JP6756218B2 - 印刷装置、及び印刷装置の制御方法 - Google Patents

印刷装置、及び印刷装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、及び印刷装置の制御方法に関する。
従来、印刷装置(プリンター)に関し、設定項目に設定された設定値を記憶し、記憶した設定値を表示等の手段により出力するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、この種の印刷装置では、設定項目に関する情報を印刷し、ユーザーが、印刷された設定項目に関する情報に基づいて、設定項目への設定値の設定を行えるようにしたものがある。
特開2002−175194号公報
上述した印刷装置にように、設定項目への設定値の設定に際して、設定項目に関する情報を印刷する印刷装置では、適切な情報を付加して印刷することによって、ユーザーが的確に設定を行えるようにしたいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、設定項目に関する情報を印刷する印刷装置について、設定項目に関する情報を印刷する際に、適切な情報を付加して印刷できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、印刷媒体に印刷する印刷部と、入力を受け付ける入力部と、設定項目について、現時点で設定されている現在設定値、第1タイミングで設定された第1設定値、及び、前記第1タイミングよりも前の第2タイミングで設定された第2設定値を記憶可能な記憶部と、設定値を設定する対象の1の設定項目に設定可能な設定値を前記印刷媒体に印刷し、前記入力部への入力に基づいて当該1の設定項目に設定値を設定する設定モードのとき、当該1の設定項目の前記第1設定値が前記記憶部に記憶されている場合は、前記印刷媒体に印刷する設定値のうち、当該1の設定項目の前記第1設定値に対応する設定値と対応付けて第1の画像を前記印刷部に印刷させ、当該1の設定項目の前記第1設定値が前記記憶部に記憶されてない場合は、前記印刷媒体に印刷する設定値のうち、当該1の設定項目の前記第2設定値に対応する設定値と対応付けて前記第1の画像を前記印刷部に印刷させる制御部と、を備える。
本発明の構成によれば、ユーザーは、印刷媒体に印刷された第1の画像に基づいて、設定項目に設定可能な設定値のうち、第1設定値が記憶部に記憶されている場合は、第1設定値を、第1設定値が記憶部に記憶されていない場合(第1設定値がヌル値(null値、空値)である場合を含む。)は、第2設定値を認識できる。ユーザーは、当該認識に基づいて、設定項目に設定する設定値を的確に選択し、選択した設定値を設定項目に設定できる。すなわち、上記構成によれば、印刷装置は、印刷媒体に設定に関する適切な情報を付加して印刷し、これにより、ユーザーは、的確に設定を行える。
また、本発明は、前記制御部は、前記設定モードのとき、設定値を設定する対象の1の設定項目に設定可能な設定値として前記印刷媒体に印刷する設定値のうち、前記現在設定値に対応する設定値と対応付けて前記第1の画像とは異なる第2の画像を印刷する。
本発明の構成によれば、ユーザーは、印刷媒体に印刷された第2の画像に基づいて、設定項目に設定可能な設定値のうち、現在設定値を認識でき、当該認識に基づいて、的確に設定を行うことができる。
また、本発明は、前記第1設定値は製造後の使用態様に応じて設定され、前記第2設定値は製造時に設定される。
本発明の構成によれば、印刷媒体への設定に関する画像の印刷に際し、設定項目に設定可能な設定値のうち、製造時に設定された初期値よりも、使用態様に応じて設定された第1設定値に対して、優先的に、第1の画像を付加できる。
また、本発明は、外部の装置と通信する通信部を備え、前記制御部は、前記通信部で、設定項目について、前記現在設定値を、前記第1設定値として記憶することを指示する制御コマンドを受信した場合、受信した前記制御コマンドに基づいて、設定項目の前記現在設定値を、前記第1設定値として前記記憶部に記憶させる。
本発明の構成によれば、外部の装置から制御コマンドを印刷装置に送信することにより、現在設定値を、第1設定値として記憶部に記憶させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明は、印刷媒体に印刷する印刷部と、入力を受け付ける入力部と、設定項目について、現時点で設定されている現在設定値、第1タイミングで設定された第1設定値、及び、前記第1タイミングよりも前の第2タイミングで設定された第2設定値を記憶可能な記憶部と、を備える印刷装置の制御方法であって、設定値を設定する対象の1の設定項目に設定可能な設定値を前記印刷媒体に印刷し、前記入力部への入力に基づいて当該1の設定項目に設定値を設定する設定モードのとき、当該1の設定項目の前記第1設定値が前記記憶部に記憶されている場合は、前記印刷媒体に印刷する設定値のうち、当該1の設定項目の前記第1設定値に対応する設定値と対応付けて第1の画像を前記印刷部に印刷させ、当該1の設定項目の前記第1設定値が前記記憶部に記憶されてない場合は、前記印刷媒体に印刷する設定値のうち、当該1の設定項目の前記第2設定値に対応する設定値と対応付けて前記第1の画像を前記印刷部に印刷させる。
本発明の構成によれば、ユーザーは、印刷媒体に印刷された第1の画像に基づいて、設定項目に設定可能な設定値のうち、第1設定値が記憶部に記憶されている場合は、第1設定値を、第1設定値が記憶部に記憶されていない場合は、第2設定値を認識できる。ユーザーは、当該認識に基づいて、設定項目に設定する設定値を的確に選択し、選択した設定値を設定項目に設定できる。すなわち、上記構成によれば、印刷装置は、印刷媒体に設定に関する適切な情報を付加して印刷し、これにより、ユーザーは、的確に設定を行える。
本実施形態に係る印刷装置の外観斜視図である。 印刷システムの機能的構成を示すブロック図。 ホストコンピューター、印刷装置の動作を示すフローチャート。 印刷装置が製造された後の流れを示す図。 印刷装置の動作を示すフローチャート。 印刷装置の動作を示すフローチャート。 設定関連画像を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置1の外観斜視図である。
