(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置の回路の構成例について説明する。
<ワード線ドライバ回路の構成例1>
始めに、本実施の形態に係るメモリセルアレイの1行のメモリセルに電気的に接続されているワード線ドライバ回路の構成例について説明する。
図2(A)に、ワード線ドライバ回路の構成例を示す。ワード線ドライバ回路102は、トランジスタMSPと、トランジスタMSNと、回路WLD1と、を有する。回路WLD1(本明細書では、単位ワード線ドライバと言う場合がある)は、トランジスタM1乃至トランジスタM6を有している。トランジスタMSP、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM5はpチャネル型トランジスタであり、トランジスタMSN、トランジスタM3、トランジスタM4、トランジスタM6はnチャネル型トランジスタである。
トランジスタM1のゲートは、トランジスタM4のゲートと、配線WLEと、に電気的に接続されている。トランジスタM1のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM1のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5のゲートと、トランジスタM6のゲートと、に電気的に接続されている。トランジスタM2のゲートは、トランジスタM3のゲートと、配線RAと、に電気的に接続されている。トランジスタM3のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM5のソース又はドレインの一方は、トランジスタM6のソース又はドレインの一方と、配線WLと、に電気的に接続されている。
配線VDDLは、トランジスタM1のソース又はドレインの一方と、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている。トランジスタM4のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSNのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は、配線GNDLNと電気的に接続されている。トランジスタM5のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSPのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。配線GNDLは、トランジスタM6のソース又はドレインの他方と電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、配線sleepNと電気的に接続され、トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続されている。
回路WLD1を駆動させるためには、回路WLD1に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。上述した、配線VDDL、配線VDDLPは、高電位電源を他の回路に接続をするための配線として用いられ、配線GNDL、配線GNDLNは、低電位電源を他の回路に接続をするための配線として用いられる。ここで、高電位電源は、電源電圧VDDを供給する機能を有し、低電位電源は、固定電位GNDを供給する機能を有する。
配線WLE、及び配線RAは、外部からの信号をワード線ドライバ回路102に入力するための配線であり、配線WLは、ワード線ドライバ回路102から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
回路WLD1は、NAND回路の出力端子とインバータ回路の入力端子を直列に接続したものなので、図2(A)のワード線ドライバ回路102の回路WLD1は、図2(B)のワード線ドライバ回路103の回路WLD1Lに置き換えることができる。具体的には、図2(B)のNAND回路51は、図2(A)のワード線ドライバ回路102のトランジスタM1乃至トランジスタM4を置き換えた回路であり、図2(B)のインバータ回路52は、図2(A)のワード線ドライバ回路102のトランジスタM5及びトランジスタM6を置き換えた回路となっている。
回路WLD1は、NAND回路の出力端子とインバータ回路の入力端子を直列に接続したものなので、全体として論理積回路とみなすことができる。すなわち、配線WLE及び配線RAから高レベル電位が入力されたとき、配線WLに高レベル電位が出力され、また、配線WLE及び配線RAの少なくとも一方から低レベル電位が入力されたとき、配線WLに低レベル電位が出力される。
<ワード線ドライバ回路の構成例2>
ここでは、128個の単位ワード線ドライバを16個毎に動作させるための構成例について、説明する。
本発明の一態様であるワード線ドライバ回路の一例を図1に示す。図1のワード線ドライバ回路100は、1段につき16個の回路WLD1及び2個のスリープトランジスタ(図1では、トランジスタMSP−j、トランジスタMSN−jと表記する)を有する、合計8段のワード線ドライバ回路である。
ワード線ドライバ回路100は、pチャネル型のトランジスタM1[0]乃至トランジスタM1[127]と、pチャネル型のトランジスタM2[0]乃至トランジスタM2[127]と、nチャネル型のトランジスタM3[0]乃至トランジスタM3[127]と、nチャネル型のトランジスタM4[0]乃至トランジスタM4[127]と、pチャネル型のトランジスタM5[0]乃至トランジスタM5[127]と、nチャネル型のトランジスタM6[0]乃至トランジスタM6[127]と、pチャネル型のトランジスタMSP−0乃至トランジスタMSP−7と、nチャネル型のトランジスタMSN−0乃至トランジスタMSN−7と、を有している。
図1に示すとおり、回路WLD1[i](iは16×j以上かつ16×(j+1)−1以下の整数であり、jは0以上かつ7以下の整数である。例えば、j=7のとき、iは112以上かつ127以下の整数となる)は、トランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]を有する。そして、回路UWLD1−jは、回路WLD1[16×j]乃至回路WLD1[16×(j+1)−1]、トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−jで構成されている。
トランジスタM1[i]のゲートは、トランジスタM4[i]のゲートと、配線WLEと、に電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方と、配線VDDL[i]と、に電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5[i]のゲートと、トランジスタM6[i]のゲートと、に電気的に接続されている。
トランジスタM2[i]のゲートは、トランジスタM3[i]のゲートと、配線RA[i]と、に電気的に接続されている。トランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM4[i]のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSN−j(jは0以上かつ7以下の整数)のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの一方と、配線WL[i]と、に電気的に接続され、トランジスタM5[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方は、配線GNDL[i]と電気的に接続されている。
トランジスタMSP−jのゲートは、配線sleepP−jと電気的に接続され、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの他方は、配線VDDLP−jと電気的に接続されている。トランジスタMSN−jのゲートは、配線sleepN−jと電気的に接続され、トランジスタMSN−jのソース又はドレインの他方は、配線GNDLN−jと電気的に接続されている。
なお、図1では、一部の符号を省略している。具体的には、図1では、配線sleepP−0、配線sleepP−7、配線sleepN−0、配線sleepN−7、配線WLE、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDL[0]、配線GNDL[15]、配線GNDL[112]、配線GNDL[127]、配線VDDLP−0、配線VDDLP−7、配線GNDLN−0、配線GNDLN−7、トランジスタMSN−0、トランジスタMSN−7、トランジスタMSP−0、トランジスタMSP−7、トランジスタM1[0]、トランジスタM2[0]、トランジスタM3[0]、トランジスタM4[0]、トランジスタM5[0]、トランジスタM6[0]、トランジスタM1[15]、トランジスタM2[15]、トランジスタM3[15]、トランジスタM4[15]、トランジスタM5[15]、トランジスタM6[15]、トランジスタM1[112]、トランジスタM2[112]、トランジスタM3[112]、トランジスタM4[112]、トランジスタM5[112]、トランジスタM6[112]、トランジスタM1[127]、トランジスタM2[127]、トランジスタM3[127]、トランジスタM4[127]、トランジスタM5[127]、トランジスタM6[127]、回路WLD1[0]、回路WLD1[15]、回路WLD1[112]、回路WLD1[127]、回路UWLD1−0、回路UWLD1−7のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路100の回路WLD1[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路102の場合と同様に、回路WLD1[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]、配線VDDLP−0乃至配線VDDLP−7は、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は高電位電源によって電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDL[0]乃至配線GNDL[127]、配線GNDLN−0乃至配線GNDLN−7は、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は低電位電源によって固定電位GND(又は基準電位、接地電位という場合がある)が印加されているものとする。
配線WLE、及び配線RA[i]は、外部からの信号をワード線ドライバ回路100に入力するための配線であり、配線WL[i]は、ワード線ドライバ回路100から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
<ワード線ドライバ回路の動作例>
図1のワード線ドライバ回路100の動作例について、説明する。図3は、ワード線ドライバ回路100の動作例を示すタイミングチャートである。なお、簡易的に説明するため、図3のタイミングチャートには、j段目の回路WLD1[i]の動作例を示し、具体的には、配線WLE、配線RA[i]、配線WL[i]、配線sleepP−j、配線SleepN−jの電位の変化を示している。なお、「Low」は、低レベル電位を表し、「High」は高レベル電位を表す。また、配線WLE、及び配線RA[i]のそれぞれには、電源電圧VDD、或いは固定電位GNDのいずれかが入力されるが、配線WLE、及び配線RA[i]に接続されているトランジスタM1[i]、トランジスタM2[i]、トランジスタM3[i]、トランジスタM4[i]のオン状態、オフ状態を制御できるのであれば、電源電圧VDDよりも低い電圧を高レベル電位(High)とし、固定電位GNDよりも高い電圧を低レベル電位(Low)としてもよい。そのため、図3の配線WLE、及び配線RA[i]の高レベル電位の表記を「High」とし、低レベル電位の表記を「Low」としている。
時刻T0において、配線sleepP−jの電位を低レベルとし、配線sleepN−jの電位を高レベルとする。これにより、配線sleepP−jに接続されているトランジスタMSP−j、及び配線sleepN−jに接続されているトランジスタMSN−jがオン状態となる。つまり、トランジスタMSP−jを経由してトランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方に電源電圧VDDが印加され、トランジスタMSN−jを経由してトランジスタM4[i]のソース又はドレインの他方に固定電位GNDが印加される。
時刻T0から時刻T1の間において、配線WLEに低レベル電位が印加され、配線RA[i]に低レベル電位が印加されている。つまり、トランジスタM1[i]のゲート、トランジスタM2[i]のゲート、トランジスタM3[i]のゲート、及びトランジスタM4[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]、及びトランジスタM2[i]はオン状態となり、トランジスタM3[i]、及びトランジスタM4[i]はオフ状態となる。これにより、トランジスタM1[i]、及びトランジスタM2[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに電源電圧VDDが印加される。そのため、トランジスタM5[i]はオフ状態となり、トランジスタM6[i]はオン状態となるので、トランジスタM6[i]を経由して、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T1において、配線RA[i]に高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM2[i]のゲート、及びトランジスタM3[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM2[i]はオフ状態となり、及びトランジスタM3[i]はオン状態となる。ただし、この段階では、トランジスタM1[i]がオン状態のままなので、時刻T1以前と同様に、電源電圧VDDがトランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加される。また、トランジスタM4[i]がオフ状態のため、固定電位GNDがトランジスタM4[i]を経由してトランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方に印加されない。つまり、配線WL[i]は、時刻T1以前と同じ低レベル電位が出力される。
時刻T2において、配線WLEに高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM1[i]のゲート、及びトランジスタM4[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]はオフ状態となり、トランジスタM4[i]はオン状態となる。トランジスタM2[i]はオフ状態なので、電源電圧VDDが、トランジスタM1[i]、又はトランジスタM2[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加されなくなる。トランジスタM3[i]はオン状態なので、固定電位GNDが、トランジスタM3[i]、及びトランジスタM4[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加される。これにより、トランジスタM5[i]はオン状態、トランジスタM6[i]はオフ状態となるので、トランジスタM5[i]を経由して、配線WL[i]に電源電圧VDDが出力される。
なお、i行目にあるメモリセルは、時刻T2から時刻T3までの間に、配線WL[i]から電源電圧VDDが印加されるので、このタイミングでデータの書き込みが行われる。つまり、配線RA[0]乃至配線RA[127]の少なくとも一に高レベル電位が入力された状態で、配線WLEに高レベル電位を入力することで、配線RA[0]乃至配線RA[127]のうち高レベル電位となっている配線の行が有するメモリセルに同時にデータを書き込むことができる。
また、j段に有する配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]が全て低レベル電位であるとき、j段が有する全ての行に存在するメモリセルへの書き込み動作は行われない。このとき、j段にある回路WLD1[16×j]乃至回路WLD1[16×(j+1)−1]、つまり回路UWLD1−jを動作させる必要が無いため、トランジスタMSN−j、及びトランジスタMSP−jをオフ状態にすることが好ましい。これによって、書き込み用選択信号を出力しない回路UWLD1−jに対して、電源電圧VDD及び固定電位GNDの供給を遮断することができるので、消費電力を低減することができる。
時刻T3において、配線WLEに低レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM1[i]のゲート、及びトランジスタM4[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]はオン状態となり、及びトランジスタM4[i]はオフ状態となる。つまり、トランジスタM1[i]、トランジスタM2[i]、トランジスタM3[i]、及びトランジスタM4[i]のそれぞれのオン状態、オフ状態は、時刻T1から時刻T2まで間の状態と同じとなるので、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T4において、配線sleepP−jの電位を高レベルとし、配線sleepN−jの電位を低レベルとすることで、トランジスタMSP−j、及びトランジスタMSN−jはオフ状態となる。このため、ワード線ドライバ回路100への電源電圧VDD及び固定電位GNDの供給が遮断されるので、消費電力を低減することができる。
なお、図3のタイミングチャートおいて、時刻T0で、配線sleepP−jを低レベル電位とし、配線sleepN−jを高レベル電位としたが、ワード線ドライバ回路100の動作はこれに限定されない。例えば、時刻T1から時刻T2までの間で、配線sleepP−jに低レベル電位を、配線sleepN−jに高レベル電位を印加してもよい。
<ワード線ドライバ回路の構成例3>
ここでは、128個の単位ワード線ドライバを一括で動作することが可能な回路の構成例を説明する。
図1では、16個の回路WLD1、スリープトランジスタとしてトランジスタMSP−j、及びトランジスタMSN−jを設けた回路を1段として、合計8段のワード線ドライバ回路を示した。次に、図1とは別の一例としてワード線ドライバ回路を図4に示す。ワード線ドライバ回路110は、128個の回路WLD1と2個のスリープトランジスタ(図4では、トランジスタMSP、トランジスタMSNと表記する)を設けたワード線ドライバ回路である。
ワード線ドライバ回路110は、pチャネル型のトランジスタM1[0]乃至トランジスタM1[127]と、pチャネル型のトランジスタM2[0]乃至トランジスタM2[127]と、nチャネル型のトランジスタM3[0]乃至トランジスタM3[127]と、nチャネル型のトランジスタM4[0]乃至トランジスタM4[127]と、pチャネル型のトランジスタM5[0]乃至トランジスタM5[127]と、nチャネル型のトランジスタM6[0]乃至トランジスタM6[127]と、pチャネル型のトランジスタMSPと、nチャネル型のトランジスタMSNと、を有している。
トランジスタM1[i](iは0以上かつ127以下の整数)のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方と、配線VDDL[i]と、に電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5[i]のゲートと、トランジスタM6[i]のゲートと、に電気的に接続されている。
トランジスタM2[i]のゲートは、トランジスタM3[i]のゲート、及び配線RA[i]と電気的に接続されている。トランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM4[i]のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSNのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタMSPのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM5[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの一方、及び配線WL[i]と電気的に接続されている。トランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方は、配線GNDL[i]と電気的に接続されている。
トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、配線sleepNと電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は、配線GNDLNと電気的に接続されている。
なお、図4では、一部の符号を省略している。具体的には、図4では、配線sleepP、配線sleepN、配線WLE、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDL[0]、配線GNDL[15]、配線GNDL[112]、配線GNDL[127]、配線VDDLP、配線GNDLN、トランジスタMSN、トランジスタMSP、トランジスタM1[0]、トランジスタM2[0]、トランジスタM3[0]、トランジスタM4[0]、トランジスタM5[0]、トランジスタM6[0]、トランジスタM1[15]、トランジスタM2[15]、トランジスタM3[15]、トランジスタM4[15]、トランジスタM5[15]、トランジスタM6[15]、トランジスタM1[112]、トランジスタM2[112]、トランジスタM3[112]、トランジスタM4[112]、トランジスタM5[112]、トランジスタM6[112]、トランジスタM1[127]、トランジスタM2[127]、トランジスタM3[127]、トランジスタM4[127]、トランジスタM5[127]、トランジスタM6[127]、回路WLD1[0]、回路WLD1[15]、回路WLD1[112]、回路WLD1[127]のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路110の回路WLD1[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路100、及びワード線ドライバ回路102の場合と同様に、回路WLD1[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]、配線VDDLPは、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDL[0]乃至配線GNDL[127]、配線GNDLNは、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は固定電位GND(又は基準電位、接地電位という場合がある)が印加されているものとする。
なお、ワード線ドライバ回路110の構成例は、回路WLD1の個数を128個とした、ワード線ドライバ回路100の回路UWLD1−jの構成例と一致する。そのため、ワード線ドライバ回路110の動作は、ワード線ドライバ回路100の回路UWLD1−jの動作の記載を参酌する。
<その他の回路の構成例>
図1では、16個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−j)を設けた構成を示し、また、図4では、128個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP及びトランジスタMSN)を設けた構成を示したが、本実施の形態はこれに限定されない。例えば、1個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタを設けた構成にしてもよい。又は、例えば、16個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタを設けた構成を4段設けて、残り64個の回路WLD1の1個ずつに対し2個のスリープトランジスタを設けた構成のような、1段あたりの回路WLD1の個数が異なるような構成にしてもよい。又は、例えば、回路WLD1の合計数は128に限定されず、128よりも多くしてもよく、又は少なくしてもよい。
また、図1のワード線ドライバ回路100、図4のワード線ドライバ回路110のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えてもよい。その場合の回路の構成例をそれぞれ図5、図6に示す。
図5のワード線ドライバ回路101は、図1のワード線ドライバ回路100のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えたものであり、図6のワード線ドライバ回路111は、図4のワード線ドライバ回路110のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えたものである。
また、ワード線ドライバ回路100、にレベルシフタを用いることで、電圧VDDよりも高い電圧(以下、VDDHという)を使用することができる。図7に、ワード線ドライバ回路100にレベルシフタを設けた一例を示す。ワード線ドライバ回路160は、図1のワード線ドライバ回路100に加え、レベルシフタLS、及びレベルシフタLSA[0]乃至レベルシフタLSA[127]を有している。
ただし、図7のワード線ドライバ回路160では、一部のレベルシフタを図示し、他のレベルシフタは省略している。具体的には、図7では、レベルシフタLS、レベルシフタLSA[0]、レベルシフタLSA[15]、レベルシフタLSA[112]、レベルシフタLSA[127]のみ図示しており、他は省略している。
