JP2017059971A - タイミング信号発生装置、電子機器および移動体 - Google Patents

タイミング信号発生装置、電子機器および移動体 Download PDF

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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

【課題】ホールドオーバーが生じた場合、マルチパス等による影響が低減された発振器の自走発振用の制御信号データを求めることができ、精度の良い基準信号を生成することができるタイミング信号発生装置、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】タイミング信号発生装置は、内部信号を生成する発振器と、リファレンス信号が十分に得られていないときは、前記内部信号に基づいて基準信号を生成する制御部と、前記発振器のエージング補正データと、前記リファレンス信号が十分に得られているときの制御信号データとを記憶する記憶部と、前記制御信号データに前記エージング補正データを加算し、補正後データを算出し、前記補正後データに対して統計処理を行い、統計処理データを算出する演算部とを備え、前記制御部は、前記リファレンス信号が十分に得られていないときは、前記統計処理データに基づいて前記発振器を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、タイミング信号発生装置、電子機器および移動体に関するものである。
人工衛星を利用した全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の1つであるGPS(Global Positioning System)が広く知られている。GPSに用いるGPS衛星は、極めて精度の高い原子時計が搭載されており、GPS衛星の軌道情報や正確な時刻情報等が重畳された衛星信号を地上に送信している。GPS衛星から送信された衛星信号は、GPS受信機で受信される。そして、GPS受信機は、衛星信号に重畳されている軌道情報や時刻情報に基づいてGPS受信機の現在位置や時刻情報を算出する処理や、協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)に同期した正確なタイミング信号(1PPS)を生成する処理等を行う。
このようなGPS受信機は、測位計算に基づき、位置・時刻を提供する通常測位(位置推定)モードと、既知位置での固定位置測位による時刻提供をする位置固定モードが設けられているのが一般的である。
通常測位モードでは、所定数(2次元測位あれば最低3個、3次元測位であれば4個)以上のGPS衛星からの衛星信号が必要である。また、衛星信号を受信可能なGPS衛星の数が多いほど、測位計算の精度が向上する。
また、位置固定モードでは、GPS受信機の位置情報が設定されていれば、少なくとも1つのGPS衛星からの衛星信号を受信できれば1PPSを生成することができる。
特許文献1には、航法衛星から発信された測位信号を受信し、その測位信号に基づいて1PPSを生成する基準信号発生装置が開示されている。
この基準信号発生装置では、測位信号に基づいて1PPSを生成している際に電圧制御発振器に入力された制御電圧信号のレベル(同期DAC値)を継続的にメモリーに記憶し、その同期DAC値から、最小二乗法により、同期DAC値の時間遷移に関する推定曲線を算出する。そして、測位信号を正確に受信できない状況であるホールドオーバーが生じた場合は、前記推定曲線に基づいて自走用のDAC値を求め、その自走用のDAC値を電圧制御発振器に入力し、1PPSを生成する。
特開2010−130146号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、ホールドオーバーが生じ、自走用のDAC値を用いて電圧制御発振器を制御する場合、前記自走用のDAC値は、例えば、マルチパス等によるGPS受信機10が出力する1PPSのふらつきの影響を受けてしまい、精度の良い1PPSを生成することができない。
本発明の目的は、ホールドオーバーが生じた場合、マルチパス等による影響が低減された発振器の自走発振用の制御信号データを求めることができ、精度の良い基準信号を生成することができるタイミング信号発生装置、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本発明のタイミング信号発生装置は、内部信号を生成する発振器と、
少なくとも前記発振器を制御し、外部から入力されるリファレンス信号が十分に得られているときは、前記リファレンス信号および前記内部信号に基づいて基準信号を生成し、前記リファレンス信号が十分に得られていないときは、前記内部信号に基づいて前記基準信号を生成する制御部と、
前記発振器のエージング補正データと、前記リファレンス信号が十分に得られているときの、前記制御部の前記発振器を制御する制御信号データとを記憶する記憶部と、
前記制御信号データに前記エージング補正データを加算し、補正後データを算出し、前記補正後データに対して統計処理を行い、統計処理データを算出する演算部と、を備え、
前記制御部は、前記リファレンス信号が十分に得られていないときは、前記統計処理データに基づいて前記発振器を制御することを特徴とする。
これにより、ホールドオーバーが生じた場合に、マルチパス等による影響、発振器の周波数温度特性による影響、発振器のエージングによる影響等が低減された発振器の自走発振用の統計処理データを求めることができ、これによって、精度の良い基準信号を生成することができる。
本発明のタイミング信号発生装置では、前記制御部は、温度一定の条件で前記発振器のエージング特性を検出し、前記エージング特性に基づいて前記エージング補正データを求めることが好ましい。
これにより、予めエージング補正データを記憶しておくことができるので、タイミング信号発生装置の駆動の際、エージング補正データを求める必要がなく、演算量を低減することができる。
本発明のタイミング信号発生装置では、前記制御部は、前記リファレンス信号が十分に得られているときの前記制御信号データに基づいて前記エージング補正データを求めることが好ましい。
これにより、発振器のエージング特性が変化する場合にも対応することができ、より適切なエージング補正データを求めることができる。これによって、ホールドオーバーが生じた場合に、適切な発振器の自走発振用の統計処理データを求めることができる。
