体を塗布パッド41に送出するタイプを挙げることができる。イージーオープン用の脆弱ラインは、例えば、下底面31を構成するフィルムに、レーザーによるハーフカット処理を施すことにより形性することができる。
(引き抜きタイプ)
引き抜きタイプの円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは図4〜6に示されている。この引き抜きタイプの円筒状液体容器3の下端の縮径筒状口34には、断面逆T字型コック60が嵌合されている。断面逆T字型コック60は、頂板61と嵌入栓部62から構成されている。前記縮径筒状口34は円筒状液体容器3の下底面31に直接設けることもできるが、図4〜6に示すように、円筒状液体容器3の下部を逆裁頭円錐形状33となるように漸次縮径し、下端を縮径筒状口34として形成し、かかる縮径筒状口34に前記嵌入栓部62を嵌合させることが好ましい。他方、中空の筒状部材2の内周面21には、前記断面逆T字型コック60の頂板61を特定位置において挿通しうる切欠部24を有する内向きフランジ23が設けられている。また、図6に示されているように、内向きフランジ23の下方には内向きストッパ25を設けることができるが、円筒状液体容器内の液体を速やかに塗布パッド41に送出するために、内向きストッパ25にも大きな切欠き26が設けられている。この引き抜きタイプの円筒状液体容器3を、開封前には中空の筒状部材2内に仮係止しておくこともできる。
この引き抜きタイプの開封手段は、下部に断面逆T字型コック60を備えた円筒状液体容器3と、切欠部24が設けられた内向きフランジ23とであり、開封機構は液体容器3の下方の断面逆T字型コック60の頂板61を前記内向きフランジ23の切欠部24に挿通した後、ハンドル部1(前記円筒状液体容器3の上部、又は該円筒状液体容器3の上端に固着されているT字型取手52)を60〜120°、好ましくは90°回転させ、次いでハンドル部1を引き抜く。すなわち、断面逆T字型コック60を内向きフランジ23により液体容器3から外して、コック60の嵌入栓部62から縮径筒状口34を離間し、円筒状液体容器内の液体を塗布パッド41に送出するものである。図6(a)は、中空の筒状部材2内に円筒状液体容器3が装着された状態を示し、図6(b)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2内を下降させながら、ハンドル部1を回転させて、内向きフランジ23の切欠部24に断面逆T字型コック60の頂板61が挿通しうるようにした状態を示し、図6(c)は、内向きフランジ23の切欠部24に断面逆T字型コック60の頂板61を挿通した後、ハンドル部1を90°回転させた状態を示し、図6(d)は、ハンドル部1を引き上げてコック60の嵌入栓部62から縮径筒状口34を引き抜き、円筒状液体容器2内の溶液が、円筒状液体容器2の縮径筒状口34、内向きフランジ23の切欠部24、内向きストッパ25の切欠き26を通って塗布パッド41に送出される状態を示している。
(脱ネジキャップタイプ)
脱ネジキャップタイプの円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは図7〜9に示されている。このタイプの円筒状液体容器3の下端の縮径筒状口34の外周面には雄ねじが刻まれ、内周面に雌ねじが刻まれているネジキャップ63と螺合することによりキャッピングがなされている。このネジキャップ63は中空の筒状部材2の内周に設けられたネジキャップ固定部27により回転できないようになっている。すなわち、このネジキャップ63の外周面には、中空の筒状部材2のネジキャップ固定部27と協働して、ネジキャップ63を中空の筒状部材2内で回転できないように複数の凹部64又は凸部が設けられている。前記縮径筒状口34は円筒状液体容器3の下底面31に直接設けることもできるが、図7〜9に示すように、円筒状液体容器3の下部を逆裁頭円錐形状33となるように漸次縮径し、下端を縮径筒状口34として形成し、該縮径筒状口34に前記ネジキャップ63を螺合させることが好ましい。他方、中空の筒状部材2の内周面21には、ネジキャップ固定部(前記ネジキャップ63を特定位置において固定しうる、前記ネジキャップ63の複数の凹部64に対応する複数の突状嵌合部、又は、前記ネジキャップ63の複数の凸部に対応する複数の切欠嵌合部)が設けられている。また、ネジキャップ63を外した後、縮径筒状口34から落下する溶液が塗布パッド41に向かって送出するように、中空の筒状部材2の内周面21に設けられている複数の突状嵌合部又は複数の切欠嵌合部と、ネジキャップ63には十分な隙間ができるように構成されている。この脱ネジキャップタイプの円筒状液体容器3を、開封前には中空の筒状部材2内に仮係止しておくこともできる。