レベルシフタLSの入力端子は、配線WLEと電気的に接続され、レベルシフタLSの出力端子は、トランジスタM1[i]のゲート及びトランジスタM4[i]のゲートと電気的に接続されている。レベルシフタLSA[i]の入力端子は、配線RA[i]と電気的に接続され、レベルシフタLSA[i]の出力端子は、トランジスタM2[i]のゲート及びトランジスタM3[i]のゲートと電気的に接続されている。
このように、レベルシフタLSを設けることで、配線WLEに印加された電圧VDDをVDDHまで昇圧することができ、レベルシフタLSA[i]を設けることで、配線RA[i]に印加された電圧VDDをVDDHまで昇圧することができる。
また、図7のワード線ドライバ回路160のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えてもよい。その場合の回路を図8のワード線ドライバ回路161に示す。ワード線ドライバ回路161の回路WLD1Lは、トランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えた構成となっている。また、図7のワード線ドライバ回路160のレベルシフタLSA[i]は、回路WLD1[i]の外部に設けた構成としているが、本実施の形態はこの構成に限定されず、回路WLD1[i]の内部にレベルシフタLSA[i]を設けてもよい。
また、固定電位GNDよりも低い電圧(以下、VSSLという)を使用してもよい。その場合は、上述と同じ要領で、固定電位GNDをVSSLまで降圧させるレベルシフタを用いればよい。
また、図示していないが、図4のワード線ドライバ回路110にも、図7のワード線ドライバ回路160と同様に、電圧VDDをVDDHに昇圧するためレベルシフタ、又は、固定電位GNDをVSSLに降圧するためのレベルシフタを設けることができる。具体的には、配線WLEと、トランジスタM1[i]のゲートとトランジスタM4[i]のゲートとの接続箇所と、の間にレベルシフタを設け、配線RA[i]と、トランジスタM2[i]のゲートとトランジスタM3[i]のゲートの接続箇所と、の間にレベルシフタを設ければよい。
本実施の形態で説明したトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]、特にスリープトランジスタとして機能するトランジスタMSP−j、トランジスタMSN−j(又は、トランジスタMSP、トランジスタMSN)は、オフ電流(又は、リーク電流)の小さいトランジスタを用いるのが好ましい。例えば、後述する酸化物半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタを用いるのが好ましい。また、オン状態、オフ状態を制御できればよいので、機械的スイッチ、又は、MEMS素子などを用いてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である回路の構成例について説明する。
<ワード線ドライバ回路の構成例1>
始めに、本実施の形態に係るメモリセルアレイの1行のメモリセルに電気的に接続されているワード線ドライバ回路の構成について説明する。
図9(A)に、ワード線ドライバ回路の構成例を示す。ワード線ドライバ回路122は、回路WLD2(本明細書では、単位ワード線ドライバと言う場合がある)と、トランジスタMSPと、トランジスタMSNと、トランジスタM1乃至トランジスタM3と、トランジスタM5と、トランジスタM6と、を有している。トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM5はpチャネル型トランジスタであり、トランジスタM3、トランジスタM6はnチャネル型トランジスタである。
トランジスタM1のゲートは、配線WLEと電気的に接続されている。トランジスタM1のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM1のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5のゲートと、及びトランジスタM6のゲートと、に電気的に接続されている。トランジスタM2のゲートは、トランジスタM3のゲートと、配線RAと、に電気的に接続されている。トランジスタM5のソース又はドレインの一方は、トランジスタM6のソース又はドレインの一方と、配線WLと、に電気的に接続されている。
配線VDDLは、トランジスタM1のソース又はドレインの一方と、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている。トランジスタM3のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSNのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、トランジスタM1のゲートと、配線WLEと、に電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は、配線GNDLNと電気的に接続されている。トランジスタM5のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSPのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。トランジスタM6のソース又はドレインの他方は、配線GNDLと電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続されている。
なお、回路WLD2を駆動させるためには、回路WLD2に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。上述した、配線VDDL、配線VDDLPは、高電位電源を他の回路に接続をするための配線として用いられ、配線GNDL、配線GNDLNは、低電位電源を他の回路に接続をするための配線として用いられる。ここで、高電位電源は、電源電圧VDDを供給する機能を有し、低電位電源は、固定電位GNDを供給する機能を有する。
配線WLE、及び配線RAは、外部からの信号をワード線ドライバ回路122に入力するための配線であり、配線WLは、ワード線ドライバ回路122から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
回路WLD2のトランジスタM5とトランジスタM6の接続構成は、インバータ回路として機能するので、図9(A)のワード線ドライバ回路122の回路WLD2は、図9(B)のワード線ドライバ回路123の回路WLD2Lに置き換えることができる。具体的には、図9(B)のワード線ドライバ回路123のインバータ回路52は、図9(A)のワード線ドライバ回路122のトランジスタM5及びトランジスタM6を置き換えた回路となっている。
回路WLD2とトランジスタMSNの構成は、NAND回路の出力端子とインバータ回路の入力端子を直列に接続したものなので、全体として論理積回路とみなすことができる。すなわち、配線WLE及び配線RAから高レベル電位が入力されたとき、配線WLに高レベル電位が出力され、また、配線WLE及び配線RAの少なくとも一方から低レベル電位が入力されたとき、配線WLに低レベル電位が出力される。
<ワード線ドライバ回路の構成例2>
ここでは、128個の単位ワード線ドライバを16個毎に動作させるための構成例について、説明する。
本発明の一態様であるワード線ドライバ回路の一例を図10に示す。ワード線ドライバ回路120は、1段につき16個の回路WLD2及び1個のスリープトランジスタ(図10では、トランジスタMSP−jと表記する)を設けた、合計8段で構成されているワード線ドライバ回路である。なお、図1との違いは、図1のワード線ドライバ回路100のトランジスタM4[i]をMSN−jとして、一つにまとめている点である。
ワード線ドライバ回路120は、pチャネル型のトランジスタM1[0]乃至トランジスタM1[127]と、pチャネル型のトランジスタM2[0]乃至トランジスタM2[127]と、nチャネル型のトランジスタM3[0]乃至トランジスタM3[127]と、pチャネル型のトランジスタM5[0]乃至トランジスタM5[127]と、nチャネル型のトランジスタM6[0]乃至トランジスタM6[127]と、pチャネル型のトランジスタMSP−0乃至トランジスタMSP−7と、nチャネル型のトランジスタMSN−0乃至トランジスタMSN−7と、を有している。
図10に示すとおり、回路WLD2[i](iは16×j以上かつ16×(j+1)−1以下の整数であり、jは0以上かつ7以下の整数である。例えば、j=7のとき、iは112以上かつ127以下の整数となる)は、トランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]を有する。そして、回路UWLD2−jは、回路WLD2[16×j]乃至回路WLD2[16×(j+1)−1]、トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−jで構成されている。
トランジスタM1[i]のゲートは、配線WLE−jと電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方と、配線VDDL[i]と、に電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5[i]のゲートと、トランジスタM6[i]のゲートと、に電気的に接続されている。トランジスタM2[i]のゲートは、トランジスタM3[i]のゲートと、配線RA[i]と、に電気的に接続されている。トランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSN−jのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM5[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの一方と、配線WL[i]と、に電気的に接続されている。トランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方は、配線GNDL[i]と電気的に接続されている。
トランジスタMSP−jのゲートは、配線sleepP−jと電気的に接続され、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの他方は、配線VDDLP−jと電気的に接続されている。トランジスタMSN−jのゲートは、配線WLE−jと電気的に接続され、トランジスタMSN−jのソースまたはドレインの他方は、配線GNDLN−jと電気的に接続されている。
なお、図10では、一部の符号を省略している。具体的には、図10では、配線sleepP−0、配線sleepP−7、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線WLE−0、配線WLE−7、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDL[0]、配線GNDL[15]、配線GNDL[112]、配線GNDL[127]、配線VDDLP−0、配線VDDLP−7、配線GNDLN−0、配線GNDLN−7、トランジスタMSN−0、トランジスタMSN−7、トランジスタMSP−0、トランジスタMSP−7、トランジスタM1[0]、トランジスタM2[0]、トランジスタM3[0]、トランジスタM5[0]、トランジスタM6[0]、トランジスタM1[15]、トランジスタM2[15]、トランジスタM3[15]、トランジスタM5[15]、トランジスタM6[15]、トランジスタM1[112]、トランジスタM2[112]、トランジスタM3[112]、トランジスタM5[112]、トランジスタM6[112]、トランジスタM1[127]、トランジスタM2[127]、トランジスタM3[127]、トランジスタM5[127]、トランジスタM6[127]、回路WLD2[0]、回路WLD2[15]、回路WLD2[112]、回路WLD2[127]、回路UWLD2−0、回路UWLD2−7のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路120の回路WLD2[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路122の場合と同様に、回路WLD2[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]、配線VDDLP−0乃至配線VDDLP−7は、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は高電位電源によって電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDL[0]乃至配線GNDL[127]、配線GNDLN−0乃至配線GNDLN−7は、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は低電位電源によって固定電位GND(又は基準電位、接地電位という場合がある)が印加されているものとする。
配線WLE−j、及び配線RA[i]は、外部からの信号をワード線ドライバ回路120に入力するための配線であり、配線WL[i]は、ワード線ドライバ回路120から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
<ワード線ドライバ回路の動作方法例>
図10のワード線ドライバ回路120の動作例について、説明する。図11に、ワード線ドライバ回路100のタイミングチャートを示す。なお、簡易的に説明するため、図11のタイミングチャートには、j段目に存在する回路WLD2[i]の動作例を示し、具体的には、配線WLE−j、配線RA[i]、配線WL[i]、配線SleepP−jの電位の変化を示している。なお、「Low」は、低レベル電位を表し、「High」は高レベル電位を表す。また、配線WLE−j、及び配線RA[i]のそれぞれには、電源電圧VDD、或いは固定電位GNDのいずれかが入力されるが、配線WLE−j、及び配線RA[i]に接続されているトランジスタM1[i]、トランジスタM2[i]、トランジスタM3[i]、トランジスタMSN−jのオン状態、オフ状態を制御できるのであれば、電源電圧VDDよりも低い電位を高レベル電位(High)とし、固定電位GNDよりも高い電位を低レベル電位(Low)としてもよい。そのため、図11の配線WLE−j、及び配線RA[i]の高レベル電位の表記を「High」とし、低レベル電位の表記を「Low」としている。
時刻T0において、配線sleepP−jの電位を低レベルとする。これにより、配線sleepP−jに接続されているトランジスタMSP−jがオン状態となる。つまり、トランジスタMSP−jを経由してトランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方に電源電圧VDDが印加される。
時刻T0から時刻T1の間において、配線WLE−jに低レベル電位が印加され、配線RA[i]に低レベル電位が印加されている。つまり、トランジスタM1[i]のゲート、トランジスタM2[i]のゲート、及びトランジスタM3[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]、及びトランジスタM2[i]はオン状態となり、トランジスタM3[i]はオフ状態となる。これにより、トランジスタM1[i]、及びトランジスタM2[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに電源電圧VDDが印加される。そのため、トランジスタM5[i]はオフ状態となり、トランジスタM6[i]はオン状態となるので、トランジスタM6[i]を経由して、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T1において、配線RA[i]に高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM2[i]のゲート、及びトランジスタM3[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM2[i]はオフ状態となり、及びトランジスタM3[i]はオン状態となる。ただし、この段階では、トランジスタM1[i]がオン状態のままなので、時刻T1以前と同様に、電源電圧VDDがトランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加される。また、トランジスタMSN−jがオフ状態のため、固定電位GNDがトランジスタMSN−jを経由してトランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方に印加されない。つまり、配線WL[i]は、時刻T1以前と同じ低レベル電位が出力される。
時刻T2において、配線WLE−jに高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM1[i]のゲート、及びトランジスタMSN−jのゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]はオフ状態となり、トランジスタMSN−jはオン状態となる。トランジスタM2[i]はオフ状態なので、電源電圧VDDが、トランジスタM1[i]、又はトランジスタM2[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加されなくなる。トランジスタM3[i]はオン状態なので、固定電位GNDが、トランジスタM3[i]、及びトランジスタMSN−jを経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加される。これにより、トランジスタM5[i]はオン状態、トランジスタM6[i]はオフ状態となるので、トランジスタM5[i]を経由して、配線WL[i]に電源電圧VDDが出力される。
なお、i行目にあるメモリセルは、時刻T2から時刻T3までの間に、配線WL[i]から電源電圧VDDが印加されるので、このタイミングでデータの書き込みが行われる。つまり、配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]に少なくとも一に高レベル電位が入力された状態で、配線WLE―jに高レベル電位を入力することで、配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]のうち高レベル電位となっている配線の行に有するメモリセルに同時にデータを書き込むことができる。
また、j段目に有する配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]が全て低レベル電位であるとき、j段目が有する全ての行に存在するメモリセルへの書き込み動作は行われない。このとき、j段目にある回路WLD2[16×j]乃至回路WLD2[16×(j+1)−1]、つまり回路UWLD2−jを動作させる必要がないため、トランジスタMSN−j、及びトランジスタMSP−jをオフ状態にすることが好ましい。これによって、書き込み用選択信号を出力しない回路UWLD2−jに対して、電源電圧VDD及び固定電位GNDの供給を遮断することができるので、消費電力を低減することができる。
時刻T3において、配線WLE−jに低レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM1[i]のゲート、及びトランジスタMSN−jのゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]はオン状態となり、及びトランジスタMSN−jはオフ状態となる。つまり、トランジスタM1[i]、トランジスタM2[i]、トランジスタM3[i]、及びトランジスタMSN−jのそれぞれのオン状態、オフ状態は、時刻T1から時刻T2まで間のタイミングと同じ状態となるので、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。このとき、トランジスタMSN−jはオフ状態となっているため、ワード線ドライバ回路120に固定電位GNDの供給が無くなる。
時刻T4において、配線sleepP−jの電位を高レベルとすることで、トランジスタMSP−jはオフ状態となる。このため、ワード線ドライバ回路120への電源電圧VDDの供給が無くなるので、消費電力を低減することができる。
なお、図11のタイミングチャートにおいて、時刻T0で、配線sleepP−jを低レベル電位としたが、ワード線ドライバ回路120の動作はこれに限定されない。例えば、時刻T1から時刻T2までの間で、配線sleepP−jに低レベル電位を印加するタイミングとしてもよい(図示しない)。
<ワード線ドライバ回路の構成例3>
ここでは、128個の単位ワード線ドライバを一括で動作することが可能な回路の構成例を説明する。
図10では、16個の回路WLD2、スリープトランジスタとしてトランジスタMSP−j、及びトランジスタMSN−jを設けた回路を1段として、合計8段のワード線ドライバ回路を示した。次に、図10とは別の一例として、ワード線ドライバ回路を図12に示す。ワード線ドライバ回路130は、128個の回路WLD2と2個のスリープトランジスタ(図12では、トランジスタMSP、トランジスタMSNと表記する)を設けたワード線ドライバ回路である。
ワード線ドライバ回路130は、pチャネル型のトランジスタM1[0]乃至トランジスタM1[127]と、pチャネル型のトランジスタM2[0]乃至トランジスタM2[127]と、nチャネル型のトランジスタM3[0]乃至トランジスタM3[127]と、pチャネル型のトランジスタM5[0]乃至トランジスタM5[127]と、nチャネル型のトランジスタM6[0]乃至トランジスタM6[127]と、pチャネル型のトランジスタMSPと、nチャネル型のトランジスタMSNと、を有している。
トランジスタM1[i](iは0以上かつ127以下の整数)のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方、及び配線VDDL[i]と電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの他方、トランジスタM3[i]のソース又はドレインの一方、トランジスタM5[i]のゲート、及びトランジスタM6[i]のゲートと電気的に接続されている。
トランジスタM2[i]のゲートは、トランジスタM3[i]のゲート、及び配線RA[i]と電気的に接続されている。トランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSNのソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタMSPのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM5[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの一方、及び配線WL[i]と電気的に接続されている。トランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方は、配線GNDL[i]と電気的に接続されている。
トランジスタMSPのゲートは配線sleepPと電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は、配線GNDLNと電気的に接続されている。
なお、図12では、一部の符号を省略している。具体的には、図12では、配線sleepP、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線WLE、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDL[0]、配線GNDL[15]、配線GNDL[112]、配線GNDL[127]、配線VDDLP、配線GNDLN、トランジスタMSN、トランジスタMSP、トランジスタM1[0]、トランジスタM2[0]、トランジスタM3[0]、トランジスタM5[0]、トランジスタM6[0]、トランジスタM1[15]、トランジスタM2[15]、トランジスタM3[15]、トランジスタM5[15]、トランジスタM6[15]、トランジスタM1[112]、トランジスタM2[112]、トランジスタM3[112]、トランジスタM5[112]、トランジスタM6[112]、トランジスタM1[127]、トランジスタM2[127]、トランジスタM3[127]、トランジスタM5[127]、トランジスタM6[127]、回路WLD2[0]、回路WLD2[15]、回路WLD2[112]、回路WLD2[127]のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路130の回路WLD2[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路120、及びワード線ドライバ回路122の場合と同様に、回路WLD2[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]、配線VDDLPは、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDL[0]乃至配線GNDL[127]、配線GNDLNは、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は固定電位GND(又は基準電位という場合がある)が印加されているものとする。
<その他の回路の構成例>
図10では、16個の回路WLD2に2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−j)を設けた構成を、また、図12では、128個の回路WLD2に2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP及びトランジスタMSN)を設けた構成を示したが、本実施の形態はこれに限定されない。例えば、8個の回路WLD2に1個のスリープトランジスタを設けた構成にしてもよい。また、例えば、16個の回路WLD2に1個のスリープトランジスタを設けた構成を4段設けて、かつ8個の回路WLD2に1個のスリープトランジスタを設けた構成を8段設けるような、1段あたりの回路WLD2の個数が異なるような構成にしてもよい。また、例えば、回路WLD2の合計数は128個に限定せず、この数よりも多くしてもよく、また少なくしてもよい。