本発明のタイミング信号発生装置では、起動時から所定時間までの期間と前記所定時間経過後とを区分し、前記起動時から所定時間までの期間と前記所定時間経過後とで前記エージング補正データが異なることが好ましい。
起動時は、発振器の周波数変動が大きいので、前記起動時から所定時間までの期間と前記所定時間経過後とでエージング補正データが異なることにより、ホールドオーバーが生じた場合に、適切な発振器の自走発振用の統計処理データを求めることができる。
本発明のタイミング信号発生装置では、前記統計処理では、前記補正後データの平均値、最頻値および中央値のうちの少なくとも1つを前記統計処理データとすることが好ましい。
これにより、ホールドオーバーが生じた場合に、より適切な発振器の自走発振用の統計処理データを求めることができる。
本発明の電子機器は、本発明のタイミング信号発生装置を備えることを特徴とする。
これにより、ホールドオーバーが生じた場合に、マルチパス等による影響、発振器の周波数温度特性による影響、発振器のエージングによる影響等が低減された発振器の自走発振用の統計処理データを求めることができ、これによって、精度の良い基準信号を生成することができる。
本発明の移動体は、本発明のタイミング信号発生装置を備えることを特徴とする。
これにより、ホールドオーバーが生じた場合に、マルチパス等による影響、発振器の周波数温度特性による影響、発振器のエージングによる影響等が低減された発振器の自走発振用の統計処理データを求めることができ、これによって、精度の良い基準信号を生成することができる。
本発明のタイミング信号発生装置の第1実施形態の概略構成を示す図である。 GPS衛星から送信される航法メッセージの構成を示す図である。 図1に示すタイミング信号発生装置が備えるGPS受信機の構成例を示すブロック図である。 図1に示すタイミング信号発生装置において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 図1に示すタイミング信号発生装置において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 図1に示すタイミング信号発生装置において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 図1に示すタイミング信号発生装置において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 本発明のタイミング信号発生装置の第2実施形態において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 本発明のタイミング信号発生装置の第2実施形態において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 本発明のタイミング信号発生装置の第3実施形態において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。 本発明の電子機器の実施形態を示すブロック図である。 本発明の移動体の実施形態を示す図である。
以下、本発明のタイミング信号発生装置、電子機器および移動体について添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.タイミング信号発生装置
<第1実施形態>
図1は、本発明のタイミング信号発生装置の第1実施形態の概略構成を示す図である。図2は、GPS衛星から送信される航法メッセージの構成を示す図である。図3は、図1に示すタイミング信号発生装置が備えるGPS受信機の構成例を示すブロック図である。 図4〜図7は、それぞれ、図1に示すタイミング信号発生装置において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。
図1に示すタイミング信号発生装置1は、衛星信号受信部としてのGPS受信機(受信機)10と、記憶部31、演算部32および衛星信号受信制御装置としての処理部(CPU)20を有する制御部60と、電圧制御発振器(VCO)としての水晶発振器(発振器)30と、温度センサー40と、GPSアンテナ50とを備えている。
なお、タイミング信号発生装置1は、構成要素の一部または全部が物理的に分離されていてもよいし、一体化されていてもよい。例えば、GPS受信機10と処理部20はそれぞれ別個のICで実現されていてもよいし、GPS受信機10と処理部20は1チップのICとして実現されていてもよい。他の部分も同様である。
このタイミング信号発生装置1は、GPS衛星(航法衛星)2から送信された信号を受信し、高精度の1PPSを生成するものである。
GPS衛星2は、地球の上空の所定の軌道上を周回しており、搬送波である1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージおよびC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)を重畳(搬送波を変調)させた衛星信号(GPS信号)を地上に送信している。なお、前記衛星信号は、外部からタイミング信号発生装置1に入力されるリファレンス信号の一例である。
C/Aコードは、現在約30個存在するGPS衛星2の衛星信号を識別するためのものであり、各chipが+1または−1のいずれかである1023chip(1ms周期)からなる固有のパターンである。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
各GPS衛星2が送信する衛星信号(具体的には航法メッセージ)には、各GPS衛星2の軌道上の位置を示す軌道情報が含まれている。また、各GPS衛星2は原子時計を搭載しており、衛星信号には、原子時計で計時された極めて正確な時刻情報が含まれている。したがって、4つ以上のGPS衛星2からの衛星信号を受信し、各衛星信号に含まれている軌道情報および時刻情報を用いて測位計算を行うことで、受信点(GPSアンテナ50の設置場所)の位置と時刻の正確な情報を得ることができる。具体的には、受信点の3次元位置(x,y,z)および時刻tを4つの変数とする4次元方程式を立ててその解を求めればよい。
なお、受信点の位置が既知である場合、1つ以上のGPS衛星2からの衛星信号を受信し、各衛星信号に含まれている時刻情報を用いて受信点の時刻情報を得ることができる。
