JP2019156670A - 管ガラスの製造方法および管ガラス - Google Patents

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太基 田中
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    • C03B33/09Severing cooled glass by thermal shock
    • C03B33/095Tubes, rods or hollow products

Abstract

【課題】切断工程における管ガラスの切断面の品位を向上させる。【解決手段】管ガラスの製造方法における切断工程は、レーザ照射工程と、応力付与工程と、を備える。レーザ照射工程では、第一レーザ光L1と第二レーザ光L2とを照射開始位置SPから相互に離れるように走査することにより、第一レーザ光L1により形成されるクラックと、第二レーザ光L2により形成されるクラックとを、管ガラスG1の円周方向において相反する方向に進展させる。【選択図】図3

Description

本発明は、切断工程を含む管ガラスの製造方法、および管ガラスに関する。
例えば医療用のアンプルや照明用の蛍光管などに用いられる管ガラスは、ダンナー法やダウンドロー法など種々の手法により成形されている。以下、ダンナー法を例にとってその概要を説明する。
ダンナー法で管ガラスを製造する場合、まずマッフル炉内に配置された回転可能なスリーブに溶融ガラスを供給する。供給された溶融ガラスは、回転するスリーブに巻き付きながら管状となる。そして、この管状となった溶融ガラスをスリーブの先端から管引き装置(牽引装置)で引張り出すことで、管ガラスが連続的に成形される。然る後、成形された管ガラス(連続管ガラス)を切断装置で所要の長さに切断することで、所定長さ寸法の管ガラス製品を得る(例えば、特許文献1を参照)。
また、連続管ガラスの切断方法として、連続的に搬送される連続管ガラスの外周面に切断刃を接触させることで、当該外周面に擦り傷を形成すると共に、この擦り傷に熱衝撃を加えることにより、連続管ガラスを切断する方法が一般的に採用されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許文献2に記載される方法は、連続管ガラスを搬送しながら比較的高速に切断することができ、生産ラインに容易に組み込むことができる。しかしながら、連続管ガラスの外周面に形成した擦り傷を熱衝撃により進展させることから、クラックの起点となる擦り傷の形状を安定させることが難しい。このため、管ガラスの破断面(切断面)は粗くなる。したがって、同文献の方法では、破断面を平坦に仕上げるために追加の切断加工を必要とし、工数の増加を招いていた。また、この方法では、切断工程で生じたガラス粉が切断後の管ガラスの内周面に付着することから、洗浄工程も必要となる。
特許文献3には、ガラス粉の発生を防止でき、かつ連続管ガラスを高速に切断する方法が開示される。この方法では、連続管ガラスの内部にレーザ光を照射し、その照射領域に生じる多光子吸収によって当該連続管ガラスの内部にクラックを発生させる。連続管ガラスに応力が付与されており、クラックは、当該応力の作用により、連続管ガラスの内部において円周方向に進展する。
以下、この切断方法における、レーザ光の照射方法及びクラックの進展の態様について、図13及び図14を参照しながら詳細に説明する。
図13に示すように、長手方向に沿って搬送される連続管ガラスG1の内部に、レーザ光Lの焦点Fを合わせ、この焦点Fが連続管ガラスG1の円周方向に沿って照射開始位置SPから照射終了位置EPまで移動するように、レーザ光Lを走査する。これにより、図14に示すように、連続管ガラスG1の内部におけるレーザ光Lの照射領域には、一又は複数のクラックを含む内部クラック領域C1が形成される。
連続管ガラスG1は、曲げ力が付与された状態で搬送されている。このため、内部クラック領域C1に含まれるクラックは、連続管ガラスG1に付与される応力によって、連続管ガラスG1の円周方向に進展する。図14において、クラックが進展する領域を「クラック進展領域」といい、符号C2a,C2bで示す。クラック進展領域C2a,C2bは、照射開始位置SP側から進展する第一クラック進展領域C2aと、照射終了位置EP側から進展する第二クラック進展領域C2bとからなる。
図14に示すように、第一クラック進展領域C2aと、第二クラック進展領域C2bとが、半径方向において内部クラック領域C1とは反対の合流位置CPに到達することで、連続管ガラスG1が切断される。