この脱ネジキャップタイプの前記開封手段は、下部にネジキャップ63を備えた円筒状液体容器3と、中空の筒状部材2の内周面21に設けられたネジキャップ固定部27とであり、開封機構は、液体容器21の下端のネジキャップ63を固定した状態で、前記ハンドル部1を回転させて、液体容器本体をネジキャップ63から引き外し、円筒状液体容器内の液体を塗布パッド41に送出させるものである。図9(a)は、中空の筒状部材2内に円筒状液体容器3が装着された状態を示し、図9(b)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2内を下降させながら、ハンドル部1を回転させて、ネジキャップ固定部27にネジキャップ63を挿着・固定した状態を示し、図9(c)は、ハンドル部1を回転させて、円筒状液体容器3からキャップ63を外している状態を示し、図9(d)は、ハンドル部1を回転させながらキャップ63の内周雌ねじから縮径筒状口34の外周雄ねじを外しながら円筒状液体容器3を引き上げ、円筒状液体容器3内の溶液が、円筒状液体容器3の縮径筒状口34、ネジキャップ固定部27の切欠きを通って塗布パッド41に送出する状態を示している。
(切裂きタイプ)
切裂きタイプの円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは図10〜12に示されている。このタイプの円筒状液体容器3の下部は、下底面31又は逆裁頭円錐形状33となるように漸次縮径していてもよく、円筒状液体容器3の上部は、ハンドル部1として形成されている。円筒状液体容器3の下底面31又は下方部分は中空の筒状部材2内に設けられて1又は2以上の切刃65により容易に切裂くことができる素材で構成されている。容易に切裂くことができる素材としては、プラスチックフィルム等を挙げることができる。切刃65は、筒状部材2の長手方向に沿って内周面21から立設させておくこともできるし、図12に示すように、切刃支持リング66から複数の切刃65を筒状部材2の中心軸に向けて突設しておくこともできる。この切裂きタイプの円筒状液体容器3は、開封時には中空の筒状部材2内に係止されている。
この切裂きタイプの開封手段は、中空の筒状部材の内周面に長手方向に立設された1若しくは2以上の切刃65、又は、筒状部材2の中心軸に向けて切刃支持リング66から突設した1若しくは2以上の切刃65と、ハンドル部1であり、開封機構は中空の筒状部材2内に係止されている円筒状液体容器3の上面を(親指等で)押し込むことにより、円筒状液体容器が下降してその下底面31や下方部分が複数の切刃65で切り裂かれ、円筒状液体容器内の液体を塗布パッド41に送出するものである。図12(a)は、中空の筒状部材2内に円筒状液体容器3が装着された状態を示し、図12(b)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2内を下降させ、円筒状液体容器3の下底面31を筒状部材2の中心軸に向けて切刃支持リング66から突設した複数の切刃65で切り裂き、円筒状液体容器3内の溶液が、切刃65間の隙間を通って塗布パッド41に送出する状態を示している。
(ピン引き抜きタイプ)
ピン引き抜きタイプの円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは図13〜15に示されている。円筒状液体容器3の下底面31は、プラスチックフィルム等の開裂しやすい素材で形成されており、上底面35は、ピン引き抜き時の上向きの液圧を吸収しうるように可撓性の素材で形成されている。また、かかる円筒状液体容器3の下底面31には上底面35を水密に挿通しているピン67の足部68が固着されている。ピン足部68の形状は円形、矩形、環形、ヒトデ形等を挙げることができる。また、ピンの頭部69はピンを引き抜きやすいように人差し指が入る輪っか状に形成されている。このピン引き抜きタイプの円筒状液体容器3は、開封時には中空の筒状部材2内に係止されている。上記円筒状液体容器3と中空の筒状部材2の係止機構としては、例えば円筒状液体容器3の円筒体36の周方向に設けられた突片38(窪み)と筒状部材2の内周面21に周方向に設けられた窪み22(突片)を挙げることができる。
このピン引き抜きタイプの開封手段は、液体容器の上底面35から下底面31まで挿通され、その足部68が下底面31に固着されたピン67であり、開封機構は液体容器3の上底面35から上方に突出したピン取手を引き抜くことにより、ピンと上底面35の止着点が開裂すると共に、ピン足部68が局部的に引き上げられる結果、液体容器3の下底面31が開裂し、円筒状液体容器内3の液体を塗布パッド41に送出するものである。なお、止着点での開裂孔は小さいので、この孔から液体が漏出することはないが、空気は流入するので、塗布パッド41への送液は促進される。図15(a)は、中空の筒状部材2内に円筒状液体容器3が装着される状態を示し、図15(b)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2内に係止した後、円筒状液体容器3の上底面35から上方に突出したピン取手を引き抜くことにより、円筒状液体容器3の上底面35がドーム状に膨らみ、ピンと上底面35の止着点が開裂すると共に、ピン足部68が局部的に引き上げられる結果、液体容器3の下底面31が上方に開裂し、円筒状液体容器内3の液体を塗布パッド41に送出する状態を示している。
(捻切りタイプ)
