JP6754984B2 - 引戸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、戸袋に収納される戸体を備えた引戸装置に関する。
従来より、スライド自在に配され、開口部を開閉する戸体の納め構造としては、開放状態とされた戸体を収納する戸袋を設けた戸袋納め構造が知られている。このように戸体を戸袋納めとした場合には、戸体を閉鎖状態とすれば、戸袋を形成する壁体の両面と戸体の両面とに大きな段差が形成され易いという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、閉じられた状態で車体の外板と同一面とされた車外側の引戸外板を、車内側に摺動可能とし、引戸を開く時に、引戸外板を車内側に摺動させて厚さを薄くし、戸袋に収納可能とした車両用引戸が開示されている。
特開平1−127452号公報
しかしながら、上記構成とされた引戸においても、引戸の車内側の引戸内板と戸袋を形成する壁体の車内側とには大きな段差が形成され、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、戸袋を形成する壁体と閉鎖状態の戸体との違和感を生じ難くし得る引戸装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る引戸装置は、開放状態で戸袋に収納される戸体を備えた引戸装置であって、前記戸体は、閉鎖状態で戸厚方向の各表面が前記戸袋を形成する壁体の各表面とそれぞれ略同一平面状となるように、該壁体の厚さと略同厚さとされる一方、開放状態で閉鎖状態よりも戸厚寸法が小さくなるように、戸厚寸法が可変とされており、閉鎖状態の前記戸体が開放側に移動されることで、前記戸袋に収納される該戸体を戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部を備えていることを特徴とする
また、本発明に係る他の引戸装置は、開放状態で戸袋に収納される戸体を備えた引戸装置であって、前記戸体は、閉鎖状態で戸厚方向の各表面が前記戸袋を形成する壁体の各表面とそれぞれ略同一平面状となるように、該壁体の厚さと略同厚さとされる一方、開放状態で閉鎖状態よりも戸厚寸法が小さくなるように、戸厚寸法が可変とされており、前記戸袋の戸厚方向両内側には、前記戸体の戸厚方向の各表面に当接されて上下方向に沿う軸回りに回転する複数のローラーが戸幅方向に間隔を空けて設けられていることを特徴とする。
本発明に係る引戸装置は、上述のような構成としたことで、戸袋を形成する壁体と閉鎖状態の戸体との違和感を生じ難くすることができる。
(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示し、(a)は、図3(a)におけるX1−X1線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略横断面図、(c)は、図3(b)におけるX2−X2線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、図3(a)におけるY1−Y1線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、図3(b)におけるY2−Y2線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。 (a)、(b)は、同引戸装置の概略正面図である。 (a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る引戸装置が備える戸体の一例をそれぞれ模式的に示す一部破断概略横断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の更に他の実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示し、(a)は、図2(a)に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、図2(b)に対応させた一部破断概略縦断面図、(c)は、同引戸装置が備える戸体の一部破断概略横断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態に係る引戸装置を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1〜図3は、第1実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る引戸装置1は、図1及び図3に示すように、開放状態で戸袋6に収納される戸体10を備えている。戸体10は、閉鎖状態で戸厚方向の各表面11a,11aが戸袋6を形成する壁体7の各表面7a,7aとそれぞれ略同一平面状となるように、壁体7の厚さと略同厚さとされる一方、開放状態で閉鎖状態よりも戸厚寸法が小さくなるように、戸厚寸法が可変とされている。
この戸体10は、戸幅方向にスライド自在に配され、住居等の建物内の間仕切壁4を貫通するように設けられた出入口となる開口5を開閉する構成とされている。本実施形態では、引戸装置1を、片引き状に配される単一の戸体10を備えた構成としている。つまり、開口5の間口方向一方側のみに戸袋6を設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、開口5の間口方向両側に設けられる戸袋6,6のそれぞれに収納され、両引き(引き分け)状に配される二枚の戸体10,10を備えた構成としてもよい。
