JP6755785B2 - 噛合式係合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機等にクラッチ或いはブレーキとして適用される噛合式係合装置に関するものである。
例えば変速機等に適用される係合装置として、いわゆるドグクラッチ或いはツースクラッチとも呼ばれる、噛合式係合装置が知られている(特許文献1参照)。
この噛合式係合装置では、一対の噛合係合要素(単に、係合要素とも言う)の各対向面にそれぞれ噛合歯が形成され、一対の係合要素が接近しそれぞれの噛合歯が噛み合うことで係合し、一対の係合要素が離隔しそれぞれの噛合歯が離脱することで解放される。
このような噛合式係合装置には、二つの部材間の係合と解放との切り替えをコイル(電磁石)への電流をコントロールすることで行なうように構成したもの(以下、「噛合式電磁係合装置」とも呼ぶ)が知られている。
この噛合式電磁係合装置では、例えば、一対の係合要素の相互間に、互いの係合を解除(解放)する方向に力を付与するリターンスプリング(解放力付与部材)を設け、両係合要素の外周にコイル及び永久磁石を設ける。これらの係合要素を解放状態から係合する時には、コイルに通電して磁界を発生させ、電磁力を利用してリターンスプリングに抗して両係合要素を接近させ係合する。また、両係合要素を係合状態から解放する時には、コイルに係合時とは逆方向に磁界を発生させ、逆向きの電磁力を利用して両係合要素を離隔させ解放する。
このような噛合式電磁係合装置では、両係合要素を解放状態と完全係合状態との間で切り替えるときには、切替制御をするうえで両係合要素の位置関係を適切に把握することが必要になる。この場合の両係合要素の位置関係とは、完全解放状態と完全係合状態との間に、両係合要素の凸部(歯部)の先端(歯先)どうしが当接した、歯先接触状態がある。
例えば、解放から係合へ切り替えるときには、両係合要素の凹部(溝部)と凸部(歯部)の回転位相が合致しない限り、両係合要素の歯先どうしが当接した歯先接触状態となり、両係合要素が係合できない場合がある。この歯先接触状態となった場合は、コイルに電流を供給し続けつつ駆動側の回転トルクを増加させて、当接した歯先どうしをずらして(以下、歯先滑りとも言う)回転位相を合致させることが必要となる。
特開2016−017539号公報
しかしながら、歯先接触状態において上記のような制御を実行すると、
I.当接している歯先間の摩擦力はコイルに供給される電流量(即ち、発生磁力)に比例するので、この電流量が大きいと摩擦力も大きくなり、これに打ち勝つ回転トルクまで駆動源のトルクを上昇させるのに要する時間が長くなり、これによって完全係合状態となるまでの時間も長くなって制御遅れが生じる。
II.コイルに供給される電流量が大きくなれば当接歯先間の摩擦力も大きくなるので、摩擦力に抗して大きな駆動トルクで強引に歯先どうしをずらすことになり、歯先の摩耗が増大する。
という課題がある。
本発明はかかる課題に鑑み創案されたもので、両係合要素を解放状態から係合状態へ移行させる際、歯先接触状態が検知されたときに接触歯先間の摩擦力を減少させることにより、上記課題を解決した噛合式係合装置を提供することを目的としている。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の噛合式係合装置は、噛合歯をそれぞれ有し、前記噛合歯が互いに噛み合い可能に対向して配置され、それぞれ支持部材に回転可能に軸支された第1及び第2の噛合係合要素と、前記第1及び第2の噛合係合要素の外周に装備された電磁コイル,永久磁石及びヨークと、前記第1及び前記第2の噛合係合要素を解放側へ操作する解放力を前記第1及び第2の噛合係合要素間に付与する解放力付与手段と、前記電磁コイルへの通電を制御して前記第1及び第2の噛合係合要素を貫通する磁界を操作することにより、磁力を用いて前記第1の噛合係合要素を軸方向に移動させ、前記第1及び第2の噛合係合要素を完全解放と完全係合との間で切替制御する係合制御手段と、前記噛合歯の各歯先どうしが離隔した完全解放位置と、前記噛合歯どうしが完全に噛み合った完全係合位置と、前記完全解放位置と前記完全係合位置との中間位置であって前記噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触位置の少なくとも3つの位置を検出する位置判定手段と、を有する噛合式係合装置であって、前記係合制御手段が、前記完全解放から前記完全係合へ切替制御する場合、前記噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触状態を検知したときに、前記電磁コイルへの通電を所定時間遮断するように構成されていることを特徴としている。
