JP6753068B2 - タイミング信号生成装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、タイミング信号生成装置、電子機器および移動体に関する。
例えばGPS(Global Positioning System)衛星からの衛星信号等に含まれる正確なタイミング信号を用いてタイミング信号を生成するタイミング信号生成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、このようなタイミング信号生成装置は、衛星信号に含まれるタイミング信号に同期させて発振する水晶発振器や原子発振器等の発振器を備え、例えば衛星信号を受信できない状況下になったとき、同期処理を停止させて、発振器を自走させることによりタイミング信号を生成する。
特開2010−68065号公報
従来のタイミング信号生成装置は、衛星信号を受信しているか否かにかかわらず、発振器を常時駆動させるため、消費電力が大きいという問題があった。
本発明の目的は、消費電力を低減することができるタイミング信号生成装置を提供すること、また、かかるタイミング信号生成装置を備える電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のタイミング信号生成装置は、リファレンス信号に基づいて第1基準信号を生成する第1基準信号生成部と、
クロック信号を出力する発振器を有し、前記クロック信号に基づいて第2基準信号を生成する第2基準信号生成部と、
前記第1基準信号を出力する第1状態と前記第2基準信号を出力する第2状態とを切換可能な切換部と、
前記リファレンス信号の状態に基づいて前記切換部の切り換えを制御する機能を有し、前記第1状態において前記第2基準信号生成部への電力供給を停止または減少させる制御部と、を備えることを特徴とする。
このようなタイミング信号生成装置によれば、リファレンス信号の状態が良好なとき、第1状態とすることで、リファレンス信号に基づく第1基準信号を高精度なタイミング信号として出力することができる。一方、リファレンス信号の状態が悪化したとき、第2状態とすることで、発振器のクロック信号に基づく第2基準信号をタイミング信号として出力してタイミング精度の劣化を低減することができる。
特に、第1状態において、第2基準信号生成部への電力供給を停止または減少させることで、タイミング信号生成装置全体の消費電力を効果的に低減することができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記リファレンス信号の状態を判断する判断部を備え、
前記制御部は、前記判断部の判断結果に基づいて前記切換部の切り換えを制御することが好ましい。
これにより、判断部の判断結果に基づいて、リファレンス信号の状態が良好なとき、第1状態とし、一方、リファレンス信号の状態が悪化したとき、第2状態とすることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記発振器は、ヒーターを有し、
前記制御部は、前記第1状態において前記ヒーターを停止させることが好ましい。
一般に、ヒーターを有する発振器は、ヒーターを有しない発振器に比べて消費電力が極めて大きくなる。したがって、第1状態において、ヒーターを停止させることで、効率的に省電力化を図ることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記第1基準信号生成部は、
前記第1基準信号を出力する水晶発振器と、
前記第1基準信号を前記リファレンス信号に位相同期させる第1位相同期部と、を有することが好ましい。
これにより、第1状態における短期周波数安定度および長期周波数安定度を優れたものとすることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記第2基準信号生成部は、前記第2基準信号を前記第1基準信号に位相同期させる第2位相同期部を有することが好ましい。
これにより、水晶発振器を自走発振させてから第1状態から第2状態へ切り換えることで、第2状態において、切り換え直前の第1基準信号と同期した第2基準信号をタイミング信号として出力することができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記制御部は、前記切換部の前記第1状態から前記第2状態への切り換えを、前記第2基準信号生成部の電力供給の停止または減少を解除した後に行うことが好ましい。
これにより、リファレンス信号の状態が悪化したときに、第1状態から第2状態に切り換えるまでの間、出力するタイミング信号の精度を水晶発振器による第1基準信号の精度で担保しながら、第2基準信号生成部の駆動状態を安定化させることができる。そして、第2基準信号生成部の駆動状態が安定化した後に、第1状態から第2状態へ切り換えることで、出力するタイミング信号の精度を第2基準信号生成部の精度で担保することができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、時間長さに関する情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記切換部の前記第1状態から前記第2状態への切り換えを、前記第2基準信号生成部への電力供給の停止または減少を解除してから前記時間長さ経過後に行うことが好ましい。
これにより、水晶発振器の周波数精度を担保できる時間長さや、第2基準信号生成部の駆動状態の安定化に要する時間長さを記憶部に記憶しておくことで、リファレンス信号の状態が悪化したときに、第1状態から第2状態に切り換えるまでの間、出力するタイミング信号の精度を水晶発振器による第1基準信号の精度で担保しながら、第2基準信号生成部の駆動状態を安定化させることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記第2位相同期部は、前記第1基準信号と前記第2基準信号との位相差に応じた信号を出力する位相比較器を有し、
前記制御部は、前記第2基準信号生成部への電力供給の停止または減少を解除した後、前記位相比較器の出力に基づいて、前記切換部の前記第1状態から前記第2状態への切り換えを行うことが好ましい。
これにより、位相比較器の出力に基づいて、第2基準信号生成部の駆動状態が安定化したか否かを判断し、その判断結果に基づいて、第2基準信号生成部の駆動状態が安定化した後に、第1状態から第2状態へ切り換えることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記第2基準信号生成部の前記発振器は、原子発振器であることが好ましい。