開口5は、縦枠や上枠等を有した戸枠によって区画されたものでもよいが、図例では、戸枠を設けていない例を示している。この開口5の反戸袋側となる間口方向一方側面は、間仕切壁4の壁面から一連状に設けられた内装仕上面としてもよい。また、この開口5の戸袋側となる間口方向他方側面は、戸袋6を形成する壁体7の各表面7a,7aから一連状に設けられた内装仕上面としてもよい。なお、開口5の間口方向両側を、戸先側縦枠や戸袋口を区画するように間隔を空けて設けられた一対の中方立等の枠材によって区画する場合には、間仕切壁4の壁面及び壁体7の各表面7a,7aから壁厚方向に突出しないように枠材を設けた構成としてもよい。また、図例では、開口5の下側を床2によって区画し、開口5の上側を天井3によって区画した例を示している。なお、このような態様に代えて、開口5の上下両側または一方側を、枠材によって区画するようにしてもよい。また、開口5の上側に垂れ壁を設けたような態様等としてもよい。
戸袋6は、戸幅方向一方側となる開口5側に向けて開口するように設けられ、戸体10の収納空間を構成する。この戸袋6の戸幅方向に沿う寸法は、戸体10の収納が可能なように戸体10の戸幅寸法に応じた寸法とされている。本実施形態では、戸袋6の戸幅寸法を、戸体10の全体を収納可能な寸法としている。なお、このような態様に代えて、戸袋6を、いわゆる引き残しが形成されるように、全開させた状態で戸先側端部が露出するように戸体10を収納する構成とされたものとしてもよい。また、戸袋6の上下方向に沿う寸法は、開口5の開口高と略同寸法となるように適宜の寸法としてもよい。また、戸袋6の戸厚方向に沿う寸法は、閉鎖状態の戸体10の戸厚寸法よりも小とされ、後記するように開放状態とされて戸厚寸法が小とされた戸体10の収納が可能な寸法とされている。
また、本実施形態では、戸袋6の戸袋口近傍部位の戸厚方向両内側に、開口側に向かうに従い拡開するように傾斜する傾斜ガイド面8,8を設けた構成としている。つまり、これら傾斜ガイド面8,8は、戸袋6の戸厚方向に沿う寸法を開口5側に向かうに従い大きくするように形成されている。これら傾斜ガイド面8,8は、閉鎖状態の戸体10が開放側に移動されることで、戸袋6に収納される戸体10を戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部を構成する。これら傾斜ガイド面8,8の傾斜角度(各傾斜ガイド面8,8が設けられた側の壁体7の各表面7a,7a(を延長させた仮想面)とのなす角度)は、後記するように収納される戸体10の変形が円滑になされるように適宜の角度としてもよい。例えば、これら傾斜ガイド面8,8の傾斜角度を、60度未満としてもよく、好ましくは、45度以下としてもよく、図例では、互いに略同角度とし、20度程度とした例を示している。
これら傾斜ガイド面8,8の戸幅方向に沿う寸法は、互いに同寸法とされている。つまり、これら傾斜ガイド面8,8の戸袋口側の各縁部及び戸袋6の奥側の各縁部は、戸幅方向で互いに一致した位置となるように設けられている。
なお、これら傾斜ガイド面8,8は、各傾斜ガイド面8,8が設けられた側の壁体7の各表面7a,7aと略交差状となるように、つまり、戸袋口の戸厚方向に沿う寸法が壁体7の厚さと略同寸法となるように設けられたものでもよい。または、戸袋口の戸厚方向両外縁側に連なるように開口5側に向く平坦面部が設けられるように、傾斜ガイド面8,8を設けた構成としてもよい。
また、これら傾斜ガイド面8,8よりも戸袋6の奥側の戸厚方向両内側は、互いに平行面状とされている。なお、戸袋6の奥側の戸厚方向両内側は、平坦面状とされたものに限られず、適宜の桟材等が設けられて凹凸部が形成されたものでもよい。
また、本実施形態では、戸袋6の戸厚方向両内側に、戸体10の戸厚方向の各表面11a,11aに当接されて上下方向に沿う軸回りに回転する複数のローラー9,9を戸幅方向に間隔を空けて設けた構成としている。また、上記した傾斜ガイド面8,8の途中部位と、傾斜ガイド面8,8の戸袋6の奥側の各縁部と、にもローラー9,9を設けた構成としているが、このようなローラー9,9を設けていない構成としてもよい。
これら戸厚方向両側のローラー9,9は、戸袋6に収納される戸体10の戸厚方向の各表面11a,11aが戸袋6の戸厚方向両側の他の部位等に接触しないように、戸幅方向に適宜の間隔を空けて設けた構成としてもよい。図例では、戸厚方向一方側の各ローラー9と戸厚方向他方側の各ローラー9とを、戸幅方向で略一致した位置となるように設けた例を示している。
また、これらローラー9,9の上下方向に沿う寸法は、戸袋6の上下方向の概ね全体に亘るような寸法とされたものでもよいが、比較的に小さい寸法とされたものでもよい。例えば、図2(b)に示すように、上下方向に間隔を空けて複数のローラー9,9を設けた構成としてもよい。
また、図例では、これらローラー9,9を、戸袋6の戸厚方向両側を区画する壁部に埋込状に設けたような例を示しているが、戸袋6の戸厚方向両側の壁部に付設状に設けたり、壁部から離間して設けられたものでもよい。また、これらローラー9,9や上記した傾斜ガイド面8,8は、戸袋口を区画し、当該引戸装置1が備える一対の中方立に設けられたものでもよい。また、これらローラー9,9を、戸袋6の戸厚方向両内側に配され、当該引戸装置1が備える適宜のローラー支持部材に回転自在に支持させた構成等としてもよい。
この戸袋6を形成する壁体7は、壁厚方向の各表面7a,7aが隣接する間仕切壁4の壁面に一連状となるように設けられている。つまり、この壁体7の厚さ寸法(壁厚方向一方側の表面7aから壁厚方向他方側の表面7aまでの壁厚寸法)は、間仕切壁4と同厚さとされている。
また、この壁体7は、間仕切壁4を構成する壁下地ボードが一連状に設けられて形成されたものでもよく、間仕切壁4とは別体的に設けられた袖壁状の一対の壁部を備えたものでもよく、戸袋6を形成するように一体的に形成されたものでもよい。また、この壁体7を、引戸装置1が備えた構成としてもよい。この場合は、上記した傾斜ガイド面8,8やローラー9,9が壁体7に設けられたものでもよい。
