JP6753109B2 - リーキーガットの予防又は改善用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、リーキーガットの予防又は改善用組成物に関する。
腸管は栄養吸収と生体防衛との衝突の場である。すなわち、腸管は外来因子を消化し栄養素として体内に吸収する機能を持つ一方で、外来因子が自由拡散により体内(血中)へ移行することのないように防御する機能を持つ。このような防御機構は、タイトジャンクションと呼ばれる細胞間接着構造が隣接する腸管粘膜上皮細胞同士をシールすることにより成立している。タイトジャンクションは、上皮細胞側底膜の刷子縁膜近傍に局在する巨大なタンパク質複合体であり、occludinやclaudinなどの膜貫通型タンパク質とzonula occludensなどの細胞内裏打ちタンパク質から構成される(非特許文献1)。
腸管腔内には腸内細菌由来のエンドトキシンを始めとする有害な外来因子が存在するが、タイトジャンクションはこのような有害な物質の血中移行を防御している。しかしながら、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)の服用、炎症性腸疾患、飲酒、メタボリックシンドローム、ストレス等様々な疾患や生活場面においてタイトジャンクションの機能に異常が生じ、これに伴って腸管腔内の有害物質が血中移行している可能性を示唆する報告もある。このような状態はリーキーガット(腸管壁浸漏症候群)とも呼ばれている(非特許文献2〜5)。
したがって、リーキーガットを予防又は改善する食品や薬剤は、上に記載したような様々な疾患や生活場面におけるリーキーガットに関係する不健康・疾患の予防又は改善にも有効であることが期待される。また、タイトジャンクションを構成するタンパク質、及びこれらの発現を制御するサイトカインの発現を調節することによりリーキーガットを改善できる可能性についても考えられている(非特許文献1)ため、タイトジャンクション関連遺伝子の発現を調節する食品や薬剤は、リーキーガットに関係する不健康・疾患の予防又は改善にも有効であることが期待される。
既報ではグルタミン(非特許文献6)や、プロバイオティクス(非特許文献7)にリーキーガット改善作用が報告されているが、現在に至るまでリーキーガットを予防又は改善させる食品や薬剤は開発されていない。同様にタイトジャンクション関連遺伝子の発現を調節する食品や薬剤も開発されていない。
一方、グアーガム等が健常な腸管の透過性に影響を与えうるとの報告がある(非特許文献8)。しかしながら、健常な腸管の透過性の状態とタイトジャンクション機能の異常に伴うリーキーガットと称される腸管透過性が過剰に亢進した状態とでは腸管から血中への物質輸送の機構は全く異なると考えられ、グアーガム等がリーキーガットに対し予防又は改善作用を示すか否かは上記報告からは推定できない。
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本発明の目的は、新規のリーキーガットの予防又は改善用組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、グアーガム分解物、難消化性デキストリン及びアルギン酸の塩等の食物繊維にリーキーガットを予防又は改善する作用を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の通りである。
(1)ガラクトマンナン、難消化性デキストリン及びアルギン酸の塩からなる群の少なくとも一つを含有することを特徴とするリーキーガットの予防又は改善用組成物。
(2)ガラクトマンナン、難消化性デキストリン及びアルギン酸の塩からなる群の少なくとも一つを含有することを特徴とする腸管透過性亢進抑制用組成物。
(3)ガラクトマンナン、難消化性デキストリン及びアルギン酸の塩からなる群の少なくとも一つを含有することを特徴とするタイトジャンクション調節用組成物。
(4)ガラクトマンナンがグアーガム分解物である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の組成物。
(5)飲食品組成物である(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
グアーガム分解物、難消化性デキストリン、及びアルギン酸ナトリウムにNSAIDs又は炎症性腸疾患に起因するリーキーガットを予防又は改善する作用が見出された。