これにより、第2基準信号生成部の長期周波数安定度を極めて優れたものとすることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記第2基準信号生成部の前記発振器は、恒温槽型水晶発振器であることが好ましい。
これにより、第2基準信号生成部の長期周波数安定度および短期周波数安定度の双方を優れたものとすることができる。
本発明のタイミング信号生成装置では、前記リファレンス信号は、衛星信号であることが好ましい。
これにより、協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)に同期した正確なリファレンス信号(1PPS)を用いることができる。
本発明の電子機器は、本発明のタイミング信号生成装置を備えていることを特徴とする。
これにより、消費電力を低減したタイミング信号生成装置を備える電子機器を提供することができる。
本発明の移動体は、本発明のタイミング信号生成装置を備えていることを特徴とする。
これにより、消費電力を低減したタイミング信号生成装置を備える移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るタイミング信号生成装置の概略構成を示す図である。 図1に示すタイミング信号生成装置が備えるGPS受信機の構成例を示すブロック図である。 図1に示すタイミング信号生成装置における切換部の制御を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るタイミング信号生成装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るタイミング信号生成装置の概略構成を示す図である。 本発明の電子機器の実施形態を示すブロック図である。 本発明の移動体の実施形態を示す図である。
以下、本発明のタイミング信号生成装置、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.タイミング信号生成装置
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイミング信号生成装置の概略構成を示す図である。
図1に示すタイミング信号生成装置1は、GPS受信機10、処理部(CPU)20、温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)30a、原子発振器30b、温度センサー40、GPSアンテナ50および切換部70を含んで構成されている。
なお、タイミング信号生成装置1は、構成要素の一部または全部が物理的に分離されていてもよいし、一体化されていてもよい。例えば、GPS受信機10と処理部(CPU)20はそれぞれ別個のICで実現されていてもよいし、GPS受信機10と処理部(CPU)20は1チップのICとして実現されていてもよい。
このタイミング信号生成装置1は、GPS衛星2(位置情報衛星の一例)から送信された衛星信号(リファレンス信号)を受信し、高精度のタイミング信号を生成するものである。後に詳述するが、本実施形態では、処理部20がPLL回路60a、60b(第1、第2位相同期部)を備えており、GPS受信機10、温度補償型水晶発振器30a(水晶発振器)およびPLL回路60aが衛星信号に基づいて第1基準信号を生成する第1基準信号生成部1aを構成し、また、原子発振器30b(発振器)およびPLL回路60bが原子発振器30bのクロック信号に基づいて第2基準信号を生成する第2基準信号生成部1bを構成している。そして、切換部70が第1基準信号と第2基準信号とを選択的に切り換えて出力する。この切り換えは、処理部20が備える制御部26が衛星信号の受信状態に基づいて行う。
GPS衛星2は、地球の上空の所定の軌道上を周回しており、搬送波である1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージおよびC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)を重畳(搬送波を変調)させた衛星信号を地上に送信している。まず、この衛星信号について以下に説明する。
C/Aコードは、現在約30個存在するGPS衛星2の衛星信号を識別するためのものであり、各chipが+1または−1のいずれかである1023chip(1ms周期)からなる固有のパターンである。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
各GPS衛星2が送信する衛星信号(具体的には航法メッセージ)には、各GPS衛星2の軌道上の位置を示す軌道情報が含まれている。また、各GPS衛星2は原子時計を搭載しており、衛星信号には、原子時計で計時された極めて正確な時刻情報が含まれている。したがって、4つ以上のGPS衛星2からの衛星信号を受信し、各衛星信号に含まれている軌道情報および時刻情報を用いて測位計算を行うことで、受信点(GPSアンテナ50の設置場所)の位置と時刻の正確な情報を得ることができる。具体的には、受信点の3次元位置(x,y,z)および時刻tを4つの変数とする4次元方程式を立ててその解を求めればよい。
なお、受信点の位置が既知である場合、1つ以上のGPS衛星2からの衛星信号を受信し、各衛星信号に含まれている時刻情報を用いて受信点の時刻情報を得ることができる。
また、各衛星信号に含まれている軌道情報を用いて、各GPS衛星2の時刻と受信点の時刻との差の情報を得ることができる。なお、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星2に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメーターも含まれており、この時刻補正パラメーターを用いて受信点の時刻を補正することで極めて正確な時刻情報を得ることができる。
以上説明したような衛星信号は、GPS受信機10に接続されているGPSアンテナ50で受信される。
[GPS受信機]
GPS受信機10は、GPSアンテナ50を介して受信した衛星信号に基づいて、各種の処理を行う。
具体的に説明すると、GPS受信機10は、通常測位モードおよび位置固定モードを有し、処理部(CPU)20からの制御コマンド(モード設定用の制御コマンド)に応じて通常測位モードと位置固定モードのいずれかに設定される。
