JP6758899B2 - 造形装置 - Google Patents

造形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6758899B2
JP6758899B2 JP2016091576A JP2016091576A JP6758899B2 JP 6758899 B2 JP6758899 B2 JP 6758899B2 JP 2016091576 A JP2016091576 A JP 2016091576A JP 2016091576 A JP2016091576 A JP 2016091576A JP 6758899 B2 JP6758899 B2 JP 6758899B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
material layer
transport member
static elimination
particle image
modeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016091576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017196865A (ja
Inventor
崇 加瀬
崇 加瀬
達也 多田
達也 多田
博一 宇佐美
博一 宇佐美
賢司 辛島
賢司 辛島
厳也 阿南
厳也 阿南
理 山中
理 山中
佑士 若林
佑士 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016091576A priority Critical patent/JP6758899B2/ja
Publication of JP2017196865A publication Critical patent/JP2017196865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6758899B2 publication Critical patent/JP6758899B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/22Apparatus for electrographic processes using a charge pattern involving the combination of more than one step according to groups G03G13/02 - G03G13/20
    • G03G15/221Machines other than electrographic copiers, e.g. electrophotographic cameras, electrostatic typewriters
    • G03G15/224Machines for forming tactile or three dimensional images by electrographic means, e.g. braille, 3d printing

Description

本発明は、造形装置に関する。
多数の層を積み上げることで立体物を形成する、積層造形法が注目を集めている。積層造形法は、アディティブマニファクチャリング(AM)、3次元プリント(3Dプリント)、ラピッドプロトタイピング(RP)などとも呼ばれる。
積層造形法によって立体物を造形する造形装置として、電子写真を利用して材料層を形成し、形成した材料層を順次積層して固着することで、立体物を造形する装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の造形装置は、感光ドラム上に形成した材料層を転写ベルト上に転写し、転写した材料層を順次積層することで、立体物を造形する。あるいは、中間ベルト上に形成した材料層を転写ベルト上に転写し、転写した材料層を順次積層することで、立体物を造形する。すなわち、特許文献1に記載の造形装置は、材料層を支持して搬送する異なる2つの搬送部材を有しており、一方の搬送部材からもう一方の搬送部材へと材料層を転写するプロセスを経て、材料層を積層する積層位置へと材料層を搬送する。
特表平8−511217号公報
特許文献1では、転写ベルトや中間ベルトを誘電体によって形成しており、転写ベルトや中間ベルトが帯電してしまう可能性がある。材料層を支持して搬送するこれらの搬送部材が帯電してしまうと、一方の搬送部材からもう一方の搬送部材へと材料層を転写する際に転写不良が生じる恐れがある。転写不良が生じた場合にはエラー処理を行う必要があるため、その分造形に要する時間が増大し、造形効率が低下してしまうという課題があった。
そこで本発明は上述の課題に鑑み、造形効率の低下を抑制できる造形装置を提供することを目的とする。
本発明の製造装置は、粒子状の造形材料を配置して粒子画像を形成する粒子画像形成部と、前記粒子画像を支持して搬送する第1の搬送部材および第2の搬送部材と、前記第1の搬送部材から前記第2の搬送部材へと前記粒子画像を転写する転写手段と、を有し、前記第1の搬送部材および前記第2の搬送部材の少なくとも一方は、前記粒子画像を支持する面が誘電体であり、前記第2の搬送部材に支持された前記粒子画像を積層することによって立体物を造形する造形装置であって、前記誘電体を除電する除電手段を有しており、前記除電手段は、除電する除電領域内に前記粒子画像が支持されていないときに除電を行うことを特徴とする。
本発明によれば、造形効率の低下を抑制できる造形装置を提供することができる。
第1実施形態に係る造形装置の構成を模式的に示す図。 材料層形成ユニットの変形例を模式的に示す図。 粒子像形成部および現像装置の構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る造形装置の、材料層形成プロセスにおける動作シーケンスを示すフローチャート。 第1実施形態に係る造形装置の、積層プロセスにおける動作シーケンスを示すフローチャート。 第2実施形態に係る造形装置の構成を模式的に示す図。 その他の実施形態に係る造形装置の構成を模式的に示す図。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して例示的に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている各部材の寸法、材質、形状、その相対配置など、各種制御の手順、制御パラメータ、目標値などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<第1実施形態>
[立体造形装置の全体構成]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る造形装置の全体構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る造形装置1の全体構成を模式的に示す図である。
造形装置1は、粒子材料を2次元に配置した薄層(粒子画像と呼ぶ)もしくはそれを溶融するなどして得られるシート状の薄膜を積層することによって立体物を生成する方式のAM(Additive Manufacturing)システムである。この装置は、3Dプリンター、RP(Rapid Prototyping)システムなどとも呼ばれる。なお本明細書では、上記の薄層および薄膜を併せて「材料層」と称する。
