JP2017177813A - 造形装置 - Google Patents

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Hiroichi Usami
博一 宇佐美
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厳也 阿南
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Tatsuya Tada
達也 多田
賢司 辛島
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賢司 辛島
崇 加瀬
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崇 加瀬
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理 山中
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佑士 若林
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Abstract

【課題】搬送体表面を傷つけることなく、搬送体上の造形材料等の残留物をより効率的に除去する。
【解決手段】3次元形状データに基づいて造形材料をステージ上に積層することによって立体物を作製する造形装置であって、前記造形材料を前記ステージに向けて搬送する搬送体と、前記造形材料を前記ステージ上に積層するための積層位置よりも前記搬送体の搬送方向の下流で前記搬送体に接触して、前記搬送体上の前記造形材料をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材の温度が目標温度となるように、前記クリーニング部材を加熱する加熱手段と、前記造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も高い第1の温度を超える温度に、前記目標温度を設定する設定手段と、前記搬送体における前記クリーニング部材との接触部の温度を、前記造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も低い第2の温度よりも低い温度に冷却する冷却手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、造形装置に関するものである。
近年、アディティブマニファクチャリング(AM)、3次元プリンタ、ラピッドプロトタイピング(RP)等と呼ばれる立体造形技術が注目を集めている(本明細書ではこれらの技術を総称してAM技術と呼ぶ)。AM技術は、造形対象物の3次元形状データをスライスして複数の断面データを生成し、その各断面データを基に造形材料により材料層を形成し、材料層をステージ上に順次積層して固着することで、立体物を造形する技術である。
特許文献1には、材料層の作製の高速化と画素単位での造形材料の着色を可能とする方法として、電子写真法に基づいた粉末の造形材料を用いる造形法が示されている。特許文献2,3には、電子写真技術により形成された材料層を、例えばベルト形状を有する担持体(搬送体)に転写させたのち所定の位置まで運び、固着手段によって順次積層し、造形物を形成していく方法が提案されている。
しかしながら、これらの造形法においては、材料層を構成する造形材料の一部が担持体の上に残ってしまう場合がある。このような造形材料が担持体上に蓄積されると、造形工程においてステージ上に造形物とともに積層されてしまい、その結果、得られた造形物が所望の形状あるいは材質とは異なる等の課題が発生することが懸念される。
これらを解決するものとして、特許文献4には、電子写真法を用いた造形法において、担持体の残留物を除去するための手段として洗浄ブラシを用いる形態が記載されている。
米国特許第5088047号明細書 特開平10−207194号公報 特開2002−347129号公報 特表平8−511217号公報
担持体の上に残る造形材料の多くは、軟化した状態または一旦軟化して固化した状態となっている。本発明者らの検討によれば、溶融した造形材料は粘着性が強く、かつ流動性があるため、洗浄ブラシの毛の間をすり抜けてしまい、担持体上の造形材料を除去するのは困難であることが判明した。また、一旦溶融したのちに固化した造形材料は、担持体上に固着してしまうためブラシでの除去は困難である。さらには、担持体と洗浄ブラシを圧接した状態で長時間にわたり担持体の駆動を続けると、担持体表面には、洗浄ブラシのブラシに起因する傷の発生がみられ、得られた造形物の形状精度が低下してしまう場合があることが分かった。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、搬送体表面を傷つけることなく、搬送体上の造形材料等の残留物をより効率的に除去することを目的とする。
本発明に係る態様は、
3次元形状データに基づいて造形材料をステージ上に積層することによって立体物を作
製する造形装置であって、
前記造形材料を前記ステージに向けて搬送する搬送体と、
前記造形材料を前記ステージ上に積層するための積層位置よりも前記搬送体の搬送方向の下流で前記搬送体に接触して、前記搬送体上の前記造形材料をクリーニングするクリーニング部材と、
前記クリーニング部材の温度が目標温度となるように、前記クリーニング部材を加熱する加熱手段と、
前記造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も高い第1の温度を超える温度に、前記目標温度を設定する設定手段と、
前記搬送体における前記クリーニング部材との接触部の温度を、前記造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も低い第2の温度よりも低い温度に冷却する冷却手段と、
を有する
ことを特徴とする造形装置を提供する。
本発明によれば、搬送体表面を傷つけることなく、搬送体上の造形材料等の残留物をより効率的に除去することが可能となる。
実施形態に係る造形装置の全体構成を模式的に示す図 実施形態の積層ベルトの概略断面図 実施形態のクリーニングローラの概略構成を示す断面図 実施形態のクリーニングローラ上の残留物を除去する構成を示す図 実施形態のクリーニングローラ上の残留物を除去する構成を示す図 非晶性樹脂であるABS樹脂の粘弾性特性を示すグラフ 結晶性樹脂であるPOM樹脂の粘弾性特性を示すグラフ
以下、この発明を実施するための形態を図面を参照して例示的に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている各部材の寸法、材質、形状、その相対配置など、各種制御の手順、制御パラメータ、目標値などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明は、AM技術、すなわち、造形材料を2次元に配置した層(以下、材料層)、もしくはそれを溶融した膜を積層することによって立体物(造形物)を作製する技術を採用した造形装置に関する。
造形材料としては、作成する造形物の用途・機能・目的などに応じてさまざまな材料を選択することができる。本明細書では、作製目的である立体物を構成する材料を「構造材料」と呼び、積層途中の構造体を支持するためのサポート体(例えばオーバーハング部を下から支える柱)を構成する材料を「サポート材料」と呼ぶ。また両者を特に区別する必要がない場合には、単に「造形材料」という用語を用いる。構造材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABS、PS(ポリスチレン)など、熱可塑性の樹脂を用いることができる。また、サポート材料としては、構造体からの除去を簡単にするため、熱可塑性と水溶性を有する材料を好ましく用いることができる。サポート材料としては、例えば、糖質、ポリ乳酸(PLA)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などを例示できる。