特開2013−159532号公報 特開2013−129546号公報 特開2017−7926号公報
特許文献3に開示される切断方法では、連続管ガラスG1の内部においてレーザ光Lを照射開始位置SPから照射終了位置EPまで一方向に走査する。このため、第一クラック進展領域C2aと、第二クラック進展領域C2bとの進展度合いが異なり(第一クラック進展領域C2aの方が早く進展する)、図15に示すように、照射開始位置SP側から進行する第一クラック進展領域C2aと、照射終了位置EP側から進行する第二クラック進展領域C2bとが合流位置CPにおいて一致しない場合があった。したがって、この方法では、連続管ガラスG1の切断面に、各クラック進展領域C2a,C2bの不一致による凹凸(段差)が生じることとなり、製造される管ガラスの端面品位の低下を招くおそれがあった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、切断工程における管ガラスの切断面の品位を向上させることを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、切断工程を備える、管ガラスの製造方法において、前記切断工程は、前記管ガラスの内部に焦点を合わせてレーザ光を照射開始位置から走査し、多光子吸収によるクラックを形成するレーザ照射工程と、前記クラックが前記管ガラスの円周方向に進展するように前記管ガラスに応力を付与する応力付与工程と、を備え、前記レーザ光は、第一レーザ光と、第二レーザ光とを含み、前記レーザ照射工程では、前記第一レーザ光と前記第二レーザ光とを前記照射開始位置から相互に離れるように走査することにより、前記第一レーザ光により形成される前記クラックと、前記第二レーザ光により形成される前記クラックとを、前記管ガラスの円周方向において相反する方向に進展させることを特徴とする。
このように、本方法では、レーザ照射工程において、第一レーザ光と第二レーザ光とを相互に離れる二方向に走査する。これにより、第一レーザ光の照射終了位置側から進展するクラックと、第二レーザ光の照射終了位置側から進展するクラックとの進展度合いが均等となる。その結果、管ガラスの長手方向における位置ずれを生じさせることなく、合流位置で一致させることができる。したがって、クラックの不一致による切断不良の発生を抑制し、管ガラスの切断面を高品位にできる。
上記の製造方法において、前記レーザ照射工程では、前記第一レーザ光の前記焦点と前記第二レーザ光の前記焦点とが前記照射開始位置で重なることが望ましい。また、前記レーザ照射工程では、前記第一レーザ光と前記第二レーザ光とを、前記管ガラスの中心軸線に対して対称となるように走査することが望ましい。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、端面にレーザ照射痕を有する管ガラスであって、前記レーザ照射痕の最大幅が10μm以上150μm以下であることを特徴とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、端面にレーザ照射痕を有する管ガラスであって、前記レーザ照射痕の最大深さが50μm以上500μm以下であることを特徴とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、端面にレーザ切断面を有する管ガラスであって、前記切断面の最大段差が500μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、切断工程における管ガラスの切断面の品位を向上させることが可能になる。
製造装置の側面図である。 切断装置の側面図である。 内部クラック領域形成装置の正面図である。 レーザ光の照射態様を示す連続管ガラスの斜視図である。 レーザ光の照射態様を示す連続管ガラスの平面図である。 照射開始位置からのレーザ光の走査態様を示す連続管ガラスの断面図である。 照射終了位置までレーザ光を照射した場合における連続管ガラスの断面図である。 クラックが進展する過程を示す連続管ガラスの断面図である。 クラックが進展する過程を示す連続管ガラスの断面図である。 図9のX−X線断面図である。 切断工程終了時における連続管ガラスの断面図である。 管ガラスの製造方法に係る他の例を示す連続管ガラスの断面図である。 管ガラスの従来の製造方法を示す連続管ガラスの斜視図である。 管ガラスの従来の製造方法を示す連続管ガラスの断面図である。 図14のXV−XV線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図11は、本発明に係る管ガラスの製造方法及び製造装置の一実施形態を示す。
