以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。表示装置91は、遊技盤90の後方に設けられており、表示装置91の表示領域911は遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、各図においては、表示領域911を大まかに略方形状に記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
当否の抽選(当否判定)は、図示されない主制御基板に構築された回路である当否判定手段が、図1に示す始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。なお、本実施形態では入賞「口」(入賞した遊技球が内部に取り込まれるもの)であるが、入賞「領域」(入賞した遊技球がそのまま遊技領域902を流下するもの。入賞領域をゲートのような態様としたものが例示できる)であってもよい。始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。また、始動入賞口904は、遊技球の進入が検出されることを契機として所定数の遊技球(いわゆる賞球)が払い出されるものでなくてもよい。
また、本実施形態では、上記当否判定を行うための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始されることとなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(以下、保留(情報)と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大の保留情報の数は四つである。なお、当否判定を行うために取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。表示領域911には、当該保留情報の存在を示す表示(保留表示;図示せず)がなされるようにしてもよい。また、始動入賞口904に入賞したことを契機として即座に当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶手段に記憶させておく構成としてもよい(かかる場合には、当否判定結果それ自体が保留情報ということになる)。
当否判定結果が大当たりであるかはずれであるかは、表示装置91の表示領域911に表示される複数種の識別図柄10(図2参照)の組み合わせによって報知される。本実施形態では、それぞれが複数種の識別図柄10を含む三つの識別図柄群が変動表示される。本実施形態では、各識別図柄群は、ある当否判定結果を報知する演出の開始と同時に変動を開始し、大当たりに当選している場合には識別図柄10は最終的に所定の組み合わせで停止する。当該所定の組み合わせとしては、同じ識別図柄10の三つ揃いが例示できる。はずれである場合には識別図柄10は大当たりとなる組み合わせ以外の組み合わせで停止する。
大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、大入賞口906が頻繁に開放状態となり、遊技者が多くの遊技球(いわゆる出玉)を獲得することができるものであって、公知の遊技機と同様であるため詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図示されないサブ制御基板(演出制御用の基板)に構築された回路により、種々の演出が実行される。当該演出の一種として、バトル演出(本発明における特定演出に相当する)が実行可能である。以下、当該バトル演出について詳細に説明する。
図3に示すバトル演出は、ある当否判定結果(以下、対象当否判定結果と称することもある)を報知するための演出の一つであって、味方側キャラクタ21と敵側キャラクタ22が戦い、対象当否判定結果が大当たりとなる場合には味方側キャラクタ21が勝利し(図3(c)参照)、対象当否判定結果がはずれとなる場合には敵側キャラクタ22が敗北する(図3(d)参照)ものである。つまり、バトル演出は、基本的にはその結末(勝利または敗北)により対象当否判定結果を報知するものである。当該バトル演出が実行されることで、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる期待度)が高まるものであるともいえる。なお、バトル演出に移行する条件(実行される条件)はどのようなものであってもよいため説明を省略する。また、バトル演出の結末によって報知される内容は当否判定結果が大当たりとなるか否かということに限られない。味方側キャラクタ21の勝利により、遊技者が有利な状況となることが報知されるものであればよい。例えば、味方側キャラクタ21が勝利した場合、通常遊技状態よりも有利な遊技状態(いわゆる確率変動状態)に移行すること(継続すること)が報知される構成としてもよい。