また、各衛星信号に含まれている軌道情報を用いて、各GPS衛星2の時刻と受信点の時刻との差の情報を得ることができる。なお、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星2に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメーターも含まれており、この時刻補正パラメーターを用いて受信点の時刻を補正することで極めて正確な時刻情報を得ることができる。
図2の符号Aに示すように、航法メッセージは、全ビット数1500ビットのメインフレームを1単位とするデータとして構成されている。メインフレームは、それぞれ300ビットの5つのサブフレーム1〜5に分割されている。1つのサブフレームのデータは、各GPS衛星2から6秒で送信される。したがって、1つのメインフレームのデータは、各GPS衛星2から30秒で送信される。
サブフレーム1には、週番号データ(WN)等の衛星補正データが含まれている。週番号データは、GPS衛星2の時刻が含まれる週を表す情報である。GPS衛星2の時刻の起点は、UTC(世界標準時)における1980年1月6日00:00:00であり、この日に始まる週は週番号0となっている。週番号データは、1週間単位で更新される。
サブフレーム2、3には、エフェメリスパラメータ(各GPS衛星2の詳細な軌道情報)が含まれる。また、サブフレーム4、5には、アルマナックパラメータ(全GPS衛星2の概略軌道情報)が含まれている。
さらに、サブフレーム1〜5の各先頭には、30ビットのTLM(Telemetry word)データが格納されたTLM(Telemetry)ワードと、30ビットのHOW(hand over word)データが格納されたHOWワードとが含まれている。
したがって、TLMワードやHOWワードは、GPS衛星2から6秒間隔で送信されるのに対し、週番号データ等の衛星補正データ、エフェメリスパラメータ、アルマナックパラメータは30秒間隔で送信される。
図2の符号Bに示すように、TLMワードには、プリアンブルデータ、TLMメッセージ、Reservedビット、パリティデータが含まれている。
図2の符号Cに示すように、HOWワードには、TOW(Time of Week)(以下、「Zカウント」ともいう)という時刻情報が含まれている。Zカウントデータは毎週日曜日の0時からの経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。つまり、Zカウントデータは、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報であって、経過時間が1.5秒単位で表した数となっている。ここで、Zカウントデータは、次のサブフレームデータの先頭ビットが送信される時刻情報を示す。例えば、サブフレーム1のZカウントデータは、サブフレーム2の先頭ビットが送信される時刻情報を示す。また、HOWワードには、サブフレームのIDを示す3ビットのデータ(IDコード)も含まれている。すなわち、図2(A)に示すサブフレーム1〜5のHOWワードには、それぞれ「001」、「010」、「011」、「100」、「101」のIDコードが含まれている。
サブフレーム1に含まれる週番号データとサブフレーム1〜5に含まれるHOWワード(Zカウントデータ)を取得することで、GPS衛星2の時刻を計算することができる。なお、以前に週番号データを取得し、週番号データを取得した時期からの経過時間を内部でカウントしておけば、週番号データを毎回取得しなくてもGPS衛星2の現在の週番号データを得ることができる。したがって、Zカウントデータのみを取得すれば、GPS衛星2の現在の時刻を概算で知ることができる。
以上説明したような衛星信号は、図1に示すGPSアンテナ50を介して、GPS受信機10で受信される。
GPSアンテナ50は、衛星信号を含む各種の電波を受信するアンテナであり、GPS受信機10に接続されている。
GPS受信機10は、GPSアンテナ50を介して受信した衛星信号に基づいて、各種の処理を行う。
具体的に説明すると、GPS受信機10は、通常測位モード(第1のモード)および位置固定モード(第2のモード)を有し、処理部(CPU)20からの制御コマンド(モード設定用の制御コマンド)に応じて通常測位モードと位置固定モードのいずれかに設定される。
GPS受信機10は、通常測位モードでは、「測位計算部」として機能し、複数(好ましくは4個以上)のGPS衛星2から送信された衛星信号を受信し、受信した衛星信号に含まれる軌道情報(具体的には、前述したエフェメリスデータやアルマナックデータ等)および時刻情報(具体的には、前述した週番号データやZカウントデータ等)に基づいて測位計算を行う。また、GPS受信機10は、下記1PPSを生成する。
また、GPS受信機10は、位置固定モードでは、「タイミング信号生成部」として機能し、少なくとも1つのGPS衛星2から送信された衛星信号を受信し、受信した衛星信号に含まれる軌道情報および時刻情報と設定された受信点の位置情報とに基づいて、1PPS(1 Pulse Per Second)を生成する。1PPS(基準時刻に同期したタイミング信号の一例)は、UTC(世界標準時)と完全同期したパルス信号であり、1秒毎に1パルスを出力する。このように、GPS受信機10がタイミング信号の生成に用いる衛星信号が軌道情報および時刻情報を含んでいることにより、基準時刻に正確に同期したタイミング信号を生成することができる。
以下、GPS受信機10の構成について詳述する。
図3に示すGPS受信機10は、SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルター11、RF処理部12、ベースバンド処理部13および温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)14を有している。
SAWフィルター11は、GPSアンテナ50が受信した電波から衛星信号を抽出する処理を行う。このSAWフィルター11は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルターとして構成される。
RF処理部12は、PLL(Phase Locked Loop)121、LNA(Low Noise Amplifier)122、ミキサー123、IFアンプ124、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルター125およびADC(A/D変換器)126を有している。