図1に示すように、造形装置1は、概略、制御ユニットU1、材料層形成ユニット(材料層形成部)U2、積層ユニットU3、中間ユニットU4を有している。制御ユニットU1は、造形対象物の3次元形状データから複数層のスライス画像データ(断面データ)を生成する処理、造形装置1の各部の制御などを担うユニットである。材料層形成ユニットU2は、電子写真プロセスなどを利用して造形材料からなる材料層を形成するユニットである。積層ユニットU3は、材料層形成ユニットU2で形成された複数層の材料層を順に積層し固着することによって、立体物を形成するユニットである。そして、中間ユニットU4は、材料層形成ユニットU2と積層ユニットU3との間に配置され、材料層形成ユニットU2から積層ユニットU3への材料層の受け渡しを順次行うユニットである。
これらのユニットU1〜U4は、互いに異なる筐体を有していてもよいし、1つの筐体の中に収められていてもよい。ユニットU1〜U4を別筐体にする構成は、造形装置の用途、要求性能、使用したい材料、設置スペース、故障などに応じて、ユニットの組み合わせや交換などを容易に行うことができ、装置構成の自由度および利便性を向上できるという利点がある。一方、全てのユニットを1つの筐体内に収める構成は、装置全体の小型化、コストダウンなどの利点がある。なお、図1のユニット構成はあくまでも一例であり、他の構成を採用しても構わない。
[制御ユニット]
制御ユニットU1の構成を説明する。図1に示すように、制御ユニットU1は、その機能として、3次元形状データ入力部U10、スライスデータ計算部U11、材料画像形成ユニット制御部U12、積層ユニット制御部U13、中間ユニット制御部U14などを有する。
3次元形状データ入力部U10は、外部装置(例えばパソコンなど)から造形対象物の3次元形状データを受け付ける。3次元形状データとして、3次元CAD、3次元モデラー、3次元スキャナなどで作成・出力されたデータを用いることができる。そのファイル形式は問わないが、例えば、STL(StereoLithography)ファイル形式を好ましく用いることができる。
スライスデータ計算部U11は、3次元形状データで表現された造形対象物を所定のピッチでスライスして各層の断面形状を計算し、その断面形状を基に材料層形成ユニットU2で材料層を形成する際に用いる画像データ(スライスデータと呼ぶ)を生成する。さらに、スライスデータ計算部U11は、3次元形状データまたは上下層のスライスデータを解析して、オーバーハング部(宙に浮く部分)の有無を判断し、必要に応じてスライスデータにサポート材料用の像を追加する。
詳しくは後述するが、本実施形態の材料層形成ユニットU2は複数種類の造形材料を用いた材料層の形成ができる。そのため、スライスデータとしてはそれぞれの材料の像に対応するデータが生成される。このとき、異なる材料の像同士が重なりを持たないように、各々のスライスデータにおける像の位置および形状を調整することが好ましい。像同士が重なると材料画像の厚みにばらつきが生じ、立体造形物の寸法精度の低下を招くからである。スライスデータのファイル形式としては、例えば、多値の画像データ(各値が材料の種類を表す)やマルチプレーンの画像データ(各プレーンが材料の種類に対応する)を用いることができる。
材料層形成ユニット制御部U12は、スライスデータ計算部U11で生成されたスライスデータを基に、材料層形成ユニットU2におけるレイヤー形成プロセスを制御する。また、積層ユニット制御部U13は、積層ユニットU3における積層プロセスを制御する。さらに、中間ユニット制御部U14は、中間ユニット4における中間バッファローラ40の接触状態切替プロセスを制御する。各ユニットでの具体的な制御内容については後述する。
また、図示しないが、制御ユニットU1は、操作部、表示部、記憶部も備える。操作部は、ユーザからの指示を受け付ける。例えば、電源のオン/オフ、装置の各種設定、動作指示などの入力ができる。表示部は、ユーザへの情報提示を行う。例えば、各種設定画面、エラーメッセージ、動作状況などの提示ができる。記憶部は、3次元形状データ、スライスデータ、各種設定値などを記憶する。
制御ユニットU1は、ハードウエア的には、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、補助記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリなど)、入力デバイス、表示デバイス、各種I/Fを具備したコンピュータにより構成されている。上述した各機能U10〜U14は、補助記憶装置などに格納されたプログラムをCPUが読み込んで実行し、必要なデバイスを制御することで実現される。ただし、上述した機能のうちの一部または全部をASICやFPGAなどの回路で構成したり、あるいは、クラウドコンピューティングやグリッドコンピューティングなどの技術を利用して他のコンピュータに実行させたりしてもよい。
[材料層形成ユニット]
次に、材料層形成ユニットU2の構成を説明する。材料層形成ユニットU2は、各層のスライスデータに基づいて、造形材料からなる材料層を形成するユニットである。以下、材料層形成ユニットU2として、電子写真プロセスを利用して粒子状の造形材料からなる材料層を形成する例について説明する。
電子写真プロセスとは、感光体を帯電し、露光によって静電潜像を形成し、現像剤粒子を付着させて現像剤像を形成するという一連のプロセスによって、所望の像を形成する手法である。電子写真プロセスの原理は、複写機等の2Dプリンターで用いられているものと共通する。しかし、造形装置では現像剤として用いられる材料の特性がトナー材料とは異なるものを用いる場合があるため、2Dプリンターにおけるプロセス制御や部材構造をそのまま利用できない場合も多い。
図1に示すように、材料層形成ユニットU2は、第1の粒子像形成部10a、第2の粒子像形成部10b、第1の中間担持搬送ベルト11、ベルトクリーニング装置12、画像検知センサー13を備えている。第1の粒子像形成部10aは、第1の粒子材料Maを用いて粒子像を形成するための粒子像形成手段であり、像担持体100a、帯電装置101a、露光装置102a、現像装置103a、転写装置104a、クリーニング装置105aを有する。また、第2の粒子像形成部10bは、第2の粒子材料Mbを用いて粒子像を形成するための粒子像形成手段であり、像担持体100b、帯電装置101b、露光装置102b、現像装置103b、転写装置104b、クリーニング装置105bを有する。
本実施形態では、第1の粒子材料Maとして、熱可塑性の樹脂などからなる構造材料を用い、第2の粒子材料Mbとして、熱可塑性および水溶性を有するサポート材料を用いる。ここで、構造材料とは、目的とする立体物を構成する材料のことである。また、サポート部分を構成する材料をサポート材料とよび、構造材料とサポート材料をまとめて造形材料とよぶ。
構造材料としては例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABS、PS(ポリスチレン)、PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PA(ナイロン/ポリアミド)、PC(ポリカーボネイト)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマーなどの熱可塑性の樹脂を用いることができるが、これに限定はされない。また、サポート材料としては、例えば、水溶性糖類などの水溶性炭水化物、ポリ乳酸(PLA)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などを含む材料を用いることができる。
