JP6757491B2 - 管ガラスの切断方法及び切断装置、並びに管ガラス製品の製造方法 - Google Patents

管ガラスの切断方法及び切断装置、並びに管ガラス製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、管ガラスの切断方法及び切断装置、並びに管ガラス製品の製造方法に関する。
例えば医療用のアンプル、シリンジあるいは照明用の蛍光管などに用いられる管ガラス製品は、ダンナー法やダウンドロー法など種々の手法により成形されている。以下、ダンナー法を例にとってその概要を説明する。
ダンナー法で管ガラス製品を製造する場合、まずマッフル炉内に配置された回転可能なスリーブに熔融ガラスを供給する。供給された熔融ガラスは、スリーブに巻き付きながら管状になる。この管状となった熔融ガラスをスリーブの先端から管引き装置(牽引装置)で引張り出すことで、管ガラスが連続的に成形される(例えば特許文献1参照)。
連続的に成形された管ガラス(以下「連続管ガラス」という)は、粗切断及び再切断の各工程を経て、所定長さの管ガラス製品となる。粗切断工程では、搬送される連続管ガラスを粗切断装置により切断し、所定長の管ガラスを得る(例えば特許文献2、0003参照)。
再切断工程では、粗切断工程により得られた管ガラスをコンベアにより回転させながら搬送するとともに、その切断予定部位をバーナによって加熱する。次に、この管ガラスを回転させつつ、再切断装置における切断刃(ダイヤモンドホイール等の)によって、加熱された部分に擦り傷を形成する。具体的には、この切断刃を水等により冷却した状態で管ガラスに接触させ、これによる熱衝撃によって管ガラスの外周面に擦り傷をオリジンとするクラック(亀裂)が発生する。管ガラスは、このクラックの進展によりその両端部が切断される。その後、管ガラスの端部に口焼き処理による仕上げ加工が施され、以上によって、所定長の管ガラス製品が完成する(同文献の0005参照)。
特開2013−159532号公報 特開2013−147405号公報
上記の再切断工程では、管ガラスの外周面に切断刃による擦り傷を形成し、これを熱衝撃によりクラックとして進展させて切断するため、破断面の切断精度は低く、破断面を仕上げるための口焼き加工に長い時間を必要とし、生産効率の低下を招いていた。また、管ガラスの外周面に擦り傷を形成する方法では、ガラス粉が不可避的に発生するため、切断後の管ガラス内周面に付着したガラス粉を洗浄する工程も別途必要になっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、切断面におけるガラス微粉の発生を防止することで効率良く管ガラスを切断することが可能な切断方法及び切断装置、並びに管ガラス製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、管ガラスを切断するための方法であって、前記管ガラスの内部に焦点を合せてレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射領域に生じる多光子吸収により前記管ガラスの前記内部にクラックを生じさせるクラック形成工程を備える。さらに、前記クラック形成工程は、前記レーザー光の焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において内面側から外面側に移動させることで、前記クラックを前記管ガラスの内部に進展させる。
上記のような管ガラスの切断方法によれば、レーザー光を照射した際に生じる多光子吸収によって管ガラスの内部にクラックを形成し、このクラックを管ガラスの内部に進展させることで管ガラスを切断することが可能になる。クラックを進展させるにあたり、レーザー光の焦点の位置は、管ガラスの内部において、この管ガラスの内面側から外面側へと移動させる。仮に外面側から内面側へと焦点の位置を移動させてクラックを進展させようとすると、先に外面側の位置に形成されたクラックが、後に内面側の位置にクラックを形成しようとする際に、レーザー光の透過を阻害してしまい、クラックを進展させることが困難となる。これに対し、本発明では、レーザー光の焦点の位置を内面側から外面側へと移動させるため、管ガラスの厚さ方向に対してクラックを好適に進展させ、管ガラスを確実に切断できる。また、本方法において、クラックは、管ガラスの内部に発生するものであるため、従来のようにその外面に擦り傷を形成しなくとも、管ガラスを切断することが可能である。したがって、管ガラスの切断時にガラス粉が発生するといった従来の事態を確実に防止することができる。これにより、ガラス粉を洗浄により除去する手間を省いて必要な工程数を少なくできる。また、このように切断面を形成するのであれば、割断等により強制的にクラックを発生、進展させる場合と比べて、割れや欠け等の発生を可及的に防止して、切断面の性状を比較的高精度に制御でき、良好な切断面を安定的に得ることが可能となる。したがって、割れや欠けに起因する不良の発生が抑えられると共に、管ガラスの端部の口焼き処理に要する時間を大幅に短縮することができ、管ガラス製品を効率良く製造することが可能になる。
