JP6755388B2 - 多群多相回転電機の駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両等に搭載される回転電機の駆動装置に関し、更に詳しくは、互いに独立した複数群の多相電機子巻線を固定子に有し、永久磁石により構成された界磁磁極を回転子に有する多群多相回転電機の駆動装置に関するものである。
近年、省エネルギー及び環境を考慮した車両として、ハイブリッド車及び電気自動車が注目されている。ハイブリッド車は、従来のエンジンに加え、電動機を動力源としている。また、電気自動車は、電動機のみを動力源としている。ハイブリッド車と電気自動車は、何れも、バッテリに蓄電された直流電力をインバータで交流電力に変換して電動機を駆動し、その電動機を動力源として走行する。
通常、ハイブリッド車に於いては、発電機能を持つモータ・ジェネレータ(Motor Generator)を車両を走行させるための動力源として用いている。モータ・ジェネレータとして構成された回転電機は、エンジンが駆動した時に生じる回転エネルギーを用いて、発電を行い、又、車両の惰行走行でのタイヤからの回転エネルギーを用いて、回生発電を行なう。回転電機で発電された交流電力は、インバータにて直流電力に変換されバッテリに蓄電される。
上記のように構成された従来の回転電機の駆動装置に於いて、回転電機の発電動作中に、制御装置に設けられコネクタがバッテリに接続された電源導体から外れるか、或いは、コネクタと電源導体との間に挿入された遮断器等が解放状態になる等の事象が生じると、回転電機からバッテリに供給されていたエネルギーが制御装置に於けるインバータの直流充電部に供給され、インバータの直流充電部に急激な電圧上昇を発生させることがある。このようなインバータに於ける直流充電部での急激な電圧上昇により、インバータを構成する回路素子若しくはインバータを含む制御装置の劣化や破損等のトラブルが発生することがある。
前述のようなトラブルの発生を抑止するため、例えば特許文献1に示される従来の回転電機の駆動装置では、回転電機の出力回路の過電圧を判定する過電圧判定手段を設け、この過電圧判定手段が回転電機の出力回路が過電圧であると判定したときに、インバータからなる電力変換装置を制御して回転電機を相短絡状態とすることにより、電源電圧の跳ね上がりを低減するとともに、電源電圧を速やかに低下させる。これにより、制御装置に使用する回路素子または各装置の電圧による破壊や劣化などから保護することを可能としている。
特許第4675299号公報
前述の特許文献1に開示された従来の回転電機の駆動装置は、制御装置とバッテリとの接続が遮断されたときは常に回転電機を三相短絡するようにしているので、回転電機に流れる短絡電流により回転電機にブレーキトルクが発生してしまい、車両の運動エネルギーを低下させてしまうことになる。又、回転電機が三相短絡状態になると、回転電機の誘起電圧を使用して他の車載機器への電源供給ができなくなる。そこで、回転電機を三相短絡状態から全相遮断状態に切り替える必要がある。
しかしながら、回転電機を全相遮断状態にすると、三相短絡時に回転電機に流れていた電流が急峻に遮断されるため、モータコイルの磁気エネルギーにより電源電圧の跳ね上がりが生じる。この電源電圧の跳ね上がりにより、制御装置に使用する回路素子又は回転電機の負荷が、過電圧により劣化若しくは破損する等の不具合が生じることがある。
又、エンジンに駆動されて回転電機の回転数が上昇することにより回転電機の誘起電圧が上昇し、インバータの電源電圧が過電圧になった場合、回転電機を全相遮断状態から三相短絡状態に切り替える必要がある。しかしながら、回転電機を三相短絡状態にすると、回転電機に発生するブレーキトルクは過渡的に大きくなった後に一定の値へと安定するので、回転電機のブレーキトルクが大きく変動し、車両の挙動の悪化とドライバビリティの劣化、更には、エンジン回転数の変動につながり、最悪の場合、エンジンが停止してしまう可能性がある。
この発明は、前述のような従来の回転電機の駆動装置に於ける課題を解決するためになされたものであり、回転電機の駆動装置とバッテリとの接続が遮断されても、全相短絡(例えば、三相短絡)から全相遮断する際に発生する過電圧を抑制することができ、又、全相遮断から全相短絡(例えば、三相短絡)する際のブレーキトルクの変動を低減することができる回転電機の駆動装置を提供することを目的とする。
この発明による多群多相回転電機の駆動装置は、
互いに独立した複数群の多相電機子巻線と永久磁石により構成された界磁磁極とを備えた多群多相回転電機を駆動する多群多相回転電機の駆動装置であって、
前記複数群の多相電機子巻線に対応して設けられ、前記対応する群の多相電機子巻線と直流電源との間で電力変換を行う電力変換装置を複数群備えた多群多相電力変換装置と、
前記多群多相電力変換装置の直流側に接続された平滑コンデンサと、
前記複数群の電力変換装置を個別に制御し得るように構成された制御装置と、
を備え、
前記複数群の電力変換装置は、それぞれ、前記制御装置により制御される複数のスイッチング素子により構成され、
前記制御装置は、
前記直流電源と前記多群多相電力変換装置との間の接続が遮断されたとき、
前記スイッチング素子を制御して、前記複数群の電力変換装置をそれぞれ異なるタイミングで段階的に全相短絡から全相遮断に移行させ、
前記複数群の電力変換装置が前記全相遮断された状態にあるとき、
前記スイッチング素子を制御して、前記複数群の電力変換装置をそれぞれ異なるタイミングで段階的に全相短絡に移行させる、
ように構成されている、
ことを特徴とする。
この発明に於いて、多群多相回転電機とは、複数群の多相電機子巻線を備えた回転電機を意味する。
