JP2016133200A - 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路 - Google Patents

超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路 Download PDF

Info

Publication number
JP2016133200A
JP2016133200A JP2015009829A JP2015009829A JP2016133200A JP 2016133200 A JP2016133200 A JP 2016133200A JP 2015009829 A JP2015009829 A JP 2015009829A JP 2015009829 A JP2015009829 A JP 2015009829A JP 2016133200 A JP2016133200 A JP 2016133200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
pipe
superconducting
heat insulating
rigidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015009829A
Other languages
English (en)
Inventor
斎藤 高廣
Takahiro Saito
高廣 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2015009829A priority Critical patent/JP2016133200A/ja
Publication of JP2016133200A publication Critical patent/JP2016133200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Gas Or Oil Filled Cable Accessories (AREA)

Abstract

【課題】断熱管全体の剛性を十分に確保できながら、曲がり箇所を含む布設経路に布設された場合でも、曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる超電導ケーブル用断熱管、布設経路に含む曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる超電導ケーブル線路を提供する。
【解決手段】超電導導体層が収納される空間と、前記超電導導体層を冷却する冷媒が充填される空間とを含む内管と、前記内管の外周を覆う外管とを備え、前記内管の長手方向の一部に、他部よりも剛性が低い可撓部を備える超電導ケーブル用断熱管。
【選択図】図1

Description

本発明は、送電路などに利用される超電導ケーブル線路、超電導ケーブルに利用される断熱管に関する。特に、曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる超電導ケーブル用断熱管及び超電導ケーブル線路に関する。
超電導ケーブルは、小型でありながら、大容量の電力を低損失で送電可能なことから、省エネルギー技術として期待されている。超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアと、このコアを収納し、上記超電導導体層を超電導状態に維持する液体窒素などの冷媒が充填される真空断熱管とを備える構成が代表的である。真空断熱管は、内管と、内管の外周を覆い、内管との間に真空断熱層を形成する外管とを備える二重構造のコルゲート管が代表的である。
特許文献1は、超電導ケーブル用の真空断熱管として、コルゲート内管の山高さがコルゲート外管の山高さよりも大きいものを開示している。この真空断熱管は、曲げられて両管が近接した状態となっても、内管の凹部と外管の凸部とが完全に重なり合わず、内管の凹部が外管の凸部によって完全に塞がれないため、両管の間に真空層を確保し易いとしている。
特開2011−226526号公報
超電導ケーブルの布設経路に曲がり箇所がある場合などで曲がった状態に配置されても、曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる断熱管や超電導ケーブル線路が望まれる。
二重構造の真空断熱管を備える超電導ケーブルの一部を曲げた状態で布設して、内管に冷媒を導入すると、内管は冷媒温度に冷却されて熱収縮する。この熱収縮によって、内管における曲げられた部分には、その曲げの内側領域を外管における曲げの内側領域に接するように押し付ける力(側圧と呼ばれることがある)が発生する。この側圧によって、内管における曲げられた部分は、局所的に外管に接触し得る。内管と外管との接触部分は、外管が配置される常温環境から冷媒温度である内管への侵入熱の伝達部分となり、侵入熱の増大を招く。侵入熱の増大は、超電導ケーブル線路に併設される冷媒を冷却する冷却システムの熱負荷、特に冷凍機の熱負荷の増大を招く。冷凍機の容量は有限であり、侵入熱量によっては冷媒の温度上昇を招き得るため、侵入熱の増大を抑制することが望まれる。
特許文献1に記載の真空断熱管のように曲げられた状態で布設されても、内管と外管との間に真空層を確保できれば、侵入熱の増大を抑制できる。しかし、この真空断熱管は、その全長に亘ってコルゲート内管の山高さがコルゲート外管の山高さよりも高くなっており、内管全体の剛性が外管全体よりも相対的に低くなり易い。内管には、搬送用ドラムの巻き取りに伴う張力や布設時の張力、上述の冷媒による冷却に起因する熱収縮力や側圧、冷媒の圧送圧などの種々の力が付与される。そのため、内管は、その全体として、これらの力に十分に耐え得る剛性や強度を有することが好ましい。
そこで、本発明の目的の一つは、断熱管全体の剛性を十分に確保しつつ、曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる超電導ケーブル用断熱管を提供することにある。