また、図10のワード線ドライバ回路120、図12のワード線ドライバ回路130のトランジスタM5[i]及びトランジスタM6[i]をインバータ回路52に置き換えてもよい。その場合の回路をそれぞれ図13、図14に示す。
図13のワード線ドライバ回路121は、図10のワード線ドライバ回路120のトランジスタM5[i]及びトランジスタM6[i]を及びインバータ回路52に置き換えたものであり、図14のワード線ドライバ回路131は、図12のワード線ドライバ回路130のトランジスタM5[i]及びトランジスタM6[i]をインバータ回路52に置き換えたものである。
また、ワード線ドライバ回路120、にレベルシフタを用いることで、電圧VDDよりも高い電圧(以下、VDDHという)を使用することができる。図15に、ワード線ドライバ回路120にレベルシフタを設けた一例を示す。ワード線ドライバ回路170は、図10のワード線ドライバ回路120に加え、レベルシフタLS−0乃至レベルシフタLS−7、及びレベルシフタLSA[0]乃至レベルシフタLSA[127]を有している。
ただし、図15のワード線ドライバ回路170では、一部のレベルシフタを図示し、他のレベルシフタは省略している。具体的には、図15では、レベルシフタLS−0、レベルシフタLS−7、レベルシフタLSA[0]、レベルシフタLSA[15]、レベルシフタLSA[112]、レベルシフタLSA[127]のみ図示しており、他は省略している。
レベルシフタLS−jの入力端子は、配線WLE―jと電気的に接続され、レベルシフタLS−jの出力端子は、トランジスタM1[i]のゲート及びトランジスタMSN−jのゲートと電気的に接続されている。レベルシフタLSA[i]の入力端子は、配線RA[i]と電気的に接続され、レベルシフタLSA[i]の出力端子は、トランジスタM2[i]のゲート及びトランジスタM3[i]のゲートと電気的に接続されている。
このように、レベルシフタLS−jを設けることで、配線WLE−jに印加された電圧VDDをVDDHまで昇圧することができ、レベルシフタLSA[i]を設けることで、配線RA[i]に印加された電圧VDDをVDDHまで昇圧することができる。
また、図15のワード線ドライバ回路170のトランジスタM5[i]及びトランジスタM6[i]をインバータ回路52に置き換えてもよい。その場合の回路を図16のワード線ドライバ回路171に示す。ワード線ドライバ回路171の回路WLD2Lは、トランジスタM5[i]及びトランジスタM6[i]をインバータ回路52に置き換えた構成となっている。また、図15のワード線ドライバ回路170のレベルシフタLSA[i]は、回路WLD2の外部に設けた構成としているが、本実施の形態はこの構成に限定されず、回路WLD2Lの内部にレベルシフタLSA[i]を設けてもよい。
また、固定電位GNDよりも低い電圧(以下、VSSLという)を使用してもよい。その場合は、上述と同じ要領で、固定電位GNDをVSSLまで降圧させるレベルシフタを用いればよい。
また、図示していないが、図12のワード線ドライバ回路130も上述と同様にレベルシフタを設けることで、電圧VDDをVDDHまで昇圧、又は、固定電位GNDをVSSLまで降圧させることができる。具体的には、配線WLEと、トランジスタM1[i]のゲートとトランジスタMSNのゲートとの接続箇所と、の間にレベルシフタを設け、配線RA[i]と、トランジスタM2[i]のゲートとトランジスタM3[i]のゲートの接続箇所と、の間にレベルシフタを設ければよい。
本実施の形態で説明したトランジスタM1[i]乃至トランジスタM3[i]、トランジスタM5[i]およびトランジスタM6[i]、特にスリープトランジスタとして機能するトランジスタMSP−j、トランジスタMSN−j(又は、トランジスタMSP、トランジスタMSN)は、オフ電流(又は、リーク電流)の小さいトランジスタを用いるのが好ましい。例えば、後述する酸化物半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタを用いるのが好ましい。また、オン状態、オフ状態を制御できればよいので、機械的スイッチ、又は、MEMS素子などで代用してもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
<ワード線ドライバ回路の構成例1>
始めに、本実施の形態に係るメモリセルアレイの1行のメモリセルに電気的に接続されているワード線ドライバの構成例について説明する。
図17(A)に、ワード線ドライバ回路の構成例を示す。ワード線ドライバ回路142は、トランジスタMSPと、トランジスタMSNと、回路WLD1(本実施の形態では、単位ワード線ドライバと言い換える場合がある)と、を有する。回路WLD1は、トランジスタM1乃至トランジスタM6を有している。トランジスタMSP、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM5はpチャネル型トランジスタであり、トランジスタMSN、トランジスタM3、トランジスタM4、トランジスタM6はnチャネル型トランジスタである。
トランジスタM1のゲートは、トランジスタM4のゲートと、配線WLEと、に電気的に接続されている。トランジスタM1のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM1のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5のゲートと、トランジスタM6のゲートと、に電気的に接続されている。トランジスタM2のゲートは、トランジスタM3のゲートと、配線RAと、に電気的に接続されている。トランジスタM3のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM5のソース又はドレインの一方は、トランジスタM6のソース又はドレインの一方と、配線WLと、に電気的に接続されている。
配線VDDLPは、トランジスタMSPのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、トランジスタM1のソース又はドレインの一方と、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている。トランジスタM4のソース又はドレインの他方は、配線GNDLと電気的に接続されている。トランジスタM5のソース又はドレインの他方は、配線VDDLと電気的に接続されている。トランジスタM6のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSNのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は、配線GNDLと電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、配線sleepNと電気的に接続され、トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続されている。
回路WLD1を駆動させるためには、回路WLD1に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。上述した、配線VDDL、配線VDDLPは、高電位電源を他の回路に接続をするための配線として用いられ、配線GNDL、配線GNDLNは、低電位電源を他の回路に接続をするための配線として用いられる。ここで、高電位電源は、電源電圧VDDを供給する機能を有し、低電位電源は、固定電位GNDを供給する機能を有する。
配線WLE、及び配線RAは、外部からの信号をワード線ドライバ回路142に入力するための配線であり、配線WLは、ワード線ドライバ回路142から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
回路WLD1は、NAND回路の出力端子とインバータ回路の入力端子を直列に接続したものなので、図17(A)のワード線ドライバ回路142の回路WLD1は、図17(B)のワード線ドライバ回路143の回路WLD1Lに置き換えることができる。具体的には、図17(B)のNAND回路51は、図17(A)のワード線ドライバ回路142のトランジスタM1乃至トランジスタM4を置き換えた回路であり、図17(B)のインバータ回路52は、図17(A)のワード線ドライバ回路142のトランジスタM5及びトランジスタM6を置き換えた回路となっている。
したがって、回路WLD1は、全体として論理積回路とみなすことができる。すなわち、配線WLE及び配線RAから高レベル電位が入力されたとき、配線WLに高レベル電位が出力され、また、配線WLE及び配線RAの少なくとも一方から低レベル電位が入力されたとき、配線WLに低レベル電位が出力される。
また、適用するメモリセルの構成によっては、配線WLの出力を反転させる必要がある。その場合は、図18(A)のワード線ドライバ回路193を設ければよい。ワード線ドライバ回路193は、図17(A)のワード線ドライバ回路142にトランジスタM7及びトランジスタM8を設けたものである。
次に、図18(A)のワード線ドライバ回路193の回路REVWLD1の接続構成について説明する。トランジスタM7のソース又はドレインの一方は、トランジスタM8のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5のゲートと、トランジスタM6のゲートと、に電気的に接続され、トランジスタM7のゲートは、トランジスタM8のゲートと、トランジスタM1のソース又はドレインの他方と、トランジスタM2のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3のソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている。
トランジスタM7のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方と、トランジスタM1のソース又はドレインの一方と、トランジスタM2のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM8のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4のソース又はドレインの他方と、配線GNDLと電気的に接続されている。
これにより、ワード線ドライバ回路142の出力結果を反転する回路構成を得ることができる。例えば、配線WLE及び配線RAから高レベル電位が入力されたとき、配線WLには、低レベル電位が出力される。また、例えば、配線WLEと配線RAの少なくとも一方から低レベル電位が入力されたとき、配線WLに低レベル電位が出力される。
回路REVWLD1は、AND回路の出力端子とインバータ回路の入力端子を直列に接続したものなので、図18(A)のワード線ドライバ回路193は、図18(B)のワード線ドライバ回路194の回路REVWLD1Lに置き換えることができる。具体的には、図18(B)のAND回路80は、図18(A)のワード線ドライバ回路193のトランジスタM1乃至トランジスタM4、トランジスタM7及びトランジスタM8を置き換えた回路であり、図18(B)のインバータ回路52は、図18(A)のワード線ドライバ回路193のトランジスタM5及びトランジスタM6を置き換えた回路となっている。つまり、ワード線ドライバ回路194は、図17(B)のワード線ドライバ回路143のNAND回路51を、AND回路80に置き換えた構成となっている。
<ワード線ドライバ回路の構成例2>
ここでは、128個の単位ワード線ドライバを16個毎に動作させるための構成例について、説明する。
本発明の一態様であるワード線ドライバ回路の一例を図19に示す。図19のワード線ドライバ回路140は、1段につき16個の回路WLD1及び2個のスリープトランジスタ(図19では、トランジスタMSP−j、トランジスタMSN−jと表記する。)を設けた、合計8段で構成されているワード線ドライバ回路である。なお、図1との違いは、図1のワード線ドライバ回路100の2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP−j及びMSN−j)を設けた場所を変更している点である。
ワード線ドライバ回路140は、pチャネル型のトランジスタM1[0]乃至トランジスタM1[127]と、pチャネル型のトランジスタM2[0]乃至トランジスタM2[127]と、nチャネル型のトランジスタM3[0]乃至トランジスタM3[127]と、nチャネル型のトランジスタM4[0]乃至トランジスタM4[127]と、pチャネル型のトランジスタM5[0]乃至トランジスタM5[127]と、nチャネル型のトランジスタM6[0]乃至トランジスタM6[127]と、pチャネル型のトランジスタMSP−0乃至トランジスタMSP−7と、nチャネル型のトランジスタMSN−0乃至トランジスタMSN−7と、を有している。
図19に示すとおり、回路WLD1[i](iは16×j以上かつ16×(j+1)−1以下の整数であり、jは0以上かつ7以下の整数である。例えば、j=7のとき、iは112以上かつ127以下の整数となる)は、トランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]を有する。そして、回路UWLD3−jは、回路WLD1[16×j]乃至回路WLD1[16×(j+1)−1]、トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−jで構成されている。
トランジスタM1[i]のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの一方と、に電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの他方と、トランジスタM3[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタM5[i]のゲートと、トランジスタM6[i]のゲートと、に電気的に接続されている。
トランジスタM2[i]のゲートは、トランジスタM3[i]のゲートと、配線RA[i]と、に電気的に接続されている。トランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM4[i]のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの他方は、配線GNDL[i]と電気的に接続されている。トランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方は、配線VDDL[i]と電気的に接続され、トランジスタM5[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの一方と、配線WL[i]と、に電気的に接続され、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSN−jのソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている。
トランジスタMSP−jのゲートは、配線sleepP−jと電気的に接続され、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの他方は、配線VDDLP−jと電気的に接続されている。トランジスタMSN−jのゲートは、配線WLE−jと電気的に接続され、トランジスタMSN−jのソース又はドレインの他方は、配線GNDLN−jと電気的に接続されている。
なお、図19では、一部の符号を省略している。具体的には、図19では、配線sleepP−0、配線sleepP−7、配線sleepN−0、配線sleepN−7、配線WLE、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDL[0]、配線GNDL[15]、配線GNDL[112]、配線GNDL[127]、配線VDDLP−0、配線VDDLP−7、配線GNDLN−0、配線GNDLN−7、トランジスタMSN−0、トランジスタMSN−7、トランジスタMSP−0、トランジスタMSP−7、トランジスタM1[0]、トランジスタM2[0]、トランジスタM3[0]、トランジスタM4[0]、トランジスタM5[0]、トランジスタM6[0]、トランジスタM1[15]、トランジスタM2[15]、トランジスタM3[15]、トランジスタM4[15]、トランジスタM5[15]、トランジスタM6[15]、トランジスタM1[112]、トランジスタM2[112]、トランジスタM3[112]、トランジスタM4[112]、トランジスタM5[112]、トランジスタM6[112]、トランジスタM1[127]、トランジスタM2[127]、トランジスタM3[127]、トランジスタM4[127]、トランジスタM5[127]、トランジスタM6[127]、回路WLD1[0]、回路WLD1[15]、回路WLD1[112]、回路WLD1[127]、回路UWLD3−0、回路UWLD3−7のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路140の回路WLD1[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路143の場合と同様に、回路WLD1[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]、配線VDDLP−0乃至配線VDDLP−7は、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は高電位電源によって電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDL[0]乃至配線GNDL[127]、配線GNDLN−0乃至配線GNDLN−7は、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は低電位電源によって固定電位GND(又は基準電位と言う場合がある)が印加されているものとする。
配線WLE、及び配線RA[i]は、外部からの信号をワード線ドライバ回路140に入力するための配線であり、配線WL[i]は、ワード線ドライバ回路140から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
<ワード線ドライバ回路の動作方法例>
図19のワード線ドライバ回路140の動作例について、説明する。図20に、ワード線ドライバ回路140のタイミングチャートを示す。なお、図20のタイミングチャートは、簡易的に説明するため、図20のタイミングチャートには、j段目に存在する回路WLD1[i]の動作例を示し、具体的には、配線WLE、配線RA[i]、WL[i]、配線SleepP−j、配線SleepN−jの電位の変化を示している。また、配線WLE、及び配線RA[i]のそれぞれには、電源電圧VDD、或いは固定電位GNDのいずれかが入力されるが、配線WLE、及び配線RA[i]に接続されているトランジスタM1[i]、トランジスタM2[i]、トランジスタM3[i]、トランジスタM4[i]のオン状態、オフ状態を制御できるのであれば、電源電圧VDDよりも低い電位を高レベル電位(High)とし、固定電位GNDよりも高い電位を低レベル電位(Low)としてもよい。そのため、図20の配線WLE、及び配線RA[i]の高レベル電位の表記を「High」とし、低レベル電位の表記を「Low」としている。
時刻T0において、配線sleepP−jの電位を低レベルとし、配線sleepN−jの電位を高レベルとする。これにより、配線sleepP−jに接続されているトランジスタMSP−j、及び配線sleepN−jに接続されているトランジスタMSN−jがオン状態となる。つまり、トランジスタMSP−jを経由して、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方、及びトランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方に電源電圧VDDが印加され、トランジスタMSN−jを経由してトランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方に固定電位GNDが印加される。
時刻T0から時刻T1の間において、配線WLEに低レベル電位が印加され、配線RA[i]に低レベル電位が印加されている。つまり、トランジスタM1[i]のゲート、トランジスタM2[i]のゲート、トランジスタM3[i]のゲート、及びトランジスタM4[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]、及びトランジスタM2[i]はオン状態となり、トランジスタM3[i]、及びトランジスタM4[i]はオフ状態となる。これにより、トランジスタM1[i]、及びトランジスタM2[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに電源電圧VDDが印加される。そのため、トランジスタM5[i]はオフ状態、トランジスタM6[i]はオン状態となるので、トランジスタM6[i]を経由して、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T1において、配線RA[i]に高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM2[i]のゲート、及びトランジスタM3[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM2[i]はオフ状態となり、及びトランジスタM3[i]はオン状態となる。ただし、この段階では、トランジスタM1[i]がオン状態のままなので、時刻T1以前と同様に、電源電圧VDDがトランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加される。また、トランジスタM4[i]がオフ状態のため、固定電位GNDがトランジスタM4[i]を経由してトランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方に印加されない。つまり、配線WL[i]には、時刻T1以前と同じ低レベル電位が出力される。
時刻T2において、配線WLEに高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM1[i]のゲート、及びトランジスタM4[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]はオフ状態となり、及びトランジスタM4[i]はオン状態となる。トランジスタM2[i]はオフ状態なので、電源電圧VDDが、トランジスタM1[i]、又はトランジスタM2[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加されなくなる。トランジスタM3[i]はオン状態なので、固定電位GNDが、トランジスタM3[i]、及びトランジスタM4[i]を経由して、トランジスタM5[i]のゲート及びトランジスタM6[i]のゲートに印加される。これにより、トランジスタM5[i]はオン状態、トランジスタM6[i]はオフ状態となるので、トランジスタM5[i]を経由して、配線WL[i]に電源電圧VDDが出力される。
なお、i行目にあるメモリセルは、時刻T2から時刻T3までの間に、配線WL[i]から電源電圧VDDが印加されるので、このタイミングでデータの書き込みが行われる。つまり、配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]に少なくとも一に高レベル電位が入力された状態で、配線WLEに高レベル電位を入力することで、配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]のうち高レベル電位となっている配線の行に有するメモリセルに同時にデータを書き込むことができる。
また、j段目に有する配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]が全て低レベル電位であるとき、j段目が有する全ての行に存在するメモリセルへの書き込み動作は行われない。このとき、j段目にある回路WLD2[16×j]乃至回路WLD2[16×(j+1)−1]、つまり回路UWLD3−jを動作させる必要がないため、トランジスタMSN−j、及びトランジスタMSP−jをオフ状態にすることが好ましい。これによって、書き込み用選択信号を出力しない回路UWLD3−jに対して、電源電圧VDD及び固定電位GNDの供給を遮断することができるので、消費電力を低減することができる。
時刻T3において、配線WLEに低レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM1[i]のゲート、及びトランジスタM4[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM1[i]はオン状態となり、及びトランジスタM4[i]はオフ状態となる。つまり、トランジスタM1[i]、トランジスタM2[i]、トランジスタM3[i]、及びトランジスタM4[i]のそれぞれのオン状態、オフ状態は、時刻T1から時刻T2まで間のタイミングと同じ状態となるので、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T4において、配線sleepP−jの電位を高レベルとし、配線sleepN−jの電位を低レベルとすることで、トランジスタMSP−j、及びトランジスタMSN−jはオフ状態となる。このため、ワード線ドライバ回路140への電源電圧VDD及び固定電位GNDの供給が無くなるので、消費電力を低減することができる。
なお、図20のタイミングチャートにおいて、時刻T0で、配線sleepP−jを低レベル電位とし、配線sleepN−jを高レベル電位としたが、ワード線ドライバ回路140の動作はこれに限定されない。例えば、時刻T1から時刻T2までの間で、配線sleepP−jに低レベル電位を、配線sleepN−jに高レベル電位を印加するタイミングとしてもよい。
<ワード線ドライバ回路の構成例3>
ここでは、128個の単位ワード線ドライバを一括で動作することが可能な回路の構成例を説明する。
図19では、16個の回路WLD1、スリープトランジスタとしてトランジスタMSP−j、及びトランジスタMSN−jを設けた回路を1段として、合計8段のワード線ドライバ回路を示した。次に、図19とは別の一例としてワード線ドライバ回路を図21に示す。ワード線ドライバ回路150は、128個の回路WLD1と2個のスリープトランジスタ(図21では、トランジスタMSP、トランジスタMSNと表記する)を設けたワード線ドライバ回路である。
