JP6751826B1 - 超電導送電用断熱多重管、超電導送電用断熱多重管の施工方法、及び超電導ケーブルの施工方法 - Google Patents

超電導送電用断熱多重管、超電導送電用断熱多重管の施工方法、及び超電導ケーブルの施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】曲げ加工及び曲げ戻し加工が可能であり、かつ内部に冷媒が流れる際の冷媒の圧力損失を抑えることができる超電導送電用断熱多重管を提供すること。【解決手段】超電導ケーブルコア2が挿入される超電導送電用断熱多重管1であって、ストレート管である内管11と、ストレート管であり、内管11の外側に配置される外管12と、内管11の外面に設けられる耐熱輻射層13と、外管12と耐熱輻射層13との間に設けられ、内管11の軸方向に所定間隔を空けて配置される複数の断熱材14と、を備え、内管11の内部に、超電導ケーブルコア2を冷却するための冷媒の流路FP2が形成されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導送電用断熱多重管、超電導送電用断熱多重管の施工方法、及び超電導ケーブルの施工方法に関する。
電流が流れる導体として超電導導体を用いる超電導ケーブルが知られている。超電導とは、金属や合金などの電気抵抗が、固有の転移温度以下でゼロになる現象である。超電導ケーブルは、その断面積が小さくても大電流を流すことができるため、送電設備を小型化でき、また、送電効率を向上させることができる。超電導ケーブルに電流を流す際には、超電導導体の超電導状態を維持するために、超電導導体を常に転移温度以下となるよう冷却する必要がある。例えば、超電導ケーブルの内部に冷媒(例えば液体窒素)を流すことにより、超電導導体を冷却する。また、超電導ケーブルの外部から超電導導体への熱の侵入を防ぐ必要もあるため、超電導ケーブルは、超電導線を撚り合わせて製作される超電導ケーブルコアと断熱多重管から構成される場合が多い。
下記特許文献1は、超電導導体を有する超電導ケーブルコアと、超電導ケーブルコアを収容する断熱多重管とを備える超電導ケーブルを開示する。断熱多重管は、内管と外管とを有する二重管構造である。超電導ケーブルコアの内部、及び超電導ケーブルコアと内管との間に、超電導導体を冷却する冷媒が流れる流路がそれぞれ形成されている。また、特許文献1においては、内管として可撓性を有するコルゲート管を用いることにより、超電導ケーブルの曲げ伸ばしを可能としている。
下記特許文献2は、超電導ケーブルコアを収容する断熱多重管を開示する。断熱多重管は、内管と、外管と、内管と外管との間に配置される多角形状のスペーサとを有する。内管内に、超電導導体を冷却する冷媒が流れる流路が形成されている。スペーサにより外管と内管との接触を防止する。また、スペーサを、その頂点において外管の内面と点接触させることにより、外管から内管へのスペーサを介した熱の侵入を抑制し、超電導ケーブルの外部から超電導導体への熱の侵入を低減している。
特開2019−164888号公報 特許第5092220号
例えば電力送電や鉄道に超電導ケーブルを用いる場合、長尺の超電導ケーブルが必要となる。超電導ケーブルの製作の容易さおよびケーブル敷設現場での作業性を考慮すると、超電導ケーブルに用いられる断熱多重管もまた、工場にて長尺に製造されることが望ましい。この場合、断熱多重管は、曲げ加工を施してドラムに巻き付けられた状態で工場から搬送される。また、敷設現場において、ドラムに巻き付けられた断熱多重管を直線状に曲げ戻す。
特許文献1においては、断熱多重管の曲げ加工、及び曲げ戻し加工を可能とするために、内管として可撓性を有するコルゲート管を用いている。しかしながら、内管がコルゲート管である場合、超電導ケーブルコアと内管との間に形成された流路を流通する際の冷媒の圧力損失が大きくなってしまう。また、コルゲート管は高価であるため、断熱多重管の製造コストが増大する。
特許文献2の断熱多重管においては、内管と外管との間に多角形状のスペーサが配置されており、スペーサは外管に点接触している。このような断熱多重管に曲げ加工を施した場合、スペーサと外管との接触点に応力が集中し、外管に座屈等の局所変形が生じる可能性がある。すなわち、特許文献2の断熱多重管では、曲げ加工、及び曲げ戻し加工を行うことができない。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、曲げ加工及び曲げ戻し加工が可能であり、かつ内部に冷媒が流れる際の冷媒の圧力損失を抑えることができる超電導送電用断熱多重管、超電導送電用断熱多重管の施工方法、及び超電導ケーブルの施工方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る超電導送電用断熱多重管は、超電導ケーブルコアが挿入される超電導送電用断熱多重管であって、ストレート管である内管と、ストレート管であり、前記内管の外側に配置される外管と、前記内管の外面に設けられる耐熱輻射層と、前記外管と前記耐熱輻射層との間に設けられ、前記内管の軸方向に所定間隔を空けて配置される複数の断熱材と、を備え、前記内管の内部に、前記超電導ケーブルコアを冷却するための冷媒の流路が形成されることを特徴とする。
