JP6754090B1 - フラックス組成物およびはんだ付け方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この局所はんだ付け法では、溶融はんだに接触させる前に、例えば特許文献1に記載のようなフラックス組成物が用いられる。この局所はんだ付け法に用いるフラックス組成物としては、はんだ付け性だけでなく、フラックス残さがパレットマスクに堆積しにくいことが求められる。フラックス残さがパレットマスクに堆積しやすい場合には、パレットマスクに堆積したフラックス残さを頻繁に洗浄しなければならず、生産性が低下する。また、パレットマスクに堆積したフラックス残さが、電子基板に付着して、基板の性能を損なうおそれもある。
特許文献1に記載のようなフラックス組成物では、組成物中のロジンの配合量が多いために、フラックス残さがパレットマスクに堆積しやすいという問題がある。一方で、ロジン量を少なくすると、ブリッジやつららといった問題が発生してはんだ付け性が低下する傾向にある。さらに、このはんだ付け性を補うために、活性剤の配合量を多くすると、フラックス残さの絶縁信頼性が低下するといった問題もある。このように、はんだ付け性と、フラックス残さの堆積のしにくさとはトレードオフの関係にあり、従来はこれらを両立させることは困難であった。
さらに、局所はんだ付け法では、全面はんだ付けのフローはんだ付け法と比較して、パレットマスクの厚みの影響により、はんだが付着しにくくなる。そこで、局所はんだ付け法では、はんだ槽の噴流波を高くしたり、はんだ槽の噴流速度を上げたり、溶融はんだに接触させる際のコンベア速度を遅くしたりする。このような場合、溶融はんだからはんだ付け部を切り離しにくくなり、結果として、ブリッジやつららといった問題が発生しやすくなる傾向にある。
特許文献2には、高軟化点のロジン系樹脂と、低軟化点のロジン系樹脂をフラックス中に含有させることで、はんだ付け性とフラックス残さの堆積のしにくさを両立したことが報告されている。
[1]
(A)ロジン系樹脂と、(B)活性剤と、(C)溶剤と、(D)クロレンド酸誘導体とを含有し、
前記(A)成分が、(i)軟化点が120℃以上である第一ロジン系樹脂と、(ii)
水素添加ロジンおよび不均化ロジンからなる群から選択される少なくとも1種であって、軟化点が90℃以下である第二ロジン系樹脂と、を含有する
フラックス組成物。
[2]
前記(B)成分が、(iii)アミン類とフッ素化合物との塩を含有する、上記[1]
記載のフラックス組成物。
[3]
前記(B)成分が、(iv)有機酸を含有する、上記[1]又は[2]に記載のフラッ
クス組成物。
[4]
前記(ii)成分が、水添ロジンである、上記[1]〜[3]のいずれか記載のフラッ
クス組成物。
[5]
前記(ii)成分の前記(i)成分に対する質量比((ii)/(i))が、2以上1
0以下である、上記[1]〜[4]のいずれか記載のフラックス組成物。
[6]
(E)有機リン化合物を更に含む、上記[1]〜[5]のいずれか記載のフラックス組成物。
[7]
前記(D)成分が、クロレンド酸エステル及びクロレンド酸アミドからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、上記[1]〜[6]のいずれか記載のフラックス組成物。
[8]
前記クロレンド酸エステルが、以下の式(1)〜(5)からなる群から選ばれるいずれか1種以上であり、前記クロレンド酸アミドが、以下の式(6)〜(11)からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、上記[7]記載のフラックス組成物。
局所はんだ付け用である、上記[1]〜[8]のいずれか記載のフラックス組成物。
[10]
電子部品を電子基板に挿入するとともに、前記電子部品のはんだ付けを行う箇所に開口部が設けられたパレットマスクに、前記電子基板を取り付ける工程と、
前記電子基板のはんだ付け面に、上記[1]〜[9]のいずれか記載のフラックス組成物を塗布する工程と、
前記電子基板のはんだ付け面を、溶融はんだに接触させて、はんだ付けを行う工程と、
を含むはんだ付け方法。
本実施形態に用いる(A)ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンが挙げられ、水素添加ロジンとしては、完全水添ロジン、水添ロジン、並びに、不飽和有機酸((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸など)の変性ロジンである不飽和有機酸変性ロジンの水素添加物(「水添酸変性ロジン」ともいう)が挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、上記の誘導体を用いてもよい。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ン系樹脂と、(ii)水素添加ロジンおよび不均化ロジンからなる群から選択される少な