GPS受信機10は、通常測位モードでは、複数(好ましくは4個以上)のGPS衛星2から送信された衛星信号を受信し、受信した衛星信号に含まれる軌道情報(具体的には、エフェメリスデータやアルマナックデータ等)および時刻情報(具体的には、週番号データやZカウントデータ等)に基づいて測位計算を行う。通常測位モードは、継続的に測位計算を行うモードである。
また、GPS受信機10は、位置固定モードでは、少なくとも1つのGPS衛星2から送信された衛星信号を受信し、受信した衛星信号に含まれる軌道情報および時刻情報と設定された受信点の位置情報とに基づいて、1PPS(1 Pulse Per Second)を生成する。この1PPSは、UTC(世界標準時)と完全同期したパルス信号であり、1秒毎に1パルスを含む。位置固定モードは、あらかじめ設定された位置情報に基づいて1PPSを出力するモードである。
以下、GPS受信機10の構成について詳述する。
図2は、図1に示すタイミング信号生成装置が備えるGPS受信機の構成例を示すブロック図である。
図2に示すGPS受信機10は、SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルター11、RF処理部12、ベースバンド処理部13および温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)14を含んで構成されている。
SAWフィルター11は、GPSアンテナ50が受信した電波から衛星信号を抽出する処理を行う。このSAWフィルター11は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルターとして構成される。
RF処理部12は、PLL(Phase Locked Loop)121、LNA(Low Noise Amplifier)122、ミキサー123、IFアンプ124、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルター125およびADC(A/D変換器)126を含んで構成されている。
PLL121は、数十MHz程度で発振するTCXO14の発振信号を1.5GHz帯の周波数に逓倍したクロック信号を生成する。
SAWフィルター11が抽出した衛星信号は、LNA122で増幅される。LNA122で増幅された衛星信号は、ミキサー123でPLL121が出力するクロック信号とミキシングされて中間周波数帯(例えば、数MHz)の信号(IF信号)にダウンコンバートされる。ミキサー123でミキシングされた信号は、IFアンプ124で増幅される。
ミキサー123でのミキシングにより、IF信号とともにGHzオーダーの高周波信号も生成されるため、IFアンプ124はIF信号とともにこの高周波信号も増幅する。IFフィルター125は、IF信号を通過させるとともに、この高周波信号を除去する(正確には、所定のレベル以下に減衰させる)。IFフィルター125を通過したIF信号はADC(A/D変換器)126でデジタル信号に変換される。
ベースバンド処理部13は、DSP(Digital Signal Processor)131、CPU(Central Processing Unit)132、SRAM(Static Random Access Memory)133およびRTC(リアルタイムクロック)134を含んで構成されており、TCXO14の発振信号をクロック信号として各種処理を行う。
DSP131とCPU132は、協働しながら、IF信号からベースバンド信号を復調し、航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報を取得し、通常測位モードの処理あるいは位置固定モードの処理を行う。
SRAM133は、取得された時刻情報や軌道情報、所定の制御コマンド(位置設定用の制御コマンド)に応じて設定された受信点の位置情報、位置固定モード等で用いる仰角マスク等を記憶するためのものである。RTC134は、ベースバンド処理を行うためのタイミングを生成するものである。このRTC134は、TCXO14からのクロック信号でカウントアップされる。
具体的には、ベースバンド処理部13は、各C/Aコードと同一のパターンのローカルコードを発生し、ベースバンド信号に含まれる各C/Aコードとローカルコードの相関をとる処理(衛星サーチ)を行う。そして、ベースバンド処理部13は、各ローカルコードに対する相関値がピークになるようにローカルコードの発生タイミングを調整し、相関値が閾値以上となる場合にはそのローカルコードをC/AコードとするGPS衛星2に同期(GPS衛星2を捕捉)したものと判断する。なお、GPSでは、すべてのGPS衛星2が異なるC/Aコードを用いて同一周波数の衛星信号を送信するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。したがって、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、捕捉可能なGPS衛星2を検索することができる。
また、ベースバンド処理部13は、捕捉したGPS衛星2の軌道情報や時刻情報を取得するために、当該GPS衛星2のC/Aコードと同一のパターンのローカルコードとベースバンド信号をミキシングする処理を行う。ミキシングされた信号には、捕捉したGPS衛星2の軌道情報や時刻情報を含む航法メッセージが復調される。そして、ベースバンド処理部13は、航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報を取得し、SRAM133に記憶する処理を行う。
また、ベースバンド処理部13は、所定の制御コマンド(具体的にはモード設定用の制御コマンド)を受信し、通常測位モードと位置固定モードのいずれかに設定される。ベースバンド処理部13は、通常測位モードでは、SRAM133に記憶されている4つ以上のGPS衛星2の軌道情報および時刻情報を用いて測位計算を行う。
また、ベースバンド処理部13は、位置固定モードでは、SRAM133に記憶されている1つ以上のGPS衛星2の軌道情報と、SRAM133に記憶されている受信点の位置情報とを用いて高精度の1PPSを出力する。具体的には、ベースバンド処理部13は、RTC134の一部に1PPSの各パルスの発生タイミングをカウントする1PPSカウンターを備えており、GPS衛星2の軌道情報と受信点の位置情報とを用いて、GPS衛星2から送信された衛星信号が受信点まで到達するのに要する伝搬遅延時間を計算し、この伝搬遅延時間に基づき1PPSカウンターの設定値を最適値に変更する。