戸体10は、図1〜図3に示すように、上下方向に長尺状とされ、略矩形平板状とされている。この戸体10の上下方向に沿う寸法(戸高寸法)及び戸幅寸法は、開口5の閉鎖が可能なように適宜の寸法とされている。この戸体10の戸先側端部の戸厚方向両側には、戸体10を開閉する際の手掛けとなる引手12,12が設けられている。本実施形態では、これら引手12,12を、戸体10の戸厚方向両側の各表面11a,11aから戸厚方向に略突出しないように堀込状に設けられた凹状引手としている。このような構成とすれば、全開状態において戸体10の略全体を戸袋6に収納させる場合にも引手12,12が邪魔になるようなことを抑制することができる。なお、引手12,12としては、このような態様に限られず、戸厚方向両側に突出するように設けられるバー状等とされたものとしてもよい。
また、戸体10は、開口5を閉鎖した状態(閉鎖状態)で、戸厚方向一方側の表面11aが壁体7の壁厚方向一方側の表面7aと略同一平面状となり、戸厚方向他方側の表面11aが壁体7の壁厚方向他方側の表面7aと略同一平面状となる構成とされている。また、戸体10は、開口5を開放させた状態(開放状態)で、戸厚寸法が大とされた閉鎖状態よりも戸厚寸法が小とされて戸袋6に収納される構成とされている。この戸体10には、戸厚寸法を可変とする戸厚可変機構が設けられている。また、本実施形態では、引戸装置1に、戸厚寸法が小とされた当該戸体10を閉鎖状態の戸厚寸法に復元させる戸厚復元機構を設けている。
本実施形態では、戸体10を、戸厚方向に間隔を空けて設けられた戸厚方向両側の面材11,11を備えた構成とし、これら両側の面材11,11を戸厚方向に変位自在に連結する連結部材13,15を戸厚可変機構として設けた構成としている。つまり、戸厚方向両側の面材11,11が接近及び離反(離間)することで、戸体10の戸厚寸法が変化する構成とされている。
戸厚方向両側の面材11,11は、戸厚方向に厚さ方向を沿わせて配された薄板状とされ、戸体10の戸厚方向両側の表面となるそれぞれの表面11a,11aが化粧面とされている。このような面材11,11としては、基材に、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙や合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等の化粧シートを積層した構成とされたものでもよい。また、これら面材11,11の基材としては、MDF(中密度繊維板)等の木質系ボードに限られず、ガラス繊維等の強化繊維シートを含んだ繊維強化樹脂層を備えた構成とされたものでもよい。この場合、強化繊維シートを含まない樹脂層を化粧シートの裏面側に備えた構成とされたものや、エンボス状に凹凸が設けられた繊維強化樹脂層を備えた構成とされたものでもよい。これら面材11,11の基材としては、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
また、本実施形態では、これら面材11,11の戸幅方向両側端部に、戸幅方向外側に向かうに従い戸厚方向中心側に向けて傾斜する傾斜面状の面取部11b,11b,11b,11bを設けた構成としている。つまり、戸体10の戸幅方向両端部に、戸幅方向外側に向かうに従い戸厚寸法を小さくするように先細状とされた部位を設けた構成としている。
また、戸体10は、図1(a)に示すように、閉鎖状態で、これら両側の面材11,11の戸幅方向一方側となる戸袋6側(戸尻側)の面取部11b,11bが設けられた部位が戸袋6の戸袋口に受け入れられる構成とされている。なお、開口5の反戸袋側となる間口方向一方側面に、閉鎖状態の戸体10の戸先側の面取部11b,11bが設けられた部位を受け入れる戸じゃくり溝を設けた構成等としてもよい。また、このような面取部11b,11bを設けた態様に代えて、戸体10の戸尻側端部に閉鎖状態で戸袋6の戸袋口に受け入れられる戸厚寸法が他の部位よりも小とされ隙間遮蔽部として機能する部位を設けた構成等としてもよい。
また、戸体10に連結部材13,15として、両側の面材11,11の四周端部(上下方向両端部及び戸幅方向両端部)同士を戸厚方向に変位自在に連結する膜状部材13を設けた構成としている。この膜状部材13は、両側の面材11,11の四周端部間を覆う覆い部材としても機能する。つまり、戸体10の上下の端面及び戸幅方向両側端面を構成するように戸体10の四周端部に膜状部材13を設けた構成としている。この膜状部材13は、戸厚方向両側に開口する筒状に一体的に形成されたものでもよく、四周端部のそれぞれに個別に設けられて互いに接合されたものでもよい。
また、このような膜状部材13としては、戸厚方向に伸縮自在とされたゴム等の弾性部材から形成された弾性膜でもよく、また、蛇腹状部材でもよく、また、両側の面材11,11同士の接近を許容するように変形する布状部材等でもよい。また、このような膜状部材13は、戸体10の少なくとも戸幅方向両側端部に設けた構成としてもよく、戸体10の上端側や下端側には設けていない構成としてもよい。なお、両側の面材11,11の少なくとも戸幅方向両側端部間を覆う覆い部材としては、このような膜状部材13に限られず、面材11,11の端部から互いに向き合う方向に突出し、重ね合わせられるように配される突片部状とされたものでもよい。
また、戸体10に連結部材13,15として、互いに接近した面材11,11同士を離間させる方向に付勢し、戸厚復元機構としても機能する付勢部材15を設けた構成としている。つまり、この付勢部材15は、閉鎖側に移動される戸体10を戸厚寸法が大きくなるように変形させる戸厚復元機構として機能する。また、本実施形態では、付勢部材15として、複数のばね部材を戸幅方向及び上下方向に間隔を空けて設けた構成としている。これら付勢部材15としては、図例のような戸厚方向に伸長する方向に付勢する圧縮コイルばねに限られず、板ばねでもよくトーションばね等でもよい。また、付勢部材15としては、このようなばね部材に限られず、ゴムや樹脂発泡体等からなるものでもよく、複数種を組み合わせた構成とされたものでもよい。
また、これら付勢部材15は、戸体10が閉鎖状態とされて両側の面材11,11同士が離間した状態で概ね自然状態とされ、かつ戸体10が開放状態とされて両側の面材11,11同士が近接した状態となるまで弾性変形可能な構成とされたものでもよい。なお、これら付勢部材15は、両側の面材11,11同士の垂直面に沿う方向への互いのずれを抑制するように両側の面材11,11同士を連結する構成とされたものでもよい。また、両側の面材11,11に、付勢部材15を保持する突起や筒状部を設けた構成等としてもよい。