ワード線ドライバ回路150は、pチャネル型のトランジスタM1[0]乃至トランジスタM1[127]と、pチャネル型のトランジスタM2[0]乃至トランジスタM2[127]と、nチャネル型のトランジスタM3[0]乃至トランジスタM3[127]と、nチャネル型のトランジスタM4[0]乃至トランジスタM4[127]と、pチャネル型のトランジスタM5[0]乃至トランジスタM5[127]と、nチャネル型のトランジスタM6[0]乃至トランジスタM6[127]と、pチャネル型のトランジスタMSPと、nチャネル型のトランジスタMSNと、を有している。
トランジスタM1[i](iは0以上かつ127以下の整数)のゲートは、配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタMSPのソース又はドレインの一方と、に電気的に接続され、トランジスタM1[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM2[i]のソース又はドレインの他方、トランジスタM3[i]のソース又はドレインの一方、トランジスタM5[i]のゲート、及びトランジスタM6[i]のゲートと電気的に接続されている。トランジスタM2[i]のゲートは、トランジスタM3[i]のゲート、及び配線RA[i]と電気的に接続されている。トランジスタM3[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM4[i]のゲートは配線WLEと電気的に接続され、トランジスタM4[i]のソース又はドレインの他方は、配線GNDL[i]と電気的に接続されている。トランジスタM5[i]のソース又はドレインの一方は、配線VDDL[i]と電気的に接続され、トランジスタM5[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM6[i]のソース又はドレインの一方、及び配線WL[i]と電気的に接続されている。トランジスタM6[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタMSNのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。
トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。トランジスタMSNのゲートは、配線sleepNと電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は配線GNDLNと電気的に接続されている。
なお、図21では、一部の符号を省略している。具体的には、図21では、配線sleepP、配線sleepN、配線WLE、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDL[0]、配線GNDL[15]、配線GNDL[112]、配線GNDL[127]、配線VDDLP、配線GNDLN、トランジスタMSN、トランジスタMSP、トランジスタM1[0]、トランジスタM2[0]、トランジスタM3[0]、トランジスタM4[0]、トランジスタM5[0]、トランジスタM6[0]、トランジスタM1[15]、トランジスタM2[15]、トランジスタM3[15]、トランジスタM4[15]、トランジスタM5[15]、トランジスタM6[15]、トランジスタM1[112]、トランジスタM2[112]、トランジスタM3[112]、トランジスタM4[112]、トランジスタM5[112]、トランジスタM6[112]、トランジスタM1[127]、トランジスタM2[127]、トランジスタM3[127]、トランジスタM4[127]、トランジスタM5[127]、トランジスタM6[127]、回路WLD1[0]、回路WLD1[15]、回路WLD1[112]、回路WLD1[127]のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路150の回路WLD1[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路140、及びワード線ドライバ回路142の場合と同様に、回路WLD1[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]、配線VDDLPは、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDL[0]乃至配線GNDL[127]、配線GNDLNは、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は固定電位GND(又は基準電位と言う場合がある)が印加されているものとする。
<その他の回路の構成例>
図19では、16個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−j)を設けた構成を、また、図21では、128個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタ(トランジスタMSP及びトランジスタMSN)を設けた構成を示したが、本実施の形態はこれに限定されない。例えば、1個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタを設けた構成にしてもよい。また、例えば、16個の回路WLD1に2個のスリープトランジスタを設けた構成を4段設けて、残り64個の回路WLD1の1個ずつに対し2個のスリープトランジスタを設けた構成のような、1段あたりの回路WLD1の個数が異なるような構成にしてもよい。また、例えば、回路WLD1の合計数は128個に限定せず、この数よりも多くしてもよく、また少なくしてもよい。
また、図19のワード線ドライバ回路140、図21のワード線ドライバ回路150のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えてもよい。その場合の回路をそれぞれ図22、図24に示す。
図22のワード線ドライバ回路141は、図19のワード線ドライバ回路140のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えたものであり、図24のワード線ドライバ回路151は、図21のワード線ドライバ回路150のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えたものである。
また、適用するメモリセルの構成によっては、配線WLの出力を反転させる必要がある。その場合は、前述の1個のワード線ドライバを動作させる場合の回路の構成例で述べた内容と同様に、図22のワード線ドライバ回路141、及び図24のワード線ドライバ回路151のNAND回路51を、AND回路80に置き換えればよい。図23のワード線ドライバ回路144は、ワード線ドライバ回路141のNAND回路51をAND回路80に置き換えた回路であり、図25のワード線ドライバ回路152は、ワード線ドライバ回路151のNAND回路51をAND回路80に置き換えた回路である。
この構成により、ワード線ドライバ回路144、及びワード線ドライバ回路152の出力結果を反転する回路構成を得ることができる。例えば、ワード線ドライバ回路144において、配線WLEと配線RA[i]に、共に高レベル電位が入力されたとき、配線WL[i]には、低レベル電位が出力される。また、例えば、ワード線ドライバ回路152において、配線WLEと配線RA[i]の少なくともいずれかに低レベル電位が入力されたとき、配線WL[i]には、高レベル電位が出力される。
また、ワード線ドライバ回路140、にレベルシフタを用いることで、電圧VDDよりも高い電圧(以下、VDDHという)を使用することができる。図26に、ワード線ドライバ回路140にレベルシフタを設けた一例を示す。ワード線ドライバ回路180は、図1のワード線ドライバ回路140に加え、レベルシフタLS、及びレベルシフタLSA[0]乃至レベルシフタLSA[127]を有している。
ただし、図26のワード線ドライバ回路180では、一部のレベルシフタを図示し、他のレベルシフタは省略している。具体的には、図26では、レベルシフタLS、レベルシフタLSA[0]、レベルシフタLSA[15]、レベルシフタLSA[112]、レベルシフタLSA[127]のみ図示しており、他は省略している。
レベルシフタLSの入力端子は、配線WLEと電気的に接続され、レベルシフタLSの出力端子は、トランジスタM1[i]のゲート及びトランジスタM4[i]のゲートと電気的に接続されている。レベルシフタLSA[i]の入力端子は、配線RA[i]と電気的に接続され、レベルシフタLSA[i]の出力端子は、トランジスタM2[i]のゲート及びトランジスタM3[i]のゲートと電気的に接続されている。
このように、レベルシフタLSを設けることで、配線WLEに印加された電圧VDDをVDDHまで昇圧することができ、レベルシフタLSA[i]を設けることで、配線RA[i]に印加された電圧VDDをVDDHまで昇圧することができる。
また、図26のワード線ドライバ回路180のトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えてもよい。その場合の回路を図27のワード線ドライバ回路181に示す。ワード線ドライバ回路181の回路WLD1Lは、トランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]をNAND回路51、及びインバータ回路52に置き換えた構成となっている。また、図26のワード線ドライバ回路180のレベルシフタLSA[i]は、回路WLD1の外部に設けた構成としているが、本実施の形態はこの構成に限定されず、回路WLD1の内部にレベルシフタLSA[i]を設けてもよい。
また、固定電位GNDよりも低い電圧(以下、VSSLという)を使用してもよい。その場合は、上述と同じ要領で、固定電位GNDをVSSLまで降圧させるレベルシフタを用いればよい。
また、図示していないが、図21のワード線ドライバ回路150も上述と同じ箇所にレベルシフタを設けることで、電圧VDDをVDDHまで昇圧、又は、低レベルの固定電位GNDをVSSLまで降圧させることができる。具体的には、配線WLEと、トランジスタM1[i]のゲートとトランジスタM4[i]のゲートとの接続箇所と、の間にレベルシフタを設け、配線RA[i]と、トランジスタM2[i]のゲートとトランジスタM3[i]のゲートの接続箇所と、の間にレベルシフタを設ければよい。
また、図17(A)のワード線ドライバ回路142、図17(B)のワード線ドライバ回路143のスリープトランジスタの数を増やした構成であってもよい。例えば、図28(A)のワード線ドライバ回路190に示すとおり、トランジスタM1とトランジスタM2に、それぞれ直列にトランジスタMSPM1、トランジスタMSPM2を設けた構成でもよい。トランジスタMSPM1のゲートとトランジスタMSPM2のゲートは、配線sleepPと接続されている。これにより、トランジスタMSPM1とトランジスタMSPM2のオン状態、オフ状態を同期させて、ワード線ドライバ回路190を駆動させることができる。
また、図28(B)のワード線ドライバ回路191のとおり、インバータ回路52と配線VDDLの間にトランジスタMSPPを、NAND回路51と配線GNDLの間にトランジスタMSNNを、介する構成であってもよい。トランジスタMSPのゲートとトランジスタMSPPのゲートは、配線sleepPと接続され、トランジスタMSNのゲートとトランジスタMSNNのゲートは、配線sleepNと接続されている。これにより、トランジスタMSPとトランジスタMSPPのオン状態、オフ状態を同期させ、また独立にトランジスタMSNとトランジスタMSNNのオン状態、オフ状態を同期させて、ワード線ドライバ回路191を駆動させることができる。
また、図28(C)のワード線ドライバ回路192のとおり、NAND回路に配線VDDLと配線GNDLを、トランジスタを介せずに電気的に接続させ、インバータ回路52と配線VDDLPの間にトランジスタMSPを、インバータ回路52と配線GNDLNの間にトランジスタMSNを介する構成であってもよい。トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと接続され、トランジスタMSNのゲートは、配線sleepNと接続されている。すなわち、インバータ回路52の電力供給のオン状態、オフ状態を制御させて、ワード線ドライバ回路192を駆動させることができる。
本実施の形態で説明したトランジスタM1[i]乃至トランジスタM6[i]、特にスリープトランジスタとして機能するトランジスタMSP−j、トランジスタMSN−j(又は、トランジスタMSP、トランジスタMSN)は、オフ電流(又は、リーク電流)の小さいトランジスタを用いるのが好ましい。例えば、後述する酸化物半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタを用いるのが好ましい。また、オン状態、オフ状態を制御できればよいので、機械的スイッチ、又は、MEMS素子などで代用してもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の一態様である回路の構成と動作について説明する。
<半導体装置の構成>
本発明の一態様であるビット線プリチャージ回路の一例を図29に示す。なお、図29には、メモリセルアレイの構成も含めて図示している。
図29のビット線プリチャージ回路200は、複数のメモリセル10と、複数の読み出し・書き込み回路202と、複数の書き込みビット線WBLと、複数の読み出しビット線RBLと、複数の書き込みワード線WWLと、複数の読み出しワード線RWLと、プリチャージ配線PRELと、複数の配線VDDL−Preと、複数のトランジスタMSP−Preと、を有している。
メモリセル10の回路構成については、図33(A)に示す(詳しくは、実施の形態5で説明する)。メモリセル10は、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLと、書き込みワード線WWLと、読み出しワード線RWLと、電気的に接続されている。読み出し・書き込み回路202は、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLと、電気的に接続されている。トランジスタMSP−Preのゲートは、プリチャージ配線PRELと電気的に接続され、トランジスタMSP−Preのソース又はドレインの一方は、読み出しビット線RBLと電気的に接続され、トランジスタMSP−Preのソース又はドレインの他方は、配線VDDL−Preと電気的に接続されている。
なお、配線VDDL−Preは、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は電源電圧VDDが印加されているものとする。
メモリセル10は、行m個×列n個の格子状に設けられている(m、n;1以上の整数であり、mとnは等しくてもよいし、異なる数であってもよい)。そのため、書き込みワード線WWL及び読み出しワード線RWLはそれぞれ、メモリセル10の行数分、すなわちm本設けられており、書き込みビット線WBL及び読み出しビット線RBLはそれぞれ、メモリセル10の列数分、すなわちn本設けられている。読み出し・書き込み回路202も、メモリセル10の列数分、すなわちn個設けられ、トランジスタMSP−Preも、メモリセル10の列数分、すなわちn個設けられている。
読み出し動作が行われるとき、読み出しビット線RBLを電源電圧VDDにプリチャージする必要がある。読み出しビット線RBLを電源電圧VDDにプリチャージした状態(以下、スタンバイ状態という場合がある)にすることで、メモリセル10に格納されたデータを読み出すことができる。しかし、スタンバイ状態を維持することにより、電源電圧VDDの読み出しビット線RBLからメモリセル10内の接地電位の箇所へリーク電流が流れ、大きなスタンバイ電力が発生する。
そこで、メモリアクセスが無い状態では、プリチャージ配線PRELに高レベル電位を印加させ、トランジスタMSP−Preのゲートを高レベル電位にする。これにより、トランジスタMSP−Preをオフ状態にして、読み出しビット線RBLへのプリチャージを停止させる。このように、読み出しビット線RBLをフローティング状態にすることで、スタンバイ電力の発生を抑制し、消費電力を低減することができる。
図30及び図31に、図29のビット線プリチャージ回路200の動作のタイミングチャートを示す。
図30のタイミングチャートは、後述する図33(A)のメモリセル10を採用した場合で、通常時に読み出しビット線をプリチャージして、メモリの読み出しを行う動作を表している。図31のタイミングチャートは、後述する図33(A)のメモリセル10を採用した場合で、通常時に読み出しビット線をフローティング状態として、読み出す直前に読み出しビット線をプリチャージして、メモリの読み出しを行う動作を表している。
図30、及び図31の入力信号について説明する。CLKはクロック信号であり、ADDR[16:2]はアドレスデータ信号であり(128キロバイトの場合)、CEはチップイネーブル信号であり、GWはグローバル書き込みイネーブル信号であり、BW[3:0]はバイトライト信号であり、PREはプリチャージ回路を制御するための信号ある。
CLKは、図示していないが各種レジスタなどに供給される信号である。例えば、アドレスレジスタ、グローバル書き込みイネーブルレジスタ、バイトライトイネーブルレジスタ、チップイネーブルレジスタに、CLKを供給することで、それぞれADDR[16:2]、GW、BW[3:0]、CEを出力する。
ADDR[16:2]は、読み出したいデータのメモリセルの場所を格納したアドレスデータ信号を示している。例えば、図30において、時刻T0から時刻T1までの間では、メモリセルアレイの中のメモリセルZの場所を示したアドレスデータがADDR[16:2]に格納されている。また、例えば、時刻T1から時刻T4までの間では、メモリセルアレイの中のメモリセルAの場所を示したアドレスデータがADDR[16:2]に格納されている。また、例えば、時刻T4以降では、メモリセルアレイの中のメモリセルBの場所を示したアドレスデータがADDR[16:2]に格納されている。
図30、及び図31のタイミングチャートは、読み出し動作を示しているため、CEは常に高レベル電位(図30、及び図31ではHighと表記)、GWは常に低レベル電位(図30、及び図31ではLowと表記)となっている。
BW[3:0]は、メモリセルに情報を書き込むか、メモリセルから情報を読み出すかを選択する4ビット信号である。今回は、メモリセルから情報を読み出すため、BW[3:0]は常に0000の信号となっている(4’b0000は、4ビット幅2進数の0000を示す)。
PREは、チップイネーブルレジスタから出力された信号CEと、CLKが入力されたクロックディレイ回路から出力された信号と、がNAND回路に入力されて、NAND回路から出力された信号である。
次に、図30、及び図31の内部信号について説明する。内部信号に表記しているタイミングチャートは、プリチャージ配線PREL、読み出しワード線RWL、読み出しビット線RBLの電位の変化を示している。SEは、センスアンプに入力される信号を示し、Dataout[31:0]は、メモリセルから読み出された情報を表す32ビットの信号である。
プリチャージ配線PRELは、トランジスタMSP−Preに電位を印加して、オン状態、オフ状態を制御するための配線である。読み出しワード線RWLは、情報を読み出すメモリセルのトランジスタに電位を印加するための配線である。読み出しビット線RBLは、メモリセルから読み出した情報を伝送するための配線である。
SEは、センスアンプに入力される信号である。センスアンプは、SEが高レベルの電位(図30、及び図31ではHighと表記)であるとき、読み出しビット線RBLから読み出した情報を増幅する機能を有する。
図30のタイミングチャートの動作について、説明する。ここでは、メモリセルアレイの中のメモリセルAから、情報を読み出す場合を考える。ただし、図30は、通常時の読み出しビット線RBLをプリチャージしている。
時刻T0において、高レベル電位のPREがプリチャージ回路に入力される。これにより、プリチャージ回路によって、時刻T0から時刻T1までの間に、プリチャージ配線PRELに低レベル電位が印加される。このため、トランジスタMSP−Preがオン状態となり、読み出しビット線RBLへのプリチャージが開始し、電位が上昇する。
ただし、読み出しビット線RBLのプリチャージが開始される前に、読み出しビット線RBLと接続されているメモリセル10の中のトランジスタ12(図33(A)参照)はオフ状態にしなければならない。そのため、プリチャージ配線PRELに低レベル電位が印加される前に、読み出しワード線RWLに低レベル電位が印加する必要がある。これにより、メモリセル10の中のトランジスタ12はオフ状態となる。
時刻T1において、メモリセルAの場所の情報が格納されたADDR[16:2]が行デコーダ、及び列デコーダに入力される。これにより、メモリセルAの存在する行の読み出しワード線と、列の読み出しビット線が選択される。
また、時刻T1において、低レベル電位のPREがプリチャージ回路に入力される。これにより、プリチャージ回路によって、時刻T1から時刻T2までの間に、プリチャージ配線PRELに高レベルの電位が印加される。このため、トランジスタMSP−Preがオフ状態となり、読み出しビット線RBLへのプリチャージが終了する。
プリチャージ完了後、すなわち、プリチャージ配線PRELに高レベルの電位が印加された後に、メモリセルAの存在する行の読み出しワード線RWLに高レベルの電位が印加される。これにより、メモリセルAの中のトランジスタ12をオン状態にすることができる。トランジスタ12をオン状態にすることで、読み出しビット線RBLの電位が下がる。このとき、読み出しビット線RBLの低下した電位を読み出し・書き込み回路202で読み出すことによって、メモリセルAに格納された情報を読み出すことができる。
読み出しビット線RBLの電位が下がる途中、すなわち、時刻T2から時刻T3までの間に、SEの信号を高レベルにする。これにより、メモリセルAから読み出された信号が、読み出し・書き込み回路202にあるセンスアンプによって増幅される。
時刻T3から時刻T4において、メモリセルAに格納された情報Data(A)が、DataOut[31:0]の信号として出力される。
メモリセルBの情報を読み出したい場合、メモリセルAの情報を読み出す場合と同様に、時刻T2からPREの信号を入力して、読み出しビット線RBLをプリチャージし、時刻T4以降で、メモリセルBの場所の情報が格納されたADDR[16:2]を行デコーダ、及び列デコーダに入力すればよい。
図31のタイミングチャートについて、説明する。ここでは、メモリセルアレイのメモリセルAから、情報を読み出す動作を説明する。ただし、図31の動作例では、通常時の読み出しビット線RBLをフローティング状態としている。
時刻T0において、高レベル電位のPREがプリチャージ回路に入力される。これにより、プリチャージ回路によって、時刻T1のときに、プリチャージ配線PRELに低レベル電位が印加される。このため、トランジスタMSP−Preがオン状態となり、読み出しビット線RBLへのプリチャージが開始し、電位が上昇する。
ただし、読み出しビット線RBLのプリチャージが開始される前に、読み出しビット線RBLと接続されているメモリセル10の中のトランジスタ12はオフ状態にしなければならない。そのため、プリチャージ配線PRELに低レベル電位が印加される前に、読み出しワード線RWLに低レベル電位が印加する必要がある。これにより、メモリセル10の中のトランジスタ12はオフ状態となる。なお、図31では、プリチャージは時刻T1.5以降に行われるため、時刻T1以前にトランジスタ12をオフ状態にすればよい。
時刻T1において、低レベル電位のPREがプリチャージ回路に入力される。これにより、プリチャージ回路によって、時刻T1.5のときに、プリチャージ配線PRELに高レベル電位が印加される。このため、トランジスタMSP−Preがオフ状態となり、読み出しビット線RBLへのプリチャージが終了する。
時刻T1において、メモリセルAの場所の情報が格納されたADDR[16:2]が行デコーダ、及び列デコーダに入力される。これにより、メモリセルAの存在する行の読み出しワード線と、列の読み出しビット線が選択される。
プリチャージ完了後、すなわち、プリチャージ配線PRELに高レベル電位が印加された後に、メモリセルAの存在する行の読み出しワード線RWLに高レベル電位が印加される。これにより、メモリセルAの中のトランジスタ12をオン状態にすることができる。トランジスタ12をオン状態にすることで、読み出しビット線RBLの電位が下がる。このとき、読み出しビット線RBLの低下した電位を読み出し・書き込み回路202で読み出すことによって、メモリセルAに格納された情報を読み出すことができる。
読み出しビット線RBLの電位が下がる途中、すなわち、時刻T2から時刻T3までの間に、SEの信号を高レベルにする。これにより、メモリセルAから読み出された信号が、読み出し・書き込み回路202にあるセンスアンプによって増幅される。
時刻T3から時刻T4において、メモリセルAに格納された情報Data(A)が、DataOut[31:0]の信号として出力される。
メモリセルBの情報を読み出したい場合、メモリセルAの情報を読み出す場合と同様に、時刻T2からPREの信号を入力して、読み出しビット線RBLをプリチャージし、時刻T4以降で、メモリセルBの場所の情報が格納されたADDR[16:2]を行デコーダ、及び列デコーダに入力すればよい。これにより、メモリセルBに格納された情報Data(B)が、DataOut[31:0]の信号として出力される。またメモリセルZの情報を読み出す場合も、メモリセルAの情報を読み出す場合と同様に、メモリセルZに格納された情報Data(Z)が、DataOut[31:0]の信号として出力される。
また、図29とは別のビット線プリチャージ回路の一例を図32に示す。なお、図32には、メモリセルアレイの構成も含めて図示している。
図32のビット線プリチャージ回路210は、複数のメモリセル10と、複数の読み出し・書き込み回路202と、複数の書き込みビット線WBLと、複数の読み出しビット線RBLと、複数の書き込みワード線WWLと、複数の読み出しワード線RWLと、プリチャージ配線PRELと、複数の配線GNDL−Preと、複数のトランジスタMSN−Preと、を有している。