なお、ベースバンド処理部13は、通常測位モードにおいて、測位計算で得られた受信点の時刻情報に基づき1PPSを出力してもよく、位置固定モードにおいて、複数のGPS衛星2が捕捉できれば測位計算を行ってもよい。
また、ベースバンド処理部13は、測位計算の結果の位置情報や時刻情報、受信状況(GPS衛星2の捕捉数、衛星信号の強度等)等の各種情報を含むNMEAデータを出力する。
以上説明したように構成されたGPS受信機10の動作は、図1に示す処理部(CPU)20により制御される。
[処理部]
処理部20は、GPS受信機10に対して各種の制御コマンドを送信してGPS受信機10の動作を制御し、GPS受信機10が出力する1PPSやNMEAデータを受け取って各種の処理を行う。なお、処理部20は、例えば、任意のメモリーに記憶されているプログラムにしたがって、各種処理を行ってもよい。
この処理部20は、位相比較器21a、21b(第1、第2位相比較器)、ループフィルター22a、22b(第1、第2ループフィルター)、DSP(Digital Signal Processor)23、分周器24a、GPS制御部25および制御部26を含んで構成されている。なお、DSP23、GPS制御部25および制御部26のうちの少なくとも2つが1つの部品で一体化して構成されていてもよい。
DSP23は、GPS受信機10から定期的に(例えば、1秒毎に)NMEAデータを取得し、NMEAデータに含まれる位置情報(GPS受信機10による通常測位モードでの測位計算の結果)を集めて所定時間における統計情報を作成し、その統計情報に基づいて、受信点の位置情報を生成する処理を行う。
GPS制御部25は、GPS受信機10に各種の制御コマンドを送信し、GPS受信機10の動作を制御する。具体的には、GPS制御部25は、GPS受信機10にモード設定用の制御コマンドを送信し、GPS受信機10を通常測位モードから位置固定モードに切り替える処理を行う。また、GPS制御部25は、GPS受信機10を通常測位モードから位置固定モードに切り替える前に、GPS受信機10に位置設定用の制御コマンドを送信し、DSP23が生成した受信点の位置情報をGPS受信機10に設定する処理を行う。
分周器24a(第1分周器)は、温度補償型水晶発振器30a(第1発振器)が出力するクロック信号(周波数:f)をカウントしてf分周し、1Hzの分周クロック信号(第1分周クロック信号)を出力する。
位相比較器21a(第1位相比較器)は、GPS受信機10(基準タイミング信号出力部)が出力する1PPS(基準タイミング信号)と分周器24aが出力する1Hzの分周クロック信号とを位相比較し、その位相差に応じた位相差信号を出力する。位相比較器21aの位相差信号は、ループフィルター22a(第1ループフィルター)を介して温度補償型水晶発振器30aに入力される。ループフィルター22aのパラメーターは、DSP23により設定される。
分周器24aが出力する1Hzの分周クロック信号は、GPS受信機10が出力する1PPSと同期している。このように、位相比較器21a、ループフィルター22aおよび分周器24aは、PLL(Phase Locked Loop)回路60aを構成し、温度補償型水晶発振器30aが出力するクロック信号(第1基準信号)を1PPS(リファレンス信号である衛星信号)に同期させる「第1位相同期部」として機能する。ここで、GPS受信機10、PLL回路60aおよび温度補償型水晶発振器30aは、リファレンス信号である衛星信号に基づいて第1基準信号として1PPSを生成する「第1基準信号生成部1a」を構成している。
位相比較器21b(第1位相比較器)は、温度補償型水晶発振器30aが出力するクロック信号と原子発振器30bが出力するクロック信号とを位相比較し、その位相差に応じた位相差信号を出力する。位相比較器21bの位相差信号は、ループフィルター22b(第2ループフィルター)を介して原子発振器30bに入力される。ループフィルター22bのパラメーターは、DSP23により設定される。また、ループフィルター22bの時定数はループフィルター22aの時定数よりも小さい。
原子発振器30bが出力するクロック信号は、温度補償型水晶発振器30aが出力するクロック信号に同期している。このように、位相比較器21bおよびループフィルター22bは、PLL(Phase Locked Loop)回路60bを構成し、原子発振器30bが出力するクロック信号(第2基準信号)を温度補償型水晶発振器30aが出力するクロック信号(第1基準信号)に同期させる「第2位相同期部」として機能する。ここで、PLL回路60bおよび原子発振器30bは、原子発振器30bのクロック信号に基づいて第2基準信号を生成する「第2基準信号生成部1b」を構成している。なお、PLL回路60bは、PLL回路60aと同様、位相比較器21bと原子発振器30bとの間に分周器24aと同様の分周器を設けてもよい。この場合、位相比較器21bは、分周器24aからの分周クロック信号とPLL回路60bの分周器からの分周クロック信号とを位相比較すればよい。
タイミング信号生成装置1は、温度補償型水晶発振器30aが出力するクロック信号と原子発振器30bが出力するクロック信号とを切換部70により選択的に切り換えて外部に出力する。また、タイミング信号生成装置1は、1PPSと同期して1秒毎に最新のNMEAデータを外部に出力する。なお、位相比較器21bと原子発振器30bとの間に分周器24aと同様の分周器を設けた場合、これら2つの分周器からの分周クロック信号(1PPS)を切換部70に入力すれば、衛星信号に同期した1PPSを最終的に出力するタイミング信号として用いることができる。また、NMEAデータの出力は、必要に応じて行えばよく、省略してもよい。
ここで、切換部70の切り換えは、制御部26により行われる。制御部26は、GPS受信機10の受信状態に基づいて、切換部70の切り換えを制御する。すなわち、制御部26は、GPS受信機10の受信状態を判断する機能と、その判断結果に基づいて切換部70の切り換えを制御する機能と、を有する。この制御部26は、GPS受信機10の受信状態を判断する判断部261と、時間長さに関する情報を記憶する記憶部262と、を有し、判断部261の判断結果および記憶部262の情報に基づいて、切換部70の切り換えを制御する。