内管としてストレート管を用いるため、内管の内面が平滑であり、内管の内部に形成された流路における冷媒の圧力損失が小さくなる。また、耐熱輻射層と外管との間に断熱材が所定間隔を空けて配置されているため、断熱多重管に曲げ加工及び曲げ戻し加工を施したとしても、断熱材が曲げ応力を伝達するスペーサとなり、内管及び外管の扁平を抑えることができる。すなわち、内管及び外管がストレート管の場合であっても、断熱多重管の曲げ加工及び曲げ戻し加工が可能となり、長尺の断熱多重管を製造することができる。また、内管及び外管の双方がストレート管であるため、コルゲート管を用いる場合と比べて製造コスト(特に材料コスト)が抑えられる。
また、本発明に係る超電導送電用断熱多重管において、前記複数の断熱材同士の隙間は、50mm以下であってもよい。
また、本発明に係る超電導送電用断熱多重管において、前記断熱材は円筒状であってもよい。
また、本発明に係る超電導送電用断熱多重管において、前記断熱材には、前記内管の軸方向に貫通する通気孔又は溝が形成されていてもよい。
本発明に係る超電導送電用断熱多重管の施工方法は、前記超電導送電用断熱多重管に曲げ加工を施した状態で、前記超電導送電用断熱多重管を運搬する運搬工程と、前記運搬工程の後に、前記超電導送電用断熱多重管を直線状に曲げ戻す曲げ戻し工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る超電導ケーブルの施工方法は、前記超電導送電用断熱多重管と、前記超電導送電用断熱多重管に挿入される超電導ケーブルコアとを備える超電導ケーブルの施工方法であって、前記超電導ケーブルに曲げ加工を施した状態で、前記超電導ケーブルを運搬する運搬工程と、前記運搬工程の後に、前記超電導ケーブルを直線状に曲げ戻す曲げ戻し工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、曲げ加工及び曲げ戻し加工が可能であり、かつ内部に冷媒が流れる際の冷媒の圧力損失を抑えることができる超電導送電用断熱多重管、超電導送電用断熱多重管の施工方法、及び超電導ケーブルの施工方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る超電導送電用断熱多重管の断面図である。 本発明の実施形態に係る超電導送電用断熱多重管の断熱材の設置間隔と、超電導送電用断熱多重管の曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管の真円度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る超電導送電用断熱多重管の断熱材の設置間隔と、超電導送電用断熱多重管の曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の外管の真円度との関係を示すグラフである。
以下、図1を参照し、本発明の実施形態に係る超電導送電用断熱多重管1(以下、単に断熱多重管1とも称する)を説明する。断熱多重管1には、超電導ケーブルコア2が挿通される。断熱多重管1と、超電導ケーブルコア2とにより、超電導ケーブルCが形成される。超電導ケーブルCは、長尺(例えば450m程度)であり、例えば電力送電や鉄道に用いられる。
超電導ケーブルコア2は、コルゲート管21と、コルゲート管21の外側に設けられる超電導導体22とを備える。超電導導体22は、熱絶縁層23と、超電導層24と、電気絶縁層25と、シールド超電導層26と、電気絶縁層27と、導体保護層28とが、この順に外側に積層されることにより形成される。なお、超電導ケーブルコア2の構成はこれに限られず、超電導ケーブルコア2としては公知のものを使用可能である。
コルゲート管21の内部には、超電導ケーブルコア2を冷却する冷媒が流れる第1の流路FP1が形成される。この冷媒として、例えば液体窒素が用いられる。
