JP6762250B2 - 紙葉類厚さ検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣などの紙葉類の厚さを検知する紙葉類厚さ検知装置に関する。
従来、紙幣などの紙葉類の識別や分類などの処理を行う紙幣処理機などには、紙幣などの紙葉類の厚さを検知するために種々の厚さ検知装置が搭載されている。この種の厚さ検知装置としては、例えば、図16に示される厚さ検知装置101は、搬送方向Aに1枚ずつ送られる紙幣Pを基準ローラ103と検知ローラ105との間に挟み、検知ローラ105の変位量に基づいて紙幣Pの厚さを検知するように構成されている。
すなわち、厚さ検知装置101は、当該装置の本体に連結された回転軸102に回転自在に支持された基準ローラ103と、この基準ローラ103の上側に配置された検知ローラ105と、上下方向に揺動自在であり、検知ローラ105を回転自在に支持する検知レバー107とを備えている。
検知レバー107は、搬送方向Aに沿って延びるように配置されている。検知ローラ105 は、検知レバー107の先端部に取り付けられた回転軸104に回転自在に支持されている。検知レバー107の基端部は、水平方向に延びる回転軸106を介して厚さ検知装置の本体などに設けられた取付部108に接続されている。
図16に示されるように、検知レバー107の基端部を回転自在に支持する回転軸106は、基準ローラ103および検知レバー107よりも搬送方向Aの上流側に位置している。
検知レバー107は、水平方向に延びる回転軸106を中心として回動することにより、その先端部側を上下動させて検知ローラ105を基準ローラ103に対して離接する上下方向に変位させることが可能である。
検知レバー107の先端部側には、被検出片112が突設され、この被検出片112の下面部には検知ローラ105の変位量を測定する検出手段としての測定センサ109が離間して対向配置されている。
また、検知レバー107の先端上面部にはローラなどの被押圧部111が設けられ、この被押圧部111の上面部には押圧手段としてのバネ材110の先端部側が当接している。このバネ材110の基端部側は、取付部108に取り付けられている。バネ材110が被押圧部111を下方に押圧する力は、検知レバー107を介して検知ローラ105へ伝達され、当該検知レバー107を基準ローラ103に押し付ける。これにより、検知レバー107の跳ね上がりや紙幣Pの膨らみを抑える。
上記の厚さ検知装置101では、搬送方向Aに搬送される紙幣Pが検知ローラ105と基準ローラ103との間に導入されて通過すると、検知ローラ105が基準ローラ103から上方に変位され、この変位量が測定センサ109により測定され、この測定値に基づいて紙幣Pの厚さが検出される。
ここで、紙幣Pの搬送速度は高速(数m/s程度)であるため、検知ローラ105と基準ローラ103とが当接している状態で、当該紙幣Pの先端部が検知ローラ105の周面に高速で衝突すると、検知ローラ105には大きな衝撃が加わる。このため、検知ローラ105は、基準ローラ103に対して浮き上がる方向に跳ね上げられて測定空白時間が発生するおそれがある。
そこで、紙幣Pによる検知ローラ105への衝撃を緩和するために、図16の厚さ検知装置101では、検知レバー107における検知ローラ5よりも搬送方向Aの上流側には、当接ローラ113が取り付けられている。当接ローラ113は、検知ローラ105と搬送方向Aの上流側に離間して配置され、かつ、検知ローラ105とともに基準ローラ103に対して離間および当接が可能な位置に取り付けられている。
このように検知ローラ105よりも搬送方向Aの上流側に当接ローラ113が設けられることにより、搬送方向Aに沿って搬送された紙幣Pの先端部は、検知ローラ105に当接する前に当接ローラ113に衝突する。このときに当接ローラ113が受ける衝撃により検知レバー107は回転軸106を中心して上方に回動させる。そして、検知レバー107の回動に伴って、検知ローラ105は、上方に跳ね上げられ、基準ローラ103から離間し、当該基準ローラ103と検知ローラ105との隙間が確保される。これにより、紙幣Pが当接ローラ113を通過して検知ローラ105に到達したときには、検知ローラ105はあらかじめ上方へ跳ね上げられているので、紙幣Pの先端部が検知ローラ105に当接したときの衝撃は軽減される。
特許第4653706号公報
しかし、上記の紙幣厚さ検知装置101では、検知レバー107の基端部を回転自在に支持する回転軸106は、基準ローラ103および検知レバー107よりも搬送方向Aの上流側に位置している。そして、当接ローラ113は、検知ローラ105よりも搬送方向Aの上流側、すなわち、検知ローラ105よりも回転軸106に近い位置に位置している。この構成では、検知レバー107が回転軸106を回転中心として上方に移動したときには、当接ローラ113の変位量よりも検知ローラ105の変位量が大きくなる。
そのため、紙幣Pが当接ローラ113に当たって当接ローラ113が上方へ跳ね上がったときに、検知ローラ105は、当該当接ローラ113よりも上方へ大きく跳ね上がるので、検知ローラ105の変位量に基づいて紙幣Pの厚さを正確に検知することが難しいという問題がある。