(2)前記係合制御手段が、前記噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触状態を検知したときに、前記第1及び第2の噛合係合要素の何れか一方に連結された駆動源による駆動トルクを増加するように構成されていることが好ましい。
)前記係合制御手段が、前記所定時間経過後に前記完全係合が検知されないときに、前記電磁コイルへ電流を再度入力するように構成されていることが好ましい。
(4)前記所定時間は、前記歯先接触状態の発生から前記噛合歯の各歯先どうしのずれが生じるまでの時間を実験で検証した結果に基づいて設定された時間であることが好ましい。
本発明によれば、第1及び第2の噛合係合要素を完全解放から完全係合に切り替える場合に、噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触状態を検知したときに、前記コイルへ供給する電流量を減少するように構成したので、接触歯先間の摩擦力が低減され、歯先接触状態が速やかに解消されて制御遅れ及び歯先の摩耗増大を抑制することができる。
また、前記歯先接触状態を検知したときに、駆動トルクを増加させるようにしたので、回転トルクが増して、両噛合歯の回転位相の合致(歯先滑り)が促進され、制御遅れをより抑制する(係合完了までの時間をより短縮する)ことができる。
さらに、前記電流量の減少を、電磁コイルへの通電を所定時間遮断することで達成させるので、接触歯先間の摩擦力を最小化することができ、歯先の摩耗増大をさらに抑制することができる。
また、上記所定時間経過後に完全係合が検知されないときは、電磁コイルへ供給する電流量を増加させる(電磁コイルに再度通電する)ので、確実に完全係合状態を達成することができる。
本発明の一実施形態に係る噛合式係合装置の模式的構造を開示した縦断面図(上半部)である。 本発明の一実施形態に係る噛合式係合装置の軸方向移動機構20の動作を説明する要部縦断面図であり、(a)は完全解放位置に保持する磁界状態を示し、(b)は完全解放位置から完全係合位置へ移動させる磁界状態を示し、(c)は完全係合位置に保持する磁界状態を示し、(d)は完全係合位置から完全解放位置へ移動させる磁界状態を示す。 本発明の一実施形態に係る制御手段を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや適宜組み合わせることが可能である。
図1に示すように、図示しない駆動源(ここでは、モータ)に連結された入力軸1と、この入力軸1と同一軸心(回転軸心線O)上に設けられ、図示しない回転要素に回転力を出力するギヤ歯2aを有する出力ギヤ2とが備えられる。出力ギヤ2は入力軸1の外周にベアリング3a,3bを介して回転可能に配設されている。本噛合式係合装置(クラッチとも呼ぶ)10は、このような入力軸1と出力ギヤ2との間に介装されている。
なお、本実施形態では、出力ギヤ2の回転力が出力される回転要素は、車両のドライブトレインの一部である。つまり、本噛合式係合装置10は、図示しないエンジン(内燃機関)と図示しないモータ(電動機)とを駆動源とするハイブリッド車において、モータを車両の駆動源として利用する場合に駆動連結し、モータを車両の駆動源として利用しない場合に駆動連結を解除するために用いられるものとする。
噛合式係合装置10は、入力軸1と一体回転する第1アーマチュア(第1の噛合係合要素)11と、出力ギヤ2と一体回転する第2アーマチュア(第2の噛合係合要素)12とを有している。第1及び第2アーマチュア11,12は、何れも磁性体を用いて円板状に形成され、回転軸心線O上に同心に互いに隣接して配設されている。第1アーマチュア11は、スプライン結合等により入力軸1に対して軸方向移動可能で且つ一体回転するように連結される。第2アーマチュア12は、出力ギヤ2に図示しないボルト等で一体回転するように結合されている。