印刷装置1は、筐体10にロール紙R(印刷媒体)を収容し、ライン型のサーマルヘッド(不図示)によってロール紙Rに画像を印刷するラインサーマルプリンターである。
図1に示すように、筐体10の上面10aには、開閉可能なカバー12が設けられる。カバー12は、上面10aに設けられた押下式のレバー13を押し下げることによって、開状態となる。カバー12が開状態となると、筐体10内においてロール紙Rを収容する収容部が露出し、ロール紙Rの補充、交換を行える。
印刷装置1の筐体10の上面10aには、印刷後のロール紙Rを排出する排紙口14が設けられる。排紙口14に対応する位置には、ロール紙Rをカットするカット刃15が設けられる。
印刷装置1の筐体10の上面10aには、パネル18が設けられる。パネル18には、押下式のスイッチである操作スイッチ17、及び、印刷装置1の状態等を表示する複数のLED19が設けられる。
印刷装置1の筐体10の前面10bには、印刷装置1の電源をオン/オフする電源スイッチ16が設けられる。
以上のように、本実施形態に係る印刷装置1の筐体10には、ユーザーがカバー12を開状態とすることなく操作可能なスイッチとして、電源スイッチ16、及び、操作スイッチ17が設けられる一方、他のスイッチは設けられない。また、印刷装置1は、液晶表示パネルや、有機ELパネル等の、情報を表示可能な表示パネルを備えていない。これにより、筐体10の小型化が図られている。
図2は、本実施形態に係る印刷システム2の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、印刷システム2は、ホストコンピューター3と、印刷装置1とを備え、ホストコンピューター3の制御で、印刷装置1が印刷を実行するシステムである。印刷システム2は、例えば、スーパーマーケットや、コンビニエンスストア、飲食店等の店舗のレジカウンターに設けられ、レジカウンターで行われる会計に応じて、レシートを発行する。
図2に示すように、印刷装置1は、制御部20(制御部)と、記憶部21(記憶部)と、通信部22(通信部)と、印刷部23と、入力部24とを備える。これらは印刷装置1の内部の基板に実装されている。
制御部20は、CPUや、不揮発性メモリーであるフラッシュROM等のROM、揮発性メモリーであるRAM、ASIC、信号処理回路等を備え、印刷装置1の各部を制御する。制御部20は、例えばCPUが、ROM、RAM等の記憶部21に記憶されたファームウェア等のプログラムを読み出して処理を実行し、また例えばASICに実装された機能により処理を実行し、また例えば信号処理回路で信号処理を行って処理を実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協業により処理を実行する。
記憶部21は、各種データを記憶する。例えばCPUが、ROMに記憶された各種データを読み出してRAMに書込み、RAMを使用して演算等を行う。記憶部21は、現在設定ファイルSFG、第1設定ファイルSF1、及び、第2設定ファイルSF2を記憶する。以下、現在設定ファイルSFG、第1設定ファイルSF1、及び、第2設定ファイルSF2を区別しない場合、「設定ファイル」という。現在設定ファイルSFG、第1設定ファイルSF1、及び、第2設定ファイルSF2については、後述する。
通信部22は、ホストコンピューター3に接続され、制御部20の制御で、ホストコンピューター3と所定の通信規格に従って通信する。ホストコンピューター3と印刷装置1との間での通信に用いられる通信規格は、有線通信に係る規格であっても、無線通信に係る規格であってもよい。有線通信に係る規格は、例えば、USBや、RS232C等のUSB以外のシリアル通信規格、IEEE1284等のパラレル通信規格、イーサネット(登録商標)である。また、無線通信に係る規格は、例えば、Wi−Fi(登録商標)等の無線LANに係る通信規格、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に係る規格である。
印刷部23は、印刷機構、搬送機構、及び切断機構を少なくとも有する。印刷機構は、サーマルヘッド、その他の印刷に関する要素を備える。搬送機構は、印刷装置1に収容されたロール紙Rを所定方向に搬送する搬送ローラー、その他のロール紙の搬送に関する要素を備える。切断機構は、ロール紙Rを切断するカット刃15(図1参照。)、その他のロール紙の切断に関する要素を備える。印刷部23は、制御部20の制御で、搬送機構によりロール紙Rを所定の方向に搬送し、印刷機構によりロール紙Rに画像を印刷し、切断機構によりロール紙Rを所定の位置で切断することによって、画像が印刷された紙片を発行できる。
入力部24は、電源スイッチ16、及び、操作スイッチ17、カバースイッチ(不図示)を備え、これらスイッチに対する操作を検出し、制御部20に出力する。制御部20は、入力部24からの入力に基づいて、スイッチに対する操作に対応する処理を実行する。
ホストコンピューター3は、印刷装置1を制御するコンピューターである。ホストコンピューター3には、所定のアプリケーション、及び、印刷装置1に対応するプリンタードライバーがインストールされ、所定のアプリケーション、プリンタードライバー、その他の付随するプログラムの機能により、印刷装置1を制御する。
次に、ホストコンピューター3の制御で印刷装置1が印刷を実行するときの、ホストコンピューター3、及び、印刷装置1の動作について説明する。
以下では、印刷システム2がレジカウンターに設けられ、レジカウンターにおける会計に応じてレシートを発行する場合を例にして、ホストコンピューター3、及び、印刷装置1の動作について説明する。
図3は、レシートを発行するときのホストコンピューター3、及び、印刷装置1の動作を示すフローチャートである。図3において、フローチャートFAはホストコンピューター3の動作を示すフローチャートであり、フローチャートFBは印刷装置1の動作を示すフローチャートである。
図3のフローチャートFAに示すように、ホストコンピューター3は、所定のアプリケーション、及び、プリンタードライバーの機能により、制御データを生成する(ステップSA1)。制御データは、レシートの発行を指示するデータであり、印刷装置1にレシートの発行に必要な処理を実行させる複数の制御コマンドを含んで構成される。