また、本発明に係る管ガラスの切断方法では、前記管ガラスをその軸心まわりに回転させつつ、前記レーザー光の焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において前記内面側から前記外面側に移動させることで、前記クラックを前記管ガラスの内部に進展させることが望ましい。管ガラスを軸心まわりに回転させながら、レーザー光によるクラックを形成することで、管ガラスの全周にわたって均質なクラックを形成することができる。これにより、管ガラスを精度良く切断できるようになる。
また、本発明に係る管ガラスの切断方法において、前記レーザー光はパルスレーザーであることが望ましい。これにより、管ガラスの内部に多光子吸収現象を効果的に生じさせることができる。
また、本発明に係る管ガラスの切断方法では、前記クラックは、前記管ガラスの回転に伴って環状に形成されることが望ましい。このように、管ガラスの回転に応じて多光子吸収によるクラックを環状に形成することで、管ガラスの全周にわたって均一なクラックを形成し、管ガラスを精度良く切断できるようになる。
また、本発明に係る管ガラスの切断方法では、前記クラックは、前記管ガラスの厚み方向に沿って直線状に形成されてもよい。管ガラスを回転させながら、この直線状のクラックを順次形成すれば、管ガラスの全周にわたってこの直線状のクラックを形成できる。これにより、管ガラスを少なくとも一回転させるだけで切断できるため、管ガラスの高速切断が可能になる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、管ガラスを切断するための装置であって、前記管ガラスの内部に焦点を合わせてレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射領域に生じる多光子吸収により前記管ガラスの前記内部にクラックを生じさせるクラック形成装置を備える。さらに、前記クラック形成装置は、前記レーザー光の焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において内面側から外面側に移動させることで、前記クラックを前記管ガラスの内部に進展させる。
上記のような管ガラスの切断装置によれば、クラック形成装置からレーザー光を照射した際に生じる多光子吸収によって管ガラスの内部にクラックを形成し、このクラックを管ガラスの内部に進展させることで管ガラスを切断することが可能になる。クラックを進展させるにあたり、レーザー光の焦点の位置は、管ガラスの内部において、この管ガラスの内面側から外面側へと移動させる。仮に外面側から内面側へと焦点の位置を移動させてクラックを進展させようとすると、先に外面側の位置に形成されたクラックが、後に内面側の位置にクラックを形成しようとする際に、レーザー光の透過を阻害してしまい、クラックを進展させることが困難となる。これに対し、本発明では、レーザー光の焦点の位置を内面側から外面側へと移動させるため、クラックを管ガラスの厚さ方向に対して好適に進展させ、管ガラスを確実に切断できる。また、クラックは、管ガラスの内部に発生するものであるため、従来のようにその外面に擦り傷を形成しなくとも、管ガラスを切断することが可能である。したがって、管ガラスの切断時にガラス粉が発生するといった従来の事態を確実に防止することができる。これにより、ガラス粉を洗浄により除去する手間を省いて必要な工程数を少なくできる。また、このように切断面を形成するのであれば、割断等により強制的にクラックを発生、進展させる場合と比べて、割れや欠け等の発生を可及的に防止して、切断面の性状を比較的高精度に制御でき、良好な切断面を安定的に得ることが可能となる。したがって、割れや欠けに起因する不良の発生が抑えられると共に、管ガラスの端部の口焼き処理に要する時間を大幅に短縮することができ、管ガラス製品を効率良く製造することが可能になる。
また、本発明に係る管ガラスの切断装置は、前記管ガラスを回転させるための回転駆動装置をさらに備えることが望ましい。回転駆動装置によって管ガラスを軸心まわりに回転させながら、レーザー光によるクラックを形成することで、管ガラスの全周にわたって均質なクラックを形成することができる。これにより、この切断装置は管ガラスを精度良く切断できるようになる。
また、本発明に係る管ガラスの切断装置において、前記レーザー光はパルスレーザーであることが望ましい。これにより、管ガラスの内部に多光子吸収現象を効果的に生じさせることができる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、管ガラス製品を製造する方法であって、管引き成形された連続管ガラスを切断する第1切断工程と、前記第1切断工程後に形成される管ガラスの端部を切断する第2切断工程と、を備える。前記第2切断工程は、前記管ガラスの内部に焦点を合せてレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射領域に生じる多光子吸収により前記管ガラスの前記内部にクラックを生じさせるクラック形成工程を備える。前記クラック形成工程は、前記管ガラスをその軸心まわりに回転させつつ、前記レーザー光の前記焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において内面側から外面側に移動させることで、前記クラックを前記管ガラスの内部に進展させる。