アスピリン惹起性リーキーガットに対するグアーガム分解物投与の影響を示したグラフである(n=10)。***p0.001 vs Normal (t-test)、†††p<0.001vs Control (t-test) アスピリン惹起性リーキーガットに対する難消化性デキストリン投与の影響を示したグラフである(Normal n=9,Control n=11,難消化性デキストリンn=10)。***p<0.001 vs Normal (t-test)、†p<0.05 vs Control (t-test) DSS惹起性リーキーガットに対するグアーガム分解物投与の影響を示したグラフである(Normal,Control n=10, PHGG n=9)。**p<0.01 vs Normal (t-test)、†p<0.05 vs Control (t-test)。 DSS惹起性リーキーガットに対するアルギン酸ナトリウム投与の影響を示したグラフである(n=10)。**p<0.01 vs Normal (t-test)、†p<0.05 vs Control (t-test)。 アスピリンでリーキーガットを惹起した際の小腸におけるタイトジャンクション関連遺伝子発現変化に対するグアーガム分解物投与の影響を示したグラフである(n=5)。 DSSでリーキーガットを惹起した際の小腸におけるタイトジャンクション関連遺伝子発現変化に対するグアーガム分解物投与の影響を示したグラフである(n=5)。
本発明のリーキーガットの予防又は改善用組成物はガラクトマンナン、難消化性デキストリン及びアルギン酸の塩からなる群の少なくとも一つを含有し、これらの1種を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ガラクトマンナンは多糖類の一群であり、マンノースにガラクトースが結合したものをいう。例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、フェヌグリークガムがあり、より好ましくはグアーガムであり、特に好ましくはグアーガム分解物であり、製剤化しやすい利点がある。グアーガム分解物とは、グアーガムを熱、酸、酵素等で分解したものであり、平均分子量が約2,000〜約50,000のものが好ましい。グアーガムは豆科植物グアー(Cyamopsis tetragonoloba)の種子グアー豆由来の食経験が豊かな食品成分であるため、グアーガム分解物にリーキーガット改善作用が示されれば非常に利用価値が高いと考えられる。
難消化性デキストリンは加熱処理したデンプンをアミラーゼで加水分解し、未分解物より難消化性成分を分取し、調製される水溶性食物繊維である。難消化性デキストリンは、安全性のみでなく、低粘性、低甘味、熱および酸に対する安定性、保存性などの物性にも優れているために広範囲の食品への応用が可能であることから、難消化性デキストリンにリーキーガット改善作用が示されれば非常に利用価値が高いと考えられる。
アルギン酸は多糖類の一種であり、α−L−グルロン酸、β−D−マンヌロン酸がピラノース型で1,4−グリコシド結合で結合した構造を持っている。アルギン酸は主に褐藻に含まれる食経験が豊かな食品成分であるため、アルギン酸にリーキーガット改善作用が示されれば非常に利用価値が高いと考えられる。アルギン酸の塩とは例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウムがあり、より好ましくはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムであり、水溶性のために製剤化しやすい利点がある。
リーキーガットとは、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)の服用、炎症性腸疾患、飲酒、メタボリックシンドローム、ストレス等様々な刺激が原因となって腸管と血管の透過性が異常に亢進し、通常は腸管内に留まり便等を通して排出されるような有害物質が腸管から血中移行してしまうような状態を意味し、腸管壁浸漏症候群とも称される。したがって、リーキーガットの予防又は治療用組成物は、腸管透過性亢進抑制用組成物にもなり得る。ここで腸管とは、好ましくは小腸の腸管である。
タイトジャンクションは、上皮細胞側底膜の刷子縁膜近傍に局在する巨大なタンパク質複合体であり、腸管粘膜上皮細胞同士をシールすることにより腸管の透過性を適切に制御している。しかし、上記のような腸管の異常な透過性亢進が生じる際には、タイトジャンクションの機能にも異常が生じていると考えられる。タイトジャンクションの構成に関連する因子(タイトジャンクション関連因子)としては、タイトジャンクション構成タンパク質、及びこれらタイトジャンクション構成タンパク質の発現を制御するサイトカイン等があげられる。タイトジャンクション構成タンパク質としては、例えばclaudinファミリー、zonula occludens(ZO)ファミリー、occludinが挙げられ、好ましくはclaudin 1、claudin2、claudin4、及びZO−1である。タイトジャンクションタンパク質の発現を制御するサイトカインとしてはinterleukin(IL)が挙げられ、好ましくはIL−13である。
本願発明のリーキーガットの予防又は改善用組成物は、タイトジャンクション調節用組成物にもなり得る。タイトジャンクション調節用組成物とは、上記のタイトジャンクション関連因子の発現や機能を調節する機能を有する組成物を意味する。例えば、タイトジャンクション関連遺伝子の発現の異常な亢進や減弱を抑制したり、また、タンパク質の機能を調節したりする作用(酵素活性の調節、タンパク質どうしの結合の調節など)を有する組成物も含まれる。