本発明の別の目的は、断熱管全体の剛性を十分に確保しつつ、布設経路に含む曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる超電導ケーブル線路を提供することにある。
本発明の一態様に係る超電導ケーブル用断熱管は、超電導導体層が収納される空間と、前記超電導導体層を冷却する冷媒が充填される空間とを含む内管と、前記内管の外周を覆う外管とを備え、前記内管の長手方向の一部に、他部よりも剛性が低い可撓部を備える。
本発明の一態様に係る超電導ケーブル線路は、上記の超電導ケーブル用断熱管と、前記超電導ケーブル用断熱管の内管に収納され、前記内管内に充填された冷媒に冷却される超電導導体層とを備え、布設経路の曲がり箇所に前記可撓部を備える。
上記の超電導ケーブル用断熱管は、断熱管全体の剛性を十分に確保しつつ、曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる。
上記の超電導ケーブル線路は、断熱管全体の剛性を十分に確保しつつ、布設経路に含む曲がり箇所での熱侵入の増大を抑制できる。
実施形態1の超電導ケーブル用断熱管を備える実施形態1の超電導ケーブル線路において、布設経路の曲がり箇所近傍を示す概略構成図である。 実施形態2の超電導ケーブル用断熱管を備える実施形態2の超電導ケーブル線路において、布設経路の曲がり箇所近傍を示す概略構成図である。 実施形態2の超電導ケーブル用断熱管であって、可撓部と高剛性部との接続部を説明するために直線状に配置した状態を示す部分断面図である。 実施形態1,2の超電導ケーブル線路に備えるケーブルコアの一例であって、実施形態1,2の超電導ケーブル用断熱管に収納された状態を示す概略斜視図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1) 本発明の一態様に係る超電導ケーブル用断熱管は、超電導導体層が収納される空間と、上記超電導導体層を冷却する冷媒が充填される空間とを含む内管と、上記内管の外周を覆う外管とを備え、上記内管の長手方向の一部に他部よりも剛性が低い可撓部を備える。
上記の超電導ケーブル用断熱管は、内管の一部に相対的に剛性が低い可撓部を備えており、曲げられた場合に可撓部に弛みを十分に設けられる。そのため、例えば、曲がり箇所を含む布設経路に上記の超電導ケーブル用断熱管やこの断熱管を備える超電導ケーブルを布設する場合に上記曲がり箇所に可撓部を配置すれば、可撓部に設けられる弛みを内管の熱収縮の吸収代に利用できる。即ち、上記曲がり箇所における内管の熱収縮を可撓部の弛みによって吸収して、この熱収縮に起因する内管と外管との局所的な接触を抑制し、両管の間隔を良好に維持できる。代表的には真空断熱層を保持できる。かつ、上記の超電導ケーブル用断熱管における可撓部以外の箇所は、十分な剛性を備えており、断熱管全体としての剛性の低下を抑制できる。従って、上記の超電導ケーブル用断熱管は、全体としての剛性を十分に確保しつつ、曲がり箇所を含む布設経路に布設された場合でもその曲がり箇所での侵入熱の増大を抑制でき、この侵入熱の増大に起因する冷凍機などの冷却システムの熱負荷の増大を抑制できる。
(2) 上記の超電導ケーブル用断熱管の一例として、上記可撓部が下記の条件(A)〜(C)の少なくとも一つを満たす形態が挙げられる。
(A)上記他部よりも厚さが薄い管材である
(B)上記他部に設けられた波付け加工の山高さよりも高い山高さを有するコルゲート管又はベローズ管である
(C)上記他部に設けられた波付け加工のピッチよりも短いピッチを有するコルゲート管又はベローズ管である
上記形態は、従来超電導ケーブルの真空断熱管に利用されている内管の仕様、即ち厚さや波付け加工の山高さ、ピッチを内管の長手方向において部分的に変更することで、可撓部を備える内管を容易に構築でき、製造性や布設現場での施工性に優れる。上記の3つの条件のうち、複数を組み合わせて備える形態は、即ち、(A)+(B)、(B)+(C)、(A)+(C)、(A)+(B)+(C)のいずれか一つを満たす形態は、曲げられた場合に可撓部に弛みをより多く設けられて、上述の曲がり箇所での内管と外管との局所的な接触を抑制し易く、侵入熱の増大をより抑制し易い。
(3) 上記の超電導ケーブル用断熱管の一例として、上記可撓部と上記他部とを接続する接続部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、可撓部を構成する管材と、可撓部よりも剛性が高い他部を構成する管材とを工場や布設現場で溶接などして接続することで、可撓部を有する内管を簡単に構築できる。この形態は、任意の仕様の管材を利用でき、設計の自由度が高い。
(4) 本発明の一態様に係る超電導ケーブル線路は、上記(1)〜(3)のいずれか1つの超電導ケーブル用断熱管と、上記超電導ケーブル用断熱管の内管に収納され、上記内管内に充填された冷媒に冷却される超電導導体層とを備え、布設経路の曲がり箇所に上記可撓部を備える。
上記の超電導ケーブル線路は、布設経路の曲がり箇所に配置された内管の可撓部に弛みを十分に設けられるため、この弛みを内管の熱収縮の吸収代に利用できる。そのため、内管に冷媒を導入して内管が熱収縮しても、上記曲がり箇所における内管の熱収縮を可撓部の弛みによって吸収して、この熱収縮に起因する内管と外管との局所的な接触を抑制し、両管の間隔を良好に維持できる。代表的には真空断熱層を保持できる。かつ、上記の超電導ケーブル線路に備える断熱管は、上述のように内管の一部のみを局所的に剛性が低い箇所としており、断熱管全体としての剛性の低下を抑制できる。従って、上記の超電導ケーブル線路は、断熱管全体の剛性を十分に確保できながら、布設経路の曲がり箇所での侵入熱の増大を抑制でき、この侵入熱の増大に起因する冷凍機などの冷却システムの熱負荷の増大を抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下に図面を参照して、本発明の実施形態の具体例を説明する。図において同一符号は同一名称物を意味する。図1〜図3において、管材の厚さ、長さ、山高さ、ピッチ、凹凸の個数などは例示である。