上記のような管ガラス製品の製造方法によれば、第1切断工程により連続管ガラスを切断して管ガラスを形成し、レーザー光を照射した際に生じる多光子吸収によって管ガラスの内部にクラックを形成し、このクラックを管ガラスの内部に進展させることで管ガラスの端部を切断することで、所定長の管ガラス製品を製造できる。クラックを進展させるにあたり、レーザー光の焦点の位置は、管ガラスの内部において、この管ガラスの内面側から外面側へと移動させる。仮に外面側から内面側へと焦点の位置を移動させてクラックを進展させようとすると、先に外面側の位置に形成されたクラックが、後に内面側の位置にクラックを形成しようとする際に、レーザー光の透過を阻害してしまい、クラックを進展させることが困難となる。これに対し、本発明では、レーザー光の焦点の位置を内面側から外面側へと移動させるため、クラックを管ガラスの厚さ方向に対して好適に進展させることが可能になる。さらに、管ガラスを回転させながらクラック進展させることから、管ガラスの全周にわたって均質なクラックを形成できる。また、クラックは、管ガラスの内部に発生するものであるため、従来のようにその外面に擦り傷を形成しなくとも、管ガラスを切断することが可能である。したがって、管ガラスの切断時にガラス粉が発生するといった従来の事態を確実に防止することができる。これにより、ガラス粉を洗浄により除去する手間を省いて必要な工程数を少なくできる。また、このように切断面を形成するのであれば、割断等により強制的にクラックを発生、進展させる場合と比べて、割れや欠け等の発生を可及的に防止して、切断面の性状を比較的高精度に制御でき、良好な切断面を安定的に得ることが可能となる。したがって、割れや欠けに起因する不良の発生が抑えられると共に、管ガラスの端部の口焼き処理に要する時間を大幅に短縮することができ、管ガラス製品を効率良く製造することが可能になる。
本発明によれば、ガラス微粉の発生を防止することで効率良く管ガラスを切断することが可能になる。
管ガラス製品の製造装置を示す側面図である。 管ガラスの製造装置における第1切断装置を示す平面図である。 第1切断装置におけるレーザー光の走査態様を説明するための連続管ガラスの要部拡大斜視図である。 第1切断装置におけるレーザー光の照射態様を説明するための連続管ガラスの要部拡大平面図である。 内部クラック領域を形成した直後の連続管ガラスの要部断面図である。 内部クラック領域中のクラックが連続管ガラスの円周方向に進展を開始した直後の連続管ガラスの要部断面図である。 内部クラック領域中のクラックが連続管ガラスの円周方向に進展している途中の状態を示す連続管ガラスの要部断面図である。 内部クラック領域中のクラックが連続管ガラスの全周にわたって進展した後の状態を示す連続管ガラスの端面を正面から見た図である。 図1に示す製造装置の要部平面図であって、連続管ガラスを切断した直後の状態を示す図である。 図1に示す製造装置に係る第2切断装置の概略を示す側面図である。 第2切断装置を示す概略平面図である。 切断開始時の管ガラスを示す断面図である。 切断進行中の管ガラスを示す断面図である。 切断進行中の管ガラスを示す断面図である。 切断進行中の管ガラスを示す断面図である。 切断開始時の管ガラスを示す断面図である。 切断進行中の管ガラスを示す断面図である。 切断進行中の管ガラスを示す断面図である。 切断終了時の管ガラスを示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図19は、本発明に係る管ガラスの切断方法及び切断装置並びに管ガラス製品の製造方法の一実施形態を示す。
図1は、本発明を実施することが可能な管ガラス製品の製造装置10の一例を示す。製造装置10は、ダンナー法によって連続管ガラスG1を成形するものであり、ガラス熔融炉11と、スリーブ12と、スリーブ12を回転駆動する駆動装置13と、スリーブ12を収容するマッフル炉14と、アニーラー15と、連続管ガラスG1を管引き成形する管引き装置16と、連続管ガラスG1を切断する装置(以下「第1切断装置」という)17と、連続管ガラスG1を切断して得た管ガラスG2の端部を切断する装置(以下「第2切断装置」という)18とを主に備える。
なお、図1に示すXYZ座標系は固定側の座標系であり、本実施形態では、X軸及びY軸を含む平面を水平面、Z軸に沿った方向を鉛直方向(Z軸の正の側を天、負の側を地)としている。また、図3に示すxyz座標系は移動側の座標系(連続管ガラスG1上の座標系)であり、図1等に示すXYZ座標系と同じく、x軸及びy軸を含む平面を水平面、z軸に沿った方向を鉛直方向としている。
ガラス熔融炉11は、ガラス原料を熔融して熔融ガラスMを生成するための炉である。ガラス熔融炉11で生成された熔融ガラスMは、マッフル炉14内のスリーブ12に供給される。