また、本明細書では、材料層の形成に用いられるデジタルデータを「スライスデータ」と呼ぶ。この1層の材料層が、複数の画像形成部で形成された画像により構成される場合、各画像形成部で形成される画像を「材料画像」と呼ぶ場合がある。また、造形装置を用いて作製しようとする目的の立体物(つまり造形装置に与えられる3次元形状データが表
す物体)を「造形対象物」と呼び、造形装置で作製された(出力された)物体(立体物)を「造形物」と呼ぶ。造形物がサポート体を含む場合において、サポート体を除いた部分が造形対象物を構成する「構造体」となる。
[造形装置の全体構成]
図1を参照して、本実施形態に係る造形装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る造形装置の全体構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、造形装置1は、概略、制御ユニットU1、材料層形成ユニットU2、積層ユニットU3を有して構成される。制御ユニットU1は、造形対象物の3次元形状データからスライスデータを生成する処理、造形装置1の各部の制御などを担うユニットである。材料層形成ユニットU2は、電子写真プロセスを利用して造形材料からなる材料層を形成するユニットである。そして、積層ユニットU3は、材料層形成ユニットU2で形成された複数層の材料層を順に積層し固着することによって、造形物を形成するユニットである。なお、図1に示すユニット構成はあくまでも一例であり、他の構成を採用した造形装置においても本発明を好適に適用することができる。
[制御ユニット]
以下に、制御ユニットU1の構成を説明する。
図1に示すように、制御ユニットU1は、その機能として、3次元形状データ入力部U10、スライスデータ計算部U11、材料層形成ユニット制御部U12、積層ユニット制御部U13などを有する。
3次元形状データ入力部U10は、外部装置(例えばパソコンなど)から造形対象物の3次元形状データを受け付ける機能を有する。3次元形状データとしては、3次元CAD、3次元モデラー、3次元スキャナなどで作成・出力されたデータを用いることができる。そのファイル形式は問わないが、例えば、STL(StereoLithography)ファイル形式を好ましく用いることができる。
スライスデータ計算部U11は、3次元形状データで表現された造形対象物を所定のピッチでスライスして各層の断面形状を計算し、その断面形状を基に材料層形成ユニットU2で画像形成に用いるデータ(断面データ)を生成する機能を有する。さらに、スライスデータ計算部U11は、3次元形状データ又は上下層の断面データを解析して、オーバーハング部(宙に浮く部分)の有無を判断し、必要に応じて造形対象物の断面データに、サポート体の断面データを含ませて、スライスデータを生成する。
材料層形成ユニット制御部U12は、スライスデータ計算部U11で生成されたスライスデータを基に、材料層形成ユニットU2における画像形成プロセスを制御する機能を有する。また、積層ユニット制御部U13は、積層ユニットU3における積層プロセスを制御する機能を有する。
また、図示しないが、制御ユニットU1は、操作部、表示部、記憶部も備える。操作部は、ユーザからの指示を受け付ける機能を有する。例えば、電源のオン/オフ、装置の各種設定、動作指示などの入力が可能である。表示部は、ユーザへの情報提示を行う機能を有する。例えば、各種設定画面、エラーメッセージ、動作状況などの提示が可能である。記憶部は、3次元形状データ、スライスデータ、各種設定値などを記憶する機能を有する。
制御ユニットU1は、ハードウエア的には、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、補助記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリなど)、入力デバイス、表示デバイス、各種I/Fを具備したコンピュータにより構成することができる。上述した各機能U10〜U13は、補助記憶装置などに格納されたプログラムをCPUが読み込んで実行し、必要なデバイスを制御することで実現されるものである。ただし、上述した機能のうちの一部又は全部をASICやFPGAなどの回路で構成したり、あるいは、クラウドコンピュ
ーティングやグリッドコンピューティングなどの技術を利用して他のコンピュータに実行させてもよい。
[材料層形成ユニット]
次に、材料層形成ユニットU2の構成を説明する。
材料層形成ユニットU2は、電子写真プロセスを利用して造形材料からなる材料層を形成するユニットである。電子写真プロセスとは、像担持体(感光体)を帯電し、露光によって像担持体上に潜像を形成し、像担持体上の潜像部分に現像剤粒子を付着させて、像担持体上に現像剤像を形成するという一連のプロセスによって、所望の画像を形成する手法である。造形装置における電子写真プロセスの原理は、複写機等の2Dプリンタで用いられているものと共通する。しかし、造形装置では現像剤として用いられる材料の特性がトナー材料とは異なるものを用いるため、2Dプリンタにおけるプロセス制御や部材構造をそのまま利用できない場合も多い。
図1に示すように、材料層形成ユニットU2は、第1の画像形成部10a、第2の画像形成部10b、中間転写ベルト11、ベルトクリーニング装置12、画像検知センサ13、第1の転写装置104a、第2の転写装置104bを備えている。画像形成部10aと画像形成部10bは、異なる造形材料を用いて材料画像を形成するための画像形成手段である。画像形成部10aと画像形成部10bはそれぞれ像担持体100a,100b、帯電装置105a,105b、露光装置101a,101b、現像装置103a,103b、クリーニング装置を有する。
これらの画像形成部10a,10bは、中間転写ベルト11の表面に沿って並んで配置され、中間転写ベルト11の回転方向(中間転写ベルト表面の移動方向)において、画像形成部10aよりも下流に画像形成部10bが位置している。
(画像形成部)
画像形成部10a,10bでは、上述の電子写真プロセスを用いて次のような画像形成動作が行われる。まず、光導電性を有した像担持体100a,100bの表面全域が、帯電装置105a,105bにて所定の極性でかつ所定の帯電電位にほぼ均一に帯電される。その後、帯電した像担持体100a,100bに対して、露光装置101a,101bを用いて半導体レーザ等により画像情報データに応じた露光が行われ、露光した部分の帯電電位が光導電性により除電される。このようにして、像担持体100a,100bの表面上に帯電電位違いの画像パターンである潜像(静電潜像)が形成される。
そして、現像装置103a,103bにより粉末状の造形材料Ma,Mbをそれぞれ像担持体100a,100bに供給することで、像担持体100a,100bの表面にそれぞれ形成された潜像が可視化される。現像方式としては、像担持体100の表面のうち露光により電荷を除去した部分に現像剤を付着させる反転現像方式と、像担持体100の表面のうち露光されなかった部分に現像剤を付着させる正規現像方式とがあるが、いずれの方式を用いてもよい。
(転写装置)
転写装置104a,104bは、像担持体100a,100b上に形成された材料画像を中間転写ベルト11の表面へ転写させる転写手段である。転写装置104a,104bは、中間転写ベルト11を挟んで像担持体100a,100bの反対側に配置され、像担持体100a,100b上の材料画像の帯電極性と逆極性の電圧が印加されることで、静電的に材料画像を中間転写ベルト11へと転写させる。ここで、像担持体100a,100bから中間転写ベルト11への転写を1次転写とも称す。なお、本実施形態では、コロナ放電を利用した転写方式を用いるが、ローラ転写方式や、静電転写方式以外の転写方式を用いても構わない。
(中間転写ベルト)