本発明のリーキーガットの予防又は改善用組成物は、腸管透過性亢進に密接に関連した疾患であるクローン病、過敏性腸症候群(IBS)、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、下痢、便秘、肝機能低下、疲労等の疾患の予防又は改善用組成物として利用可能である。これらの予防又は改善用組成物は、例えば医薬品や食品等の有効成分として使用することが可能である。また、本発明の組成物を機能性表示食品、特定保健用食品等の飲食品組成物として用いる場合、「傷んだ腸管からの有害物質の侵入を抑える」、「ダメージを受けた腸管からの有害物質の侵入を抑える」、「荒れた腸管からの有害物質の侵入を抑える」、「すかすかになった腸管からの有害物質の侵入を抑える」、「不健康な腸管を、健康に、丈夫に、元気にする」等の表示をして提供することが可能である。
本発明における組成物は、公知の製剤学的方法により製剤化することができる。例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、細粒剤、フィルムコーティング剤、ペレット剤、トローチ剤、舌下剤、咀嚼剤、バッカル剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤、乳剤、ペースト剤、エアゾール剤、注射剤、坐剤などとして、経口的又は非経口的に使用することができる。
これら製剤化においては、薬理学上もしくは飲食品として許容される担体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、溶剤、基剤、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、芳香剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤、希釈剤、等張化剤、増量剤、崩壊剤、緩衝剤、コーティング剤、滑沢剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤と適宜組み合わせることができる。
本発明の組成物を医薬組成物として用いる場合には、内服用固形剤や内服用液剤などの経口用製剤として提供することが好ましい。本発明の組成物を飲食品組成物として用いる場合、当該飲食品組成物は、例えば、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、病者用食品、あるいは食品添加物であり得る。飲食品組成物の具体例としては、ドリンク類、スープ類、乳飲料、清涼飲料水、茶飲料、アルコール飲料、ゼリー状飲料、機能性飲料等の液状食品;食用油、ドレッシング、マヨネーズ、マーガリンなどの油分を含む製品;飯類、麺類、パン類等の炭水化物含有食品;ハム、ソーセージ等の畜産加工食品;かまぼこ、干物、塩辛等の水産加工食品;漬物等の野菜加工食品;ゼリー、ヨーグルト等の半固形状食品;みそ、発酵飲料等の発酵食品;洋菓子類、和菓子類、キャンディー類、ガム類、グミ、冷菓、氷菓等の各種菓子類;カレー、あんかけ、中華スープ等のレトルト製品;インスタントスープ、インスタントみそ汁等のインスタント食品や電子レンジ対応食品等が挙げられる。さらには、粉末、穎粒、錠剤、カプセル剤、液状、ペースト状またはゼリー状に調製された健康飲食品も挙げられる。本発明における飲食品組成物の製造は、当該技術分野に公知の製造技術により実施することができる。
本発明の組成物摂取量は、医薬品や食品等の形態、摂取する人の年齢、体重、性別、摂取の目的等に応じて適宜決定でき、特に限定されるものではないが、通常、食物繊維の量が1日成人1人当たり0.01〜50グラム程度、好ましくは0.05〜10グラム程度となるような量を、1回又は数回に分けて摂取することができる。
以下に試験例を挙げ、本発明について具体的に説明する。我々はリーキーガットモデルを用い、食物繊維についてリーキーガットの予防又は改善作用、及びタイトジャンクション関連遺伝子発現調節作用を検討することとした。リーキーガットモデルとしては、マウスアスピリン惹起性リーキーガットモデル及びマウスデキストラン硫酸ナトリウム誘発性(炎症性腸疾患惹起性)リーキーガットモデルを用いた。
試験例1 アスピリン(ASA)惹起性リーキーガットに対するグアーガム分解物(PHGG)の影響
マウスに17時間絶食を施した後、Normal群には5%アラビアゴム溶液を10mL/kgの容量で経口投与した。Control群には5%アラビアゴム溶液にて調製したASA懸濁液を300mg/kgの用量で経口投与した。PHGG群には20%PHGG溶液にて調製したASA懸濁液を300mg/kgの用量で経口投与した。5%アラビアゴム溶液又はASA懸濁液投与4時間後にリーキーガット評価を行った。リーキーガットは、経口投与したフルオレセインイソチオシアネートデキストラン(FITC-D)が腸を透過し血中に移行する量を指標に評価することとした。すなわち、FITC-Dを600mg/kgの用量で経口投与し、その1時間後に麻酔下にて腹大静脈より血液を採取し、ヘパリンを添加したエッペンチューブに移し転倒混和後に氷冷する。採血終了後、遠心分離(12000rpm、4℃、3分間)によりサンプルから血漿を採取し、血漿中FITC-Dの蛍光強度を蛍光分光光度計を用いて測定した。