かかるバトル演出においては、開始から結末に至るまでの間に変化し得る演出要素が設定されている。演出要素は、バトル演出という演出を構成する要素であって、当該演出の進行に応じて変化し得るものであるともいえる。当該演出要素は、バトル演出に関連するものであればどのような内容のものであってもよい。本実施形態では、演出要素として、味方体力メータ31、敵体力メータ32、時間経過(時間画像33)の三種類が設定されている。これらは、バトル演出中に画像(演出の経過とともに変化する画像)として表示領域911に表示される(図3参照)。
味方体力メータ31は、味方側キャラクタ21の演出上の体力を示すものであり、敵体力メータ32は、敵側キャラクタ22の演出上の体力を示すものである。つまり、味方体力メータ31は味方側キャラクタ21の状況を示す演出画像ということであり、敵体力メータ32は敵側キャラクタ22の状況を示す演出画像ということである。バトル演出においては味方側キャラクタ21および敵側キャラクタ22の双方が攻撃・防御を行い、相手の体力メータを減らしていく流れで演出が進行することとなる(図3(a)(b)参照)。つまり、時間の経過に伴って、味方体力メータ31や敵体力メータ32が変化していく。ただし、味方体力メータ31、敵体力メータ32が全く変化せず(体力が減らされず)に、味方側キャラクタ21または敵側キャラクタ22が勝利するような内容の演出が発生することを否定するものではない。
時間経過は、時間画像33として表示領域911に表示される。時間画像33は、バトル演出が開始されてからの時間を表示する。本実施形態では、本実施形態の時間画像33は、演出開始時に設定される100秒の時間が、演出経過とともに減少していく(カウントダウンされていく)態様である(図3(a)(b)参照)。つまり、バトル演出の残り時間を表示するものである。なお、本実施形態における時間画像33による時間経過の表示態様は、実際の時間経過と全く同じである。つまり、時間画像33によって消化される1秒は、実際の1秒の消化と全く同じである。
ただし、時間画像33による時間経過を、実際の時間経過と異ならせてもよい。つまり、時間画像33による時間経過は、あくまで「演出上の時間」であるとする設定としてもよい。すなわち、時間画像33によって消化される1秒を、実際の1秒の消化よりも早いまたは遅い設定としてもよい。また、「演出上の時間」とするのであれば、途中で時間が停止したり、時間の早送り(飛ばし)や巻き戻しが発生したりする構成とすることもできる。
なお、本実施形態における時間画像33は、「秒単位」で経過時間を示すものであるが、当該単位は適宜変更可能である。「分単位」で表示する態様であってもよいし、小数点以下の秒を表示する態様であってもよい。
このように構成されるバトル演出の作用は以下の通りである。上述したように、バトル演出の「結末の内容」によって、対象当否判定結果が報知される(図3(c)(d)参照)。本実施形態では、当該「結末の内容」に加え、結末に至った時点における演出要素の状況によって遊技に関する情報が示唆される。具体的には、本実施形態では、バトル演出において味方側キャラクタ21が勝利する結末に至ることで対象当否判定結果が大当たりであることが報知される場合、当該勝利する結末に至った時点における演出要素の状況に応じて遊技者の利益の度合が異なることになる。具体的には次の通りである。
本実施形態では、必ず、時間画像33(残り時間)が0となる前に、味方側キャラクタ21の味方体力メータ31および敵側キャラクタ22の敵体力メータ32の一方が0になるように設定されている。つまり、味方体力メータ31が0となる前に敵体力メータ32が0となった場合に味方側キャラクタ21が勝利となる(図3(c)参照)。そして、味方側キャラクタ21が勝利する結末に至った時点おける時間画像33が示す残り時間、および味方体力メータ31の値が、遊技者の利益を示す。当該遊技者の利益の内容はどのようなものであってもよい。