中間転写ベルト11は、各画像形成部10で形成された材料画像が転写される担持体である。画像形成部10aから中間転写ベルト11に構造材料で形成される材料画像が転写された後、それと中間転写ベルト11上の位置を合わせて、画像形成部10aよりも下流の画像形成部10bからサポート材料で形成される材料画像が転写される。このことで、中間転写ベルト11の表面上に1枚分(1層分)の材料層が形成される。
中間転写ベルト11は、樹脂、ポリイミド等の材料で形成された無端状のベルトであり、図1に示すように、複数のローラ110,111に張架されている。なお、ローラ110,111の他にテンションローラを設け、中間転写ベルト11のテンションを調整できるようにしてもよい。ローラ110,111のうち少なくとも1つは駆動ローラであり、材料層の形成時には不図示の駆動源の駆動力によって中間転写ベルト11を図1において反時計周りに回転させる。また、ローラ110は、積層ユニットU3の2次転写ローラ31との間で2次転写部Nを形成するローラである。
(ベルトクリーニング装置)
ベルトクリーニング装置12は、中間転写ベルト11の表面に付着した粉末状の造形材料等をクリーニングする手段である。本実施形態では、中間転写ベルト11に対し当接させたクリーニングブレードによって材料を掻き落とすブレード方式のクリーニング装置を採用するが、ブラシ方式や静電吸着方式のクリーニング装置を用いてもよい。
(接離機構)
さらに、造形装置1は、材料層形成ユニットU2の中間転写ベルト11と、積層ユニットU3の搬送体としての積層ベルト30との間の接触/離間状態を切り替えるための接離機構40を有している。本実施形態の接離機構40は、材料層形成ユニットU2全体を移動させることで、中間転写ベルト11と積層ベルト30との間の接触/離間を切り替えるものであり、例えば、リニアアクチュエータや、カム機構とモータの組み合わせ等で構成される。
[積層ユニット]
次に、積層ユニットU3の構成について説明する。
積層ユニットU3は、材料層形成ユニットU2で形成された材料層を中間転写ベルト11から受け取り、これを順に積層し固着することによって、造形物を形成するユニットである。
図1に示すように、積層ユニットU3は、積層ベルト30、2次転写ローラ31、画像検知センサ32、ヒータ33、ステージ34を備えている。以下、積層ユニットU3の各部の構成について詳しく説明する。
(積層ベルト)
積層ベルト30は、材料層形成ユニットU2で形成された材料層を中間転写ベルト11から受け取り、その材料層を積層位置Xまで担持搬送する搬送体である。積層位置Xとは、材料層の積層(作製途中の造形物への積み上げ)が行われる位置であり、図1の構成では、積層ベルト30のうちヒータ33とステージ34とで挟まれる部分が積層位置Xに該当する。
積層ベルト30は、ステンレス鋼等の金属、又はポリイミド等の樹脂材料からなる無端状のベルトである。本実施形態では、積層ベルト30は、ベース層と表面層から構成されている。図2に、積層ベルト30の概略断面図を示す。
積層ベルト30は、ベース層305と表面層306とを有しており、ベース層305がローラ31、301、302と接する。ベース層305としては、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属、又はポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂を使用するこ
とが可能である。
また、表面層306には、離型性の高い樹脂を使用することが望ましく、次に示すような材料を用いることが可能である。それは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のふっ素樹脂、又はシリコーンゴムである。
ここで、積層ベルト30は、材料層を中間転写ベルト11から受け取る際、電圧印加による静電付着を利用することから、体積抵抗率を調整しておく必要がある。
ベース層305が金属の場合においては、表面層306に使用する材料の抵抗値や厚み等により調整することが可能である。また、ベース層305が樹脂材料の場合においては、使用する樹脂材料に、例えばカーボンブラック等の導電材を添加することによって、体積抵抗率を調整することが可能である。
なお、積層ベルト30の体積抵抗率は、10〜1012(Ω・cm)とすることが望ましい。
積層ベルト30は、図1に示すように、2次転写ローラ31、及び、複数のローラ301,302,303,304に張架されている。2次転写ローラ31、ローラ301,302のうち少なくともいずれかを駆動ローラとし、第2の駆動手段としての駆動源M2の駆動力によって積層ベルト30は図1において時計周りに回転する。
また、ローラ303,304は、積層ベルト30のテンションの調整と、積層位置Xを通過する積層ベルト30の部分(つまり積層時の材料層)を平らに保つ役割も担うローラ対である。ここまで、中間転写ベルト11と積層ベルト30を用いる装置構成を例にとって説明してきたが、これらの搬送体はベルト状でなくてもよい。例えば、材料層を担持して搬送できるものであれば、材料層ごとに異なるシートや板などであってもかまわない。
ここで、本実施形態では、積層ベルト30の搬送方向(図1で矢印Aで示す方向)を搬送方向Aとする。そして、積層ベルト30の搬送方向Aにおいて、積層ベルト30が中間転写ベルト11から材料層を受け取る位置を上流とし、積層ベルト30の回転にしたがって積層ベルト30上(搬送体上)の材料層が移動する側を下流とする。例えば、ステージ34は、ローラ302よりも下流に位置し、ローラ301よりも上流に位置することとなる。
また、ローラ301,302,303,304は、積層ベルト30により搬送される材料層に対して積層時に十分に熱を与えるため、又は、積層後に積層ベルト30上の残留物を効率よく除去するために、加熱又は冷却機構を有するものであるとよい。
すなわち、積層位置Xの上流に配置されているローラ302,304は加熱機構を備えるものであるとよく、これにより、材料層に対して十分な熱を与えることができ、材料層の積層時の加熱時間をより短縮することが可能となる。
一方、積層位置Xの下流に配置されているローラ301,303は冷却機構を備えるものであるとよく、これにより、積層工程後に積層ベルト30上に残留した残留物を十分に冷却することができ、後述するクリーニングシステムでより効率よく除去できる。
(2次転写ローラ)
2次転写ローラ31は、材料層形成ユニットU2の中間転写ベルト11から、積層ユニットU3の積層ベルト30へと、材料層を転写させるための転写手段である。2次転写ローラ31は、材料層形成ユニットU2のローラ110との間で中間転写ベルト11及び積層ベルト30を挟み込むことで、両者のベルト間に2次転写部Nを形成する。そして、不図示の電源により2次転写ローラ31に材料層の帯電極性とは逆極性の電圧を印加することで、材料層を積層ベルト30へと転写させる。
(画像検知センサ)
画像検知センサ32は、積層ベルト30の表面に担持された材料層を読み取る検知手段である。画像検知センサ32の検知結果は、材料層の位置合わせ、積層位置Xへの搬送タイミング制御等に利用される。また、画像検知センサ32により読み取られた積層ベルト30上の材料層に異常があるか否かが制御ユニットU1により判定される。材料層に異常があるか否かを判定する制御ユニットU1は判定手段に相当する。制御ユニットU1は、画像検知センサ32により読み取られた材料層に異常があると判定した場合、ステージ34を積層ベルト30から離間するように駆動して、異常がある材料層が積層ベルト30からステージ34に転写され積層されることを防止する。これにより、造形物の造形精度を向上することができる。ここでいう「異常」とは、形成された材料層の形状と、画像検知センサ32で取得された画像の形状との一致度が許容範囲を超える場合を言う。許容範囲は、ユーザが任意に設定することができる。
(ヒータ)