次いで、ホストコンピューター3は、ステップSA1で生成した制御データを、印刷装置1に送信する(ステップSA2)。
図3のフローチャートFBに示すように、印刷装置1の制御部20は、通信部22を制御して、制御データを受信する(ステップSB1)。受信した制御データに含まれる制御コマンドのそれぞれは、記憶部21に構成される図示しない受信バッファーに順番に格納される。
次いで、制御部20は、現在設定ファイルSFGを参照する(ステップSB2)。
現在設定ファイルSFGは、複数の設定項目について、設定項目を識別する識別情報(以下、「設定項目識別情報」という。)と、設定項目に設定された設定値とが対応付けて記述されたファイルである。設定項目は、印刷装置1が行う印刷に関する設定や、印刷装置1が行う通信に関する設定等の印刷装置1に関する設定ごとに定義された項目である。設定項目ごとに、設定値が対応付けられる。
本実施形態では、印刷に関する設定項目として、少なくとも、印刷速度に関する設定項目(以下、「印刷速度設定項目」という。)がある。また本実施形態において、印刷速度設定項目に設定可能な設定値として、「高速」、「中速」、及び「低速」がある。印刷に関する設定項目は、印刷速度に関する設定項目のほか、例えば、フォントに関する設定項目や、印刷濃度に関する設定項目、余白に関する設定項目等を含んでもよい。また、通信に関する設定項目として、例えば、通信に使用する通信規格に関する設定項目がある。
現在設定ファイルSFGは、印刷装置1が処理を実行する際に実際に取得して使用する設定項目の設定値が記憶されている点で、後述する第1設定ファイルSF1、及び、第2設定ファイルSF2と異なる。すなわち、制御部20は、各種処理を実行する場合、後述する第1設定ファイルSF1、及び、第2設定ファイルSF2ではなく、現在設定ファイルSFGを参照して使用する。
以下、現在設定ファイルSFGに記述された設定値を、適宜、「現在設定値」という。
ステップSB2で現在設定ファイルSFGを参照した後、制御部20は、印刷に関する設定項目の設定値を取得する(ステップSB3)。ステップSB3において、制御部20は、少なくとも印刷速度設定項目の設定値を取得する。
次いで、制御部20は、ステップSB3で取得した設定値を反映して(用いて)、印刷部23を制御して、レシートを発行する(ステップSB4)。ステップSB4において、制御部20は、受信バッファーに格納された制御コマンドを、順次、読み出して実行することによって以下の処理を実行する。すなわち、制御部20は、搬送機構を制御してロール紙Rを、適宜、所定の方向に搬送すると共に、印刷機構を制御してロール紙Rに会計に関する情報に対応する画像を印刷し、切断機構を制御してロール紙Rを所定の位置で切断することによって、レシートを発行する。レシートの発行に関する各種処理を実行する際、制御部20は、ステップSB3で取得した設定値を反映した処理を実行する。各種処理の実行に際し、制御部20は、関連する設定項目の設定値を反映して、処理を実行する。例えば、印刷速度設定項目の設定値が、設定値「高速」である場合、制御部20は、設定値「高速」に対応する速度で搬送機構と印刷機構を制御して、印刷に関連する処理を実行する。
次に、印刷装置1が製造されてから、ユーザーの元に届いて使用されるまでの基本的な流れについて、第1設定ファイルSF1、及び、第2設定ファイルSF2と併せて説明する。
図4は、印刷装置1が製造されてから、ユーザーの元に届いて使用されるまでの基本的な流れの説明に利用する図である。
<製造段階>
製造段階において、印刷装置1は、所定の工場で製造される。当該所定の工場において、印刷装置1は、モデルごとに、共通する仕様の装置が量産される。後述するように、当該所定の工場で製造された印刷装置1は、仕向地ごとにグルーピングされ、各仕向地に出荷される。
製造段階では、所定のタイミングで、第2設定ファイルSF2の記憶部21への記憶が行われる。第2設定ファイルSF2は、現在設定ファイルSFGと同様、設定項目のそれぞれについて、設定項目識別情報と、設定値とが対応付けて記述されたファイルである。設定項目のそれぞれについて、第2設定ファイルSF2に記述される設定値は、印刷装置1が同一のモデルであれば、印刷装置1の仕向地や客先の仕様等にかかわらず、同一の値とされる。つまり、同一のモデルの印刷装置1の第2設定ファイルSF2の内容は、仕向地や客先の仕様等にかかわらず、同一である。また、第2設定ファイルSF2に記述される設定値は、所定の例外を除き、基本的には、ヌル値ではなく、印刷装置1の動作等を規定する具体的な値である。、印刷装置1は、第2設定ファイルSF2に記述される設定値を用いて、印刷等の一連の動作が可能となる。
なお、記憶部21のROM等のメモリーは製造時に所定の形式でフォーマットされ、記憶されるデータはヌル値となる。ヌル値は、1ビットの場合0か1のいずれかであり、複数ビットの場合0の連続した値か1の連続した値のいずれかとなる。フォーマット後、記憶部21に何らかのデータの書込みがされていない場合、値はヌル値のままとなる。
以上、第2設定ファイルSF2に記述された設定値を、適宜、「デフォルト値」という。すなわち、デフォルト値は、印刷装置1の製造時に、設定項目に設定される設定値である。デフォルト値は、「第2設定値」に相当する。
例えば、第2設定ファイルSF2の記憶部21への記憶は、以下のようにして行われる。すなわち、第2設定ファイルSF2の記憶部21への記憶に際し、制御部20や記憶部21を搭載した基板を組み込んだ印刷装置1が、所定の装置に接続される。印刷装置1の制御部20は、当該所定の装置から、第2設定ファイルSF2を含み、第2設定ファイルSF2の記憶部21への記憶を指示する制御コマンドを受信する。印刷装置1の制御部20は、受信した制御コマンドに基づいて、第2設定ファイルSF2を記憶部21に記憶する。
また例えば、第2設定ファイルSF2の記憶部21への記憶は、以下のようにして行われる。すなわち、所定の手段により、各設定項目の設定値が記述された現在設定ファイルSFGが記憶部21に記憶される。次いで、所定の手段により、記憶部21に記憶された現在設定ファイルSFGが複製されることによって、第2設定ファイルSF2が記憶部21に記憶される。
