まず、実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かを抽選する抽選手段と、表示画面において、所定の演出を実行可能な演出表示手段と、前記演出を制御可能な演出制御手段と、を備えた遊技機であって、前記演出制御手段は、公序良俗に反するおそれのある不適当表示と外観、称呼、観念のうち少なくとも何れか1つが同一又は類似する特定表示を前記表示画面に表示する場合に、少なくとも該特定表示が表示されている間にその弁明をする弁明表示を表示する。
この遊技機では、演出制御手段が表示画面に所定の演出を表示する。この演出の中には、公序良俗に反するおそれのある不適当表示(例えば、残酷、卑猥又は暴力的な表現)と外観、称呼、観念の点で同一又は類似する特定表示が含まれることがある。
演出制御手段は、特定表示が表示画面に表示された場合には、それを弁明する弁明表示を併せて表示する。これにより、特定表示の意図が遊技者に伝わり易く、遊技者がコンテンツ特有の面白みを感じることができる。
本実施形態の遊技機において、前記演出制御手段は、前記特定表示を前記表示画面上で移動表示させる場合に、前記特定表示が前記表示画面の所定位置まで移動する前は前記弁明表示を表示せず、前記特定表示が前記表示画面の所定位置まで移動した後に前記弁明表示を表示することが好ましい。
この構成によれば、特定表示が、例えば、表示画面の端部から中央部にまで移動する演出では、特定表示が表示画面の中央付近(所定位置)に移動するまで特定表示が余り目立たない。従って、演出制御手段は、このとき弁明表示を行わないように制御する。
一方、特定表示が表示画面の中央付近に移動してきたとき、演出制御手段は、弁明表示を行うことで、特定表示に対する弁明を遊技者に印象付けることができる。
また、前記演出制御手段は、前記不適当表示と外観、称呼、観念の何れとも類似しない普通表示を表示させ、前記表示画面上で前記特定表示に変化させる場合に、前記普通表示が表示されている間は前記弁明表示を表示せず、前記普通表示から前記特定表示に変化した後に前記弁明表示を表示することが好ましい。
この構成によれば、不適当表示と外観等が類似しない普通表示から特定表示に変化する演出があるが、普通表示の間は弁明表示を行わず、特定表示に変化した後に弁明表示を表示する。例えば、普通表示から特定表示に変化するのと同時に弁明表示を出現させることで、適切なタイミングで遊技者に特定表示に対する弁明をすることができる。
また、本実施形態の遊技機において、前記特定表示は、文字、図形又はそれらを組み合わせた表示であることが好ましい。
この構成によれば、特定表示は、文字、図形又はそれらを組み合わせた表示である。文字と図形を組み合わせた表示であっても、文字部分又は図形部分から詳細が不明な場合もあるので、弁明表示が行うようにする。
また、本実施形態の遊技機において、前記弁明表示は、文字による説明文であることが好ましい。
この構成によれば、弁明表示は文字による説明文であるので、特定表示の内容を正確に表現し、遊技者に伝えることができる。
初めに、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部には、スピーカ7が2つ設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は、前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が有効となる操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、操作有効時に遊技者がボタンを押下げることにより、演出態様を変化させることができる。また、遊技画面から各種設定を行うメニュー画面に切替える際にも操作ボタン13を用いる。
さらに、上貯留皿11の表面部分には、方向キー部14が設けられている。方向キー部14は、メニュー画面から何れかの設定項目を選択するとき、又は遊技中に音量やBGMを選択するときに用いられる。
前扉5の右上には、枠装飾LED8に隣接する形で、空気が送風されるファン15が設けられている。ファン15は、大当りの事前予告演出として遊技者に向けて送風することができる。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように、遊技盤4は略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、盤面装飾LED35が設けられている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置されている。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
また、液晶表示装置36の右側には、普通図柄用始動ゲート40が配置されている。普通図柄用始動ゲート40は、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40を通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
液晶表示装置36の上側には手の形状をした可動役物37a,37bが配置されている。可動役物37a,37bは、遊技における演出や大当り期待度に応じて、個別的又は同時に動作する。パチンコ遊技機1には、可動役物37a,37b以外にも複数の可動役物が設けられているが、図面上省略している。
液晶表示装置36の下方には、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bが配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示が行われる。さらに、液晶表示装置36でも特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞可能な状態となる。この開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に所定回数、所定期間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
第1特別図柄始動口38aの右側には、大入賞装置39が配置されている。大入賞装置39には、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。詳細は後述するが、大入賞装置39は、特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りにより発生する特別遊技で所定期間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39の内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a,38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個の7セグメントLED(右)は、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40への入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球が払い出される。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a,44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a,44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243とを備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、第1始動入賞口センサ38c、第2始動入賞口センサ38d、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51及び振動センサ52が接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a,43bに送信される。
また、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び扉開放センサ20が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253とを備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8及び盤面装飾LED35が接続されている。演出制御基板25は、スピーカ7の効果音や各LED等の発光動作を制御し、演出効果を高めている。
また、演出制御基板25には、操作ボタン13、方向キー部14及びファン15が接続されている。演出制御基板25は、操作ボタン13の有効期間に、操作ボタン13に対して内蔵ランプを点灯させる信号を送信する。そして、有効期間に遊技者が操作ボタン13を押下することで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示された演出等が変化する。
方向キー部14は、上方向キー、右方向キー、下方向キー及び左方向キーで構成されている(図1参照)。方向キー部14についても、操作された場合に、その検知信号が演出制御基板25に送信される。
さらに、演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266とを備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機1の大当り種別と特別遊技(大当り遊技)の終了時に設定される各種フラグについて説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば「1」〜「9」の装飾図柄のうち、確変図柄(例えば、「3」と「7」の装飾図柄)による大当りと、非確変図柄(例えば、「3」、「7」以外の装飾図柄)による大当りの2種類がある。各図柄は3列(左列、中央列、右列)で変動表示され、3列で同じ図柄が揃う(例えば「777」)と大当りとなる。変動表示する3列の図柄は、左列、右列、中央列の順で停止し、左右列が同じ図柄で揃って停止し、中央列の図柄が変動表示している状態がリーチとなる。