ヒータ33は、積層位置Xに搬送された材料層の温度を制御する温度制御手段である。ヒータ33としては、例えば、セラミックヒータ、ハロゲンヒータ等を用いることができる。ここで、温度制御手段としては、加熱するためのヒータだけでなく、放熱ないし冷却により材料層の温度を積極的に低下させる構成をさらに有するものであってもよい。
なお、ヒータ33は、その下面(積層ベルト30に対向する側の面)が平面となっており、積層位置Xを通過する積層ベルト30のガイドと、材料層に均等な圧力を加える押圧部材の役割も兼ねている。
(ステージ)
ステージ34は、造形物が積層される平面台である。ステージ34は、不図示の駆動手段によって上下方向(積層位置Xの積層ベルト30のベルト面(ステージ表面(上面)に垂直な方向)に移動可能に構成されている。
ステージ34は、積層位置Xまで担持搬送された積層ベルト30上の材料層をヒータ33との間で挟み込み、加熱、加圧(必要に応じて放熱ないし冷却)を行うことで、積層ベルト30からステージ34へと材料層を転写させる。1層目の材料層はステージ34の上に直接転写され、2層目以降の材料層はステージ上の作製途中の造形物の上に積み上げられていく。このように本実施形態では、ヒータ33とステージ34によって、材料層を積層する積層手段が構成される。
(クリーニングローラ)
図3は、本実施形態のクリーニング部材としてのクリーニングローラ50の概略構成を示す断面図である。
図3に示すように、クリーニングローラ50は、ロール状の金属製の中空ロール(基層)501と、中空ロール501表面を覆う弾性層502と、弾性層502を覆う表面層503を有する。また、中空ロール501の内部には、クリーニングローラ50を加熱する加熱手段としての加熱源504が配置されている。弾性層502は、シリコーンゴム又はウレタンフォーム等からなる層であり、表面層503はポリイミド、PFA、シリコーンゴム等、耐熱性を有する樹脂から構成されている。なお、表面層503はポリイミド、PFA、シリコーンゴムのうち少なくとも1つを含むものであるとよい。さらに、クリーニングローラ50には、駆動源M1が取り付けられており、クリーニングローラ50は単独で回転駆動することが可能であり、前記搬送体との接触部における、クリーニングローラの搬送体に対する相対速度を回転によって変化させることができる。ここで駆動源M1は、第1の駆動手段に相当する。そして、クリーニングローラ50は、積層位置Xより下流で、積層ベルト30に圧接しながら駆動するように配設されている。このとき、クリーニングローラ50と積層ベルト30の接触部における、クリーニングローラ50の移動方向が積層ベルト30の移動方向と同じ方向となるように構成されている。
このクリーニングローラ50は、積層工程後に積層ベルト30上に残留する造形材料や、積層エラーが発生した際に積層ベルト30上に存在する造形材料等の残留物を除去し、積層ベルト30表面をクリーニングする。
クリーニングローラ50は、積層ベルト30上の残留物を、その残留物と積層ベルト30との付着力と、その残留物とクリーニングローラ50との付着力との差を利用して積層ベルト30から除去している。したがって、積層ベルト30の表面を傷つけることなく、かつ、迅速に積層ベルト30上の残留物を除去することが可能となる。
また、残留物とクリーニングローラ50との付着力は、残留物表面が熱の影響により軟化した状態になると大きくなる。このことから、クリーニングローラ50の表面温度は、加熱源504により次のような温度となるように調整される。すなわち、クリーニングローラ50の表面温度は、積層ベルト30におけるクリーニングローラ50との接触部の表面温度よりも高く、かつ、残留物の表面が軟化するときの温度(第1の温度)を超える温度である目標温度に設定されている。またこのとき、積層ベルト30の表面温度はローラ301,303によって冷却され、第1の温度を超えないよう調整されている。
この点について以下に具体的に説明する。
クリーニングローラ50の表面温度は、残留物となり得る造形材料の温度特性(軟化する温度特性)によって、物質毎に相違する。そこで、本実施形態のクリーニングローラ50においては、表面温度が、用いる造形材料に応じた適切な温度となるように、表面温度の温度制御が行われている。すなわち、用いる複数の造形材料のすべてを軟化出来る温度条件を用いた温度制御シーケンスによりクリーニングローラ50の表面温度を制御することで、異なる温度特性をもつ複数の造形材料の残留物を同時に効率よく除去することが可能となる。
例えば、造形材料として非晶性物質を使用する場合においては、加熱していくと徐々に弾性率が低下していき、ガラス転移点を含む温度範囲(転移領域と呼ぶ)で弾性率が大きく低下し、その後、溶融状態ではあるが粘度が高いゴム状態(過冷却液体)となる。クリーニングローラ50の表面温度が使用している非晶性物質のガラス転移点以下の温度領域においては、使用している非晶性物質は弾性率が高いために、クリーニングローラ50の表面への付着がほとんど見られない。しかし、クリーニングローラ50の表面温度が使用している非晶性物質のガラス転移点より大きい温度領域においては、使用している非晶性物質の表面温度がガラス転移点より大きくなることから弾性率が大きく低下する。その結果、残留物はクリーニングローラ50の表面へ付着するようになる。例えば図6は非晶性物質であるABS樹脂の粘弾性特性を示したグラフである。ABS樹脂のガラス転移点(110℃)以下の温度領域ではABS樹脂の弾性率が高く、ガラス転移点以上の温度領域では、温度の上昇とともにABS樹脂の弾性率が大きく低下することが分かる。ガラス転移点は、DSC(DifferentialScanning Calorimetry)やTSC(Thermal Stimulated Current)、あるいは動的粘弾性測定等の慣用の方法で測定することができる。なお、同時に複数の非晶性物質を造形材料として使用する場合には、各非晶性物質のガラス転移点のうち、最も高い温度を下限とし、それを超える温度をクリーニングローラ50の表面温度に設定すればよい。また、クリーニングローラ50の表面温度は、複数の非晶性物質のガラス転移点のうち最も高い温度より30℃以上高い温度に設定すればなお好ましい。
一方、造形材料として結晶性物質を使用する場合においては、加熱していくと徐々に弾性率が低下していき、融点を超えると粘性状態となり弾性率が大きく低下する。クリーニングローラ50の表面温度が使用している結晶性物質の融点以下の温度領域においては、使用している結晶性物質は結晶領域のため弾性率が高く、クリーニングローラ50の表面への付着がほとんど見られない。しかし、クリーニングローラ50の表面温度が結晶性物質の融点より大きい温度領域においては、使用している結晶性物質の表面温度が融点より大きくなることから弾性率が大きく低下し、その結果、クリーニングローラ50の表面へ
付着するようになる。例えば図7は結晶性物質であるポリアセタール(POM)樹脂の粘弾性特性を示したグラフである。POM樹脂の融点(160℃)以下の温度領域では弾性率が高く、融点を超える温度領域では弾性率が大きく低下することが分かる。なお、同時に複数の結晶性物質を造形材料として使用する場合には、各結晶性物質の融点のうち、最も高い温度を下限とし、それを超える温度をクリーニングローラ50の表面温度に設定すればよい。また、クリーニングローラ50の表面温度は、複数の結晶性物質の融点のうち最も高い温度より30℃以上高い温度に設定すればなお好ましい。
さらに、造形材料として非晶性物質、及び結晶性物質を同時に使用する場合においては、上記の理由から、次のように設定すればよい。すなわち、用いる非晶性材料のガラス転移点、及び結晶性材料の融点のうち、最も高い温度を下限とし、それを超える温度をクリーニングローラ50の表面温度と設定すればよい。