本実施形態では、時間画像33が示す残り時間は、大当たり遊技終了後の時短回数を示す。ここで、時短回数とは、時間短縮遊技状態が継続する当否判定の回数をいう。時間短縮遊技状態は、通常遊技状態よりも始動入賞口904(通常遊技状態中に狙う始動入賞口904とは異なる始動入賞口に遊技球が入賞しやすい構成であってもよい)に遊技球が入賞しやすい状態である。本実施形態では、普通始動入賞領域905に遊技球が進入することを契機として実行される開閉部材904aの開放抽選に当選しやすい(通常遊技状態に比して当選しやすい)状態が時間短縮遊技状態として設定されている(図1参照)。始動入賞口904に遊技球が入賞することでいわゆる賞球が払い出される構成であれば、時間短縮遊技状態は、遊技球をあまり減らさずに(通常遊技状態に比して減らさずに)遊技することができるいわゆる高ベース状態である。
時間短縮遊技状態は(通常遊技状態に比して)遊技者にとって喜ばしい状態であるといえるため、できるだけ長く継続するものであることが好ましい。当該時間短縮遊技状態が継続する回数(終了するまでの当否判定の回数)、すなわち時短回数が、時間画像33が示す残り時間によって示される。本実施形態では、時間画像33が示す残り時間がそのまま大当たり遊技終了後の時短回数(厳密には、当否判定結果が連続してはずれとなった場合における最大の時短回数をいう)として設定されるよう構成されている。例えば、味方側キャラクタ21が勝利する結末に至った時点における残り時間が50秒であれば、大当たり遊技終了後の時短回数は50回となる(図4(a)参照)。このように、時間の値と時短回数の値を一致させるようにすることで、演出を分かりやすいものとすることが可能である。したがって、遊技者にとってみれば、残り時間が多く残った方がより多くの利益を得ることができるということになるため、できるだけ早く味方側キャラクタ21が勝利する結末に至ってほしいと願う演出態様となる。
なお、時間画像33が示す残り時間がそのまま時短回数を示すものとしなくてもよい。残り時間に比例して時短回数が多くなる構成としてもよい。また、ある時短回数を示す残り時間に幅をもたせてもよい。具体的には、残り時間がN1〜N2の間であるときには時短回数X1回、残り時間がN2〜N3の間であるときには時短回数X2回・・・といった設定としてもよい(図4(b)参照)。どのような構成とする場合であっても、できるだけ早く味方側キャラクタ21が勝利する結末に至ってほしいと遊技者が願う演出態様とすることができる。
図示しないが、時間画像33が遊技者の利益(本実施形態では時短回数)を示すものであることは、バトル演出中や結末後に表示されるようにするとよい。バトル演出中に表示されるようにすれば、当該演出中に遊技者は早期の決着を願うことになる。結末後に表示されるようにすれば、時間が利益とリンクしていることを遊技者が把握するから、次回のバトル演出において遊技者は早期の決着を願うことになる。
また、バトル演出が結末に至った時点における時間画像33によって示される情報は時短回数に限られない。例えば、公知のいわゆるST回数を示すものとしてもよい。当該ST回数は、当否判定抽選に当選する確率が通常遊技状態よりも高い高確率状態が継続する当否判定回数をいう。
また、本実施形態は、バトル演出が結末に至った時点における時間画像33が示す残り時間が多いほど、遊技者の利益(時短回数)が大きくなるものであるが、時間画像33が示す残り時間が少ないほど、遊技者の利益が大きくなる設定としてもよい。このような構成とすれば、できるだけ遅く遊技者が勝利する結末に至ってほしい(残り時間が少なくなるまで勝負がつかないでほしい)と遊技者が願う演出態様とすることができる。