また、本実施形態では、引戸装置1に、開閉される戸体10の上下両端部をガイドする上下のガイド部として、ガイドレール(上レール及び下レール)20,25を設けた構成としている。これら上レール25及び下レール20は、本実施形態では、戸袋6に収納される戸体10を戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部としても機能する構成とされている。また、下レール20は、本実施形態では、閉鎖側に移動される戸体10を戸厚寸法が大きくなるように変形させる戸厚復元機構としても機能する。
また、戸体10の上下方向一方側端部としての下端部に、上下方向一方側のガイドレールを構成する下レール20にガイドされる被ガイド部を構成する戸車14を設けた構成としている。
また、戸体10の両側の面材11,11のそれぞれの下端部に戸車14,14を設けた構成としている。また、両側の面材11,11の下端部の戸幅方向両側端部のそれぞれに戸車14,14,14,14を設けた構成としている。これら戸車14,14,14,14は、概ね戸厚方向に沿う軸回りに回転自在とされ、かつ各面材11,11に対して上下方向に沿う軸回りに回転(旋回)自在に保持されている。つまり、これら戸車14,14,14,14は、自在キャスター状とされている。なお、両側の面材11,11のそれぞれの下端部に設けられる被ガイド部としては、このような戸車14,14に限られず、ボールキャスター状とされたものや、ピン状とされたもの、摺動ブロック等でもよい。
下レール20は、戸幅方向に延びるように長尺状とされている。この下レール20の長さ寸法は、閉鎖位置と全開位置との間を移動する戸体10の下端側のガイドが可能なように適宜の寸法とされている。図例では、この下レール20の長さを、開口5の反戸袋側となる間口方向一方側面から戸袋6の奥側面までの戸幅方向に沿う寸法に応じた寸法とした例を示している。また、この下レール20は、戸枠を構成する下枠に設けられたものでもよく、床2上に付設状に設けられるものでもよいが、図例では、床2に埋込状に設けられたものとしている。
この下レール20には、戸体10の戸厚方向両側の戸車14,14,14,14をそれぞれにガイドする一対のレール溝21,21が設けられている。また、これら一対のレール溝21,21の長手方向途中部位には、戸袋6の奥側に向かうに従い互いに近接する側に向けて傾斜する傾斜溝部23,23が設けられている。これら一対のレール溝21,21は、上方側に向けて開口するように設けられている。
また、これら一対のレール溝21,21における傾斜溝部23,23よりも反戸袋側となる開口5側の部位は、戸幅方向に延びるストレート状(直線状)の開口側直線溝部22,22とされている。また、これら一対のレール溝21,21における傾斜溝部23,23よりも戸袋6側の部位は、戸幅方向に延びるストレート状(直線状)の戸袋側直線溝部24,24とされている。
開口側直線溝部22,22は、戸厚方向に間隔を空けて、かつ互いに平行状に設けられている。戸袋側直線溝部24,24は、戸厚方向に間隔を空けて、かつ互いに平行状に設けられている。戸厚方向両側の開口側直線溝部22,22間の間隔は、戸厚方向両側の戸袋側直線溝部24,24間の間隔よりも大とされている。
戸厚方向両側の開口側直線溝部22,22間の間隔は、図1(a)及び図2(a)に示すように、閉鎖状態とされた戸体10の戸厚方向両側の戸車14,14間の間隔に応じた寸法とされている。一方、戸厚方向両側の戸袋側直線溝部24,24間の間隔は、図1(c)及び図2(b)に示すように、全開状態とされた戸体10の戸厚方向両側の戸車14,14間の間隔に応じた寸法とされている。
また、これら一対のレール溝21,21の傾斜溝部23,23は、戸厚方向両側の開口側直線溝部22,22の戸袋6側端部と戸厚方向両側の戸厚方向両側の戸袋側直線溝部24,24の反戸袋側端部とを接続するように設けられている。これら傾斜溝部23,23は、戸体10を開放側に移動させる際に、開放側に移動する戸体10の戸厚寸法を小さくするように戸厚方向両側の戸車14,14を近接させるようにガイドする構成とされている。一方、これら傾斜溝部23,23は、戸体10を閉鎖側に移動させる際に、閉鎖側に移動する戸体10の戸厚寸法を大きくするように戸厚方向両側の戸車14,14を離間させるようにガイドする構成とされている。
また、図例では、これら傾斜溝部23,23の溝長手方向両端部と開口側直線溝部22,22及び戸袋側直線溝部24,24との接続部にR状に湾曲する湾曲部を設けた構成としているが、これらの接続部を屈曲部としてもよい。
なお、これら傾斜溝部23,23の戸幅方向における位置は、戸体10の戸車14,14の戸幅方向における位置に応じて適宜の位置としてもよい。つまり、閉鎖状態とされた戸体10の戸尻側の戸車14,14の戸尻側に隣接した位置となるように、これら傾斜溝部23,23を設けた構成としてもよい。また、全開状態とされた戸体10の戸先側の戸車14,14の戸先側に隣接した位置となるように、これら傾斜溝部23,23を設けた構成としてもよい。
また、これら一対のレール溝21,21は、全長に亘って溝幅及び溝深さが一様な寸法とされたものでもよい。
上レール25は、戸幅方向に延びるように長尺状とされている。この上レール25の長さ寸法は、閉鎖位置と全開位置との間を移動する戸体10の上端側のガイドが可能なように適宜の寸法とされている。この上レール25の長さ寸法は、下レール20と略同長さとしてもよい。また、この上レール25は、戸枠を構成する上枠に設けられたものでもよく、天井3に付設状に設けられるものでもよいが、図例では、天井3に埋込状に設けられたものとしている。