この発明による多群多相回転電機によれば、回転電機の駆動装置とバッテリとの接続が遮断されても、全相短絡(例えば、三相短絡)から全相遮断する際に発生する過電圧を抑制しモータ制御装置や他の車載機器を過電圧による破壊や劣化から保護し、又、全相遮断から全相短絡(例えば、三相短絡)する際のブレーキトルクの変動を低減することで車両安定性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置を搭載した車両の概略構成図である。 この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の駆動装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による回転電機の駆動装置の動作を示すフローチャートである。 バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を三相短絡状態から全相遮断を行った場合に於ける、三相電流の波形とインバータの充電電圧の波形を示す波形図である。 バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を三相短絡状態から全相遮断を行った場合に於ける、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置による三相電流の波形とインバータの充電電圧の波形を示す波形図である。 バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を全相遮断状態から三相短絡を行った場合に於ける、三相電流の波形と回転電機のトルクの波形を示す波形図である。 バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を全相遮断状態から三相短絡を行った場合に於ける、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置による三相電流の波形と回転電機のトルクの波形を示す波形図である。
以下、この発明による回転電機の駆動装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。各図に於いて、同一符号は同一又は相当部分を示す。
先ず、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による、回転電機の駆動装置の制御対象である回転電機の構成、及び、この回転電機が搭載される車両の構成について説明する。尚、ここで説明する回転電機の構成及び車両の構成については、後述する実施の形態2に於いても共通であるものとする。図1は、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置を搭載した車両の概略構成図であって、パラレル方式ハイブリッド車両を示している。
図1に於いて、エンジン1001は、車両を駆動する動力源である。エンジン1001で発生された動力は、モータ1002の回転子を固定している回転子軸(図示せず)を介して変速機1006に伝達され、更に、変速機1006から車両のタイヤ1007へと伝達され、タイヤ1007を回転させて車両を走行させる。
モータ1002は、発電機能を持つモータ・ジェネレータとして構成され、互いに独立した複数の電機子巻線群を固定子に有し、永久磁石により構成された界磁磁極を回転子に有する、いわゆる永久磁石型回転電機であるが、以下の説明では、単に、モータと称する。モータ1002は、エンジン1001の始動や車両の走行アシストする動力源として使用される。又、車両の減速要求やバッテリ1005の充電要求があった場合等には、回生動作を行い、バッテリ1005の充電を行う。
電力変換装置としてのインバータ1003は、バッテリ1005に充電された直流電力を交流電力に変換してモータ1002を駆動する。又、これとは逆に、インバータ1003は、モータ1002から回生交流電力が供給され、その回生交流電力を直流電力に変換してバッテリ1005を充電する。
コンタクタ1004は、インバータ1003とバッテリ1005との間の電力授受を行い、若しくは遮断するためのスイッチである。コンタクタ1004は、バッテリ1005に異常電流が流れた場合等の異常時に、バッテリ1005とインバータ1003との間の電気回路を遮断してバッテリ1005を保護する機能を有する。
バッテリ1005は、インバータ1003との間で電力授受を行うとともに、車両の他のコンポーネントに電力供給を行う。
変速機1006は、エンジン1001及びモータ1002からの動力を最適な回転数及びトルクにてタイヤ1007に伝達する。
後述するこの発明の各実施の形態では、図1に示すパラレル式ハイブリッド車両を例に挙げて説明するが、この発明は、モータが搭載されているすべての車両形態に適用することが可能である。
又、後述するこの発明の各実施の形態では、一つのモータと一つのインバータと一つのバッテリとを有するもので説明するが、複数のモータ・ジェネレータとしての回転電機、複数のインバータ、複数のバッテリを備え、それぞれの回転電機とインバータとの間、又はそれぞれのバッテリとインバータとの間に、電圧変換を行うDC/DCコンバータ等を有するものであってもよい。
尚、後述する各実施の形態では、モータ1002を前述のように永久磁石を回転子に有する永久磁石型回転電機により構成されているものとして説明するが、モータ1002は、永久磁石を有しない界磁磁石モータなどであってもよく、その場合は、モータのロータ部に発生する磁束を求め、モータステータに誘起される電圧を求めることで永久磁石型回転電機と同様の効果を有することができる。
尚、以下述べる各実施の形態では、回転電機が三相の電機子巻線を2群備えた二重三相回転電機である場合について説明するが、これに限らず、三相以上の相、或いは2群以上の電機子巻線を備えた回転電機であってもよい。
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1及び後述する実施の形態2による回転電機の駆動装置の概略構成図である。図2では、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置として、交流回転電機の駆動装置を備えたモータ・インバータシステムを例に挙げて示している。
図2に於いて、二群三相モータ2050は、前述の図1に於けるモータ1002に相当し、発電機能を持つモータ・ジェネレータとして構成され、互いに独立した2組の電機子巻線を固定子に有し、永久磁石により構成された界磁磁極を回転子に有する、いわゆる永久磁石型回転電機であるが、以下の説明では、二群三相モータと称する。