熱絶縁層23は、コルゲート管21と超電導導体22との間を熱的に絶縁する。超電導層24には、送電電流としての電流が流れる。電気絶縁層25は、超電導層24とシールド超電導層26との間を電気的に絶縁する。シールド超電導層26には、シールド電流としての電流が流れる。電気絶縁層27は、超電導導体22を外部から電気的に絶縁する。導体保護層28は、超電導導体22を外部から機械的に保護する。
断熱多重管1は、内管11と、外管12と、耐熱輻射層13と、複数の断熱材14とを備える。なお、以下、内管11の軸方向を単に軸方向と、内管11の径方向を単に径方向とも称する。
内管11は、円筒状であり、蛇腹加工や波形加工が行われていないストレート管である。すなわち、内管11の内面及び外面は平滑となっている。内管11の内部には、超電導ケーブルコア2が挿通される。超電導ケーブルコア2と内管11との間には隙間が形成される。内管11は、ステンレス鋼製である。例えば、内管11の材質は、SUS316、SUS316L、SUS304L、SUS304等から適宜選択される。
超電導ケーブルコア2と内管11との間の隙間には、超電導ケーブルコア2を冷却する冷媒が流れる第2の流路FP2が形成される。また、前述のように、コルゲート管21の内部には第1の流路FP1が形成されている。第1の流路FP1は、例えば、不図示の冷却装置から供給される冷媒が、超電導ケーブルCの一端から他端へ向けて流れる往路として用いられる。第2の流路FP2は、例えば、超電導ケーブルCの他端から排出された冷媒が、冷却装置まで戻るために、超電導ケーブルCの他端から一端へ向けて流れる復路として用いられる。冷却装置からの冷媒は、不図示のポンプにより圧縮された状態で超電導ケーブルCの一端に供給されることにより、第1の流路FP1及び第2の流路FP2を流通する。
外管12は、円筒状であり、蛇腹加工や波形加工が行われていないストレート管である。すなわち、外管12の内面及び外面は平滑となっている。外管12は、内管11の外側に設けられる。内管11と外管12との間には隙間が形成される。外管12は、ステンレス鋼製である。例えば、外管12の材質は、SUS316、SUS316L、SUS304L、SUS304等から適宜選択される。
耐熱輻射層13は、内管11の外面に設けられる。耐熱輻射層13は、内管11の全長に亘って設けられる。耐熱輻射層13は、内管11の外面の全体を覆うように設けられる。耐熱輻射層13は、例えば、スーパーインシュレーションを内管11に複数回巻き付けることにより形成される。スーパーインシュレーションは、例えば、アルミニウムが蒸着された樹脂フィルムとポリエステルネットを積層した構造からなる多層断熱材である。スーパーインシュレーションは、外部からの輻射熱の侵入を抑制する。すなわち、耐熱輻射層13により、外管12側から内管11側への輻射熱の伝達が抑制され、断熱多重管1の外部から超電導ケーブルコア2への熱の侵入を防ぐことができる。
断熱材14は、耐熱輻射層13と外管12との間に設けられる。断熱材14は、円筒状である。断熱材14は、円筒状の内管11と外管12との間に、全周に亘って配置されている。複数の断熱材14が、内管11の軸方向に所定間隔を空けて配置される。断熱材14は、耐熱輻射層13の外面に設けられる。断熱材14と外管12との間には隙間が形成されている。
断熱材14には、軸方向に貫通する不図示の通気孔もしくは溝が形成されている。例えば、通気孔は、断熱材14を径方向に貫通するよう形成されている。すなわち、通気孔は、円筒状の断熱材14の内周面から外周面まで延びる。この場合、断熱材14は、軸方向と直交する断面がC字状に形成される。なお、断熱材14の周方向の全長に対する、通気孔の周方向の長さは5%程度と十分に小さいため、断熱材14は、円筒状とみなすことができる。
断熱材14は、例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッカビニル、ポリクロロトリフルオロチレン)もしくはフッ素樹脂に繊維状のフィラーを添加したガラス繊維強化プラスチックなどを用いても良い。なお、断熱材14の材質はこれに限られない。例えば、断熱材14は、スーパーインシュレーションを耐熱輻射層13に複数回巻き付けることにより形成されていてもよい。
複数の断熱材14と外管12の間および耐熱輻射層13と外管12との間には、真空断熱部15が形成される。すなわち、断熱多重管1を軸方向に沿った断面で見ると、耐熱輻射層13と外管12との間には、断熱材14及び真空断熱部15と、真空断熱部15とが軸方向に交互に設けられることとなる。真空断熱部15は、内管11と外管12との間を真空引きすることにより形成される。真空引きは、内管11と外管12との間の空気を、断熱材14と外管12との間の隙間、断熱材14同士の間の隙間、及び断熱材14に形成された通気孔もしくは溝を介して外部に排出することにより行われる。断熱材14及び真空断熱部15により、外管12から内管11への熱伝導が抑制され、断熱多重管1の外部から超電導ケーブルコア2への熱の侵入を防ぐことができる。