パチンコ遊技機1では、通常モード、時短モード及び確率変動モードで遊技が行われる。通常モードは、低確率(例えば、大当り確率が1/91=11/1000)で大当り抽選が行われる。
時短モードは、通常モードと同じ大当り確率ではあるが、図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態であり、通常モードより普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放され(電チューサポート有り状態)、遊技球が始動入賞し易い。また、確率変動モードは、通常モード及び時短モードよりも高確率(例えば、大当り確率が1/9.1)で大当り抽選が行われ、電チューサポート有り状態である。
確変図柄大当りによる特別遊技は、例えば、全15ラウンドで構成され、非確変図柄大当りによる特別遊技は、全15ラウンドの場合もあるが、基本的にこれより少ないラウンドで構成される。確変図柄大当りの終了後には、遊技状態が確率変動モードとなる。確率変動モードは、50回の遊技が行われると終了する。なお、確率変動モードを、次回の大当りまで継続するモードとしてもよい。
次に、非確変図柄大当りについて、確変図柄大当りと異なる部分を中心に説明する。非確変図柄大当りによる特別遊技は、例えば、全10ラウンドで構成される。また、その終了後には、遊技状態が時短モードとなる。本実施形態の時短モードは、30回の遊技が行われると終了する。
次に、確変図柄大当り、非確変図柄大当りいずれの特別遊技の終了後に設定される各種フラグについて説明する。図5に示すように、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ、特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」とは、フラグがオンの意味である。
確変図柄大当りの場合は、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。一方、非確変図柄大当りの場合、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しないので、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」とは、フラグがオフの意味である。
なお、非確変図柄大当りの場合でも、電チューサポート有り状態となる。従って、上述の普図確率変動移行状態フラグは、確変図柄、非確変図柄に関わらず、「5AH」がセットされる。
また、確変図柄大当りの場合は、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「50」がセットされ、非確変図柄大当りの場合は、特図時短回数カウンタに「30」がセットされ、特図確率変動回数カウンタに「0」がセットされる。ここで、「50」、「30」とは、50回、30回の遊技を意味し、「0」は、特図確率変動での遊技が0回、すなわち、行われないことを意味する。
特図時短回数カウンタ、特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、確変図柄大当りの場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「100」をセットすると、特別遊技の終了後、100回の確率変動モードに移行する。
次に、図6を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御基板24は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御基板24は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御基板24は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1,第2特別図柄始動口38a,38bや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検知し、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御基板24は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40を通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40の内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、普通図柄の乱数値を取得する。この抽選した乱数値は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記乱数値の当否抽選を行う。
また、主制御基板24は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御基板24は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御基板24は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御基板24は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御基板24は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS50では、主制御基板24は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38c,38dが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38c,38dは、球検出信号を主制御基板24に送信し、主制御基板24は、球検出信号を受けて、例えば600個の乱数値の中から1個の乱数値を取得し(特別図柄の抽選)、この取得した乱数値に対する演出態様を決定する。
主制御基板24は、特別図柄表示装置43aに演出コマンドを送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により大入賞装置39(以下、特別電動役物とも称する)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、所定ラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図7を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(図6:ステップS50)では、主制御基板24は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、始動口チェック処理1を行う(ステップS51)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞の有無を判断する。第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞があった場合には、主制御基板側CPU241は、第1始動入賞口センサ38cから送られる球検出信号に基づいて、200個の乱数値の中から1個の乱数値を取得する。
ROM242には、演出情報テーブル246(図9参照)が格納されている。この演出情報テーブル246は、600個の乱数値それぞれに対応付けられた第1〜第600演出態様を有する。主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブル246から読み込む。また、主制御基板側CPU241は、乱数値に基づいて大当り判定フラグを取得して、ワークエリアへ格納する処理も行う。
特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞すると、主制御基板側CPU241は、乱数値(抽選結果)、演出態様を含む演出コマンドを、RAM243の保留記憶エリアに記憶する。また、主制御基板側CPU241は、演出制御基板25を介して液晶制御基板26の液晶制御CPU261に演出コマンドを送る。液晶制御CPU261は、この演出コマンドを、保留情報として液晶制御RAM263に記憶する。液晶制御RAM263に記憶される保留情報は、例えば最大4個である。
ステップS52では、主制御基板24は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判断し、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS53に進む。
次に、主制御基板24は、条件装置作動フラグが5AHか否かを判定する(ステップS53)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置であり、条件装置作動フラグがオンしたか否かの判定となる。条件装置作動フラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS58に進む。
一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS54に進む。すなわち、ステップS54〜S57は、大当りが発生していない通常遊技モードの場合の処理となる。
ステップS53の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS54)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS55に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS56に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS57に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理について説明する。
まず、図8A、図8Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理(ステップS55)について説明する。