第1及び第2アーマチュア11,12の互いに対向する面(ここでは、対向面の外周寄り)にはそれぞれ、互いに噛合い可能な噛合歯11a,12aが形成されている。第1及び第2アーマチュア11,12は、第1アーマチュア11の軸方向位置に応じて、互いの噛合歯11a,12aどうしが離隔して係合が完全に解放された完全解放状態(以下、単に、解放状態ともいう)と、互いの噛合歯11a,12aの歯先どうしが当接した歯先接触状態と、互いの噛合歯11a,12aどうしが完全に噛み合った完全係合状態(以下、単に、締結状態ともいう)との3つの状態を取ることができる。
第1アーマチュア11は、アーマチュア11,12を解放状態にする完全解放位置(以下、単に、解放位置ともいう)と、アーマチュア11,12を歯先接触状態にする歯先接触位置と、アーマチュア11,12を締結状態にする完全係合位置(以下、単に、締結位置ともいう)との間で適宜軸方向へ駆動される。
第1アーマチュア11を軸方向移動させるために、軸方向移動機構20が備えられている。軸方向移動機構20は、第1及び第2アーマチュア11,12の外周の直近に装備された電磁コイル21及び永久磁石22と、第1アーマチュア11を第2アーマチュア12から離隔する方向に付勢して、第1及び第2アーマチュア11,12を互いに解放する解放力を両アーマチュア11,12間に付与するスプリング(解放力付与手段)23とを備えている。
電磁コイル21及び永久磁石22の周囲には、磁性体製のヨーク24が備えられる。このヨーク24は、電磁コイル21及び永久磁石22と共に支持部材25に支持されて第1及び第2アーマチュア11,12の外周に備えられる。
支持部材25は磁性体で構成され、入力軸1の外周にベアリング4a,4bを介して回転可能に支持され回転軸心線Oに沿って延びる筒状の基部25aと、この基部25aから外方(放射方向)に延設されたフランジ状部25bと、フランジ状部25bの外縁部から回転軸心線Oに沿って延びる筒状のヨーク支持部25cとを有している。
ヨーク24は、電磁コイル21を挟むように軸方向(回転軸心線Oの方向)に離隔して供えられた第1ヨーク24a及び第2ヨーク24bからなり、第1ヨーク24a及び第2ヨーク24bの対向部の内側は、電磁コイル21を内周側から一部包囲するように延設されている。永久磁石22は第2ヨーク24bの外側のヨーク支持部25cとの間に配置されている。これにより、ヨーク24及び支持部材25が用いられて第1及び第2アーマチュア11,12を貫通する磁界が形成される。
この磁界は、アーマチュア11,12の位置及びコイル21の通電状態に応じて形成される。例えば図2(a)に示すように、アーマチュア11,12の噛合歯11a,12aの歯先どうしが離隔した解放状態において電磁コイル21に通電しないと、永久磁石22による磁束線(黒矢印)が形成される。この磁束線に応じて、第1アーマチュア11は支持部材25のフランジ状部25bの側に磁力吸引されて解放状態が保持される。
ここで、電磁コイル21に通電して図2(a)に二点鎖線の矢印で示す磁束線を形成させると、この電磁コイル21により形成される磁束線によるアーマチュア11,12どうしを接近させる磁力が、スプリング23の解放力と永久磁石22の磁束線に応じた磁力とに打ち勝って、アーマチュア11,12の噛合歯11a,12aの歯先どうしが磁力吸引されて、アーマチュア11が解放位置から締結位置の側へと駆動される。
この途中で、アーマチュア11が解放位置から歯先接触位置に移動すると、アーマチュア11とフランジ状部25bとの離隔により図2(a)に黒矢印で示す磁束線が消滅し、図2(b)に黒矢印A3で示すように、永久磁石22による電磁コイル21を囲むような磁束線が図示方向(解放位置とは逆向き)に形成されて、永久磁石22による磁力はアーマチュア11,12どうしをより接近させる側に働くようになる。つまり、コイル21によって形成される磁束線(白抜き矢印A4参照)による磁力と永久磁石22によって形成される磁束線(黒矢印A3参照)による磁力とが何れもアーマチュア11,12を締結位置へ駆動する係合力として作用する。
そして、アーマチュア11が歯先接触位置にあって、アーマチュア11,12の相対位相が調整され噛合歯11a,12aどうしが噛み合う位置になると、アーマチュア11は、上記の係合力によってスプリング23の解放力に打ち勝って締結位置へと駆動される。