スリーブ12は耐火物で円筒状に形成される。スリーブ12は部分的にテーパ状をなし、テーパ状部分の小径側端部12aを斜め下方に向けて配置されている。このスリーブ12はシャフト19を介して駆動装置13と連結されている。本実施形態では、スリーブ12を駆動装置13により回転駆動することで、スリーブ12に供給された熔融ガラスMを円筒状に巻回して、小径側端部12aの側から管形状に引出し成形可能としている。
このように、管形状に引出し成形された熔融ガラスMは、連続管ガラスG1としてマッフル炉14外へと連続的に引出されると共に、アニーラー15へと導入される。
管引き装置16は、アニーラー15の下流側に配置されるもので、アニーラー15を通過した連続管ガラスG1を一定の速度で牽引し、第1切断装置17に向けて搬送可能とする。具体的には、図示しない一対の搬送ベルトで連続管ガラスG1の上部と下部とを挟持しつつ下流方向へ牽引して管引きすることで、所定の外径寸法に整えられた連続管ガラスG1を第1切断装置17に供給可能としている。
第1切断装置17は、図2に示すように、連続管ガラスG1を切断して、所定の長さ寸法を有する管ガラスG2を得るためのものである。なお、本実施形態における管ガラスG2の厚みは、例えば0.5mm〜2.0mmとされるが、これに限定されるものではない。第1切断装置17は、連続管ガラスG1の円周方向の一部に内部クラック領域C1を形成するための内部クラック領域形成装置20と、内部クラック領域C1中のクラックが進展するのを助長する応力を連続管ガラスG1に発生させて、クラックを全周にわたって進展させるクラック進展装置21と、連続管ガラスG1を支持する支持部22(図1参照)とを具備する。
内部クラック領域形成装置20は、所定のレーザー光(例えばピコ秒パルスレーザー光又はサブピコ秒パルスレーザー光)Lを発振可能なレーザー発振器23と、レーザー発振器23から発振されたレーザー光Lを連続管ガラスG1の内部に集光入射させるための光学系24とを有する。また、本実施形態では、内部クラック領域形成装置20は、光学系24の経路上に配設され、図2に示すように、レーザー光Lを所定の態様で走査するための走査部25と、レーザー光Lの連続管ガラスG1の内部における焦点Fの位置を調整可能とする焦点調整部26とをさらに有する。
光学系24は、本実施形態では、複数のミラー27と、これら複数のミラー27を介して伝達されたレーザー光Lを連続管ガラスG1の内部に集光する対物レンズ28とを有する。
走査部25は、例えば図2に示すようにガルバノミラーで構成される。この走査部25は、ミラー27で反射されたレーザー光Lを所定の軌跡で走査できるように構成されており、例えば本実施形態では、図3に示すように、連続管ガラスG1の中心線X1に直交する仮想断面X2に焦点Fが含まれるよう、連続管ガラスG1の円周方向に沿って直線的に走査できるように構成されている。
上述した走査軌跡は、移動する連続管ガラスG1を基準とする座標系(図3に示すxyz座標系)で見た場合の形態であり、これを固定側を基準とする座標系で見ると、図4に示すように、中心線X1に沿った向きに連続管ガラスG1が所定距離dだけ移動する間に、焦点Fが円周方向に沿った向きに図3中の矢印で示す距離だけ移動すると共に、連続管ガラスG1の移動距離dと同じ距離だけ中心線X1に沿った向きに移動するよう、焦点Fの走査態様が設定されている。
焦点調整部26は、例えば空間光位相変調器で構成される。具体的には、焦点調整部26は、予め作製しておいた位相ホログラムにより、走査部25により制御されるレーザー光Lの照射方向に応じて焦点Fの位置(正確には連続管ガラスG1の厚み方向位置)が調整されるよう、レーザー光Lの空間位相分布を変調可能としている。本実施形態では、図3に示すように、焦点Fが連続管ガラスG1の厚み方向外周側、すなわち、連続管ガラスG1の外面(外周面)G1aに近い側で連続管ガラスG1の円周方向に沿った位置となるよう、レーザー光Lの焦点Fの位置が調整される。
クラック進展装置21は、本実施形態では、図2に示すように、連続管ガラスG1の中心線X1に沿った向きに引張り力f1を付与する引張り力付与部29と、連続管ガラスG1の中心線X1が所定の曲率で湾曲するように、連続管ガラスG1に曲げ力f2を付与する曲げ力付与部30とを有する。
ここで、例えば引張り力付与部29は、連続管ガラスG1の下流側端部を把持する把持部31と、把持部31を中心線X1に沿った向きに移動するスライド駆動部32とで構成される。連続管ガラスG1と同期して把持部31を移動可能なようにスライド駆動部32を構成してもよい。この場合、一定期間(一定距離)の間、中心線X1に沿って移動している最中の連続管ガラスG1に対して引張り力f1を付与した状態を維持することが可能となる。
また、曲げ力付与部30は、連続管ガラスG1の水平方向両側を挟持する複数のローラ33で構成される。これら複数のローラ33による連続管ガラスG1の支持(挟持)位置は、連続管ガラスG1の中心線X1が下流側に向かうにつれて所定の曲率で湾曲するように設定されている。