また、クリーニングローラ50の表面温度は、非晶性材料のガラス転移点、及び結晶性材料の融点のうち、最も高い温度より30℃以上高い温度に設定すればなお好ましい。なお、クリーニングローラ50の表面温度の目標温度を高くし過ぎると、熱の影響により次のようなことが懸念される。すなわち、造形動作の開始時等において、クリーニングローラ50の表面温度が目標温度になるまでに要する時間が長くなってしまうことが懸念される。また、クリーニングローラ50を構成する部材の劣化や、クリーニングローラ50に圧接している積層ベルト30を構成する部材の劣化を早めてしまうことが懸念される。一方、クリーニングローラ50の表面温度が非晶性材料のガラス転移点及び結晶性材料の融点のうち最も高い温度より高い温度であっても、超過分が30℃未満である場合、造形材料の軟化に必要な熱量を与えるために搬送体の速度が制限されてしまう恐れがある。このため、クリーニングローラ50の表面温度の目標温度として、造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も高い温度より30℃以上高い温度を、予め実験等により求めておくとよい。
以上のことから、クリーニングローラ50の表面温度を、造形物の作製に使用する造形材料が有する熱特性に応じた目標温度に設定することができ、より効率よくクリーニングを行うことが可能となる。
上述のように、クリーニングローラ50表面の目標温度は、造形物の作製に使用する造形材料に関する情報に基づいて、適宜設定されるものであるとよい。
この情報は、ユーザが制御ユニットU1の操作部で設定するものであってもよく、制御ユニットU1により自動で設定されるものであってもよい。例えば、カートリッジ等の収容部に収容されている造形材料に関する情報(熱特性を含む)を取得する手段を有し、造形物の作製の際に、制御ユニットU1が、使用する造形材料に関する情報を取得することで、自動で目標温度を設定するものであってもよい。このとき、カートリッジ情報を取得することで、自動で目標温度を設定するものであってもよい。また、ユーザが、使用する造形材料に応じた目標温度を操作部で設定するものであってもよい。
ここで、残留物と積層ベルト30との付着力は、その残留物と積層ベルト30の接触面を冷却することによって減少することから、積層ベルト30は上述したように冷却機構を備えたローラ301,303によって温度を低下させることが好ましい。このほか、冷却機構としては、クリーニングローラ50の上流に、例えばエアーシャワーのような空冷機構により、残留物と積層ベルト30の接触面を冷却してもよい。
また、造形装置1は、クリーニングローラ50と積層ベルト30とを接離させる接離機構51を有しているとよい。例えば、造形装置立ち上げ時のキャリブレーションシーケンスによる駆動時等の、造形時ではない造形装置の駆動時においては、クリーニングローラ50を積層ベルト30から離間させてもよい。このような構成により、積層ベルト30のクリーニングが必要な場合のみ、クリーニングローラ50と積層ベルト30とを接触させ
ることができる。すなわち、常に、クリーニングローラ50と積層ベルト30とを圧接させる必要がなくなるので、クリーニングローラ50や積層ベルト30に傷がついてしまうことを抑制することができ、各部材の長寿命化を図ることができる。
また、クリーニングローラ50により積層ベルト30から除去された残留物は、さらにクリーニングローラ50から除去されるものであるとよい。
図4、図5は、クリーニングローラ50上の残留物を除去する構成について説明するための図である。
残留物をクリーニングローラ50から除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、図4に示すように、クリーニングローラ50に金属製ヒータローラ60を圧接させて配置するとよい。このとき、クリーニングローラ50の表面温度よりも、金属製ヒータローラ60の表面温度の方が高くなるように構成されるものであるとよい。これにより、クリーニングローラ50上の残留物をヒータローラ60に移動させることができる。さらに、ヒータローラ60表面に接触するクリーニングブレード61を設けることで、ヒータローラ60上の残留物をクリーニングブレード61により除去してもよい。クリーニングブレード61を接触させる対象を、金属製のヒータローラ60とすることで、ブレードによりローラ表面が摩耗してしまうことを抑制することができる。また、図5に示すように、クリーニングローラ50表面に押し当てたウェブを巻きとるウェブクリーナを用いて、クリーニングローラ50上の残留物を除去してもよい。
[造形装置の動作]
次に、本実施形態の造形装置1の動作について説明する。
ここでは既に制御ユニットU1によるスライスデータの生成処理は完了しているものとして、各層の材料層を形成するプロセスと、材料層を積層するプロセスを順に説明する。
(画像形成プロセス)
まず、制御ユニットU1は、接離機構40を制御し、材料層形成ユニットU2の中間転写ベルト11と積層ユニットU3の積層ベルト30とを接触状態とする。
制御ユニットU1により、画像形成部10で静電方式により形成された材料層が、転写装置104によって中間転写ベルト11上へと1次転写される。それぞれの画像形成部10a,10bで形成された2つの材料層が中間転写ベルト11上で位置合わせして配置され、構造材料とサポート材料からなる1層分の材料層が形成される。
その後、画像検知センサ13によって中間転写ベルト11上の材料層を読み取り、その結果が制御ユニットU1に入力される。制御ユニットU1は、画像検知センサ13から入力された画像情報を解析することで、当該材料層に異常があるか否かを判定する。
材料層に異常があると判定された場合、接離機構40を制御し、材料層形成ユニットU2の中間転写ベルト11と積層ユニットU3の積層ベルト30とを離間させ、中間転写ベルト11上の異常があると判定された材料層をベルトクリーニング装置12で除去する。これにより、異常があると判定された材料層が、中間転写ベルト11から積層ベルト30へ移動してしまうことを防止することができ、造形物の造形精度を向上することができる。
中間転写ベルト11上の材料層に異常が無いと判定された場合の動作について以下に説明する。
(積層プロセス)
上記のように材料層の形成動作が行われている間、積層ベルト30と中間転写ベルト11は、接触した状態で、同じ速度(外周速度)で同期回転している。そして、中間転写ベルト11に担持された材料層の前端が2次転写部Nに到達するタイミングに合わせて、制御ユニットU1が2次転写ローラ31に所定の転写電圧を印加し、材料層を積層ベルト3
0へと転写させる。積層ベルト30へ転写が材料層の後端まで完了した後、制御ユニットU1は接離機構40を制御して、中間転写ベルト11と積層ベルト30を離間させる。
積層ベルト30は同じ周速度のまま回転を続け、積層ベルト30上に転写された材料層は、積層ベルト30の回転により、下流に向かって搬送されていく。そして、画像検知センサ32によってベルト上の材料層の位置を検知すると、制御ユニットU1は、その検知結果を基に材料層を積層位置Xまで搬送する。積層ベルト30上の材料層が積層位置Xに到達するタイミングで、制御ユニットU1は積層ベルト30の回転駆動を停止し、材料層を積層位置Xに位置決めする。その後、制御ユニットU1はステージ34を上昇させ(積層ベルト30の表面に近づけ)、ステージ表面(1層目の場合)又はステージ表面上に形成された造形物の上面(2層目以降の場合)を積層ベルト30上の材料層に接触させる。
この状態のまま、制御ユニットU1は、所定の温度制御シーケンスにしたがって、ヒータ33の温度を制御する。具体的には、最初に、第1設定温度までヒータ33を加熱する第1制御モードを所定時間行って、材料層を構成する造形材料を熱溶融させる。これにより、材料層が軟化し、ステージ表面又は造形中の造形物上面と、シート状の材料層とが密着する。その後、第1設定温度よりも低い第2設定温度となるようにヒータ33を制御する第2制御モードを所定時間行い、軟化した材料層を固化させる。第2制御モード終了後、制御ユニットU1はステージ34を下降させる(積層ベルト30から離間させる)。このようにして、1層分の材料層の積層が完了する。
材料層の積層が終了した後に積層ベルト30上に残留した造形材料は、クリーニングローラ50により除去される。