二群三相モータ2050は、Y結線されたU相、V相、W相の三相からなる第1の電機子巻線群2051と、Y結線されたX相、Y相、Z相の三相からなる第2の電機子巻線群2052とを固定子に備えている。第1の電機子巻線群2051と第2の電機子巻線群2052は、個別に制御されることが可能である。
U相電流センサ2033は、第1の電機子巻線群2051のU相巻線Uに接続された導体に結合されており、U相巻線Uに流れる電流値を測定する。V相電流センサ2034は、第1の電機子巻線群2051のV相巻線Vに接続された導体に結合されており、V相巻線Vに流れる電流値を測定する。W相電流センサ2035は、第1の電機子巻線群2051のW巻線Wに接続された導体に結合されており、W相巻線Wに流れる電流値を測定する。
X相電流センサ2036は、第2の電機子巻線群2052のX相巻線Xに接続された導体に結合されており、X相巻線Xに流れる電流値を測定する。Y相電流センサ2037は、第2の電機子巻線群2052のY相巻線Yに接続された導体に結合されており、Y相巻線Yに流れる電流値を測定する。Z相電流センサ2038は、第2の電機子巻線群2052のZ相巻線Zに接続された導体に結合されており、Z相巻線Zに流れる電流値を測定する。
回転角度センサ2006は、第1の電機子巻線群2051に対する回転子の回転角度、又は回転子の回転速度を測定する。尚、図2には示していないが、第2の電機子巻線群2052にも、回転角度センサ2006と同様の回転角度センサを設けてもよい。
第1のコイル温度センサ2071は、二群三相モータ2050に於ける第1の電機子巻線群2051の温度を測定する。同様に、第2のコイル温度センサ2072は、二群三相モータ2050に於ける第2の電機子巻線群2052の温度を測定する。
電力変換装置としての二群三相インバータ2030は、前述の図1に於けるインバータ1003に相当し、第1の三相インバータ231と第2の三相インバータ232により構成される。
第1の三相インバータ231は、U相上アームスイッチング素子3UH、V相上アームスイッチング素子3VH、W相上アームスイッチング素子3WH、及び、U相下アームスイッチング素子3UL、V相下アームスイッチング素子3VL、W相下アームスイッチング素子3WLにより構成される。これらのスイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子と還流ダイオードとの並列接続体により構成されている。
第1の三相インバータ231に於いて、U相上アームスイッチング素子3UHのエミッタ側端子とU相下アームスイッチング素子3ULのコレクタ側端子との直列接続部は、U相側導体UAを介して第1の電機子巻線群2051のU相巻線Uに接続されている。
V相上アームスイッチング素子3VHのエミッタ側端子とV相下アームスイッチング素子3VLのコレクタ側端子との直列接続部は、V相側導体VAを介して第1の電機子巻線群2051のV相巻線Vに接続されている。
W相上アームスイッチング素子3WHのエミッタ側端子とW相下アームスイッチング素子3WLのコレクタ側端子との直列接続部は、W相側導体WAを介して第1の電機子巻線群2051のW相巻線Wに接続されている。
U相側導体UA、V相側導体VA、W相側導体は、第1の三相インバータ231の交流側端子を形成している。
U相上アームスイッチング素子3UHと、V相上アームスイッチング素子3VHと、W相上アームスイッチング素子3WHとの各コレクタ側端子は、正極側導体P1に並列接続され、正極側導体P1を介してDC電源装置としてのバッテリ2002の正極側端子に接続されている。バッテリ2002は、前述の図1に於けるバッテリ1005に相当する。
U相下アームスイッチング素子3ULと、V相下アームスイッチング素子3VLと、W相下アームスイッチング素子3WLとの各エミッタ側端子は、負極側導体N1に並列接続され、負極側導体N1を介してバッテリ2002の負極側導体に接続されている。
正極側導体P1と負極側導体N1は、第1の三相インバータ231の直流側端子を形成している。
第2の三相インバータ232は、X相上アームスイッチング素子3XH、Y相上アームスイッチング素子3YH、Z相上アームスイッチング素子3ZH、及び、X相下アームスイッチング素子3XL、Y相下アームスイッチング素子3YL、Z相下アームスイッチング素子3ZLにより構成される。これらのスイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子と還流ダイオードとの並列接続体により構成されている。
第2の三相インバータ232に於いて、X相上アームスイッチング素子3XHのエミッタ側端子とX相下アームスイッチング素子3XLのコレクタ側端子との直列接続部は、X相側導体XAを介して第2の電機子巻線群2052のX相巻線Xに接続されている。
Y相上アームスイッチング素子3YHのエミッタ側端子とY相下アームスイッチング素子3YLのコレクタ側端子との直列接続部は、Y相側導体YAを介して第2の電機子巻線群2052のY相巻線Yに接続されている。
Z相上アームスイッチング素子3ZHのエミッタ側端子とZ相下アームスイッチング素子3ZLのコレクタ側端子との直列接続部は、Z相側導体ZAを介して第2の電機子巻線群2052のZ相巻線Zに接続されている。
X相側導体XA、Y相側導体YA、Z相側導体ZAは、第2の三相インバータ232の交流側端子を形成している。
X相上アームスイッチング素子3XHと、Y相上アームスイッチング素子3YHと、Z相上アームスイッチング素子3ZHとの各コレクタ側端子は、第2の正極側導体P2に並列接続され、第2の正極側導体P2を介してDC電源装置としてのバッテリ2002の正極側端子に接続されている。
X相下アームスイッチング素子3XLと、Y相下アームスイッチング素子3YLと、Z相下アームスイッチング素子3ZLとの各エミッタ側端子は、第2の負極側導体N2に並列接続され、第2の負極側導体N2を介してバッテリ2002の負極側導体に接続されている。
正極側導体P2と負極側導体N2は、第2の三相インバータ232の直流側端子を形成している。正極側導体P2は、前述の第1の三相インバータ231の正極側導体P1に接続され、負極側導体N2は、前述の第1の三相インバータ231の負極側導体N1に接続されている。