製造段階において、第2設定ファイルSF2を記憶部21に記憶する方法は、例示した方法に限らず、どのような方法であってもよい。
例えば、ROMライター等の書込み装置を用いて、基板に実装する前の記憶部21のROM等に直接、または基板に実装後の記憶部21に配線を経由して書き込むようにしてもよい。
製造段階において、第2設定ファイルSF2が記憶部21に記憶されるタイミングは、「第2タイミング」に相当する。
<仕向地出荷段階>
仕向地出荷段階において、所定の工場で製造された印刷装置1は、対応する仕向地や、特定の仕様を要求する客先にも出荷される。同一のモデルの印刷装置1であっても、仕向地(以下、客先も含む)が異なる場合があり、設定値(仕様)が異なる。
仕向地出荷段階では、所定のタイミングで、第1設定ファイルSF1の記憶部21への記憶が行われる。第1設定ファイルSF1は、現在設定ファイルSFGと同様、設定項目のそれぞれについて、設定項目識別情報と、設定値とが対応付けて記述されたファイルである。
設定項目のそれぞれについて、第1設定ファイルSF1に記述される設定値は、仕向地に応じた値とされる。従って、1の設定項目について、第1設定ファイルSF1に記述される設定値は、仕向地によって異なる場合がある。
後述するように、第1設定ファイルSF1に記述された設定値は、後述する設定ファイル初期化処理において、現在設定ファイルSFGに記述された設定値を初期化する際に用いられる。
ここで、仕向地によって、想定される印刷装置1の使用態様は異なる。このため、1の設定項目について、適切な設定値が仕向地によって異なる場合がある。例えば、第1の仕向地と、第2の仕向地とが存在する場合において、印刷速度設定項目の設定値として、第1の仕向地では、設定値「高速」が適切である一方、第2の仕向地では、設定値「低速」が適切な場合がある。客先により好みの印刷濃度に設定する場合もある。また、記憶部21に各種フォントデータを記憶しており、仕向地によりどのフォントデータを使用するかを設定する。例えば、仕向地により「英語」「フランス語」「ドイツ語」等の言語のいずれかの設定をし、対応するフォントデータを使用できるようにする。また、「¥(円)」「$(ドル)」などの通貨を示すフォントデータを仕向地により設定する。
以上、第1設定ファイルSF1に記述された設定値であって、その値がヌル値ではないものを、適宜、「初期設定値」という。初期設定値は、「第1設定値」に相当する。
第2設定ファイルSF2の記憶部21への記憶は、例えば、第1設定ファイルSF1を記憶部21へ記憶する方法として例示した方法で実行される。ただし、仕向地出荷段階において、第1設定ファイルSF1を記憶部21に記憶する方法は、どのような方法であってもよい。
仕向地出荷段階において、第1設定ファイルSF1が記憶部21に記憶されるタイミングは、「第1タイミング」に相当する。なお、第1設定ファイルSF1が後述する方法で更新されるタイミングも「第1タイミング」に相当する。
第1設定ファイルSF1の記憶部21への記憶は、印刷装置1が製造される工場でおこなわれてもよい。他の場所、例えば、現地でカスタマイズするように仕向地や物流センター、営業所で行われてもよい。
なお、第1設定ファイルSF1に記述される設定値は、設定がされていない部分はヌル値となっている場合がある。
<使用段階>
使用段階において、仕向地に出荷された印刷装置1は、ユーザーにより所定の場所(例えば、店舗のレジカウンター。)に設けられ、使用される。
ユーザーは、所定の手段で、印刷装置1の使用態様に応じて、現在設定ファイルSFGを更新させる。なお、現在設定ファイルSFGを更新させる方法については、後に説明する。1の設定ファイルを更新するとは、当該1の設定ファイルにおいて、1又は複数の設定項目の設定項目識別情報と対応付けて記述された設定値の内容を変更することをいう。例えば、印刷装置1が店舗のレジカウンターに設けられる場合において、ユーザーは、現場の要望に応じて、印刷速度設定項目の現在設定値を、設定値「低速」から、設定値「高速」に変更する。
また、ユーザーは、後述する設定ファイル初期化処理を印刷装置1に実行させることにより、第1設定ファイルSF1及び第2設定ファイルSF2に基づいて、現在設定ファイルSFGを更新させることができる。
さらに、使用段階において、ユーザーは、所定の手段で、第1設定ファイルSF1を更新させることができる。
ユーザーは、少なくとも以下の方法で、印刷装置1に、第1設定ファイルSF1の内容が現在設定ファイルSFGの内容と同一となるように、現在設定ファイルSFGに基づいて第1設定ファイルSF1を更新し、RAM等に記憶されている現在設定ファイルSFGの内容を第1設定ファイルSF1の内容としてROM等に保存させることができる。1の設定ファイルの内容と、他の設定ファイルの内容とが同一とは、それぞれの設定ファイルにおいて、設定項目ごとの設定値が同一であることを意味する。
すなわち、ユーザーは、印刷装置1のメンテナンス用のソフトウェアツールがインストールされた端末を、印刷装置1に接続する。端末は、ホストコンピューター3であってもよい。ユーザーは、ソフトウェアツールが提供するユーザーインターフェースに必要な情報を入力し、現在設定ファイルSFGに基づく第1設定ファイルSF1の更新を指示する。端末は、ソフトウェアツールの機能により、現在設定ファイルSFGに基づく第1設定ファイルSF1の更新を指示する制御コマンドを生成し、印刷装置1に送信する。現在設定ファイルSFGに基づく第1設定ファイルSF1の更新を指示する制御コマンドは、「設定項目について、現在設定値を、第1設定値として記憶することを指示する制御コマンド」に相当する。
印刷装置1の制御部20は、通信部22を制御して、制御コマンドを受信する。制御部20は、受信した制御コマンドに基づいて、第1設定ファイルSF1の内容が現在設定ファイルSFGの内容と同一となるように、第1設定ファイルSF1を更新する。第1設定ファイルSF1を更新する処理は、「設定項目の現在設定値を、第1設定値として記憶部21に記憶させる」処理に相当する。
後述する設定ファイル初期化処理が印刷装置1により実行された場合、第1設定ファイルSF1及び第2設定ファイルSF2に基づいて現在設定ファイルSFGが更新される。ユーザーは、設定ファイル初期化処理が実行された場合に、当該処理で第1設定ファイルSF1が使用されることを踏まえた適切なタイミングで、現在設定ファイルSFGに基づく第1設定ファイルSF1の更新を実行させる。