メモリセル10は、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLと、書き込みワード線WWLと、読み出しワード線RWLと、電気的に接続されている。読み出し・書き込み回路202は、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLと、電気的に接続されている。トランジスタMSN−Preのゲートは、プリチャージ配線PRELと電気的に接続され、トランジスタMSN−Preのソース又はドレインの一方は、読み出しビット線RBLと電気的に接続され、トランジスタMSN−Preのソース又はドレインの他方は、配線GNDL−Preと電気的に接続されている。
なお、配線GNDL−Preは、図示していないが低レベル電源電圧と接続されており、それらの配線は固定電位GNDが印加されているものとする。
メモリセル10は、行m個×列n個の格子状に設けられている(m、n;1以上の整数であり、mとnは等しくてもよいし、異なる数であってもよい)。そのため、書き込みワード線WWL及び読み出しワード線RWLはそれぞれ、メモリセル10の行数分、すなわちm本設けられており、書き込みビット線WBL及び読み出しビット線RBLはそれぞれ、メモリセル10の列数分、すなわちn本設けられている。読み出し・書き込み回路202も、メモリセル10の列数分、すなわちn個設けられ、トランジスタMSN−Preも、メモリセル10の列数分、すなわちn個設けられている。
読み出し動作が行われるとき、読み出しビット線RBLを電位GNDにプリチャージする必要がある。読み出しビット線RBLを電位GNDにプリチャージした状態(以下、スタンバイ状態という場合がある)にすることで、メモリセル10に格納されたデータを読み出すことができる。しかし、スタンバイ状態を維持することにより、電位GNDの読み出しビット線RBLからメモリセル10内の接地電位の箇所へリーク電流が流れ、スタンバイ状態時に大きな電力(スタンバイ電力)の消費が起こる。
そこで、メモリへのアクセスが無い状態では、プリチャージ配線PRELに低レベル電位を印加させ、トランジスタMSN−Preのゲートを低レベル電位にする。これにより、トランジスタMSN−Preをオフ状態にして、読み出しビット線RBLへのプリチャージを停止させる。このように、読み出しビット線RBLをフローティング状態にすることで、スタンバイ電力の発生を抑制し、消費電力を低減することができる。
トランジスタMSP−Pre、及びトランジスタMSN−Preは、リーク電流を低減する目的で設けているため、オフ電流が低いトランジスタであることが好ましい。後述する酸化物半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタを用いるのが、より好ましい。なお、また、オン状態、オフ状態を制御できればよいので、機械的スイッチ、又は、MEMS素子などで代用してもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係るメモリセルについて説明する。
<メモリセルの構成例1>
図33(A)に、メモリセルの一例を示す。メモリセル10は、トランジスタ11乃至トランジスタ13を有している。メモリセル10は、書き込みワード線WWLと、読み出しワード線RWLと、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLと電気的に接続されている。
トランジスタ11のソース又はドレインの一方は、書き込みビット線WBLと電気的に接続され、トランジスタ11のソース又はドレインの他方は、トランジスタ13のゲートと電気的に接続され、トランジスタ11のゲートは、書き込みワード線WWLと電気的に接続されている。トランジスタ12のソース又はドレインの一方は、読み出しビット線RBLと電気的に接続され、トランジスタ12のソース又はドレインの他方は、トランジスタ13のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタ12のゲートは読み出しワード線RWLと電気的に接続されている。トランジスタ13のソース又はドレインの他方は、低レベル電源電圧GNDが与えられている配線と電気的に接続されている。
図33(A)のメモリセル10は、トランジスタ11のソース又はドレインの他方と、トランジスタ13のゲートと、の間に電位を印加することで、情報を書き込むことができる。そのため、トランジスタ11はオフ電流(リーク電流)の小さい特性を持つトランジスタを用いることが好ましい。例えば、後述するOSトランジスタを用いることが、更に好ましい。
<メモリセルの構成例2>
図33(B)に、メモリセルの一例を示す。メモリセル20は、トランジスタ21と、トランジスタ22と、容量素子23と、を有している。メモリセル20は、書き込みワード線WWLと、読み出しワード線RWLと、ビット線BLと、ソース線SLと電気的に接続されている。
トランジスタ21のソース又はドレインの一方は、ビット線BLと電気的に接続され、トランジスタ21のソース又はドレインの他方は、トランジスタ22のゲートと、容量素子23の一方の電極と、電気的に接続され、トランジスタ21のゲートは、書き込みワード線WWLと電気的に接続されている。トランジスタ22のソース又はドレインの一方は、ビット線BLと電気的に接続され、トランジスタ22のソース又はドレインの他方は、ソース線SLと電気的に接続されている。容量素子23の他方の電極は、読み出しワード線RWLと電気的に接続されている。
図33(B)のメモリセル20は、トランジスタ21のソース又はドレインの他方と、トランジスタ22のゲートと、の間(トランジスタ21のソース又はドレインの他方と、容量素子23の一方の電極と、の間)に電位を印加することで、情報を書き込むことができる。そのため、トランジスタ21はオフ電流(リーク電流)の小さい特性を持つトランジスタを用いることが好ましい。例えば、後述するOSトランジスタを用いることが、更に好ましい。
また、メモリセル20のトランジスタ21にバックゲートを設けた構成を図34(A)のメモリセル24、図34(B)のメモリセル25に示す。メモリセル24は、トランジスタ21にバックゲートBG、及び配線BGLを設けた回路となっており、定電位を配線BGLからバックゲートBGに印加する構成となっている。配線BGLからの定電位を制御することによって、トランジスタ21のしきい値電圧を制御することができる。メモリセル25は、トランジスタ21にバックゲートBGを設けた回路となっており、トランジスタ21のフロントゲート(又は、書き込みワード線)と電気的に接続されている。この構成により、フロントゲートとバックゲートBGには、同じ電位が印加されるため、トランジスタ21がオン状態の時に流れる電流を増加させることができる。
なお、バックゲートを設けた構成は、メモリセル24、及びメモリセル25に限定されず、他のメモリセルの場合でも適用が可能である。例えば、本実施の形態で説明しているメモリセルの構成例1のメモリセル10、後述するメモリセルの構成例3乃至メモリセルの構成例5)で説明するメモリセルについても、バックゲートを構成することができる。
<メモリセルの構成例3>
図33(C)に、メモリセルの一例を示す。メモリセル30は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、トランジスタ31と、容量素子32と、を有している。メモリセル30は、書き込みワード線WWLと、ビット線BLと電気的に接続されている。
トランジスタ31のソース又はドレインの一方は、ビット線BLと電気的に接続され、トランジスタ31のソース又はドレインの他方は、容量素子32の一方の電極と電気的に接続され、トランジスタ31のゲートは、書き込みワード線WWLと電気的に接続されている。容量素子32の他方の電極は、低レベル電源電圧GNDが与えられている配線と電気的に接続されている。
図33(C)のメモリセル30は、トランジスタ31のソース又はドレインの他方と、容量素子32の一方の電極と、の間に電位を印加することで、情報を書き込むことができる。ここで、トランジスタ31として、OSトランジスタのようなオフ電流(リーク電流)の小さい特性を持つトランジスタを用いることにより、メモリセル30は、電力供給が無くても、記憶保持することができる場合がある。
<メモリセルの構成例4>
図33(D)に、メモリセルの一例を示す。メモリセル60は、トランジスタ61乃至トランジスタ63と、容量素子64を有している。メモリセル60は、書き込みワード線WWLと、読み出しワード線RWLと、ビット線BLと、ソース線SLと電気的に接続されている。
トランジスタ61のソース又はドレインの一方は、ビット線BLと電気的に接続され、トランジスタ61のソース又はドレインの他方は、トランジスタ63のゲートと、容量素子64の一方の電極と電気的に接続され、トランジスタ61のゲートは、書き込みワード線WWLと電気的に接続されている。トランジスタ62のソース又はドレインの一方は、ビット線BLと電気的に接続され、トランジスタ62のソース又はドレインの他方は、トランジスタ63のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタ62のゲートは、読み出しワード線RWLと電気的に接続されている。トランジスタ63のソース又はドレインの他方は、容量素子64の他方の電極と、ソース線SLと電気的に接続されている。
図33(D)のメモリセル60は、ノードN1に電位を印加することで、情報を書き込むことができる。ここで、トランジスタ61として、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流(リーク電流)の小さい特性を持っているので、長い時間、ノードN1に電位を維持することができる。つまり、OSトランジスタを用いることで、長い時間、メモリセル60は記憶されている情報を保持することができる場合がある。
<メモリセルの構成例5>
図33(E)に、メモリセルの一例を示す。メモリセル40は、SRAM(Static Random Access Memory)であり、トランジスタ41乃至トランジスタ44と、インバータ45と、インバータ46と、容量素子47と、容量素子48と、を有している。メモリセル40は、配線WL(以下、ワード線)と、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLと、パワーゲート線PGと電気的に接続されている。
トランジスタ43のソース又はドレインの一方は、書き込みビット線WBLと電気的に接続され、トランジスタ43のソース又はドレインの他方は、トランジスタ41のソース又はドレインの一方と、インバータ45の入力端子と、インバータ46の出力端子と電気的に接続され、トランジスタ43のゲートは、ワード線WLと電気的に接続されている。トランジスタ44のソース又はドレインの一方は、読み出しビット線RBLと電気的に接続され、トランジスタ44のソース又はドレインの他方は、トランジスタ42のソース又はドレインの一方と、インバータ45の出力端子と、インバータ46の入力端子と電気的に接続され、トランジスタ44のゲートは、ワード線WLと電気的に接続されている。トランジスタ41のソース又はドレインの他方は、容量素子47を介して低レベル電源電圧GNDが与えられている配線と電気的に接続され、トランジスタ41のゲートは、パワーゲート線PGと電気的に接続されている。トランジスタ42のソース又はドレインの他方は、容量素子48を介して低レベル電源電圧GNDが与えられている配線と電気的に接続され、トランジスタ42のゲートは、パワーゲート線PGと電気的に接続されている。
図33(E)のメモリセル40は、ノードN2及びノードN3に電位を印加することで、情報を書き込むことができる。また、ノードN4及びノードN5に電位を印加することで、情報を書き込むことができる。ここで、トランジスタ41及びトランジスタ42として、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流(リーク電流)の小さい特性を持っているので、長い時間、ノードN4及びノードN5に電位を維持することができる。つまり、OSトランジスタを用いることにより、長い時間、メモリセル40は記憶された情報を保持できる場合がある。
また、図33(E)のメモリセル40は、インバータを複数のトランジスタに置き換えることで、図33(F)のメモリセル50に構成を変更することができる。具体的には、インバータ45をpチャネル型のトランジスタ53及びnチャネル型のトランジスタ54に置き換え、インバータ46をpチャネル型のトランジスタ55及びnチャネル型のトランジスタ56に置き換えている。
トランジスタ53のソース又はドレインの一方は、トランジスタ54のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタ53のソース又はドレインの他方は、高レベル電位を与える配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタ54のソース又はドレインの他方は、低レベル電位を与える配線VSSLと電気的に接続されている。トランジスタ55のソース又はドレインの一方は、トランジスタ56のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタ55のソース又はドレインの他方は、高レベル電位を与える配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタ56のソース又はドレインの他方は、低レベル電位を与える配線VSSLと電気的に接続されている。
図33(F)の回路57はSRAMセルに対応しており、回路58はSRAMセルの中のノードN2及びノードN3をノードN4及びノードN5にバックアップする構成となっている。
なお、本実施の形態で述べたメモリセル40及びメモリセル60のソフトエラー試験に関して、実施例にて後述する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
<記憶装置の構成例>
本実施の形態では、開示する発明の一態様の記憶装置について説明する。図35に記憶装置の構成例をブロック図で示す。図35に示す記憶装置300はランダムアクセスメモリとして用いることができ、メモリセルアレイ310及び周辺回路330を有する。メモリセルアレイ310及び周辺回路330は1のチップに集積することが可能である。
図35では、処理するデータ(WDATA及びRDATA)が32ビットの例を示している。WDATAは書き込むデータであり、RDATAは読み出されたデータである。また、ADDRはアドレスデータであり、16ビットの信号である。ADDRのアドレス空間の下位2ビットはオフセットアドレスとしている。
VDDD、VSSS、VDDH、VSSL、VSSMは外部から入力される固定電圧である。VDDDは高レベル電源電圧であり、VSSSは低レベル電源電圧である。VDDHはVDDDよりも高い電源電圧であり、VSSLはVSSSよりも低い電源電圧である。
<<メモリセルアレイ>>
図36はメモリセルアレイ310の構成例を示す回路図である。メモリセルアレイ310は図33(A)に示した複数のメモリセル10、複数の書き込みワード線WWL、複数の読み出しワード線RWL、複数の書き込みビット線WBL、複数の読み出しビット線RBLを有する。複数のメモリセル10は2次元のアレイ状に配列されている。複数のWWL、RWL、WBL、RBLは複数のメモリセル10の配列に合わせて設けられている。複数のWWL、RWLは行ごとに設けられ、複数のWBL、RBLは列ごとに設けられている。メモリセル10は、対応する行のWWL、RWLに電気的に接続され、対応する列のWBL及びRBLと電気的に接続されている。図36には、2行2列に配列された4のメモリセル10を示している。図36に示すk、lはそれぞれ2以上の整数である。
外部からの固定電圧VSSMは、固定電位GNDとして、メモリセルアレイ310の各メモリセル10に入力される。
<<周辺回路>>
周辺回路330は、コントロールロジック340、行ドライバ350、列ドライバ360、プレデコーダ370及び出力ドライバ380を有する。周辺回路330は、メモリセルアレイ310を駆動することができる機能を有する。
コントロールロジック340は、外部からの入力信号(例えば、PRE、CE、GW、BW[3:0])を処理して、行ドライバ350、列ドライバ360の制御信号を生成する。例えば、コントロールロジック340は、書き込みイネーブル信号WE、読み出しイネーブル信号RE、信号ERR等を生成する。
CEはチップイネーブル信号であり、GWはグローバル書き込みイネーブル信号であり、PREはスタンバイ電力を削減するためのプリチャージを制御する信号である。コントロールロジック340が処理する信号は、これに限定されるものではなく、他の信号が入力されていてもよいし、入力されない信号があってもよい。
行ドライバ350は、書き込みワード線WWL及び読み出しワード線RWLを駆動できる機能、及びアクセスする行(メモリセル10)を選択する機能等を有する。行ドライバ350は行デコーダ351、読み出しワード線ドライバ352、及び書き込みワード線ドライバ353を有する。
列ドライバ360は書き込みビット線WBL及び読み出しビット線RBLを駆動する機能等を有する。列ドライバ360は、列デコーダ361、書き込みドライバ363、出力マルチプレクサ(MUX)364、センスアンプ365、及びプリチャージ回路366を有する。
WDATA[31:0]は書き込みドライバ363に入力される。書き込みドライバ363は、WDATA[31:0]のうちの1ビットのデータに対応する書き込み電圧を1のWBLに入力することができる機能を有する。プリチャージ回路366は読み出しビット線RBLをプリチャージできる機能を有する。センスアンプ365は、読み出しビット線RBLの電圧を増幅する機能を有する。出力MUX364は、センスアンプ365の複数の出力を選択して、出力ドライバ380に伝送する機能を有する。出力ドライバ380は、出力MUX364から入力されるデータを処理して、RDATA[31:0]を出力する。
プレデコーダ370は、入力されたADDR[16:2]から、情報を格納するメモリセルのサブアレイ、段、行、列を読み出し、それらのデータを行デコーダ351、及び列デコーダ361に情報を出力する機能を有する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係るトランジスタについて説明する。
なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、後述するnc−OS又はCAAC−OSを有すると好ましい。
<トランジスタ構造1>
図38(A)及び図38(B)は、本発明の一態様のトランジスタの上面図及び断面図である。図38(A)は上面図であり、図38(B)は、図38(A)に示す一点鎖線A1−A2、及び一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図38(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図38(A)及び図38(B)に示すトランジスタは、基板400上の導電体413と、基板400上及び導電体413上の凸部を有する絶縁体402と、絶縁体402の凸部上の半導体406aと、半導体406a上の半導体406bと、半導体406bの上面及び側面と接し、間隔を空けて配置された導電体416a及び導電体416bと、半導体406b上、導電体416a上及び導電体416b上の半導体406cと、半導体406c上の絶縁体412と、絶縁体412上の導電体404と、導電体416a上、導電体416b上及び導電体404上の絶縁体408と、絶縁体408上の絶縁体418と、を有する。なお、ここでは、導電体413をトランジスタの一部としているが、これに限定されない。例えば、導電体413がトランジスタとは独立した構成要素であるとしてもよい。
なお、半導体406cは、A3−A4断面において、少なくとも半導体406bの上面及び側面と接する。また、導電体404は、A3−A4断面において、半導体406c及び絶縁体412を介して半導体406bの上面及び側面と面する。また、導電体413は、絶縁体402を介して半導体406bの下面と面する。また、絶縁体402が凸部を有さなくても構わない。また、半導体406cを有さなくても構わない。また、絶縁体408を有さなくても構わない。また、絶縁体418を有さなくても構わない。
なお、半導体406bは、トランジスタのチャネル形成領域としての機能を有する。また、導電体404は、トランジスタの第1のゲート電極(フロントゲート電極ともいう。)としての機能を有する。また、導電体413は、トランジスタの第2のゲート電極(バックゲート電極ともいう。)としての機能を有する。また、導電体416a及び導電体416bは、トランジスタのソース電極及びドレイン電極としての機能を有する。また、絶縁体408は、バリア層としての機能を有する。絶縁体408は、例えば、酸素又は/及び水素をブロックする機能を有する。又は、絶縁体408は、例えば、半導体406a又は/及び半導体406cよりも、酸素又は/及び水素をブロックする能力が高い。
なお、絶縁体402は過剰酸素を含む絶縁体であると好ましい。
例えば、過剰酸素を含む絶縁体は、加熱処理によって酸素を放出する機能を有する絶縁体である。例えば、過剰酸素を含む酸化シリコン層は、加熱処理などによって酸素を放出することができる酸化シリコン層である。したがって、絶縁体402は膜中を酸素が移動可能な絶縁体である。即ち、絶縁体402は酸素透過性を有する絶縁体とすればよい。例えば、絶縁体402は、半導体406aよりも酸素透過性の高い絶縁体とすればよい。
過剰酸素を含む絶縁体は、半導体406b中の酸素欠損を低減させる機能を有する場合がある。半導体406b中で酸素欠損は、DOSを形成し、正孔トラップなどとなる。また、酸素欠損のサイトに水素が入ることによって、キャリアである電子を生成することがある。したがって、半導体406b中の酸素欠損を低減することで、トランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
ここで、加熱処理によって酸素を放出する絶縁体は、TDS分析(昇温脱離ガス分析:Thermal Desorption Spectroscopy)にて、100℃以上かつ700℃以下、又は100℃以上かつ500℃以下の膜の表面温度の範囲で1×1018atoms/cm3以上、1×1019atoms/cm3以上又は1×1020atoms/cm3以上の酸素(酸素原子数換算)を放出することもある。
ここで、TDS分析を用いた酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
測定試料をTDS分析したときの気体の全放出量は、放出ガスのイオン強度の積分値に比例する。そして標準試料との比較により、気体の全放出量を計算することができる。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコン基板のTDS分析結果、及び測定試料のTDS分析結果から、測定試料の酸素分子の放出量(NO2)は、下に示す式で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量電荷比32で検出されるガスの全てが酸素分子由来と仮定する。CH3OHの質量電荷比は32であるが、存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質量数17の酸素原子及び質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため考慮しない。
NO2=NH2/SH2×SO2×α
NH2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。ここで、標準試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、測定試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。αは、TDS分析におけるイオン強度に影響する係数である。上に示す式の詳細に関しては、特開平6−275697号公報を参照する。なお、上記酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として、例えば1×1016atoms/cm2の水素原子を含むシリコン基板を用いて測定する。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量についても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分子の放出量の2倍となる。
又は、加熱処理によって酸素を放出する絶縁体は、過酸化ラジカルを含むこともある。具体的には、過酸化ラジカルに起因するスピン密度が、5×1017spins/cm3以上であることをいう。なお、過酸化ラジカルを含む絶縁体は、ESR(電子スピン共鳴:Electron Spin Resonance)にて、g値が2.01近傍に非対称の信号を有することもある。
又は、過剰酸素を含む絶縁体は、酸素が過剰な酸化シリコン(SiOX(X>2))であってもよい。酸素が過剰な酸化シリコン(SiOX(X>2))は、シリコン原子数の2倍より多い酸素原子を単位体積当たりに含むものである。単位体積当たりのシリコン原子数及び酸素原子数は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)により測定した値である。
図38(B)に示すように、半導体406bの側面は、導電体416a及び導電体416bと接する。また、導電体404の電界によって、半導体406bを電気的に取り囲むことができる(導電体から生じる電界によって、半導体を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。)。そのため、半導体406bの全体(バルク)にチャネルが形成される場合がある。s−channel構造では、トランジスタのソース電極−ドレイン電極間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流)を高くすることができる。