ここで、温度制御シーケンス、目標温度、加熱時間などは、画像形成に用いられる造形材料の特性に応じて設定される。例えば、第1制御モードにおける第1設定温度は、画像形成に用いられる各造形材料の融点もしくはガラス転移点のうち最も高い温度よりも高い値に設定される。一方、第2制御モードにおける第2設定温度は、画像形成に用いられる各造形材料の結晶化温度もしくは非晶質材のガラス転移点のうち最も低い温度よりも低い値に設定される。
このような温度制御を行うことにより、異なる熱溶融特性をもつ複数種類の造形材料が混在した材料層の全体を共通の溶融温度領域で熱可塑化(軟化)させた後、共通の固化温度領域で材料層全体を固化させることができる。したがって、複数種類の造形材料が混在した材料層の溶融・固着を安定して行うことが可能になる。
なお、第1制御モード及び第2制御モードにおいては、温度の制御域が広過ぎると、温度制御を安定化させるのに時間がかかり、積層プロセス時間が必要以上にかかってしまう。それゆえ、第1設定温度の制御域は、画像形成に用いられる各造形材料の融点もしくはガラス転移点のうち最も高い温度を下限温度とし、上限温度は下限温度の+50℃程度に設定するとよい。同じように、第2設定温度の制御域は、画像形成に用いられる各造形材料の結晶化温度もしくは非晶質材のガラス転移点のうち最も低い温度を上限温度とし、下限温度は上限温度の−50℃程度に設定するとよい。例えば、構造材料としてABS(ガラス転移点:110℃)を用い、サポート材料としてマルトテトラオース(ガラス転移点:156℃)を用いた場合には、次のように設定すればよい。すなわち、第1設定温度の制御域を下限156℃〜上限206℃とし、第2設定温度の制御域を下限60℃〜上限110℃にすればよい。
材料層の積層が終了した後は、接離機構40によって中間転写ベルト11と積層ベルト30が接触状態に復帰し、次の材料層を形成するための画像形成プロセスの実行が開始される。
以上述べた画像形成プロセスと積層プロセスを必要回数繰り返すことで、ステージ34
上に所望の造形物が形成される。
最後に、ステージ34から造形物を取り外し、温水などで水溶性のサポート体を除去することで、所望の造形対象物を得ることができる。サポート体を除去した後、造形対象物に対して表面処理や組立などの所定の処理を施すことにより、最終製品を得てもよい。
ここで、クリーニングローラ50の駆動制御について説明する。
クリーニングローラ50は、上述のように、駆動源M1の駆動により、単独で回転駆動することが可能である。
積層プロセスにおいて、クリーニングローラ50の周速は、積層ベルト30の移動速度と同じ速度に設定されるものであるとよい。このとき、クリーニングローラ50は、積層ベルト30に従動回転するものであってもよく、駆動源M1の駆動により駆動されるものであってもよい。
そして、上述した付着力の差を用いてクリーニングローラ50によるクリーニングを行う場合、クリーニングローラ50の周速と積層ベルト30の移動速度が同じであることで、積層ベルト30の表面に発生する傷をより低減することができる。
これに対して、本実施形態では、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とが異なるように、クリーニングローラ50が駆動制御される場合がある。
クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とが異なることで、クリーニングローラ50と積層ベルト30との接触部では、クリーニングローラ50と積層ベルト30とが相対的に摺動するようになる。これにより、クリーニングローラ50は、積層ベルト30上の残留物を、擦り取るようにして積層ベルト30上から除去することができる。すなわち、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とを異ならせることで、クリーニングローラ50のクリーニング能力(性能)を向上させることができる。したがって、より大量の残留物を積層ベルト30上から除去することが可能となる。
このとき、積層ベルト30の移動速度を変更してもよい状態であれば、駆動源M2を制御して積層ベルトの移動速度を変更することで、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とを異ならせてもよい。すなわち、制御ユニットU1は、駆動源M1及び/又は駆動源M2を制御することで、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とを異ならせるものであればよい。
また、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度との大小関係は特に限定されるものではないが、次のように設定されるものであると好ましい。すなわち、クリーニングローラ50の周速をV1(mm/sec.)、積層ベルト30の移動速度をV2(mm/sec.)としたとき、後述の実施例で示すように、速度比V1/V2を、80%以上120%以下とすることが好ましい。
このようなクリーニングローラ50の駆動制御は、大量の造形材料が積層位置Xよりも下流に搬送される場合に限って、実行されるものであるとよい。
例えば、画像検知センサ32により読み取られた材料層に異常があると制御ユニットU1により判定された場合、上述のように、ステージ34が積層ベルト30から離間するように駆動される。このことで、異常があると判定された材料層は積層ベルト30からステージ34に転写され積層されることが防止される。このとき、異常が検知された材料層は、ステージ34に積層されず、積層位置Xよりも下流に搬送される。このような場合に、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とを異ならせ、クリーニングローラ50のクリーニング能力を上げておくとよい。これにより、異常があると判定された材料層が大量の造形材料で形成されている場合であっても、クリーニングローラ50でより確実にクリーニングすることができる。
また、図1に示すように、積層ベルト30の搬送方向Aで積層位置Xより下流、かつ、クリーニングローラ50より上流に、積層ベルト30上の残留物の量を検出する検出手段としてのセンサSが配置されるものであってもよい。
そして、このセンサSにより検出された残留物の量が予め設定された閾値以上となる場合に、制御ユニットU1により、クリーニングローラ50の周速と、積層ベルト30の移動速度とが異なるように制御されるものであるとよい。
本実施形態では、積層ベルト30上に存在する残留物を除去するクリーニング部材として、クリーニングローラ50を用いたが、回転部材(回転体)であれば、ローラに限るものではない。クリーニング部材を回転部材で構成し、積層ベルト30との接触部分の移動速度を積層ベルト30と合わせることで、積層ベルト30表面の傷の発生を抑えつつ、積層ベルト30をクリーニングすることができる。また、クリーニング部材は、積層ベルト30との接触部分の移動速度を積層ベルト30と合わせることができるものであれば、回転部材に限るものではない。
[実施例]
以下に、本実施形態におけるクリーニングシステムの性能評価をより具体的に説明するための実施例を例示する。
<実施例1>
実施例1では、図1の造形装置1において、構造材料としてABS樹脂(ガラス転移点:110℃)を用いて5×5cmの正方形のパッチ8個の材料層を材料層形成ユニットU2にて形成させた。その後、その材料層を中間転写ベルト11を経由して積層ベルト30に転写させた。
そして、クリーニングローラ50を、積層ベルト30に対して所定の押し付け力で圧接させた後、積層ベルト30上の材料層に対して、積層ユニットU3における積層工程を行うことなく、クリーニングローラ50を通過させる動作を行った。なお、このとき、クリーニングローラ50と接触する直前の積層ベルト30の表面温度は100℃となるよう調整した。
本実施例において、各種設定条件及び使用した材料を以下に示す。
・積層ベルト30の表面層:PTFE