次に、設定ファイル初期化処理について説明する。
設定ファイル初期化処理は、第1設定ファイルSF1及び第2設定ファイルSF2に基づいて現在設定ファイルSFGを更新し、現在設定ファイルSFGに記述された設定値を初期化する処理である。
図5のフローチャートFCは、設定ファイル初期化処理を実行するときの印刷装置1の動作を示すフローチャートである。ここでは設定項目毎に順次処理をする例で説明する。
図5のフローチャートFCに示すように、印刷装置1の制御部20は、設定ファイル初期化処理の開始の指示があったか否かを監視する(ステップSC1)。
例えば、ステップSC1において、制御部20は、印刷装置1に接続された外部の装置から、設定ファイル初期化処理の開始を指示する制御コマンドを受信した場合に、設定ファイル初期化処理の開始の指示があったと判別する。外部の装置は、上述したソフトウェアツールがインストールされた端末でもよく、ホストコンピューター3でもよい。
また例えば、ステップSC1において、制御部20は、ユーザーにより、印刷装置1に対して所定の操作があったことを検出した場合に、設定ファイル初期化処理の開始の指示があったと判別する。
設定ファイル初期化処理の開始の指示があった場合(ステップSC1:YES)、制御部20は、現在設定ファイルSFGに設定値が記述された設定項目のうち、ステップSC3以下の処理を実行する対象とする1つの設定項目を決定する(ステップSC2)。以下、ステップSC2で決定した設定項目を「選択設定項目」という。後に明らかとなるとおり、現在設定ファイルSFGに設定値が記述された設定項目について、順次、選択設定項目として決定され、選択設定項目についてステップSC3以下の処理が実行される。
次いで、制御部20は、第1設定ファイルSF1において、選択設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値か否かを判別する(ステップSC3)。上述したように、ヌル値ではない設定値は、初期設定値(第1設定値)である。
第1設定ファイルSF1において選択設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値ではない場合(ステップSC3:NO)、制御部20は、第1設定ファイルSF1において選択設定項目と対応付けて記述された設定値(初期設定値)を取得する(ステップSC4)。
次いで、制御部20は、現在設定ファイルSFGにおいて選択設定項目と対応付けて記述された設定値(現在設定値)を、ステップSC4で取得した初期設定値に基づいて更新し、現在設定値の値を、初期設定値の値とする(ステップSC5)。
ステップSC5の処理は、現在設定値を初期化する処理に相当する。
ステップSC5の処理を実行した後、制御部20は、処理手順をステップSC8へ移行する。
一方、ステップSC3で、第1設定ファイルSF1において選択設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値であると判別した場合(ステップSC3:YES)、制御部20は、第2設定ファイルSF2において選択設定項目と対応付けて記述された設定値(デフォルト値)を取得する(ステップSC6)。
次いで、制御部20は、現在設定ファイルSFGにおいて選択設定項目と対応付けて記述された設定値(現在設定値)を、ステップSC6で取得したデフォルト値に基づいて更新し、現在設定値の値を、デフォルト値の値とする(ステップSC7)。
ステップSC7の処理は、現在設定値を初期化する処理に相当する。
ステップSC7の処理を実行した後、制御部20は、処理手順をステップSC8へ移行する。
ステップSC8において、制御部20は、現在設定ファイルSFGに設定値が記述された設定項目の全てについて、設定値の初期化が完了したか否かを判別する。
全ての設定項目について、設定値の初期化が完了した場合(ステップSC8:YES)、制御部20は、処理を終了する。1つでも設定値の初期化が完了していない設定項目がある場合(ステップSC8:NO)、制御部20は、処理手順をステップSC2へ移行する。
ユーザーは、現在設定ファイルSFGに記述された現在設定値を初期化する必要が生じた場合、また、初期化することを希望する場合に、設定ファイル初期化処理を印刷装置1に実行させる。現在設定値の初期化に際し、ユーザーは、設定項目のそれぞれについて、現在設定ファイルSFGの現在設定値を、個々に、設定する必要が無く、設定ファイル初期化処理を実行させればよい。このため、ユーザーの利便性が高い。設定ファイル初期化処理により、第1設定ファイルSF1に設定された設定値は第2設定ファイルSF2に対して優先して現在設定値に反映し、第1設定ファイルSF1に設定されていない設定値は第2設定ファイルSF2の設定値を現在設定値に反映することができる。
また、第1設定ファイルSF1の設定項目を一括してヌル値か否か判別し、ヌル値に該当する設定項目は第2設定ファイルSF2に対応する設定値(デフォルト値)とし、ヌル値に該当しない設定項目は第1設定ファイルSF1に対応する設定値(初期設定値)として、双方を重ねて現在設定ファイルSFGに設定値(現在設定値)として書き込んで更新してもよい。
さて、上述したように、ユーザーは、印刷装置1に現在設定ファイルSFGを更新させることができる。
以下、ユーザーの指示に応じて現在設定ファイルSFGを更新するときの印刷装置1の動作について説明する。
図6のフローチャートFDは、ユーザーの指示に応じて現在設定ファイルSFGを更新するときの印刷装置1の動作を示すフローチャートである。
図6のフローチャートFDに示すように、印刷装置1の制御部20は、動作モードを設定モードへ移行する指示があったか否かを監視する(ステップSD1)。
ここで、ユーザーは、印刷装置1に対して予め定められた特定の操作を行うことにより、動作モードを設定モードへ移行することを指示できる。特定の操作とは、例えば、操作スイッチ17を押下した状態でカバー12を開閉する操作であり、操作スイッチ17とカバースイッチの入力部24で検出し、結果を制御部20へ出力する。また例えば、操作スイッチ17を、3秒等の短い期間に、複数回(例えば、5回)、押下する操作である。設定モードへの移行を指示する特定の操作は、例示した操作に限らない。