くとも1種であって、軟化点が90℃以下である第二ロジン系樹脂とを含有する。このように(i)成分および(ii)成分を併用することにより、局所はんだ付けを行う場合に
おいて、パレットマスクにフラックス残さが堆積しにくくなる傾向にある。さらに、(i
)成分および(ii)成分を併用することにより、ロジン樹脂の軟化点を調整できるため
、局所はんだ付けの際に、ロジン樹脂自体が邪魔になることに起因する未はんだの発生を防止できる傾向にある。
前記(i)成分は、前記(A)成分のうち、軟化点が120℃以上であるロジン系樹脂
である。はんだ付け性の観点からは、前記(i)成分の軟化点は、130℃以上であるこ
とが好ましい。なお、軟化点は、環球法により測定できる。
ンからなる群から選択される少なくとも1種であって、軟化点が90℃以下であるロジン系樹脂である。パレットマスクにフラックス残さが更に堆積しにくくなるという観点からは、水素添加ロジンを用いることがより好ましい。
さらに、フラックス残さがより流動しやすいという観点からは、前記(ii)成分の軟
化点は、85℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
合度合を調整すること、ロジンの変性方法を変更すること、ロジンの分子量を調整すること、ロジンに水素化反応を施すこと、ロジンにエステル化反応またはエステル交換反応を施すことなどが挙げられる。例えば、重合度合が高くなるほど軟化点が高くなる傾向にあり、アクリル酸やマレイン酸により変性することで軟化点が高くなる傾向にあり、分子量が高くなるほど軟化点が高くなる傾向にある。
(i))は、2以上10以下であることが好ましく、2.5以上8以下であることがより
好ましく、3以上6以下であることが更により好ましく、3.5以上5.5以下であることが特に好ましい。質量比が前記下限以上である場合、パレットマスクにフラックス残さをより堆積しにくくできる傾向にある。他方、質量比が前記上限以下である場合、ブリッジやつららの発生をより確実に抑制できる傾向にある。
本実施形態に用いる(B)活性剤としては、アミン類とフッ素化合物との塩、有機酸、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、およびアミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。(B)成分としては、溶融はんだからはんだ付け部を切り離しやすくでき、ブリッジやつららをより確実に抑制できるという観点から、(iii)アミン類とフッ素化合物との塩を含有することが好ましい。
あってもよく、ピペリジンなどの環状アミンであってもよい。また、前記(iii)成分
におけるフッ素化合物としては、3フッ化ホウ素、およびホウフッ化水素酸などが挙げられる。
なお、前記(iii)成分は、置換基を有していてもよいピペリジンを配位子とする錯
体であってもよい。錯体の金属としては、ホウ素、銅、およびアルミニウムなどが挙げられる。
前記(iii)成分としては、例えば、3フッ化ホウ素ピペリジン錯塩、およびn−ブ
チルアミンホウフッ化水素酸塩が挙げられる。これらの中でも、3フッ化ホウ素ピペリジン錯塩が特に好ましい。
量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。(iii
)成分の配合量が前記下限以上である場合、ブリッジやつららをより確実に抑制できる傾向にある。他方、前記上限以下である場合、フラックス組成物中にピペリジン錯塩を溶解でき、液としての安定性を確保できる傾向にある。
好ましい。
前記(iv)成分としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機
酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。
質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上4質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。(iv)成分
の配合量が前記下限以上である場合、はんだ付け性を更に向上できる傾向にあり、前記上限以下である場合、フラックス組成物の絶縁性を確保できる傾向にある。
活性剤((v)成分)を含有してもよい。(v)成分としては、非解離性のハロゲン化化
合物からなる非解離型活性剤、および前記(iii)成分以外のアミン系活性剤などが挙
げられる。なお、ここでの非解離性のハロゲン化化合物には、後述する(D)成分は含まれない。