判断部261は、GPS受信機10からの信号や、位相比較器21aからの信号SS2に基づいて、受信状態が良好か否かを判断する機能を有する。より具体的には、判断部261は、例えば、GPS受信機10からのNMEAデータに含まれる受信状況に基づいて、GPS衛星2の捕捉数が規定数(必要数)未満であったり、衛星信号の強度が規定値以下となっていたりするとき、受信状態が良好でないと判断する。また、判断部261は、位相比較器21aからの信号SS2に基づいて、GPS受信機10が出力する1PPSと分周器24aが出力する1Hzの分周クロック信号との位相差が規定値以下となったときに、受信状態が良好でないと判断する。
そして、制御部26は、判断部261の判断結果に基づいて、切換部70の切り換えを制御する。より具体的には、制御部26は、切換部70を、受信状態が良好であるとき、第1基準信号生成部1aからの第1基準信号を出力する第1状態(以下、単に「第1状態」ともいう)とし、受信状態が良好でないとき、第2基準信号生成部1bからの第2基準信号を出力する第2状態(以下、単に「第2状態」ともいう)とする。
ここで、制御部26は、第1状態において第2基準信号生成部1bへの電力供給を停止または減少させる。より具体的には、制御部26は、第1状態において、PLL回路60bおよび原子発振器30bのうちの少なくとも原子発振器30bへの電力供給を停止または減少させる。これにより、消費電力を効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、制御部26は、受信状態が良好な状態から良好でない状態となったとき、前述した第2基準信号生成部1bへの電力供給の停止または減少を解除した後、記憶部262に記憶された情報に基づく所定時間経過後に第1状態から第2状態へ切り換える。本実施形態では、この所定時間が経過したか否かの判断を、記憶部262に記憶されている情報、および、位相比較器21bからの出力SS3の双方に基づいて行う。
記憶部262は、時間長さに関する情報を記憶する機能を有する。この時間長さは、例えば、TCXO30aの自走時に必要な周波数特性を確保できる時間長さや、原子発振器30bの起動開始から必要な周波数特性を発揮し得る安定化した状態となるまでに要する時間長さ等に応じて決められ、例えば、30秒以上5分以下であることが好ましく、1分以上3分以下であることが好ましい。
[TCXO(第1基準信号生成部の発振器)]
温度補償型水晶発振器30aは、図示しないが、水晶振動子と、温度補償発振回路と、これらを収納するパッケージと、を有し、水晶振動子の周波数温度特性を補償するように構成されている。なお、水晶振動子としては、特に限定されず、各種水晶振動子を用いることができるが、例えば、ATカット振動子、STカット振動子等を用いることができる。
また、温度補償型水晶発振器30aは、例えば電圧制御型水晶発振器(Voltage Controlled Oscillator)であり、ループフィルター22aの出力電圧(制御電圧)に応じて発振周波数を微調整可能に構成されている。
また、GPS受信機10が衛星信号を受信できなかったり受信環境が悪かったりする等の状況(以下、「ホールドオーバー」ともいう)が発生すると、GPS受信機10が出力する1PPSの精度が劣化し、あるいは、GPS受信機10が1PPSの出力を停止する。そのような場合、処理部20は、温度補償型水晶発振器30aが出力するクロック信号をGPS受信機10が出力する1PPSに同期させる処理(PLL回路60aの同期処理)を停止して温度補償型水晶発振器30aを自走発振できるようになっている。このようにすれば、タイミング信号生成装置1は、GPS受信機10が出力する1PPSの精度が劣化した場合でも、温度補償型水晶発振器30aの自走発振によるクロック信号に、前述したPLL回路60bにより原子発振器30bが出力するクロック信号を同期させることができる。なお、第1基準信号生成部に用いる発振器としては、消費電力が小さいものであれば、温度補償型水晶発振器に限定されず、温度補償型水晶発振器30aに代えて、他の水晶発振器を用いてもよい。
[原子発振器(第2基準信号生成部の発振器)]
原子発振器30bは、例えばルビジウム原子やセシウム原子等の原子のエネルギー遷移を利用した周波数精度の高いクロック信号を出力可能な発振器である。原子発振器30bとして、例えば、EIT(Electromagnetically Induced Transparency)現象(CPT(Coherent Population Trapping)現象とも呼ばれる)を利用した方式の原子発振器や、光マイクロ2重共鳴現象を利用した方式の原子発振器等を利用することができる。
原子発振器30bは、図示しないが、アルカリ金属原子が封入されているガラス製の原子セルと、原子セル内のアルカリ金属を励起する光を出射する光源と、原子セルを透過した光を検出する受光器と、原子セルを加熱するヒーターと、原子セルに磁場を与えるコイルと、を備えている。また、原子発振器30bは、光源を温度調節するためのヒーターも備えている。
原子発振器30bは、ループフィルター22bの出力電圧(制御電圧)に応じて発振周波数を微調整可能に構成されている。なお、原子発振器30bは、単体では周波数温度特性が平坦ではないため、原子発振器30bの近傍に、原子発振器30bの温度を検出する温度センサー40が配置されており、DSP23は、温度センサー40の検出値(検出温度)に応じて位相比較器21bの位相差信号に補正値を加算することで、原子発振器30bの周波数温度特性を温度補償する処理も行う。
また、GPS受信機10が衛星信号を受信可能な状況となっているとき、処理部20(より具体的には制御部26)は、切換部70を第1状態とし、PLL回路60bおよび原子発振器30bを停止させる。一方、ホールドオーバー時、処理部20(より具体的には制御部26)は、切換部70を第1状態から第2状態へ切り換えるが、その切り換えの前に、PLL回路60bおよび原子発振器30bを起動し、PLL回路60bにより原子発振器30bのクロック信号を温度補償型水晶発振器30aのクロック信号に同期させる。これにより、ホールドオーバー突入直後の温度補償型水晶発振器30aのクロック信号の位相を、切換部70を第1状態から第2状態へ切り換えた後の原子発振器30bのクロック信号の位相に引き継ぐことができる。その結果、ホールドオーバー時においても、原子発振器30bの自走発振による周波数精度の高いタイミング信号を出力することができる。なお、前述した同期後は、PLL回路60bを停止させてもよい。また、長期周波数安定度に優れる発振器であれば、原子発振器30bに代えて、ダブルオーブンもしくはシングルオーブンの恒温槽型水晶発振器(OCXO)等の水晶発振器を用いても、自走発振による周波数精度の高いタイミング信号を出力することができる。