[実施形態1]
以下、図1を主に参照して、実施形態1の超電導ケーブル線路1α、及び超電導ケーブル用断熱管2αを説明する。内管21の具体的な仕様については、図3を参照する。
実施形態1の超電導ケーブル線路1αは、超電導導体層112(図4)を備えるケーブルコア110、及びケーブルコア110を収納し、超電導導体層112を冷却する液体窒素などの冷媒150が充填される超電導ケーブル用断熱管2α(以下、単に断熱管2αと呼ぶ)と、ケーブルコア110の各端部に設けられて低温から常温への電力の引出を行う端末接続部(図示せず)とを備えて、送電路に利用される。断熱管2αは、ケーブルコア110の収納空間と、冷媒150の充填空間とを有する内管21と、内管21の外周を覆う外管22とを備え、両管21,22の間に真空断熱層を備える二重構造の真空断熱管である。
実施形態1の断熱管2αは、内管21をその長手方向にみたときに部分的に剛性が異なっており、長手方向の一部に他部(後述の高剛性部21S)よりも相対的に剛性が低い可撓部21Bを備える点を特徴の一つとする。実施形態1の超電導ケーブル線路1αは、ケーブルコア110と断熱管2αとを主体とし、布設経路に曲がり箇所Bを含み、曲がり箇所Bに可撓部21Bを備える点を特徴の一つとする。以下、断熱管2αをまず説明し、次にその他の構成を説明する。
・断熱管
断熱管2αは、その内部に冷媒150が充填されたとき、断熱管2αの外部からの熱侵入を低減して、熱侵入に起因する冷媒150の温度上昇を抑制するために、内管21と外管22とが離間されて設けられている。しかし、断熱管2αが曲げられた状態で内管21に冷媒150が充填されると、内管21は冷媒150に冷却されて熱収縮し、断熱管2αの曲げられた部分では、この熱収縮に起因する側圧によって両管21,22が接触し得る。この接触を抑制するために、内管21では可撓部21Bを構成する管材の仕様と、高剛性部21Sを構成する管材の仕様とが異なり、可撓部21Bの管材を高剛性部21Sよりも可撓性に優れるものとする。断熱管2αは、可撓部21Bを含む二重構造の屈曲用部2Bと、高剛性部21Sを含む二重構造の直線用部2Sとを備え、屈曲用部2B(可撓部21B)を布設経路の曲がり箇所Bに配置する部分とする。
・・内管
内管21は、代表的には、相対的に剛性が低く可撓性に富む可撓部21Bと、可撓部21Bを挟むように配置されて相対的に剛性が高い高剛性部21S,21Sとを備える。
・・・可撓部
可撓部21Bは、可撓性に優れることが望まれるため、直管ではなく、コルゲート管又はベローズ管が好ましい。直管とは、凹凸が無く平滑な表裏面で形成され、その長手方向に平行な平面で切断した縦断面形状が平行な二平面となる管材である。コルゲート管とは、螺旋状に波付け加工されて凹凸形状の表裏面を有し、上記縦断面形状が中心軸を中心として非対称な管材である。ベローズ管とは、軸方向に沿って所定の間隔で大径となる凸部と小径となる凹部とを繰り返すように波付け加工されて凹凸形状の表裏面を有し、上記縦断面形状が中心軸を中心として対称な管材である。以下、可撓性をより高める構成を説明する。
・・・・厚さ
コルゲート管又はベローズ管にすることに加えて、可撓部21Bは、例えば、その厚さTが高剛性部21Sを構成する管材の厚さTよりも薄い管材とすることができる(T<T)。この場合、内管21は、その長手方向に見たときに部分的に厚さが薄い薄肉部を有する管材であり、薄肉部分を可撓部21Bとする。管材の厚さを調整することで、例えば高剛性部21Sの管材における波付け加工の山高さやピッチなどが同一であっても、良好な可撓性を有する可撓部21Bとすることができる。具体的な可撓部21Bの厚さTとして、例えば、高剛性部21Sの管材Tの厚さの50%以上70%以下程度、更に55%以上65%以下程度が挙げられる。より具体的な可撓部21Bの厚さTとして、例えば0.2mm以上1.0mm以下程度、更に0.3mm以上0.6mm以下程度が挙げられる。可撓部21Bの厚さTが上記範囲を満たすことで、内管21に付与され得る種々の力(上述の布設時の張力、冷媒150の冷却による熱収縮力や側圧、冷媒150の圧送圧など)に十分に耐え得る強度を有すると共に、例えば可撓部21Bの直径の10倍以上30倍以下程度の曲げ半径で曲げられたときに十分な弛みを設けられる程度の可撓性を有する。
・・・・山高さ
コルゲート管又はベローズ管にすることに加えて、可撓部21Bは、例えば、高剛性部21Sに設けられた波付け加工の山高さH(0mmを含む)よりも高い山高さHを有することができる(H>H、図3)。山高さとは、最も突出した地点(山、大径)と最も凹んだ地点(谷、小径)との間の距離をいう。この場合、内管21は、その長手方向にみたとき、山高さが高い部分を局所的に有し、この部分を可撓部21Bとする。管材の山高さを調整することで、例えば高剛性部21Sの管材と同一厚さの管材であっても、良好な可撓性を有する可撓部21Bとすることができる。可撓部21Bと高剛性部21Sとが同一厚さの管材で構成されている場合、即ち、内管21がその全長に亘って厚さが均一な管材である場合、高い強度が期待できる。具体的な可撓部21Bの山高さHとして、例えば、高剛性部21Sの山高さH(≠0)の1倍超3倍以下程度、更に1倍超2倍以下程度が挙げられる。より具体的な可撓部21Bの山高さHとして、例えば、1mm以上30mm以下程度、更に2mm以上20mm以下程度が挙げられる。可撓部21Bの山高さHが上記範囲を満たすことで、内管21に付与され得る上述の種々の力に十分に耐え得る強度を有すると共に、例えば可撓部21Bの直径の10倍以上30倍以下程度の曲げ半径で曲げられたときに十分な弛みを設けられる程度の可撓性を有する。
・・・・ピッチ