高いオン電流が得られるため、s−channel構造は、微細化されたトランジスタに適した構造といえる。トランジスタを微細化できるため、該トランジスタを有する半導体装置は、集積度の高い、高密度化された半導体装置とすることが可能となる。例えば、トランジスタは、チャネル長が好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下の領域を有し、かつ、トランジスタは、チャネル幅が好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下の領域を有する。
また、導電体413に、ソース電極よりも低い電圧又は高い電圧を印加し、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向又はマイナス方向へ変動させてもよい。例えば、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させることで、ゲート電圧が0Vであってもトランジスタが非導通状態(オフ状態)となる、ノーマリオフが実現できる場合がある。なお、導電体413に印加する電圧は、可変であってもよいし、固定であってもよい。導電体413に印加する電圧を可変にする場合、電圧を制御する回路を導電体413と電気的に接続してもよい。
次に、半導体406a、半導体406b、半導体406cなどに適用可能な半導体について説明する。
半導体406bは、例えば、インジウムを含む酸化物半導体である。半導体406bは、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、半導体406bは、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム又はスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。又は、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、半導体406bは、亜鉛を含むと好ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、半導体406bは、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。半導体406bは、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。
半導体406bは、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。半導体406bのエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
例えば、半導体406a及び半導体406cは、半導体406bを構成する酸素以外の元素一種以上、又は二種以上から構成される酸化物半導体である。半導体406bを構成する酸素以外の元素一種以上、又は二種以上から半導体406a及び半導体406cが構成されるため、半導体406aと半導体406bとの界面、及び半導体406bと半導体406cとの界面において、界面準位が形成されにくい。
半導体406a、半導体406b及び半導体406cは、少なくともインジウムを含むと好ましい。なお、半導体406aがIn−M−Zn酸化物のとき、In及びMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高いとする。また、半導体406bがIn−M−Zn酸化物のとき、In及びMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。また、半導体406cがIn−M−Zn酸化物のとき、In及びMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。なお、半導体406cは、半導体406aと同種の酸化物を用いても構わない。ただし、半導体406a又は/及び半導体406cがインジウムを含まなくても構わない場合がある。例えば、半導体406a又は/及び半導体406cが酸化ガリウムであっても構わない。
半導体406bは、半導体406a及び半導体406cよりも電子親和力の大きい酸化物を用いる。例えば、半導体406bとして、半導体406a及び半導体406cよりも電子親和力の0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、半導体406cがインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
なお、半導体406aの組成は、図37に示した太線の組成の近傍であることが好ましい。なお、半導体406bの組成は、図37に示した太線の組成の近傍であることが好ましい。なお、半導体406cの組成は、図37に示した太線の組成の近傍であることが好ましい。こうすることで、トランジスタのチャネル形成領域を、単結晶構造を有する領域とすることができる。又は、トランジスタのチャネル形成領域、ソース領域及びドレイン領域を、単結晶構造を有する領域とすることができる場合があるトランジスタのチャネル形成領域が単結晶構造を有する領域とすることで、トランジスタの周波数特性を高くすることができる場合がある。
このとき、ゲート電圧を印加すると、半導体406a、半導体406b、半導体406cのうち、電子親和力の大きい半導体406bにチャネルが形成される。
ここで、半導体406aと半導体406bとの間には、半導体406aと半導体406bとの混合領域を有する場合がある。また、半導体406bと半導体406cとの間には、半導体406bと半導体406cとの混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、半導体406a、半導体406b及び半導体406cの積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このとき、電子は、半導体406a中及び半導体406c中ではなく、半導体406b中を主として移動する。上述したように、半導体406a及び半導体406bの界面における界面準位密度、半導体406bと半導体406cとの界面における界面準位密度を低くすることによって、半導体406b中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
トランジスタのオン電流は、電子の移動を阻害する要因を低減するほど、高くすることができる。例えば、電子の移動を阻害する要因のない場合、効率よく電子が移動すると推定される。電子の移動は、例えば、チャネル形成領域の物理的な凹凸が大きい場合にも阻害される。
トランジスタのオン電流を高くするためには、例えば、半導体406bの上面又は下面(被形成面、ここでは半導体406aの上面)の、1μm×1μmの範囲における二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)粗さが1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における平均面粗さ(Raともいう。)が1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における最大高低差(P−Vともいう。)が10nm未満、好ましくは9nm未満、さらに好ましくは8nm未満、より好ましくは7nm未満とすればよい。RMS粗さ、Ra及びP−Vは、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製走査型プローブ顕微鏡システムSPA−500などを用いて測定することができる。
又は、例えば、チャネルの形成される領域中の欠陥準位密度が高い場合にも、電子の移動は阻害される。
例えば、半導体406bが酸素欠損(VO)を有する場合、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある(以下、酸素欠損のサイトに水素が入り込んだ状態をVOHと表記する場合がある)。VOHは電子を散乱するため、トランジスタのオン電流を低下させる要因となる。なお、酸素欠損のサイトは、水素が入るよりも酸素が入る方が安定する。したがって、半導体406b中の酸素欠損を低減することで、トランジスタのオン電流を高くすることができる場合がある。
半導体406bの酸素欠損を低減するために、例えば、絶縁体402に含まれる過剰酸素を、半導体406aを介して半導体406bまで移動させる方法などがある。この場合、半導体406aは、酸素透過性を有する層(酸素を通過又は透過させる層)であることが好ましい。
なお、トランジスタがs−channel構造を有する場合、半導体406bの全体にチャネルが形成される。したがって、半導体406bが厚いほどチャネル領域は大きくなる。即ち、半導体406bが厚いほど、トランジスタのオン電流を高くすることができる。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上、より好ましくは100nm以上の厚さの領域を有する半導体406bとすればよい。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、300nm以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下の厚さの領域を有する半導体406bとすればよい。なお、チャネル形成領域が縮小していくと、半導体406bが薄いほうがトランジスタの電気特性が向上する場合もある。よって、半導体406bの厚さが10nm未満であってもよい。
また、トランジスタのオン電流を高くするためには、半導体406cの厚さは小さいほど好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有する半導体406cとすればよい。一方、半導体406cは、チャネルの形成される半導体406bへ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、半導体406cは、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する半導体406cとすればよい。また、半導体406cは、絶縁体402などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
また、信頼性を高くするためには、半導体406aは厚く、半導体406cは薄いことが好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する半導体406aとすればよい。半導体406aの厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と半導体406aとの界面からチャネルの形成される半導体406bまでの距離を離すことができる。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する半導体406aとすればよい。
例えば、半導体406bと半導体406aとの間に、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm3未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、半導体406bと半導体406cとの間に、SIMSにおいて、1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm3未満のシリコン濃度となる領域を有する。
また、半導体406bの水素濃度を低減するために、半導体406a及び半導体406cの水素濃度を低減すると好ましい。半導体406a及び半導体406cは、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下の水素濃度となる領域を有する。また、半導体406bの窒素濃度を低減するために、半導体406a及び半導体406cの窒素濃度を低減すると好ましい。半導体406a及び半導体406cは、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下の窒素濃度となる領域を有する。
上述の3層構造は一例である。例えば、半導体406a又は半導体406cのない2層構造としても構わない。又は、半導体406aの上もしくは下、又は半導体406c上もしくは下に、半導体406a、半導体406b及び半導体406cとして例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。又は、半導体406aの上、半導体406aの下、半導体406cの上、半導体406cの下のいずれか二箇所以上に、半導体406a、半導体406b及び半導体406cとして例示した半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない。
基板400としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板又は導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、又は炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムを材料とした化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。又は、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体又は半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体又は絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体又は絶縁体が設けられた基板などがある。又は、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板400として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板400に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板400として、繊維を編みこんだシート、フィルム又は箔などを用いてもよい。また、基板400が伸縮性を有してもよい。また、基板400は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。又は、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板400の厚さは、例えば、5μm以上かつ700μm以下、好ましくは10μm以上かつ500μm以下、さらに好ましくは15μm以上かつ300μm以下とする。基板400を薄くすると、半導体装置を軽量化することができる。また、基板400を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板400上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板400としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、又はそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板400は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板400としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、又は1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板400として好適である。
導電体413としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル及びタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅及びチタンを含む導電体、銅及びマンガンを含む導電体、インジウム、スズ及び酸素を含む導電体、チタン及び窒素を含む導電体などを用いてもよい。
絶縁体402としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、絶縁体402としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム又は酸化タンタルを用いればよい。
絶縁体402は、基板400からの不純物の拡散を防止する役割を有してもよい。また、半導体406bが酸化物半導体である場合、絶縁体402は、半導体406bに酸素を供給する役割を担うことができる。
導電体416a及び導電体416bとしては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル及びタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅及びチタンを含む導電体、銅及びマンガンを含む導電体、インジウム、スズ及び酸素を含む導電体、チタン及び窒素を含む導電体などを用いてもよい。
導電体416a及び導電体416bを有することにより、半導体406a、半導体406b又は半導体406cに欠陥を形成する場合がある。該欠陥は、半導体406a、半導体406b又は半導体406cをn型化させる場合がある。その結果、半導体406a、半導体406b又は半導体406cと、導電体416a及び導電体416bとの間がオーム接触となる。例えば、半導体406a、半導体406b又は半導体406cに形成された欠陥を、脱水素化及び加酸素化などによって低減した場合、半導体406a、半導体406b又は半導体406cと、導電体416a及び導電体416bとの間がショットキー接触となる。
絶縁体412としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、絶縁体412としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム又は酸化タンタルを用いればよい。
導電体404としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル及びタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅及びチタンを含む導電体、銅及びマンガンを含む導電体、インジウム、スズ及び酸素を含む導電体、チタン及び窒素を含む導電体などを用いてもよい。
絶縁体408としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。絶縁体408は、好ましくは酸化アルミニウム、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム又は酸化タンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。
絶縁体418としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、絶縁体418としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム又は酸化タンタルを用いればよい。
なお、図38では、トランジスタの第1のゲート電極である導電体404と第2のゲート電極である導電体413とが、電気的に接続しない例を示したが、本発明の一態様に係るトランジスタの構造はこれに限定されない。例えば、図39(A)に示すように、導電体404と導電体413とが電気的に接続する構造であっても構わない。このような構成とすることで、導電体404と導電体413とに同じ電位が供給されるため、トランジスタのスイッチング特性を向上させることができる。又は、図39(B)に示すように、導電体413を有さない構造であっても構わない。
また、図40(A)は、トランジスタの上面図の一例である。図40(A)の一点鎖線F1−F2及び一点鎖線F3−F4に対応する断面図の一例を図40(B)に示す。なお、図40(A)では、理解を容易にするため、絶縁体などの一部を省略して示す。
また、図38などではソース電極及びドレイン電極として機能する導電体416a及び導電体416bが半導体406bの上面及び側面、絶縁体402の上面などと接する例を示したが、本発明の一態様に係るトランジスタの構造はこれに限定されない。例えば、図40に示すように、導電体416a及び導電体416bが半導体406bの上面のみと接する構造であっても構わない。
また、図40(B)に示すように、絶縁体418上に絶縁体428を有してもよい。絶縁体428は、上面が平坦な絶縁体であると好ましい。なお、絶縁体428は、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、絶縁体428としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム又は酸化タンタルを用いればよい。絶縁体428の上面を平坦化するために、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法などによって平坦化処理を行ってもよい。
又は、絶縁体428は、樹脂を用いてもよい。例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、シリコーンなどを含む樹脂を用いればよい。樹脂を用いることで、絶縁体428の上面を平坦化処理しなくてもよい場合がある。また、樹脂は短い時間で厚い膜を成膜することができるため、生産性を高めることができる。
また、図40(A)及び図40(B)に示すように、絶縁体428上に導電体424a及び導電体424bを有してもよい。導電体424a及び導電体424bは、例えば、配線としての機能を有する。また、絶縁体428が開口部を有し、該開口部を介して導電体416aと導電体424aとが電気的に接続しても構わない。また、絶縁体428が別の開口部を有し、該開口部を介して導電体416bと導電体424bとが電気的に接続しても構わない。このとき、それぞれの開口部内に導電体426a、導電体426bを有しても構わない。
導電体424a及び導電体424bとしては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル及びタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅及びチタンを含む導電体、銅及びマンガンを含む導電体、インジウム、スズ及び酸素を含む導電体、チタン及び窒素を含む導電体などを用いてもよい。
図40に示すトランジスタは、導電体416a及び導電体416bは、半導体406bの側面と接しない。したがって、第1のゲート電極として機能する導電体404から半導体406bの側面に向けて印加される電界が、導電体416a及び導電体416bによって遮蔽されにくい構造である。また、導電体416a及び導電体416bは、絶縁体402の上面と接しない。そのため、絶縁体402から放出される過剰酸素(酸素)が導電体416a及び導電体416bを酸化させるために消費されない。したがって、絶縁体402から放出される過剰酸素(酸素)を、半導体406bの酸素欠損を低減するために効率的に利用することのできる構造である。即ち、図40に示す構造のトランジスタは、高いオン電流、高い電界効果移動度、低いサブスレッショルドスイング値、高い信頼性などを有する優れた電気特性のトランジスタである。
図41(A)及び図41(B)は、本発明の一態様のトランジスタの上面図及び断面図である。図41(A)は上面図であり、図41(B)は、図41(A)に示す一点鎖線G1−G2、及び一点鎖線G3−G4に対応する断面図である。なお、図41(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタは、図41に示すように、導電体416a及び導電体416bを有さず、導電体426a及び導電体426bと、半導体406bとが接する構造であっても構わない。この場合、半導体406b又は/及び半導体406aの、少なくとも導電体426a及び導電体426bと接する領域に低抵抗領域423a(低抵抗領域423b)を設けると好ましい。低抵抗領域423a及び低抵抗領域423bは、例えば、導電体404などをマスクとし、半導体406b又は/及び半導体406aに不純物を添加することで形成すればよい。なお、導電体426a及び導電体426bが、半導体406bの孔(貫通しているもの)又は窪み(貫通していないもの)に設けられていても構わない。導電体426a及び導電体426bが、半導体406bの孔又は窪みに設けられることで、導電体426a及び導電体426bと、半導体406bとの接触面積が大きくなるため、接触抵抗の影響を小さくすることができる。即ち、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。
<トランジスタ構造2>
図42(A)及び図42(B)は、本発明の一態様のトランジスタの上面図及び断面図である。図42(A)は上面図であり、図42(B)は、図42(A)に示す一点鎖線J1−J2、及び一点鎖線J3−J4に対応する断面図である。なお、図42(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図42(A)及び図42(B)に示すトランジスタは、基板600上の導電体604と、導電体604上の絶縁体612と、絶縁体612上の半導体606aと、半導体606a上の半導体606bと、半導体606b上の半導体606cと、半導体606a、半導体606b及び半導体606cと接し、間隔を空けて配置された導電体616a及び導電体616bと、半導体606c上、導電体616a上及び導電体616b上の絶縁体618と、を有する。なお、導電体604は、絶縁体612を介して半導体606bの下面と面する。また、絶縁体612が凸部を有しても構わない。また、基板600と導電体604の間に絶縁体を有しても構わない。該絶縁体は、絶縁体402や絶縁体408についての記載を参照する。また、半導体606aを有さなくても構わない。また、絶縁体618を有さなくても構わない。
なお、半導体606bは、トランジスタのチャネル形成領域としての機能を有する。また、導電体604は、トランジスタの第1のゲート電極(フロントゲート電極ともいう。)としての機能を有する。また、導電体616a及び導電体616bは、トランジスタのソース電極及びドレイン電極としての機能を有する。
なお、絶縁体618は過剰酸素を含む絶縁体であると好ましい。