まず、図8Aにおいて、主制御基板側CPU241は、特図保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、特図の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む(図8B参照)。
ステップS72では、第1特別図柄始動口38aまたは第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判定する。ステップS72の判定が「YES」である場合には、乱数値を取得し、ステップS79に進む。
ステップS72の判定が「NO」である場合には、主制御基板24は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図7:ステップS57)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
特図動作ステータスが「00H」である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS74では、主制御基板24は、客待ちデモコマンドを送信する。「客待ちデモコマンド」は、特図の保留球数が0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
ステップS75では、主制御基板24は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報や始動口入賞が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS71の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図の保留球数を1減算する(図8B:ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
ステップS77では、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて保留減算コマンドを送信する。これにより、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
ステップS78では、主制御基板24は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS79に進む。
ステップS79では、主制御基板側CPU241は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、取得した乱数値に基づいた特図の当り判定処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。
本実施形態では、通常モード及び時短モードと、確率変動モードとで大当り確率が異なるため、「大当り」となる乱数値の数が異なる。通常モード及び時短モードでは、1000個の乱数値のうち、乱数値990〜1000が「大当り」となる乱数値であり、乱数値990〜994は、非確変図柄大当りとなり、乱数値995〜1000は、確変図柄大当りとなる(図9参照)。1000個の乱数値のうち、11個の乱数値が「大当り」となるので、大当り確率は1/91となる。
確率変動モードでは、乱数値891〜1000が「大当り」となる乱数値であり、乱数値891〜940は非確変図柄大当りとなり、乱数値941〜1000は確変図柄大当りとなる。また、通常モード及び時短モードでは、乱数値951〜1000が「リーチ」となる乱数値である。なお、乱数値の数や、「大当り」,「リーチ」となる乱数値等は、適宜変更可能である。
ステップS80では、主制御基板24は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS81に進む。
ステップS81では、主制御基板24は、特図の変動中フラグを5AHにセットする。その後、ステップS82に進む。
ステップS82では、主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブル246から読み込み、乱数値及び演出態様を含む演出コマンドを特別図柄表示装置43aに送り、演出コマンドまたは演出実行コマンドを演出制御基板25に送る。主制御基板側CPU241は、保留情報が記憶されていない場合には演出コマンドを、保留情報が記憶されている場合には演出実行コマンドを、演出制御基板25に送る。その後、ステップS83に進む。
最後に、主制御基板24は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS83)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図7:ステップS54)にて、後述する特別図柄変動中処理(図7:ステップS56)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図7に戻り、その後、後述するステップS58に進む。
次に、特別図柄の変動表示処理、演出画像の表示処理について説明する。特別図柄表示装置43aは、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドの演出態様に基づいて、特別図柄の変動表示を行う。また、演出画像には、変動表示する装飾図柄も含まれる。
演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドに基づいてスピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御して演出を行い、保留情報が記憶され、演出実行コマンドを受信した場合には、液晶制御RAM263に記憶された保留情報(演出コマンド)に基づいて演出を行う。また、演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、演出コマンドを液晶制御基板26に送り、保留情報が記憶されている場合には、演出実行コマンドを液晶制御基板26に送る。
液晶制御基板26の映像表示プロセッサVDP264は、演出コマンドを受信した場合には受信した演出コマンドの演出態様に基づいて、演出実行コマンドを受信した場合には液晶制御RAM263に記憶された保留情報の演出態様に基づいて、液晶表示装置36に表示する演出の画像データの画像処理を行う。液晶制御CPU261は、画像処理された画像データを液晶表示装置36に表示することで、主制御基板側CPU241で決定された演出態様での演出を行う。液晶制御CPU261は、保留情報による演出を開始するのに合わせて、その保留情報を消去する。
次に、図9〜図12を参照して、パチンコ遊技機1の液晶表示装置36で装飾図柄の可変表示に応じて演出を実行する際の処理について説明する。
図9に示すように、上述の処理で取得した乱数値に応じて演出態様は予め定められている。通常モードでは、遊技球が第1,第2特別図柄始動口38a,38bに入賞した際に取得した乱数値が例えば958〜1000の場合、装飾図柄が変動表示されて「リーチ」となった後、図10に示す操作指示演出(操作ボタン13を操作することを指示する演出)が実行される。その後、ボタン操作の有無に応じた操作対応演出(図11A〜図11D及び図12A〜図12D参照)が実行された後、乱数値に応じた演出態様の演出が実行される。
乱数値が例えば1〜957の場合、操作指示演出及び操作対応演出は実行されず、装飾図柄が変動表示されると、乱数値に応じた演出態様の演出が実行される。なお、図9では、操作指示演出及び操作対応演出を実行する乱数値として、乱数値985〜1000のみを図示している。
次に、操作指示演出及び操作対応演出の詳細を説明する。
[操作指示演出]
図10に示すように、操作指示演出では、演出制御基板側CPU251(以下、副制御手段)は、操作ボタン13を模した操作ボタン画像301を液晶表示装置36に所定時間(例えば、3秒)表示する。さらに、副制御手段は、操作ボタン画像301の上方に、「押せ!」という文字画像302と、矢印画像303とを表示する。この際、副制御手段は、装飾図柄の変動表示を、液晶表示装置36の右下隅に小さく表示する。
[ボタン操作演出]
操作指示演出中(操作ボタン画像301が表示された状態)に、遊技者により操作ボタン13が操作されると、副制御手段は、操作対応演出として乱数値に応じたボタン操作演出を実行する。
本実施形態では、副制御手段は、乱数値985,990,995の場合には、図11Aに示すように、ボタン操作演出として、青色CHANCE画像305aを表示する「青CHANCE表示演出」を実行する。また、副制御手段は、乱数値986,991,996の場合には、図11Bに示すように、ボタン操作演出として、緑色CHANCE画像305bを表示する「緑CHANCE表示演出」を実行する。
副制御手段は、乱数値987,992,997の場合には、図11Cに示すように、ボタン操作演出として、赤色CHANCE画像305cを表示する「赤CHANCE表示演出」を実行する。また、副制御手段は、乱数値988,993,998の場合には、図11Dに示すように、ボタン操作演出として、金色CHANCE画像305dを表示する「金CHANCE表示演出」を実行する。
さらに、副制御手段は、乱数値989,994,999の場合には、ボタン操作演出として、当該演出における今後の展開を示す演出(例えば、実行される演出の種類)を表示する「次回予告表示演出」を実行する。
副制御手段は、乱数値1000の場合には、ボタン操作演出として、大当り確定を表すプレミア演出(例えば、「おめでとう」と表示)を表示する「プレミア表示演出」を実行する。各ボタン操作演出の実行時間は同一(例えば、5秒)となっている。なお、各ボタン操作演出の実行時間は、異なるようにしてもよい。
上記各ボタン操作演出実行時の大当りする可能性を示す期待度は、「青CHANCE表示演出」が5%、「緑CHANCE表示演出」が10%、「赤CHANCE表示演出」が30%、「金CHANCE表示演出」が50%、「次回予告表示演出」が67%となっている。なお、ボタン操作演出の数は適宜変更可能である。