バッテリ2002に並列接続された平滑コンデンサ2031は、バッテリ2002の直流電圧を平滑化する。バッテリ2002に並列接続された電圧センサ2032は、バッテリ2002のDCリンク電圧を測定する。バッテリ2002に直列接続された電流センサ2004は、バッテリ2002に流れる電流を測定する。
制御装置としてのマイクロコントロールユニット(Micro Control Unit:以下、MCUと称する)2001は、所定のプログラムに従って動作するマイクロプロセッサや、各種メモリ等を備えている。
MCU2001は、U相電流センサ2033と、V相電流センサ2034と、W相電流センサ2035により検出した第1の電機子巻線群2051の各相の電流値に基づいて、第1の三相インバータ231に於けるU相上アームスイッチング素子3UH、V相上アームスイッチング素子3VH、W相上アームスイッチング素子3WH、及び、U相下アームスイッチング素子3UL、V相下アームスイッチング素子3VL、W相下アームスイッチング素子3WLをオン、オフ制御によるPWM(Pulse Width Modulation)制御を行なうことで、第1の電機子巻線群2051の各相に流れる電流が所望の電流値となるように制御する。
又、MCU2001は、X相電流センサ2036と、Y相電流センサ2037と、Z相電流センサ2038により検出した第2の電機子巻線群2052の各相の電流値に基づいて、第2の三相インバータ232に於けるX相上アームスイッチング素子3XH、Y相上アームスイッチング素子3YH、Z相上アームスイッチング素子3ZH、及び、X相下アームスイッチング素子3XL、Y相下アームスイッチング素子3YL、Z相下アームスイッチング素子3ZLをオン、オフ制御によるPWM制御を行なうことで、第2の電機子巻線群2052の各相に流れる電流が所望の電流値となるように制御する。
二群三相モータ2050は、第1の電機子巻線群2051と第2の電機子巻線群2052に流れる電流に基づいて、所望のトルクを発生する。
電力変換装置としての二群三相インバータ2030は、第1の三相インバータ231の各スイッチング素子と第2の三相インバータ232の各スイッチング素子をオン、オフ制御することで、バッテリ2002から得られる直流電力を交流電力に変換して二群三相モータ2050に供給し、若しくは、二群三相モータ2050から得られる交流電力を直流電力に変換してバッテリ2002に供給する。
又、第1の三相インバータ231又は第2の三相インバータ232の各スイッチング素子の全てをオフにすることを、全相遮断(6SO:6 Switch Open)すると称し、以降の説明では、単に、全相遮断(6SO)と記載する。
第1の三相インバータ231と第2の三相インバータ232は、同時又は個別に全相遮断(6SO)を行うことが可能である。
更に、第1の三相インバータ231又は第2の三相インバータ232の、各相の上アームスイッチング素子又は下アームスイッチング素子の全ての素子をオンにすることを、三相短絡(3PS:3 Phase Short)すると称し、以降の説明では、単に、三相短絡(3PS)と記載する。
尚、第1の三相インバータ231又は第2の三相インバータ232の、各相の上アームスイッチング素子の全てをオン、各相の下アームスイッチング素子の全てをオンにするようにしても同様の効果を得られる。
第1の三相インバータ231と第2の三相インバータ232は、同時又は個別に三相短絡(3PS)を行うことが可能である。
図3は、この発明の実施の形態1による回転電機の駆動装置の動作を示すフローチャートであって、三相短絡と全相遮断を行う処理を示している。以下、図3を用いて全相遮断から三相短絡への遷移時の過電圧抑制処理、及び三相短絡から全相遮断への遷移時に於けるトルク変動抑制処理の詳細について説明する。図3のフローチャートに示す処理は、MCU2001に於けるソフトウェア処理により行なわれる。
図3に於いて、先ず、ステップS3001では、MCU2001は、図1に示すコンタクタ1004の開閉状態を判定し、コンタクタ1004が開いた状態であると判定する(Y)と、ステップS3002に進み、コンタクタ1004が閉じた状態であると判定する(N)と、このロジックを動作させる必要がない判断し、フローの処理を終了する。
ステップS3002に進むと、MCU2001は、二群三相インバータ2030の出力状態が三相短絡(3PS)であるか全相遮断(6SO)であるかを判定する。
ステップS3002に於いて、現在の二群三相インバータ2030の出力状態が三相短絡状態ではなかった場合(N)、つまり二群三相インバータ2030の出力状態が全相遮断(6SO)である場合は、ステップS3003へ進み、現在の二群三相インバータ2030の出力状態が三相短絡(3PS)であった場合(Y)は、ステップS3009へ進む。
ステップS3003に進むと、MCU2001は、二群三相モータ2050の推定モータ誘起電圧が所定値よりも低いか否かの判定を行う。これは、二群三相インバータ2030の出力状態が三相短絡(3PS)ではなく全相遮断(6SO)であれば、モータ誘起電圧によって二群三相インバータ2030内の平滑コンデンサ2031を充電してしまうことになるので、モータ誘起電圧が二群三相インバータ2030内の破壊電圧以上とならないようにするための判定である。
ここで、推定モータ誘起電圧は、予め計測していた界磁磁極を構成する永久磁石の磁束と、モータ回転数とに基づいて演算により求める。その場合、永久磁石の温度を推定することで、推定した磁石温度に対応して磁石磁束を変更してもよい。
ステップS3003に於いて、推定モータ誘起電圧が所定値よりも低いと判定した場合(Y)は、ステップS3004へ進み、推定モータ誘起電圧が所定値以上であると判定した場合(N)は、ステップS3005へ進む。
ステップS3004では、二群三相モータ2050に発生する誘起電圧が二群三相インバータ2030の故障を引き起こす電圧未満であると判断して全相遮断(6SO)を継続し、フローの処理を終了する。