図1に示すように、製造装置1は、ダンナー法によって連続管ガラスG1を成形し、この連続管ガラスG1を切断して所定長さの管ガラスG2を製造する。
製造装置1は、ガラス溶融炉2と、スリーブ3と、スリーブ3を回転駆動する駆動装置4と、スリーブ3を収容するマッフル炉5と、アニーラ6と、連続管ガラスG1を管引き成形する管引き装置7と、連続管ガラスG1を切断する切断装置8と、連続管ガラスG1を切断して得た管ガラスG2を搬送する搬送装置9とを主に備える。
なお、本実施形態において、XYZ座標系は固定側の座標系であり、本実施形態では、X軸及びY軸を含む平面を水平面、Z軸に沿った方向を鉛直方向(Z軸の正の側を天、負の側を地)としている。また、xyz座標系は移動側の座標系(連続管ガラスG1上の座標系)であり、固定側のXYZ座標系と同じく、x軸及びy軸を含む平面を水平面、z軸に沿った方向を鉛直方向としている。
ガラス溶融炉2は、ガラス原料を溶融して溶融ガラスMを生成する。ガラス溶融炉2は、溶融ガラスMを、マッフル炉5内のスリーブ3の上部に供給する。
スリーブ3は耐火物により円筒状に形成される。スリーブ3は部分的にテーパ状をなし、テーパ状部分の小径側端部3aが斜め下方に向くように配置されている。スリーブ3は、シャフト10を介して駆動装置4と連結されている。駆動装置4は、スリーブ3を回転駆動することで、当該スリーブ3上に供給された溶融ガラスMを円筒状に巻回して、小径側端部3aの側から管状に引出し成形する。
マッフル炉5は、ガラス溶融炉2の下方に配置される。マッフル炉5は耐火物により構成される。そして、スリーブ3は、マッフル炉5内に収容される。アニーラ6は、マッフル炉5の下流側に配置される。アニーラ6は、管状に引出し成形された溶融ガラスMを徐冷する。管状に成形された溶融ガラスMは、アニーラ6を通過することにより、連続管ガラスG1となる。
管引き装置7は、アニーラ6の下流側に配置される。管引き装置7は、アニーラ6を通過した連続管ガラスG1を一定の速度で牽引し、切断装置8に向けて搬送する。管引き装置7は、図示しない一対の搬送ベルトで連続管ガラスG1の上部と下部とを挟持しつつ下流方向へ牽引して管引きすることで、所定の外径寸法に整えられた連続管ガラスG1を切断装置8に供給する。
切断装置8は、連続管ガラスG1を切断して、所定の長さ寸法を有する管ガラスG2を形成する。なお、本実施形態における管ガラスG2の厚みは、例えば0.5〜2.0mmとされるが、この範囲に限定されるものではない。
図2に示すように、切断装置8は、内部クラック領域形成装置11と、クラック進展装置12とを備える。内部クラック領域形成装置11は、連続管ガラスG1の円周方向の一部に、後述する図6に示すような一又は複数のクラックを含む内部クラック領域C1a,C1bを形成する。クラック進展装置12は、内部クラック領域C1a,C1b中のクラックが進展するのを助長する応力を連続管ガラスG1に発生させて、当該クラックを連続管ガラスG1の全周にわたって進展させる。
図2及び図3に示すように、内部クラック領域形成装置11は、レーザ発振器14と、スプリッタ15と、出力調整部16a,16bと、スキャナ17a,17bとを備える。
レーザ発振器14は、所定のパルス幅を有するレーザ光L(例えばピコ秒パルスレーザ光又はサブピコ秒パルスレーザ光)をスプリッタ15に向かって放射する。本実施形態において、レーザ発振器14は、例えばグリーンレーザ光を放出するが、レーザ光Lの種別はこれに限定されない。
スプリッタ15は、内蔵するミラーにより、レーザ発振器14からのレーザ光Lを、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2に分割する。
出力調整部16a,16bは、第一レーザ光L1の出力を調整する第一出力調整部16aと、第二レーザ光L2の出力を調整する第二出力調整部16bとを含む。各出力調整部16a,16bは、例えばアッテネータ(光減衰器)により構成される。第一出力調整部16aと第二出力調整部16bは、第一レーザ光L1と第二レーザ光L2とが同じ出力条件となるように、スプリッタ15から入射した各レーザ光L1,L2を調整する。
スキャナ17a,17bは、第一レーザ光L1を走査する第一スキャナ17aと、第二レーザ光L2を走査する第二スキャナ17bとを含む。各スキャナ17a,17bは、スプリッタ15及び各出力調整部16a,16bを経由して入射した各レーザ光L1,L2を連続管ガラスG1に対して走査する。各スキャナ17a,17bは、例えばガルバノスキャナにより構成されるが、この構成に限定されるものではない。各スキャナ17a,17bは、例えばボイスコイルモータ(VCM)等のアクチュエータにより、各レーザ光L1,L2を連続管ガラスG1の円周方向に沿って広範囲に走査できる。