一方、このような検知ローラ5の跳ね上がりを減少させるために、バネ材110による検知レバー107および検知ローラ105への下向きの押圧力を大きくした場合、基準ローラ103と検知ローラ105との間に紙幣Pが通過可能な隙間を安定して確保することが難しくなるので、紙幣詰まりを引き起こす要因になるおそれが生じる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、検知ローラの跳ね上がりを低減して紙葉類の厚さの検知を正確に行うことが可能な紙葉類厚さ検知装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の紙葉類厚さ検知装置は、所定の搬送方向に搬送される紙葉類の厚さを検知する装置であって、前記紙葉類の一方の面に当接して当該一方の面を基準位置に位置決めする基準ローラと、前記基準ローラに対して離接する離接方向に変位可能であり、前記基準ローラから離間した状態で前記紙葉類の他方の面に当接して前記基準ローラとともに前記紙葉類を挟むことが可能な検知ローラと、前記検知ローラを回転自在に支持するローラ支持部材と、前記検知ローラの前記離接方向への変位に応じて揺動可能に支持する回転軸と、前記検知ローラよりも前記搬送方向の上流側において前記紙葉類の他方の面に当接可能な位置に配置され、前記紙葉類の当接によって前記検知ローラが前記基準ローラから離間する方向へ前記ローラ支持部材を揺動させる当接ローラと、前記検知ローラが前記基準ローラに押し当てられる方向へ前記ローラ支持部材を押圧する第1押圧部と、前記ローラ支持部材または前記検知ローラの変位に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出部とを備え、前記回転軸は、前記基準ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記検知ローラは、前記当接ローラよりも前記回転軸に近い位置に配置されていることを特徴とする。
かかる構成では、紙葉類が搬送方向に沿って紙葉類厚さ検知装置へ一枚ごと送られてきたときに、当接ローラが紙葉類の他方の面に当接したときに紙葉類の他方の面から離間する方向へ変位したときに、当該当接ローラがローラ支持部材を押圧して、当該ローラ支持部材を第1押圧部からの押圧力に抗しながら、検知ローラが基準ローラから離間する方向へ揺動させる。すなわち、ローラ支持部材が揺動するのに伴って、検知ローラは、基準ローラから離間する方向へ変位する。
上記の構成では、ローラ支持部材を揺動自在に支持する回転軸は、基準ローラよりも搬送方向の下流側に配置されている。しかも、検知ローラは、当接ローラよりも回転軸に近い位置に配置されている。そのため、検知ローラの変位量は、当該検知ローラよりも回転軸から遠い当接ローラの変位量よりも小さくなる。すなわち、紙葉類が検知ローラに到達する前(当接ローラに当接したとき)の当該検知ローラの跳ね上がり量を低減することが可能である。また、これにより、紙葉類が検知ローラに到達する前に、基準ローラと検知ローラとの間に紙葉類の厚さよりも小さい幅の隙間をあらかじめ確保しておくことが可能である。
したがって、紙葉類が搬送方向へさらに進行して上記の基準ローラと検知ローラとの間の小さい隙間に挿入したときには、当接ローラの変位の影響を受けずに紙葉類の一方の面が基準ローラに当接して基準位置に位置決めされながら、検知ローラが紙葉類の他方の面に円滑に当接することが可能である。その結果、検知ローラの跳ね上がりの影響を抑えながら、検出部によって、紙葉類の厚さの検知を正確に行うことが可能である。これにより、セロハンテープ等の薄い異物が貼られた不正な紙葉類の検出を正確に行うことが可能である。
前記ローラ支持部材は、前記回転軸に揺動自在に支持された支持部材本体と、前記検知ローラを回転自在に支持する検知ローラ支持軸とを有し、前記検知ローラ支持軸は、前記基準ローラから離間する方向への前記検知ローラの前記支持部材本体に対する相対的な変位を許容するように、当該検知ローラを支持し、前記ローラ支持部材に取り付けられ、当該検知ローラを前記基準ローラへ向けて押圧する第2押圧部をさらに備え、前記検出部は、前記検知ローラの変位に基づいて前記紙葉類の厚さを検知するように構成されているのが好ましい。
かかる構成では、紙葉類が搬送方向に進行して基準ローラと検知ローラとの間に挟まれたとき、言い換えれば、検知ローラが紙葉類の他方の面に当接したときには、検知ローラは、第2押圧部からの押圧力に抗する当該他方の面からの付勢力を受け、基準ローラから離間する方向へローラ支持部材の支持部材本体に対しての相対的に変位する。このとき、ローラ支持部材の支持部材本体は変位せずに検知ローラのみ変位する。したがって、検出部が検知ローラの変位に基づいて紙葉類の厚さを検知するときには、ローラ支持部材の重量や慣性力などの影響を受けなくなるので、紙葉類の厚さの変化による応答性能がより向上する。しかも、検知ローラは第2押圧部によって基準ローラへ向けて押圧されることにより検知ローラが単独で跳ね上がるおそれが低減する。これにより、紙葉類の微細な厚さの変化にも対応でき、セロハンテープ等の薄い異物が貼られた不正な紙葉類の検出をより正確に行うことが可能である。
前記支持部材本体には、前記検知ローラが前記基準ローラから離間する方向へ延びるスリットが形成され、前記検知ローラ支持軸は、前記スリットに挿入され、前記検知ローラ支持軸は、前記第2押圧部の押圧力によってスリットの基準ローラの近い側の端部へ向けて付勢されるのが好ましい。
かかる構成によれば、ローラ支持部材の支持部材本体に形成されたスリットの内部に検知ローラ支持軸が挿入されることにより、検知ローラによる基準ローラから離間する方向への変位を許容した状態で当該検知ローラを回転自在に支持する構造を簡単に製造することが可能になる。
また、検知ローラ支持軸は、第2押圧部の押圧力によってスリットの基準ローラの近い側の端部へ向けて付勢される。これにより、紙葉類が検知ローラに到達する前は、検知ローラの軸はスリットの端部に押し当てられている。当接ローラが紙葉類に当接して他方の面から離間する方向に変位したときにローラ支持部材が揺動したときには、検知ローラの軸はスリットの端部によって上方へ押し上げられるので、検知ローラはローラ支持部材とともに移動して、検知ローラと基準ローラとの間に小さい隙間を作ることが可能である。また、紙葉類が検知ローラに到達したときには、検知ローラが紙葉類の他方の面に当接し、当該他方の面から受ける付勢力によって第2押圧部の押圧力に抗しながらスリット内部を紙葉類の他方の面から離間する方向へ移動する。このとき、検知ローラと基準ローラとの間に紙葉類が挟まれる。したがって、検出部は、検知ローラの変位に基づいて紙葉類の厚さを正確に検知することが可能である。