このような原子発振器30bを第2基準信号生成部1bが備えることにより、第2基準信号生成部1bの長期周波数安定度を極めて優れたものとすることができる。なお、第2基準信号生成部1bが原子発振器30bに代えて恒温槽型水晶発振器を備えている場合、長期周波数安定度は原子発振器30bに劣るものの、第2基準信号生成部1bの長期周波数安定度および短期周波数安定度の双方を優れたものとすることができる。
[温度センサー]
温度センサー40は、原子発振器30bの温度を検出する機能を有する。この温度センサー40は、例えば、熱電対またはサーミスタ等を含んで構成されている。
[切換部70]
切換部70は、第1基準信号生成部1aからの第1基準信号を出力する第1状態と、第2基準信号生成部1bからの第2基準信号を出力する第2状態と、を切り換え可能に構成されている。この切換部70は、特に限定されず、各種スイッチング素子で構成することができる。
以上、タイミング信号生成装置1の全体構成を説明した。このタイミング信号生成装置1では、前述したように、制御部26が、衛星信号の受信状態に基づいて切換部70の第1状態と第2状態との切り換えを制御するとともに、第1状態において第2基準信号生成部1bへの電力供給を停止または減少させる。以下、この制御部26による制御について詳述する。
[切換部の切り換え]
図3は、図1に示すタイミング信号生成装置における切換部の制御を説明するフローチャートである。
タイミング信号生成装置1を起動すると、まず、GPS受信機10を起動する(ステップS1)。このとき、温度補償型水晶発振器30aおよびPLL回路60aも起動する。すなわち、ステップS1では、第1基準信号生成部1aを起動する。
そして、受信状態が異常か否かを判断し(ステップS2)、受信異常でない場合(ステップS2のNO)、切換部70を第1状態とし、温度補償型水晶発振器30aからのクロック信号を外部へ出力する(ステップS10)。すなわち、ステップS10では、第1基準信号生成部1aからの第1基準信号を切換部70から出力させる。このステップS10の後、後述するステップS9に移行し、終了指示がない限り、受信異常となるまで第1状態が維持される(ステップS9のNO、ステップS2のNO)。
一方、受信異常である場合(ステップS2のYES)、原子発振器30bを起動する(ステップS3)。このとき、PLL回路60bも起動する。すなわち、ステップS3では、第2基準信号生成部1bを起動する。
次に、所定時間を経過したか否かを判断し(ステップS4)、所定時間を経過するまでステップS4を繰り返す(ステップS4のNO)。ここで、制御部26は、記憶部262に記憶されている情報(時間情報)と、位相比較器21bからの出力SS3とに基づいて、所定時間を経過したか否かを判断する。この所定時間が経過するまでの間、原子発振器30bの駆動状態を安定化させるとともに、PLL回路60bにより原子発振器30bのクロック信号を温度補償型水晶発振器30aのクロック信号に同期させる。
そして、所定時間経過したら(ステップS4のYES)、切換部70を第2状態とし、原子発振器30bからのクロック信号を外部へ出力する(ステップS5)。すなわち、ステップS5では、第2基準信号生成部1bからの第2基準信号を切換部70から出力させる。
その後、前述したステップS2と同様、受信状態が異常か否かを判断し(ステップS6)、受信異常となっている間、すなわち受信状態が正常となるまで、切換部70の第2状態を維持する(ステップS6のYES)。
そして、受信異常でなくなったら、すなわち受信状態が正常となったら(ステップS6のNO)、前述したステップS10と同様、切換部70を第1状態とし、温度補償型水晶発振器30aからのクロック信号を外部へ出力する(ステップS7)。
次に、原子発振器30bを停止させる(ステップS8)。このとき、PLL回路60bも停止させる。ステップS8では、第2基準信号生成部1bへの電力供給を停止または減少させる。ここで、少なくとも原子発振器30bが備えるヒーターへの電力供給を停止または減少させることで、効率的に消費電力を低減することができる。
その後、終了か否かを判断し(ステップS9)、終了指示がない場合(ステップS9のNO)、前述したステップS2に移行し、一方、終了指示がある場合(ステップS9のYES)、終了する。
以上のようにして、切換部70の切り換えの制御を行う。
以上説明したようなタイミング信号生成装置1によれば、判断部261の判断結果に基づいて、衛星信号の状態が良好なとき、第1状態とすることで、衛星信号に基づく第1基準信号を高精度なタイミング信号として出力することができる。一方、衛星信号の状態が悪化したとき、第2状態とすることで、原子発振器30bのクロック信号に基づく第2基準信号をタイミング信号として出力してタイミング精度の劣化を低減することができる。
特に、第1状態において、第2基準信号生成部1bへの電力供給を停止または減少させることで、タイミング信号生成装置1全体の消費電力を効果的に低減することができる。
ここで、原子発振器30bは、ヒーターを備えているため、ヒーターを有しない発振器に比べて消費電力が極めて大きくなる。したがって、第1状態において、原子発振器30bのヒーターを停止させることで、効率的に省電力化を図ることができる。
本実施形態のタイミング信号生成装置1は、前述したように、協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)に同期した衛星信号を正確なリファレンス信号(1PPS)として用い、温度補償型水晶発振器からのクロック信号(第1基準信号)を衛星信号に位相同期させるPLL回路60aを備える。これにより、第1状態における短期周波数安定度および長期周波数安定度を優れたものとすることができる。
さらに、本実施形態のタイミング信号生成装置1は、前述したように、第2基準信号を第1基準信号に位相同期させるPLL回路60bを備える。これにより、温度補償型水晶発振器30aを自走発振させてから第1状態から第2状態へ切り換えることで、第2状態において、切り換え直前の第1基準信号と同期した第2信号をタイミング信号として出力することができる。
しかも、制御部26が、切換部70の第1状態から第2状態への切り換えを、第2基準信号生成部1bへの電力供給の停止または減少を解除した後に行う。そのため、衛星信号の状態が悪化したときに、第1状態から第2状態に切り換えるまでの間、出力するタイミング信号の精度を温度補償型水晶発振器30aによる第1基準信号の精度で担保しながら、第2基準信号生成部1bの駆動状態を安定化させることができる。そして、第2基準信号生成部1bの駆動状態が安定化した後に、第1状態から第2状態へ切り換えることで、出力するタイミング信号の精度を第2基準信号生成部1bの精度(原子発振器30bの精度)で担保することができる。