コルゲート管又はベローズ管にすることに加えて、可撓部21Bは、例えば、高剛性部21Sに設けられた波付け加工のピッチP(≠0)よりも短いピッチP(≠0)を有することができる(P<P、図3)。波付け加工のピッチ(波付けピッチ)とは、隣り合った、最も突出した地点(山、大径)間の距離をいう。この場合、内管21は、その長手方向にみたとき、波付けピッチが短い部分を局所的に有し、この部分を可撓部21Bとする。管材の波付けピッチを調整することで、例えば高剛性部21Sの管材と同一厚さの管材であっても、良好な可撓性を有する可撓部21Bとすることができる。可撓部21Bと高剛性部21Sとが同一厚さの管材で構成されている場合、上述のように高い強度が期待できる。具体的な可撓部21Bの波付けピッチPとして、例えば、高剛性部21Sの波付けピッチPの0.3倍以上1倍未満程度、更に0.5倍以上1倍未満程度が挙げられる。より具体的な可撓部21Bの波付けピッチPとして、例えば、3mm以上30mm以下程度、更に5mm以上20mm以下程度が挙げられる。可撓部21Bの波付けピッチPが上記範囲を満たすことで、内管21に付与され得る上述の種々の力に十分に耐え得る強度を有すると共に、例えば可撓部21Bの直径の10倍以上30倍以下程度の曲げ半径で曲げられたときに十分な弛みを設けられる程度の可撓性を有する。
・・・・構成材料
可撓部21Bの構成材料は、液体窒素などの冷媒150と反応せず、冷媒温度で利用可能であり、高強度であるステンレス鋼などの金属が挙げられる。その他、可撓部21Bは、高剛性部21Sの構成材料よりも剛性が低く、冷媒150と反応せず、冷媒150の使用温度に耐え得る低剛性材料によって構成することができる。
可撓部21Bを構成する管材は、上述の厚さ、山高さ、ピッチ及び構成材料から選択される一つの条件のみを満たす他、複数の条件を満たすことができる。複数の条件を満たす場合、残りの条件については、可撓部21Bの管材と高剛性部21Sの管材とを等しくしてよい。
・・・・長さ
可撓部21Bは、曲がり箇所Bに配置することから、曲がり箇所Bの長さに応じて、その長さを調整するとよい。直線箇所Sの一部に可撓部21Bが配置されることを許容するが、可撓部21Bが長過ぎると、断熱管2α全体としての剛性の低下を招く。そのため、図1に示すように可撓部21Bの長さと曲がり箇所Bの長さとは実質的に等しいことが好ましい。
・・・高剛性部
高剛性部21Sは、従来の超電導ケーブルの断熱管の内管に利用されている種々の仕様の管材が利用できる。代表的には、ステンレス鋼などの金属からなり、所望の強度を満たす厚さを有するコルゲート管、ベローズ管、及び直管のいずれか一つが挙げられる。図1,及び後述する図2,図3では、可撓部21B及び高剛性部21Sのいずれもがコルゲート管である場合、即ち内管21が全長に亘って波付け加工された管材である場合を例示する。特に、高剛性部21Sは、上述した厚さ、波付け加工の山高さ、ピッチ、及び構成材料の少なくとも一つについて上述の特定の関係(厚さT<T、山高さH>H、ピッチP<Pなど)を満たす。
・・・可撓部と高剛性部との一体化
可撓部21Bと高剛性部21Sとは、代表的には、上述の特定の関係を満たし、剛性が異なる管材をそれぞれ用意して、溶接などで接続することで一体の管材にできる。この場合、内管21は、可撓部21Bと高剛性部21Sとを接続する接続部32αを備える。図1では、接続部32αを備える場合を例示する。
接続部32αの形成は、工場などでも、布設現場でも行える。工場などで接続部32αを形成する場合、可撓部21Bと高剛性部21Sとを備える内管21を工場などで製造することになり、更に内管21の外周に外管21を設けることで、断熱管2αを工場などで製造できる。この場合、この断熱管2αを布設現場に搬送して布設すればよいため、布設現場での作業が少なく、作業性に優れる。一方、布設現場で接続部32αを形成する場合、剛性が異なる管材などを布設現場に別個に搬送できる。この場合、剛性が低いことに起因して、可撓部21Bとなる管材に損傷などが生じることを効果的に防止できる。
接続部32αは、例えば、可撓部21Bの管材と高剛性部21Sの管材同士を突合せ溶接することで形成できる。又は、接続部32αは、図1に示すように可撓部21Bの管材と高剛性部21Sの管材との開口部間に溶接用リング材などを介在させて溶接することで形成できる。溶接用リングなどを利用することで、管材の厚さが異なる場合などでも、容易に接続できる。この形態は、内管21と外管22との間に連続した空間(真空層)を形成できる。例えば、工場などで両管21,22の間の真空引きを行って真空断熱層を備える断熱管2αを作製し、布設現場に搬送することができる。又は、管材を布設現場に搬送し、布設現場で接続部32αの形成、真空引きを行うことができる。例えば、工場などで真空引きして仮止めなどした二重構造管を作製して、屈曲用部2Bの二重構造管と直線用部2Sの二重構造管とを布設現場に搬送する。布設現場では、仮止めを外して、可撓部21Bの管材と高剛性部21Sの管材との接続部32α、外管材22B,22Sの接続部32αを形成して、屈曲用部2Bと直線用部2Sとを接続すると共に、内管21、外管22を形成する。その後、真空引きする。予め真空引きされた二重構造管を利用することで、布設現場での真空引き時間を短縮でき、作業性に優れる。
一方、上述の波付け加工の山高さやピッチの変更は、波付け加工機の設定を調整することで容易に行える。そのため、工場などで所定の厚さの管材に波付け加工を行う場合に、部分的に山高さやピッチを変更することで、可撓部21Bと高剛性部21Sとを連続して製造できる。この場合、内管21の一例として、接続部を有さず、1本の連続する管材とすることができ、液密性に優れる。この内管21の外周に連続して外管22を設けることで、両管21,22の間に連続した空間(真空層)を形成できる。そのため、この形態では、工場などで両管21,22の間の真空引きを行って真空断熱層を備える断熱管2αを作製し、布設現場に搬送するとよい。
・・外管