PLL121は、数十MHz程度で発振するTCXO14の発振信号を1.5GHz帯の周波数に逓倍したクロック信号を生成する。
SAWフィルター11が抽出した衛星信号は、LNA122で増幅される。LNA122で増幅された衛星信号は、ミキサー123でPLL121が出力するクロック信号とミキシングされて中間周波数帯(例えば、数MHz)の信号(IF信号)にダウンコンバートされる。ミキサー123でミキシングされた信号は、IFアンプ124で増幅される。
ミキサー123でのミキシングにより、IF信号とともにGHzオーダーの高周波信号も生成されるため、IFアンプ124はIF信号とともにこの高周波信号も増幅する。IFフィルター125は、IF信号を通過させるとともに、この高周波信号を除去する(正確には、所定のレベル以下に減衰させる)。IFフィルター125を通過したIF信号はADC(A/D変換器)126でデジタル信号に変換される。
ベースバンド処理部13は、DSP(Digital Signal Processor)131、CPU(Central Processing Unit)132、SRAM(Static Random Access Memory)133およびRTC(リアルタイムクロック)134を有しており、TCXO14の発振信号をクロック信号として各種処理を行う。
DSP131とCPU132は、協働しながら、IF信号からベースバンド信号を復調し、航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報を取得し、通常測位モードの処理あるいは位置固定モードの処理を行う。
SRAM133は、取得された時刻情報や軌道情報、所定の制御コマンド(位置設定用の制御コマンド)に応じて設定された受信点の位置情報、位置固定モード等で用いる仰角マスク等を記憶するためのものである。RTC134は、ベースバンド処理を行うためのタイミングを生成するものである。このRTC134は、TCXO14からのクロック信号でカウントアップされる。
具体的には、ベースバンド処理部13は、各C/Aコードと同一のパターンのローカルコードを発生し、ベースバンド信号に含まれる各C/Aコードとローカルコードの相関をとる処理(衛星サーチ)を行う。そして、ベースバンド処理部13は、各ローカルコードに対する相関値がピークになるようにローカルコードの発生タイミングを調整し、相関値が閾値以上となる場合にはそのローカルコードをC/AコードとするGPS衛星2に同期(GPS衛星2を捕捉)したものと判断する。なお、GPSでは、すべてのGPS衛星2が異なるC/Aコードを用いて同一周波数の衛星信号を送信するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。したがって、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、捕捉可能なGPS衛星2を検索することができる。
また、ベースバンド処理部13は、捕捉したGPS衛星2の軌道情報や時刻情報を取得するために、当該GPS衛星2のC/Aコードと同一のパターンのローカルコードとベースバンド信号をミキシングする処理を行う。ミキシングされた信号には、捕捉したGPS衛星2の軌道情報や時刻情報を含む航法メッセージが復調される。そして、ベースバンド処理部13は、航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報を取得し、SRAM133に記憶する処理を行う。
また、ベースバンド処理部13は、所定の制御コマンド(具体的にはモード設定用の制御コマンド)を受信し、通常測位モードと位置固定モードのいずれかに設定される。ベースバンド処理部13は、通常測位モードでは、SRAM133に記憶されている4つ以上のGPS衛星2の軌道情報および時刻情報を用いて測位計算を行う。
また、ベースバンド処理部13は、位置固定モードでは、SRAM133に記憶されている1つ以上のGPS衛星2の軌道情報と、SRAM133に記憶されている受信点の位置情報とを用いて高精度の1PPSを出力する。具体的には、ベースバンド処理部13は、RTC134の一部に1PPSの各パルスの発生タイミングをカウントする1PPSカウンターを備えており、GPS衛星2の軌道情報と受信点の位置情報とを用いて、GPS衛星2から送信された衛星信号が受信点まで到達するのに要する伝搬遅延時間を計算し、この伝搬遅延時間に基づき1PPSカウンターの設定値を最適値に変更する。
また、ベースバンド処理部13は、通常測位モードにおいては、測位計算で得られた受信点の時刻情報に基づき1PPSを出力する。
なお、位置固定モードにおいて、複数のGPS衛星2が捕捉できれば測位計算を行ってもよい。
また、ベースバンド処理部13は、測位計算の結果の位置情報や時刻情報、受信状況(GPS衛星2の捕捉数、衛星信号の強度等)等の各種情報を含むNMEAデータを出力する。
以上説明したように構成されたGPS受信機10の動作は、図1に示す処理部(CPU)20により制御される。
処理部20は、GPS受信機10に対して各種の制御コマンドを送信してGPS受信機10の動作を制御し、GPS受信機10が出力する1PPSやNMEAデータを受け取って各種の処理を行う。なお、処理部20は、例えば、任意のメモリーに記憶されているプログラムにしたがって、各種処理を行ってもよい。
この処理部20は、位相比較器21、ループフィルター22、DSP(Digital Signal Processor)23、分周器24およびGPS制御部(受信制御部)25を有している。なお、DSP23とGPS制御部25とは一つの部品で構成されていてもよい。
DSP23は、GPS受信機10から定期的に(例えば、1秒毎に)NMEAデータを取得し、NMEAデータに含まれる位置情報(GPS受信機10による通常測位モードでの測位計算の結果)を集めて所定時間における統計情報を作成し、その統計情報に基づいて、受信点の位置情報を生成する処理を行う。特に、GPS受信機10による通常測位モードでの複数の測位計算結果の代表値(例えば、平均値、最頻値または中央値)に基づいて、受信点の位置情報を生成する。
GPS制御部25は、GPS受信機10に各種の制御コマンドを送信し、GPS受信機10の動作を制御する。具体的には、GPS制御部25は、GPS受信機10にモード設定用の制御コマンドを送信し、GPS受信機10を通常測位モードから位置固定モードに切り替える処理を行う。また、GPS制御部25は、GPS受信機10を通常測位モードから位置固定モードに切り替える前に、GPS受信機10に位置設定用の制御コマンドを送信し、DSP23が生成した受信点の位置情報をGPS受信機10に設定する処理を行う。