ステップS3003に於いて、推定モータ誘起電圧が所定値以上である判定(N)して、ステップS3005へ進むと、ステップS3005では、二群三相モータ2050に発生する誘起電圧が二群三相インバータ2030の故障を引き起こす電圧になると判断し、第1の三相インバータ231と第1の電機子巻線群2051からなる1群のみの三相短絡(3PS)を実行する。これにより1群のインバータのスイッチング素子を介して二群三相インバータ2030に流入する電流により二群三相モータ2050で発生する誘起電圧を、二群三相モータ2050に戻す。
次に、ステップS3006に於いて、前述の1群の三相短絡を実行して所定時間経過したか否かの判定を行う。
これは、前述の1群と、第2の三相インバータ232と第2の電機子巻線群2052からなる2群との間で、三相短絡(3PS)を実施するタイミングをずらすことで三相短絡時に生じるトルク変動を軽減することを目的として実施するものである。
ステップS3006に於いて判定の結果、1群が三相短絡(3PS)を実行して所定時間経過したと判定した場合(Y)は、ステップS3007へ進み、1群が三相短絡(3PS)を実行して所定時間経過していないと判定した場合(N)は、ステップS3008へ進む。
ステップS3007では、第2の三相インバータ232と第2の電機子巻線群2052からなる2群の三相短絡を実行する。これにより2群側のスイッチング素子から二群三相インバータ2030に流入する電流により二群三相モータ2050で発生する誘起電圧を二群三相モータ2050に戻すことになる。従って、1群、2群ともに三相短絡(3PS)を実行することで、二群三相モータ2050で発生する誘起電圧を二群三相インバータ2030内の平滑コンデンサ2031に充電させないようにする。その後、フローの処理を終了する。
一方、ステップS3006に於いて、1群が三相短絡を実行してから所定時間経過していないと判定した場合(N)、ステップS3008へ進み、ステップS3008では、1群が三相短絡(3PS)を実行したときのトルク変動が安定していないため、2群の全相遮断(6SO)を継続する。その後、フローの処理を終了する。
前述のステップS3002での判定の結果、現在の二群三相インバータ2030の出力状態が三相短絡(3PS)であった場合(Y)、ステップS3009へ進む。ステップS3009に於いて、推定モータ誘起電圧が所定値よりも低いか否かの判定を行う。
二群三相インバータ2030の出力状態が三相短絡(3PS)であると、二群三相モータ2050がブレーキトルクを発生し、不要な動力損失が増えてしまう。又、三相短絡(3PS)では、二群三相モータ2050が回転している限り、二群三相モータ2050に常に電流が流れ、二群三相モータ2050及び二群三相インバータ2030のスイッチング素子が発熱してしまう。更に、コンタクタ1004(図1参照)が遮断された状態では二群三相インバータ2030に供給される電力がないため、他のコンポーネントに電力を供給することができなくなる。そこで、ステップS3009に於いて、推定モータ誘起電圧が所定値よりも低いか否かの判定を行うのである。
ステップS3009に於いて、推定モータ誘起電圧が所定値よりも低いと判定した場合(Y)は、ステップS3010へ進み、推定モータ誘起電圧が所定値以上であると判定した場合(N)は、ステップS3016へ進む。
ステップS3010に進むと、下記の式(1)を満たしているか否かの判定を行う。これは、1群を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりが許容される電圧未満になるように動作させるためである。
Figure 0006755388
式(1)の左辺は、平滑コンデンサ2031に吸収できるエネルギーである。又、式(1)の右辺は、二群三相モータ2050内にある第1の電機子巻線群2051と第2の電機子巻線群2052のコイルが発生する磁気エネルギーである。平滑コンデンサ2031に吸収できるエネルギーとコイルが発生するエネルギーのバランスをとることで、三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりをコントロールすることができる。
ステップS3010に於いて、式(1)を満たすと判定した場合(Y)は、ステップS3011へ進み、式(1)を満たさないと判定した場合(N)は、ステップS3014へ進む。
ステップS3011では、第1の三相インバータ231と第1の電機子巻線群2051からなる1群を、三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりが許容される電圧未満に収まると判断し、1群を全相遮断(6SO)とする。その後、ステップS3012へ進む。
ステップS3012では下記の式(2)を満たしているか判定を行う。これは、第1の三相インバータ231と第1の電機子巻線群2051からなる1群と同様に、第2の三相インバータ232と第2の電機子巻線群2052からなる2群を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりが許容される電圧未満になるようにするためである。
Figure 0006755388

式(2)が表す意味は、式(1)が表す前述の意味と同様である。
ステップS3012に於いて、式(2)を満たすと判定した場合(Y)は、ステップS3013へ進み、式(2)を満たさないと判定した場合(N)は、ステップS3015へ進む。
ステップS3013では、2群を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりが許容される電圧未満に収まると判断し、2群を全相遮断(6SO)とする。その後、フローの処理を終了する。この動作を実行することにより、三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行する際に発生する電源電圧の跳ね上がりを抑制しつつ、不要な動力損失を抑え、二群三相モータ2050、及び二群三相インバータ2030のスイッチング素子の発熱を抑制し、二群三相モータ2050の誘起電圧を用いて他のコンポーネントに電力を供給することができるようになる。更に、各群毎に三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行することで跳ね上がる電源電圧の最大値を抑えることができるため、平滑コンデンサ2031の容量を少なくできコストを低減することができる。