また、制御部26が、切換部70の第1状態から第2状態への切り換えを、記憶部262に記憶された情報に基づいて、第2基準信号生成部1bへの電力供給の停止または減少を解除してから時間長さ経過後に行う。このため、温度補償型水晶発振器30aの周波数精度を担保できる時間長さや、第2基準信号生成部1bの駆動状態の安定化に要する時間長さを記憶部262に記憶しておくことで、衛星信号の状態が悪化したときに、第1状態から第2状態に切り換えるまでの間、出力するタイミング信号の精度を温度補償型水晶発振器30aによる第1基準信号の精度で担保しながら、第2基準信号生成部1bの駆動状態を安定化させることができる。
また、制御部26が、第2基準信号生成部1bの消費電力の低減を解除した後、位相比較器21bの出力に基づいて、切換部70の第1状態から第2状態へ切り換えを行う。これにより、位相比較器21bの出力に基づいて、第2基準信号生成部1bの駆動状態が安定化したか否かを判断し、その判断結果に基づいて、第2基準信号生成部1bの駆動状態が安定化した後に、第1状態から第2状態へ切り換えることができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係るタイミング信号生成装置の概略構成を示す図である。
本実施形態は、第2位相同期部(PLL回路60b)を省略した以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図4において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態のタイミング信号生成装置1Aは、処理部20に代えて処理部20Aを備えている以外は、前述した第1実施形態のタイミング信号生成装置1と同様に構成されている。処理部20Aは、前述した第1実施形態のPLL回路60bを省略した以外は、処理部20と同様である。本実施形態では、原子発振器30bがそのクロック信号に基づいて第2基準信号を生成する「第2基準信号生成部1c」を構成している。
このようなタイミング信号生成装置1Aによっても、消費電力を低減することができる。また、第1実施形態のタイミング信号生成装置1に比べて構成を簡素化できる。
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係るタイミング信号生成装置の概略構成を示す図である。
本実施形態は、発振器(温度補償型水晶発振器30a)および第1、第2位相同期部(PLL回路60a、60b)を省略した以外は、前述した第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態では、発振器(温度補償型水晶発振器30a)および第1位相同期部(PLL回路60a)を省略した以外は、前述した第2実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図5において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態のタイミング信号生成装置1Bは、処理部20に代えて処理部20Bを備えているとともに、温度補償型水晶発振器30aを省略した以外は、前述した第1実施形態のタイミング信号生成装置1と同様に構成されている。処理部20Bは、前述した第1実施形態のPLL回路60a、60bを省略した以外は、処理部20と同様である。すなわち、処理部20Bは、PLL回路60aを省略した以外は、前述した第2実施形態の処理部20Aと同様である。本実施形態では、GPS受信機10が衛星信号に基づいて第1基準信号を生成する「第1基準信号生成部1d」を構成し、また、原子発振器30bがそのクロック信号に基づいて第2基準信号を生成する「第2基準信号生成部1c」を構成している。
ここで、切換部70は、GPS受信機10からの1PPSを出力する第1状態と、原子発振器30bからのクロック信号を出力する第2状態と、を切り換え可能に構成されている。なお、本実施形態の原子発振器30bの発振周波数は1Hzである。
このようなタイミング信号生成装置1Bによっても、消費電力を低減することができる。また、第1実施形態のタイミング信号生成装置1および第2実施形態のタイミング信号生成装置1Aのそれぞれに比べて構成を簡素化できる。
2.電子機器
次に、本発明の電子機器の実施形態を説明する。
図6は、本発明の電子機器の実施形態を示すブロック図である。
図6に示す電子機器300は、タイミング信号生成装置310、CPU(Central Processing Unit)320、操作部330、ROM(Read Only Memory)340、RAM(Random Access Memory)350、通信部360および表示部370を含んで構成されている。
タイミング信号生成装置310は、例えば、前述したタイミング信号生成装置1であり、先に説明したように、衛星信号を受信して高精度のタイミング信号(1PPS)を生成し、外部に出力する。これにより、より低コストで信頼性の高い電子機器300を実現することができる。
CPU320は、ROM340等に記憶されているプログラムに従い、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、CPU320は、タイミング信号生成装置310が出力するタイミング信号(1PPS)やクロック信号に同期して、計時処理、操作部330からの操作信号に応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部360を制御する処理、表示部370に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理等を行う。
操作部330は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をCPU320に出力する。