<試験結果>
Normal群と比較し、Control群にて血中FITC-D濃度が高く(図1)、ASAによりリーキーガットが生じていることが確認された。Control群と比較し、PHGG群にて血中FITC-D濃度が低く、PHGGによりASA惹起性リーキーガットが改善していることが示された。
試験例2 アスピリン(ASA)惹起性リーキーガットに対する難消化性デキストリンの影響
マウスに17時間絶食を施した後、Normal群には5%アラビアゴム溶液を10mL/kgの容量で経口投与した。Control群には5%アラビアゴム溶液にて調製したASA懸濁液を300mg/kgの用量で経口投与した。難消化性デキストリン群には20%難消化性デキストリン溶液にて調製したASA懸濁液を300mg/kgの用量で経口投与した。5%アラビアゴム溶液又はASA懸濁液投与4時間後にリーキーガット評価を行った。リーキーガットは、経口投与したフルオレセインイソチオシアネートデキストラン(FITC-D)が腸を透過し血中に移行する量を指標に評価することとした。すなわち、FITC-Dを600mg/kgの用量で経口投与し、その1時間後に麻酔下にて腹大静脈より血液を採取し、ヘパリンを添加したエッペンチューブに移し転倒混和後に氷冷する。採血終了後、遠心分離(12000rpm、4℃、3分間)によりサンプルから血漿を採取し、血漿中FITC-Dの蛍光強度を蛍光分光光度計を用いて測定した。
<試験結果>
Normal群と比較し、Control群にて血中FITC-D濃度が高く(図2)、ASAによりリーキーガットが生じていることが確認された。Control群と比較し、難消化性デキストリン群にて血中FITC-D濃度が低く、難消化性デキストリンによりASA惹起性リーキーガットが改善していることが示された。
試験例3 デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)惹起性リーキーガットに対するPHGGの影響
DSS惹起性リーキーガットモデルはマウスに5% DSS水溶液を4日間飲水投与することにより作製した。PHGGは5%混餌にて投与した。Normal群は通常の飼料及び飲料水にて18日間飼育した後にリーキーガットを評価した。Control群は通常の飼料及び飲料水にて14日間飼育した後、通常飼料及びDSS水にて4日間飼育した後にリーキーガットを評価した。PHGG投与群はPHGG混餌飼料及び通常飲料水にて14日間飼育した後、PHGG混餌飼料及びDSS水で4日間飼育した後にリーキーガットを評価した。リーキーガットの評価は次のように行った。動物に一定期間の絶食を施した後、FITC-Dを600mg/kgの用量で経口投与し、その1時間後に麻酔下にて腹大静脈より血液を採取し、ヘパリンを添加したエッペンチューブに移し撹拌後に氷冷した後、遠心分離(12000rpm、4℃、3分間)によりサンプルから血漿を採取し、血漿中FITC-Dの蛍光強度を蛍光分光光度計を用いて測定した。
<試験結果>
Normal群と比較し、Control群にて血中FITC-D濃度が高く(図3)、DSSの飲水投与によりリーキーガットが生じていることが確認された。Control群と比較し、PHGG投与群にて血中FITC-D濃度が低く、PHGG投与によりDSS惹起性リーキーガットが改善していることが示された。
試験例4 デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)惹起性リーキーガットに対するアルギン酸ナトリウムの影響
DSS惹起性リーキーガットモデルはマウスに5% DSS水溶液を4日間飲水投与することにより作製した。アルギン酸ナトリウムは5%混餌にて投与した。Normal群は通常の飼料及び飲料水にて18日間飼育した後にリーキーガットを評価した。Control群は通常の飼料及び飲料水にて14日間飼育した後、通常飼料及びDSS水にて4日間飼育した後にリーキーガットを評価した。アルギン酸ナトリウム投与群は、アルギン酸ナトリウム混餌飼料及び通常飲料水にて14日間飼育した後、アルギン酸ナトリウム混餌飼料及びDSS水で4日間飼育した後にリーキーガットを評価した。リーキーガットの評価は次のように行った。動物に一定期間の絶食を施した後、FITC-Dを600mg/kgの用量で経口投与し、その1時間後に麻酔下にて腹大静脈より血液を採取し、ヘパリンを添加したエッペンチューブに移し撹拌後に氷冷した後、遠心分離(12000rpm、4℃、3分間)によりサンプルから血漿を採取し、血漿中FITC-Dの蛍光強度を蛍光分光光度計を用いて測定した。