この締結位置では、電磁コイル21への通電を停止しても、図2(c)に黒矢印A5で示すように、永久磁石22によるアーマチュア11,12どうしを接近させる磁力が、スプリング23の解放力に打ち勝ってアーマチュア11を締結位置に保持する。したがって、電磁コイル21に通電することなくアーマチュア11,12を締結状態に保持することができる。
一方、締結位置にある第1アーマチュア11を解放側へ駆動するには、電磁コイル21に対して逆方向に通電して図2(d)に示すように磁束線(白抜き矢印A6参照)を形成させ、アーマチュア11,12の解放力となる磁力(黒矢印A7で示す磁束線を参照)を発生させる。この電磁コイル21により形成されるアーマチュア11,12どうしを離隔させる磁力(解放力)が、スプリング23の解放力と協働して永久磁石22による磁力(係合力)に打ち勝って、アーマチュア11,12に作用するため、第1アーマチュア11が締結位置から解放位置の側へと駆動される。
ところで、本装置には、制御装置30が装備される。この制御装置30には、第1アーマチュア11の位置(アーマチュア11,12の相対位置)を判定する位置判定部(位置判定手段)31と、ハイブリット車の駆動機構全体を制御する主制御装置(図示せず)からの制御信号と位置判定部31の判定結果とに基づいて、電磁コイル21への通電を制御して第1及び第2アーマチュア11,12を解放と締結との間で切替制御すると共にモータ制御装置50に対して電流制御信号を発する係合制御部(係合制御手段)32とが備えられている。なお、制御装置30には、メモリ(ROM,RAM)及びCPU等で構成されるコンピュータが適用される。
位置判定部31は、位置センサ41の検出情報に基づいて、第1アーマチュア11の位置を判定する。
位置センサ41は、その本体内に配設された図示しないスプリング等の付勢手段によって先端部が常に第1アーマチュア11の側面に当接するように構成されたフォロワー41aの移動量を検出することにより、第1アーマチュア11の位置を検出する従来周知のストロークセンサである。
なお、フォロワー41aの先端部は図示しないスラストベアリング等を介して第1アーマチュア11に当接されている。
また、本発明は、第1アーマチュア11の第2アーマチュア12に対する完全解放位置、歯先接触位置及び完全係合位置が検出できれば実施可能であるので、前記3位置のみを検出するだけの簡易な構造の位置センサを用いることも可能である。
本実施形態では、第1アーマチュア11を解放位置から締結位置に切り替えるのは、車両を、エンジンのみを駆動源とするエンジン単体走行から、モータを駆動源とするモータ単体走行或いはハイブリッド走行に切り替える場合である。
この車両走行モードの切り替えが検知されると、図3に示すフローチャートに基づくプログラムが組み込まれた係合制御部32によって、第1アーマチュア11が解放位置から締結位置へ切り替えられる。
第1のアーマチュア11を解放位置から締結位置に切り替えるには、まずステップS01においてモータを始動させて回転数を増加させ、第1アーマチュア11の回転数をドライブトレイン側と連結された第2アーマチュア12の回転数に近づける。
次に、ステップS02において出力回転数(第2アーマチュア12の回転数)とモータ回転数(第1アーマチュア11の回転数)との差αが、予め設定された所定値P未満になったか否かを判定する。
出力回転数(第2アーマチュア12の回転数)とモータ回転数(第1アーマチュア11の回転数)との差αが大きい状態で、第1及び第2アーマチュア11,12の噛合歯11a,12aが当接すると、噛合歯11a,12aの摩耗を増大し異音の発生も招くおそれがあるので、このような観点から、噛合歯11a,12aが当接する際の差αの許容値として所定値Pが設定されている。差αが所定値P未満になってから噛合歯11a,12aを当接させることで、噛合歯11a,12aの摩耗や異音の発生も抑制される。
ステップS02で差αが所定値P未満になったと判定されるまでは、次の制御周期でステップS01に進んでモータの回転数を増加させる。ステップS02で差αが所定値P未満になったと判定されたら、ステップS03に進んで電磁コイル21に所定の締結電流を入力させる。
ここでの所定電流値は、前記段落0031乃至段落0033で説明した通り、永久磁石22による磁力とスプリング23の付勢力とに打ち勝つだけの磁力を電磁コイル21に発生させるのに必要な電流値である。