一方、本実施形態では、味方側キャラクタ21が勝利する結末に至った時点における味方体力メータ31の値(量)により、大当たり遊技中に遊技者が得る利益(利益の期待値)が示される。本実施形態における大当たり遊技は、大入賞口が所定条件成立まで(所定個数の遊技球が入賞するか所定時間経過するまで)開放状態となること(一回の開放状態がいわゆる1ラウンド分の遊技に相当する)を一または複数回(所定のラウンド数分)繰り返すものである。結末に至った時点における味方体力メータ31は、当該結末によって当選したことが示された大当たり遊技のラウンド数を示す。本実施形態では、味方体力メータ31の値が大きいほど、大当たり遊技のラウンド数が大きくなるよう設定されている。例えば、大当たり遊技のラウンド数として5、10、15ラウンドの三種が設定されているとすれば、味方体力メータ31が第一範囲内にあるときには5ラウンド、第一範囲よりも大きい第二範囲内にあるときには10ラウンド、第二範囲よりも大きい第三範囲内にあるときには15ラウンド、といったような関係に設定される(図5(a)参照)。このような設定とする場合、現状の味方体力メータ31の残りが区別できるようにするとよい。具体的には、第一範囲内にある場合には赤、第二範囲内にある場合には緑、第三範囲内にある場合には青、といったように、現在の味方体力メータ31の状態を区別するための要素が味方体力メータ31のゲージや枠等に付される構成とするとよい。
また、本実施形態と異なり、味方体力メータ31の段階とラウンド数を1:1の関係にすることで、味方体力メータ31とラウンド数の関係を分かりやすくすることもできる。例えば、味方体力メータ31の段階が10段階に区分けされる設定(10段階分減ると0になる設定)であれば、大当たりの種類としてラウンド数が異なる10種類の大当たり遊技を設定し、それぞれの大当たり遊技と大当たりのラウンド数を対応づけた構成とする(図5(b)参照)。
また、本実施形態における味方体力メータ31や敵体力メータ32は、ゲージによって残り体力が示されるものであるが、数値等によって示されるものであってもよい。
このように、本実施形態では、結末に至った時点での味方体力メータ31の値が大きいほど、大当たり遊技のラウンド数が大きくなるよう(大当たり遊技によって得られる利益の期待値が大きくなるよう)設定されている。つまり、遊技者にとってみれば、味方体力メータ31の残りが大きいほど大当たり遊技によってより多くの利益(いわゆる出玉)を得ることができるということになるため、できるだけ体力を減らさずに味方側キャラクタ21が勝利する結末に至ってほしいと願う演出態様となる。
なお、本実施形態とは逆に、結末に至った時点での味方体力メータ31の値が小さいほど、大当たり遊技のラウンド数が大きくなるよう(大当たり遊技によって得られる利益の期待値が大きくなるよう)設定された構成としてもよい。この場合には、できるだけ接戦となって勝利する結末に至った方が、遊技者にとってより好ましいという面白みのある演出態様とすることが可能である。つまり、味方側キャラクタ21が敗北してしまうと大当たりすら獲得できないということになるため、遊技者にとっては最も喜ばしくない状況である一方、敗北の危機が大きければ大きいほど勝利した場合の大当たり遊技による利益としては大きい(敗北の危機が小さい(安心感のある)勝利の場合には大当たり遊技による利益が小さい)という面白みのある演出態様となる。
また、本実施形態では、バトル演出が結末に至った時点における味方側キャラクタ21の状況である味方体力メータ31により遊技者の利益が示唆されるが、バトル演出が結末に至った時点における敵側キャラクタ22の状況である敵体力メータ32により遊技者の利益が示唆される構成とすることも可能である。
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機1では、バトル演出が結末に至った時点における演出要素の状況によって遊技情報(遊技者の利益)が示唆される。したがって、結末に至るまでの演出要素の変化等に遊技者が注目することになるため、遊技の趣向性向上につながる。
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を変形、改良、具体化等した具体例について説明する。なお、各具体例を用いて説明する事項を組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記実施形態におけるバトル演出は、その結末として、味方側キャラクタ21が勝利または敗北する結末が設定されていることを説明したが、その他の結末が設定されていてもよい。例えば、「引き分け」となる結末が設定されていてもよい。当該「引き分け」の結末によって報知される事象は、味方側キャラクタ21が「勝利」する結末となったときよりも利益が小さく、「敗北」する結末となった場合よりも利益が大きいものであればよい。例えば、「勝利」はいわゆる出玉を獲得することができる大当たり、「敗北」ははずれ、「引き分け」は出玉を獲得することができない当たり(出玉なし当たり(本例では、当該出玉なし当たりに当選したことが、識別図柄10と特殊図柄11の組み合わせによって示される))を示すものとして設定することが考えられる。具体的には、遊技状態が高確率遊技状態に移行する出玉なし大当たり(以下、突然確変と称することもある)、および遊技状態の移行が発生しない(通常遊技状態のままに維持される)出玉なし当たり(以下、小当たりと称することもある)のいずれかが発生する場合に「引き分け」の結末となる。つまり、引き分けとなった場合には、いわゆる「潜伏確変」に期待できる状態となる。