分周器24は、水晶発振器30が出力(生成)する内部信号であるクロック信号(周波数:f)をf分周し、1Hzの分周クロック信号を出力する。
GPS受信機10が衛星信号を正確に受信できる状況(リファレンス信号が十分に得られている状況)では、位相比較器21は、GPS受信機10が出力する1PPSと分周器24が出力する1Hzの分周クロック信号とを位相比較する。位相比較器21の比較結果の位相差信号は、ループフィルター22に入力され、ループフィルター22では、位相差信号に基づいて、水晶発振器30の制御電圧信号(制御電圧)(制御信号データ)を生成し、その制御電圧信号を水晶発振器30に向けて出力する。ループフィルター22のパラメーターは、DSP23により設定される。
尚、リファレンス信号が十分に得られている状況とは、例えば、GPS受信機10がリファレンス信号の信頼性を判断し、信頼できる時のみ1PPSを出力する状況であり、もしくはGPS受信機10が1PPSを出力し、かつ、DSP23が受信したGPSの情報を元にして演算部32がリファレンス信号が正確に受信できていると判定している状況を意味する。
分周器24が出力する1Hzの分周クロック信号は、GPS受信機10が出力する1PPSと同期しており、タイミング信号発生装置1は、この分周クロック信号をUTCと同期した極めて周波数精度の高い1PPS(基準信号)として外部に出力する。
すなわち、水晶発振器30は、ループフィルター22の出力電圧である制御電圧信号により周波数を調整可能に構成されており、前述のように、位相比較器21、ループフィルター22、DSP23および分周器24により、水晶発振器30が出力するクロック信号はGPS受信機10が出力する1PPSに完全に同期する。なお、位相比較器21、ループフィルター22、DSP23および分周器24による構成は、水晶発振器30が出力するクロック信号を1PPSに同期させる「同期制御部」として機能する。
水晶発振器30としては、特に限定されず、例えば、恒温槽型水晶発振器(OCXO)、温度補償型水晶発振器(TCXO)等が挙げられる。また、本実施形態では、発振器として、水晶発振器30を用いているが、これに限定されず、発振器として、例えば、原子発振器等を用いてもよい。
また、例えば、GPS受信機10が衛星信号を受信できない場合、GPS受信機10の衛星信号の受信状態が許容できる状態よりも低下した場合等の衛星信号を正確に受信できない状況(リファレンス信号が十分に得られていない状況)になると、制御部60の制御により、処理部20は、水晶発振器30が出力するクロック信号をGPS受信機10が出力する1PPSに同期させる処理を停止する。そして、制御部60は、水晶発振器30の自走発振用の制御電圧信号(制御電圧)(統計処理データ)を生成し、その制御電圧信号を水晶発振器30に向けて出力する。この制御電圧信号により、水晶発振器30の周波数は調整される。このようにして、タイミング信号発生装置1は、水晶発振器30を自走発振させて1PPS(基準信号)を外部に出力する。これにより、タイミング信号発生装置1は、GPS受信機10が出力する1PPSの精度が劣化した場合やGPS受信機10が1PPSを出力できない場合でも、水晶発振器30の自走発振による周波数精度の高い1PPSを出力することができる。この状態をホールドオーバーと呼ぶ。
なお、以下では、ホールドオーバーが生じておらず、GPS受信機10が衛星信号を正確に受信できており、かつ、水晶発振器30が出力するクロック信号とGPS受信機10が出力する1PPSが同期している状態をGPSロック状態とも言う。
また、タイミング信号発生装置1は、1PPSと同期して1秒毎に最新のNMEAデータを外部に出力し、また、水晶発振器30が出力する周波数がfのクロック信号も外部に出力する。
また、水晶発振器30の近傍には温度センサー40が配置されており、DSP23は、温度センサー40の検出値(検出温度)に応じて発振器の制御電圧信号を調整することで、水晶発振器30の周波数温度特性を温度補償(温度補正)する処理も行う。
図1に示すように、制御部60は、前述した処理部20の他、記憶部31および演算部32を有しており、例えば、水晶発振器30等の各部を制御する。記憶部31には、例えば、後述する水晶発振器30のエージング補正データ、補正後データ、統計処理データ、GPSロック状態(リファレンス信号が十分に得られている状態)での水晶発振器30を制御する制御信号データ等の各情報(データ)等が記憶される。なお、本実施形態では、記憶部31および演算部32は、それぞれ、制御部60の一部として構成されているが、これに限らず、記憶部31および演算部32のいずれか一方または両方が、制御部60とは別の部材で構成されていてもよい。
このタイミング信号発生装置1では、ホールドオーバーが生じた場合、前述したように、水晶発振器30が出力するクロック信号をGPS受信機10が出力する1PPSに同期させる処理を停止し、水晶発振器30の自走発振用の制御電圧信号を生成し、その制御電圧信号により水晶発振器30の周波数を調整して水晶発振器30を自走発振させる。
以下、図4〜図7に基づいて、水晶発振器30の自走発振用の制御電圧信号の生成方法について説明する。
図4は、水晶発振器30に一定の電圧を印加して水晶発振器30の周波数を測定した場合の周波数の経時変化、すなわち、発振器のエージング特性を示すグラフである。グラフの横軸は、時間であり、縦軸は、時間が0のときの周波数からの周波数の偏差である。また、グラフの実線は、測定データ(測定値)であり、破線は、その測定データの近似式である。なお、本実施形態では、前記近似式は、時間を変数とする1次関数で表されている。
図5は、図4に示すグラフの周波数の偏差を水晶発振器30の制御電圧信号の偏差に換算したグラフである。すなわち、図5のグラフは、図4のグラフにおいて、周波数を一定(周波数の偏差を0)にするための制御電圧信号の偏差を示している。また、グラフの実線は、周波数の測定データを換算した換算データ(換算値)であり、破線は、その換算データの近似式であり、これは、水晶発振器30のエージング特性を示すエージング特性データである。なお、本実施形態では、前記近似式、すなわち、水晶発振器30のエージング特性データは、時間を変数とする1次関数で表されている。