<試験結果>
Normal群と比較し、Control群にて血中FITC-D濃度が高く(図4)、DSSの飲水投与によりリーキーガットが生じていることが確認された。Control群と比較し、アルギン酸ナトリウム投与群にて血中FITC-D濃度が低く、アルギン酸ナトリウムによりDSS惹起性リーキーガットが改善していることが示された。
試験例5 ASA惹起性タイトジャンクション関連遺伝子発現変化に対するグアーガム分解物投与の影響
マウスに17時間絶食を施した後、Normal群はMilliQ水(PHGG投与液の媒体)を10mL/kgの容量で経口投与し、その直後に5%アラビアゴム溶液(ASA懸濁液の媒体)を10mL/kgの容量で経口投与した。Control群はMilliQ水を10mL/kgの容量で経口投与し、ASA懸濁液を300mg/kgの用量で経口投与した。PHGG群は20%PHGG溶液を10mL/kgの容量で経口投与し、ASA懸濁液を300mg/kgの用量で経口投与した。媒体又はASA投与4時間後にタイトジャンクション関連遺伝子発現量測定を行った。すなわち、麻酔下にて動物から小腸を採取した後にそれらサンプルよりRNAを抽出し、得られたトータルRNAからcDNAを合成し、得られたcDNAを定量Real-time PCR(RT-PCR)に用いた。ZO-1、claudin2、claudin4、interleukin−13(IL−13)、及びGapdh mRNA発現を定量RT-PCR法にて測定した。各遺伝子発現量は、それぞれ内因性コントロールであるGapdhで補正し、Normal群を1とした場合の相対値として算出した。
<試験結果>
Normal群と比較し、Control群にてZO−1、claudin2、claudin4、及びIL−13発現量が多く(図5)、アスピリンによりこれらタイトジャンクション関連遺伝子発現が変化していることが確認された。Control群と比較し、PHGG群にてZO−1、claudin2、claudin4、及びIL−13発現量が少なく、PHGGによりアスピリン惹起性タイトジャンクション関連遺伝子発現変化が抑制されていることが示された。
試験例6 DSS惹起性タイトジャンクション関連遺伝子発現変化に対するPHGG投与の影響
DSS惹起性リーキーガットモデルはマウスに5% DSS水溶液を5日間飲水投与することにより作製した。PHGGは5%混餌にて投与した。Normal群は通常の飼料及び飲料水にて19日間飼育した後にタイトジャンクション関連遺伝子発現量を測定した。Control群は通常の飼料及び飲料水にて14日間飼育した後,通常飼料及びDSS水にて5日間飼育した後にタイトジャンクション関連遺伝子発現量を測定した。PHGGプレ投与群はPHGG混餌飼料及び通常飲料水にて14日間飼育した後、PHGG混餌飼料及びDSS水で5日間飼育した後にタイトジャンクション関連遺伝子発現量を測定した。PHGG同時投与群は通常飼料及び飲料水にて14日間飼育した後、PHGG混餌飼料及びDSS水にて5日間飼育した後にタイトジャンクション関連遺伝子発現測定を行った。すなわち、麻酔下にて動物から小腸を採取した後にそれらサンプルよりRNAを抽出し、得られたトータルRNAからcDNAを合成し、得られたcDNAを定量RT- PCRに用いた。claudin1及びB2m mRNA発現を定量RT-PCR法にて測定した。遺伝子発現量は、内因性コントロールであるB2mとの相対値として算出した。
<試験結果>
Normal群と比較し、Control群にてclaudin1 mRNA発現量が多く、DSS飲水によりタイトジャンクション関連遺伝子発現が変化していることが確認された。Control群と比較し、PHGGプレ投与群及びPHGG同時投与群にてclaudin1発現量が少なく、PHGGによりDSS惹起性タイトジャンクション関連遺伝子発現変化が抑制されていることが示された。(図6)。
本発明により、新規のリーキーガットの予防又は改善用組成物を提供することが可能となった。さらには、新規の腸管透過性亢進抑制用組成物やタイトジャンクション調節用組成物の提供が可能になった。本発明の組成物は、腸管透過性亢進に密接に関連した疾患であるクローン病、過敏性腸症候群(IBS)、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、下痢、便秘、肝機能低下、疲労の疾患の予防又は治療用組成物として利用可能であり、例えば医薬品や食品等の有効成分として使用することが可能である。

Claims (3)

  1. ルギン酸の塩を含有することを特徴とするリーキーガットの予防又は改善用組成物(ただし、大腸の炎症性疾患の予防又は治療用組成物を除く)。
  2. ルギン酸の塩を含有することを特徴とする腸管透過性亢進抑制用組成物(ただし、大腸の炎症性疾患の予防又は治療用組成物を除く)。
  3. 飲食品組成物である請求項1又は2に記載の組成物。
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