外管22は、その長手方向に一様な仕様の管材とすることができる。即ち、厚さ、コルゲート管やベローズ管とする場合には波付け加工の山高さやピッチを、外管22の全長に亘って等しくすることができる。仕様が等しく一様なことで外管22を製造し易い上に、取り扱い易い。例えば、外管22の仕様は、内管21の高剛性部21Sの仕様と同様とすることができる。この場合、外管22の管材の仕様は、可撓部21Bの仕様と比較して、その全長に亘って、厚さが厚い、山高さが小さい、及びピッチが長いなどの少なくとも一つを満たす。外管22は、図1に示すように外管材22B,22Sと、これらを接続する接続部32αとを有する形態の他、上述のように内管21の外周に連続して設けることで、接続部を有さず、1本の連続する形態とすることができる。
・・その他
断熱管2αは、内管21と外管22との間に、スーパーインシュレーション(商品名)などの断熱材120(図4)を備えると、より高い断熱性を有することができる。また、断熱管2αは、内管21と外管22との間に、所定の間隔を保持するスペーサ(図示せず)を備えると、両管21,22の接触をより低減し易い。
・ケーブルコア
図4を参照して、超電導ケーブル線路1αの主要部材であるケーブルコア110を説明する。図4に示すケーブルコア110は、中心から順にフォーマ111、超電導導体層112、電気絶縁層113、接地層114、保護層115を備え、これらが同軸状に配置されている。図4では、1本のケーブルコア110が一つの断熱管2αに収納された単心ケーブルを例示する。また、超電導層(超電導導体層112)と電気絶縁層113との双方が断熱管2αに収納されて冷媒150(図1)によって冷却される低温絶縁型のケーブルを例示する。ケーブルコア110の各要素は、公知の構成を利用できる。以下、各要素の機能や代表的な構成を説明する。
・・フォーマ
フォーマ111は、超電導導体層112を支持する支持部材である。具体例として、管材などの中空体や、複数の金属の素線を撚り合わせた撚り線、複数の撚り線を更に撚り合わせた撚り合せ体などの中実体などが挙げられる。主たる構成材料は、銅やアルミニウム、その合金といった常電導材料が挙げられる。上記素線は、金属導体線が絶縁被覆で覆われた被覆線が挙げられる。
・・超電導導体層
超電導導体層112は、フォーマ111の外周に複数の超電導線材をスパイラル巻きして形成された線材層が挙げられる。超電導線材は、Bi2223といったビスマスを含む酸化物系銀シース線材や、RE123といった希土類元素を含む酸化物系薄膜線材などのテープ状線材が挙げられる。線材層や線材の使用本数などは、所定の電力量に応じて選択でき、多層構造の他、単層とすることができる。多層の場合、線材層間に絶縁紙などを巻回した層間絶縁層(図示せず)を設けることができる。
・・電気絶縁層
電気絶縁層113は、超電導導体層112とその外側に配置された接地層114との間に介在し、両者の電気的絶縁を確保する。電気絶縁層113は、クラフト紙やPPLP(登録商標;Polypropylene Laminated Paper)といった半合成紙などの絶縁紙を超電導導体層112の外周にスパイラル巻きして形成された巻回層が挙げられる。電気絶縁層113内外に半導電層(図示せず)を設けることができる。
・・・接地層
接地層114は、接地電位をとるための導電部である。接地層114は、上述の超電導線材や銅などの常電導材料からなる線材やテープ材、編組材などを適宜スパイラル巻きなどして形成された巻回層が挙げられる。超電導線材を備える接地層114は、例えば、交流送電では超電導シールド層に利用できる。
電気絶縁層113の外周に超電導線材による巻回層を設け、別途、常電導材料からなる接地層114を設けることができる。この場合、外側の超電導層は、交流送電では上述のように超電導シールド層、直流送電(バイポール送電)では正極導体又は負極導体に利用できる。外側の超電導層と常電導材料の接地層114との間には層間絶縁層を設けることができる。
・・保護層
保護層115は、ケーブルコア110の最外周に配置され、その内側に具備する要素の機械的保護と、金属や超電導材といった導電材料で構成される接地層114及び断熱管2α間の電気的絶縁を確保する。保護層115は、上述の絶縁紙を接地層114の外周にスパイラル巻きして形成された巻回層が挙げられる。
・・その他
断熱管2αの外管22の外側には、ビニルやポリエチレンなどの防食材から構成される防食層130を備える。工場などでは、防食層130の形成に押出などが利用できる。布設現場で屈曲用部2Bの外管材22Bの外周に防食層130を形成する場合には、外管材22Bの外周にポリエチレンテープなどを重ね巻きなどすることが挙げられる。
・布設方法
実施形態1の超電導ケーブル線路1αは、直線箇所Sと曲がり箇所Bとを備える布設経路に対して、例えば、上述の断熱管2αをまず布設した後、断熱管2α内にケーブルコア110を収納する後入れ形態が挙げられる。断熱管2αは、上述のように工場で予め作製したものを布設現場に搬送する他、断熱管2αの構成材(上述の内外の管材や真空引きした二重構造管など)を布設現場に搬送して、布設現場で構築することができる。その他、工場などでケーブルコア110を収納した断熱管2αを備える超電導ケーブルを作製しておき、この超電導ケーブルを布設経路に沿って布設する先入れ形態が挙げられる。以下、各形態をより具体的に説明する。
・・後入れ形態
・・・断熱管を布設現場で構築する場合
断熱管2αを布設現場で構築する場合、代表的には、断熱管2αの全体を形成した後、ケーブルコア110を収納する。例えば、布設経路における直線箇所Sに、高剛性部21Sの管材、及び外管材22Sを布設して直線用部2Sを構築する。次に、二つの直線箇所S,Sに挟まれる曲がり箇所Bに、可撓部21Bの管材及び外管材22Bをそれぞれ配置して、溶接などによって接続部32αを形成して直線用部2Sと屈曲用部2Bとを接続する。その後、真空引きする。その結果、直線用部2Sと屈曲用部2Bとを備える断熱管2αを布設現場で容易に構築できる。その後、断熱管2αにケーブルコア110を収納する。接続部32αの形成を布設現場で行う場合、屈曲用部2B(特に可撓部21B)の損傷防止に加えて、布設時の誤差を解消できる。例えば、可撓部21Bや外管材22Bを長めに用意しておき、弛みを多く設けて配置することによって、上記誤差を吸収できる。