「引き分け」の結末の一例としては、時間画像33によって表示される時間が0となるまでの間に、味方体力メータ31および敵体力メータ32のいずれも0とならなかったケースが挙げられる。つまり、残り時間が0となるまでに、一方のキャラクタの体力が0とならなかったものを「引き分け」として設定する。上述したように「引き分け」の結末は、突然確変または小当たりが確定するものである。「引き分け」の結末後は、所定の演出状態(例えば、○○モードといった表示がなされる演出用の状態)に移行し、遊技状態が高確率状態となったか否かが明確には判別できないようにされる。
「引き分け」の結末となった時点における味方体力メータ31と敵体力メータ32は、遊技状態が高確率状態となる期待度を示唆する。本例では、味方体力メータ31と敵体力メータ32を比較し、残っている味方体力メータ31の値が敵体力メータ32の値よりも大きい場合(図6(a)参照)には、残っている味方体力メータ31の値が敵体力メータ32の値よりも小さい場合(図6(b)参照)よりも、遊技状態が高確率状態となる確率(突然確変に当選した蓋然性)が高くなるように設定されている。つまり、結末が「引き分け」に至った場合であっても、味方側キャラクタ21が有利なバトルを展開していた場合には突然確変に当選した蓋然性が高くなるように設定されている。
かかる点は、換言すれば、結末に至った時点における「味方体力メータ31」と「敵体力メータ32」という二つの演出要素によって遊技情報が示唆されるということである。つまり、上記実施形態のように、時間画像33や、味方体力メータ31といった各演出要素が、一つの遊技情報を示唆するようにすることもできるし、本例のように、複数の演出要素が一つの遊技情報を示唆するようにすることもできる(結末に至った時点における一つの演出要素の状況によって示唆される遊技情報が本発明における第一遊技情報に相当し、複数の演出要素によって示唆される遊技情報が本発明における第二遊技情報に相当する)。各演出要素は、それ自体が単独である遊技情報を示唆するだけでなく、別の演出要素と組み合わされることにより別の遊技情報を示唆するものとして機能させることができる。本例では、二つの演出要素によって示唆される遊技情報が設定されているが、三つの演出要素によって示唆される遊技情報が設定されていてもよい。
「味方体力メータ31」と「敵体力メータ32」という二つの演出要素に基づき一つの遊技情報を示唆するものであれば、本例は適宜変更可能である。例えば、味方体力メータ31から敵体力メータ32を差し引いた値(当該値はマイナスになることもある)が大きいときほど、遊技者に有利な状況となる蓋然性が高い、といった設定としてもよい。
○第二具体例
上記実施形態では、演出開始時に時間画像33として100秒の時間が表示される、すなわち100秒から時間を減算させていくものであることを説明したが、演出開始時に表示される時間(以下、開始時間と称することもある)が複数種設定された構成としてもよい。
例えば、開始時間として、100秒(図7(a)参照)、80秒(図7(b)参照)、60秒(図7(c)参照)が設定されている構成とする。そして、演出時間が大きいほど、結末時における残り時間が大きくなる蓋然性が高くなる演出態様を構築することができる。上記実施形態と同様に、結末に至った時点における残り時間が多いほど遊技者の利益が大きくなる設定であれば、開始時間が大きくなることを遊技者が望む演出態様を構築することができる。
また、開始時間が、味方側キャラクタ21が勝利する結末に至る蓋然性(大当たりとなる期待度)を示唆するものではない設定とすることで、演出の趣向性を向上させることができる。つまり、開始時間が100秒、80秒、60秒のいずれであっても、味方側キャラクタ21が勝利する結末に至る蓋然性(大当たりとなる期待度)は変わらない一方、味方側キャラクタ21が勝利する結末に至った場合での利益が高くなることに対する期待度が開始時間によって変わるようにすることができる。換言すれば、遊技者が特典を得る期待度を示唆する要素ではないが、特典を得る結果となった場合における当該特典の大きさを示唆する要素として開始時間を設定することができる。