図6は、GPSロック状態で水晶発振器30を制御する制御信号データと、水晶発振器30のエージング特性を示すエージング特性データ(近似式)と、水晶発振器30のエージング補正データ(エージング補正量)とを示すグラフである。
図7は、補正後データを示すグラフである。
まず、タイミング信号発生装置1を実際に起動させる前(事前に)、水晶発振器30のエージング特性を検出し(求め)、そのエージング特性を示すエージング特性データを記憶部31に記憶し、そのエージング特性データに基づいてエージング補正データを求め、そのエージング補正データを記憶部31に記憶する。この一例を以下説明する。なお、水晶発振器30は、タイミング信号発生装置1に組み込まれた状態でもよく、また、組み込まれていない状態でもよい。
まず、温度一定の条件で、水晶発振器30に制御電圧信号として一定の電圧を印加し、水晶発振器30を発振させ、その水晶発振器30の周波数を測定する。測定された周波数の時間が0のときからの偏差は、図4に示す通りである。また、周波数の偏差の近似式は、演算部32により、例えば、単位時間毎に周波数の平均値を求め、隣り合う2つの平均値の差に基づいて求めることができる。なお、この他の方法で近似式を求めてもよい。
また、前記水晶発振器30の周波数を測定する期間は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1時間以上、24時間以下であることが好ましく、2時間以上、24時間以下であることがより好ましい。前記期間が前記下限値よりも短いと、他の条件によっては、傾向がつかめない虞があり、また、前記期間が前記上限値よりも長いと、演算量と記憶部31の使用容量が大きくなり、消費電力が増大する。
次に、図5に示すように、演算部32により、前記水晶発振器30の周波数の偏差を水晶発振器30の制御電圧信号の偏差に換算する。この換算では、水晶発振器30の周波数が一定となるような制御電圧信号の偏差を求める。この制御電圧信号の偏差の近似式で示されるデータが、水晶発振器30の経時劣化に相当する情報を含むデータ、すなわち、水晶発振器30のエージング特性データである。
次に、図6に示すように、演算部32により、エージング特性データに基づいて、エージング補正データを求め、そのエージング補正データを記憶部31に記憶する。このエージング補正データは、水晶発振器30の経時劣化(エージング)による周波数の低下(変動)を打ち消す(補う)データである。エージング補正データとしては、例えば、直線71に対して線対照なもの、すなわち、エージング特性データのグラフの勾配の符号を「マイナス」に変更したもの等が挙げられる。この場合、エージング補正データとしては、グラフの勾配のデータが含まれていれば十分である。以上で、事前の準備が完了する。
次に、タイミング信号発生装置1は、起動後、GPSロック状態のときに、水晶発振器30の制御電圧信号を示す制御信号データを記憶部31に記憶する(図6参照)。
次に、図6に示すように、例えば、起動してからの経過時間が16時間のときに、ホールドオーバーが生じた場合、図7に示すように、演算部32により、制御信号データにエージング補正データを加算し、補正後データを算出し、その補正後データを記憶部31に記憶する。
次に、演算部32により、補正後データに対して統計処理を行い、統計処理データを算出し、その統計処理データを記憶部31に記憶する。この統計処理データは、水晶発振器30の自走発振用の制御電圧信号を示している。
統計処理としては、特に限定されず、例えば、補正後データの平均値を求める処理、補正後データの最頻値を求める処理、補正後データの中央値を求める処理等が挙げられ、これらのうちでは、最頻値を求める処理または中央値を求める処理が好ましく、中央値を求める処理がより好ましい。統計処理では、例えば、補正後データの平均値、最頻値および中央値のうちの少なくとも1つを統計処理データとし、記憶部31に記憶する。統計処理データとしては、前述したように、最頻値または中央値が好ましく、中央値がより好ましい。これにより、ホールドオーバーが生じた場合に、特に、マルチパス等によるGPS受信機10が出力する1PPSのふらつきの影響がより低減された自走発振用の制御電圧信号(統計処理データ)を求めることができる。
また、前記統計処理を行う期間は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1時間以上、24時間以下であることが好ましく、2時間以上、24時間以下であることがより好ましい。前記期間が前記下限値よりも短いと、他の条件によっては、適切な統計処理データが得られない虞がある。また、GPS衛星は、24時間で地球の周りを1周するので、前記期間は、前記上限値で十分であり、また、前記期間が前記上限値よりも長いと、演算量と記憶部31の使用容量が大きくなり、消費電力が増大する。
以上説明したように、このタイミング信号発生装置1では、ホールドオーバーが生じた場合に、マルチパス等によるGPS受信機10が出力する1PPSのふらつきの影響、水晶発振器30の周波数温度特性による影響、水晶発振器30のエージングによる影響等が低減された自走発振用の制御電圧信号(統計処理データ)を求めることができる。これによって、精度の良い1PPSを生成することができる。
また、予め記憶部31にエージング補正データを記憶しておくので、タイミング信号発生装置1の駆動中に、エージング補正データを求める必要がなく、演算量を低減することができる。
<第2実施形態>
図8および図9は、それぞれ、本発明のタイミング信号発生装置の第2実施形態において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のタイミング信号発生装置1では、GPSロック状態で、制御信号データに基づいてエージング補正データを求める。
以下、図8および図9に基づいて、水晶発振器30の自走発振用の制御電圧信号の生成方法のうち、エージング補正データを求める方法について説明する。
図8は、GPSロック状態で水晶発振器30を制御する制御信号データと、水晶発振器30のエージング特性を示すエージング特性データ(近似式)とを示すグラフである。なお、本実施形態では、エージング特性データのグラフは、時間を変数とする1次関数で表されている。また、図9は、補正後データを示すグラフである。
まず、図8に示すように、GPSロック状態のときに、水晶発振器30の制御電圧信号を示す制御信号データを記憶部31に記憶する。