制御部20は、特定の操作が行われることによって、動作モードを設定モードへ移行する指示があったことを検出した場合、動作モードを設定モードへ移行する(ステップSD2)。
設定モードは、予め定められた更新可能な複数の設定項目について、入力部24によるユーザーの指示に基づいて現在設定値を設定する動作モードである。以下で説明するとおり、設定モードにおいて、制御部20は、予め定められた更新可能な複数の設定項目のそれぞれについて、順次、ユーザーの指示に基づいて現在設定値を設定する。
次いで、制御部20は、予め定められた更新可能な複数の設定項目のうち、現在設定値を設定する対象とする設定項目を、1つ、決定する(ステップSD3)。以下、現在設定値を設定する対象とする設定項目として決定された設定項目を「対象設定項目」という。
次いで、制御部20は、対象設定項目に設定可能な設定値を取得する(ステップSD4)。例えば、対象設定項目が、印刷速度設定項目である場合、ステップSD4において、制御部20は、対象設定項目に設定可能な設定値として、設定値「高速」、設定値「中速」、及び設定値「低速」を取得する。
ここで、記憶部21は、設定項目のそれぞれについて、設定項目識別情報と対応付けて、設定項目に設定可能な設定値が記述されたテーブルを記憶する。ステップSD4において、制御部20は、当該テーブルを参照して、対象設定項目に設定可能な設定値を取得する。
次いで、制御部20は、第1設定ファイルSF1において、対象設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値か否かを判別する(ステップSD5)。
第1設定ファイルSF1において対象設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値の状態は、「1の設定項目(対象設定項目)の第1設定値(初期設定値)が記憶部21に記憶されていない」状態に相当する。一方、第1設定ファイルSF1において対象設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値ではない状態は、「1の設定項目(対象設定項目)の第1設定値(初期設定値)が記憶部21に記憶されている」状態に相当する。
第1設定ファイルSF1において、対象設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値の場合(ステップSD5:YES)、制御部20は、第2設定ファイルSF2を参照し、第2設定ファイルSF2において、対象設定項目と対応付けて記述された設定値(デフォルト値)を取得する(ステップSD6)。ステップSD6の処理後、制御部20は、処理手順をステップSD8へ移行する。
一方、第1設定ファイルSF1において、対象設定項目と対応付けて記述された設定値がヌル値ではない場合(ステップSD5:NO)、制御部20は、第1設定ファイルSF1において、対象設定項目と対応付けて記述された設定値(初期設定値)を取得する(ステップSD7)。ステップSD7の処理後、制御部20は、処理手順をステップSD8へ移行する。
ステップSD8において、制御部20は、現在設定ファイルSFGを参照し、現在設定ファイルSFGにおいて、対象設定項目と対応付けて記述された設定値(現在設定値)を取得する。
次いで、制御部20は、ステップSD4で取得した設定値と、ステップSD6で取得したデフォルト値又はステップSD7で取得した初期設定値と、ステップSD8で取得した現在設定値とに基づいて、印刷データを生成する(ステップSD9)。印刷データは、対象設定項目への現在設定値の設定に関する情報に対応する画像(以下、「設定関連画像」という。)の印刷に用いられるデータである。印刷データは、フォントデータや印刷する画像に対応するイメージデータでもよく、画像の印刷を指示する制御コマンドでもよい。
次いで、制御部20は、ステップSD9で生成した印刷データに基づいて、ロール紙Rに画像を印刷する(ステップSD10)。
図7は、ステップSD10でロール紙Rに印刷される設定関連画像の一例を示す図である。
図7は、特に、対象設定項目が印刷速度設定項目である場合に、ステップSD10で印刷される設定関連画像の一例を示す。
図7に示すように、ロール紙Rには、対象設定項目を示す設定項目明示情報J1が印刷される。図7の例では、設定項目明示情報J1は、印刷速度設定項目を示す情報である。ユーザーは、設定項目明示情報J1を視認することにより、現在設定値を設定する対象となっている設定項目を認識できる。
また、ロール紙Rには、対象設定項目に設定可能な設定値を示す設定値明示情報J2が、それぞれ異なる「行」に印刷される。ユーザーは、設定値明示情報J2を視認することにより、対象設定項目に設定可能な設定値を認識できる。
また、ロール紙Rには、設定値明示情報J2のそれぞれと対応付けて、押下回数明示情報J3が印刷される。押下回数明示情報J3は、数字を表す情報であり、複数の押下回数明示情報J3のそれぞれが表す数字の値は、相互に異なる。
ここで、本実施形態では、ユーザーによる操作スイッチ17の押下の態様として、操作スイッチ17が継続して押下された時間に応じて、選択押下、及び、決定押下が規定されている。選択押下は、継続して押下された時間が2秒未満の押下である。決定押下は、継続して押下された時間が、2秒以上の押下である。
そして、押下回数明示情報J3が表す数字は、ユーザーが、設定値明示情報J2が示す設定値を、対象設定項目に設定する設定値として選択する場合に、選択押下を行うべき回数を示す。ユーザーは、1の設定値を対象設定項目に設定することを望む場合、ロール紙Rに印刷された設定値明示情報J2と押下回数明示情報J3との組み合わせを視認することにより、当該1の設定値を選択する場合に行うべき選択押下の回数を認識する。ユーザーは、当該認識に基づいて、所定の回数、選択押下を行うことにより、当該1の設定値を選択する。次いで、ユーザーは、決定押下を行うことにより、当該1の設定値の選択を確定する。
なお、ユーザーによる操作スイッチ17の押下は、「入力部24への入力」に相当する。