又は、断熱管2αを布設現場で構築する場合に、断熱管2αの形成途中でケーブルコア110を収納することができる。例えば、布設経路における直線箇所Sに、直線用部2Sを構築した後、複数の直線用部2S,2Sを渡るようにケーブルコア110を収納する。そして、二つの直線箇所S,Sに挟まれる曲がり箇所Bに、部分的に露出しているケーブルコア110の外周を覆うように、可撓部21Bを構成する半割れの管材及びその外周を覆う半割れの外管材をそれぞれ配置して半割れ片を溶接などして環状に接続する。接続した環状の管材と直線用部2Sとを溶接などによって接続部32αを形成して接続することで屈曲用部2Bを構築できる。
・・・断熱管を工場で製造する場合
可撓部21Bと高剛性部21Sとを備える内管21を内包する断熱管2αを予め工場などで作製して、布設現場に搬送する。そして、布設経路における直線箇所Sに直線用部2S(高剛性部21S、外管材22S)が配置され、二つの直線箇所S,Sに挟まれる曲がり箇所Bに、屈曲用部2B(可撓部21B、外管材22B)が配置されるように断熱管2αを布設する。その後、断熱管2αにケーブルコア110を収納する。この場合、布設現場での可撓部21Bと高剛性部21Sとの接合などが不要である。
・・先入れ形態
先入れ形態では、工場などで、ケーブルコア110を収納する断熱管2αを予め工場などで作製して、布設現場に搬送する。そして、布設経路における直線箇所Sに直線用部2S(高剛性部21S、外管材22S)が配置され、二つの直線箇所S,Sに挟まれる曲がり箇所Bに、屈曲用部2B(可撓部21B、外管材22B)が配置されるように断熱管2αを布設する。
・効果
実施形態1の超電導ケーブル用断熱管2αは、内管21の一部に可撓部21Bを備えるため、曲がり箇所Bを含む布設経路に布設する場合に曲がり箇所Bに可撓部21Bを配置すると、可撓部21Bに弛みを十分に設けられる。そのため、断熱管2αの内管21に冷媒150が導入されて内管21が熱収縮しても、上記弛みが伸長することでこの熱収縮を吸収できる。この結果、曲がり箇所Bに配置された可撓部21Bにおいて、この熱収縮に起因する内管21と外管22との接触を抑制でき、真空断熱層を良好に保持できる。かつ、断熱管2αは、可撓部21Bよりも剛性が高い高剛性部21Sを備えており、可撓部21B以外の箇所が十分な剛性を備えるため、全体としての剛性の低下を抑制できる。従って、断熱管2αは、全体の剛性を十分に確保しつつ、曲がり箇所Bを含む布設経路に布設された場合でもその曲がり箇所Bでの侵入熱の増大を抑制できる。また、断熱管2αは、この侵入熱の増大に起因する冷凍機などの冷却システムの熱負荷の増大を抑制することに寄与できる。
実施形態1の超電導ケーブル線路1αは、可撓部21Bを備える実施形態1の超電導ケーブル用断熱管2αを構成要素とし、布設経路の曲がり箇所Bに可撓部21を配置することで、可撓部21Bに弛みを十分に設けられる。そのため、上述のように冷媒150による内管21の熱収縮を上記弛みによって吸収でき、曲がり箇所Bに配置された可撓部21Bにおいて、この熱収縮に起因する内管21と外管22との接触を抑制でき、真空断熱層を良好に保持できる。また、超電導ケーブル線路1αは、可撓部21Bと高剛性部21Sとの双方を含むことで管全体として十分な剛性を有する断熱管2αを構成要素とする。従って、超電導ケーブル線路1αは、断熱管2α全体の剛性を十分に確保しつつ、布設経路の曲がり箇所Bでの侵入熱の増大を抑制できる。また、超電導ケーブル線路1αは、この侵入熱の増大に起因する冷凍機などの冷却システムの熱負荷の増大を抑制できる。
[実施形態2]
以下、図2,図3を主に参照して、実施形態2の超電導ケーブル線路1β、及び超電導ケーブル用断熱管2β(以下、単に断熱管2βと呼ぶ)を説明する。
実施形態2の超電導ケーブル線路1β及び断熱管2βの基本的構成は実施形態1と同様であり、接続部32βの形態が異なる。以下、この相違点を詳細に説明し、重複する構成及びその効果については説明を省略する。図3では分かり易いように、断熱管2βを曲げられた状態ではなく直線的に配置した状態を示す。図2では、接続部32βを簡略して示す。
接続部32βは、例えば、フランジ接続によって構成することができる。フランジ接続を行う場合、例えば、可撓部21Bを形成するフランジ付内管材と、可撓部21Bの外周に設けられて、可撓部21Bと共に二重構造の屈曲用部2Bを形成する外管材22Bとしてフランジ付外管材とを用意する。フランジ付内管材は、図3に示すように剛性が低い管材と、管材の両端の開口縁から径方向外方に延設されるフランジ部21f,21fとを備える。フランジ付外管材は、外管材22Bと、外管材22Bの両端の開口縁から径方向外方に延設されるフランジ部22f,22fとを備える。一方、高剛性部21Sを含み、二重構造の直線用部2Sを構成する構成材として、例えば、高剛性部21Sと、高剛性部21Sの管材の外周に設けられる外管材22Sとの両端の開口部がフランジ部24f,24fによって封止され、真空引きされた真空断熱層付管材を用意する。
直線用部2Sとなる真空断熱層付管材のフランジ部24fと、可撓部21Bとなるフランジ付内管材のフランジ部21fとを溶接などで接合する。次に、可撓部21Bの外周を覆うようにフランジ付外管材の外管材22Bを配置して、フランジ部24fとフランジ付外管材のフランジ部22fとを溶接などで接合する。その後、可撓部21Bと外管材22Bとの間を真空引きすることで、真空断熱層を備える屈曲用部2Bを構築でき、ひいては断熱管2βを構築できる。フランジ部21f,24f間、フランジ部22f,24f間には、適宜、シール材26,28を介在させることで、液密性、気密性に優れる。