上記それぞれの期待度となるように、操作指示演出及び操作対応演出を実行する乱数値958〜984(27個)のうち、17個の乱数値は、ボタン操作演出として「青CHANCE表示演出」が実行され、7個の乱数値は、ボタン操作演出として「緑CHANCE表示演出」が実行され、2個の乱数値は、ボタン操作演出として「赤CHANCE表示演出」が実行され、1個の乱数値は、ボタン操作演出として「金CHANCE表示演出」が実行されるように設定されている。
上記設定により、ボタン操作演出として「青CHANCE表示演出」が実行される乱数値は20個で、そのうち2個の乱数値(990、995)が大当りとなるので、期待度は10%となる。同様に、ボタン操作演出として「緑CHANCE表示演出」、「赤CHANCE表示演出」、「金CHANCE表示演出」、「次回予告表示演出」が実行される乱数値は、それぞれ10個、5個、4個、3個で、そのうち2個の乱数値が大当りとなるので、期待度は、それぞれ20%、40%、50%、67%となる。
[ボタン非操作演出]
操作指示演出中(操作ボタン画像301が表示された状態)に操作ボタン13が操作されなかった場合、副制御手段は、操作対応演出として乱数値に応じたボタン非操作演出を実行する。
本実施形態では、副制御手段は、乱数値985,990,995の場合には、ボタン非操作演出として、図12Aに示すように忍者画像310を1個表示する「忍者1人表示演出」を実行し、乱数値986,991,996の場合には、ボタン非操作演出として、図12Bに示すように、忍者画像310を2個表示する「忍者2人表示演出」を実行する。
また、副制御手段は、乱数値987,988,992,997の場合には、ボタン非操作演出として、図12Cに示すように、忍者画像310を3個表示する「忍者3人表示演出」を実行し、乱数値993,998の場合には、ボタン非操作演出として、図12Dに示すように、忍者画像310を4個表示する「忍者4人表示演出」を実行する。
さらに、副制御手段は、乱数値989,994,999の場合には、ボタン非操作演出として、忍者画像310が群(例えば、30個)で画面右から左へ移動する演出を液晶表示装置36に表示する「忍者群表示演出」を実行する。
副制御手段は、乱数値1000の場合には、ボタン操作演出として、大当り確定を表すプレミア演出(例えば、「おめでとう」と表示)を表示する「プレミア表示演出」を実行する。各ボタン非操作演出の実行時間は、上記各ボタン操作演出の実行時間と同一となっている。
上記各ボタン非操作演出実行時の期待度(大当りする期待度)は、「忍者1人表示演出」が5%、「「忍者2人表示演出」が10%、「忍者3人表示演出」が30%、「忍者4人表示演出」が50%、「群予告演出」が67%となっている。なお、ボタン非操作演出の数は適宜変更可能である。
上記それぞれの期待度となるように、乱数値に対するボタン非操作演出が設定されている。
図13に示すように、例えば、乱数値998に応じた演出を行う場合、副制御手段は、装飾図柄の変動表示を所定時間行った後にリーチ状態とし、リーチ状態で操作指示演出(操作ボタン画像301を液晶表示装置36に表示)を所定時間実行する。
操作指示演出中に、遊技者により操作ボタン13が操作されると、副制御手段は、ボタン操作演出として「金CHANCE表示演出」を実行する。
一方、操作指示演出中に、遊技者により操作ボタン13が操作されなかった場合、副制御手段は、ボタン非操作演出として「忍者4人表示演出」を実行する。
そして、副制御手段は、「金CHANCE表示演出」又は「忍者4人表示演出」を実行した後、乱数値に応じた第998演出態様の演出を実行する。
「次回予告表示演出」及び「忍者群表示演出」は、いずれも期待度が67%の演出である。すなわち、遊技者が操作指示演出中に操作ボタン13を操作しなかった場合でも、操作した場合と同じ演出ではないが、同等の期待度の演出を実行することができる。
同様に、図9に示すように、操作指示演出が実行される乱数値958〜1000では、遊技者が操作指示演出中に操作ボタン13を操作しなかった場合でも、操作した場合と同じ演出ではないが、同等の期待度の演出を実行することができる。これにより、遊技者が操作ボタン13を操作したくてもできなかった場合や、操作ボタン13を操作し忘れた場合でも、操作した場合と同等の期待度の演出を実行することができ、操作ボタン13を操作しなかった場合には期待度を示す演出が実行されないものに比べて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、操作ボタン13を操作した場合を、操作ボタン13を所定回数操作した場合とし、操作ボタン13を操作しなかった場合を、操作ボタン13を所定回数操作しなかった場合とするようにしてもよい。
また、ボタン操作演出及びボタン非操作演出を、1個ずつ設けるようにしてもよい。
さらに、操作ボタン13を操作しなかった場合に、操作ボタン13を操作した場合と同等の期待度のボタン非操作演出を実行せずに、5種類のボタン非操作演出のうち、最も期待度が低い「忍者1人表示演出」以外のボタン非操作演出を実行するようにしてもよい。
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理(ステップS56)について簡単に説明する。主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定(図7:ステップS54)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
主制御基板24は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特別図柄動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図7:ステップS54)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図7:ステップS57)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。
次に、図14A、図14Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理(ステップS57)について説明する。
まず、図14Aにおいて、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS111)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する(図14B参照)。
ステップS111の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS112)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(図7:ステップS55)に分岐するようになる。その後、ステップS113に進む。
次に、主制御基板24は、大当りフラグが5AHであるか否かを判定する(ステップS113)。これは、大当りフラグがオンであるか否かの判定である。大当りフラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS114に進む。一方、大当りフラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS115に進む。
ステップS113の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS114)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「5AH」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
また、ステップS113の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS115)。特図時短回数カウンタは、時短モードの回数をカウントするカウンタであり、例えば、通常モード中は、0が設定されている。
特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS119に進む(図14B参照)。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS116に進む。
ステップS115の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタを1減算する(ステップS116)。以下のステップS116〜S118は、時短回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS117)。特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS118に進む。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS119に進む(図14B参照)。
ステップS117の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、時短終了時の各種設定を行う(ステップS118)。例えば、普図時短状態フラグ、特図時短状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS119に進む(図14B参照)。
次に、図14Bにおいて、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS119)。本実施形態の確率変動モードは、回数限定であり、特図確変回数カウンタにより、確率変動モードの残り回数がカウントされる。
特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS120に進む。
ステップS119の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS120)。以下のステップS120〜S122は、確変回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS121)。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