なお、基板600は、基板400についての記載を参照する。また、導電体604は、導電体404についての記載を参照する。また、絶縁体612は、絶縁体412についての記載を参照する。また、半導体606aは、半導体406cについての記載を参照する。また、半導体606bは、半導体406bについての記載を参照する。また、半導体606cは、半導体406aについての記載を参照する。また、導電体616a及び導電体616bは、導電体416a及び導電体416bについての記載を参照する。また、絶縁体618は、絶縁体402についての記載を参照する。
なお、絶縁体618上には、表示素子が設けられていてもよい。例えば、画素電極、液晶層、共通電極、発光層、有機EL層、陽極、陰極などが設けられていてもよい。表示素子は、例えば、導電体616aなどと接続されている。
また、図43(A)は、トランジスタの上面図の一例である。図43(A)の一点鎖線K1−K2及び一点鎖線K3−K4に対応する断面図の一例を図43(B)に示す。なお、図43(A)では、理解を容易にするため、絶縁体などの一部を省略して示す。
なお、半導体の上に、チャネル保護膜として機能させることができる絶縁体を配置してもよい。例えば、図43に示すように、導電体616a及び導電体616bと、半導体606cとの間に、絶縁体620を配置してもよい。その場合、導電体616a(導電体616b)と半導体606cとは、絶縁体620中の開口部を介して接続される。絶縁体620は、絶縁体618についての記載を参照すればよい。
なお、図42(B)や図43(B)において、絶縁体618の上に導電体613を配置し、導電体613の上に絶縁体630を配置してもよい。その場合の例を図44(A)及び図44(B)に示す。なお、導電体613については、導電体413についての記載を参照する。絶縁体630については、絶縁体418の記載を参照する。また、導電体613には、導電体604と同じ電位や同じ信号が供給されてもよいし、異なる電位や信号が供給されてもよい。例えば、導電体613に、一定の電位を供給して、トランジスタのしきい値電圧を制御してもよい。つまり、導電体613は、第2のゲート電極としての機能を有することができる。また、導電体613などによってs−channel構造を形成していても構わない。また、絶縁体630は有さなくても構わない。
(実施の形態8)
<酸化物半導体の構造>
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous like Oxide Semiconductor)、非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体とに分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、nc−OSなどがある。
非晶質構造の定義としては、一般に、準安定状態で固定化していないこと、等方的であって不均質構造を持たないことなどが知られている。また、結合角度が柔軟であり、短距離秩序性は有するが、長距離秩序性を有さない構造と言い換えることもできる。
逆の見方をすると、本質的に安定な酸化物半導体の場合、完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体と呼ぶことはできない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体と呼ぶことはできない。ただし、a−like OSは、微小な領域において周期構造を有するものの、鬆(ボイドともいう。)を有し、不安定な構造である。そのため、物性的には非晶質酸化物半導体に近いといえる。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像ではペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
以下では、TEMによって観察したCAAC−OSについて説明する。図45(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像の取得は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって行うことができる。
図45(A)の領域(1)を拡大したCs補正高分解能TEM像を図45(B)に示す。図45(B)より、ペレットにおいて、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層の配列は、CAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)又は上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面又は上面と平行となる。
図45(B)に示すように、CAAC−OSは特徴的な原子配列を有する。図45(C)は、特徴的な原子配列を、補助線で示したものである。図45(B)及び図45(C)より、ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあり、ペレットとペレットとの傾きにより生じる隙間の大きさは0.8nm程度であることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
ここで、Cs補正高分解能TEM像をもとに、基板5120上のCAAC−OSのペレット5100の配置を模式的に示すと、レンガ又はブロックが積み重なったような構造となる(図45(D)参照。)。図45(C)で観察されたペレットとペレットとの間で傾きが生じている箇所は、図45(D)に示す領域5161に相当する。
また、図46(A)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図46(A)の領域(1)、領域(2)及び領域(3)を拡大したCs補正高分解能TEM像を、それぞれ図46(B)、図46(C)及び図46(D)に示す。図46(B)、図46(C)及び図46(D)より、ペレットは、金属原子が三角形状、四角形状又は六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なるペレット間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
次に、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図47(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSの結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面又は上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、CAAC−OSのout−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。より好ましいCAAC−OSは、out−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さない。
一方、CAAC−OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。CAAC−OSの場合は、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図47(B)に示すように明瞭なピークは現れない。これに対し、InGaZnO4の単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図47(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸及びb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図48(A)に示すような回折パターン(制限視野透過電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面又は上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図48(B)に示す。図48(B)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸及びb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図48(B)における第1リングは、InGaZnO4の結晶の(010)面及び(100)面などに起因すると考えられる。また、図48(B)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
上述したように、CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をするとCAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(又は分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。また、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物及び酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<nc−OS>
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下、又は1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OSに対し、ペレットよりも大きい径のX線を用いた場合、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークは検出されない。また、nc−OSに対し、ペレットよりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OSに対し、ペレットの大きさと近いかペレットより小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
このように、ペレット(ナノ結晶)間では結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、又はNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
a−like OSは、高分解能TEM像において鬆が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OS及びnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
電子照射を行う試料として、a−like OS(試料Aと表記する。)、nc−OS(試料Bと表記する。)及びCAAC−OS(試料Cと表記する。)を準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有することがわかる。
なお、どの部分を一つの結晶部と見なすかの判定は、以下のように行えばよい。例えば、InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnO4の結晶部と見なすことができる。なお、格子縞は、InGaZnO4の結晶のa−b面に対応する。
図49は、各試料の結晶部(22箇所から45箇所)の平均の大きさを調査した例である。ただし、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図49より、a−like OSは、電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。具体的には、図49中に(1)で示すように、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、累積照射量が4.2×108e−/nm2においては2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OS及びCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×108e−/nm2までの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。具体的には、図49中の(2)及び(3)で示すように、電子の累積照射量によらず、nc−OS及びCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.4nm程度及び2.1nm程度であることがわかる。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OS及びCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られないことがわかる。即ち、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc−OSの密度及びCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3となる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度及びCAAC−OSの密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満となる。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態4で説明したスリープトランジスタの別の応用例について、説明する。
<ワード線ドライバ回路の構成例1>
図50(A)に示すワード線ドライバ回路251は、OR回路71にスリープトランジスタとしてトランジスタMSP及びトランジスタMSNを接続した構成となっている。OR回路71は、NOR回路72、及びインバータ回路73を有している。NOR回路72は、トランジスタM9乃至トランジスタM12を有している。
トランジスタM9のソース又はドレインの一方は、トランジスタM10のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM9のソース又はドレインの他方は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタM9のゲートは、配線IN2と電気的に接続されている。トランジスタM10のソース又はドレインの他方は、トランジスタM11のソース又はドレインの一方と、トランジスタM12のソース又はドレインの一方と、インバータ回路73の入力端子と電気的に接続され、トランジスタM10のゲートは、トランジスタM12のゲートと、配線IN1と電気的に接続されている。トランジスタM11のソース又はドレインの他方は、トランジスタM12のソース又はドレインの他方と電気的に接続され、トランジスタM11のゲートは、トランジスタM9のゲートと、配線IN2と電気的に接続されている。インバータ回路73の出力端子は、配線OUTと電気的に接続され、インバータ回路73に低電位を入力する端子は、配線GNDLに電気的に接続されている。
トランジスタMSNのソース又はドレインの一方は、トランジスタM11のソース又はドレインの他方、トランジスタM12のソース又はドレインの他方と電気的に接続され、トランジスタMSNのゲートは、配線sleepNと電気的に接続され、トランジスタMSNのソース又はドレインの他方は、配線GNDLNと電気的に接続されている。トランジスタMSPのソース又はドレインの一方は、インバータ回路73に高電位を入力する端子に電気的に接続され、トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。
配線IN1、及び配線IN2は、信号を入力するための配線である。配線VDDL、配線VDDLPは、高電位電源や他の回路と接続をするための配線である。配線GNDL、配線GNDLNは、低電位電源や他の回路と接続をするための配線である。配線OUTは、信号を出力するための配線である。
配線VDDLP及び配線GNDLNから、トランジスタMSP及びトランジスタMSNのオン状態、オフ状態を制御することができる。このため、OR回路71を動作しないときは、トランジスタMSP及びトランジスタMSNをオフ状態として、電力の供給を停止すればよい。
図50(B)に、図50(A)とは別の接続構成の回路を示している。
図50(B)のワード線ドライバ回路252は、図50(A)で説明したOR回路71、トランジスタMSN76、トランジスタMSN77、及びトランジスタMSPを有している。OR回路71は、NOR回路72と、インバータ回路73と、を有している。
トランジスタM9のソース又はドレインの一方は、トランジスタM10のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM9のソース又はドレインの他方は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタM9のゲートは、配線IN2と電気的に接続されている。トランジスタM10のソース又はドレインの他方は、トランジスタM11のソース又はドレインの一方と、トランジスタM12のソース又はドレインの一方と、インバータ回路73の入力端子と電気的に接続され、トランジスタM10のゲートは、トランジスタM12のゲートと、配線IN1と電気的に接続されている。トランジスタM11のゲートは、トランジスタM9のゲートと、配線IN2と電気的に接続されている。インバータ回路73の出力端子は、配線OUTと電気的に接続され、インバータ回路73に低電位を入力する端子は、配線GNDLに電気的に接続されている。
トランジスタMSN76のソース又はドレインの一方は、トランジスタM11のソース又はドレインの他方と電気的に接続され、トランジスタMSN77のソース又はドレインの一方は、トランジスタM12のソース又はドレインの他方と電気的に接続され、トランジスタMSN76のゲートと、トランジスタMSN77のゲートは、配線sleepNと電気的に接続され、トランジスタMSN76のソース又はドレインの他方と、トランジスタMSN77のソース又はドレインの他方は、配線GNDLNと電気的に接続されている。トランジスタMSPのソース又はドレインの一方は、インバータ回路73に高電位を入力する端子に電気的に接続され、トランジスタMSPのゲートは、配線sleepPと電気的に接続され、トランジスタMSPのソース又はドレインの他方は、配線VDDLPと電気的に接続されている。
配線IN1、及び配線IN2は、信号を入力するための配線である。配線VDDL、配線VDDLPは、高電位電源や他の回路と接続をするための配線である。配線GNDL、配線GNDLNは、低電位電源や他の回路と接続をするための配線である。配線OUTは、信号を出力するための配線である。
配線VDDLP及び配線GNDLNから、トランジスタMSP、トランジスタMSN76、トランジスタMSN77のオン状態、オフ状態を制御することができる。このため、OR回路71を動作しないときは、トランジスタMSP、トランジスタMSN76、及びトランジスタMSN77をオフ状態として、電力の供給を停止すればよい。
<ワード線ドライバ回路の構成例2>
また、図50(A)(B)とは別の回路の例として、図51(A)(B)に示す回路について説明する。
図51(A)に示すワード線ドライバ回路253は、回路WLD3を有する。回路WLD3は、OR回路71からインバータ回路73を取り除いた回路構成となっている。ワード線ドライバ回路251と異なっている接続構成は、配線OUTが、トランジスタM10のソース又はドレインの他方と、トランジスタM11のソース又はドレインの一方と、トランジスタM12のソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている点である。
つまり、ワード線ドライバ回路253は、回路WLD3がNOR回路として機能する回路構成となっている。
また、図51(B)に示すワード線ドライバ回路254は、回路WLD3を有する。回路WLD3は、OR回路71からインバータ回路73を取り除いた回路構成となっている。ワード線ドライバ回路251と異なっている接続構成は、配線OUTが、トランジスタM10のソース又はドレインの他方と、トランジスタM11のソース又はドレインの一方と、トランジスタM12のソース又はドレインの一方と、に電気的に接続されている点である。
つまり、ワード線ドライバ回路254は、ワード線ドライバ回路253と同様に、回路WLD3がNOR回路として機能する回路構成となっている。
<ワード線ドライバ回路の構成例3>
ここでは、128個のワード線ドライバ回路253を16個毎に動作させるための構成例について、説明する。
本発明の一態様であるワード線ドライバ回路の一例を図52に示す。図52のワード線ドライバ回路250は、1段につき16個の回路WLD3及び1個のスリープトランジスタ(図52では、トランジスタMSN−0、トランジスタMSN−7と表記する。)を設けた、合計8段で構成されているワード線ドライバ回路である。
ワード線ドライバ回路250は、pチャネル型のトランジスタM9[0]乃至トランジスタM9[127]と、pチャネル型のトランジスタM10[0]乃至トランジスタM10[127]と、nチャネル型のトランジスタM11[0]乃至トランジスタM11[127]と、nチャネル型のトランジスタM12[0]乃至トランジスタM12[127]と、nチャネル型のトランジスタMSN−0乃至トランジスタMSN−7と、を有している。
図52に示すとおり、回路WLD3[i](iは16×j以上かつ16×(j+1)−1以下の整数であり、jは0以上かつ7以下の整数である。)は、トランジスタM9[i]乃至トランジスタM12[i]を有する。そして、回路UWLD4−jは、回路WLD3[16×j]乃至回路WLD3[16×(j+1)−1]、トランジスタMSP−j及びトランジスタMSN−jで構成されている。
トランジスタM9[i]のソース又はドレインの一方は、トランジスタM10[i]のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタM9[i]のソース又はドレインの他方は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタM9[i]のゲートは、配線WLEと電気的に接続されている。トランジスタM10[i]のソース又はドレインの他方は、トランジスタM11[i]のソース又はドレインの一方と、トランジスタM12[i]のソース又はドレインの一方と、配線WL[0]と、に電気的に接続され、トランジスタM10[i]のゲートは、トランジスタM12[i]のゲートと、配線RA[i]と電気的に接続されている。トランジスタM11[i]のゲートは、トランジスタM9[i]のゲートと、配線WLEと電気的に接続されている。
トランジスタMSN−jのソース又はドレインの一方は、トランジスタM11[i]のソース又はドレインの他方と、トランジスタM12[i]のソース又はドレインの他方と、に電気的に接続されている。トランジスタMSN−jのゲートは、配線sleepN−jと電気的に接続されている。トランジスタMSN−jのソース又はドレインの他方は、配線GNDLN−jと電気的に接続されている。トランジスタM9[i]のソース又はドレインの他方は、配線VDDL[i]と電気的に接続されている。
なお、図52では、一部の符号を省略している。具体的には、図52では、配線sleepN−0、配線sleepN−7、配線WLE、配線RA[0]、配線RA[15]、配線RA[112]、配線RA[127]、配線WL[0]、配線WL[15]、配線WL[112]、配線WL[127]、配線VDDL[0]、配線VDDL[15]、配線VDDL[112]、配線VDDL[127]、配線GNDLN−0、配線GNDLN−7、トランジスタMSN−0、トランジスタMSN−7、トランジスタM9[0]、トランジスタM9[15]、トランジスタM9[112]、トランジスタM9[127]、トランジスタM10[0]、トランジスタM10[15]、トランジスタM10[112]、トランジスタM10[127]、トランジスタM11[0]、トランジスタM11[15]、トランジスタM11[112]、トランジスタM11[127]、トランジスタM12[0]、トランジスタM12[15]、トランジスタM12[112]、トランジスタM12[127]、回路WLD3[0]、回路WLD3[15]、回路WLD3[112]、回路WLD3[127]、回路UWLD4−0、回路UWLD4−7のみ図示しており、他は省略している。
なお、ワード線ドライバ回路250の回路WLD3[i]を駆動させるためには、ワード線ドライバ回路251乃至ワード線ドライバ回路254の場合と同様に、回路WLD3[i]に高電位電源及び低電位電源を接続する必要がある。配線VDDL[0]乃至配線VDDL[127]は、図示していないが高電位電源と接続されており、それらの配線は高電位電源によって電源電圧VDDが印加されているものとする。配線GNDLN−0乃至配線GNDLN−7は、図示していないが低電位電源と接続されており、それらの配線は低電位電源によって固定電位GND(又は基準電位、接地電位と言う場合がある)が印加されているものとする。
配線WLE、及び配線RA[i]は、外部からの信号をワード線ドライバ回路250に入力するための配線であり、配線WL[i]は、ワード線ドライバ回路250から所定のメモリセルに対して書き込み用選択信号を出力するための配線である。
<ワード線ドライバ回路の動作方法例>
図52のワード線ドライバ回路250の動作例について、説明する。図53に、ワード線ドライバ回路250のタイミングチャートを示す。なお、図53のタイミングチャートは、簡易的に説明するため、図53のタイミングチャートには、j段目に存在する回路WLD3[i]の動作例を示し、具体的には、配線WLE、配線RA[i]、WL[i]、配線SleepN−jの電位の変化を示している。また、配線WLE、及び配線RA[i]のそれぞれには、電源電圧VDD、或いは固定電位GNDのいずれかが入力されるが、配線WLE、及び配線RA[i]に接続されているトランジスタM9[i]、トランジスタM10[i]、トランジスタM11[i]、トランジスタM12[i]のオン状態、オフ状態を制御できるのであれば、電源電圧VDDよりも低い電位を高レベル電位(High)とし、固定電位GNDよりも高い電位を低レベル電位(Low)としてもよい。そのため、図53の配線WLE、及び配線RA[i]の高レベル電位の表記を「High」とし、低レベル電位の表記を「Low」としている。