上述のように、フランジ付内管材とフランジ付外管材とが別部材であり、接続部32βの形成を布設現場で行う場合、屈曲用部2B(特に可撓部21B)の損傷防止、布設時の誤差の解消を行える。上述の真空断熱層付管材を布設した後に屈曲用部2Bを形成できるからである。また、高剛性部21Sを含む直線用部2Sを上述のように真空断熱層付管材で構成する場合、布設現場での真空引き作業が少なく、作業性に優れる。一方、接続部32βの形成を工場で行う場合、フランジ付内管材とフランジ付外管材とが別部材であるため、扱い易く、接続作業を行い易い。
屈曲用部2Bの構成材として、可撓部21Bと外管材22Bとの両端の開口部がフランジ部によって封止され、真空引きされた真空断熱層付管材とすることができる。この場合、屈曲用部2Bとなる真空断熱層付管材と、直線用部2Sとなる真空断熱層付管材とを溶接などして接合すれば、断熱管2βを容易に構築できる。即ち、工場は勿論、布設現場であっても、屈曲用部2Bと直線用部2Sとを備える断熱管2βを容易に構築できる。特に布設現場で接続部32βを形成する場合でも布設現場での真空引きが不要であり、作業性に優れる。
直線用部2Sの構成材として、フランジ付内管材(高剛性部21Sとなる内管材を含む)とフランジ付外管材とすることができる。この場合、可撓部21Bのフランジ部21fと高剛性部21Sのフランジ部同士、外管材22Bのフランジ部22fと外管材22Sのフランジ部同士を溶接などして接合するとよい。内管21と外管22との間に連続した空間(真空層)を形成できるため、工場などで両管21,22の間の真空引きを行って真空断熱層を備える断熱管2βを作製し、布設現場に搬送するとよい。
実施形態2の超電導ケーブル線路1βは、実施形態1の超電導ケーブル線路1αと同様に、後入れ形態、先入れ形態のいずれによっても構築できる。
特に後入れ形態において、断熱管2βの構築を布設現場で行う場合には、断熱管2βの構成材である上述のフランジ付内管材、フランジ付外管材、真空断熱層付管材などを布設現場に搬送する。例えば、布設経路における直線箇所Sに、高剛性部21Sを含む上述の真空断熱層付管材を布設して直線用部2Sを構築する。次に、二つの直線箇所S,Sに挟まれる曲がり箇所Bに、可撓部21Bを含む上述のフランジ付内管材及びその外周を覆うフランジ付外管材をそれぞれ配置して直線用部2Sに溶接などで接続したり、可撓部21B及び外管材22Bを有する上述の真空断熱層付管材を布設して、直線用部2Sに溶接などで接続したりして、屈曲用部2B及び接続部32βを構築する。その結果、直線用部2Sと屈曲用部2Bとを備える断熱管2βを布設現場で容易に構築できる。その後、断熱管2βにケーブルコア110を収納する。
又は、例えば、布設経路における直線箇所Sに、上述のように真空断熱層付管材を布設して直線用部2Sを構築した後、複数の直線用部2S,2Sを渡るようにケーブルコア110を収納する。そして、二つの直線箇所S,Sに挟まれる曲がり箇所Bに、部分的に露出しているケーブルコア110の外周を覆うように、可撓部21Bを構成する半割れのフランジ付内管材及びその外周を覆う半割れのフランジ付外管材をそれぞれ配置して半割れ片を溶接などして環状に接続すると共に、フランジ部を直線用部2Sに溶接などで接続することで屈曲用部2B及び接続部32βを構築できる。
[実施形態3]
実施形態1,2では、断熱管2α,2βにケーブルコア110が収納された形態を説明した。その他、断熱管2α(又は2β)は、ケーブルコア110が収納されておらず、冷媒150のみを充填する形態とすることができる。ここで、超電導ケーブル線路1α(又は1β)に、ケーブルコア110を収納する断熱管2α(又は2β)と、冷媒150を所定の温度に冷却する冷凍機などを備える冷却システムとの間を接続する冷媒管を設けることがある。この冷媒管も曲がり箇所Bに布設されることがある。この冷媒管に、断熱管22α(又は2β)を利用して、布設経路における曲がり箇所Bに可撓部21Bを配置すれば、上述のように曲がり箇所Bでの侵入熱の増大を効果的に低減できる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、本発明の超電導ケーブル用断熱管は、電気絶縁層が液体冷媒に含浸されない常温絶縁型の超電導ケーブルに利用できる。
本発明の超電導ケーブル用断熱管は、超電導導体層を備えるケーブルコアの収納管や、液体冷媒などの冷媒を流通する冷媒管などに利用できる。本発明の超電導ケーブル線路は、直流送電路、交流送電路に利用できる。
1α,1β 超電導ケーブル線路 2α,2β 超電導ケーブル用断熱管
2B 屈曲用部 2S 直線用部 21 内管 21B 可撓部 21S 高剛性部
22 外管 22B,22S 外管材
21f,22f,24f フランジ部 26,28 シール材
32α,32β 接続部
110 ケーブルコア 111 フォーマ 112 超電導導体層
113 電気絶縁層 114 接地層 115 保護層
120 断熱材 130 防食層 150 冷媒
B 布設経路の曲がり箇所 S 布設経路の直線箇所

Claims (4)

  1. 超電導導体層が収納される空間と、前記超電導導体層を冷却する冷媒が充填される空間とを含む内管と、
    前記内管の外周を覆う外管とを備え、
    前記内管の長手方向の一部に、他部よりも剛性が低い可撓部を備える超電導ケーブル用断熱管。
  2. 前記可撓部は、下記の条件(A)〜(C)の少なくとも一つを満たす請求項1に記載の超電導ケーブル用断熱管。
    (A)前記他部よりも厚さが薄い管材である
    (B)前記他部に設けられた波付け加工の山高さよりも高い山高さを有するコルゲート管又はベローズ管である
    (C)前記他部に設けられた波付け加工のピッチよりも短いピッチを有するコルゲート管又はベローズ管である
  3. 前記可撓部と前記他部とを接続する接続部を備える請求項1又は請求項2に記載の超電導ケーブル用断熱管。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の超電導ケーブル用断熱管と、
    前記超電導ケーブル用断熱管の内管に収納され、前記内管内に充填された冷媒に冷却される超電導導体層とを備え、
    布設経路の曲がり箇所に前記可撓部を備える超電導ケーブル線路。