ステップS121の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、確変終了時の各種設定を行う(ステップS122)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定し、特別図柄確認時間中処理を終了する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。特別図柄確認時間中処理の終了後には、図7のステップS58に進む。
最後に、主制御基板24は、特別図柄表示データを更新する(ステップS58)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図15を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図6:ステップS60)において、主制御基板24は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、条件装置作動フラグが5AH(ON)であるか否かを判定する(ステップS61)。条件装置作動フラグが5AHの場合には、「YES」の判定となり、ステップS62に進む。一方、条件装置作動フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS62以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS61の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS62)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であるので、ステップS63に進む。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であるので、ステップS64に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であるので、ステップS65に進む。
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であるので、ステップS66に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であるので、ステップS67に進む。
ステップS63〜S67の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理(ステップS63)について説明する。
まず、主制御基板24は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS131)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをオンとし、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(図19参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS64)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS132に進む。
ステップS132では、主制御基板24は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号をRAM243に、大当り開始インターバル時間を特別図柄役物作動タイマに、それぞれ格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS133に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS133)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図17を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理(ステップS64)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS141)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か、又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS141の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS142)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS143に進む。
ステップS143では、主制御基板24は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄大当りに当選した場合には、10の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS144に進む。
ステップS144では、主制御基板24は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動中処理(図15:ステップS65)に進むようになる。その後、ステップS145に進む。
最後に、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS145)。この大入賞口開閉動作設定処理では、主制御基板24は、大当り種別、ラウンド数、特別図柄役物動作タイマ、ソレノイド動作パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する。ここでいうソレノイドは、アタッカの開閉扉を駆動するソレノイドである。その後、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図18を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動中処理(ステップS65)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口への入賞があったか否かを判定する(ステップS151)。大入賞口の大入賞口センサにより入賞が検出される。大入賞口への入賞があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS152に進む。一方、入賞がなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。
ステップS151の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、入賞数を1加算する(ステップS152)。すなわち、大入賞口センサが大入賞口に入賞する規定の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS153に進む。
次に、主制御基板24は、最大入賞数に達したか否かを判定する(ステップS153)。最大入賞数に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、まだ最大入賞数に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。なお、最大入賞数を大当り種別により異ならせてもよい。
ステップS153の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマをクリアする(ステップS154)。特別図柄役物動作タイマをクリアすることにより、1回のラウンド遊技が終了した場合の処理に進むようになる(ステップS156/YES)。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図17のステップS145で説明したので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS156に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS156)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS157に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS156の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS157)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS158に進む。
ステップS158では、主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定1を行う。具体的には、特別電動役物動作ステータスを「03H」(特電作動継続判定中)にセットする。これにより、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動継続判定処理(図15:ステップS66)に進むようになる。主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定2を行う(ステップS159)。ここでは、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、通常ラウンドの残存球排出時間に相当する。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