本実施形態のように、電子写真プロセスを用いて材料層を形成する場合には、粉末状の造形材料を用いる。このとき、造形材料の平均粒子径は5μm以上50μm以下であることが好ましく、本実施形態では約20μmのものを用いる。なお、材料層形成ユニットU2は上述の通り電子写真プロセスを用いるものに限定されるものではなく、造形材料の形状も特に限定はされない。
これらの粒子像形成部10a、10bは第1の中間担持搬送ベルト11の表面に沿って配置されている。なお、図1では、構造材料の粒子像形成部10aを搬送方向上流側に配置したが、粒子像形成部の配置順は任意である。また、粒子像形成部の数は2つより多くてもよく、用いる造形材料の種類に応じて適宜増やすことができる。例えば、図2は、4つの粒子像形成部10a〜10dを配置した例であるが、この場合は、4種類の構造材料で像形成を行うか、3種類の構造材料およびサポート材料で像形成を行う構成などを採ることができる。材質、色、固さ、物性などの異なる複数種類の材料を組み合わせることで、生成する立体物のバリエーションが豊富になる。このような拡張性に優れる点も、電子写真プロセスを利用した造形装置の利点の一つといえる。
以下、材料層形成ユニットU2の各部の構成について詳しく説明する。ただし、粒子像形成部10a〜10dに共通する説明の中では、構成部材の参照符号の添え字a〜dを省略し、粒子像形成部10、像担持体100などと記載する。
(像担持体)
図3(a)は、粒子像形成部10の構成を示す図であり、図3(b)は、現像装置103の詳細構成を示す図である。
像担持体100は、静電潜像を担持するための部材である。ここでは、アルミニウムなどの金属製シリンダーの外周面に光導電性を有する感光体層が形成された感光体ドラムが用いられる。感光体としては、有機感光体(OPC)、アモルファスシリコン感光体、セレン感光体などを用いることができ、造形装置の用途や要求性能に応じて感光体の種類を適宜選択すればよい。像担持体100は、不図示の枠体に回転自在に支持されており、像形成時には不図示のモーターによって図中の時計周りに一定速度で回転する。
(帯電装置)
帯電装置101は、像担持体100の表面を一様に帯電させるための帯電手段である。本実施形態ではコロナ放電による非接触帯電方式を用いるが、帯電ローラを像担持体100の表面に接触させるローラ帯電方式など他の帯電方式を用いても構わない。
(露光装置)
露光装置102は、画像情報(スライス画像データ)に従って像担持体100を露光し、像担持体100の表面上に静電潜像を形成する露光手段である。露光装置102は、例えば、半導体レーザや発光ダイオードなどの光源と、高速回転するポリゴンミラーからなる走査機構と、結像レンズなどの光学部材とを有して構成される。
(現像装置)
現像装置103は、現像剤(ここでは、粉末状の構造材料またはサポート材料)を像担持体100に供給することで、静電潜像を可視化する現像手段である(本明細書では、現像剤によって可視化された像を粒子像と称す)。図3(b)に現像装置103の詳細構成を示す。現像装置103は、現像剤を収容する容器1030と、容器1030の内部に設けられる供給ローラ1031と、現像剤を担持し像担持体100へ供給する現像ローラ1032と、現像剤の厚みを規制する規制部材1033とを有する。供給ローラ1031および現像ローラ1032は容器1030に回転自在に支持されており、像形成時には不図示のモーターによって図中の反時計周りに一定速度で回転する。供給ローラ1031によって撹拌し帯電された現像剤粒子が現像ローラ1032に供給され、規制部材1033によって略1粒子分の厚みとなるように層厚が規制された後、現像ローラ1032と像担持体100の対向部において静電潜像の現像が行われる。現像方式としては、露光により電荷を除去した部分に現像剤を付着させる反転現像方式と、露光されなかった部分に現像剤を付着させる正規現像方式とがあるが、いずれの方式を用いてもよい。
現像装置103は、いわゆる現像カートリッジの構造であり、材料層形成ユニットU2に対し取り外し自在に設けられているとよい。カートリッジの交換により現像剤(構造材料、サポート材料)の補充・変更が容易にできるからである。あるいは、像担持体100、現像装置103、クリーニング装置105などを一体のカートリッジとし(いわゆるプロセスカートリッジ)、ユーザによる、像担持体自体の交換を可能にしてもよい。構造材料やサポート材料の種類、固さ、粒径により像担持体100の摩耗や寿命が特に問題となる場合には、プロセスカートリッジ構成の方が実用性・利便性に優れる。
(転写装置)
転写装置104は、像担持体100上の粒子像を第1の中間担持搬送ベルト11の表面上へと転写させる転写手段である。転写装置104は、第1の中間担持搬送ベルト11を挟んで像担持体100の反対側に配置されており、像担持体100上の粒子像と逆極性の電圧(転写電圧)を印加することで、静電的に粒子像を第1の中間担持搬送ベルト11側へと転写させる。像担持体100から第1の中間担持搬送ベルト11への転写を1次転写とも称す。なお、本実施形態ではコロナ放電を利用した転写方式を用いるが、ローラ転写方式や、静電転写方式以外の転写方式を用いても構わない。
(クリーニング装置)
クリーニング装置105は、転写されずに像担持体100上に残った現像剤を回収し、像担持体100の表面を清浄する手段である。本実施形態では、像担持体100に対しカウンター方向に当接させたクリーニングブレードによって現像剤粒子を掻き落とすブレード方式のクリーニング装置105を採用するが、ブラシ方式や静電吸着方式のクリーニング装置を用いてもよい。
(第1の中間担持搬送ベルト)
第1の中間担持搬送ベルト11は、各粒子像形成部10で形成された粒子像が転写される。上流側の粒子像形成部10aから構造材料の粒子像が転写された後、それと位置を合せて、下流側の粒子像形成部10bからサポート材料の粒子像が転写されることで、第1の中間担持搬送ベルト11の表面上に1枚の材料層が形成される。第1の中間担持搬送ベルト11は、形成された材料層を支持して搬送する搬送部材である。
第1の中間担持搬送ベルト11は、樹脂、ポリイミドなどの材料からなる無端ベルトであり、図1に示すように、複数のローラ110、111、112に張架されている。なお、ローラ110、111の他にテンションローラを設け、第1の中間担持搬送ベルト11のテンションを調整できるようにしてもよい。また、本実施形態では第1の中間担持搬送ベルト11を3つのローラに張架させた構成としたが、2つのローラに張架させた構成であってもよい。ローラ110、111、112のうち少なくとも一方は駆動ローラであり、像形成時には不図示のモーターの駆動力によって第1の中間担持搬送ベルト11を図中反時計周りに回転させる。また、ローラ110は、中間ユニットU4の中間バッファローラ40との間で2次転写部を形成するローラである。
(ベルトクリーニング装置)
ベルトクリーニング装置12は、第1の中間担持搬送ベルト11の表面に付着した材料をクリーニングする手段である。本実施形態では、第1の中間担持搬送ベルト11に対しカウンター方向に当接させたクリーニングブレードによって材料を掻き落とすブレード方式のクリーニング装置を採用するが、ブラシ方式や静電吸着方式のクリーニング装置を用いてもよい。
(画像検知センサー)
画像検知センサー13は、第1の中間担持搬送ベルト11の表面に支持された材料層を検知手段である。画像検知センサー13の検知結果は、材料層の位置合わせ、後段の積層ユニットU3および中間ユニットU4とのタイミング制御、材料層の異常検知などに利用される。なお、ここでいう材料層の異常とは、材料層が所望の形状でない、材料層が無い、厚みのばらつきが大きい、材料層の位置ずれが大きいなどを指す。