本実施形態においては、複数の断熱材14が、断熱多重管1に曲げ加工及び曲げ戻し加工を行う際の、外管12から内管11への曲げ応力の伝達材として機能する。複数の断熱材14は、外管12から内管11への曲げ応力の伝達を平滑に行うだけでなく、曲げ戻し加工後の内管11及び外管12の真円度の維持にも寄与する。実験により、内管11及び外管12の扁平を効果的に抑えるための、複数の断熱材14同士の隙間(以下、断熱材14の設置間隔と称する)の好適な範囲を求めた。以下、実験の詳細、及び実験により得られた断熱材14の設置間隔の好適な範囲について、図2及び図3を参照して説明する。
実験においては、断熱材14の設置間隔が25mm、50mm、および100mmである断熱多重管1をそれぞれ製造し、断熱多重管1に曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11及び外管12の真円度を計測した。真円度の詳細については後述する。
曲げ加工として、200mm間隔で配置した3つの曲げローラを用いた、断熱多重管1の3点曲げを行った。曲げ戻し加工として、曲げ加工後の断熱多重管1が直線状に戻るよう曲げ戻しを行った。
真円度は、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11又は外管12について、軸方向に直交する断面における、径が最小となった部分の長さを短径として計測し、径が最大となった部分の長さを長径として計測し、短径を長径で除することにより求めた。真円度の値が大きいほど、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11又は外管12の断面が真円に近く、内管11及び外管12の扁平が抑えられたことを示す。真円度は、内管11又は外管12のうち、断熱材14が配置されている部分の断面(以下、断熱材あり断面と称する)と、断熱材14が配置されていない部分の断面(以下、断熱材なし断面と称する)とのそれぞれについて計測された。真円度は、断熱材14の幅(すなわち、断熱材14の軸方向の長さ)が19mm、38mm、及び50mmのそれぞれの場合について計測された。
図2は、断熱材14の設置間隔と、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11の真円度との関係を示す。図3は、断熱材14の設置間隔と、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の外管12の真円度との関係を示す。なお、図2及び図3において、縦軸は真円度を示し、横軸は断熱材14の設置間隔を示す。
図2及び図3に示されるように、断熱材14の設置間隔が25mm及び50mmの場合には、内管11及び外管12の双方において、真円度が断熱材あり断面と断熱材なし断面とのいずれも比較的大きい値を示しつつ、断熱材あり断面の真円度と、断熱材なし断面の真円度との差分が小さくなった。一方で、断熱材14の設置間隔が100mmの場合には、内管11においては、断熱材なし断面の真円度は大きくなるものの、断熱材あり断面の真円度が小さくなり、外管12においては、断熱材あり断面の真円度は大きくなるものの、断熱材なし断面の真円度が小さくなった。すなわち、断熱材14の設置間隔が100mmの場合には、内管11及び外管12の双方において、断熱材あり断面の真円度と、断熱材なし断面の真円度との差分が大きくなってしまった。また、この結果は、断熱材14の幅が19mm、38mm、及び50mmのいずれの場合にも生じた。
ここで、真円度が大きいほど、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11又は外管12の扁平が抑えられたことを示すため、真円度は大きいことが好ましい。また、断熱材あり断面の真円度と、断熱材なし断面の真円度との差分が小さいほど、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11又は外管12の扁平度の軸方向のばらつきが抑えられたことを示すため、この差分は小さいことが好ましい。特に、内管11においては、断熱材あり断面の真円度と断熱材なし断面の真円度との差分が大きいと、超電導ケーブルコア2と内管11との間に形成される第2の流路FP2の流路面積が、断熱材14が配置されている部分と断熱材14が配置されていない部分とで大きく異なってしまう可能性がある。この結果、第2の流路FP2を流れる冷媒の流通速度が軸方向で不均一となり、超電導ケーブルコア2の冷却度が軸方向で不均一となってしまう可能性がある。したがって、この点からも、断熱材あり断面の真円度と、断熱材なし断面の真円度との差分は小さいことが好ましい。