この制御信号データを収集(記憶)する期間は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1時間以上、24時間以下であることが好ましく、2時間以上、24時間以下であることがより好ましい。前記期間が前記下限値よりも短いと、他の条件によっては、傾向がつかめない虞があり、また、前記期間が前記上限値よりも長いと、演算量と記憶部31の使用容量が大きくなり、消費電力が増大する。
次に、演算部32により、制御信号データに基づいて、水晶発振器30のエージング特性を示すエージング特性データを求め、そのエージング特性データを記憶部31に記憶する。このエージング特性データは、例えば、単位時間毎に制御信号データの平均値を求め、隣り合う2つの平均値の差に基づいて求めることができる。なお、この他の方法でエージング特性データを求めてもよい。
次に、前述した第1実施形態と同様にして、演算部32により、エージング特性データに基づいて、エージング補正データを求め、そのエージング補正データを記憶部31に記憶する。
次に、ホールドオーバーが生じた場合、図9に示すように、前述した第1実施形態と同様にして、演算部32により、制御信号データにエージング補正データを加算し、補正後データを算出し、その補正後データを記憶部31に記憶する。以降の動作は、前述した第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
このタイミング信号発生装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、このタイミング信号発生装置1では、水晶発振器30のエージング特性が変化する場合にも対応することができ、より適切なエージング補正データを求めることができる。これによって、ホールドオーバーが生じた場合に、より適切な自走発振用の制御電圧信号を求めることができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明のタイミング信号発生装置の第3実施形態において、ホールドオーバー時の統計処理データの生成方法を説明するためのグラフである。
より詳細には、図10は、GPSロック状態で水晶発振器30を制御する制御信号データと、タイミング信号発生装置1の起動時から所定時間までの期間における水晶発振器30のエージング特性を示すエージング特性データ(近似式)と、所定時間経過後における水晶発振器30のエージング特性を示すエージング特性データ(近似式)とを示すグラフである。なお、本実施形態では、各エージング特性データのグラフは、それぞれ、時間を変数とする1次関数で表されている。
以下、第3実施形態について、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図10に示すように、第3実施形態のタイミング信号発生装置1では、タイミング信号発生装置1の起動時から所定時間までの期間(起動初期の期間)と所定時間経過後(安定期間)とを区分し、起動時から所定時間までの期間と所定時間経過後とでエージング補正データが異なっている。
このタイミング信号発生装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、起動時から所定時間までの期間では、水晶発振器30の周波数変動が大きく、所定時間経過後は、前記期間よりも水晶発振器30の周波数変動が低下するので、このタイミング信号発生装置1では、その両期間を区分することで、より適切なエージング補正データを求めることができ、これによって、より適切な自走発振用の制御電圧信号を求めることができる。
なお、第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態に適用することができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のタイミング信号発生装置1では、エージング特性データの勾配の閾値を設定し、エージング特性データの勾配が閾値以上の場合と閾値未満の場合とを区分し、その閾値以上の場合と閾値未満の場合とでエージング補正データが異なっている。
なお、第3実施形態に対応させると、エージング特性データの勾配が閾値以上の場合は、第3実施形態における起動時から所定時間までの期間に対応し、エージング特性データの勾配が閾値未満の場合は、第3実施形態における所定時間経過後に対応する。
このタイミング信号発生装置1によれば、前述した第3実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第4実施形態は、第1実施形態および第2実施形態に適用することができる。
2.電子機器
次に、本発明の電子機器の実施形態を説明する。
図11は、本発明の電子機器の実施形態を示すブロック図である。
図11に示す電子機器300は、タイミング信号発生装置310、CPU(Central Processing Unit)320、操作部330、ROM(Read Only Memory)340、RAM(Random Access Memory)350、通信部360および表示部370を備えている。
タイミング信号発生装置310は、例えば、上述の各実施形態のタイミング信号発生装置1のいずれかであり、先に説明したように、衛星信号を受信して高精度のタイミング信号(1PPS)を生成し、外部に出力する。これにより、より低コストで信頼性の高い電子機器300を実現することができる。
CPU320は、ROM340等に記憶されているプログラムに従い、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、CPU320は、タイミング信号発生装置310が出力するタイミング信号(1PPS)やクロック信号に同期して、計時処理、操作部330からの操作信号に応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部360を制御する処理、表示部370に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理等を行う。
操作部330は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をCPU320に出力する。