JP2015009829A 2015-01-21 2015-01-21 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路 Pending JP2016133200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009829A JP2016133200A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009829A JP2016133200A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016133200A true JP2016133200A (ja) 2016-07-25

Family

ID=56426072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015009829A Pending JP2016133200A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016133200A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018071600A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 真空断熱二重管構造体
JP2019002425A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 トヨタ自動車株式会社 二重断熱壁構造体
JP2019090508A (ja) * 2017-11-16 2019-06-13 トヨタ自動車株式会社 二重断熱壁構造体
KR20200101059A (ko) * 2019-02-19 2020-08-27 엘에스전선 주식회사 초전도 케이블 및 초전도 케이블의 제조방법
CN113300292A (zh) * 2020-02-21 2021-08-24 上海电缆研究所有限公司 一种用于超导电缆的敷设保护装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018071600A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 真空断熱二重管構造体
JP2019002425A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 トヨタ自動車株式会社 二重断熱壁構造体
JP2019090508A (ja) * 2017-11-16 2019-06-13 トヨタ自動車株式会社 二重断熱壁構造体
JP7067025B2 (ja) 2017-11-16 2022-05-16 トヨタ自動車株式会社 二重断熱壁構造体
KR20200101059A (ko) * 2019-02-19 2020-08-27 엘에스전선 주식회사 초전도 케이블 및 초전도 케이블의 제조방법
KR102608512B1 (ko) 2019-02-19 2023-11-30 엘에스전선 주식회사 초전도 케이블 및 초전도 케이블의 제조방법
CN113300292A (zh) * 2020-02-21 2021-08-24 上海电缆研究所有限公司 一种用于超导电缆的敷设保护装置
CN113300292B (zh) * 2020-02-21 2022-08-30 上海电缆研究所有限公司 一种用于超导电缆的敷设保护装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7498519B2 (en) Joint for superconducting cable
JP2016133200A (ja) 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル線路
JPH0435848B2 (ja)
WO2013157513A1 (ja) 超電導ケーブルの接続構造
KR101148684B1 (ko) 초전도 케이블
JP2012141010A (ja) 多層絶縁継手及び二重管の接続構造
US7237317B2 (en) Process for producing a superconducting cable
JP5909800B2 (ja) 超電導ケーブル線路
EP2006861A1 (en) Superconducting cable
JP6751826B1 (ja) 超電導送電用断熱多重管、超電導送電用断熱多重管の施工方法、及び超電導ケーブルの施工方法
KR102011151B1 (ko) 초전도 케이블
JP4956271B2 (ja) 超電導ケーブル
JP4751424B2 (ja) 超電導ケーブルコアの接続構造
WO2014132765A1 (ja) 超電導ケーブル、被覆付き断熱管、及び被覆付き断熱管の製造方法
JP5505866B2 (ja) 断熱管および超電導ケーブル
JP2017062982A (ja) 超電導ケーブル用断熱管及び超電導ケーブル
US6883548B2 (en) Spacer for a long substrate
KR102608511B1 (ko) 진공부 구획장치 및 이를 구비하는 초전도 케이블
JP4330008B2 (ja) 超電導ケーブル用プーリングアイ及びプーリングアイを用いた超電導ケーブルの布設方法
JP5273572B2 (ja) 超電導ケーブルの布設方法
JP5252323B2 (ja) 常温絶縁型超電導ケーブル、およびその製造方法
JP6697677B2 (ja) 超電導ケーブルの中間接続構造
JP5400512B2 (ja) 断熱管
JP7231778B1 (ja) 超電導送電用断熱多重管および超電導ケーブルの施工方法
KR102608512B1 (ko) 초전도 케이블 및 초전도 케이블의 제조방법