JP6762997B2 - 多層カーボンナノチューブの酸化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層カーボンナノチューブの酸化方法に関するものである。
従来技術では、リチウム硫黄電池の分野のようないくつかの分野のニーズを満たすために、炭素材料を酸化することがしばしば必要である。炭素材料はメソポーラスカーボン、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNTs)、炭素球などである。その中で、カーボンナノチューブは、そのオープンセル構造、高い導電率、及び一次元の柔軟性のあるナノ構造を有するために、最も有望な炭素材料と見なされている。
現在、カーボンナノチューブは濃硫酸や濃硝酸で酸化され、酸化されたカーボンナノチューブの表面には多くの酸素含有官能基が分布し、これらの酸素含有官能基は負電荷に帯電し、隣接するカーボンナノチューブの表面の負電荷が静電反発を起こし、カーボンナノチューブ間の分散を向上させる。しかし、酸でカーボンナノチューブを酸化する方法は、しばしば液体を加熱する必要があり、安全ではなく、生じる廃液は腐食性を有する。
本発明の目的は、前記課題を解決して、腐食性の液体を生じない多層カーボンナノチューブの酸化方法を提供することである。
本発明の多層カーボンナノチューブの酸化方法は、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを提供する第一ステップと、炭酸ガスを加熱炉に導入して、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを加熱炉に入れ且つ加熱する第二ステップと、加熱炉を850℃〜950℃に加熱し、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを前記炭酸ガスで酸化する第三ステップと、を含む。
本発明の多層カーボンナノチューブの酸化方法では、第三ステップにおいて、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを炭酸ガスで酸化する工程で、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブの管壁の少なくとも一部を連続的に剥離し、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブの直径を減少させる。
本発明の多層カーボンナノチューブの酸化方法では、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブの管壁の少なくとも一部を連続的に剥離した後に、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブの表面に複数のC−O単結合が形成される。
従来の技術と比べて、本発明の多層カーボンナノチューブの酸化方法は、以下の利点を有する。本発明の多層カーボンナノチューブを酸化する方法は、炭酸ガスの弱い酸化特性を利用して多層カーボンナノチューブを酸化して、非液相での簡単且つ迅速な酸化反応を行う。溶媒腐食の必要がなく、腐食性の液体を生じない。
実施例1の多層カーボンナノチューブの酸化方法のフローチャートである。 900℃で炭酸ガスが多層カーボンナノチューブを酸化する構造の概略図である。 炭酸ガスで酸化された後に、多層カーボンナノチューブの管壁を完全に剥離することを示す図である。 炭酸ガスで酸化された後に、多層カーボンナノチューブの一部を剥離することを示す図である。 炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡写真である。 空気で酸化された多層カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡写真である。 炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブの熱重量分析曲線の比較図である。 未処理の多層カーボンナノチューブ、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルの比較図である。 未処理の多層カーボンナノチューブ、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブの赤外吸収スペクトルの比較図である。 未処理の多層カーボンナノチューブ、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブを同じ条件でそれぞれ試験して得られたゼータ(zeta)電位図である。
以下、本発明の多層カーボンナノチューブの酸化方法の実施形態について説明する。以下の各実施形態において、同じ部材は同じ記号で標示する。
(実施例1)