前記基準ローラよりも前記搬送方向の上流側において前記当接ローラに対向する位置に配置され、当該当接ローラとともに前記紙葉類を挟むことが可能な対向ローラをさらに備えるのが好ましい。
かかる構成によれば、当接ローラに対向する対向ローラを備えているので、当該当接ローラおよび対向ローラによって紙葉類を挟んで紙葉類の凹凸やしわを減らしながら基準ローラおよび検知ローラへ送ることが可能である。これにより、検出部による検出精度がさらに向上する。また、当接ローラが対向する対向ローラを基準ローラとは別に搬送方向上流側に設けることにより、当接ローラと検知ローラとの間の距離を基準ローラの配置の影響を受けずに任意に設定することが可能になる。
前記当接ローラは、当接ローラ本体と、当該当接ローラ本体を回転自在に支持する当接ローラ支持軸とを有し、前記ローラ支持部材は、前記当接ローラ支持軸の周面に当接可能な当接面を有する当接部を有し、前記当接部は、前記検知ローラが前記基準ローラに当接し、かつ、前記当接ローラが前記対向ローラに当接している状態において、前記当接面が前記当接ローラ支持軸の周面から離れている場合には、当該当接面を前記当接ローラ支持軸の周面に当接する位置まで移動可能な構成を有するのが好ましい。
紙葉類が紙葉類厚さ検知装置にまだ挿入されていない初期状態では、検知ローラが基準ローラに当接し、かつ、当接ローラが対向ローラに当接している。この状態において、ローラ支持部材の当接部の当接面が当接ローラ支持軸の周面から離れている場合には、当接ローラが紙葉類に当接したときに変位しても当接ローラがローラ支持部材を押圧するタイミングが遅れたり、押圧力が小さくなるおそれがある。それにより、検知ローラが基準ローラから離間する方向へ確実に変位することが難しくなるという問題が生じるおそれがある。そこで、上記の構成では、当接部の当接面が当接ローラ支持軸の周面から離れている場合には、当接部は当接面を当接ローラ支持軸の周面に当接する位置まで移動させることにより、当接部を当接ローラ支持軸に確実に当接させることが可能である。これにより、当接ローラが紙葉類に当接したときに変位したときに当接ローラがローラ支持部材を応答性良く所定の押圧力で押圧することが可能である。その結果、検知ローラが基準ローラから離間する方向へ確実に変位することが可能になる。
以上説明したように、本発明の紙葉類厚さ検知装置によれば、検知ローラの跳ね上がりを低減して紙葉類の厚さの検知を正確に行うことができる。
本発明の紙葉類厚さ検知装置の実施形態に係る紙幣厚さ検知装置の全体構成を示す断面説明図ある。 図1の紙幣厚さ検知装置における検知ローラを含む主要部の斜視図である。 図1の紙幣厚さ検知装置を簡易モデル化した説明図である。 図3の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図3の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図3の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図3の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図3の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図3の紙幣厚さ検知装置によって検知されたローラ支持部材の変位量の時間変化を示すグラフである。 本発明の紙葉類厚さ検知装置の他の実施形態に係る紙幣厚さ検知装置の主要部の構成を示す断面説明図ある。 図10の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図10の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図10の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図10の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 図10の紙幣厚さ検知装置による紙幣厚さ検知動作を示す動作説明図である。 従来の紙幣厚さ検知装置の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の紙葉類厚さ検知装置の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図1には、所定の搬送方向Aに搬送される紙幣などの紙葉類の厚さを検知するための 紙幣厚さ検知装置1の全体構成が示されている。紙幣厚さ検知装置1は、例えば、紙幣などの紙葉類の識別や分類などの処理を行う紙幣処理機に搭載され、当該紙幣処理機の識別部などに設けられている。
紙幣厚さ検知装置1は、本体ケーシング2と、基準ローラ3と、基準ローラ3の上側に位置して当該基準ローラ3に対向する検知ローラ4と、検知ローラ4を支持するローラ支持部材5と、ローラ支持部材5を揺動自在に支持する回転軸6と、検知ローラ4の搬送方向Aの上流側(図1の左側)に配置された当接ローラ7と、当接ローラ7の下側に位置して当該当接ローラ7に対向する対向ローラ11と、ローラ支持部材5を押圧する第1押圧部8と、紙幣Pの厚さを検出する検出部9と、制御部10とを有する。
図1〜2に示されるように、基準ローラ3は、紙幣Pの一方の面である下面P2に当接して当該下面P2を基準位置(すなわち、図1における基準高さ)に位置決めするローラである。図1における基準ローラ3は、例えば、本体ケーシング2に固定された水平方向(具体的には、図1において搬送方向Aに直交する紙面垂直方向)に延びる支持軸に対して回転自在に支持されている。基準ローラ3は、図示しないモータからの回転駆動力を受けて紙幣Pを搬送方向Aへ送り出す方向へ回転する。基準ローラ3としては、例えば、搬送方向Aに送られる紙幣Pの下面P2の幅全体に当接することが可能な当該紙幣Pの幅よりも長い円柱状のローラが用いられる。