図2に示すように、クラック進展装置12は、引張り力付与部18と、曲げ力付与部19とを備える。引張り力付与部18は、連続管ガラスG1の中心軸線X1に沿った向きに引張り力f1を付与する。曲げ力付与部19は、連続管ガラスG1の中心軸線X1が所定の曲率で湾曲するように、連続管ガラスG1に曲げ力f2を付与する。
引張り力付与部18は、把持部20と、スライド駆動部21とを備える。把持部20は、連続管ガラスG1の下流側端部を把持するように構成される。スライド駆動部21は、連続管ガラスG1の中心軸線X1に沿った向きに把持部20を移動させるためのものである。スライド駆動部21は、連続管ガラスG1と同期して把持部20を移動させることができる。
曲げ力付与部19は、連続管ガラスG1の上下方向における上部及び下部を挟持する複数のローラ22を含む。複数のローラ22による連続管ガラスG1の支持(挟持)位置は、連続管ガラスG1の中心軸線X1が下流側に向かうにつれて所定の曲率で湾曲するように設定されている。
支持部13は、連続管ガラスG1の長手方向に沿って所定の間隔で配置される複数のローラ又はローラ対により構成される。支持部13は、アニーラ6から引出された連続管ガラスG1を、搬送方向(X軸方向)の下流側へと案内する。なお、図2では、支持部13の記載を省略している。
搬送装置9は、ベルトコンベア又はローラコンベアにより構成されるが、この構成に限定されるものではない。搬送装置9は、連続管ガラスG1の搬送方向(X軸方向)と交差する方向(例えばY軸方向)に沿って管ガラスG2を搬送する。
以下、上記構成の製造装置1を使用して管ガラスG2を製造する方法について説明する。
まず、図1に示すように、ガラス溶融炉2で生成された溶融ガラスMが、マッフル炉5内の、回転駆動されているスリーブ3上に供給される。溶融ガラスMは、スリーブ3により管状に構成された後、アニーラ6で徐冷され、連続管ガラスG1となってアニーラ6から引出される。連続管ガラスG1は、管引き装置7を経由して切断装置8に送られる。その後、切断装置8により、連続管ガラスG1を切断して管ガラスG2を形成する切断工程が実行される。
切断工程では、連続管ガラスG1に応力を付与する工程(応力付与工程)が実行される。応力付与工程では、まず連続管ガラスG1の下流側端部が所定位置に到達したときに、引張り力付与部18の把持部20は、当該下流側端部を把持する。その後、スライド駆動部21は、連続管ガラスG1の長手方向の下流側に向けて把持部20を移動させる。これにより、連続管ガラスG1には、その中心軸線X1に沿った向きの引張り力f1が付与される(図2参照)。
また、連続管ガラスG1は、把持部20の上流側に位置する複数のローラ22間を通過する。このとき、連続管ガラスG1には、曲げ力f2が付与される。連続管ガラスG1は、各レーザ光L1,L2の照射側(図2における上側)が凸となるように、所定の曲率で湾曲する。以上により、連続管ガラスG1には、引張り応力及び曲げ応力が付与される。
上記のように連続管ガラスG1に各応力が付与された状態で、内部クラック領域形成装置11によるレーザ照射工程が実行される。レーザ照射工程では、スプリッタ15は、レーザ発振器14から放出されたレーザ光Lを、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2に分割する。各レーザ光L1,L2は、各出力調整部25a,25bによって、同一の出力条件(パルス幅、出力)に調整された後、各スキャナ17a,17bに入射する。
各スキャナ17a,17bは、連続管ガラスG1の内部に設定される照射開始位置SPに焦点F1,F2が合うにように、連続管ガラスG1に向かって各レーザ光L1,L2を照射する。図3に示すように、各レーザ光L1,L2の照射開始位置SPは、連続管ガラスG1の中心軸線X1を通る鉛直方向の中心線Z1上に設定される。
各スキャナ17a,17bは、照射開始位置SPにおいて、第一レーザ光L1の焦点F1と、第二レーザ光L2の焦点F2とが一致するか、または各焦点F1,F2の一部同士が重なるように、当該各レーザ光L1,L2を照射する。これに限らず、各焦点F1,F2は、後述する図12に示すように離間した状態で照射され得る。なお、各焦点F1,F2が離間した状態で照射される場合、2点間の距離は小さい方が好ましく、管ガラスG2の全周の長さに対して10%以下であることが好ましい。