[積層ユニット]
次に、積層ユニットU3の構成を説明する。積層ユニットU3は、材料層形成ユニットU2で形成された材料層を、後述する中間ユニットU4の中間バッファローラ40から受け取り、これを順に積層し固着することによって、立体物を形成するユニットである。
図1に示すように、積層ユニットU3は、第2の中間担持搬送ベルト30、3次転写ローラ31、画像検知センサー32、ヒーター33、ステージ34を備えている。以下、積層ユニットU3の各部の構成について詳しく説明する。
(第2の中間担持搬送ベルト)
第2の中間担持搬送ベルト30は、材料層形成ユニットU2で形成された材料層を、中間ユニットU4を介して受け取り、その材料層を積層位置まで支持して搬送する搬送部材である。積層位置とは、材料層の積層(造形途中の立体物上またはステージ34上への積み上げ)が行われる位置であり、図1の構成では、第2の中間担持搬送ベルト30がヒーター33とステージ34とで挟まれる部分が積層位置に該当する。
第2の中間担持搬送ベルト30は、樹脂、ポリイミド、ステンレスなどの金属などの材料からなる無端ベルトであり、図1に示すように、3次転写ローラ31、および、複数のローラ301、302、303、304に張架されている。ローラ31、301、302のうち少なくともいずれかが駆動ローラであり、不図示のモーターの駆動力によって第2の中間担持搬送ベルト30を図中反時計周りに回転させる。ローラ303、304は、第2の中間担持搬送ベルト30のテンションの調整と、積層位置を通過する第2の中間担持搬送ベルト30(つまり積層時の材料層)を平らに保つ役割を担うローラ対である。
(3次転写ローラ)
3次転写ローラ31は、中間ユニットU4の中間バッファローラ40から、積層ユニットU3の第2の中間担持搬送ベルト30へと、材料層を転写させるための転写手段である。3次転写ローラ31は、中間バッファユニットU4の中間バッファローラ40との間で第2の中間担持搬送ベルト30を挟み込む。これにより、中間バッファローラ40の表面と第2の中間担持搬送ベルト30との間に3次転写ニップを形成し、静電的に材料層を第2の中間担持搬送ベルト30側へと転写させる。
(画像検知センサー)
画像検知センサー32は、第2の中間担持搬送ベルト30の表面に支持された材料層を検知する検知手段である。画像検知センサー32の検知結果は、材料層の位置合わせ、積層位置への搬送タイミング制御などに利用される。
(ヒーター)
ヒーター33は、積層位置に搬送された材料層の温度を制御する温度制御手段である。ヒーター33としては、例えば、セラミックヒーター、ハロゲンヒーターなどを用いることができる。また、加熱だけでなく、放熱ないし冷却により材料層の温度を積極的に低下させる構成を設けてもよい。なお、ヒーター33の下面(ベルト側の面)は平面となっており、積層位置を通過する第2の中間担持搬送ベルト30のガイドと、材料層に均等な圧力を加える押圧部材の役割も兼ねている。
(ステージ)
ステージ34は、その上面において材料層が順次積層され、立体物が形成される平面台である。ステージ34は、不図示のアクチュエータによって上下方向(積層位置のベルト面に垂直な方向)に移動可能である。積層位置まで支持搬送された材料層をヒーター33との間で挟み込み、加熱、加圧(必要に応じて放熱ないし冷却)を行うことで、第2の中間担持搬送ベルト30側からステージ34側へと材料層を転写させる。1層目の材料層はステージ34の上に直接転写され、2層目以降の材料層はステージ34上の立体物(造形途中のもの)の上に積み上げられていく。このように本実施形態では、ヒーター33とステージ34によって、材料層を積層する積層手段が構成される。
[中間ユニット]
次に、中間ユニットU4の構成を説明する。中間ユニットU4は、材料層形成ユニットU2で形成された材料層を第1の中間担持搬送ベルト11から受け取り、受け取った材料層を後段の積層ユニットU3に受け渡すユニットである。中間ユニットU4は、中間バッファローラ40、クリーニング装置41、除電装置421と、電圧印加手段43と、中間バッファローラ駆動手段(不図示)と、を有する。以下、中間ユニットU4の各部の構成について詳しく説明する。
(中間バッファローラ)
中間バッファローラ40は、導電性の基層40aの上に樹脂、ポリイミドなどの材料で形成されている誘電体層40bを有するローラである。すなわち、中間バッファローラ40は材料層を支持する表面に誘電体層40bを有している。
中間バッファローラ40は材料層形成ユニットU2で形成された材料層を第1の中間担持搬送ベルト11から受け取り、材料層を支持して搬送する搬送部材である。中間バッファローラ40は、受け取った材料層を後段の積層ユニットU3へと受け渡す。中間バッファローラ40は、不図示の中間バッファローラ駆動手段によって図1の矢印の方向に駆動し、第1の中間担持搬送ベルト11と積層ユニットU3のそれぞれと接触することができる。
なお、本実施形態では中間ユニットU4をローラ状の中間バッファである中間バッファローラ40を有する構成としたが、これに限定はされない。中間ユニットU4が有する間バッファは、材料層形成ユニットU2から材料層を受け取り、積層ユニットU3へと材料層を受け渡すことができればよく、例えば、ベルト状の中間バッファであってもよい。
以下、図1に示すように中間バッファローラ40が第1の中間担持搬送ベルト11と接触状態にある場合について説明する。
(第1の中間担持搬送ベルト11と接触状態にある中間バッファローラ)
中間バッファローラ40は、材料層形成ユニットU2の対向ローラ110との間で第1の中間担持搬送ベルト11を挟み込むことで、中間バッファローラ40の表面と中間担持搬送ベルト11との間に2次転写ニップを形成する。ここでは、基層40aと対向ローラ110とが転写手段となる。そして、電圧印加手段43によって基層40aと対向ローラ110との間、すなわち、転写手段に転写電圧を印加することで、材料層を中間バッファローラ40側へと静電的に転写させる(2次転写)。
このように、中間バッファローラ40は材料層形成ユニットU2の第1の中間担持搬送ベルト11から材料層を受け取った後、不図示の駆動手段により駆動されて移動する。そして、今度は材料層を積層ユニットU3の第2の中間担持搬送ベルト30に受け渡すべく、第2の中間担持搬送ベルト30と接触状態となる。
(第2の中間担持搬送ベルト30と接触状態にある中間バッファローラ)
中間バッファローラ40は、積層ユニットU3の3次転写ローラ31との間で第2の中間担持搬送ベルト30を挟み込む。これにより、中間バッファローラ40の表面と第2の中間担持搬送ベルト30との間に3次転写ニップを形成する。ここでは、基層40aと3次転写ローラ31とが転写手段となる。そして、電圧印加手段43によって基層40aと3次転写ローラ31、すなわち、転写手段に転写電圧を印加することで、材料層を第2の中間担持搬送ベルト30側へと静電的に転写させる(3次転写)。
なお、2次転写および3次転写は静電的な転写に限定されるものではなく、種々の転写方式を採用することができる。
(クリーニング装置)
クリーニング装置41は、中間バッファローラ40の表面に付着した材料をクリーニングする手段である。クリーニング装置41は、中間バッファローラ40から第2の中間担持搬送ベルト30に材料層を転写した後に、中間バッファローラ40の表面をクリーニングする。なお、クリーニング装置41の構成は特に限定はされず、例えば、ブレード方式、ブラシ方式、静電吸着方式のクリーニング装置を用いることができる。