次に、ステップS04において、第1及び第2アーマチュア11,12の噛合歯11a,12aが歯先接触状態となっているか否かを判定する。この判定は、位置センサ41が第1アーマチュア11の歯先接触位置を検知した状態が所定時間(例えば、0.1秒)継続したか否かで行われる。そして、歯先接触位置が検知されても、その位置が前記所定時間以上継続されなかった場合、ステップS04での判定はNOとなる。
ステップS04の判定がNOである場合は、ステップS05において位置センサ41が第1アーマチュア11の締結位置を検出したか否かを判定し、NOの場合はステップS04に戻って同ステップS04での判定を繰り返し実行する。
また、ステップS05での判定がYESの場合は、第1アーマチュア11が締結位置となったことを示しているので、ステップS10へ移行して締結電流をオフしてプログラムを終了する。
一方、ステップS04での判定がYESの場合、歯先接触状態が生じている場合であるので、ステップS06に進んで締結電流をオフ(遮断)し、さらにステップS07でモータトルクを増加して、回転位相の合致をしやすくする(接触歯先間の摩擦力を低減すると共に歯先のずれ補正を促進する)。
なお、本実施態様では、制御の簡素化のためステップS06で締結電流をオフすることとしたが、締結電流値をステップS03で入力した締結電流値より低減すれば、接触歯先間の摩擦力は低減されるので、他の諸条件により締結電流をオフできない場合には所定値だけ低減させることでも、本発明の効果は確実に達成される。
次に、ステップS08において、ステップS06で実行した締結電流オフ状態の時間Tが所定時間Q以上継続したか否かを判定する。この所定時間Qは、歯先接触状態の発生から歯先滑り(歯先どうしのずれ)が生じるまでの時間を実験で検証し、その検証結果に基づいて設定した時間である。
ステップS08での判定がNOの場合は、ステップS07に戻ってモータトルクを増加させ、ステップS08での判定がYESとなるまでモータトルクの増加を繰り返す。
ステップS08での判定がYESとなると、ステップS09で位置センサ41が第1アーマチュア11の締結位置を検出したか否かを判定し、YESの場合は第1アーマチュア11が締結位置となったことを示しているので、ステップS10へ移行して締結電流をオフしてプログラムを終了する。
なお、締結電流をオフとしているのに第1アーマチュア11が締結位置へ移動するのは、永久磁石22の磁力や回転慣性その他の外力によるものと考えられる。
一方、ステップS09での判定がNOとなるのは、歯先接触状態は解消された(回転位相が合致した)が第1アーマチュア11が締結位置まで移動していない、または歯先接触状態が解消されていないことが想定される。
そこで、ステップS11で再度締結電流(ステップS03と同値の電流)を入力して第1アーマチュア11の移動を促す。歯先接触が解消されている場合は、この締結電流の再入力で第1アーマチュア11が締結位置へ移動するので、ステップS12での判定がYESとなり、ステップS10で締結電流をオフして制御を終了させることとなる。
本実施態様の場合、第1及び第2アーマチュア11,12の解放状態から締結状態への切り替え作動は、その大部分の制御がステップS09,S11,S12を経由して終了すると考えられる。
また、ステップS12での判定がNOとなるのは、この段階でまだ歯先接触状態が解消されていないものと想定されるので、ステップS13でモータトルクをさらに増加(ステップS07での増加制御に引き続けて増加)させ歯先滑りを促進する。
次に、ステップS14において位置センサ41が第1アーマチュア11の締結位置を検出したか否かを判定し、NOの場合は、ステップS13に戻ってモータトルクを増加させ、ステップS14での判定がYESとなるまでモータトルクの増加を繰り返す。
ステップS14での判定がYESとなったら、ステップS10で締結電流をオフして制御を終了する。
本発明の一実施形態に係る噛合式係合装置は上記のように構成されており、第1及び第2アーマチュア11,12を解放状態から係合状態へ切り替える際、歯先接触状態が発生したか否かを検知して、歯先接触状態が発生した場合には、電磁コイル21へ供給する締結電流量を減少するように構成したので、接触歯先間の摩擦力が低減され、歯先接触状態が速やかに解消されて制御遅れ及び歯先の摩耗増大を抑制することができる。
また、歯先接触状態を検知したときに、モータトルクを増加させるようにしたので、回転トルクが増して、歯先滑りが促進され、制御遅れをより抑制する(係合完了までの時間をより短縮する)ことができる。