各スキャナ17a,17bは、連続管ガラスG1の内部において、照射開始位置SPから円周方向に離れた位置に設定される照射終了位置EPに向かって各レーザ光L1,L2を走査する。すなわち、図3において、第一スキャナ17aは、照射開始位置SPから反時計回りに沿って第一レーザ光L1を走査し、第二スキャナ17bは、照射開始位置SPから時計回りに沿って第二レーザ光L2を走査する。なお、照射開始位置SPが、後述する図12に示すように離間した状態である場合、第一レーザ光L1は、第二レーザ光L2の照射開始位置SPから円周方向に離れた位置に設定される照射終了位置EPに向かって(反時計回りに沿って)走査され、第二レーザ光L2は、第一レーザ光L1の照射開始位置SPから円周方向に離れた位置に設定される照射終了位置EPに向かって(時計回りに沿って)走査される。
図4は、移動する連続管ガラスG1を基準とする座標系(同図に示すxyz座標系)で見た場合における各レーザ光L1,L2の走査軌跡を示す。各スキャナ17a,17bは、連続管ガラスG1の中心軸線X1に直交する仮想断面X2に焦点F1,F2が含まれるように、連続管ガラスG1の円周方向に沿って各レーザ光L1,L2を走査できる。
内部クラック領域形成装置11は、第一スキャナ17aによって第一レーザ光L1の焦点F1を照射開始位置SPから照射終了位置EPへと移動させるとともに、第二スキャナ17bによって第二レーザ光L2の焦点F2を照射開始位置SPから照射終了位置EPへと移動させる。このとき、各スキャナ17a,17bは、第一レーザ光L1の焦点F1と、第二レーザ光L2の焦点F2とを、連続管ガラスG1の円周方向において逆方向に移動させる。
図5は、固定側を基準とするXYZ座標系で見た場合における各レーザ光L1,L2の走査軌跡を示す平面図である。同図に示すように、中心軸線X1に沿った搬送方向に沿って、連続管ガラスG1が所定距離dだけ移動する間に、第一レーザ光L1は、中心軸線X1に対して角度θ1をなす方向に沿って照射開始位置SPから照射終了位置EPへと走査される。
一方、第二レーザ光L2の走査方向は、中心軸線X1に対して第一レーザ光L1の走査方向と対称となるように設定される。すなわち、第二レーザ光L2は、中心軸線X1に対して角度θ2をなす方向に沿って照射開始位置SPから照射終了位置EPへと走査される。第二レーザ光L2の角度θ2は、第一レーザ光L1の角度θ1と等しく設定される。また、第一レーザ光L1の走査速度と、第二レーザ光L2の走査速度についても等しく設定される。このように、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2が中心軸線X1に対してそれぞれ角度θ1、角度θ2をなすように走査されることで、図4に示す仮想断面X2に、各焦点F1,F2が含まれる。
各レーザ光L1,L2を照射した領域には、多光子吸収により、一又は複数のクラックが含まれる内部クラック領域C1a,C1bが形成される。以下、第一レーザ光L1により形成される内部クラック領域C1aを「第一内部クラック領域」といい、第二レーザ光L2により形成される内部クラック領域C1bを「第二内部クラック領域」という。
図6に示すように、第一内部クラック領域C1aと第二内部クラック領域C1bは、連続管ガラスG1の円周方向において、照射開始位置SPから相反する方向(逆向き)に進行する。
図7に示すように、各焦点F1,F2が照射終了位置EPまで移動すると、内部クラック領域形成装置11は、各レーザ光L1,L2の照射を終了する。これにより、連続管ガラスG1の内部には、所定長さを有する帯状の第一内部クラック領域C1a及び第二内部クラック領域C1bが一体的に形成される。この場合において、第一内部クラック領域C1aの長さは、第二内部クラック領域C1bの長さと等しくなる。なお、本明細書において、一体的に形成されたクラック領域の符号もC1と記載する場合がある。
さらに、切断工程では、連続管ガラスG1の内部に作用する応力の作用により、内部クラック領域C1a,C1b中のクラックが円周方向に進展する。以下、第一内部クラック領域C1aから進展するクラックの領域C2aを「第一クラック進展領域」といい、第二内部クラック領域C1bから進展するクラックの領域C2bを「第二クラック進展領域」という。
図8に示すように、各クラック進展領域C2a,C2bは、各内部クラック領域C1a,C1bの終端部(照射終了位置EPに相当する位置)から互いに遠ざかる向きに拡大を開始する。図9に示すように、各クラック進展領域C2a,C2bは、その後も円周方向に沿って同じ速度で拡大し続ける。最終的に、各クラック進展領域C2a,C2bは、所定の合流位置CP(中心線Z1上であって照射開始位置SPとは半径方向において反対の位置)に、同時に到達する。このとき、図10に示すように、合流位置CPにおいて、第一クラック進展領域C2aと、第二クラック進展領域C2bとは、連続管ガラスG1の長手方向における位置ずれを生じることなく、一致する。