(除電装置)
以上のように、本実施形態に係る造形装置1は、材料層形成ユニットU2の第1の中間担持搬送ベルト11上に形成した材料層を、中間ユニットU4の中間バッファローラ40へと転写する。その後、中間バッファユニットU4の中間バッファローラ40上の材料層を、積層ユニットU3の第2の中間担持搬送ベルト30へと転写する。そして、第2の中間担持搬送ベルト30によって材料層を積層位置まで搬送して、積層を行う。
このように、造形装置1は、第1の中間担持搬送ベルト11、中間バッファローラ40、第2の中間担持搬送ベルト30、の3つの搬送部材を有している。以下、これらの搬送部材を順に第1〜第3の搬送部材と呼ぶことがある。
このように、第1の搬送部材と第2の搬送部材との間で材料層を転写し、第2の搬送部材と第3の搬送部材との間で材料層を転写する場合、転写プロセスの後においても、第1〜第3の搬送部材が帯電したままとなってしまう可能性がある。特に、第1〜第3の搬送部材の材料層を支持する表面に誘電体層を有している場合には、クリーニング装置などの他の部材と摺擦したり、電荷を有する材料層の一部が搬送部材上に残留したりすることによって帯電が生じやすい。
このように第1〜第3の搬送部材が帯電してしまうと、材料層を転写、特に静電転写する際に転写不良が生じる可能性がある。転写不良が生じた場合には画像検知センサー32などの各種画像センサーによって材料層の異常が検知され、クリーニングや材料層の再形成を行うことになる。その結果、立体物の造形に要する時間が増大し、造形効率が低下してしまう。あるいは、材料層の異常検知およびエラー処理が適切に行われなかった場合には、転写不良による異常のある材料層が積層されてしまい、立体物の造形精度が低下してしまったり、造形が失敗してしまったりする可能性がある。
中間バッファローラ40は上述のように、材料層を支持する表面に誘電体層を有している。そのため、中間バッファローラ40の表面の誘電体層が帯電すると、中間バッファローラ40を接地(アース)しても、誘電体層が帯びた静電気を除去することは困難である。
そこで造形装置1は、除電装置421を有している。除電装置421は、中間バッファローラ40の表面の誘電体層が帯電した際に、中間バッファローラ40の表面を除電するための除電手段である。
本実施形態では、除電装置421として、中間バッファローラ40の表面にイオンを照射するイオナイザを用いる。イオナイザは中間バッファローラ40と接触せずに、中間バッファローラ40の表面の除電を行うことができる。そのため、除電装置421を移動可能に構成せずとも、除電装置421が除電を行わない際に中間バッファローラ40上の材料層と接触して材料層を乱すような恐れがなく、本構成において好適である。
除電装置421による除電は、中間バッファローラ40の表面上の除電装置421が除電する領域である除電領域内に、材料層が支持されていないときに行うことが好ましい。これは、中間バッファローラ40に支持された材料層の上から除電を行うと、材料層の電荷も同時に除去されてしまい、中間バッファローラ40から第2の中間担持搬送ベルト30への材料層の静電転写が困難となるからである。
除電装置421による除電は、中間バッファローラ40から第2の中間担持搬送ベルト30への材料層の転写が完了した直後か、第1の中間担持搬送ベルト11から中間バッファローラ40への材料層の転写が始まる直前に行うことがより好ましい。換言すると、第2の搬送部材の除電は、第2の搬送部材から第3の搬送部材への材料層の転写が完了した直後、または第1の搬送部材から第2の搬送部材への材料層の転写が開始する直前に行うことがより好ましい。すなわち、中間バッファローラ40が材料層を支持してないときに、除電を行うことがより好ましい。これにより、除電による中間バッファローラ40に支持された材料層の電荷の減衰を抑制することができる。
(電位検出手段)
中間ユニットU4は、中間バッファローラ40の表面の電位を検出する電位検出手段44をさらに有していてもよい。本実施形態では、電位検出手段44は、中間バッファローラ40のクリーニング装置41が当接する位置よりも下流側の位置で中間バッファローラ40の表面の電位を検出するように配置されている。
除電装置421は、電位検出手段44によって検出された中間バッファローラ40の表面電位が許容値以下でない場合にのみ、除電を行ってもよい。このようにすることで、除電装置421による除電を必要なときにのみ行うことができ、消費電力を低減できる。
[造形装置の動作]
次に、造形装置1の動作について説明する。ここでは既に制御ユニットU1によるスライスデータの生成処理は完了しているものとして、各層の材料層を形成し、材料層を順次積層するプロセスを、適宜図面を参照して順に説明する。
以下、材料層形成プロセスについて順に説明する。図4は、造形装置1における材料層形成プロセスを示すフローチャートである。
(材料層形成プロセス)
材料層形成プロセスについて図4のフローチャートを用いて説明する。まず、最上流の粒子像形成部10aの像形成を開始する(S401)。すなわち、制御ユニットU1は、帯電装置101aを制御し、像担持体100aの表面全域を所定の極性でかつ所定の帯電電位でほぼ均一に帯電させる。続いて制御ユニットU1は、帯電した像担持体100aの表面を露光装置102aによって露光する。ここでは、露光によって電荷を除去することにより、露光部と非露光部との間に電位差を形成する。この電位差による像が静電潜像である。一方、制御ユニットU1は、現像装置103aを駆動して、像担持体100a上の潜像に構造材料の粒子を付着させ、構造材料の粒子像を形成する。この粒子像は、転写装置104aによって中間担持搬送ベルト11上へと1次転写される。
また、制御ユニットU1は、粒子像形成部10aでの像形成開始から所定の時間差で下流側の粒子像形成部10bの像形成を開始する(S402)。粒子像形成部10bにおける像形成も粒子像形成部10aにおける像形成と同様の手順で行われる。ここで、像形成開始の時間差は、上流側の粒子像形成部10aにおける1次転写ニップから下流側の粒子像形成部10bにおける1次転写ニップまでの距離をプロセス速度で割った値に設定される。これにより、それぞれの粒子像形成部10a、10bで形成された2つの粒子像が中間担持搬送ベルト11上で位置合わせして配置され、構造材料とサポート材料からなる1層分の材料層が形成される(1次転写)(S403)。(なお、オーバーハング部がなくサポート部分が必要無い断面の場合には、粒子像形成部10bの像形成は行われない。その場合、構造材料の粒子像のみで材料層が形成されることとなる。)
その後、画像検知センサー13によって第1の中間担持搬送ベルト11上の材料層を検知し、その結果が制御ユニットU1に入力される(S404)。制御ユニットU1は、画像検知センサー13から入力された画像情報を解析することで、当該材料層の異常を検知する。例えば、材料層の像が所望の形状でない場合、材料層が見つからない場合、材料層の厚みのばらつきが大きい場合、材料層の位置ずれが大きく後段の調整ではリカバリが困難な場合、などには異常と判定する(S405;YES)。
異常と判定された場合には、中間バッファ40を不図示の駆動装置によって移動させて2次転写を中断し、ベルトクリーニング装置12によって異常と判定された材料層をクリーニングする。あるいは、中間バッファ40上に材料層を転写した後に、クリーニング装置41によって中間バッファ40上の材料層をクリーニングしてもよい。
材料層に異常が無い場合(S405;NO)、材料層は第1の中間担持搬送ベルト11によって中間ユニットU4の第1の中間バッファローラ40へと搬送される。