図7に示すように、ロール紙Rには、設定値明示情報J2のうち、1つの設定値明示情報J2に対応付けて、第1画像G1(第1の画像)が印刷される。本実施形態では、第1画像G1は、コの字状の画像である。第1画像G1が対応付けて印刷される設定値明示情報J2は、ステップSD6で取得したデフォルト値に対応する設定値明示情報J2、又は、ステップSD7で取得した初期設定値に対応する設定値明示情報J2である。つまり、制御部20は、対象設定項目の初期設定値が記憶部21に記憶されている場合(第1設定ファイルSF1に記述された対象設定項目の設定値がヌル値ではない場合。)、ロール紙Rに印刷する設定値のうち、初期設定値に対応する設定値と対応付けて第1画像G1を印刷する。一方、制御部20は、対象設定項目の初期設定値が記憶部21に記憶されていない場合(第1設定ファイルSF1に記述された対象設定項目の設定値がヌル値の場合。)、ロール紙Rに印刷する設定値のうち、デフォルト値(第2設定ファイルSF2に記述された設定値。)に対応する設定値と対応付けて第1画像G1を印刷する。
以上の態様で、第1画像G1が印刷されることにより、以下の効果を奏する。
すなわち、上述したように、設定ファイル初期化処理が実行された場合、1の設定項目に関して、初期設定値が記憶部21に記憶されている場合は、当該1の設定項目の現在設定値は、初期設定値に基づいて更新される。一方、初期設定値が記憶部21に記憶されてない場合は、当該1の設定項目の現在設定値は、デフォルト値に基づいて更新される。従って、第1画像G1は、設定ファイル初期化処理が実行されることによって、対象設定項目の現在設定値が初期化された場合に、初期化後の現在設定値の値を明示する画像である。これを踏まえ、ユーザーは、第1画像G1が対応付けられた設定値明示情報J2を視認することにより、設定ファイル初期化処理による初期化が行われた場合の対象設定項目の現在設定値の値を、簡易かつ、直感的に認識できる。さらに、ユーザーは、当該認識に基づいて、対象設定項目に設定する設定値を的確に選択できる。
図7に示すように、ロール紙Rには、設定値明示情報J2のうち、1つの設定値明示情報J2に対応付けて、第2画像G2(第2の画像)が印刷される。本実施形態では、第2画像G2は、米印の画像である。第2画像G2が対応付けて印刷される設定値明示情報J2は、ステップSD8で取得した現在設定値に対応する設定値明示情報J2である。つまり、制御部20は、現在設定値に対応する設定値明示情報J2に対応付けて、第2画像G2を印刷する。
以上の態様で、第2画像G2が印刷されることにより、以下の効果を奏する。
すなわち、ユーザーは、第1画像G1が対応付けられた設定値明示情報J2を視認することにより、対象設定項目の現時点における現在設定値を、簡易かつ、直感的に認識できる。さらに、ユーザーは、当該認識に基づいて、対象設定項目に設定する設定値を的確に選択できる。
なお、ステップSD9において、制御部20は、図7で例示した態様で設定関連画像が印刷されるように、適切な印刷データを生成する。なお、印刷が「行」ごとに実行される場合は、制御部20は、設定値明示情報J2を含む「行」の印刷に際し、第1画像G1を印刷すべきか否か、第2画像G2を印刷すべきか否かを判別し、判別結果に基づいて、第1画像G1を印刷し、又は印刷せず、第2画像G2を印刷し、又は印刷しないようにしてもよい。
設定関連画像を印刷した後、制御部20は、設定値の選択の確定が行われたか否かを監視する(ステップSD11)。設定値の選択の確定とは、ユーザーによって、0回以上、選択押下が行われた後、1回、決定押下が行われることを意味する。
設定値の選択の確定が行われたことを検出した場合(ステップSD11:YES)、制御部20は、ユーザーによって行われた選択押下の回数に基づいて、対象設定項目に設定する設定値としてユーザーが選択した設定値を取得する(ステップSD12)。
次いで、制御部20は、現在設定ファイルSFGにおいて、対象設定項目と対応付けて記述された設定値を、ステップSD12で取得した設定値によって更新する(ステップSD13)。ステップSD13により、対象設定項目の現在設定値が、ユーザーの入力を反映した値となる。
次いで、制御部20は、複数の設定項目の全てについて、設定値の設定が完了したか否かを判別する(ステップSD14)。
1つでも設定値の設定が完了していない設定項目がある場合(ステップSD14:NO)、制御部20は、処理手順をステップSD3へ移行する。
全ての設定項目について、設定値の設定が完了した場合(ステップSC14:YES)、制御部20は、動作モードを、設定モードから通常モードへと移行し(ステップSC15)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る印刷装置1は、ロール紙R(印刷媒体)に印刷する印刷部23と、入力を受け付ける入力部24と、を備える。印刷装置1は、設定項目について、現時点で設定されている現在設定値、第1タイミングで設定された初期設定値(第1設定値)、及び、第1タイミングよりも前の第2タイミングで設定されたデフォルト値(第2設定値)を記憶可能な記憶部21を備える。印刷装置1は、設定値を設定する対象の1の設定項目に設定可能な設定値をロール紙Rに印刷し、入力部24への入力に基づいて当該1の設定項目に設定値を設定する設定モードのとき、当該1の設定項目の初期設定値が記憶部21に記憶されている場合は、ロール紙Rに印刷する設定値のうち、当該1の設定項目の初期設定値に対応する設定値と対応付けて第1画像G1(第1の画像)を印刷部23に印刷させ、当該1の設定項目の初期設定値(第1設定値)が記憶部21に記憶されてない場合は、ロール紙Rに印刷する設定値のうち、当該1の設定項目のデフォルト値(第2設定値)に対応する設定値と対応付けて第1画像G1を印刷部23に印刷させる制御部20を備える。
この構成によれば、ユーザーは、ロール紙Rに印刷された第1画像G1に基づいて、設定項目に設定可能な設定値のうち、初期設定値が記憶部21に記憶されている場合は、初期設定値を、初期設定値が記憶部21に記憶されていない場合は、デフォルト値を認識できる。ユーザーは、当該認識に基づいて、設定項目に設定する設定値を的確に選択し、選択した設定値を設定項目に設定できる。すなわち、上記構成によれば、印刷装置1は、ロール紙Rに設定に関する適切な情報を付加して印刷し、これにより、ユーザーは、的確に設定を行える。