支持部22は、連続管ガラスG1の長手方向に沿って所定の間隔で配置される複数のローラであり得るが、これに限定されるものではない。支持部22は、連続管ガラスG1をその長手方向に案内するように、この連続管ガラスG1の下部を支持する。
図10及び図11に示すように、第2切断装置18は、連続管ガラスG1を切断して得られる管ガラスG2の内部にクラックを形成するクラック形成装置34と、管ガラスG2を搬送する搬送装置35とを備える。
図10に示すように、クラック形成装置34は、第1切断装置17に係る内部クラック領域形成装置20と略同様の構成を有する。すなわち、クラック形成装置34は、所定のレーザー光(例えばピコ秒パルスレーザー光又はサブピコ秒パルスレーザー光)Lを発振可能なレーザー発振器36と、レーザー発振器36から発振されたレーザー光Lを管ガラスG2の内部に集光入射させるための光学系37と、レーザー光Lの管ガラスG2の内部における焦点の位置を調整可能とする焦点調整部38とを有する。なお、本実施形態において、クラック形成装置34は、内部クラック領域形成装置20における走査部25を有していないが、これに限定されるものではなく、当然にこの走査部25を具備していてもよい。なお、図11に示すように、第2切断装置18は、管ガラスG2の両端部を切断すべく、二つのクラック形成装置34を備えている。
光学系37は、第1切断装置17に係る光学系24と同様に、複数のミラー39と、これら複数のミラー39を介して伝達されたレーザー光Lを管ガラスG2の内部に集光する対物レンズ40とを有する。
焦点調整部38は、第1切断装置17に係る焦点調整部26と同様に、例えば空間光位相変調器で構成される。焦点調整部38は、予め作製しておいた位相ホログラムにより、レーザー光Lの照射方向に応じて焦点の位置(管ガラスG2の厚み方向位置)が調整されるよう、レーザー光Lの空間位相分布を変調可能としている。
搬送装置35は、管ガラスG2を所定の方向に搬送する他、この管ガラスG2をその軸心(連続管ガラスG1の中心線X1に相当する)まわりに回転(自転)させる回転駆動装置としても機能する。搬送装置35は、一対の無端状のローラチェーン複合体41を含む。搬送装置35は、これら一対のローラチェーン複合体41に架け渡された管ガラスG2をその軸心に対して直交する方向(横方向)へと搬送する。
各ローラチェーン複合体41は、図10に示すように、ガイドレール42上をそれぞれ走行する一対の無端状のローラチェーン43と、これら一対のローラチェーン43間において、そのローラ軸に従動回転自在に軸支された複数の円盤状の搬送ディスク44と、各搬送ディスク44に対して同心状に固定されたスプロケット45と、全てのスプロケット45に噛合して循環走行する無端状の駆動チェーン46とを有する。
各搬送ディスク44は、その直径がローラチェーン43のピッチよりも大きく形成されており、側面視で互いの外周部が一部重なるように互い違いに配設されている。これにより、隣り合う搬送ディスク44同士の間に側面視で谷間が形成され、この谷間に管ガラスG2が安定的に載置される。搬送装置35は、図示しない駆動源によりローラチェーン43を循環走行させることによって、各搬送ディスク44を走行移動させ、各管ガラスG2をその軸心方向に対して直交する方向(矢印D1で示す方向)へと搬送する。
また、搬送装置35は、ローラチェーン43とは独立に、図示しない別の駆動源により駆動チェーン46を循環走行させることによって、スプロケット45を介して各搬送ディスク44を自転させ、各管ガラスG2をその軸心まわり(図10において矢印D2で示す方向)に回転させる。これにより、搬送装置35は、並列する複数の管ガラスG2をその軸心まわりに連続回転させつつこの軸心に対して直交する方向へと連続的に搬送できる。
管ガラスG2の端部を再切断する場合、第2切断装置18は、クラック形成装置34の下方位置(切断位置)まで管ガラスG2を搬送させる。このとき、第2切断装置18は、搬送装置35による管ガラスG2の横方向への搬送を止めるとともに、搬送ディスク44の時点によって管ガラスG2を回転させながら、クラック形成装置34によってこの管ガラスG2の内部にクラックCを生じさせる。クラックCが管ガラスG2の内部に進展することにより、その端部が切断される(図11参照)。
以下、上記構成の製造装置10を用いた管ガラス製品(G3)の製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、管引き装置16から送り出された連続管ガラスG1を、支持部22(図1を参照)で下方から支持しつつ、更に下流側に搬送する。ここで、管引き装置16の下流側には、連続管ガラスG1を所定の長さ寸法に切断するための第1切断装置17が配設されており、この第1切断装置17による粗切断工程(第1切断工程)が実行される。
この粗切断工程では、連続管ガラスG1の下流側端部が所定位置に到達したとき(もしくはその直前に)、把持部31で連続管ガラスG1の下流側端部を把持して、長手方向の下流側に向けて把持部31をスライド駆動部32で移動させ、連続管ガラスG1にその中心線X1に沿った向きの引張り力f1を付与する。