ハロゲン化アルコールとしては、例えば、2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、およびトリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、および1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコールが挙げられる。ハロゲン化カルボキシルとしては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、および5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル、2−クロロ安息香酸、および3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、および2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシルが挙げられる。
のポリアミンなど)、アミン塩類(エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、およびジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびバリンなど)、および、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、エチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、およびセバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、および、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
本実施形態に用いる(C)溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができるが、中でも、沸点100℃以下の水溶性溶剤を用いることが好ましい。前記(C)成分としては、例えば、エチルアルコール、およびイソプロピルアルコールなどが挙げられ、これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態における(D)クロレンド酸誘導体は、クロレンド酸と各種化合物を反応させて得られる誘導体であれば特に限定されないが、クロレンド酸エステル及びクロレンド酸アミドからなる群から選ばれるいずれか1種以上であることが好ましい。
本実施形態における(E)有機リン化合物としては、特に限定されないが、好ましくはホスホン酸エステル及びフェニル置換ホスフィン酸から選択される少なくとも1種以上である。
フラックスが有機リン化合物としてホスホン酸エステルを含む場合、フラックス全体の質量に対するホスホン酸エステルの含有量は、好ましくは0.2〜1.5質量%であり、より好ましくは0.3〜1.0質量%である。
フラックスが有機リン化合物としてフェニル置換ホスフィン酸を含む場合、フラックス全体の質量に対するフェニル置換ホスフィン酸の含有量は、好ましくは0.2〜1.5質量%であり、より好ましくは0.3〜1.0質量%である。
はんだとしては、特に限定されず、公知の組成のはんだ合金を使用することができる。具体的には、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−In合金、Sn−Pb合金,Sn−Bi合金,Sn−Ag−Cu−Bi合金、Sn−Ag−Ni合金、Sn−Cu−Ni合金、Sn−Ag−Cu−Ni合金、Sn−Ag−Ni−Ge合金、Sn−Cu−Ni−Ge合金、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge合金や、上記合金組成にAg、Cu、In、Ni、Co、Sb、Ge、P、Fe、Zn、Ga等を更に添加した合金が挙げられる。
本実施形態のはんだ付け方法について説明する。本実施形態のはんだ付け方法は、上記で説明した本実施形態のフラックス組成物を用いるはんだ付け方法である。そして、本実施形態のはんだ付け方法は、以下に説明する取付工程、フラックス塗布工程およびはんだ付け工程を備える方法である。
そして、図3に示すように、電子部品Bを電子基板Aに挿入するとともに、パレットマスクCに電子基板Aを取り付ける。
電子基板Aとしては、例えば、プリント配線基板などが挙げられる。
電子部品Bは、電子基板Aのスルーホールに挿入可能で、挿入後にはんだ付けをすることで実装する方法(いわゆるスルーホール実装)で用いるものである。電子部品Bとしては、集積回路、トランジスタ、ダイオード、抵抗器およびコンデンサなどが挙げられる。