検知ローラ4は、基準ローラ3に対して離接する離接方向B(図1における上下方向)に変位可能であり、基準ローラ3から離間した状態で紙幣Pの他方の面である上面P1に当接して基準ローラ3とともに紙幣Pを挟むことが可能なローラである。検知ローラ4は、例えば、搬送方向Aに送られる紙幣Pの幅方向に間隔をあけて複数個配置される。これにより、紙幣Pの幅全体における当該紙幣Pの厚さ(具体的には紙幣幅方向における厚さの最大値)を検知することが可能である。
検知ローラ4は、ローラ支持部材5の検知ローラ支持軸5bに回転自在に支持されている。
ローラ支持部材5は、具体的には、支持部材本体5aと、水平方向(具体的には、図1において搬送方向Aに直交する紙面垂直方向)に延びるように支持部材本体5aに固定されて検知ローラ4を回転自在に支持する検知ローラ支持軸5bと、当接ローラ7に当接する当接部5cとを有する。当接部5cは、当接ローラ7における後述の当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接可能な当接面5c1を有する。
回転軸6は、検知ローラ4の離接方向Bへの変位に応じて揺動可能に支持する。言い換えれば、ローラ支持部材5は、水平方向に延びる回転軸6によって、検知ローラ4の離接方向B(図1では上下方向)への変位を可能にする揺動方向(図1では上下方向)へ揺動自在に支持されている。
回転軸6は、基準ローラ3よりも搬送方向Aの下流側に配置されている。回転軸6は、水平方向(具体的には、図1において搬送方向Aに直交する紙面垂直方向)に延びるように本体ケーシング2に固定されている。
当接ローラ7は、検知ローラ4よりも搬送方向Aの上流側(図1の左側)において紙幣Pの上面P1に当接可能な位置に配置されている。
当接ローラ7は、具体的には、少なくとも1個(図2では2個)の当接ローラ本体7aと、当接ローラ本体7aを回転自在に支持する当接ローラ支持軸7bとを有する。当接ローラ本体7aは、例えば、搬送方向Aに送られる紙幣Pの幅方向に間隔をあけて複数個配置される。
当接ローラ支持軸7bは、上下方向の移動が許容された状態で本体ケーシング2に回転自在に支持されている。したがって、当接ローラ7は、検知ローラ4よりも搬送方向Aの上流側において紙幣Pの上面P1に当接したときに、紙幣Pの上面P1から離間する方向、具体的には図1の上方向へ変位することが可能である。
当接ローラ7は、紙幣Pの当接によって検知ローラ4が基準ローラ3から離間する方向へローラ支持部材5を揺動させる。すなわち、当接ローラ7は、上方向へ変位したときには、当接ローラ支持軸7bの周面7b1がローラ支持部材5の当接部5cの当接面5c1に当接し、ローラ支持部材5に対して検知ローラ4が基準ローラ3から離間する上方向へ揺動させるように押圧する。
当接ローラ支持軸7bは、板バネ12などの付勢部材によって、対向ローラ11へ向かう方向、すなわち下方向へ付勢されている。板バネ12の一端は、本体ケーシング2などに固定され、板バネ12の他端は、当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接する。なお、板バネ12は省略してもよい。
ローラ支持部材5の当接部5cは、図1〜2に示されるように、検知ローラ4が基準ローラ3に当接し、かつ、当接ローラ7が対向ローラ11に当接している状態において、当該当接部5cの当接面5c1が当接ローラ支持軸7bの周面7b1から離れている場合には、当該当接面5c1を当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接する位置まで移動可能な構成を有する。当接部5cは、例えば、当接面5c1が下端に形成されたボルトからなる。当該ボルトは、当接面5c1の高さを変えることができるように、支持部材本体5aの先端部(搬送方向Aの上流側の端部)を上下方向に形成されたネジ孔に螺合している。
対向ローラ11は、基準ローラ3よりも搬送方向Aの上流側において当接ローラ7に対向する位置に配置されている。対向ローラ11は、当接ローラ7とともに紙幣Pを挟むことが可能である。対向ローラ11は、本体ケーシング2に固定された水平方向に延びる支持軸に対して回転自在に支持されている。対向ローラ11は、図示しないモータからの回転駆動力を受けて紙幣Pを搬送方向Aへ送り出す方向へ回転する。対向ローラ11は、例えば、搬送方向Aに送られる紙幣Pの幅方向に間隔をあけて複数個配置される。
第1押圧部8は、検知ローラ4が基準ローラ3に押し当てられる方向へローラ支持部材5を押圧する。第1押圧部8は、例えば圧縮コイルばねなどからなり、本体ケーシング2の天壁とローラ支持部材5の支持部材本体5aの上面5a1との間に圧縮された状態で配置されている。
検出部9は、ローラ支持部材5または検知ローラ4の変位に基づいて紙幣Pの厚さδを検出するように構成される。例えば、図1に示される検出部9は、本体ケーシング2に固定されたホール素子9aと、ローラ支持部材5の上面に固定された永久磁石9bとを有する。この検出部9では、紙幣Pが基準ローラ3と検知ローラ4との隙間を通るときに検知ローラ4およびローラ支持部材5が上方へ移動したときに、ホール素子9aによって検知される永久磁石9bの変位を用いてローラ支持部材5の上方変位量を検知し、紙幣Pの厚さを検知することが可能である。なお、検出部9は、ローラ支持部材5または検知ローラ4の変位に基づいて紙幣Pの厚さδを検出することが可能な構成を有していればよく、ホール素子および永久磁石の組合せ以外の他の構成を有していてもよい。