以上より、断熱材14の設置間隔の好適な範囲は、内管11及び外管12の双方において、真円度が断熱材あり断面と断熱材なし断面とのいずれも比較的大きい値を示しつつ、断熱材あり断面の真円度と、断熱材なし断面の真円度との差分が小さくなった、50mm以下であることが分かる。
なお、断熱材14は、内管11に対しては、外管12からの応力伝達点として機能する。すなわち、断熱材14が配置されている部分においては、外管12の曲げ変形が断熱材14を介して内管11へ伝達される。この結果、内管11において、断熱材あり断面の真円度は、断熱材なし断面の真円度に比べて小さくなったものと考えられる。また、内管11において、断熱材14の設置間隔が大きい100mmの場合には、応力伝達点が少なくなるため断熱材なし断面の真円度は大きくなったが、少ない応力伝達点に曲げ応力が集中するため断熱材あり断面の真円度は小さくなったものと考えられる。
また、断熱材14は、外管12に対しては、断面剛性度を向上させる役割を有する。外管12には、曲げローラにより直接曲げ応力が付与されるが、断熱材14が配置されている部分においては、外管12が断熱材14によって支持されるため、外管12の断面剛性が向上する。したがって、外管12において、断熱材あり断面の真円度は、断熱材14の設置間隔によらず大きくなったものと考えられる。一方で、断熱材14の設置間隔が大きくなるほど、外管12が断熱材14によって支持されていない部分(すなわち、断熱材14が配置されていない部分)が増える。したがって、外管12において、断熱材なし断面の真円度は、断熱材14の設置間隔が大きくなるほど低下したものと考えられる。
次に、断熱材14と外管12の内面との隙間の好適な範囲について説明する。断熱材14と外管12の内面との隙間は、1mm以上2mm以下であることが好ましい。具体的には、断熱多重管1の製造においては、まず内管11に耐熱輻射層13及び断熱材14が取り付けられ、その後、外管12に内管11が挿入される。内管11を外管12に円滑に挿入するために、断熱材14と外管12の内面との隙間が1mm以上あることが好ましい。一方で、断熱材14と外管12の内面との隙間が2mmを超えると、外管12が断熱材14によって十分に支持されず、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の外管12の扁平が大きくなってしまう可能性がある。したがって、断熱材14と外管12の内面との隙間が2mm以下であることが好ましい。なお、断熱材14の厚さ(すなわち、断熱材14の径方向の長さ)を調整することにより、断熱材14と外管12の内面との隙間を1mm以上2mm以下とすることができる。
以下、超電導ケーブルCおよび超電導送電用断熱多重管1の施工方法について説明する。まず、断熱多重管1に曲げ加工を施してドラムに巻き付ける。すなわち、工場にて、ドラムと、ドラムに巻き付けられた断熱多重管1と、を備えるコイル状運搬部材を製造し、このコイル状運搬部材を工場から超電導送電用ケーブルCの敷設現場まで運搬する(運搬工程)。敷設現場にて、ドラムに巻き付けられた断熱多重管1を直線状に曲げ戻す(曲げ戻し工程)。その後、断熱多重管1に超電導ケーブルコア2を挿入することにより超電導ケーブルCを形成し、超電導ケーブルCを敷設する。
なお、工場にて、断熱多重管1に超電導ケーブルコア2が挿入されて超電導ケーブルCが製造されてもよい。この場合には、工場にて、超電導ケーブルC(超電導ケーブルコア2が挿入された状態の断熱多重管1)に曲げ加工を施してドラムに巻き付け、ドラムと、ドラムに巻き付けられた超電導ケーブルC(断熱多重管1)と、を備えるコイル状運搬部材を製造し、このコイル状運搬部材を工場から敷設現場まで運搬する(運搬工程)。敷設現場にて、ドラムに巻き付けられた超電導ケーブルCを直線状に曲げ戻す(曲げ戻し工程)。
本実施形態に係る断熱多重管1は、ストレート管である内管11と、ストレート管であり、内管11の外側に配置される外管12と、内管11の外面に設けられる耐熱輻射層13と、外管12と耐熱輻射層13との間に設けられ、内管11の軸方向に所定間隔を空けて配置される複数の断熱材14と、を備える。内管11の内部に、超電導ケーブルコア2を冷却するための冷媒の流路FP2が形成される。