上記のように材料層の形成動作が行われている間、中間ユニットU4の中間バッファローラ40は第1の中間担持搬送ベルト11に接触した状態で、同じ外周速度(プロセス速度)で同期回転している。そして、第1の中間担持搬送ベルト11に支持された材料層が少なくとも2次転写ニップを通過している期間中は制御ユニットU1が第1の中間バッファローラ40に所定の転写バイアス(電位)を印加する。また、アースに接続された導電性の対向ローラが第1の中間担持搬送ベルト11と接触しているため、中間担持搬送ベルト11は電気的にアースに接続されている。これにより、材料層を第1の中間バッファローラ40へと転写させる(2次転写)(S406)。
なお、中間バッファローラ40における2次転写が行われる前に、材料層形成ユニットU2における材料層形成プロセス(1次転写)を完了させておくとよい。
以上の一連の動作により、材料層形成プロセスは終了する。
(積層プロセス)
積層プロセスについて図5のフローチャートを用いて説明する。なお、積層プロセス開始前には、材料層形成プロセスによって材料層が転写され、材料層を支持している中間バッファローラ40が不図示の駆動装置によって移動し、中間バッファローラ40と第2の中間担持搬送ベルト30とが接触状態となる。
第2の中間担持搬送ベルト30と中間バッファローラ40は、同じ外周速度(プロセス速度)で同期回転する。そして、中間バッファローラ40に支持された材料層の前端が3次転写ニップに到達するタイミングに合わせて、制御ユニットU1が中間バッファローラ40に材料層と同極性のバイアス(電位)を印加する。これにより、材料層を第2の中間担持搬送ベルト30側へと転写させる。この際、第2の中間担持搬送ベルト30を電気的にアースに接続しておくことで、中間バッファローラのみのバイアス(電位)を制御することで良好な転写を行うことができる(S501)。
3次転写の後、第2の中間担持搬送ベルト30は材料層を支持しつつ、プロセス速度のまま回転を続け、材料層を図1の矢印方向に搬送する。そして、画像検知センサー32によってベルト上の材料層の位置を検知すると、制御ユニットU1はその検知結果を基に材料層を所定の積層位置まで搬送する(S502)。材料層が積層位置に到達するタイミングで制御ユニットU1は第2の中間担持搬送ベルト30および中間バッファローラ40の回転を停止し、材料層を積層位置に位置決めする(S503)。その後、制御ユニットU1はステージ34を上昇させ(ベルト面に近づけ)、ステージ面(1層目の場合)またはステージ面上に形成された造形途中の立体物の上面(2層目以降の場合)をベルト30上の材料層に接触させる(S504)。
この状態のまま、制御ユニットU1は、所定の温度制御シーケンスにしたがって、ヒーター33の温度を制御する。具体的には、最初に、第1の目標温度までヒーター33を加熱する第1の温度制御モードを所定時間行って、材料層を熱溶融させる(S505)。これにより材料層が軟化し、材料層とステージ34の上面または立体物の上面とが密着する。その後、第1の目標温度よりも低い第2の目標温度にヒーター33を制御する第2の温度制御モードを所定時間行い、軟化した材料層を固化する(S506)。第2の温度制御モード終了後、制御ユニットU1はステージ34を下降させる(ベルト面から離間させる)(S507)。これにより、材料層の積層が完了する。
ここで、温度制御シーケンス、目標温度、加熱時間などは、材料層形成に用いられる構造材料およびサポート材料の特性に応じて設定される。例えば、第1の温度制御モードにおける第1の目標温度は、材料層形成に用いられる各材料の融点もしくはガラス転移点のうち最も高い温度よりも高い値に設定される。一方、第2の温度制御モードにおける第2の目標温度は、材料層形成に用いられる各材料の結晶化温度もしくは非晶質材のガラス転移点のうち最も低い温度よりも低い値に設定される。このような温度制御を行うことにより、異なる熱溶融特性をもつ複数種類の造形材料が混在した材料層の全体を共通の溶融温度領域で熱可塑化(軟化)させた後、共通の固化温度領域で材料層全体を固化させることができる。したがって、複数種類の造形材料が混在した材料層の溶融・固着を安定して行うことが可能になる。
なお、第1の温度制御モードおよび第2の温度制御モードにおいては、温度の制御域が広すぎると、温度制御を安定化させるのに時間がかかり、積層プロセス時間が必要以上にかかってしまう。それゆえ、第1の目標温度の制御域は、材料層形成に用いられる各造形材料の融点もしくはガラス転移点のうち最も高い温度を下限温度とし、上限温度は下限温度の+50℃程度に設定するとよい。同じように、第2の目標温度の制御域は、材料層形成に用いられる各造形材料の結晶化温度もしくは非晶質材のガラス転移点のうち最も低い温度を上限温度とし、下限温度は上限温度の−50℃程度に設定するとよい。例えば、構造材料としてABS(ガラス転移温度:130℃)を用い、サポート材料としてマルトテトラオース(ガラス転移温度:156℃)を用いた場合には、各目標温度を以下のように設定するとよい。すなわち、第1の目標温度の制御域を下限150℃〜上限190℃とし、第2の目標温度の制御域を下限90℃〜上限130℃にすればよい。
以上の一連の動作により、積層プロセスは終了する。
以上述べた材料層形成プロセスと積層プロセスを必要回数繰り返すことで、ステージ34上に所望の立体物が形成される。最後に、ステージ34から立体物を取り外し、温水などで水溶性のサポート材料を除去することで、所望の立体物を得ることができる。サポート材料を除去した後、立体物に対して表面処理や組立などの所定の処理を施すことにより、最終製品を得てもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る造形装置2について説明する。造形装置2の装置構成は除電手段以外については上述の造形装置1と同様なので、差分である除電手段についてのみ説明する。
図6は、第2実施形態に係る造形装置2の全体構成を模式的に示す図である。造形装置2は、図6に示すように、除電手段として導電ゴムローラ422aおよび電源422bを有する。
導電ゴムローラ422aは、中間バッファローラ40と当接した状態で回転可能なローラである。導電ゴムローラ422aは、表面に導電性の弾性部材を有するローラであればよいが、例えば、SUSやアルミなどで作製された芯金の周りに複数のゴム層をコーティングしたローラを用いることができる。
電源422bは、導電ゴムローラ422aに交流電圧を印加する電圧印加手段である。電源422bは、導電ゴムローラ422aが中間バッファローラ40と当接した状態で、導電ゴムローラ422aに交流電圧を印加する。このとき、導電ゴムローラ422aに印加する交流電圧の最大値を、導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間の電圧を上昇させていったときに放電が開始する電圧である放電開始電圧以上とする。すると導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間で放電が生じ、中間バッファローラ40の表面の、導電ゴムローラ422aと当接する領域の近傍の領域を除電することができる。電源422bによって導電ゴムローラ422aに交流電圧を印加しつつ中間バッファローラ40を回転させることにより、中間バッファローラ40の表面を除電することができる。なお、放電開始電圧は導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間の電圧を少しずつ大きくしていったときに、電流が流れ始める電圧を実験的に測定することで取得することができる。