次に、図19を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理(ステップS66)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS161)。大入賞口入賞数チェック処理の詳細は、図18のステップS151〜S154で説明した処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図17のステップS145で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS163に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS163)。ここでは、残存球排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS164に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS163の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、最大ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS164)。本実施形態では、最大の第10ラウンド(確変図柄大当り)又は第5ラウンド(非確変図柄大当り)に達した場合に「YES」の判定となり、ステップS168に進む。一方、第9ラウンド(確変図柄大当り)又は第4ラウンド(非確変図柄大当り)までは、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。
ステップS164の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS165)。すなわち、特別遊技のラウンド数をカウントする処理となる。その後、ステップS166に進む。
ステップS166では、主制御基板24は、ラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理に戻った場合、その処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS167に進む。
ステップS167では、主制御基板24は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグが「00H」に設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS64)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS164の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、終了時の各種設定を行う(ステップS168)。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグを「00H」とするのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを「04H」(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、大当り終了処理(図15:ステップS67)に進むようになる。その後、ステップS169進む。
ステップS169では、主制御基板24は、終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する(図20参照)。その後、ステップS170に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS170)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図20を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理(ステップS67)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS171)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS172に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS171の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定1を行う(ステップS172)。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全てクリアする。その後、ステップS173に進む。
ステップS173では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定2を行う。設定の詳細は、図5で説明した通りである。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定3を行う。具体的には、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、大当り開始処理(図15:ステップS63)に進むようになる。その後、ステップS175進む。
最後に、主制御基板24は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS175)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御基板24が行う処理について説明した。
以下では、図21を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、演出制御基板25の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、演出制御基板25は、初期化処理を行う(ステップS181)。これは、主に、演出制御基板25の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS182に進む。
次に、演出制御基板25は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS182)。メインループとは、後述するステップS184〜S189までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS182に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS183に進む。
ステップS182の判定が「NO」である場合、演出制御基板25は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS183)。その後、更新周期となるまでステップS182、S183の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(図22参照)が実行されるが、演出制御基板25は、この割込処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS182の判定が「YES」である場合、演出制御基板25は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS184)。上述の通り、ステップS184〜S189はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、演出制御基板25は、受信コマンド解析処理を行う。これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。例えば、大当り開始処理(図16参照)の中で送信される「大当り開始インターバルコマンド」を受信した場合には、演出制御基板25は、開始インターバルを設定する。その後、ステップS186に進む。
ステップS186では、演出制御基板25は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した制御コマンドに応じて演出の更新を行うものである。その後、ステップS187に進む。
ステップS187では、演出制御基板25は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS188に進む。
ステップS188では、演出制御基板25は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS189に進む。
最後に、演出制御基板25は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS189)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS182に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図22を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。これは、上述の副制御側メイン処理(図21参照)に対して、1ms周期で実行される割込処理である。
まず、演出制御基板25は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS191)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS192に進む。
ステップS192では、演出制御基板25は、出力処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、演出制御基板25は、操作ボタン入力状態更新処理を行う。演出制御基板25は、操作ボタン13の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、演出制御基板25は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS195に進む。
ステップS195では、演出制御基板25は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS196に進む。
ステップS196では、演出制御基板25は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS197に進む。
ステップS197では、演出制御基板25は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS198に進む。