実施例1は多層カーボンナノチューブの酸化方法を提供する。多層カーボンナノチューブの酸化方法は、以下の工程を含む。
S1、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを提供する。
S2、炭酸ガスを加熱炉に導入して、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを加熱炉に入れ且つ加熱する。
S3、加熱炉を850℃〜950℃に加熱し、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを炭酸ガスで酸化する。
ステップ(S1)において、少なくとも一本のカーボンナノチューブの長さ及び直径は制限されない。好ましくは、各カーボンナノチューブの高さは50μm以上である。
少なくとも一本の多層カーボンナノチューブは、一本の多層カーボンナノチューブを含んでもよく、又は複数の多層カーボンナノチューブを含んでもよい。少なくとも一本の多層カーボンナノチューブは、複数の多層カーボンナノチューブを含む場合、複数の多層カーボンナノチューブは、種々の方向に無秩序に配列されてもよく、互いに平行であっても同じ方向に延伸されてもよい。同じ方向に延伸する複数の多層カーボンナノチューブは、一本の多層カーボンナノチューブであってもよく、又は複数の多層カーボンナノチューブであってもよい。複数の多層カーボンナノチューブは、分子間力によって端と端で接続される。
本実施例において、複数の多層カーボンナノチューブは、超配列カーボンナノチューブアレイから得られる。該超配列カーボンナノチューブアレイは互いに平行し、基板に垂直になるように成長する複数の多層カーボンナノチューブからなる。各多層カーボンナノチューブの高さは300μmである。
超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は、化学気相堆積法を採用する。超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は次のステップを含む。ステップ(a)において、平らな基板を提供する。該基板はp型のシリコン基板、n型のシリコン基板及び酸化層が形成されたシリコン基板のいずれか一種である。本実施例においては、4インチのシリコン基板を選択することが好ましい。ステップ(b)において、基板の表面に均一に触媒層を形成する。該触媒層の材料は鉄、コバルト、ニッケル及びこれら2種以上の合金のいずれか一種である。ステップ(c)において、触媒層が形成された基板を700℃〜900℃の空気によって30分〜90分間アニーリングする。ステップ(d)において、アニーリングされた基板を反応炉に置き、保護ガスによって500℃〜740℃の温度で加熱した後カーボンを含むガスを導入して、5分〜30分間反応させて、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes)を成長させる。このカーボンナノチューブアレイが成長する高さは200μm〜400μmである。成長の条件を制御することによって、超配列カーボンナノチューブアレイは、例えば、アモルファスカーボン及び残存する触媒である金属粒子などの不純物を含まなくなる。
ステップ(S2)において、加熱炉は密閉容器であり、例えば、管状炉又はマッフル炉であってもよい。加熱炉に炭酸ガスを満たす。好ましくは、加熱炉は炭酸ガスのみを含有する。本実施例において、少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを加熱炉中に置いて、加熱炉に純粋な炭酸ガスのみを満たす。
ステップ(S3)において、加熱炉の加熱時間は制限されない。加熱炉を加熱する工程は以下の通りである。特定の速度で加熱炉を温度850℃〜950℃まで加熱し、その温度に維持して加熱し続ける。好ましくは、温度850℃〜950℃で加熱炉を維持する加熱時間は10分間〜90分間である。温度850℃〜950℃で加熱炉を加熱する場合、加熱炉における多層カーボンナノチューブの質量損失は20%より少ない。温度850℃〜950℃で多層カーボンナノチューブは炭酸ガスで酸化される。本実施例において、炭酸ガス中、炉は、温度が900℃に達するまで毎分30℃の速度で加熱され、900℃で60分間加熱された。
加熱中、炭酸ガスは、多層カーボンナノチューブの表面における炭素原子と酸化還元反応を起こし、一酸化炭素を生成する。多層カーボンナノチューブの管壁を連続的に剥離して、多層カーボンナノチューブの直径を小さくする。カーボンナノチューブ管壁の剥離は、多層カーボンナノチューブの質量損失を引き起こす。一つの例において、多層カーボンナノチューブが三層である場合、多層カーボンナノチューブの外壁全体が完全に剥離され、又は多層カーボンナノチューブの外壁の一部が剥離される。図3を参照すると、多層カーボンナノチューブの一層の管壁又は二層の管壁が完全に剥離される。図4を参照すると、多層カーボンナノチューブの管壁の一部が剥離され、パターン化のカーボンナノチューブが形成される。連続的に剥離される管壁は片状構造体である。片状構造体の形状は、炭酸ガス反応の時間及び加熱温度によって決定される。好ましくは、片状構造体の厚さは1nm〜3nmであり、その長さは50nm以上である。