・クリーニングローラ50の表面層:ポリイミド
・クリーニングローラ50の表面温度:160℃
・ヒータ33の設定温度:150℃
・クリーニングローラ50の周速V1:240mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:100%
・押し付け力:20kg
クリーニングローラ50通過前後の積層ベルト30上に形成された材料層に対して、デジタルカメラによる撮影を行い、そのデータを基に材料層の面積を算出し、その面積比をクリーニングローラ50による材料層の除去率とした。その結果、本実施例の材料層の除去率は88%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例2>
実施例2では、構造材料としてABS樹脂(ガラス転移点:110℃)を用い、サポート材料としてマルトテトラオース(ガラス転移点:156℃)を用いて、実施例1同様にクリーニングシステムの性能評価を実施した。
本実施例において、各種設定条件及び使用した材料を以下に示す。
・積層ベルト30の表面層:PTFE
・クリーニングローラ50の表面層:ポリイミド
・クリーニングローラ50の表面温度:180℃
・ヒータ33の設定温度:160℃
・クリーニングローラ50の周速V1:240mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:100%
・押し付け力:20kg
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は85%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例3>
実施例3では、実施例1に対して各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は実施例1と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の表面層:PFA
・クリーニングローラ50の表面温度:140℃
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は80%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例4>
実施例4では、実施例2に対して各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は実施例2と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の表面層:シリコーンゴム
・クリーニングローラ50の表面温度:170℃
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は85%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例5>
実施例5では、構造材料としてPOM樹脂(融点:160℃)を用い、サポート材料としてマルトテトラオース(ガラス転移点:156℃)を用いて、実施例1同様にクリーニングシステムの性能評価を実施した。
本実施例において、各種設定条件及び使用した材料を以下に示す。
・積層ベルト30の表面層:PTFE
・クリーニングローラ50の表面層:ポリイミド
・クリーニングローラ50の表面温度:195℃
・ヒータ33の設定温度:170℃
・クリーニングローラ50の周速V1:240mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:100%
・押し付け力:20kg
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は88%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例6>
実施例6では、実施例1に対して各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は実施例1と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の周速V1:200mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:83%
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は100%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例7>
実施例7では、実施例6に対して各種設定条件を以下の通り変更した以外は実施例6と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の周速V1:192mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:80%
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は100%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例8>
実施例8では、実施例6に対して各種設定条件を以下の通り変更した以外は実施例6と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の周速V1:288mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:120%
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は100%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例9>
実施例9では、各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は、実施例1と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の表面温度:189℃
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は88%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例10>
実施例10では、実施例9に対して、各種設定条件を以下の通り変更した以外は、実施例9と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の表面温度:200℃
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は94%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例11>
実施例11では、実施例1に対して、各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は実施例1と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の表面層:PFA
・クリーニングローラ50の表面温度:130℃
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は70%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<実施例12>
実施例12では、実施例11に対して、各種設定条件を以下の通り変更した以外は実施例11と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の周速V1:120mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:120mm/sec.