一方、前述のステップS3010に於いて、式(1)を満たさないと判定されて(N)、ステップS3014へ進むと、ステップS3014では、1群を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)へ移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりが許容される電圧以上になると判断し、1群の三相短絡(3PS)を継続する。その後、フローの処理を終了する。
また、前述のステップS3012に於いて、式(2)を満たさないと判定されて(N)、ステップS3015へ進むと、ステップS3015では、2群を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)へ移行した際に発生する電源電圧の跳ね上がりが許容される電圧以上となると判断し、2群の三相短絡(3PS)を継続する。その後、フローの処理を終了する。
更に、前述のステップS3009に於いて、推定モータ誘起電圧が所定値よりも高いと判定されて(N)、ステップS3016へ進むと、ステップS3016では、全相遮断(6SO)するには二群三相モータ2050で発生する誘起電圧が高いと判断し、三相短絡(3PS)を継続する。その後、フローの処理を終了する。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による回転電機の駆動装置について説明する。図4は、この発明の実施の形態2による回転電機の駆動装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1と実施の形態2の違いは、図3に於けるステップS3006、S3007、S3008と、図4に於けるステップS4006、S4007、S4008との相違のみであり、以下の説明では、その相違点を主体に説明する。以下、図4を用いて全相遮断(3PS)から三相短絡(6SO)に移行する際にステップS4006を用いた場合について、詳細について説明する。
図4のステップS4006では、1群q軸電流が正の値であるか否かの判定を行う。第1の三相インバータ231と第1の電機子巻線群2051からなる1群を三相短絡(3PS)したときに、1群q軸電流が変動し正の値になると二群三相モータ2050では正トルクが発生する。このタイミングで2群を三相短絡(3PS)させることで2群では二群三相モータ2050に負のトルクを生じさせる。
これにより1群で発生する正トルクを2群で発生する負トルクによって抑制することができる。そこで、ステップS4006に於いて1群q軸電流が正の値であるか否かの判定を行い、その結果に基づいて以降の動作を行うのである。
ステップS4006において、1群q軸電流が正の値であると判定した場合(Y)、ステップS4007へ進み、1群q軸電流が正の値ではないと判定した場合(N)、ステップS4008へ進
ステップS4007では、1群で発生するトルクが正であると判断し、2群の三相短絡(3PS)を実行する。その後、フローの処理を終了する。これによって、全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)に移行する際に生じる二群三相モータ2050のブレーキトルクの変動を抑制することができ、車両挙動を安定化しドライバビリティを向上させ、エンジン回転数の急変によるエンジン停止を未然に防ぐことができる。
一方、ステップS4006に於いて、1群q軸電流が正の値はないと判定した場合(N)にステップS4008へ進むと、ステップS4008では、1群で発生するトルクが負であると判断し、2群の全相遮断(6SO)を継続する。その後、フローの処理を終了する。
尚、ステップS4006に於いて、1群q軸電流によって1群の三相短絡(3PS)時のトルクを判定していたが、モータ推定トルクを用いて判定しても同様の効果を得られる。又、予め1群で発生する正トルクと2群で発生する負トルクの合算値が最も低くなる2群q軸電流の値になった際に2群を三相短絡(3PS)させるようにしてもよい。
図5は、バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を三相短絡状態から全相遮断を行った場合に於ける、三相電流の波形とインバータの充電電圧の波形を示す波形図であって、「A」は1群相電流[A]、「B」は2群総電流[A]、「C」はインバータ充電電圧[V]を示し、横軸は時間Time[sec]を示している。
以下、図5を用いて三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した場合のインバータ充電電圧の跳ね上がりについて説明する。図5に於いて、時刻t0から時刻t1までの期間では、1群、2群ともに三相短絡(3PS)状態にあり、1群のU相、V相、W相の電流は「A」に示され、2群の相電流は「B」に示される。この時刻t0から時刻t1までの期間では、インバータの充電電圧は「C」に示されるように漸次低下してゼロとなる。このように、バッテリとインバータと間の電力授受が切断された状態で、二群三相モータ2050が回生挙動を実施していない場合は、インバータに充電されている電圧は徐々に低下し、やがてゼロとなる。
そこで、1群、2群ともに全相遮断(6SO)を実施すれば、二群三相モータ2050の誘起電圧によりインバータの充電電圧を上昇させることができる。しかしながら、図5の「A」、「B」に示すように1群と2群を時刻t1で同時に全相遮断(6SO)した場合、二群三相モータ2050の磁気エネルギーにより、インバータ充電電圧が「C」に示されるように時刻t1にて跳ね上がり、過電圧値VHを超えてしまうことになる。これにより二群三相インバータ2030のスイッチング素子、及び周辺機器を破壊してしまう可能性がある。
図6は、バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を三相短絡状態から全相遮断を行った場合に於ける、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置による三相電流の波形とインバータの充電電圧の波形を示す波形図であって、「A」は1群相電流[A]、「B」は2群総電流[A]、「C」はインバータ充電電圧[V]を示し、横軸は時間Time[sec]を示している。