さらに、締結電流量の減少を、電磁コイル21への通電を所定時間Qの間オフすることで達成させるので、接触歯先間の摩擦力を最小化することができ、歯先の摩耗増大をさらに抑制することができる。
また、所定時間Qの経過後に第1アーマチュア11の締結位置(第1及び第2アーマチュア11,12の係合状態)が検知されないときは、電磁コイル21へ締結電流を再度入力する(電磁コイル21に供給する電流量を増加する)ので、確実に完全係合状態を達成することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態を適宜変形して実施することができる。
例えば上記の実施形態では、位置センサ41のフォロワー41aの先端部にスラストベアリングを装着する構成としたが、先端部と第1のアーマチュア11との摺接が滑らかであれば省略してもよい。
また、軸方向移動機構20は、電磁コイル,永久磁石及びヨークを装備し、電磁コイルへの通電を制御して磁界を操作することにより第1のアーマチュア11を軸方向に移動させるものであればよく、本実施形態の構造に限定されない。
また、本実施形態では、ハイブリッド車のドライブトレインにモータを連結或いは非連結とする箇所に、本噛合式係合装置を適用したが、本噛合式係合装置はこれに限らず適用可能である。
1 入力軸
2 出力ギヤ
10 噛合式係合装置(クラッチ)
11 第1のアーマチュア(第1の噛合係合要素)
11a 第1のアーマチュア11の噛合歯
12 第2のアーマチュア(第2の噛合係合要素)
12a 第2のアーマチュア12の噛合歯
21 電磁コイル
22 永久磁石
23 スプリング(解放力付与手段)
30 制御装置
31 位置判定部(位置判定手段)
32 係合制御部(係合制御手段)
41 位置センサ

Claims (4)

  1. 噛合歯をそれぞれ有し、前記噛合歯が互いに噛み合い可能に対向して配置され、それぞれ支持部材に回転可能に軸支された第1及び第2の噛合係合要素と、
    前記第1及び第2の噛合係合要素の外周に装備された電磁コイル,永久磁石及びヨークと、
    前記第1及び前記第2の噛合係合要素を解放側へ操作する解放力を前記第1及び第2の噛合係合要素間に付与する解放力付与手段と、
    前記電磁コイルへの通電を制御して前記第1及び第2の噛合係合要素を貫通する磁界を操作することにより、磁力を用いて前記第1の噛合係合要素を軸方向に移動させ、前記第1及び第2の噛合係合要素を完全解放と完全係合との間で切替制御する係合制御手段と、
    前記噛合歯の各歯先どうしが離隔した完全解放位置と、前記噛合歯どうしが完全に噛み合った完全係合位置と、前記完全解放位置と前記完全係合位置との中間位置であって前記噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触位置の少なくとも3つの位置を検出する位置判定手段と、を有する噛合式係合装置であって、
    前記係合制御手段が、前記完全解放から前記完全係合へ切替制御する場合、前記噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触状態を検知したときに、前記電磁コイルへの通電を所定時間遮断するように構成されている
    ことを特徴とする、噛合式係合装置。
  2. 前記係合制御手段が、前記噛合歯の各歯先どうしが当接した歯先接触状態を検知したときに、前記第1及び第2の噛合係合要素の何れか一方に連結された駆動源による駆動トルクを増加するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の噛合式係合装置。
  3. 前記係合制御手段が、前記所定時間経過後に前記完全係合が検知されないときに、前記電磁コイルへ電流を再度入力するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の噛合式係合装置。
  4. 前記所定時間は、前記歯先接触状態の発生から前記噛合歯の各歯先どうしのずれが生じるまでの時間を実験で検証した結果に基づいて設定された時間である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の噛合式係合装置。
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