パレットマスクCは、電子部品Bのはんだ付けを行う箇所に開口部C1が設けられている。すなわち、パレットマスクCには、図3および図4に示すように、電子部品Bのはんだ付けを行う箇所に開口部C1が設けられている。そして、電子基板Aのはんだ付け面A1は、開口部C1では、溶融はんだと接触できるが、開口部C1以外の部分においては、溶融はんだと接触できない。
この取付工程においては、先に、電子部品Bを電子基板Aに挿入してもよいし、先に、パレットマスクCに電子基板Aを取り付けてもよい。
フラックス組成物の塗布装置としては、スプレーフラクサー、および発泡式フラクサーなどを採用できる。これらの中でも、塗布量の安定性の観点から、スプレーフラクサーが好ましい。
フラックス組成物の塗布量は、はんだ付け性の観点から、30mL/m2以上150mL/m2以下であることが好ましく、40mL/m2以上120mL/m2以下であることがより好ましく、50mL/m2以上100mL/m2以下であることが特に好ましい。
パレットマスクCの開口部C1以外の部分においては、溶融はんだが電子基板Aのはんだ付け面A1に接触しない。一方で、パレットマスクCの開口部C1においては、溶融はんだが電子基板Aのはんだ付け面A1に接触する。そのため、電子部品Bのはんだ付けを行う箇所に限って局所的にはんだ付けをすることができる。
溶融はんだを接触させる方法としては、溶融はんだを電子基板Aに接触できる方法であればよく、特に限定されない。このような方法としては、例えば、電子基板Aに噴流する溶融はんだに接触させる方法(フローはんだ付け法)を採用してもよい。また、溶融はんだの入ったはんだ槽を電子基板Aに接触させる方法を採用してもよい。
はんだ付けの条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、溶融はんだの温度は、230℃以上280℃以下、好ましくは250℃以上270℃以下、に設定すればよい。また、プリヒートとしては、加熱温度80℃以上130℃以下、好ましくは90℃以上120℃以下、に設定すればよい。
((i)成分)
第一ロジン系樹脂A:水添酸変性ロジン(軟化点:約130℃)
第一ロジン系樹脂B:重合ロジン(軟化点:約140℃)
((ii)成分)
第二ロジン系樹脂A:水添ロジン(軟化点:約80℃)
第二ロジン系樹脂B:不均化ロジン(軟化点:約80℃)
第二ロジン系樹脂C:完全水添ロジン(軟化点:約80℃)
((iii)成分)
活性剤A:3フッ化ホウ素ピペリジン錯塩
((iv)成分)
活性剤B:コハク酸
活性剤C:パルチミン酸
((v)成分)
活性剤D:エチルアミン臭化水素酸塩
活性剤E:トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール
溶剤:イソプロピルアルコール
表中のクロレンド酸モノメチルエステルは以下の式(1)で表される化合物を示し、クロレンド酸モノエチルエステルは以下の式(2)で表される化合物を示し、クロレンド酸モノイソプロピルエステルは以下の式(3)で表される化合物を示し、クロレンド酸モノエチレングリコールエステルは以下の式(4)で表される化合物を示し、クロレンド酸ジメチルエステルは以下の式(5)で表される化合物を示す。各化合物は、いずれもその異性体(構造異性体・立体異性体)を含む。
有機リン化合物:2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスホネート
有機リン化合物:(モノ−/ジ−)イソデシルアシッドホスフェート
第一ロジン系樹脂A1質量%、第二ロジン系樹脂A10質量%、活性剤A0.4質量%、活性剤B0.2質量%、活性剤C2質量%、活性剤D0.6質量%、活性剤E0.5質量%、クロレンド酸エステル0.3質量%、溶剤85質量%を容器に投入し、混合してフラックス組成物を得た。
表1及び2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物を得た。
[比較例1〜3]
表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物を得た。
フラックス組成物の特性(フラックス残さの付着性、はんだ付け性、耐銅板腐食性)を以下のような方法で評価した。得られた結果を表1及び2に示す。
予め質量を測定しておいたセラミックス板(大きさ:25mm×25mm、厚み:1.6mm)に、0.02mLのフラックス組成物を塗布した後に、はんだ槽(静止はんだ槽、はんだ合金組成:Sn/3.0Ag/0.5Cu、はんだ槽の温度:265℃)に10秒間浸漬し、その後、セラミックス板を取り出す。この操作を5回繰り返し、そのときのセラミックス板の質量を測定し、セラミックス板に付着したフラックス残さの付着量(単位:g)を算出した。