多層カーボンナノチューブの長さが長い場合、例えばその長さが300μm以上である場合、酸化中に、多層カーボンナノチューブチューブの管壁の複数の異なる位置が連続的に剥離され、パターン化の多層カーボンナノチューブチューブが形成される。酸化プロセスは、多層カーボンナノチューブの管壁を完全に剥離することは容易ではない。これにより、多層カーボンナノチューブの管壁を完全に剥離することを実現するために、多層カーボンナノチューブの長さは100μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、多層カーボンナノチューブの長さは50μm以下である。
炭酸ガス自体は弱い酸化剤であるため、多層カーボンナノチューブが酸化されるプロセスにおいて、多層カーボンナノチューブの長さ方向に沿ってカーボンナノチューブ管壁を酸化して剥離する傾向が強い。これにより、多層カーボンナノチューブ自体の構造に大きなダメージを与えることはなく、剥離される管壁は片状構造体である。官能基の観点から説明すると、多層カーボンナノチューブの管壁が剥離される位置に複数の炭素−酸素単結合の官能基が出現する。本実施例において、多層カーボンナノチューブの管壁が連続的に剥離された後、多層カーボンナノチューブの表面には複数の炭素−酸素単結合のみが含まれる。
多層カーボンナノチューブの管壁を連続的に剥離した後、多層カーボンナノチューブの表面は炭素−酸素単結合の官能基のみを有し、且つ負電荷を有する。炭素−酸素単結合官能基は、水酸基又はフェノール基等であってもよい。多層カーボンナノチューブの管壁の酸化欠陥は均一であるため、多層カーボンナノチューブに担持される官能基及び負電荷も均一である。
本発明は、炭酸ガスで多層カーボンナノチューブを酸化する方法及び空気で多層カーボンナノチューブを酸化する方法をさらに比較する。
(実験例1)
多層カーボンナノチューブを純粋な炭酸ガス中に置いて、炉の温度が900℃に達するまで毎分30℃の速度で多層カーボンナノチューブを加熱し、900℃で60分間多層カーボンナノチューブを加熱する。
(比較例1)
多層カーボンナノチューブを空気中に置いて、炉の温度が550℃に達するまで毎分30℃の速度で多層カーボンナノチューブを加熱し、550℃で60分間多層カーボンナノチューブを加熱する。
実験例1と比較例1とを比較すると、酸化ガス、酸化温度及び酸化時間が異なる。
図5は炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブを示す図である。図6は空気で酸化された多層カーボンナノチューブを示す図である。図5に示すように、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブの構造は、深刻な損傷を受けていない。図5及び図6を比較して分かるように、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブの管壁は連続的に剥離され、多層カーボンナノチューブの表面は孔が形成されていない。酸素は強い酸化性を有するため、空気で酸化された多層カーボンナノチューブの表面の一部が大きく変形して孔が形成される。
図7は、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブの熱重量分析曲線の比較図である。この図では、室温でカーボンナノチューブの質量百分率が100wt%であることを定義する。図7に示すように、空気で酸化された多層カーボンナノチューブは温度651℃〜763℃で大きな質量損失があり、多層カーボンナノチューブの質量百分率は90wt%から10wt%に減少する。炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブは温度1009℃〜1154℃で大きな質量損失があり、多層カーボンナノチューブの質量百分率は90wt%から10wt%に減少する。これにより、カーボンナノチューブが二つのガスで酸化され且つ改質されると同時にその質量が大きく減少するために、本実施例における炭酸ガスの酸化温度は900℃に設定され、空気の酸化温度は550℃に設定される。