最後に、演出制御基板25は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS198)。これは、メインループ処理(図21:ステップS184〜S189)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
図23〜図28に示す第2実施形態では、図柄の変動表示中に発展先を示唆する示唆演出を複数(例えば、4個)同時に実行する。
図23に示すように、変動表示中の演出において、例えば忍者が敵と戦って負けるリーチ演出(外れ演出)の後に、副制御手段は、可動役物37aの一部が液晶表示装置36の上部に重なる位置まで降下する第1示唆演出と、液晶表示装置36に稲妻画像401を表示する第2示唆演出と、液晶表示装置36に忍者頭部画像402を表示する第3示唆演出と、液晶表示装置36に操作ボタン画像301を表示する第4示唆演出とを同時に表示する。そして、第1〜第4示唆演出のうちのいずれか1つを選択した後、選択した示唆演出が示唆する演出(発展演出)を実行する。
以下では、上述した第1〜第4示唆演出の詳細を説明する。
[第1示唆演出]
第1示唆演出は、図24に示すように、副制御手段が、可動役物37aの一部が液晶表示装置36の上部に重なる位置まで降下した状態で、可動役物37aを揺れるように動かし、この状態から、詳しくは後述する第1発展演出に発展する可能性があることを示唆し、発展するか否かを決定する演出である。
第1示唆演出での発展成功時には、副制御手段は、第1発展演出として、可動役物37a全体が液晶表示装置36に重なる位置まで可動役物37aを降下させ、「手裏剣チャンス」という文字画像411を液晶表示装置36に表示して、敵に手裏剣を投げて戦う演出を行う。第1発展演出は、敵を倒すと大当りとなる。
第1示唆演出での発展失敗時には、副制御手段は、可動役物37aが液晶表示装置36に重ならない初期位置まで可動役物37aを上昇させ、液晶表示装置36の中央で図柄の変動表示(通常演出)を行う。
[第2示唆演出]
第2示唆演出は、図25に示すように、副制御手段が、稲妻画像401を液晶表示装置36の2箇所に表示し、この状態から、詳しくは後述する第2発展演出に発展する可能性があることを示唆し、発展するか否かを決定する演出である。
第2示唆演出での発展成功時には、副制御手段は、第2発展演出として、多数の稲妻画像401と、「ミッションチャレンジ」という文字画像413とを液晶表示装置36に表示する演出を行う。第2発展演出は、所定のミッション(例えば、操作ボタン13を押して可動役物37a,37bを下方に移動させる)を成功すると大当りとなる。
第2示唆演出での発展失敗時には、副制御手段は、稲妻画像401を消去して、液晶表示装置36の中央で図柄の変動表示を行う。
[第3示唆演出]
第3示唆演出は、図26に示すように、副制御手段が、忍者頭部画像402が上方に飛び出ようとするように忍者頭部画像402を揺らして液晶表示装置36に表示し、この状態から、詳しくは後述する第3発展演出に発展する可能性があることを示唆し、発展するか否かを決定する演出である。
第3示唆演出での発展成功時には、副制御手段は、第3発展演出として、忍者頭部画像402と、「復活!」という文字画像415とを液晶表示装置36に表示して、一度負けた忍者が復活して再び敵と戦う演出を行う。第3発展演出は、敵を倒すと大当りとなる。
第3示唆演出での発展失敗時には、副制御手段は、忍者頭部画像402を消去して、液晶表示装置36の中央で図柄の変動表示を行う。
[第4示唆演出]
第4示唆演出は、図27に示すように、副制御手段が、操作ボタン画像301を形成するようにダミーボタン画像421が集まって行く画像を表示し、この状態から、詳しくは後述する第4発展演出に発展する可能性があることを示唆し、発展するか否かを決定する演出である。
第4示唆演出での発展成功時には、副制御手段は、第4発展演出として、操作ボタン画像301と、「押せ!」という文字画像302と、矢印画像303と、「味方を呼びよせろ!」という文字画像422とを液晶表示装置36に表示する演出を行う。第4発展演出は、操作ボタン13を操作すると、味方が現れて敵と戦う演出が行われ、敵を倒すと大当りとなる。
第4示唆演出での発展失敗時には、副制御手段は、操作ボタン画像301と、文字画像302と、矢印画像303と、文字画像422とを消去して、液晶表示装置36の中央で図柄の変動表示を行う。なお、第1〜第4示唆演出において、発展成功か発展失敗かは、取得した乱数値に応じて予め決められている。
図28に示すように、副制御手段は、予め決められた乱数値での変動表示において、先ず、装飾図柄の変動演出を行い、左右列が同じ図柄で揃って停止し、中央列の図柄が変動表示しているリーチ状態となると、リーチ演出として、忍者が敵と戦って負けるリーチ演出を液晶表示装置36に表示する。
リーチ演出の後、副制御手段は、第1〜第4示唆演出を同時に表示する(図23参照)。
副制御手段は、第1〜第4示唆演出を所定時間(例えば、3秒)表示した後、いずれかを1つを選択し、選択した示唆演出を実行する。なお、第1〜第4示唆演出のいずれを選択するかは予め決められている。
副制御手段は、例えば第1示唆演出を選択し、第1示唆演出で発展が成功した場合、図24に示すように、可動役物37a全体が液晶表示装置36に重なる位置まで可動役物37aを降下させ、「手裏剣チャンス」という文字画像411を液晶表示装置36に表示する第1発展演出を実行する。
副制御手段は、第1発展演出として、敵に手裏剣を投げて戦うバトル演出を液晶表示装置36で実行する。第1発展演出で敵を倒すと大当りとなる。なお、敵を倒すかどうかは、予め決められている。
第1〜第4発展演出の期待度は、それぞれ異なる。例えば、第1発展演出の期待度は70%、第2発展演出の期待度は10%、第3発展演出の期待度は30%、第4発展演出の期待度は50%となっている。このため、遊技者は、第1発展演出が実行されることを望む。
第1〜第4示唆演出を単独で表示した場合には、それに対応した発展演出が実行される。すなわち、第2示唆演出が表示された場合、発展成功時には、第2発展演出が実行される。この第2発展演出は期待度が最も低い10%であり、第2示唆演出が単独で表示された場合、遊技者は大当りに対する期待感を持つことができない。
本実施形態では、第1〜第4示唆演出を同時に表示するので、第1〜第4発展演出のいずれも実行される可能性がある。これにより、遊技者は、期待度が最も高い第1発展演出が実行される期待感を持つことができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、同時に表示する示唆演出は、2個以上であれば適宜変更可能であり、役物による示唆演出の数や液晶表示装置36での画像表示による示唆演出の数も適宜変更可能である。
また、同時に2個の示唆演出を示唆する演出、同時に3個の示唆演出を示唆する演出、同時に4個の示唆演出を示唆する演出を、状況に応じて実行するようにしてもよい。この場合、同時に示唆する示唆演出の数が多いほど、期待度が高いようにしてもよい。
さらに、第1〜第4示唆演出を遊技者から見て重なるように示唆してもよい。この場合、選択される示唆演出を最前面となるようにしてもよい。
また、第1〜第4示唆演出を、順番に示唆し、最終的に全ての示唆演出が示唆された状態(図23)となるようにしてもよい。この場合、選択される示唆演出を最初に示唆するようにしてもよい。
[実施形態]
次に、図29を参照して、パチンコ遊技機1の演出中に出現する特定表示、不適当表示、その関連性(類似要素)について説明する。
パチンコ遊技機1の演出では、公序良俗に反する又は反するおそれのある「不適当表示」が行われることは基本的にないが、「不適当表示」と外観、称呼、観念が類似する「特定表示」が行われることがある。
図中の番号1〜3は、カテゴリ「性的表現」に属する表示である。例えば、浴衣等を着た女性である「着衣女性」の画像、動画は表示しても全く問題がないので、適当表示(本発明の「普通表示」に相当)の例として挙げられている。一方、「下着女性」の画像、動画は、公序良俗に反するおそれのある不適当表示の例として挙げられている。
このような場合、特定表示は、「下着女性」と外観の点で類似する「水着女性」となっている。また、「水着女性」の画像、動画は表示可能であるが、念のため、特定表示の内容を弁明する弁明表示が行われる(詳細は後述する)。
次に、番号4〜6は、カテゴリ「暴力的表現」に属する表示である。例えば、格闘技の演出において、「汗」が飛び散る動画は表示しても全く問題がないので、適当表示の例として挙げられている。一方、「血液」が飛び散る動画は、公序良俗に反するおそれのある不適当表示の例として挙げられている。
このような場合、特定表示は、「血液」と外観の点で類似する「黄色の液体」となっている。ここでも、併せて弁明表示を行い、「黄色の液体」を説明するようにしている。
次に、番号7〜10は、カテゴリ「犯罪的表現」に属する表示である。例えば、演出中の「犠牲者」の文字は表示しても全く問題がないので、適当表示の例として挙げられている。一方、「死者」の文字は、公序良俗に反するおそれのある不適当表示の例として挙げられている。
このような場合、特定表示は、「死者」と外観の点で類似する「*者」となっている。なお、「*者」は、「死者」の文字のうち「死」の部分にぼかしを入れた表示である。
また、番号11〜14は、カテゴリ「その他」に属する表示である。例えば、「ガイコツお化け」のキャラクタは表示しても全く問題がないので、適当表示の例として挙げられている。一方、ドクロと2本の骨からなる「地雷マーク」は、公序良俗に反するおそれのある不適当表示の例として挙げられている。
このような場合、特定表示は、「地雷マーク」と外観の点で類似する「ドクロ」となっている。「ドクロ」はリアル過ぎないものが好ましく、併せて弁明表示を行って、「ドクロ」の意味を説明するようにしている(図32参照)。
これまで、不適当表示と外観の点で類似する特定表示の例を示したが、特定表示は、不適当表示と称呼や観念の点で類似していてもよい。例えば、不適当表示の「悪霊」に観念の点で類似する特定表示の例として、「霊魂」が挙げられる(図30参照)。