図1に示される紙幣厚さ検知装置1では、ローラ支持部材5は、回転軸6によって揺動自在に支持され、当該回転軸6は、基準ローラ3よりも搬送方向Aの下流側(図1の右側)に配置されている。しかも、検知ローラ4は、当接ローラ7よりも回転軸6に近い位置に配置されている。具体的には、図1に示されるように、回転軸6の中心O1と検知ローラ4を支持する検知ローラ支持軸5bの中心O2との距離x1は、回転軸6の中心O1と当接ローラ7の当接ローラ支持軸7bの中心O3との距離x2よりも小さくなるように設定されている。例えば、x1およびx2は、x1:x2=1:2になるように設定されているが、本発明ではこれに限定されるものではない。
上記のように構成された図1の紙幣厚さ検知装置1では、紙幣Pの厚さ検知動作を以下のようにして行われる。
まず、図3〜4に示されるように、紙幣Pが送り込まれる前の状態では、基準ローラ3と検知ローラ4とが当接し、かつ、対向ローラ11と当接ローラ7とが当接している。さらに、図1に示されるように、ローラ支持部材5の当接部5cの当接面5c1の高さは、当接ローラ7の当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接可能な高さになるように調整されている。
この図3〜4の初期状態において、紙幣Pが搬送方向Aに沿って紙幣厚さ検知装置1へ一枚ごと送られてきたときに、図5に示されるように、当接ローラ7と対向ローラ11との間に挟まれたときに、当接ローラ7は、上記の板バネ12(図1〜2参照)の付勢力に抗しつつ紙幣Pの上面P1に当接しながら上方向へ変位する。当接ローラ7の上方への変位量Y1は、紙幣Pの厚さδとほぼ同じになる。
図5に示されるように、当接ローラ7が上方へ変位したときには、当接ローラ7(具体的には図1の当接ローラ支持軸7b)がローラ支持部材5(具体的には図1の当接部5c)を押圧して、当該ローラ支持部材5を第1押圧部8からの押圧力に抗しながら、検知ローラ4が基準ローラ3から離間するように上方向へ揺動させる。すなわち、ローラ支持部材5が上方へ揺動するのに伴って、検知ローラ4は、基準ローラ3から離間する上方向へ変位する。
図1の紙幣厚さ検知装置1では、ローラ支持部材5を揺動自在に支持する回転軸6が、基準ローラ3よりも搬送方向Aの下流側に配置され、しかも、検知ローラ4は、当接ローラ7よりも回転軸6に近い位置に配置されている。そのため、図5に示されるように、検知ローラ4の上方への変位量Y2は、当該検知ローラ4よりも回転軸6から遠い当接ローラ7の変位量Y1(すなわち、紙幣Pの厚さδ)よりも小さくなり、紙幣Pが検知ローラ4に到達する前に、基準ローラ3と検知ローラ4との間に紙幣Pの厚さδよりも小さい幅の隙間gをあらかじめ確保しておくことが可能である。また、該隙間gに紙幣Pがスムーズに導入されるので、従来の隙間がない場合と比較して紙幣Pと検知ローラ4との衝突によって発生する跳ね上がりを低減することが可能である。
例えば、回転軸6から検知ローラ4および当接ローラ7のそれぞれの回転中心までの距離が上記のように1:2の比になるように設定されている場合、てこの原理により、紙幣Pに当接している当接ローラ7の変位量Y1が紙幣Pの厚さδであるのに対して、紙幣Pに当接する前の検知ローラ4の変位量Y2は、δ/2になる。そのため、厚さδを確実に検出でき、紙幣Pの表面にセロハンテープ等の薄い異物が貼られた不正の紙幣Pの場合(厚さがδよりも若干厚い場合)はなおさら、検知ローラ4の変位量Y2は紙幣Pの厚さδよりも十分に小さいδ/2であるので、不正な紙幣Pの厚さも正確に検出することが可能である。
例えば、図9のグラフの曲線Iに示されるように、時間t1において当接ローラ7が図5に示されるように紙幣Pの上面P1に乗り上げたとき、当接ローラ7に伴ってローラ支持部材5および検知ローラ4が上方へ少し変位した変位量yaが検出部9によって検出される。
なお、当接ローラ7と検知ローラ4とは搬送方向Aに離間して配置されているため、紙幣Pが当接ローラ7を通過して検知ローラ4に到達する間(時間t1〜t2)の間にローラ支持部材5の跳ね上がりによる振動が多少あっても、第1押圧部8によって減衰される。
その後、時間t2において、図5に示されるように紙幣Pが搬送方向Aへさらに進行して上記の基準ローラ3と検知ローラ4との間の小さい隙間gに挿入される。このとき、当接ローラ7の変位の影響を受けずに、紙幣Pの下面P2が基準ローラ3に当接して基準位置(すなわち基準高さ)に位置決めされながら、検知ローラ4が紙幣Pの上面P1に円滑に当接する。これにより、紙幣Pが図6〜7に示されるように基準ローラ3および検知ローラ4に挟まれながらさらに進行していくとき、図9のグラフの時間t2〜t3の間のように、検知ローラ4およびローラ支持部材5の跳ね上がりを小さく抑えることにより、検出部9で検知されるローラ支持部材5の変位量Yの振動を抑えて一定の変位量ybに収束させることが可能になる。しかも、第1押圧部8によってローラ支持部材5の変位量Yの振動を短時間で減少させることが可能である。その結果、時間t2〜t3の間において、検知ローラ4の跳ね上がりの影響を抑えながら、検出部9によって、ローラ支持部材5の変位量に基づいて、紙幣Pの厚さδの検知を正確に行うことが可能である。これにより、セロハンテープ等の薄い異物が貼られた不正な紙葉類の検出を正確に行うことが可能である。
上記の時間t2〜t3の間の後半では、図7に示されるように、紙幣Pが対向ローラ11と当接ローラ7との間の通過を完了したときは、当接ローラ7は下降して対向ローラ11へ再び当接する位置へ戻る。一方、ローラ支持部材5は、検知ローラ4が上方へ変位しているので、上方へ変位した状態が維持される。すなわち、ローラ支持部材5の変位量は一定に維持される。