以下、図6を用いて、三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行する際に、1群と2群とをタイミングをずらせて三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)へ移行することで、過電圧値VHを発生せずに全相遮断(6SO)に移行することができることを説明する。
図6に於いて、時刻t0から時刻t1までの期間では、1群、2群ともに三相短絡(3PS)状態にあり、1群のU相、V相、W相の電流は「A」に示され、2群の相電流は「B」に示される。この時刻t0から時刻t1までの期間では、インバータの充電電圧は「C」に示されるように漸次低下し、やがて0となる。
ここで、1群を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行する際に発生する磁気エネルギーと二群三相インバータ2030の平滑コンデンサ2031にて吸収できるエネルギーを計算し、跳ね上がり電圧が過電圧を超えない状態となったと判定し(図3、図4に於けるステップS3010)、時刻t1に於いて1群のみを全相遮断(6SO)とする(図3、図4に於けるステップS3011)。これにより、1群の相電流は、「A」に示されるように時刻t1以降はゼロとなる。時刻t1から時刻t2の期間では2群は三相短絡(3PS)のままであるが、時刻t1に於いて1群が全相短絡(6SO)となり1群の相電流はゼロとなるので、インバータ充電電圧は「C」に示されるように過電圧値VH以下となる。
次に、2群も同様に跳ね上がり電圧が過電圧を超えない状態となったことを判定し(図3、図4に於けるステップS3012)、2群を全相遮断(6SO)とする(図3、図4に於けるステップS3013)。これにより、1群の相電流は「A」に示されるように時刻t2以降はゼロとなる。時刻t1から時刻t2の期間では既に1群は三相短絡(3PS)となっており相電流はゼロであり、時刻t2に於いて2群が全相短絡(6SO)となり2群の相電流もゼロとなるので、インバータ充電電圧は「C」に示されるように過電圧値VH以下となる。
このように三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)への切り替えを、1群と2群と間でずらせて実行し、つまり1群と2群との間で段階的に実行することにより、二群三相モータ2050を三相短絡(3PS)から全相遮断(6SO)に移行した際に発生する跳上がり電圧を過電圧値VH以下に抑制することができる。
次に、全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)へ移行する場合に、二群三相モータ2050に発生するブレーキトルクの変動について説明する。図7は、バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を全相遮断状態から三相短絡を行った場合に於ける、三相電流の波形と回転電機のトルクの波形を示す波形図であって、「A」は1群q軸電流[A]、「B」は2群q軸電流[A]、「C」は二群三相モータが発生するトルク[Nm]を示し、横軸は時間Time[sec]を示している。
図7に於いて、時刻t0から時刻t1までの期間では、1群、2群ともに全相遮断(6SO)状態にあるので、「A」、「B」に示すように1群のq軸電流及び2群のq軸電流はともにゼロであり、「C」に示すように二群三相モータ2050が発生するトルクはゼロである。
次に、時刻t1に於いて、1群、2群ともに全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)へ同時に移行させると、「A」に示される1群q軸電流と、「B」に示される2群q軸電流とは、ともに過渡的に同一方向に変動する。その結果、二群三相モータ2050が発生するトルクは、1群q軸電流に基づいて発生するブレーキトルクと2群q軸電流に基づいて発生するブレーキトルクが加算されて、「C」に示すように過渡的に大きく変動することになる。このブレーキトルクの変動により、エンジン回転数が変動し、エンストや車両振動につながる可能性がある。
次に、この発明の実施の形態1及び実施の形態2の場合について説明する。図8は、バッテリとインバータとの間の電力授受ができない状況で回転電機を全相遮断状態から三相短絡を行った場合に於ける、この発明の実施の形態1及び実施の形態2による回転電機の駆動装置による三相電流の波形と回転電機のトルクの波形を示す波形図であって、「A」は1群q軸電流[A]、「B」は2群q軸電流[A]、「C」は二群三相モータが発生するトルク[Nm]を示し、横軸は時間Time[sec]を示している。
以下、図8を用いて、全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)に移行する際に、1群と2群とをタイミングをずらせて全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)へ移行することで、二群三相モータのブレーキトルクの変動を抑制することができることを説明する。
図8に於いて、時刻t0から時刻t1までの期間では、1群、2群ともに全相遮断(6SO)状態にあるので、「A」、「B」に示すように1群のq軸電流及び2群のq軸電流はともにゼロであり、「C」に示すように二群三相モータ2050が発生するトルクはゼロである。
次に、先ず、時刻t1に於いて、「A」に示すように1群を全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)に移行させると、「A」に示すように時刻t1に於いて1群q軸電流が過渡的に変動し、「C」に示すように二群三相モータ2050のブレーキトルクは1群q軸電流の変動に基づいて過渡的に変動する。