ROM340は、CPU320が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM350は、CPU320の作業領域として用いられ、ROM340から読み出されたプログラムやデータ、操作部330から入力されたデータ、CPU320が各種プログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部360は、CPU320と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部370は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、CPU320から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部370には操作部330として機能するタッチパネルが設けられていてもよい。
このような電子機器300としては種々の電子機器が考えられ、特に限定されないが、例えば、標準時刻との同期を実現する時刻管理用のサーバー(タイムサーバー)、タイムスタンプの発行等を行う時刻管理装置(タイムスタンプサーバー)、基地局等の周波数基準装置等が挙げられる。
3.移動体
図7は、本発明の移動体の実施形態を示す図である。
図7に示す移動体400は、タイミング信号生成装置410、カーナビゲーション装置420、コントローラー430、440、450、バッテリー460、バックアップ用バッテリー470を含んで構成されている。
タイミング信号生成装置410としては、前述したタイミング信号生成装置1を適用することができる。タイミング信号生成装置410は、例えば、移動体400の移動中は、通常測位モードでリアルタイムに測位計算を行って1PPS、クロック信号およびNMEAデータを出力する。また、タイミング信号生成装置410は、例えば、移動体400の停止中は、通常測位モードで複数回の測位計算を行った後、複数回の測位計算結果の最頻値または中央値を現在の位置情報として設定し、位置固定モードで1PPS、クロック信号およびNMEAデータを出力する。
カーナビゲーション装置420は、タイミング信号生成装置410が出力する1PPSやクロック信号に同期して、タイミング信号生成装置410が出力するNMEAデータを用いて、位置や時刻その他の各種の情報をディスプレイに表示する。
コントローラー430、440、450は、エンジンシステム、ブレーキシステム、キーレスエントリーシステム等の各種の制御を行う。コントローラー430、440、450は、タイミング信号生成装置410が出力するクロック信号に同期して各種の制御を行うようにしてもよい。
本実施形態の移動体400は、タイミング信号生成装置410を備えていることで、移動中も停止中も高い信頼性を確保することができる。
このような移動体400としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
以上、本発明のタイミング信号生成装置、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、GPSを利用したタイミング信号生成装置を例に挙げたが、GPS以外の全地球的航法衛星システム(GNSS)、例えば、ガリレオ、GLONASS等を利用してもよい。
1…タイミング信号生成装置、1A…タイミング信号生成装置、1B…タイミング信号生成装置、1a…第1基準信号生成部、1b…第2基準信号生成部、1c…第2基準信号生成部、1d…第1基準信号生成部、2…GPS衛星、10…GPS受信機、11‥‥SAWフィルター、12‥‥RF処理部、13…ベースバンド処理部、14‥‥温度補償型水晶発振器、20…処理部、20A…処理部、20B…処理部、21a…位相比較器、21b…位相比較器、22a…ループフィルター、22b…ループフィルター、23‥‥DSP、24a…分周器、25…GPS制御部、26…制御部、30a…温度補償型水晶発振器、30b…原子発振器、40…温度センサー、50…GPSアンテナ、60a…PLL回路(第1位相同期部)、60b…PLL回路(第2位相同期部)、70…切換部、121‥‥PLL、122‥‥LNA、123…ミキサー、124‥‥IFアンプ、125‥‥IFフィルター、126‥‥ADC、131‥‥DSP、132‥‥CPU、133‥‥SRAM、134‥‥RTC、261…判断部、262…記憶部、300…電子機器、310…タイミング信号生成装置、320‥‥CPU、330…操作部、340‥‥ROM、350‥‥RAM、360…通信部、370…表示部、400…移動体、410…タイミング信号生成装置、420…カーナビゲーション装置、430…コントローラー、440…コントローラー、450…コントローラー、460…バッテリー、470…バックアップ用バッテリー、SS1…信号、SS2…信号、SS3…出力、S1…ステップ、S2…ステップ、S3…ステップ、S4…ステップ、S5…ステップ、S6…ステップ、S7…ステップ、S8…ステップ、S9…ステップ

Claims (4)

  1. リファレンス信号に基づいて第1基準信号を生成する第1基準信号生成部と、
    クロック信号を出力する発振器を有し、前記クロック信号に基づいて第2基準信号を生成する第2基準信号生成部と、
    前記第1基準信号を出力する第1状態と前記第2基準信号を出力する第2状態とを切換可能な切換部と、
    前記リファレンス信号の状態に基づいて前記切換部を制御する機能を有し、前記第1状態において前記第2基準信号生成部への電力供給を停止または減少させる制御部と、を備え、
    前記第1基準信号生成部は、
    前記第1基準信号を出力する水晶発振器と、
    前記第1基準信号を前記リファレンス信号に位相同期させる第1位相同期部と、を有し、
    前記第2基準信号生成部は、
    前記第1基準信号と前記第2基準信号との位相差に応じた信号を出力する位相比較器を有し、前記第2基準信号を前記第1基準信号に位相同期させる第2位相同期部を有し、
    前記制御部は、前記第2基準信号生成部への電力供給の停止または減少を解除した後、前記位相比較器の出力に基づいて、前記切換部の前記第1状態から前記第2状態への切り換えを行うことを特徴とするタイミング信号生成装置。
  2. 前記発振器は、ヒーターを有し、
    前記制御部は、前記第1状態において前記ヒーターを停止させる請求項1に記載のタイミング信号生成装置。
  3. 前記第2基準信号生成部の前記発振器は、原子発振器および恒温槽型水晶発振器のいずれかである請求項1または2に記載のタイミング信号生成装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のタイミング信号生成装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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