その後、時間t3よりも後では、紙幣Pが基準ローラ3と検知ローラ4との間の通過を完了した時には、検知ローラ4およびローラ支持部材5は下降し、検知ローラ4は基準ローラ3に再び当接する位置へ戻る。これで、1枚の紙幣Pの厚さ検知動作が完了する。検出部9で検出された紙幣の厚さδに関するデータは制御部10に送られ、制御部10による紙幣Pの真偽判定などに利用される。
一方、比較例として、図9の曲線IIのように、当接ローラ7が無い構成におけるローラ支持部材5の変位量を調べた。この比較例の場合、紙幣Pは基準ローラ3に当接した状態の検知ローラ4に衝突するので、検知ローラ4およびローラ支持部材5は大きく跳ね上がる。そのため、図9の曲線IIの時間t2における紙幣Pが検知ローラ4に衝突した直後では、曲線IIのローラ支持部材5の変位量は本実施形態の曲線Iと比較して大きくなる。それに伴って、曲線IIにおいて第1押圧部8によってローラ支持部材5の変位量Yの振動を減少させる時間も曲線Iと比較して長くなる。その結果、比較例の曲線IIを見れば、当接ローラ7が無い場合には、検知ローラ4の跳ね上がりの影響が大きいので、紙幣Pの厚さδの検知を正確に行うことが困難になることがわかる。
上記の実施形態の紙幣厚さ検知装置1は、当接ローラ7に対向する対向ローラ11を備えているので、当該当接ローラ7および対向ローラ11によって紙幣Pを挟んで紙幣Pの凹凸やしわを減らしながら基準ローラ3および検知ローラ4へ送ることが可能である。これにより、検出部9による検出精度がさらに向上する。また、当接ローラ7が対向する対向ローラ11を基準ローラ3とは別に搬送方向A上流側に設けることにより、当接ローラ7と検知ローラ4との間の距離を基準ローラ3の配置の影響を受けずに任意に設定することが可能になる。
ここで、対向ローラ11を有している構成において、紙幣Pが紙幣厚さ検知装置1にまだ挿入されていない初期状態、すなわち、検知ローラ4が基準ローラ3に当接し、かつ、当接ローラ7が対向ローラ11に当接している状態において、ローラ支持部材5の当接部5cの当接面5c1が当接ローラ支持軸7bの周面7b1から離れている場合には、当接ローラ7が紙幣Pに当接したときに変位しても当接ローラ7がローラ支持部材5を押圧するタイミングが遅れたり、押圧力が小さくなるおそれがある。それにより、検知ローラ4が基準ローラ3から離間する上方向へ確実に変位することが難しくなるという問題が生じるおそれがある。そこで、上記の実施形態の紙幣厚さ検知装置1では、ローラ支持部材5は、当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接可能な当接面5c1を有する当接部5cを有している。しかも、当接部5cは、当接面5c1を当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接する位置まで移動可能な構成(例えば当接面5c1の高さ調整が可能なボルトを有する構成)を有する。この構成では、当接部5cの当接面5c1が当接ローラ支持軸7bから離れている場合には、当接部5cは当接面5c1を当接ローラ支持軸7bの周面7b1に当接する位置まで移動させることにより、当接部5cを当接ローラ支持軸7bに確実に当接させることが可能である。これにより、当接ローラ7が紙幣Pに当接したときに変位したときに当接ローラ7がローラ支持部材5を応答性良く所定の押圧力で押圧することが可能である。その結果、検知ローラ4が基準ローラ3から離間する上方向へ確実に変位することが可能になる。
(他の実施形態)
なお、上記図1〜8に示される紙幣厚さ検知装置1では、検知ローラ4はローラ支持部材5に対して離接方向Bに相対的に変位できないように回転自在に支持されているが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の図10に示される構成のように、検知ローラ4が紙幣Pに当接するときにローラ支持部材5に対して相対的に変位できるような構成であってもよい。
すなわち、図10に示されるように、本発明の他の実施形態に係る紙幣厚さ検知装置は、検知ローラ4の移動を許容するためのスリット30が形成されたローラ支持部材5と、検知ローラ4を押圧する第2押圧部28と、検知ローラ4の変位量を検出することが可能な検出部29とを有する。その他の構成は、上記図1〜8に示される構成と共通しているので共通部分についての説明を省略する。
具体的には、ローラ支持部材5は、回転軸6に揺動自在に支持された支持部材本体5aと、検知ローラ4を回転自在に支持する検知ローラ支持軸5bとを有する。検知ローラ支持軸5bは、基準ローラ3から離間する上方向への検知ローラ4の支持部材本体5aに対する相対的な変位を許容するように、当該検知ローラ4を支持する。具体的には、支持部材本体5aには、検知ローラ4が基準ローラ3から離間する上方向へ延びるスリット30が形成されている。検知ローラ支持軸5bは、スリット30に挿入されている。
なお、検知ローラ支持軸5bは、基準ローラ3から離間する上方向への検知ローラ4の支持部材本体5aに対する相対的な変位を許容するように、当該検知ローラ4を支持していればよい。したがって、検知ローラ支持軸5bは、支持部材本体5aに形成されたスリット30に挿入される代わりに、当該支持部材本体5aに対して上下方向に変位可能に連結(例えばバネを介して連結)していてもよい。
第2押圧部28は、ローラ支持部材5に取り付けられ、当該検知ローラ4を基準ローラ3へ向けて押圧する。第2押圧部28は、例えば圧縮コイルばねなどからなり、スリット30の上端30bと検知ローラ支持軸5bとの間に圧縮された状態で配置されている。第2押圧部28の押圧力は、検知ローラ支持軸5bを介して検知ローラ4へ伝達され、当該検知ローラ4を基準ローラ3へ向けて押圧する。
検知ローラ支持軸5bは、支持部材本体5aに対して相対的に上下方向に移動可能であり、第2押圧部28の押圧力によってスリット30の基準ローラ3の近い側の端部である下端30aへ向けて付勢され、検知ローラ4が紙幣Pに当接していない状態では当該下端30aに突き当てられている。この状態では、検知ローラ支持軸5bは、当該下端30aから上向きの反力を受けている。