ROM340は、CPU320が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM350は、CPU320の作業領域として用いられ、ROM340から読み出されたプログラムやデータ、操作部330から入力されたデータ、CPU320が各種プログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部360は、CPU320と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部370は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、CPU320から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部370には操作部330として機能するタッチパネルが設けられていてもよい。
このような電子機器300としては種々の電子機器が考えられ、特に限定されないが、例えば、標準時刻との同期を実現する時刻管理用のサーバー(タイムサーバー)、タイムスタンプの発行等を行う時刻管理装置(タイムスタンプサーバー)、基地局等の周波数基準装置等が挙げられる。
3.移動体
図12は、本発明の移動体の実施形態を示す図である。
図12に示す移動体400は、タイミング信号発生装置410、カーナビゲーション装置420、コントローラー430、440、450、バッテリー460、バックアップ用バッテリー470を含んで構成されている。
タイミング信号発生装置410としては、例えば、上述の各実施形態のタイミング信号発生装置1を適用することができる。タイミング信号発生装置410は、例えば、移動体400が移動中は、通常測位モードでリアルタイムに測位計算を行って1PPS、クロック信号およびNMEAデータを出力する。また、タイミング信号発生装置410は、例えば、移動体400が停止中は、通常測位モードで複数回の測位計算を行った後、複数回の測位計算結果の最頻値または中央値を現在の位置情報として設定し、位置固定モードで1PPS、クロック信号およびNMEAデータを出力する。
カーナビゲーション装置420は、タイミング信号発生装置410が出力する1PPSやクロック信号に同期して、タイミング信号発生装置410が出力するNMEAデータを用いて、位置や時刻その他の各種の情報をディスプレイに表示する。
コントローラー430、440、450は、エンジンシステム、ブレーキシステム、キーレスエントリーシステム等の各種の制御を行う。コントローラー430、440、450は、タイミング信号発生装置410が出力するクロック信号に同期して各種の制御を行うようにしてもよい。
本実施形態の移動体400は、タイミング信号発生装置410を備えていることで、移動中も停止中も高い信頼性を確保することができる。
このような移動体400としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
以上、本発明のタイミング信号発生装置、電子機器および移動体を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、GPSを利用したタイミング信号発生装置を例に挙げたが、本発明では、GPSに限らず、GPS以外の全地球的航法衛星システム(GNSS)、例えば、ガリレオ、GLONASS等を利用してもよい。
1…タイミング信号発生装置、2…GPS衛星、10…GPS受信機、11…SAWフィルター、12…RF処理部、13…ベースバンド処理部、14…TCXO、20…処理部、21…位相比較器、22…ループフィルター、23…DSP、24…分周器、25…GPS制御部、30…水晶発振器、31…記憶部、32…演算部、40…温度センサー、50…GPSアンテナ、60…制御部、71…直線、121…PLL、122…LNA、123…ミキサー、124…IFアンプ、125…IFフィルター、126…ADC、131…DSP、132…CPU、133…SRAM、134…RTC、300…電子機器、310…タイミング信号発生装置、320…CPU、330…操作部、340…ROM、350…RAM、360…通信部、370…表示部、400…移動体、410…タイミング信号発生装置、420…カーナビゲーション装置、430…コントローラー、440…コントローラー、450…コントローラー、460…バッテリー、470…バックアップ用バッテリー

Claims (7)

  1. 内部信号を生成する発振器と、
    少なくとも前記発振器を制御し、外部から入力されるリファレンス信号が十分に得られているときは、前記リファレンス信号および前記内部信号に基づいて基準信号を生成し、前記リファレンス信号が十分に得られていないときは、前記内部信号に基づいて前記基準信号を生成する制御部と、
    前記発振器のエージング補正データと、前記リファレンス信号が十分に得られているときの、前記制御部の前記発振器を制御する制御信号データとを記憶する記憶部と、
    前記制御信号データに前記エージング補正データを加算し、補正後データを算出し、前記補正後データに対して統計処理を行い、統計処理データを算出する演算部と、を備え、
    前記制御部は、前記リファレンス信号が十分に得られていないときは、前記統計処理データに基づいて前記発振器を制御することを特徴とするタイミング信号発生装置。
  2. 前記制御部は、温度一定の条件で前記発振器のエージング特性を検出し、前記エージング特性に基づいて前記エージング補正データを求める請求項1に記載のタイミング信号発生装置。
  3. 前記制御部は、前記リファレンス信号が十分に得られているときの前記制御信号データに基づいて前記エージング補正データを求める請求項1に記載のタイミング信号発生装置。
  4. 起動時から所定時間までの期間と前記所定時間経過後とを区分し、前記起動時から所定時間までの期間と前記所定時間経過後とで前記エージング補正データが異なる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイミング信号発生装置。
  5. 前記統計処理では、前記補正後データの平均値、最頻値および中央値のうちの少なくとも1つを前記統計処理データとする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタイミング信号発生装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタイミング信号発生装置を備えることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタイミング信号発生装置を備えることを特徴とする移動体。
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