この上レール25には、戸体10の上端側の被ガイド部をガイドするレール溝26が設けられている。本実施形態では、戸体10の上端側の被ガイド部を、戸体10の上端部としている。つまり、上レール25のレール溝26は、下方側に向けて開口するように設けられ、戸体10の上端部を受け入れて戸幅方向に移動する戸体10の上端側をガイドする構成とされている。
この上レール25のレール溝26の溝幅方向両側内壁の長手方向途中部位には、詳細な図示は省略しているが、上記した戸厚方向両側の傾斜ガイド面8,8のそれぞれに略同一平面状とされた傾斜壁部28,28が設けられている(図2(a)参照)。つまり、これら傾斜壁部28,28は、戸袋6の奥側に向かうに従い溝幅寸法を小さくするように、互いに近接する側に向けて傾斜する傾斜面状とされている。
また、これら傾斜壁部28,28よりも開口5側のレール溝26の溝幅方向両側の開口側内壁27,27は、図2(a)に示すように、互いに平行状に設けられている。これら開口側内壁27,27間の溝幅寸法は、閉鎖状態とされた戸体10の戸厚寸法に応じた寸法とされている。また、これら傾斜壁部28,28よりも戸袋6側のレール溝26の溝幅方向両側の戸袋側内壁29,29は、図2(b)に示すように、互いに平行状に設けられている。これら戸袋側内壁29,29間の溝幅寸法は、全開状態とされた戸体10の戸厚寸法に応じた寸法とされている。つまり、戸袋側内壁29,29間の溝幅寸法が開口側内壁27,27間の溝幅寸法よりも小となるように、開口側内壁27,27と戸袋側内壁29,29との間に戸袋6の奥側に向かうに従い溝幅を小さくするように傾斜壁部28,28を設けた構成としている。なお、このレール溝26は、全長に亘って溝深さが一様な寸法とされたものでもよい。また、このレール溝26の溝幅方向両側または戸体10の上端部に上下方向に沿う軸回りに回転するローラー等を設けた構成としてもよい。また、上下のレール25,20は、金属製や合成樹脂製でもよいが、木質系材料から形成されたものでもよい。つまり、上下の枠部材に直接的にレール溝26,21,21を設けたような態様等としてもよい。
上記構成とされた引戸装置1においては、以下のように、戸幅方向への移動(開閉)を伴って戸体10の戸厚寸法が変化する。
図1(a)、図2(a)及び図3(a)に示す閉鎖状態とされた戸体10を開放側に移動させれば、図1(b)に示すように、戸厚方向両側の傾斜ガイド面8,8のガイド作用によって戸厚方向両側の面材11,11の戸尻側端部同士が近接する側に移動する。この際、戸厚方向両側の面材11,11の戸尻側端部同士が付勢部材15の付勢に抗して近接する側に移動する。また、戸体10の下端部の戸尻側の戸車14,14が下レール20の傾斜溝部23,23のガイド作用によって近接する側に移動し、これによっても戸厚方向両側の面材11,11の戸尻側端部同士が近接する側に移動される。また、戸厚方向両側の面材11,11の上端側が上レール25の傾斜壁部28,28のガイド作用によって近接する側に移動し、これによっても戸厚方向両側の面材11,11の戸尻側端部同士が近接する側に移動される。
このように閉鎖位置から開放側に移動された状態では、戸厚方向両側の面材11,11が互いに傾斜状となる(図1(b)参照)。
さらに開放側に移動させれば、戸厚方向両側の面材11,11が傾斜ガイド面8,8及び上下のレール25,20によるガイド作用によって互いに近接する側に移動し、戸厚寸法が小とされて戸体10が図1(c)、図2(b)及び図3(b)に示す全開位置となる。また、このように全開位置に移動する際には、戸体10の戸厚方向の各表面11a,11aが戸袋6の戸厚方向両側のローラー9,9に当接されてこれらローラー9,9の回転を伴い円滑に移動する。
一方、全開状態とされた戸体10を閉鎖側に移動させれば、戸体10の上下両側が上下のレール25,20によって規制されながら一対のレール溝21,21及び付勢部材15によって戸厚方向両側の面材11,11同士が離間する。そして、壁体7と略同厚さとなるように戸厚寸法が大とされて戸体10が閉鎖状態とされる。
本実施形態に係る引戸装置1は、上述のような構成としたことで、戸袋6を形成する壁体7と閉鎖状態の戸体10との違和感を生じ難くすることができる。
つまり、戸体10は、閉鎖状態で戸厚方向の各表面11a,11aが戸袋6を形成する壁体7の各表面7a,7aとそれぞれ略同一平面状となるように、壁体7の厚さと略同厚さとされる一方、開放状態で閉鎖状態よりも戸厚寸法が小さくなる構成とされている。従って、戸袋6に戸体10を収納可能でありながらも、戸袋6を形成する壁体7の各表面7a,7aと閉鎖状態の戸体10の戸厚方向の各表面11a,11aとの間に段差が形成され難く、すっきりとした印象を与えることができる。つまり、閉鎖状態では、戸体10の戸尻側に連なるように設けられる壁体7の壁厚と戸体10の戸厚とが略同厚さとなり、戸厚方向のいずれ側においても、戸体10が壁体7のような外観を呈し、見栄えを向上させることができる。また、上記のように戸体10の戸先側端部が対向される開口5の間口方向一方側を区画する部位に突出部(ちり部)を設けずに間仕切壁4と同厚さとしたり、間仕切壁4によって構成したりしてもよい。これによれば、戸体10の戸先側に連なるように設けられる間仕切壁4の壁厚と戸体10の戸厚とが略同厚さとなり、見栄えを向上させることができる。
また、本実施形態では、閉鎖状態とされた戸体10が開放側に移動されることで、戸袋6に収納される戸体10を戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部8,8,20,25を備えた構成としている。従って、戸体10を開放側に移動させれば、ガイド部8,8,20,25のガイド作用によって戸体10の戸厚寸法が小さくなり、戸体10を戸袋6に収納させることができる。これにより、手動操作によって戸体10を変形させて戸厚寸法を大きくしたり、小さくしたりする必要があるようなものと比べて、使い勝手を向上させることができる。また、電動によって戸体10の戸厚寸法を変化させるようなものと比べて、構造の簡略化を図ることができる。