また、上記の操作を20回繰り返した後に、セラミックス板に付着したフラックス残さの付着量(単位:g)を算出した。そして、下記の基準に従って、フラックス残さの付着性を評価した。
○:フラックス残さの付着量が、0.02g以下である。
△:フラックス残さの付着量が、0.02g超0.03g以下である。
×:フラックス残さの付着量が、0.03g超である。
評価基板(千住評価基板H12−06、大きさ:100mm×120mm、厚み:1.6mm、はんだ付けポイント数:272箇所)を、はんだ付けを行う箇所に開口部が設けられたパレットマスクに取り付けた。その後、パレットマスクに取り付けられた評価基板に、下記のはんだ付け条件で、はんだ付けを行った。
(はんだ付け条件)
はんだ付け装置:千住金属製の「SPF−300」
フラックス塗布装置:スプレーフラクサー(千住金属製の「SSF−300」)
フラックス塗布量:70mL/m2
コンベア速度:1m/min
プリヒート温度:100℃
はんだ槽の温度:255℃
はんだの合金組成:Sn/3.0Ag/0.5Cu
そして、はんだ付け後の評価基板を拡大鏡にて観察し、下記の基準に従って、はんだ付け性を評価した。
○:未はんだの発生がなく、ブリッジの発生が39箇所以下であり、かつ、つららの発生が5箇所以下である。
△:未はんだの発生がないが、ブリッジの発生が40箇所以上49箇所以下であるか、或いは、つららの発生が6箇所以上9箇所以下である。
×:未はんだの発生があるか、ブリッジの発生が50箇所以上であるか、或いは、つららの発生が10箇所以上である。
JIS Z 3197:2012に記載の方法により、下記の基準に従って、耐銅板腐食性を評価した。
○:合格
×:不合格
〇:上記(1)〜(3)の評価結果が全て〇もしくは△である場合
×:上記(1)〜(3)の評価結果の1つ以上が×である場合
また、上記実施例で用いている具体的なクロレンド酸エステル及びクロレンド酸アミド以外のクロレンド酸誘導体を用いた場合も同様の効果を奏することを確認した。同様に、上記実施例で用いている具体的なはんだ合金以外のはんだを用いた場合も同様の効果を奏することを確認した。
A1…はんだ付け面
B…電子部品
C…パレットマスク
C1…開口部
Claims (7)
- (A)ロジン系樹脂と、(B)活性剤と、(C)溶剤と、(D)クロレンド酸誘導体とを含有し、
前記(A)成分が、(i)軟化点が120℃以上である第一ロジン系樹脂と、(ii)水
素添加ロジンおよび不均化ロジンからなる群から選択される少なくとも1種であって、軟化点が90℃以下である第二ロジン系樹脂と、を含有し、
前記(ii)成分の前記(i)成分に対する質量比((ii)/(i))が、2以上10
以下であり、
前記(B)成分が、有機酸と、アミン系活性剤と、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤とを含有し、
前記(D)成分が、クロレンド酸エステル及びクロレンド酸アミドからなる群から選ばれるいずれか1種以上であり、
前記(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、3質量%以上20質量%以下であり、
前記(D)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下である、
フラックス組成物。 - 前記(B)成分が、(iii)アミン類とフッ素化合物との塩を含有する、請求項1記載
のフラックス組成物。 - 前記(ii)成分が、水添ロジンである、請求項1又は2に記載のフラックス組成物。
- (E)有機リン化合物を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のフラックス組成物。
- 前記クロレンド酸エステルが、以下の式(1)〜(5)からなる群から選ばれるいずれか1種以上であり、前記クロレンド酸アミドが、以下の式(6)〜(11)からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、請求項1〜4のいずれか1項記載のフラックス組成物。
- 局所はんだ付け用である、請求項1〜5のいずれか1項記載のフラックス組成物。
- 電子部品を電子基板に挿入するとともに、前記電子部品のはんだ付けを行う箇所に開口部が設けられたパレットマスクに、前記電子基板を取り付ける工程と、
前記電子基板のはんだ付け面に、請求項1〜6のいずれか1項記載のフラックス組成物を塗布する工程と、
前記電子基板のはんだ付け面を、溶融はんだに接触させて、はんだ付けを行う工程と、
を含むはんだ付け方法。
Priority Applications (2)
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