時刻T0において、配線sleepN−jの電位を高レベルとする。これにより、配線sleepN−jに接続されているトランジスタMSN−jがオン状態となる。つまり、トランジスタMSN−jを経由してトランジスタM11[i]のソース又はドレインの他方と、トランジスタM12[i]のソース又はドレインの他方と、に固定電位GNDが印加される。
時刻T0から時刻T1の間において、配線WLEに高レベル電位が印加され、配線RA[i]に高レベル電位が印加されている。つまり、トランジスタM9[i]のゲート、トランジスタM10[i]のゲート、トランジスタM11[i]のゲート、及びトランジスタM12[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM9[i]、及びトランジスタM10[i]はオフ状態となり、トランジスタM11[i]、及びトランジスタM12[i]はオン状態となる。これにより、トランジスタM11[i]、及びトランジスタM12[i]を経由して、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T1において、配線RA[i]に低レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM10[i]のゲート、及びトランジスタM12[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM10[i]はオン状態となり、及びトランジスタM12[i]はオフ状態となる。ただし、この段階では、トランジスタM11[i]がオン状態のままなので、時刻T1以前と同様に、配線WL[i]には、時刻T1以前と同じ低レベル電位が出力される。
時刻T2において、配線WLEに低レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM9[i]のゲート、及びトランジスタM11[i]のゲートに低レベル電位が印加されるため、トランジスタM9[i]はオン状態となり、及びトランジスタM11[i]はオフ状態となる。トランジスタM11[i]はオフ状態なので、固定電位GNDが、トランジスタM11[i]、又はトランジスタM12[i]を経由して、配線WL[i]に印加されなくなる。トランジスタM9[i]及びトランジスタM10[i]はオン状態なので、電源電圧VDDが、トランジスタM9[i]及びトランジスタM10[i]を経由して、配線WL[i]に出力される。
なお、i行目にあるメモリセルは、時刻T2から時刻T3までの間に、配線WL[i]から電源電圧VDDが印加されるので、このタイミングでデータの書き込みが行われる。つまり、配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]に少なくとも一に低レベル電位が入力された状態で、配線WLEに低レベルを入力することで、配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]のうち低レベル電位となっている配線の行に有するメモリセルに同時にデータを書き込むことができる。
また、j段目に有する配線RA[16×j]乃至配線RA[16×(j+1)−1]が全て高レベル電位であるとき、j段目が有する全ての行に存在するメモリセルへの書き込み動作は行われない。このとき、j段目にある回路WLD3[16×j]乃至回路WLD3[16×(j+1)−1]、つまり回路UWLD4−jを動作させる必要がないため、トランジスタMSN−jをオフ状態にすることが好ましい。これによって、書き込み用選択信号を出力しない回路UWLD4−jに対して、固定電位GNDの供給を遮断することができるので、消費電力を低減することができる。
時刻T3において、配線WLEに高レベル電位を印加する。このとき、トランジスタM9[i]のゲート、及びトランジスタM11[i]のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタM9[i]はオフ状態となり、及びトランジスタM11[i]はオン状態となる。つまり、トランジスタM9[i]、トランジスタM10[i]、トランジスタM11[i]、及びトランジスタM12[i]のそれぞれのオン状態、オフ状態は、時刻T1から時刻T2まで間のタイミングと同じ状態となるので、配線WL[i]に固定電位GNDが出力される。
時刻T4において、配線sleepN−jの電位を低レベルとすることで、トランジスタMSN−jはオフ状態となる。このため、ワード線ドライバ回路250への固定電位GNDの供給が無くなるので、消費電力を低減することができる。
なお、図53のタイミングチャートにおいて、時刻T0で、配線sleepN−jを高レベル電位としたが、ワード線ドライバ回路250の動作はこれに限定されない。例えば、時刻T1から時刻T2までの間で、配線sleepN−jに高レベル電位を印加するタイミングとしてもよい。
<その他の回路の構成例>
なお、図52に示したワード線ドライバ回路250の有する回路WLD3[0]乃至回路WLD3[127]の接続構成はNOR回路と同じなので、図54に示すワード線ドライバ回路255に置き換えることができる。
具体的には、ワード線ドライバ回路255は、ワード線ドライバ回路250の有する回路WLD3[0]乃至回路WLD3[127]をそれぞれNOR回路78[0]乃至NOR回路78[127]に置き換えている。なお、図54では、NOR回路78[0]、NOR回路78[15]、NOR回路78[112]、NOR回路78[127]を図示しており、それ以外のNOR回路の記号及び符号は省略している。
NOR回路78[i]の第1入力端子は、配線WLEと電気的に接続され、NOR回路78[i]の第2入力端子は、配線RA[i]と電気的に接続され、NOR回路78[i]の出力端子は、配線WL[i]と電気的に接続され、NOR回路78[i]の高電位入力端子は、配線VDDL[i]と電気的に接続され、NOR回路78[i]の低電位入力端子は、トランジスタMSN−jのソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタMSN−jのゲートは、配線sleepN−jと電気的に接続され、トランジスタMSN−jのソース又はドレインの他方は、配線GNDLN−0と電気的に接続されている。
ワード線ドライバ回路255は、このような回路構成にすることによって、ワード線ドライバ回路250と同様の動作を行うことができる。
なお、本発明の一態様は、本実施の形態で述べたワード線ドライバ回路250乃至ワード線ドライバ回路255のいずれか一に、限定されない。場合によって、又は、状況に応じて、ワード線ドライバ回路250乃至ワード線ドライバ回路255の回路構成を適宜変更することができる。
例えば、図51(A)のワード線ドライバ回路253では、スリープトランジスタとしてnチャネル型のトランジスタMSNを、トランジスタM11のソース又はドレインの他方と、トランジスタM12のソース又はドレインの他方と、に電気的に接続しているが、代わりに、トランジスタM9のソース又はドレインの他方と、配線VDDLと、の間にpチャネル型のトランジスタMSPを設けた構成としてもよい。その構成のワード線ドライバ回路をワード線ドライバ回路256として図55(A)に示す。なお、ワード線ドライバ回路256では、トランジスタMSPのオン状態、オフ状態を制御するために、ゲートが配線sleepPに電気的に接続されている。
また、例えば、トランジスタMSNと、トランジスタMSPと、を有するワード線ドライバ回路の構成としても良い。その構成のワード線ドライバ回路をワード線ドライバ回路257として、図55(B)に示す。
また、例えば、ワード線ドライバ回路255は、NOR回路78[i]の低電位を入力する端子にnチャネル型のトランジスタMSN−jを電気的に接続した構成としているが、NOR回路78[i]の高電位を入力する端子にpチャネル型のトランジスタMSP−jも設けた構成としてもよい。その構成のワード線ドライバ回路をワード線ドライバ回路258として図55(C)に示す。トランジスタMSP−jのソース又はドレインの一方は、NOR回路78[i]の高電位を入力する端子と電気的に接続され、トランジスタMSP−jのソース又はドレインの他方は、配線VDDL−jと電気的に接続され、トランジスタMSP−jのゲートは、配線sleepP−0と電気的に接続されている。このような構成にすることにより、トランジスタMSP−jのオン状態、オフ状態を制御することができ、ワード線ドライバ回路258を動作させないときにトランジスタMSP−jをオフ状態にすることによって、高レベル電位の供給を停止することができる。そのため、駆動していない状態でのワード線ドライバ回路258の消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を有する記憶装置を電子部品として適用する例、及び該電子部品を具備する電子機器に適用する例について、図56、図57を用いて説明する。
<電子部品>
図56(A)では上述の実施の形態で説明し半導体装置を有する記憶装置を電子部品として適用する例について説明する。なお電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することにする。
上記実施の形態1に示すようなトランジスタで構成される半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。
後工程については、図56(A)に示す各工程を経ることで完成させることができる。具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップS1)した後、基板の裏面を研削する(ステップS2)。この段階で基板を薄膜化することで、前工程での基板の反り等を低減し、部品としての小型化を図るためである。
基板の裏面を研削して、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う。そして、分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップS3)。このダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接着は、樹脂による接着や、テープによる接着等、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、ダイボンディング工程は、インターポーザ上に搭載し接合してもよい。
なお、本実施の形態において、基板の一方の面に素子が形成されていたとき、基板の一方の面を表面とし、該基板の他方の面(該基板の素子が形成されていない側の面)を裏面とする。
次いでリードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する、ワイヤーボンディングを行う(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや、ウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施される(ステップS5)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、機械的な外力による内蔵される回路部やワイヤーに対するダメージを低減することができ、また水分や埃による特性の劣化を低減することができる。
次いでリードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断及び成形加工する(ステップS6)。このめっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。
次いでパッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップS7)。そして最終的な検査工程(ステップS8)を経て電子部品が完成する(ステップS9)。
以上説明した電子部品は、上述の実施の形態で説明した半導体装置を含む構成とすることができる。そのため、信頼性に優れた電子部品を実現することができる。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図56(B)に示す。図56(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図56(B)に示す電子部品700は、リード701及び回路部703を示している。図56(B)に示す電子部品700は、例えばプリント基板702に実装される。このような電子部品700が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板702上で電気的に接続されることで電子機器の内部に搭載することができる。完成した回路基板704は、電子機器等の内部に設けられる。
<電子機器>
次に上述した電子部品(記憶装置)を適用した電子機器について説明する。
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、医療機器などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図57に示す。
図57(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5201、筐体5202、表示部5203、表示部5204、マイクロホン5205、スピーカー5206、操作キー5207、スタイラス5208等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、携帯型ゲーム機の各種集積回路に用いることができる。なお、図57(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5203と表示部5204とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図57(B)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、携帯情報端末の各種集積回路に用いることができる。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能である。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図57(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、ノート型パーソナルコンピュータの各種集積回路に用いることができる。
図57(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体5301、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、電気冷凍冷蔵庫の各種集積回路に用いることができる。
図57(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、ビデオカメラの各種集積回路に用いることができる。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
図57(F)は自動車であり、車体5701、車輪5702、ダッシュボード5703、ライト5704等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、自動車の各種集積回路に用いることができる。
本実施例では、OSトランジスタを用いた記憶装置の特性の測定結果について説明する。
メモリにおいて発生し得るエラーとして、放射線の入射によるソフトエラーが挙げられる。ソフトエラーは、メモリやパッケージを構成する材料などから放出されるα線や、宇宙から大気に入射した一次宇宙線が大気中に存在する原子の原子核と核反応を起こすことにより発生する二次宇宙線中性子などがトランジスタに照射され、電子正孔対が生成されることにより、メモリに保持されたデータが反転するなどの誤作動が生じる現象である。本実施例では、OSトランジスタを用いたメモリに放射線を照射することにより、ソフトエラー耐性の評価を行った。
測定には、図33(F)に示すメモリセル50、及び図33(D)に示すメモリセル60をそれぞれ8192個備えた8kビットのメモリを用いた。図33(F)に示すメモリセル50においては、容量素子47、容量素子48の容量を30fF、トランジスタ43、トランジスタ44、トランジスタ53乃至トランジスタ56をチャネル長0.35μmのSiトランジスタ、トランジスタ41、42をチャネル長0.8μmのOSトランジスタとした。また、図33(D)に示すメモリセル60においては、容量素子64の容量を6.7fF、トランジスタ62、トランジスタ63をチャネル長0.35μmのSiトランジスタ、トランジスタ61をチャネル長0.8μmのOSトランジスタとした。また、両メモリセルにおいて、SiトランジスタにはSOI基板を用いた。
ソフトエラー耐性の評価は、上記のメモリセルを有する8kビットのメモリ1乃至メモリ3に対して放射線を照射し、その時のデータの保持特性を測定することにより行った。メモリ1は、図33(D)に示すメモリセル60のノードN1にデータが保持された状態のメモリである。メモリ2は、図33(F)に示すメモリセル50において、OSトランジスタを有する回路58のノードN4、N5にデータが保持された状態のメモリである。メモリ3は、図33(F)に示すメモリセル50において、SRAMセルに対応する回路57のノードN2、N3にデータが保持された状態のメモリである。メモリ1乃至3のそれぞれについて、2サンプル(サンプルA、B)ずつ測定を行った。また、メモリ1乃至3に照射する放射線の放射線源には、α線源として質量数241のアメリシウム(Am)を用い、放射線源とサンプル間の距離は1mmとした。そして、放射線の照射により、保持されたデータが変動したメモリセル50又はメモリセル60の個数を、ソフトエラー数としてカウントすることにより試験を行った。試験結果を表1に示す。
試験は、3種類の条件下で行った(試験1乃至3)。メモリの電源電圧を2Vとし、放射線が照射された状態においてデータを5分間保持した試験1では、いずれのサンプルにおいてもソフトエラーは生じなかった。
次に、動作電圧を、2V未満でメモリが動作する最小の電圧(最低動作電圧)に変更して試験2を行った。その結果、メモリ3において、サンプルA、Bの両方でソフトエラーが確認された。すなわち、図33(F)における、SRAMセルに対応する回路57において、ソフトエラーが発生した。一方、OSトランジスタによってデータが保持されたメモリ1、2においては、ソフトエラーは確認されなかった。
次に、動作電圧を最低動作電圧としたまま、データの保持時間を20分に延長して試験3を行った。その結果、メモリ3においてはソフトエラー数が増加した。一方、OSトランジスタを用いてデータを保持しているメモリ2においては、保持時間が長くなり照射される放射線の量が増加してもソフトエラーが確認されず、データが正確に保持されていた。
試験1乃至3の結果から、図33(D)に示すメモリセル60は、ソフトエラー耐性が高いことが分かった。また、図33(F)に示すメモリセル50においては、SRAMセルに対応する回路57に記憶されたデータを、OSトランジスタを有する回路58に退避されることにより、ソフトエラーの発生を抑制することができた。すなわち、SRAMセルにおいて、OSトランジスタを用いたバックアップを行うことにより、ソフトエラー耐性を向上させることができた。
以上のように、OSトランジスタを用いてメモリセルを構成することにより、ソフトエラー耐性が高く、信頼性が高い記憶装置を構成することができる。
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態、及び実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
<実施の形態で述べた本発明の一態様に関する付記>
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
<序数詞に関する付記>
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略して言及することもありうる。
<図面を説明する記載に関する付記>
実施の形態について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
また、図面において、上面図(平面図、レイアウト図ともいう)や斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
また、図面において、同一の要素又は同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
<言い換え可能な記載に関する付記>
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体として形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によっては、又は、状況に応じて、「膜」、「層」などの語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
なお本明細書等において、「配線」などの語句は、「信号線」、「電源線」などの語句に、適宜言い換えることができる。また、その逆も同様である。また、「電源線」などの語句は、「信号線」などの語句に適宜言い換えることができる。又は、その逆も同様である。
<語句の定義に関する付記>
以下では、上記実施の形態中で言及した語句の定義について説明する。
<<半導体について>>
本明細書において、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」は境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「絶縁体」と言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「絶縁体」は、「半導体」と言い換えることができる場合がある。
また、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」は境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「導電体」と言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「導電体」は、「半導体」と言い換えることができる場合がある。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
<<トランジスタについて>>
本明細書において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル形成領域を有しており、ドレインとチャネル形成領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル形成領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
<<スイッチについて>>
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。又は、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
<<チャネル長について>>
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(又はトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、又はチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域又はソース電極)とドレイン(ドレイン領域又はドレイン電極)との間の距離をいう。
なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値又は平均値とする。
<<チャネル幅について>>
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、上面図において半導体(又はトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、又はチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値又は平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅又は見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。又は、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
<<接続について>>
なお、本明細書等において、XとYとが接続されている、と記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
ここで使用するX、Yなどは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。又は、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。又は、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。又は、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
<<平行、垂直について>>
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上かつ10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上かつ5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上かつ30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上かつ100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上かつ95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上かつ120°以下の角度で配置されている状態をいう。
<<三方晶、菱面体晶について>>
本明細書において、結晶が三方晶又は菱面体晶である場合、六方晶系として表す。