また、本実施形態では、ガイド部を構成するガイドレール(下レール)20の一対のレール溝21,21の長手方向途中部位に、戸袋6の奥側に向かうに従い互いに近接する側に向けて傾斜する傾斜溝部23,23を設けた構成としている。従って、戸体10を開放させる際には、一対のレール溝21,21のそれぞれにガイドされる戸体10に設けられた一対の被ガイド部(戸車)14,14が傾斜溝部23,23を通過する際に互いに近接する側に移動する。これにより、戸体10の両側の面材11,11同士が近接する側に移動して戸体10の戸厚寸法が小さくなる。一方、戸体10を閉鎖させる際には、戸体10の一対の被ガイド部(戸車)14,14が傾斜溝部23,23を通過する際に互いに離間する側に移動し、これにより、戸体10の両側の面材11,11同士が離間する側に移動して戸体10の戸厚寸法が大きくなる。
なお、本実施形態のように、互いに接近した面材11,11同士を離間させる方向に付勢し、戸厚復元機構として機能する付勢部材15を設けた場合には、下レール20に一対のレール溝21,21を設けた態様に代えて、単一のレール溝を設けた構成としてもよい。つまり、上記した上レール25のように、単一のレール溝の溝幅方向両側内壁によって戸厚方向両側の戸車14,14の移動軌跡を規制するような態様等としてもよい。
また、本実施形態では、戸袋6の戸袋口近傍部位の戸厚方向両内側に、開口5側に向かうに従い拡開するように傾斜し、ガイド部を構成する傾斜ガイド面8,8を設けた構成としている。従って、戸体10を開放させる際には、戸袋口近傍部位の両側の傾斜ガイド面8,8のガイド作用によって戸体10が戸厚寸法を小さくするように変形する。これにより、簡易な構造で戸体10を戸厚寸法が小さくなるように変形させることができる。
また、このような傾斜ガイド面8,8を戸袋口近傍部位の戸厚方向両側に設けた構成とすれば、開放状態(全開状態)とされて戸袋6に収納された戸体10を閉鎖側に移動させる際に、その戸先側端部を把持するようなこともできる。
また、このような傾斜ガイド面8,8を設けた場合には、上下のレール25,20を上記のような態様とせずに、全長に亘って一様な溝幅とされた直線状のレール溝を設けた構成としてもよい。この場合は、戸厚方向両側の被ガイド部14,14の接近及び離反を許容するような溝幅とされたものとしたり、戸厚方向に単一の被ガイド部14を設けた構成としたりしてもよい。
また、本実施形態では、戸袋6の戸厚方向両内側に、戸体10の戸厚方向の各表面11a,11aに当接されて上下方向に沿う軸回りに回転する複数のローラー9,9を戸幅方向に間隔を空けて設けた構成としている。従って、このようなローラー9,9を設けていないものと比べて、戸体10を円滑に戸袋6に収納させることができ、戸体10の戸厚方向の各表面11a,11aの損傷等を抑制することができる。なお、このようなローラー9,9を設けた態様に代えて、摺動性の良好な樹脂等からなる突部を戸幅方向に間隔を空けて設けた構成としてもよく、または、戸袋6の戸厚方向両内側を、戸幅方向の概ね全体に亘って平坦面状とされたものとしてもよい。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態では、上記した第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
図4(a)は、第2実施形態に係る引戸装置1Aが備える戸体10Aの一例を模式的に示す図である。
本実施形態では、図4(a)に示すように、戸体10Aの戸厚方向両側の面材11,11同士を、互いの上下方向への変位を抑制するように連結する第2連結部材16を設けた構成が上記第1実施形態とは異なる。
この第2連結部材16は、互いの長手方向途中部位が上下方向に沿う中間軸17c回りに回転自在に連結され、互いに交差するように設けられた二本の連結アーム17,17を備えている。図例では、この第2連結部材16を、中間軸17cが戸体10Aの戸幅方向略中心に位置するように設けた例を示しているが、他の部位に設けた構成としてもよい。また、これら連結アーム17,17の長手方向一端部(図例では、戸尻側端部)は、両側の面材11,11の互いに対向する側となる裏面に設けられた戸尻側連結部18,18に上下方向に沿う第1軸17a,17a回りに回転自在に連結されている。両側の面材11,11の戸尻側連結部18,18には、第1軸17a,17aを回転自在に保持する丸穴状の軸受部が設けられている。
また、これら連結アーム17,17の長手方向他端部(図例では、戸先側端部)は、面材11,11の裏面に設けられた戸先側連結部19,19に上下方向に沿う第2軸17b,17b回りに回転自在に連結されている。両側の面材11,11の戸先側連結部19,19には、第2軸17b,17bを戸幅方向に移動自在にかつ回転自在に保持する長穴状の軸受部が設けられている。これら戸先側連結部19,19の軸受部は、上記のように移動する際に傾斜状とされる両側の面材11,11の変位に追従可能なように設けられている。
これら連結アーム17,17は、戸体10Aが戸厚方向に変形する際には、一端部同士及び他端部同士が接近及び離間するように中間軸17c回りに回転し、これらに連結された両側の面材11,11の互いの上下方向への変位の抑制がなされる。
上記構成とされた本実施形態に係る引戸装置1Aにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、本実施形態では、上記のような第2連結部材16を設けた構成としているので、戸体10Aの両側の面材11,11同士をより強固に連結することができ、互いの上下方向への位置ずれをより効果的に抑制することができる。
なお、上下方向に間隔を空けて複数の第2連結部材16を設けた構成としてもよい。
図4(b)は、第3実施形態に係る引戸装置1Bが備える戸体10Bの一例を模式的に示す図である。
本実施形態では、図4(b)に示すように、戸体10Bの戸厚方向両側の面材11,11同士を連結する第2連結部材16Aの構成が上記第2実施形態とは異なる。