次に、時刻t1以降で1群d軸電流に基づく二群三相モータ2050のブレーキトルクが負から正に変化する時刻t2に於いて、「B」に示すように2群を全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)に移行させる。これにより、「C」に示されるように、1群d軸電流に基づいて発生する二群三相モータ2050が発生する正方向のブレーキトルクと、2群d軸電流に基づいて二群三相モータ2050が発生する負方向のブレーキトルクとが部分的に相殺され、その結果、全相遮断(6SO)から三相短絡(3PS)への移行時に二群三相モータ2050が発生する総合的なブレーキトルクの変動が抑制されることになる。
又、2群を三相短絡(3PS)するタイミングは、1群q軸電流に基づく正方向のブレーキトルクのピークと2群q軸電流に基づく負方向のブレーキトルクのピークを一致させるために、1群を三相短絡(3PS)してから予め設定した所定時間の時間後に、2群を三相短絡(3PS)するようにしてもよい。このようにすれば、二群三相モータ2050が発生するブレーキトルクの変動をより効果的に抑制することができる。
尚、この発明は、前述の実施の形態1及び2による多群多相回転電機の駆動装置に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1及び2の構成を適宜組み合わせたり、その構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
この発明は、複数群の多相電機子巻線を備えた回転電機の分野、ひいてはその回転電機を用いるハイブリッド車及び電気自動車の分野に利用可能である。
1001 エンジン、1002 モータ、1003 インバータ、1004 コンタクタ、1005 バッテリ、1006 変速機、1007 タイヤ、3UH U相上アームスイッチング素子、3UL U相下アームスイッチング素子、3VH V相上アームスイッチング素子、3VL V相下アームスイッチング素子、3WH W相上アームスイッチング素子、3WL W相下アームスイッチング素子、3XH X相上アームスイッチング素子、3XL X相下アームスイッチング素子、3YH Y相上アームスイッチング素子、3YL Y相下アームスイッチング素子、3ZH Z相上アームスイッチング素子、3ZL Z相下アームスイッチング素子、2001 マイクロコントロールユニット、2002 バッテリ、2004 電流センサ、2006 回転角度センサ、2030 二群三相インバータ、231 第1の三相インバータ、232 第2の三相インバータ、2031 平滑コンデンサ、2032 電圧センサ、2033 U相電流センサ、2034 V相電流センサ、2035 W相電流センサ、2036 X相電流センサ、2037 Y相電流センサ、2038 Z相電流センサ、2050 二群三相モータ、2051 第1の電機子巻線群、2052 第2の電機子巻線群、2071 第1のコイル温度センサ、2072 第2のコイル温度センサ。

Claims (5)

  1. 互いに独立した複数群の多相電機子巻線と永久磁石により構成された界磁磁極とを備えた多群多相回転電機を駆動する多群多相回転電機の駆動装置であって、
    前記複数群の多相電機子巻線に対応して設けられ、前記対応する群の多相電機子巻線と直流電源との間で電力変換を行う電力変換装置を複数群備えた多群多相電力変換装置と、
    前記多群多相電力変換装置の直流側に接続された平滑コンデンサと、
    前記複数群の電力変換装置を個別に制御し得るように構成された制御装置と、
    を備え、
    前記複数群の電力変換装置は、それぞれ、前記制御装置により制御される複数のスイッチング素子により構成され、
    前記制御装置は、
    前記直流電源と前記多群多相電力変換装置との間の接続が遮断されたとき、
    前記スイッチング素子を制御して、前記複数群の電力変換装置をそれぞれ異なるタイミングで段階的に全相短絡から全相遮断に移行させ、
    前記複数群の電力変換装置が前記全相遮断された状態にあるとき、
    前記スイッチング素子を制御して、前記複数群の電力変換装置をそれぞれ異なるタイミングで段階的に全相短絡に移行させる、
    ように構成されている、
    ことを特徴とする多群多相回転電機の駆動装置。
  2. 前記多群多相回転電機の誘起電圧の推定値が所定の電圧値以下であり、且つ、
    前記複数群の電力変換装置のうちの一つの前記電力変換装置が、下記の式(1)を満たす動作状態にあるとき、
    Figure 0006755388
    前記制御装置は、前記スイッチング素子を制御して、前記一つの電力変換装置を前記全相短絡から前記全相遮断に移行させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多群多相回転電機の駆動装置。
  3. 前記一つの電力変換装置が前記全相短絡の状態にあり、
    前記複数群の電力変換装置のうちの前記一つの電力変換装置以外の他の一つの電力変換装置が、下記の式(2)を満たす動作状態にあるとき、
    Figure 0006755388
    前記制御装置は、前記スイッチング素子を制御して、前記他の一つの電力変換装置を前記全相短絡から全相遮断に移行させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の多群多相回転電機の駆動装置。
  4. 前記全相遮断から全相短絡に移行する際に、
    前記制御装置は、前記スイッチング素子を制御して、前記複数群の前記電力変換装置のうちの一つの電力変換装置に流れるq軸電流が正となったタイミングで、前記一つの電力変換装置以外の他の一つの電力変換装置を全相遮断から全相短絡に移行させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の多群多相回転電機の駆動装置。
  5. 前記全相遮断から全相短絡に移行する際に、
    前記制御装置は、前記複数群の前記電力変換装置のうちの一つの電力変換装置を前記全相遮断から全相短絡に移行させてから所定の時間経過後に、前記一つの電力変換装置以外の他の一つの電力変換装置を全相遮断から全相短絡に移行させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の多群多相回転電機の駆動装置。
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