捻切りタイプの円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは図16〜19に示されている。この捻切りタイプの円筒状液体容器3の下端の縮径筒状口34には、該縮径筒状口を閉塞する底板70が固着されている。前記縮径筒状口34は円筒状液体容器3の下底面31に直接設けることもできるが、図16〜19に示すように、円筒状液体容器3の下部を逆裁頭角錐形状(逆裁頭円錐形状)33となるように漸次縮径し、下端を縮径筒状口34として形成し、かかる縮径筒状口34に前記底板70を固着させることが好ましい。他方、中空の筒状部材2の内周面21には、前記底板70を特定位置において規制ガイドすることができる捻切りストッパ28が固設されている。捻切りストッパ28には、底板70の回転を規制ガイドするガイド周溝29が設けられ、ガイド周溝29の始端は底板70の嵌入用の切欠き、後端は底板70の回転を止めるストッパに形成されている(図18)。なお、この捻切りタイプの円筒状液体容器3は、開封前には中空の筒状部材2内に仮係止しておくこともできる。
この捻切りタイプの開裂手段は、縮径筒状口34を閉塞する底板70を備えた円筒状液体容器3と、前記底板70の回転を規制ガイドすることができる捻切りストッパ28とであり、開封機構は液体容器3の下端の底板70を前記捻切りストッパ28の切欠きに嵌入した後、ハンドル部1(前記円筒状液体容器3の上部、又は該円筒状液体容器3の上端に固着されているT字型取手52)をガイド周溝29に沿って時計回り又は反時計回りに回転させストッパに当接させた後、ストッパに抗ってなおもハンドル部1を時計回り又は反時計回りに回転させると、縮径筒状口34を閉塞していた底板70から縮径筒状口34が捻切られて離間し、縮径筒状口34が開口して、円筒状液体容器内の液体を塗布パッド41に送出するものである。図19(a)は、中空の筒状部材2内に円筒状液体容器3が装着された状態を示し、図19(b)は、円筒状液体容器3を中空の筒状部材2内を下降させながら、ハンドル部1を回転させて、捻切りストッパ28の切欠きに底板70を嵌入した状態(図18(a)参照)を示し、図19(c)は、捻切りストッパ28の切欠きに嵌入した底板70を時計回りに90°回転させストッパに当接させた状態(図18(b)参照)を示し、図19(d)は、底板70をストッパに当接させた状態からなおもハンドル部1を時計回りに回転させ、底板70と縮径筒状口34との閉塞固着部を捻切って開封し、円筒状液体容器2内の溶液が捻切りストッパ28の空隙部を通って塗布パッド41に送出される状態を示している。
本発明の円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータは、手術等の医療分野で有用である。
1 ハンドル部
2 中空の筒状部材
21 内周面
22 内周面の周方向に設けられた窪み
23 内周面の内向きフランジ
24 内向きフランジの切欠部
25 内周面の内向きストッパ
26 内向きストッパの切欠き
27 内周面に設けられたネジキャップ固定部
28 捻切りストッパ
29 ガイド周溝
3 円筒状液体容器
31 下底面
32 下底面の円周部(イージーピール)
33 下部の逆裁頭円錐形状(逆裁頭角錐形状)
34 下端の縮径筒状口
35 上底面
36 円筒体
37 円筒体の下底円周部
38 円筒体の周方向に設けられた突片
4 塗布部
41 塗布パッド
42 取付板
50 ピストン
51 ピストンロッド
52 T字型取手
60 断面逆T字型コック
61 断面逆T字型コックの頂板
62 断面逆T字型コックの嵌入栓部
63 ネジキャップ
64 ネジキャップ外周面の複数の凹部
65 切刃
66 切刃支持リング
67 ピン
68 ピン足部
69 ピン頭部
70 底板

Claims (7)

  1. 中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該円筒状液体容器を開裂するためのハンドル部と、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを有し、前記中空の筒状部材と前記円筒状液体容器とを外側から順次備えた医療用液体のアプリケータであって、
    前記円筒状液体容器の下底面の円周部がイージーピールに形成され、又は前記円筒状液体容器の下底面の直径部に脆弱ラインが形成され、前記円筒状液体容器の上部には、前記ハンドル部としてピストンロッドを有するピストンが一体として嵌合されており、
    前記ピストンロッドによりピストンを押し込み、前記円筒状液体容器内の液体に圧力をかけることにより前記イージーピール又は前記脆弱ラインを開裂させ、前記円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、前記円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
  2. 中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該円筒状液体容器を開裂するためのハンドル部と、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを有し、前記中空の筒状部材と前記円筒状液体容器とを外側から順次備えた医療用液体のアプリケータであって、