本実施形態では、第2連結部材16Aを、一方の面材11の裏面に固定された第1部材17Aと、この第1部材17Aに連結され、他方の面材11の裏面に固定された第2部材18Aと、を備えた構成としている。第1部材17Aは、他方の面材11に向けて突出するように設けられ、突出方向先端部に、第2部材18Aに連結された連結軸17Aaを設けた構成とされている。この連結軸17Aaは、軸方向を上下方向に沿わせた構成とされている。第2部材18Aは、一方の面材11に向けて突出するように設けられ、連結軸17Aaを戸厚方向に移動自在に保持する戸厚方向に長尺状とされた保持溝18Aaを設けた構成とされている。
これら第1部材17Aと第2部材18Aとは、上下方向に重ね合わせられたものでもよいが、第1部材17Aを、第2部材18Aを受け入れる筒状とされたものとしてもよい。この場合は、これら第1部材17A及び第2部材18Aを、上記のように移動する際に傾斜状とされる両側の面材11,11の変位に追従可能な構成としてもよい。
これら第1部材17A及び第2部材18Aは、戸体10Bが戸厚方向に変形する際には、互いに戸厚方向にスライドし、これらに連結された両側の面材11,11の互いの上下方向への変位の抑制がなされる。
上記構成とされた本実施形態に係る引戸装置1Bにおいても、上記第2実施形態と概ね同様の効果を奏する。
なお、上記同様、上下方向に間隔を空けて複数の第2連結部材16Aを設けた構成としてもよい。また、図例では、この第2連結部材16Aを戸幅方向の略中央に設けた例を示しているが、他の部位に設けた構成としてもよい。
図5は、第4実施形態に係る引戸装置1Cが備える戸体10Cの一例を模式的に示す図である。
本実施形態では、図5(c)に示すように、戸体10Cの戸厚方向両側の面材11,11同士を連結する第2連結部材16Bの構成が上記第2実施形態及び第3実施形態とは異なる。
本実施形態では、第2連結部材16Bを、二本のアーム17B,17Bを備えた構成としている。これら二本のアーム17B,17Bの長手方向一端部は、両側の面材11,11の裏面に設けられた連結部18B,18Bに上下方向に沿う第1軸17Ba,17Ba回りに回転自在に保持されている。また、これら二本のアーム17B,17Bの長手方向他端部同士は、上下方向に沿う連結軸17Bb回りに回転自在に連結されている。これらアーム17B,17Bは、戸体10Cが戸厚方向に変形する際には、一端部同士が接近及び離間するように連結軸17Bb回りに回転し、これらに連結された両側の面材11,11の互いの上下方向への変位の抑制がなされる。また、図例では、複数(図例では、2つ)の第2連結部材16Bを戸幅方向に間隔を空けて設けた構成としている。なお、上記同様、上下方向に間隔を空けて複数の第2連結部材16Bを設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、図5(a)、(b)に示すように、両側の面材11,11の上端部同士の変位と下端部同士の変位とが連動するように、これらの上端部同士と下端部同士とを連結する第3連結部材30を設けた構成としている。なお、本実施形態においても、上記のような付勢部材15を設けた構成としてもよいが、第3連結部材30を設けているので、上記のような付勢部材15を設けていない構成としてもよい。このような構成とした場合にも、上述のように一対のレール溝21,21に沿ってガイドされる戸体10Cの下端側の戸厚方向両側の戸車14,14の変位に連動して上端側が変位し、戸体10Cの変形がなされる。
この第3連結部材30は、両側の面材11,11の上端部同士を連結する二本の上端側アーム31,31と、両側の面材11,11の下端部同士を連結する二本の下端側アーム33,33と、を備えている。
二本の上端側アーム31,31の長手方向一端部は、両側の面材11,11の上端部の裏面に設けられた上端連結部32,32に戸幅方向に沿う第1軸31a,31a回りに回転自在に保持されている。また、二本の上端側アーム31,31の長手方向他端部同士は、戸幅方向に沿う上端連結軸35a回りに回転自在に連結されている。
二本の下端側アーム33,33の長手方向一端部は、両側の面材11,11の下端部の裏面に設けられた下端連結部34,34に戸幅方向に沿う第1軸33a,33a回りに回転自在に保持されている。また、二本の下端側アーム33,33の長手方向他端部同士は、戸幅方向に沿う下端連結軸35b回りに回転自在に連結されている。
また、第3連結部材30は、これら上端側アーム31,31の他端部と下端側アーム33,33の他端部とを連結する連動アーム35を備えている。この連動アーム35は、上下方向に長尺状とされ、上端部が上端連結軸35a回りに回転自在に連結され、下端部が下端連結軸35b回りに回転自在に連結されている。なお、戸幅方向に間隔を空けて複数の第3連結部材30を設けた構成としてもよい。
このような構成により、両側の面材11,11が近接するように戸体10Cが変形する際には、図5(b)に示すように、連動アーム35の下方側への移動を伴い、上端側アーム31,31及び下端側アーム33,33が折り畳まれるように変位する。また、両側の面材11,11が離間するように戸体10Cが変形する際には、図5(a)に示すように、連動アーム35の上方側への移動を伴い、上端側アーム31,31及び下端側アーム33,33が展開されるように変位する。
上記構成とされた本実施形態に係る引戸装置1Cにおいても、上記第2実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、本実施形態では、戸体10Cに、第3連結部材30を設けた構成としている。従って、開閉を伴い接離する両側の面材11,11の上端側と下端側とを戸厚方向に安定的に変位させることができる。また、上記のように下レール20の一対のレール溝21,21に沿ってガイドされる戸体10Cの下端側の戸厚方向両側の戸車14,14の変位に連動して上端側が変位するので、上レール25を簡易な構成としたり、付勢部材15を設けていない構成としたりすることもできる。