図11に示すように、第一クラック進展領域C2aと第二クラック進展領域C2bとが繋がり、連結クラックC2となると、連続管ガラスG1が切断される。この切断により、所定長さを有する管ガラスG2が形成される。製造された管ガラスG2は、搬送装置9によって所定の方向に順次搬送される(搬送工程)。
以上説明した本実施形態に係る管ガラスG2の製造方法によれば、レーザ照射工程において、第一レーザ光L1と第二レーザ光L2とを相互に離れる二方向に対称的に走査することで、第一クラック進展領域C2aと、第二クラック進展領域C2bとを、合流位置CPで、位置ずれを生ずることなく一致させることができる。これにより、切断後の管ガラスG2の端面を高品位にできる。具体的には、管ガラスG2の端面の最大凹凸(最大段差)を、500μm以下にすることができる。
また、製造された管ガラスG2の端面には、レーザ照射工程において照射開始位置SPに各レーザ光L1,L2の焦点F1,F2が重なるように照射されたことによって、レーザ照射痕IM(図11参照)が残存することとなる。
レーザ照射痕IMの最大幅は、10μm以上150μm以下であることが好ましく、より好ましくは、30μm以上100μm以下である。また、レーザ照射痕IMの最大深さは、50μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは、50μm以上300μm以下である。上記の幅、及び深さであれば、レーザ照射痕以外の部分(クラック進展領域等)における切断面もきれいになる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、照射開始位置SPにおいて、各焦点F1,F2が少なくとも重なるように各レーザ光L1,L2を照射する例を示したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば図12に示すように、第一レーザ光L1の照射開始位置SPと、第二レーザ光L2の照射開始位置SPとを離間させて設定してもよい。この場合において、中心線Z1から第一レーザ光L1の照射開始位置SPまでの距離と、中心線Z1から第二レーザ光L2の照射開始位置SPまでの距離とが、相等しく設定されることが望ましい。
上記の実施形態では、連続管ガラスG1を切断して管ガラスG2を製造する方法を例示したが、これに限らず、本発明は、所定の長さの管ガラスを切断して、複数の管ガラスを製造する場合にも適用できる。
F1 焦点
F2 焦点
G1 連続管ガラス
G2 管ガラス
IM レーザ照射痕
L1 第一レーザ光
L2 第二レーザ光
X1 連続管ガラスの中心線
SP 照射開始位置
EP 照射終了位置

Claims (6)

  1. 切断工程を備える、管ガラスの製造方法において、
    前記切断工程は、前記管ガラスの内部に焦点を合わせてレーザ光を照射開始位置から走査し、多光子吸収によるクラックを形成するレーザ照射工程と、前記クラックが前記管ガラスの円周方向に進展するように前記管ガラスに応力を付与する応力付与工程と、を備え、
    前記レーザ光は、第一レーザ光と、第二レーザ光とを含み、
    前記レーザ照射工程では、前記第一レーザ光と前記第二レーザ光とを前記照射開始位置から相互に離れるように走査することにより、前記第一レーザ光により形成される前記クラックと、前記第二レーザ光により形成される前記クラックとを、前記管ガラスの円周方向において相反する方向に進展させることを特徴とする管ガラスの製造方法。
  2. 前記レーザ照射工程では、前記第一レーザ光の前記焦点と前記第二レーザ光の前記焦点とが前記照射開始位置で重なる請求項1に記載の管ガラスの製造方法。
  3. 前記レーザ照射工程では、前記第一レーザ光と前記第二レーザ光とを、前記管ガラスの中心軸線に対して対称となるように走査する請求項1又は2に記載の管ガラスの製造方法。
  4. 端面にレーザ照射痕を有する管ガラスであって、
    前記レーザ照射痕の最大幅が10μm以上150μm以下であることを特徴とする管ガラス。
  5. 端面にレーザ照射痕を有する管ガラスであって、
    前記レーザ照射痕の最大深さが50μm以上500μm以下であることを特徴とする管ガラス。
  6. 端面にレーザ切断面を有する管ガラスであって、
    前記切断面の最大段差が500μm以下であることを特徴とする管ガラス。
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