また、不適当表示と特定表示とが同一となる場合もある。例えば、番号13の「最恐」は、幽霊やゾンビの画像と併せて表示した場合、公序良俗に反するおそれがあるが、特定表示を不適当表示と同じ「最恐」としている。「最恐」は造語であるという理由もあるが、弁明表示によりその意味を説明するようにする。
次に、図30、図31を参照して、パチンコ遊技機1で行われる演出例について説明する。
図30は、通常遊技状態において、液晶表示装置36の表示画面で行われる図柄の変動を示している。まず、図30(a)には、3つの装飾図柄158が停止した状態が表示されている。表示画面の下方には、保留表示159(現在の保留数2)や、通常遊技状態時の背景に関連する「XXX Stage」との文字が表示されている。
その後、3つの装飾図柄158が始動して、次回変動が開始する。図30(b)は、左側の装飾図柄158が停止し、表示画面の上方には御札160が出現した様子を示している。保留表示159では、保留数が1つ減少して、保留数1となっている。その後、図30(c)の表示に切替わる。
図30(c)は、左右の装飾図柄158が停止して、図柄「7」のリーチ状態となり、少女のキャラクタが登場した様子を示している。また、図30(b)で出現した御札160は、表示領域の中央付近に停止している。図示するように、御札160には、特定表示の例として挙げられていた「霊魂」の文字が表示されているので、これを弁明する弁明表示161が現れる。
弁明表示161は、装飾図柄158やキャラクタとほとんど重ならない表示領域の隅に表示される。図30(d)は、図30(c)の弁明表示161の付近を拡大した様子である。弁明表示161では、特定表示である「霊魂」の弁明として、「霊魂とは、未練を残したままなくなり、未だ成仏されていない者の魂である。」との説明文となっている。これにより、「霊魂」の表示に対して、遊技者に十分に配慮したことになるので、公序良俗に反するおそれが少なくなる。
御札160が表示画面に出現した時点で、特定表示であることを遊技者が視認できる場合もあるが、この時点では特定表示がそれ程目立たない。従って、この時点ではまだ弁明表示161を出現させない。そして、御札160が表示画面の中央付近、すなわち目立つ位置にまで移動してきた後に弁明表示161を出現させる。このような表示制御をすることで、特定表示に対する弁明を、遊技者に印象付けることができる。
次に、図31に、図柄の変動中において、適当表示(本発明の「普通表示」に相当)から特定表示に変化する例を示す。
まず、図31(a)は、3つの装飾図柄158が始動した後、左側の装飾図柄158が停止し、表示画面の上方に御札160が出現した様子を示している。また、表示画面の下方には、保留表示159(現在の保留数1)や、通常遊技状態時の背景に関連する「XXX Stage」との文字が表示されている。その後、図31(b)の表示に切替わる。
図31(b)は、左右の装飾図柄158が停止して、図柄「6」のリーチ状態となった様子を示している。また、図31(a)で出現した御札160は、表示画面の中央付近に停止している。図示するように、御札160には、適当表示の例として挙げられていた「精霊」の文字が表示されている。また、御札160の隣接位置に、擬似連続変動の際に良く用いられる「擬」マークが出現している。このため、遊技者は、この後、停止中の装飾図柄158が再始動すると予測する。その後、図31(c)の表示に切替わる。
図31(c)は、3つの装飾図柄158が再始動した様子を示している。御札160については、横回転により再始動する。なお、擬似連続変動は、1回の図柄変動の中で行われるため、保留数1のまま変化しない。その後、図31(d)の表示に切替わる。
図31(d)は、左右の装飾図柄158が停止して、図柄「7」のリーチ状態となり、少女のキャラクタが登場した様子を示している。図示するように、今回の御札160’には、特定表示の例として挙げられていた「霊魂」の文字が表示されているので、これを弁明する弁明表示161が現れる。
このように、適当表示を表示画面内で特定表示に変化させる場合、適当表示が表示されている間は、当然ながら弁明表示161を出現させず、適当表示が特定表示に変化した後に弁明表示を出現させる。これにより、適切なタイミングで遊技者に特定表示に対する弁明を伝えることができる。
次に、図32、図33を参照して、特定表示と弁明表示の別実施形態について説明する。
まず、図32は、特定表示が図形となる例である。図示するように、左右の装飾図柄158が停止して、図柄「8」のリーチ状態となり、御札160は、図柄のように表示領域の中央に停止している。
今回の御札160には、「ドクロ」の図形と「好機!」との文字が表示されているが、「ドクロ」の部分は、不適当表示の例でもあった「地雷マーク」に外観が類似する。従って、これを弁明する弁明表示161が現れる。このように、特定表示は図形、又は図形と文字との組み合わせであってもよい。
次に、図33は、特別遊技(大当り遊技)中に特定表示が行われる例である。特に、特別ラウンドで遊技球を特定領域に入賞させる遊技性の弾球遊技機における例となっている。
特別ラウンド(ここでは、第6ラウンド)の開始時に、液晶表示装置36の表示画面上方にある領域162では、複数の「右打ち→」の文字が右方向にスクロールしている。特別遊技中に、遊技者が右打ちを行う仕様のため、それを指示する表示となっている。
表示領域左上の領域163には、現在の大当りラウンド数が表示されるが、ここでは、「Round06」となる。一方、表示領域右上の領域164,165には、それぞれ獲得玉数(「00520玉」)と連荘回数(「01回目」)が表示される。
また、領域166には、遊技球を入賞させるアタッカの画像と少女のキャラクタの「ここを狙って!」という発言が表示され、特別ラウンド中に遊技者が確実にアタッカを狙って遊技球を打ち出すように促す。なお、表示領域右下の領域167には、大当り図柄(装飾図柄)を示す数字が表示されている。
また、少女のキャラクタの手前に「霊魂」の文字が表示されるので、弁明表示161を表示領域の最下部に表示する。特別遊技中には、領域162〜167に示すような様々な情報を表示しているから、弁明表示161は、通常遊技状態の場合より小さな文字で表示される。
次に、図34を参照して、パチンコ遊技機1で行われるボタン演出の例を説明する。このボタン演出は、図柄の変動表示中に操作ボタン13の操作機会が1回与えられる演出である。
図34は、最終的な演出態様を先に見せることで、遊技者に操作ボタン13を操作させる意欲を向上させた予告演出となっている。通常、ウインドウが複数回出現する予告演出では、小さいウインドウから徐々に大きなウインドウへ、又は徐々に大当り期待度の高い色彩フレームへと変更される。しかし、この予告演出では、正反対のことを行う。
図柄(図示省略)の変動表示が開始して間もなく、図34(a)に示すように、女の子の絵と「どうしよう!?」とのメッセージを含む大きなウインドウ170が出現する。また、ウインドウ170の中には、特定表示の一例である「最恐」の文字が複数表示されている。
「最恐」の文字は公序良俗に反する可能性は低いが、造語のため、説明があった方がよいことから、弁明表示161を出現させて、その内容を説明している。その後、図34(b)に切替わる。
今回、一回り小さなウインドウ171が出現するが、ポーズの異なる女の子の絵と「嫌な予感」というメッセージが表示されている。ここでは、ウインドウ171の中に「恐」の文字が複数表示されているが、公序良俗に反することはなく、造語でもないから、その説明は行われない。
さらに、時間が経過すると、図34(c)、図34(d)の順に表示が切替わる。そして、図34(c)のウインドウ172は、図34(b)のウインドウ171より小さく、図34(d)のウインドウ173は、図34(c)のウインドウ172より小さくなる。また、女の子の絵も徐々に迫力がなくなっていく。以上は候補表示期間と呼ばれ、予告演出の内容を先に見せ、遊技者の興味を惹きつけるための期間である。
その後、図34(e)に切替わる。ここでは、「ボタン長押し!」とのメッセージと共に、操作ボタン画像301、指マーク174及びメータ175が表示される。この状態では、図34(d)のウインドウ173がそのまま残っている。
そして、遊技者が操作ボタン13の操作を開始すると、図34(f)に切替わる。ここでは、ウインドウ173より一回り大きなウインドウ172となるので、遊技者は、初めに見せられたのと逆順でウインドウが出現すると予想する。なお、遊技者が操作ボタン13を長押ししている状態のため、指マーク174が操作ボタン画像301を押下げた表示となっている。
さらに、時間が経過すると、図34(g)、図34(h)の順に表示が切替わる。図34(g)では、図34(b)と同じウインドウ171が出現し、図34(h)では、図34(a)と同じウインドウ170が出現する。その後、図柄が再表示され、最終的に図柄の変動が停止する(図示省略)。
演出後半の図34(e)〜図34(h)の期間はボタン操作期間と呼ばれ、操作ボタン13の長押しに応じて予告演出が徐々に変化していく。この予告演出では、初めに大当り期待度の高い画像やフレームを見せておくことで、遊技者の操作ボタン13を操作する意欲を高めることができる。
操作ボタン13の長押しを途中で中止した場合には、その時点で演出態様の変更を中止し、進展も後退もしないようにすることが望ましい。もちろん、後退するようにしてもよい。操作が中止された場合、操作有効期間の経過後に最終的な演出態様を表示するようにしてもよい。
初めから全て見せてしまうと興趣が低下する場合もあるので、候補表示期間とボタン操作期間の演出は、一致しない部分があってもよい。また、候補表示期間は、ボタン操作期間より短く設定することにより、図柄の変動表示が開始して間もなく、遊技者に多くを悟られないようにすることもできる。
この他にも、最終のウインドウのみ態様を変更したり、1つウインドウを追加してプレミアキャラクタを登場させるようなサプライズを用意してもよい。また、候補表示期間では、この先、何段階変化するのかを示唆するだけに留めてもよい。
上述した複数の演出を組み合わせて行ってもよい。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、回胴式遊技機、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機等にも適用可能である。