なお、第3連結部材30としては、上記のような構成とされたものに限られない。例えば、一方の面材11の上端部及び下端部から他方の面材11に向けて突出するように設けられた上下の支持部に上下方向に沿う軸回りに回転自在に支持され、互いに連結軸によって連結された上下の回転体を備えた構成としてもよい。また、この回転体を回転させる回転付与部を他方の面材11の上端部及び下端部に設けた構成としてもよい。例えば、回転体としての歯車を回転させるラックを回転付与部として設けた構成等としてもよく、さらには、このような態様に代えて、種々のリンク機構によって第3連結部材30を構成するようにしてもよく、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
また、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。例えば、上記した複数種の第2連結部材16,16A,16Bのうちの複数を組み合わせて適用したり、第3連結部材30を、第4実施形態以外にも適用したりしてもよく、その他、種々の組み替えや組み合わせが可能である。
また、第2連結部材としては、上記のような構成とされたものに限られず、四本のアームをパンタグラフ状に設けた構成とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
また、上記各実施形態では、戸体10,10A〜10Cの下端部に下レール20を走行する戸車14,14を設けて下荷重型とした例を示しているが、上吊型としてもよい。この場合は、上下のレール25,20を適宜、必要に応じて変形し、戸体10,10A〜10Cの両側の面材11,11のそれぞれの上端部に、上レール25の一対のレール溝にガイドされる被ガイド部としてのランナー等を設けた構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、戸袋6に収納される戸体10,10A〜10Cを戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部として傾斜ガイド面8,8及び上下のレール25,20を設けた構成としているが、これらのうちの一つまたは二つを設けた構成としてもよい。また、戸袋6に収納される戸体10,10A〜10Cを戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、閉鎖側に移動される戸体10,10A〜10Cを戸厚寸法が大きくなるように変形させる戸厚復元機構として下レール20と付勢部材15とを例示しているが、このような態様に限られず、その他、種々の構成とされたものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、戸体10,10A〜10Cが移動されることで、戸体10,10A〜10Cが戸厚寸法を変化させるように変形される態様とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、戸体10,10A〜10Cを戸袋6に収納させる際に、戸厚寸法を小さくするように操作者が戸厚方向に押圧する必要があるようなものとしてもよい。つまり、戸体10,10A〜10Cの戸厚寸法の変化が手動によってなされる態様としてもよい。または、戸体10,10A〜10Cの戸厚寸法の変化が電動によってなされる態様としてもよい。上記各実施形態に係る引戸装置1,1A〜1Cとしては、その他、種々の変形が可能である。
1,1A〜1C 引戸装置
6 戸袋
7 壁体
7a 表面
8 傾斜ガイド面(ガイド部)
9 ローラー
10,10A〜10C 戸体
11 面材
11a 表面
14 戸車(被ガイド部)
20 下レール(ガイドレール、ガイド部)
21 レール溝
23 傾斜溝部
25 上レール(ガイド部)

Claims (5)

  1. 開放状態で戸袋に収納される戸体を備えた引戸装置であって、
    前記戸体は、閉鎖状態で戸厚方向の各表面が前記戸袋を形成する壁体の各表面とそれぞれ略同一平面状となるように、該壁体の厚さと略同厚さとされる一方、開放状態で閉鎖状態よりも戸厚寸法が小さくなるように、戸厚寸法が可変とされており、
    閉鎖状態の前記戸体が開放側に移動されることで、前記戸袋に収納される該戸体を戸厚寸法が小さくなるように変形させるガイド部を備えていることを特徴とする引戸装置。
  2. 請求項1において、
    前記戸体は、戸厚方向に間隔を空けて設けられ、それぞれの上下方向一方側端部に被ガイド部を設けた戸厚方向両側の面材を備えており、
    前記ガイド部は、前記戸厚方向両側の被ガイド部をそれぞれにガイドする一対のレール溝が設けられたガイドレールを備え、これら一対のレール溝の長手方向途中部位には、前記戸袋の奥側に向かうに従い互いに近接する側に向けて傾斜する傾斜溝部が設けられていることを特徴とする引戸装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記戸袋の戸袋口近傍部位の戸厚方向両内側には、開口側に向かうに従い拡開するように傾斜し、前記ガイド部を構成する傾斜ガイド面が設けられていることを特徴とする引戸装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記戸袋の戸厚方向両内側には、前記戸体の戸厚方向の各表面に当接されて上下方向に沿う軸回りに回転する複数のローラーが戸幅方向に間隔を空けて設けられていることを特徴とする引戸装置。
  5. 開放状態で戸袋に収納される戸体を備えた引戸装置であって、
    前記戸体は、閉鎖状態で戸厚方向の各表面が前記戸袋を形成する壁体の各表面とそれぞれ略同一平面状となるように、該壁体の厚さと略同厚さとされる一方、開放状態で閉鎖状態よりも戸厚寸法が小さくなるように、戸厚寸法が可変とされており、
    記戸袋の戸厚方向両内側には、前記戸体の戸厚方向の各表面に当接されて上下方向に沿う軸回りに回転する複数のローラーが戸幅方向に間隔を空けて設けられていることを特
    徴とする引戸装置。
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