    前記円筒状液体容器の下端の縮径筒状口には、断面逆T字型コックが嵌合され、中空の筒状部材の内周面には、前記断面逆T字型コックの頂板を挿通しうる切欠部を有する内向きフランジが設けられており、
    前記円筒状液体容器の下端に断面逆T字型コックの頂板を内向きフランジの切欠開口部に挿通した後、前記ハンドル部を回転させ、次いでハンドル部を引き抜き、断面逆T字型コックの嵌入栓部から縮径筒状口を離間し、前記円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、前記円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
  3. 中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該円筒状液体容器を開裂するためのハンドル部と、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを有し、前記中空の筒状部材と前記円筒状液体容器とを外側から順次備えた医療用液体のアプリケータであって、
    前記円筒状液体容器の下端がネジキャップとして形成され、前記中空の筒状部材の内周にはネジキャップを回転できないようにネジキャップ固定部が設けられており、
    前記円筒状液体容器下端のネジキャップをネジキャップ固定部で固定した状態で、前記ハンドル部を回転させて、前記円筒状液体容器本体をネジキャップから引き外し、前記円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、前記円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
  4. 中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該円筒状液体容器を開裂するためのハンドル部と、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを有し、前記中空の筒状部材と前記円筒状液体容器とを外側から順次備えた医療用液体のアプリケータであって、
    前記円筒状液体容器の下底面又は下方部分が容易に切裂くことができる素材で形成され、前記中空の筒状部材の内周面には長手方向に1又は2以上の切刃が設けられており、
    前記ハンドル部として前記円筒状液体容器の上底面を、前記中空の筒状部材内に押し込むことにより、前記円筒状液体容器が下降してその下底面又は下方部分が1又は2以上の切刃で切り裂かれ、前記円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、前記円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
  5. 中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該円筒状液体容器を開裂するためのハンドル部と、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを有し、前記中空の筒状部材と前記円筒状液体容器とを外側から順次備えた医療用液体のアプリケータであって、
    前記円筒状液体容器が前記中空の筒状部材に固定され、前記円筒状液体容器の上底面から下底面まで挿通され、前記ハンドル部として下底面にその足部が固着されたピンが設けられており、
    前記ピンを引き抜くことにより、開裂しやすい素材で形成された前記円筒状液体容器の下底面が開裂させ、前記円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、前記円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
  6. 中空の筒状部材と、該筒状部材に内蔵されている円筒状液体容器と、該円筒状液体容器を開裂するためのハンドル部と、前記筒状部材の下端に傾斜断面となるように固着されている塗布パッドの取付板と、該取付板に付着された塗布パッドとを有し、前記中空の筒状部材と前記円筒状液体容器とを外側から順次備えた医療用液体のアプリケータであって、
    前記円筒状液体容器の下端の縮径筒状口に底板が固着され、前記中空の筒状部材の内周面には前記底板を規制ガイドすることができる捻切りストッパが固設されており、
    前記円筒状液体容器の下端の底板を前記捻切りストッパの切欠きに嵌入した後、前記ハンドル部を回転させてストッパに当接させた後、ストッパに抗ってなおも前記ハンドル部を回転させて、縮径筒状口を閉塞していた底板を縮径筒状口から捻切って、前記円筒状液体容器内の液体を塗布パッドに送出することを特徴とする、前記円筒状液体容器の開封機構を備えたアプリケータ。
  7. 筒状部材が、下方に向かって細くなるテーパーを有する円筒形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のアプリケータ。
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