内管11としてストレート管を用いるため、内管11の内面が平滑であり、内管11の内部に形成された第2の流路FP2における冷媒の圧力損失が小さくなる。また、内管11(耐熱輻射層13)と外管12との間に断熱材14が所定間隔を空けて配置されているため、断熱多重管1に曲げ加工及び曲げ戻し加工を施したとしても、断熱材14が曲げ応力伝達のためのスペーサとなり、内管11及び外管12の扁平を抑えることができる。すなわち、内管11及び外管12がストレート管の場合であっても、断熱多重管1の曲げ加工及び曲げ戻し加工が可能となり、長尺の断熱多重管1を製造することができる。また、内管11及び外管12の双方がストレート管であるため、コルゲート管を用いる場合と比べて製造コスト(特に材料コスト)が抑えられる。
また、断熱材14の設置間隔は、50mm以下である。これにより、断熱多重管1の曲げ加工及び曲げ戻し加工による内管11及び外管12の扁平をより効果的に抑えることができる。また、曲げ加工及び曲げ戻し加工を行った後の内管11及び外管12の扁平度の軸方向のばらつきを抑えることができる。これにより、特に内管11について、第2の流路FP2の流路面積の軸方向のばらつきを抑えることができるため、第2の流路FP2を流れる冷媒の流通速度を軸方向で均一とし、超電導ケーブルコア2の冷却度を軸方向で均一とすることができる。
また、断熱材14は円筒状である。これにより、断熱多重管1に曲げ加工を施す場合に、断熱材14と外管12の内面とが面接触し、外管12への局所的な応力集中を防止することができるため、外管12の局所変形を確実に防ぐことができる。また、断熱材14によって外管12を全周に亘って支持することができるため、断熱多重管1の曲げ加工及び曲げ戻し加工による外管12の扁平をより効果的に抑えることができる。
また、断熱材14には、内管11の軸方向に貫通する通気孔又は溝が形成されている。これにより、内管11と外管12との間の真空引きを、通気孔又は溝を介して短時間で行うことができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
断熱材14に形成される通気孔又は溝は、省略されていてもよい。この場合であっても、内管11と外管12との間の真空引きを、例えば断熱材14と外管12との間の隙間を介して行うことができる。また、通気孔は、断熱材14の径方向の中央部のみに設けられていてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…断熱多重管(超電導送電用断熱多重管) 2…超電導ケーブルコア 11…内管 12…外管 13…耐熱輻射層 14…断熱材 C…超電導ケーブル FP1…第1の流路 FP2…第2の流路

Claims (6)

  1. 超電導ケーブルコアが挿入される超電導送電用断熱多重管であって、
    ストレート管である内管と、
    ストレート管であり、前記内管の外側に配置される外管と、
    前記内管の外面に設けられる耐熱輻射層と、
    前記外管と前記耐熱輻射層との間に設けられ、前記内管の軸方向に所定間隔を空けて配置される複数の断熱材と、
    を備え、
    前記内管の内部に、前記超電導ケーブルコアを冷却するための冷媒の流路が形成されることを特徴とする超電導送電用断熱多重管。
  2. 前記複数の断熱材同士の隙間は、50mm以下であることを特徴とする請求項1記載の超電導送電用断熱多重管。
  3. 前記断熱材は、円筒状であることを特徴とする請求項1又は2記載の超電導送電用断熱多重管。
  4. 前記断熱材には、前記内管の軸方向に貫通する通気孔又は溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導送電用断熱多重管。
  5. 超電導送電用断熱多重管の施工方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の超電導送電用断熱多重管に曲げ加工を施した状態で、前記超電導送電用断熱多重管を運搬する運搬工程と、
    前記運搬工程の後に、前記超電導送電用断熱多重管を直線状に曲げ戻す曲げ戻し工程と、
    を備えることを特徴とする超電導送電用断熱多重管の施工方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の超電導送電用断熱多重管と、前記超電導送電用断熱多重管に挿入される超電導ケーブルコアとを備える超電導ケーブルの施工方法であって、
    前記超電導ケーブルに曲げ加工を施した状態で、前記超電導ケーブルを運搬する運搬工程と、
    前記運搬工程の後に、前記超電導ケーブルを直線状に曲げ戻す曲げ戻し工程と、
    を備えることを特徴とする超電導ケーブルの施工方法。
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