○第三具体例
上記実施形態における時間画像33は、演出の「残り時間」を示すものであることを説明したが、演出開始からの時間(以下、「消化時間」と称することもある)を示すものとしてもよい(図8参照)。つまり、上記実施形態における時間画像33は、演出開始に表示される開始時間から演出の進行とともに時間が減少していくものである一方、本例における時間画像33は、演出開始から時間が増加していく(カウントアップされていく)ものであるという点で相違する。
本例では、演出が結末(味方側キャラクタ21が勝利する結末)に至った時点における消化時間が大きいほど遊技者の利益が大きくなるように設定されている。当該利益として、上記実施形態と同様に時短回数を設定することが例示される。つまり、消化時間が大きいほど、時短回数が多くなる構成が例示できる。消化時間の値がそのまま時短回数となるような設定とすることで、演出をより分かりやすくすることが可能である。
このような構成とすれば、できるだけ長く演出(バトル)が継続しつつ、最終的には味方側キャラクタ21が勝利する結末に至ってほしいと願う演出態様となる。具体的には、短い時間で味方側キャラクタ21が勝利する結末に至るような展開の場合には、味方側キャラクタ21が敗北する危険性が低いという点では安心であるものの、勝利した場合に得られる利益(時短回数)が少なくなる一方、なかなか決着がつかないような展開の場合には、味方側キャラクタ21が敗北する危険性が高いという点では心配になるものの、勝利した場合に得られる利益(時短回数)が大きくなるという面白みのある演出態様となる。つまり、できるだけ早く味方側キャラクタ21が勝利する結末に至ってほしいと願う上記実施形態のバトル演出とは全く異なる効果をもたらす演出とすることが可能である。
○第四具体例
「バトル演出」とは異なるタイプの演出について、同様の技術思想を適用することも可能である。例えば、遊技者が操作可能な操作手段92(押しボタン等)を備えた遊技機において、当該操作手段92を利用した演出においても同様の技術思想を適用することができる。
操作手段92を利用した演出として、遊技者に操作手段92を連続的に操作(連打や長押し)させることで、制限時間内に所定のミッションをクリアさせるものが知られている(図9参照)。このような演出において、ミッション達成時(結末到達時)の残り時間や、ミッション達成時(結末到達時)までの経過時間等の演出要素により、遊技情報を示唆する演出態様とすること(図9(c)参照)が考えられる。
なお、「操作手段」は、遊技者の動作を演出に反映させることができるものであればどのようなものであってもよい。押しボタンのような物理的な構造物を有しているものに限られない。例えば、遊技者の手等を検出するセンサを備え、当該センサに手等が検出されたことが演出に反映される構成が知られている。このような構成におけるセンサに手等が検出されることを、操作手段の操作と同様に取り扱うことができるものとする。
このように、演出の開始から結末に至るまでの間に変化し得る演出要素が設定された演出であれば、どのような種類の演出であっても、結末に至った時点における演出要素の状況によって遊技情報を示唆する演出態様とすることが可能である。
○第五具体例
味方側キャラクタ21および敵側キャラクタ22の少なくとも一方が、複数種のキャラクタを含むものであってもよい。つまり、このように複数種のキャラクタを含むものとする場合、各キャラクタの「強さ」(味方側キャラクタ21が勝利または敗北する蓋然性)が異なるように設定されているとよい。つまり、強さが異なる複数種の味方側キャラクタ21が設定されている構成や、強さが異なる複数種の敵側キャラクタ22が設定されている構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態(および具体例)について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、回動式遊技機等、演出用の表示装置を備えたその他の遊技機に対しても同様の技術思想が適用可能である。