また、把持部31よりも上流側には、曲げ力付与部30を構成する複数のローラ33が配設されており、これら複数のローラ33間を通過した連続管ガラスG1はその中心線X1が所定の曲率で湾曲するように、所定の曲げ力f2を付与される。本実施形態では、後述するレーザー光Lの照射側(図2における右上側)が凸となるよう、連続管ガラスG1を所定の曲率で湾曲させる。これにより、上述した状態において、連続管ガラスG1には、中心線X1に沿ってかつ互いに遠ざかる向きの引張り応力が全周にわたって発生した状態となる。特に、連続管ガラスG1の湾曲部分の大径側には、中心線X1に沿ってかつ互いに遠ざかる向きの引張り応力が優位に分布した状態となる。
続いて、上述の応力分布を維持した状態で、連続管ガラスG1の内部にレーザー光Lを照射する。この際、レーザー光Lの照射条件(例えばパルス幅、出力など)を調整することで、レーザー光Lを照射した領域に、レーザー光Lの多光子吸収により、一又は複数のクラックが含まれる内部クラック領域C1を形成する。
また、この際、レーザー光Lを走査部25により所定の軌跡(例えば図3中の焦点Fから焦点F’の位置までの間)で走査すると共に、焦点調整部26でレーザー光Lの焦点Fの位置を時間の経過と共に変化させるよう調整する。これにより、焦点Fを連続管ガラスG1の厚み方向所定位置において円周方向に沿って移動させ、所定の円周方向寸法を有する内部クラック領域C1を形成する(図5参照)。図5に示した例では、中心線X1まわりに45°以上でかつ90°未満の範囲に帯状の内部クラック領域C1が形成されている。
そして、内部クラック領域C1中のクラックを円周方向に進展させて、連続管ガラスG1を切断する。本実施形態では、レーザー光Lの照射時点で既に所定の応力が連続管ガラスG1の内部に発生した状態にあるため、上述のように内部クラック領域C1を形成することで、自然に、内部クラック領域C1の円周方向両端部から円周方向に沿って互いに遠ざかる向きにクラックが進展し、クラック進展領域C2が円周方向に沿って拡大する(図6参照)。
この際、クラック進展装置21(引張り力付与部29と曲げ力付与部30)により、上述した応力が連続管ガラスG1に付与されている場合、クラック進展領域C2は、図6に示すように、内部クラック領域C1の円周方向両側から互いに遠ざかる向きに拡大を開始し、かつ、図7に示すように、その後も円周方向に沿って同じ速度で拡大し続ける。このように、いわば対称的にクラックが進展(クラック進展領域C2が拡大)を続けることで、所定の円周方向位置(例えば図8でいえば、内部クラック領域C1の円周方向中央位置と中心線X1を挟んで正対する位置)に、左右のクラック進展領域C2が同時に到達する。
その結果、図8に示すように、内部クラック領域C1中のクラックが全周にわたって、かつ、連続管ガラスG1の外面(外周面)G1aから内面(内周面)G1bにわたって進展し、連続管ガラスG1が切断される。また、この切断により、図9に示すように、所定の長さ寸法を有する管ガラスG2が得られる。
次に、第2切断装置18により、管ガラスG2の端部に対して再切断工程(第2切断工程)が実行される。この再切断工程では、第1切断装置17にて切断された管ガラスG2を搬送装置35により受け取り、クラック形成装置34の下方位置へと搬送する。搬送装置35は、管ガラスG2をクラック形成装置34の下方位置(対物レンズ40の下方位置)へと運ぶと、その搬送を一時停止し、搬送ディスク44によって管ガラスG2を回転させながらその位置でこれを待機させる。
図12乃至図15は、再切断工程(第2切断工程)の一例を示す。第2切断装置18は、クラック形成装置34におけるレーザー光Lを管ガラスG2の内部における内面G2b側の位置から外面G2a側の位置に向かって焦点の位置を移動させながら、管ガラスG2の端部を切断する。
例えば、図12に示すように、切断開始時において、クラック形成装置34は、レーザー光Lの焦点を管ガラスG2の切断予定部位における内部であって、この管ガラスG2の内面2b側の位置(以下「第1焦点位置」という)FP1に設定する。この第1焦点位置FP1は、図12に示すように、管ガラスG2の厚み方向(又は半径方向)における中心線X3と、管ガラスG2の内面G2bとの間にある。より好ましくは、第1焦点位置FP1は、管ガラスG2の中心線X3よりも管ガラスG2の内面G2bに対して可能な限り近い位置に設定されることが望ましい。
管ガラスG2は、搬送装置35により回転させられることで、図13において矢印で示す方向に回転する。この回転により、第1焦点位置FP1に照射されたレーザー光Lによって生じるクラックCは、管ガラスG2の円周方向に進展する。管ガラスG2を一回転させる間、第2切断装置18は、この第1焦点位置FP1にレーザー光Lを集光させ、多光子吸収によるクラックCの形成を行う。これにより、図14に示すように、レーザー光Lの焦点の位置に対応して環状のクラック(以下「第1クラック」という)CAが形成される。