本実施形態によれば、第1実施形態に比べて簡便な構成で、より強力に除電を行うことができる。なお、除電を行うタイミングは第1実施形態と同様、導電ゴムローラ422aおよび電源422bによって除電を行う除電領域内に、材料層が支持されていないときとすることが好ましい。すなわち、導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間に形成されるニップ部を材料層が通過していないときに、除電を行うことが好ましい。
なお、導電ゴムローラ422aおよび電源422bによる除電を行わない間は、導電ゴムローラ422aに対して、材料層の帯電電位と同極性であって、放電開始電圧未満の電圧値を有する直流電圧を印加することが好ましい。すなわち、導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間に形成されるニップ部を材料層が通過する間は、導電ゴムローラ422aに対して、材料層の帯電電位と同極性であって、放電開始電圧未満の電圧値を有する直流電圧を印加することが好ましい。これにより、前記ニップ部を通過する材料層が、導電ゴムローラ422aによって乱されることを抑制することができる。本実施形態では、ニップ部を材料層が通過するタイミングでは−300Vの電圧を、導電ゴムローラ422aに印加し、画像不良と導電ゴムローラ422aの表層汚れを防止することができた。このとき導電ゴムローラ422aに印加する電圧に関しては、導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間の電位差が大きい方が、より大きな効果が期待できる。しかし、放電開始電圧以上の電圧を印加してしまうと導電ゴムローラ422aから中間バッファローラ40へと放電が生じてしまい、材料層が乱れる恐れがあるため、放電開始電圧以下に設定する。
あるいは、導電ゴムローラ422aを中間バッファローラ40に対して相対的に移動可能に構成しておき、導電ゴムローラ422aおよび電源422bによる除電を行わない間は、導電ゴムローラ422aを中間バッファローラ40から離間させてもよい。これにより、材料層が導電ゴムローラ422aに転写されてしまう恐れを解消することができる。
電源422bが導電ゴムローラ422aに印加する交流電圧は、ピーク間電圧が、放電開始電圧の2倍以上であることが好ましい。これにより、導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間で安定して放電させることができ、中間バッファローラ40の表面を均一に除電することができる。本実施形態では、導電ゴムローラ422aに印加する交流電圧のピーク間電圧は1500Vとした。
また、導電ゴムローラ422aに交流電圧を印加して放電させる際には、導電ゴムローラ422aと中間バッファローラ40との間で振動電界が生じ、お互いに引き合うことによって放電音と呼ばれる異音が発生する恐れがある。これを防止するため、導電ゴムローラ422aの基層に発泡材などの柔らかい材料を用いることが好ましい。本実施形態においては、アスカーC硬度が約35°のシリコン発泡素材で形成された基層を採用した。
<その他の実施形態>
図7は、その他の実施形態に係る造形装置(造形装置3および造形装置4)の構成を模式的に示す図である。
第1実施形態および第2実施形態では、図7(a)に示すように、除電手段によって第2の搬送部材である中間バッファローラ40を除電する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1の搬送部材が材料層を支持する表面に誘電体層を有する場合には、図7(b)に示す造形装置3のように除電手段によって第1の搬送部材を除電してもよい。また、第2の搬送部材が材料層を支持する表面に誘電体層を有する場合には、図7(c)に示す造形装置3のように除電手段によって第2の搬送部材を除電してもよい。さらに、第1〜第3の搬送部材のうち、複数の搬送部材を除電してもよい。材料層を支持する表面に誘電体層を有する搬送部材の全てについて除電を行うと、転写不良をより抑制することができるので好ましい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、材料層を支持して搬送する搬送部材として、3つの搬送部材(第1〜第3の搬送部材)を有する造形装置について説明したが、これに限定はされない。すなわち本発明は、少なくとも2つの搬送部材(第1および第2の搬送部材)と、第1の搬送部材から第2の搬送部材へと材料層を転写する転写手段と、を有し、転写手段によって第2の搬送部材に転写された材料層を順次積層する造形装置に適用可能である。なお、ここでいう「積層」とは、第2の搬送部材から直接積層を行う場合も、材料層を他の搬送部材に転写した上で積層を行う場合も含む。
U2 材料層形成ユニット(材料層形成部)
U3 積層ユニット
11 第1の中間担持搬送ベルト(第1の搬送部材)
110 対向ローラ(転写手段)
30 第2の中間担持搬送ベルト
40 中間バッファローラ(第2の搬送部材)
42 除電装置(除電手段)

Claims (10)

  1. 粒子状の造形材料を配置して粒子画像を形成する粒子画像形成部と、
    前記粒子画像を支持して搬送する第1の搬送部材および第2の搬送部材と、
    前記第1の搬送部材から前記第2の搬送部材へと前記粒子画像を転写する転写手段と、
    を有し、
    前記第1の搬送部材および前記第2の搬送部材の少なくとも一方は、前記粒子画像を支持する面が誘電体であり、
    前記第2の搬送部材に支持された前記粒子画像を積層することによって立体物を造形する造形装置であって、
    前記誘電体を除電する除電手段を有しており、
    前記除電手段は、除電する除電領域内に前記粒子画像が支持されていないときに除電を行うことを特徴とする造形装置。
  2. 前記除電手段は、前記誘電体が前記粒子画像を支持していないときに除電をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記転写手段に転写電圧を印加する電圧印加手段をさらに有し、
    前記転写手段が、前記電圧印加手段によって前記転写電圧を印加されることにより、前記第1の搬送部材から前記第2の搬送部材へと前記粒子画像を静電的に転写することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の造形装置。
  4. 前記除電手段によって除電される前記第1の搬送部材および前記第2の搬送部材の少なくとも一方と当接し、当接する前記第1の搬送部材および前記第2の搬送部材の少なくとも一方の前記粒子画像を支持する面をクリーニングするクリーニング装置をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の造形装置。
  5. 前記除電手段が、前記誘電体にイオンを照射する手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の造形装置。
  6. 前記除電手段が、前記誘電体に接触して除電することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の造形装置。
  7. 前記除電手段が、回転可能に支持され、前記誘電体に当接する導電ゴムローラであって、
    前記導電ゴムローラは、放電開始電圧以上の最大値を有する交流電圧を印加されることを特徴とする請求項6に記載の造形装置。