図8において、三つの曲線は、未処理の多層カーボンナノチューブ、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブそれぞれのラマンスペクトルを表す。ここで、Dピークの強度の相対値は、sp炭素原子の数量を表す。すなわち、多層カーボンナノチューブの6員環構造が破壊される。6員環構造が破壊されるところは酸化サイトであってもよい。Gピークの強度の相対値は、sp炭素原子の数量を表す。すなわち、多層カーボンナノチューブの6員環構造は完全であり、破壊されない。図8に示すように、未処理の多層カーボンナノチューブの強度I/I比値は0.636であり、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブの強度I/I比値は1.204であり、空気で酸化された多層カーボンナノチューブの強度I/I比値は0.636である。前記の強度I/I比値は、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブが多くの酸化サイトを有することを示す。
図9において、三つの曲線は、未処理の多層カーボンナノチューブ、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブそれぞれの赤外吸収スペクトルを表す。図9に示すように、多層カーボンナノチューブの管壁が剥離される位置で、炭素−酸素単結合の官能基の数が増加し、炭素−酸素二重結合の官能基の数が増加しないが、元のカーボンナノチューブに存在する炭素−酸素二重結合は消失する。完全な6員環におけるsp混成炭素原子は、しばしば三つのσ結合を介して周囲の炭素原子に結合される。π結合は周囲の炭素原子と共役を形成する。炭素−酸素単結合における炭素原子は、sp混成炭素原子であってもよく、隣接する三つの炭素原子及び一つの酸素原子に結合される。これは、炭素−酸素単結合の存在が多層カーボンナノチューブの6員環構造を破壊せず、6員環構造はひどくは変形しない可能性があることを意味する。炭素−酸素二重結合における炭素原子は、sp混成炭素原子であってもよい。炭素−酸素二重結合における四つの共有結合は周囲の原子に結合される。少なくとも二つの共有結合は酸素に結合される。すなわち、炭素原子に結合される結合は二つ以下である。これは、完全な6員環では起こり得ない。すなわち、炭素−酸素二重結合が6員環の破壊領域に現れることを意味する。また、赤外スペクトルから、炭素ガスで酸化されたカーボンナノチューブは炭素−酸素二重結合を有さないことが分かる。これは、6員環は大きく破壊されないことを意味する。元の多層カーボンナノチューブと比較して、空気で酸化された多層カーボンナノチューブには複数のC−O単結合及びC=O二重結合が存在する。炭素ガスで酸化された多層カーボンナノチューブは、多量のC−O単結合のみを含み、元の多層カーボンナノチューブのC=O二重結合は炭素ガスによって除去される。
図10において、図10における三つの点は、未処理の多層カーボンナノチューブ、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブ及び空気で酸化された多層カーボンナノチューブをそれぞれ試験して得られたゼータ(zeta)電位である。図10に示すように、未処理の多層カーボンナノチューブのゼータ電位はゼロに近く、空気で酸化された多層カーボンナノチューブのゼータ電位は−6.6Vであり、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブのゼータ電位は−13.6である。すなわち、炭酸ガスで酸化された多層カーボンナノチューブの表面は、より多くの負電荷を有する。
本発明により提供される多層カーボンナノチューブの酸化方法は、溶媒を添加することなく、純粋な炭酸ガスを用いることにより、簡単且つ迅速に多層カーボンナノチューブを改質することができる。また、この方法で酸化された多層カーボンナノチューブの表面は連続的に剥離され、孔を生じることなく、且つ多層カーボンナノチューブの表面はC−O単結合のみを有し、負電荷が均一に分布する。

Claims (2)

  1. 少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを提供する第一ステップと、
    炭酸ガスを加熱炉に導入して、加熱炉に純粋な炭酸ガスのみを満たし、前記少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを前記加熱炉に入れ且つ加熱する第二ステップと、
    前記加熱炉を850℃〜950℃に加熱し、前記少なくとも一本の多層カーボンナノチューブを前記炭酸ガスで酸化する第三ステップと、
    を含み、
    前記少なくとも一本の多層カーボンナノチューブの長さは300μm以上であり、前記第三ステップにおいて、多層カーボンナノチューブの管壁の複数の異なる位置が連続的に剥離され、パターン化の多層カーボンナノチューブが形成されることを特徴とする多層カーボンナノチューブの酸化方法。
  2. 前記少なくとも一本のパターン化の多層カーボンナノチューブの表面はC−O単結合のみを有することを特徴とする請求項1に記載の多層カーボンナノチューブの酸化方法。
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