その後、クラック形成装置34は、図15に示すように、レーザー光Lの焦点を、第1焦点位置FP1よりも外面G2a側の位置(以下「第2焦点位置」という)FP2へと移動させる。クラック形成装置34は、管ガラスG2がさらに一回転する間、この第2焦点位置FP2にてレーザー光Lを照射し続け、これによって、図15に示すように環状のクラック(以下「第2クラック」という)CBを形成する。この第2クラックCBは、第1クラックCAよりも半径が大きく、第1クラックCAよりも半径方向外側に位置することになる。第2クラックCBの形成後は、同じ要領にて第3焦点位置による第3クラック(図示せず)、第4焦点位置による第4クラック(図示せず)というように、順次外面G2a側に向かって(半径方向外方に向かって)環状のクラックを形成していくことで、管ガラスG2の厚み方向に沿ってクラックを全体的に進展させ、管ガラスG2の端部を切断することができる。なお、本実施形態において、各クラックCA,CBの幅は、例えば0.1mm程度となり得るが、これに限定されるものではない。図11に示すように、二つのクラック形成装置34によって管ガラスG2の両端部を切断(再切断)し、管ガラスG2の端面に口焼き処理(図示せず)を施すことにより、所定長さ寸法を有する管ガラス製品G3が形成されることになる。
図16乃至図19は、再切断工程の他の例を示す。この例では、第2切断装置18によるレーザー光Lの照射の態様が図12乃至図15の例とは異なる。図16乃至図18に示すように、この例では、管ガラスG2を回転させながら、管ガラスG2の厚み方向(又は半径方向)に沿って直線状のクラックCを形成する。具体的には、図16に示すように、クラック形成装置34は、管ガラスG2の内部における内面G2b寄りの第1焦点位置FP1にレーザー光Lの焦点を合わせ、この第1焦点位置FP1にて多光子吸収によるクラックCを形成する。その後、クラック形成装置34は、図16に示すように、レーザー光Lの焦点を第1焦点位置FP1よりも管ガラスG2の外面G2a側の第2焦点位置FP2へと移し、この第2焦点位置FP2においてクラックCを形成する。
その後、第2切断装置18は、第2焦点位置FP2よりも外面G2a側の第3焦点位置FP3へと焦点を移動させ、この第3焦点位置FP3にてクラックCを形成する。このように焦点の位置を第1焦点位置FP1から外面G2a側の第2焦点位置FP2、第3焦点位置FP3へと移動させることにより、この管ガラスG2には、図18に示すような直線状のクラックCが形成される。クラック形成装置34は、管ガラスG2が一回転する間に、このクラックCの形成を複数回繰り返す。これにより、管ガラスG2の内部には、図19に示すように、その全周にわたって複数のクラックCが形成されることになる。以上により、管ガラスG2は、一回転する間にその端部が切断されることになる。したがって、この例では、管ガラスG2を高速で切断することが可能になる。図11に示すように、管ガラスG2の両端部が切断されることにより、所定長さ寸法を有する管ガラス製品G3が完成する。
なお、図16乃至図19の例に係るクラックの形成には、レーザー光L(パルスレーザー光)を外部変調器により細かく分断することが望ましい。また、この例では、焦点深度が低いレンズを使用することが望ましい。この例におけるレーザー光L(パルスレーザー光)の周波数は50kHzとされるが、これに限定されるものではない。本実施形態では、このレーザー光Lの周波数と、管ガラスG2の回転速度(角速度)とを調整することにより、管ガラスG2の切断予定部位の内部に複数の直線状クラックCを好適に形成できる。
図19では、各クラックCが間隔をおいて位置するように表示しているが、これは理解を容易にするための模式的な表示に過ぎない。実際には、各クラックCはその進展により互いに繋がるとともに、管ガラスG2の外面G2a及び内面G2bにまで到達し、管ガラスの端部を確実に切断する。
以上説明した本実施形態に係る製造装置(第2切断装置18)による管ガラス製品G3の製造方法(管ガラスG2の切断方法)によれば、第2切断装置18のクラック形成装置34からレーザー光Lを照射した際に生じる多光子吸収で管ガラスG2の内部にクラックC(CA,CB)を形成し、レーザー光Lの焦点の位置(FP1〜FP3)を管ガラスG2の内面G2b側から外面G2a側へと移動させることで、管ガラスG2の内部にこのクラックを進展させ、管ガラスG2を切断することが可能になる。
仮に管ガラスG2の内部において外面G2a側から内面G2b側へと焦点の位置を移動させてクラックを進展させようとすると、先に外面G2a側の位置に形成されたクラックが、後に内面G2b側の位置にクラックを形成しようとする際に、レーザー光の透過を阻害してしまい、クラックを進展させることが困難となる。これに対し、本実施形態では、レーザー光Lの焦点の位置(FP1〜FP3)を内面G2b側から外面G2a側へと移動させるため、クラックC(CA,CB)を管ガラスG2の厚み方向に対して好適に進展させることが可能になる。