第2押圧部28が検知ローラ4に与える押圧力は、第1押圧部8がローラ支持部材5に与える押圧力よりも小さくなるように設定されている。そのため、検知ローラ4が紙幣Pの上面に当接したときには、ローラ支持部材5は静止した状態で検知ローラ4のみが上方へ移動し、言い換えれば、検知ローラ4によるローラ支持部材5に対する相対的な変位が可能である。
検出部29は、検知ローラ4の変位に基づいて紙幣Pの厚さδを検知するように構成されている。例えば、図10に示される検出部29は、本体ケーシング2(図1参照)に固定された光学センサや赤外線センサなどからなり、検知ローラ4の上方変位量を検知して紙幣Pの厚さを検知することができるが、他の構成であってもよい。
図10に示される構成を有する紙幣厚さ検知装置を用いて紙幣Pの厚さを検知する場合、図11〜12に示されるように、紙幣Pが搬送方向Aに進行して対向ローラ11と当接ローラ7との間に挟まれたときに、当接ローラ7が紙幣Pの上面P1に当接しながら上方向へ変位し、当接ローラ7がローラ支持部材5を押圧して、当該ローラ支持部材5を第1押圧部8からの押圧力に抗しながら、検知ローラ4が基準ローラ3から離間するように上方向へ揺動させる。このとき、ローラ支持部材5では、検知ローラ4を回転自在に支持する検知ローラ支持軸5bが支持部材本体5aのスリット30の下端30aによって上方へ押し上げられる。これにより、検知ローラ4は、ローラ支持部材5とともに上方へ移動することが可能である。
この場合も、上記図1〜8に示される実施形態と同様に、検知ローラ4の上方への変位量は、当該検知ローラ4よりも回転軸6から遠い当接ローラ7の変位量よりも小さくなるので、図12に示されるように、基準ローラ3と検知ローラ4との間に紙幣Pの厚さよりも小さい幅の隙間をあらかじめ確保しておくことが可能である。
上記図1〜8に示される実施形態と同様に、当接ローラ7と検知ローラ4とは搬送方向Aに離間して配置されているため、紙幣Pが当接ローラ7を通過して検知ローラ4に到達する間の間に第1押圧部8によってローラ支持部材5の跳ね上がりによる振動が減衰される。
図13に示されるように、紙幣Pが搬送方向Aへさらに進行して紙幣Pが検知ローラ4に到達したときには、基準ローラ3と検知ローラ4との間にあらかじめ確保された小さい隙間に挿入されるので検知ローラ4の跳ね上がりを低減することが可能である。このとき、検知ローラ4は、紙幣Pの上面P1に当接し、当該上面P1から受ける付勢力によって第2押圧部28の押圧力に抗しながらスリット30内部を紙幣Pの上面P1から離間する方向である上方向へ移動し、ローラ支持部材5の支持部材本体5aに対する基準ローラ3から離間する上方向への相対的な変位を行う。これにより、検知ローラ4と基準ローラ3との間に紙幣Pが挟まれる。したがって、検知ローラ4は紙幣Pの上面にP1に当接したときにはローラ支持部材5の支持部材本体5aに対して相対的に上方へ変位するので、検出部29は、検知ローラ4の変位に基づいて紙幣Pの厚さδを検知することが可能である。検知ローラ4はローラ支持部材5の支持部材本体5aに対して相対的に上方へ変位した状態でも、第2押圧部28から下方への付勢力を受けていることにより、当該検知ローラ4の振動を低減することが可能である。
したがって、図13に示されるように、検出部29が検知ローラ4の変位に基づいて紙幣Pの厚さδを検知するときには、ローラ支持部材5の重量や慣性力などの影響を受けなくなるので、紙幣Pの厚さδの変化による応答性能がより向上する。しかも、検知ローラ4は第2押圧部28によって基準ローラ3へ向けて押圧されることにより検知ローラ4が単独で跳ね上がるおそれが低減する。これにより、紙幣Pの微細な厚さの変化にも対応でき、セロハンテープ等の薄い異物が貼られた不正な紙幣Pの検出をより正確に行うことが可能である。
また、図14に示されるように、紙幣Pが当接ローラ7を完全に通過した後は、当接ローラ7および当該当接ローラ7によって上方へ押し上げられていたローラ支持部材5は第1押圧部8の付勢力によって下降する。しかし、検知ローラ4は、ローラ支持部材5が下降した後でも、紙幣Pによって上方へ押し上げられた状態を維持しながら基準ローラ3との間で紙幣Pを挟んで紙幣Pの厚さδを検知することが可能である。
その後、図15に示されるように、紙幣Pが検知ローラ4を完全に通過した後は、検知ローラ4は第2押圧部28の付勢力を受けて下降し、検知ローラ支持軸5bがスリット30の下端30aに当接する位置で静止する。これで、1枚の紙幣Pの厚さ検知動作が完了する。
(変形例)
(A)
なお、上記の実施形態では、基準ローラ3、検知ローラ4、当接ローラ7および対向ローラ11は、それぞれの支持軸が水平方向へ延びるように配置されているが、本発明はこれ限定されるものではなく、水平方向の他の方向、例えば上下方向に延びるようにこれらのローラ3、4、7、11を配置していてもよい。その場合、ローラ支持部材5を揺動自在に支持する回転軸6も上下方向に延びるように配置すればよい。
(B)
上記の実施形態の紙幣厚さ検知装置1は、当接ローラ7に対向する対向ローラ11を備えているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、例えば、図16に示される従来の厚さ検知装置のように、基準ローラが検知ローラよりも十分に大きく、検知ローラと当接ローラとが基準ローラに同時に当接することが可能な構成であってもよい。または、対向ローラ11の代わりに、紙幣Pの下面に当接して紙幣Pを搬送方向Aに送ることが可能な構成(例えばベルトコンベアなどを有する構成)などを採用してもよい。
(C)
上記の実施形態の紙幣厚さ検知装置1では、ローラ支持部材5の当接部5cが当接ローラ7の当接ローラ支持軸7bに当接している構成が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、当接ローラ7が上方へ変位したときにローラ支持部材を押圧することが可能な構成であればよい。したがって、本発明の変形例として、例えば、ローラ支持部材5は、当接ローラ7を回転自在に支持するとともに当接ローラ7の軸の高さを微調整することが可能な構成を有してもよい。
1 紙幣厚さ検知装置
3 基準ローラ
4 検知ローラ
5 ローラ支持部材
5a 支持部材本体
5b 検知ローラ支持軸
5c 当接部
5c1 当接面
6 回転軸
7 当接ローラ
7a 当接ローラ本体
7b 当接ローラ支持軸
7b1 周面
8 第1押圧部
9、29 検出部
11 対向ローラ
28 第2押圧部
30 スリット
30c 下端

Claims (5)

  1. 所定の搬送方向に搬送される紙葉類の厚さを検知する装置であって、
    前記紙葉類の一方の面に当接して当該一方の面を基準位置に位置決めする基準ローラと、
    前記基準ローラに対して離接する離接方向に変位可能であり、前記基準ローラから離間した状態で前記紙葉類の他方の面に当接して前記基準ローラとともに前記紙葉類を挟むことが可能な検知ローラと、
    前記検知ローラを回転自在に支持するローラ支持部材と、
    前記検知ローラの前記離接方向への変位に応じて揺動可能に支持する回転軸と、
    前記検知ローラよりも前記搬送方向の上流側において前記紙葉類の他方の面に当接可能な位置に配置され、前記紙葉類の当接によって前記検知ローラが前記基準ローラから離間する方向へ前記ローラ支持部材を揺動させる当接ローラと、
    前記基準ローラよりも前記搬送方向の上流側において前記当接ローラに対向する位置に配置され、当該当接ローラとともに前記紙葉類を挟むことが可能な対向ローラ、又はベルトコンベアと、
    前記検知ローラが前記基準ローラに押し当てられる方向へ前記ローラ支持部材を押圧する第1押圧部と、
    前記ローラ支持部材または前記検知ローラの変位に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出部と、
    を備え、
    前記回転軸は、前記基準ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、
    前記検知ローラは、前記当接ローラよりも前記回転軸に近い位置に配置されている、
    ことを特徴とする、
    紙葉類厚さ検知装置。
  2. 所定の搬送方向に搬送される紙葉類の厚さを検知する装置であって、
    前記紙葉類の一方の面に当接して当該一方の面を基準位置に位置決めする基準ローラと、
    前記基準ローラに対して離接する離接方向に変位可能であり、前記基準ローラから離間した状態で前記紙葉類の他方の面に当接して前記基準ローラとともに前記紙葉類を挟むことが可能な検知ローラと、
    前記検知ローラを回転自在に支持するローラ支持部材と、
    前記検知ローラの前記離接方向への変位に応じて揺動可能に支持する回転軸と、
    前記検知ローラよりも前記搬送方向の上流側において前記紙葉類の他方の面に当接可能な位置に配置され、前記紙葉類の当接によって前記検知ローラが前記基準ローラから離間する方向へ前記ローラ支持部材を揺動させる当接ローラと、
    前記検知ローラが前記基準ローラに押し当てられる方向へ前記ローラ支持部材を押圧する第1押圧部と、
    前記ローラ支持部材または前記検知ローラの変位に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出部と
    を備え、
    前記回転軸は、前記基準ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、
    前記検知ローラは、前記当接ローラよりも前記回転軸に近い位置に配置され、
    前記ローラ支持部材は、前記回転軸に揺動自在に支持された支持部材本体と、前記検知ローラを回転自在に支持する検知ローラ支持軸とを有し、
    前記検知ローラ支持軸は、前記基準ローラから離間する方向への前記検知ローラの前記支持部材本体に対する相対的な変位を許容するように、当該検知ローラを支持し、
    前記ローラ支持部材に取り付けられ、当該検知ローラを前記基準ローラへ向けて押圧する第2押圧部をさらに備え、
    前記検出部は、前記検知ローラの変位に基づいて前記紙葉類の厚さを検知するように構成されている、
    葉類厚さ検知装置。
  3. 前記支持部材本体には、前記検知ローラが前記基準ローラから離間する方向へ延びるスリットが形成され、
    前記検知ローラ支持軸は、前記スリットに挿入され、
    前記検知ローラ支持軸は、前記第2押圧部の押圧力によってスリットの基準ローラの近い側の端部へ向けて付勢される、
    請求項2記載の紙葉類厚さ検知装置。
  4. 前記基準ローラよりも前記搬送方向の上流側において前記当接ローラに対向する位置に配置され、当該当接ローラとともに前記紙葉類を挟むことが可能な対向ローラをさらに備える、
    請求項2又は3に記載の紙葉類厚さ検知装置。
  5. 前記当接ローラは、
    当接ローラ本体と、
    当該当接ローラ本体を回転自在に支持する当接ローラ支持軸と、を有し、
    前記ローラ支持部材は、前記当接ローラ支持軸の周面に当接可能な当接面を有する当接部を有し、
    前記当接部は、前記検知ローラが前記基準ローラに当接し、かつ、前記当接ローラが前記対向ローラに当接している状態において、前記当接面が前記当接ローラ支持軸の周面から離れている場合には、当該当接面を前記当接ローラ支持軸の周面に当接する位置まで移動可能な構成を有する、
    請求項1又は4に記載の紙葉類厚さ検知装置。
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