実施例1と同様にしてクリーニングローラ50による材料層の除去率を求めた。その結果、材料層の除去率は85%であった。また、積層ベルト30の表面に傷の発生は認められなかった。
<比較例1>
比較例1では、実施例1に対して、各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は実施例1と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の周速V1:144mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:60%
上記条件で駆動を行った際、クリーニングローラ50にバンディングが発生し、クリーニング不良が生じた。また、積層ベルト30の表面に傷の発生が見られた。
<比較例2>
比較例2では、実施例1に対して、各種設定条件及び使用した材料を以下の通り変更した以外は実施例1と同様にしてクリーニングシステムの性能評価を実施した。
・クリーニングローラ50の周速V1:360mm/sec.
・積層ベルト30の移動速度V2:240mm/sec.
・速度比V1/V2:150%
上記条件で駆動を行った際、クリーニングローラ50にバンディングが発生し、クリーニング不良が生じた。また、積層ベルト30の表面に傷の発生が見られた。
上記の結果において、クリーニングローラ50による材料層の除去率が70%以上であれば、得られる造形物は所望の精度を有することができ、除去率が80%以上あるとなお好ましいことを確認した。
以上の結果より、クリーニングローラ50の表面温度を、使用する造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も高い温度を超える温度に設定することで、積層ベルト30上の残留物をより効率的に除去できることが分かった。さらには、クリーニングローラ50の表面層をポリイミド、PFA、又はシリコーンゴムを含む材料で構成することによって、積層ベルト30上の残留物をより効率的に除去できることが分かった。さらには、上述のように、クリーニングローラ50による残留物除去の工程において、積層ベルト30表面に傷の発生が確認されなかった。
したがって、本実施形態によるクリーニングシステムによれば、積層ベルト30表面を傷つけることなく、残留物を除去することができる。これにより、造形装置内部に残留する残留物のクリーニングを、長期にわたって、より安定して行うことができる。したがって、寸法精度のよい高品位な造形物を、長期にわたってより安定して作製することが可能となる。
また、クリーニングローラ50の周速と積層ベルト30の移動速度を異ならせることで、クリーニング能力を向上させることが可能となる。さらに、クリーニングローラ50の周速と積層ベルト30の移動速度との速度比が80%以上120%以下の間では、より高い除去率が得られることが確認された。このように本実施形態によれば、大量の残留物が積層ベルト30上に存在する場合であっても、より効率よく、迅速に残留物を除去することが可能となる。
1…造形装置、30…積層ベルト、34…ステージ、50…クリーニングローラ、504…加熱源、U1…制御ユニット、X…積層位置

Claims (10)

  1. 3次元形状データに基づいて造形材料をステージ上に積層することによって立体物を作製する造形装置であって、
    前記造形材料を前記ステージに向けて搬送する搬送体と、
    前記造形材料を前記ステージ上に積層するための積層位置よりも前記搬送体の搬送方向の下流で前記搬送体に接触して、前記搬送体上の前記造形材料をクリーニングするクリーニング部材と、
    前記クリーニング部材の温度が目標温度となるように、前記クリーニング部材を加熱する加熱手段と、
    前記造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も高い第1の温度を超える温度に、前記目標温度を設定する設定手段と、
    前記搬送体における前記クリーニング部材との接触部の温度を、前記造形材料のガラス転移点又は融点のうち最も低い第2の温度よりも低い温度に冷却する冷却手段と、
    を有する
    ことを特徴とする造形装置。
  2. 立体物の作製に使用する前記造形材料に関する情報を取得する取得手段を有し、
    前記設定手段は、前記取得手段により取得された情報から前記第1の温度を求め、求めた前記第1の温度を超える温度を前記目標温度とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記クリーニング部材が回転部材であり、前記クリーニング部材を回転駆動させる第1の駆動手段を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の造形装置。
  4. 前記搬送体を駆動する第2の駆動手段と、
    前記クリーニング部材の周速と前記搬送体の移動速度とが異なるように、前記第1の駆動手段、及び/又は前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の造形装置。
  5. 前記3次元形状データをスライスして生成されるスライスデータに基づき前記造形材料からなる材料層を形成する材料層形成ユニットと、
    前記材料層形成ユニットで形成された前記材料層に異常があるか否かを判定する判定手段と、
    を有し、
    前記判定手段により前記材料層に異常があると判定された場合、前記制御手段は、前記クリーニング部材の周速と前記搬送体の移動速度とを異ならせて、異常があると判定された前記材料層を、前記ステージ上に積層させることなく、前記クリーニング部材によりクリーニングさせる
    ことを特徴とする請求項4に記載の造形装置。
  6. 前記搬送方向で前記積層位置より下流、かつ、前記クリーニング部材より上流に配置され、前記搬送体上の前記造形材料の量を検出する検出手段を有し、
    前記検出手段により検出された前記造形材料の量が閾値以上の場合に、前記制御手段は、前記クリーニング部材の周速と、前記搬送体の移動速度とを異ならせる
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の造形装置。
  7. 前記制御手段は、前記クリーニング部材の周速(V1)と前記搬送体の移動速度(V2
    )とを異ならせる場合、速度比(V1/V2)を、80%以上120%以下とする
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の造形装置。
  8. 前記設定手段は、前記第1の温度より30℃以上高い温度を前記目標温度に設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の造形装置。
  9. 前記クリーニング部材は、少なくとも基層と表面層とを有し、
    前記表面層が、ポリイミド、ふっ素樹脂、シリコーンゴムのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の造形装置。
  10. 前記クリーニング部材と前記搬送体とを接離させる接離手段を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の造形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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