また、本実施形態において、クラックC(CA,CB)は、管ガラスG2の内部に発生するものであるため、従来のように切断刃による擦り傷を形成しなくとも管ガラスG2を切断することが可能である。これにより、従来のように管ガラスG2の切断時にガラス粉が発生するといった事態を確実に防止することができる。したがって、ガラス粉を洗浄により除去する手間を省いて必要な工程数を少なくできる。また、このように切断面を形成するのであれば、割断等により強制的にクラックを発生、進展させる場合と比べて、割れや欠け等の発生を可及的に防止して、切断面の性状を比較的高精度に制御でき、良好な切断面を安定的に得ることが可能となる。これにより、割れや欠けに起因する不良の発生が抑えられると共に、管ガラスG2の端部の口焼き処理に要する時間を大幅に短縮することができ、管ガラス製品G3を効率良く製造することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、管ガラスG2を回転させることにより、クラックC(CA,CB)をその全周にわたって進展させる例を示したが、これに限定されない。例えば、クラック形成装置34のレーザー光Lを管ガラスG2の円周方向に走査させることにより、管ガラスG2の内部に環状のクラックを進展させてもよい。
上記の実施形態では、再切断工程において、管ガラスG2の端部を切断する例を示したが、これに限定されない。再切断工程において、管ガラスG2の中途部を切断することも可能である。
18 第2切断装置(切断装置)
34 クラック形成装置
35 搬送装置(回転駆動装置)
FP1 焦点の位置
FP2 焦点の位置
FP3 焦点の位置
G2 管ガラス
G2a 管ガラスの外面
G2b 管ガラスの内面
G3 管ガラス製品
L レーザー光

Claims (9)

  1. 管ガラスを切断するための方法であって、
    前記管ガラスの内部に焦点を合わせてレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射領域に生じる多光子吸収により前記管ガラスの前記内部にクラックを生じさせるクラック形成工程を備え、
    前記クラック形成工程は、前記管ガラスをその軸心まわりに回転させつつ、前記レーザー光の前記焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において前記管ガラスの半径方向に沿って内面側から外面側に移動させることで、前記管ガラスの厚み方向に沿う前記クラックを複数形成し、前記複数のクラックを前記管ガラスの内部に進展させる管ガラスの切断方法。
  2. 前記クラック形成工程は、前記レーザー光の前記焦点を、前記管ガラスの厚み方向の中心線よりも前記管ガラスの前記内面側に設定される焦点位置から、前記半径方向の外方へと移動させる請求項1に記載の管ガラスの切断方法。
  3. 前記レーザー光はパルスレーザーである請求項1又は2に記載の管ガラスの切断方法。
  4. 前記クラック形成工程は、回転駆動装置を含む搬送装置によって前記管ガラスを回転させる請求項2又は3に記載の管ガラスの切断方法。
  5. 管ガラスを切断するための装置であって、
    前記管ガラスの内部に焦点を合わせてレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射領域に生じる多光子吸収により前記管ガラスの前記内部にクラックを生じさせるクラック形成装置と、
    前記管ガラスを回転させるための回転駆動装置と、を備え、
    前記クラック形成装置は、前記回転駆動装置が前記管ガラスをその軸心まわりに回転させた状態で、前記レーザー光の前記焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において前記管ガラスの半径方向に沿って内面側から外面側に移動させることで、前記管ガラスの厚み方向に沿う前記クラックを複数形成し、前記複数のクラックを前記管ガラスの内部に進展させる管ガラスの切断装置。
  6. 前記レーザー光はパルスレーザーである請求項に記載の管ガラスの切断装置。
  7. 管ガラス製品を製造する方法であって、
    管引き成形された連続管ガラスを切断する第1切断工程と、
    前記第1切断工程後に形成される管ガラスの端部を切断する第2切断工程と、を備え、
    前記第2切断工程は、前記管ガラスの内部に焦点を合わせてレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射領域に生じる多光子吸収により前記管ガラスの前記内部にクラックを生じさせるクラック形成工程を備え、
    前記クラック形成工程は、前記管ガラスをその軸心まわりに回転させつつ、前記レーザー光の前記焦点の位置を、前記管ガラスの前記内部において前記管ガラスの半径方向に沿って内面側から外面側に移動させることで、前記管ガラスの厚み方向に沿う前記クラックを複数形成し、前記複数のクラックを前記管ガラスの内部に進展させる管ガラス製品の製造方法。
  8. 前記クラック形成工程は、前記レーザー光の前記焦点を、前記管ガラスの厚み方向の中心線よりも前記管ガラスの前記内面側に設定される焦点位置から、前記半径方向の外方へと移動させる請求項7に記載の管ガラス製品の製造方法。
  9. 前記クラック形成工程は、回転駆動装置を含む搬送装置によって前記管ガラスを回転させる請求項7又は8に記載の管ガラス製品の製造方法。
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