  8. 前記導電ゴムローラは、少なくとも、前記第1の搬送部材および前記第2の搬送部材の少なくとも一方と前記導電ゴムローラとの間に形成されるニップ部を前記粒子画像が通過する間は、前記粒子画像の帯電電位と同極性であって、放電開始電圧未満の電圧値を有する直流電圧が印加されることを特徴とする請求項に記載の造形装置。
  9. 前記導電ゴムローラは、少なくとも、前記第1の搬送部材および前記第2の搬送部材の少なくとも一方と前記導電ゴムローラとの間に形成されるニップ部を前記粒子画像が通過する間は、前記ニップ部を形成する前記第1の搬送部材または前記第2の搬送部材と離間することを特徴とする請求項8に記載の造形装置。
  10. 前記除電手段によって除電される前記誘電体の表面の電位を検出する電位検出手段をさらに有し、
    前記除電手段は、前記電位検出手段により検出された前記電位が許容値以下でない場合に除電を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の造形装置。
JP2016091576A 2016-04-28 2016-04-28 造形装置 Expired - Fee Related JP6758899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091576A JP6758899B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 造形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091576A JP6758899B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 造形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017196865A JP2017196865A (ja) 2017-11-02
JP6758899B2 true JP6758899B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=60238623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016091576A Expired - Fee Related JP6758899B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 造形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6758899B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07168455A (ja) * 1993-12-15 1995-07-04 Toshiba Corp 画像形成装置
US6206672B1 (en) * 1994-03-31 2001-03-27 Edward P. Grenda Apparatus of fabricating 3 dimensional objects by means of electrophotography, ionography or a similar process
JP2004279552A (ja) * 2003-03-13 2004-10-07 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP4315092B2 (ja) * 2004-10-26 2009-08-19 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 画像形成装置及び画像形成方法
JP4153530B2 (ja) * 2006-04-26 2008-09-24 シャープ株式会社 画像形成装置
US8488994B2 (en) * 2011-09-23 2013-07-16 Stratasys, Inc. Electrophotography-based additive manufacturing system with transfer-medium service loops

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017196865A (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10357956B2 (en) Shaping apparatus and shaping method
WO2016084350A1 (en) Forming apparatus, three-dimensional forming method, and object formed by using the method
JP5831740B2 (ja) 定着装置、および画像形成装置
CN108472876B (zh) 模制系统、用于产生模制数据的数据处理设备以及制造三维物体的方法
US9298127B2 (en) Developing device and image forming apparatus including same
WO2016084351A1 (en) Method and apparatus for forming stereoscopic object
US20190056688A1 (en) Forming apparatus, and manufacturing method of three-dimensional object
JP6758899B2 (ja) 造形装置
JP2018016005A (ja) 造形装置
WO2016084913A1 (ja) 造形装置及び立体物の作製方法
JP2016107630A (ja) 造形装置、製造方法、及びそれを用いて造形された造形物
JP2016107634A (ja) 造形装置及び立体物の作製方法
JP2018020474A (ja) 造形装置及び造形方法
US9690236B1 (en) Transfer device and image forming apparatus
JP2017177813A (ja) 造形装置
JP6700958B2 (ja) 造形装置及び造形方法
JP4932014B2 (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2017105090A (ja) 造形装置
US9316957B2 (en) Transfer device and image forming apparatus
US8843008B2 (en) Image forming apparatus
JP5971161B2 (ja) 定着装置画像形成装置
JP4862488B2 (ja) 画像形成装置
JP6269567B2 (ja) 画像形成装置
JP6561658B2 (ja) 画像形成装置
JP2022009246A (ja) 造形装置、および造形用データを生成するためのデータ処理装置、および立体物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200902

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6758899

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees