JP6755749B2 - 内部クラック検出方法 - Google Patents

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本発明は、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハの内部クラックを検出する内部クラック検出方法に関する。
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削され薄化された後、ダイシング装置(たとえば特許文献1参照。)、レーザー加工装置(たとえば特許文献2参照。)によって個々のデバイスに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
また、ウエーハの基板の表面に複数の回路を積層する工程において熱応力等の内部応力によってクラックが発生し、ウエーハの内部にクラックが残存してデバイスの品質を低下させるという問題があり、裏面が研削されて薄化された段階でウエーハの裏面側からクラックが残存しているか否かを検出したいという要望がある。
特開2010−123823号公報 特開2011−033383号公報
特に、リチウムタンタレート(LiTaO)を素材とする基板(以下「LT基板」という。)又はリチウムナイオベート(LiNbO)を素材とする基板(以下「LN基板」という。)の表面にSAW(Surface Acoustic Wave)デバイスが複数形成されたウエーハにおいて前記要望が強い。
そこで本発明者らは、LT基板、LN基板に対して透過性を有する波長が500〜700nmの緑色〜赤色の可視光を照射して撮像手段で基板の内部を撮像しクラックの検出を試みたところ、クラックの検出は可能であるが裏面研削の際に裏面に発生したムシレがクラックの撮像を妨げクラックを明確に検出することができないという問題の存在が判明した。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、ウエーハの内部に発生したクラックを明確に検出することができる内部クラック検出方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは、以下の内部クラック検出方法である。すなわち、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハの内部クラックを検出する内部クラック検出方法であって、ウエーハの裏面を研削し所定の厚みに仕上げる研削工程と、研削したウエーハの裏面に透明部材を敷設する透明部材敷設工程と、ウエーハ及び透明部材に対して透過性を有する波長の光を照射して透明部材側から撮像手段で撮像して内部クラックを検出する内部クラック検出工程と、を含む内部クラック検出方法である。
好ましくは、前記ウエーハは、LT基板又はLN基板の表面に複数のSAWデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたウエーハであり、ウエーハ及び透明部材に対して透過性を有する波長の光は、500〜700nmの波長である。
本発明が提供する内部クラック検出方法では、研削したウエーハの裏面に敷設した透明部材によって裏面研削の際にウエーハの裏面に発生したムシレが透明化するのでムシレが内部クラックを検出する際の妨げとならず、ウエーハの内部クラックのみを検出することができる。
ウエーハの斜視図。 研削工程が実施されている状態を示す斜視図。 透明部材敷設工程が実施されている状態を示す斜視図。 内部クラック検出工程が実施されている状態を示す斜視図。
以下、本発明の内部クラック検出方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す円盤状のウエーハ2は、リチウムタンタレート(LiTaO)又はリチウムナイオベート(LiNbO)を素材とする基板の表面2aに複数のSAWデバイス4が格子状の分割予定ライン6によって区画されて形成されている。本発明の内部クラック検出方法では、まず、SAWデバイス4を保護するための合成樹脂製の保護テープ8をウエーハ2の表面2aに貼り付ける。
ウエーハ2の表面2aに保護テープ8を貼り付けた後、ウエーハ2の裏面2bを研削し所定の厚みに仕上げる研削工程を実施する。研削工程は、たとえば図2にその一部を示す研削装置10を用いて実施することができる。研削装置10は、チャックテーブル12及び研削手段14を備える。上面において被加工物を吸着するように構成されているチャックテーブル12は、回転手段(図示していない。)によって上下方向に延びる軸線を中心として回転される。研削手段14は、モータ(図示していない。)に連結され、上下方向に延びる円柱状のスピンドル16と、スピンドル16の下端に固定された円盤状のホイールマウント18とを含む。ホイールマウント18の下面にはボルト20によって環状の研削ホイール22が固定されている。研削ホイール22の下面の外周縁部には、周方向に間隔をおいて環状に配置された複数の研削砥石24が固定されている。図2に示すとおり、研削ホイール22の回転中心はチャックテーブル12の回転中心に対して変位している。
研削工程では、まず、保護テープ8を貼り付けた表面2aを下側として(すなわち、裏面2bを上側として)チャックテーブル12の上面にウエーハ2を吸着させる。次いで、上方からみて反時計回りに所定の回転速度(たとえば6000rpm)でスピンドル16をモータによって回転させる。また、上方からみて反時計回りに所定の回転速度(たとえば300rpm)でチャックテーブル12を回転手段によって回転させる。次いで、昇降手段(図示していない。)によってスピンドル16を下降させ、ウエーハ2の裏面2bに研削砥石24を接触させる。ウエーハ2の裏面2bに研削砥石24を接触させた後は所定の研削送り速度(たとえば1μm/s)でスピンドル16を下降させる。これによってウエーハ2の裏面2bを研削し、ウエーハ2を所定の厚みに仕上げる(薄化する)ことができる(図2(b)参照。)。
図3を参照して説明する。研削工程を実施した後、研削したウエーハ2の裏面2bに透明部材26を敷設する透明部材敷設工程を実施する。図3(a)に示す透明部材26としては、たとえば、ビニールテープやセロハンテープ等の透明の粘着テープ、又は透明の樹脂製ラップフィルム(食品を包む際に一般的に用いられているものでよい。)を挙げることができる。また、ポリビニルアルコール(PVA)等の透明の液状樹脂を透明部材として用いることもできる。透明部材として液状樹脂を用いる場合には、図3(b)に示すとおり、液状樹脂28をウエーハ2の裏面2bに滴下し、次いでチャックテーブル12を回転させて遠心力により液状樹脂28をウエーハ2の裏面2b全体に被覆させ、そして液状樹脂28を固化させることによって、ウエーハ2の裏面2bに透明部材を敷設することができる。
透明部材敷設工程を実施した後、ウエーハ2の内部に発生した内部クラックを検出する内部クラック検出工程を実施する。内部クラック検出工程は、たとえば図4にその一部を示す検出装置30を用いて実施することができる。検出装置30は、撮像手段32と、撮像手段32によって撮像された画像を表示する表示手段34とを備える。撮像手段32は、直方体状の枠体36と、枠体36の下面から下方に延びる撮像部38とを含む。撮像部38は、撮像部38の下面中央部に配置された撮像レンズ40と、撮像レンズ40の周囲に環状に配置された複数個の照明手段42とを有する。照明手段42は、ウエーハ2及び透明部材26に対して透過性を有する波長の光を照射する。図示の実施形態では、照明手段42は、波長が500〜700nmの緑色〜赤色の可視光を照射するLEDライトから構成されている。
内部クラック検出工程では、まず、透明部材26が敷設されたウエーハ2を吸着しているチャックテーブル12を移動手段(図示していない。)によって撮像手段32の下方に移動させる。次いで、ウエーハ2及び透明部材26に対して透過性を有する波長(図示の実施形態では500〜700nmの波長)の光を照明手段42からウエーハ2に照射して、透明部材26側から撮像手段32でウエーハ2を撮像する。そうすると、研削したウエーハ2の裏面2bに敷設した透明部材26によって裏面研削の際にウエーハ2の裏面2bに発生したムシレが透明化するので、ムシレは撮像手段32によって撮像されることがない。このため、撮像手段32によって撮像された画像が表示手段34に表示される際は、ムシレが表示されないので、ウエーハ2の内部クラック44が明確に表示される。したがって図示の実施形態では、ウエーハ2の裏面2b上のムシレが内部クラック44を検出する際の妨げとならず、ウエーハ2の内部クラック44のみを検出することができる。
2:ウエーハ
2a:ウエーハの表面
2b:ウエーハの裏面
4:SAWデバイス
6:分割予定ライン
26:透明部材
32:撮像手段
44:内部クラック

Claims (2)

  1. 複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハの内部クラックを検出する内部クラック検出方法であって、
    ウエーハの裏面を研削し所定の厚みに仕上げる研削工程と、
    研削したウエーハの裏面に透明部材を敷設する透明部材敷設工程と、
    ウエーハ及び透明部材に対して透過性を有する波長の光を照射して透明部材側から撮像手段で撮像して内部クラックを検出する内部クラック検出工程と、
    を含む内部クラック検出方法。
  2. 前記ウエーハは、LT基板又はLN基板の表面に複数のSAWデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたウエーハであり、
    ウエーハ及び透明部材に対して透過性を有する波長の光は、500〜700nmの波長である請求項1記載の内部クラック検出方法。
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