また、上記構成によれば、以下の効果を奏する。すなわち、現在設定値を初期化する際に、初期化設定値が記憶部21に記憶されている場合、デフォルト値よりも優先的に初期化設定値を利用して初期化を行う構成とすれば、ユーザーは、ロール紙Rに印刷される第1画像G1に基づいて、現在設定値を初期化した場合の、初期化後の現在設定値の値を的確に認識できる。
また、本実施形態では、制御部20は、設定モードのとき、設定値を設定する対象の1の設定項目に設定可能な設定値としてロール紙Rに印刷する設定値のうち、現在設定値に対応する設定値と対応付けて第1画像G1とは異なる第2画像G2(第2の画像)を印刷する。
この構成によれば、ユーザーは、ロール紙Rに印刷された第2画像G2に基づいて、設定項目に設定可能な設定値のうち、現在設定値を認識でき、当該認識に基づいて、的確に設定を行うことができる。
また、本実施形態では、初期設定値は印刷装置1製造後の使用態様に応じて設定され、デフォルト値は製造時に設定される。
この構成によれば、ロール紙Rへの設定に関する画像の印刷に際し、設定項目に設定可能な設定値のうち、製造時に設定された初期値よりも、使用態様に応じて設定された初期設定値に対して、優先的に、第1画像G1を付加できる。
また、本実施形態では、外部の装置と通信する通信部22を備え、制御部20は、通信部22で、設定項目について、現在設定値を、初期設定値として記憶することを指示する制御コマンドを受信した場合、受信した制御コマンドに基づいて、設定項目の現在設定値を、初期設定値として記憶部21に記憶させる。
この構成によれば、外部の装置から制御コマンドを印刷装置1に送信することにより、現在設定値を、初期設定値として記憶部21に記憶させることができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、第1画像G1、第2画像G2の態様について具体例を挙げて説明したが、これら画像の態様は、例示した態様に限らない。また、設定関連画像の内容についても、例示した内容に限らない。
また、本実施形態では、印刷装置1は、サーマル式のプリンターであったが、印刷装置1の印刷方式は、サーマル式に限らず、インクジェット式や、ドットインパクト式等何でもよい。
また、図を用いて説明した各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアにより任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
1…印刷装置、2…印刷システム、3…ホストコンピューター、20…制御部、21…記憶部、22…通信部、23…印刷部、24…入力部。

Claims (8)

  1. 印刷媒体に印刷する印刷部と、
    入力を受け付ける入力部と、
    設定項目について、現時点で設定されており更新可能な現在設定値、第1タイミングで設定された第1設定値、及び、前記第1タイミングよりも前の第2タイミングで設定された第2設定値を記憶可能な記憶部と、
    設定モードのとき、1の設定項目に係る前記第1設定値が前記記憶部に記憶されている場合は、該1の設定項目に係る前記第1設定値対応付けて第1の画像を前記印刷部に印刷させ、
    当該1の設定項目に係る前記第1設定値が前記記憶部に記憶されてない場合は、前記記憶部に記憶されている当該1の設定項目に係る前記第2設定値対応付けて前記第1の画像を前記印刷部に印刷させ
    前記入力部への入力に基づき前記1の設定項目に係る前記現在設定値を更新する制御部と、を備える印刷装置。
  2. 前記制御部は、
    前記記憶部に記憶されている前記1の設定項目に係る前記現在設定値に対応付けて前記第1の画像とは異なる第2の画像を印刷する請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第1設定値は出荷段階で前記記憶部に記憶され、前記第2設定値は製造段階で、基板に実装前または前記基板に実装後の前記記憶部に記憶される請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記第1設定値は、前記記憶部に記憶されているフォントデータの設定に係るものを含む請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、
    前記記憶部に記憶されている前記1の設定項目に係る前記第1設定値がヌル値のとき、前記第1設定値が前記記憶部に記憶されてないと判断する請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記制御部は、
    前記印刷部を制御して、前記第1の画像を前記第1設定値または前記第2設定値と同一の行に印刷させる請求項1に記載の印刷装置。
  7. 外部の装置と通信する通信部を備え、
    前記制御部は、
    前記通信部で、前記1の設定項目について、前記現在設定値を、前記第1設定値として記憶することを指示する制御コマンドを受信した場合、受信した前記制御コマンドに基づいて、前記1の設定項目に係る前記現在設定値を、前記第1設定値として前記記憶部に記憶させる請求項1乃至のいずれか1項に記載の印刷装置。
  8. 印刷媒体に印刷する印刷部と、入力を受け付ける入力部と、設定項目について、現時点で設定されており更新可能な現在設定値、第1タイミングで設定された第1設定値、及び、前記第1タイミングよりも前の第2タイミングで設定された第2設定値を記憶可能な記憶部と、を備える印刷装置の制御方法であって、
    設定モードのとき、1の設定項目に係る前記第1設定値が前記記憶部に記憶されている場合は、該1の設定項目に係る前記第1設定値対応付けて第1の画像を前記印刷部に印刷させ、
    当該1の設定項目に係る前記第1設定値が前記記憶部に記憶されてない場合は、前記記憶部に記憶されている当該1の設定項目に係る前記第2設定値対応付けて前記第1の画像を前記印刷部に印刷させ、
    前記入力部への入力に基づき前記1の設定項目に係る前記現在設定値を更新する印刷装置の制御方法。
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