JP6751520B2 - 光送受信装置及びこれを用いた光通信ネットワーク - Google Patents
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さらに、メッシュ型ネットワークでは、通信装置の接続相手(相手の通信装置)が複数存在する状態を基本としているため、障害に対しても強みを発揮する。つまり、ある通信装置が故障などで通信不能な状態に陥ったとしても、他の通信装置は、その通信不能となった装置以外の装置からもデータを受信することが可能であるので、故障した装置を介することなく、新たな通信経路を構築することが可能で、問題なく目的の端末まで運ばれるからである。
特開2009−153184公報(特許文献1)には、このメッシュ型ネットワークを用いた情報通信方法が記載されている。
しかも、光は指向性が強く、障害物などで容易に遮蔽されてしまう。このため、光信号を使用して広い範囲で無線端末機に着信させることは困難であり、ホスト側光送受信装置から情報を伝送する距離に限界がある。このようなことから、光無線通信を利用できる空間はオフィスなど比較的狭い空間に限られている。
このようなことから、光送受信装置では、比較的広い範囲に情報を送信したり、メッシュ型ネットワークを構築したりすることができず、汎用性が乏しいという問題がある。
また、前記検出器が、前記静止体に取り付けられて前記回転体の回転軸に直交して配置されており、前記回転体には、前記集光光学系からの光を前記検出器に導く反射ミラーが取り付けられていることを特徴とする。
また、前記検出器が、前記静止体に取り付けられて前記回転体の回転軸に直交して配置されており、前記集光光学系が凹面鏡よりなることを特徴とする。
また、前記光送受信装置は、前記検出器が受信した信号光を処理する制御器を備え、前記制御器は、受信した信号光が、許容値以下であると判断した場合に、他の光送受信装置からの信号光を受信するように、前記回転体とともに前記集光光学系を回転させるよう制御することを特徴とする。
また、前記光送受信装置は、携帯情報端末に向けて情報を発信する端末送信部を有することを特徴とする。
また、前記端末送信部から携帯情報端末に向けて発信する情報は光により形成され、前記照明灯具からの照明光に重畳されていることを特徴とする。
また、前記発光素子および前記端末送信部はLEDからなり、前記照明灯具にもLEDが組み込まれていて、前記発光素子、前記端末送信部および前記照明灯具におけるLEDからの放射光はいずれも波長が異なることを特徴とする。
また、前記端末送信部からの情報は、照明灯具におけるLEDまたはOELから放射された光により形成されるものであり、前記発光素子からの放射光のスペクトルと前記照明灯具におけるLEDまたはOELからの放射光のスペクトルとは、互いに異なることを特徴とする。
また、前記光送受信装置が、略同一平面において複数個所に設けられてなる光通信ネットワークにおいて、前記光送受信装置の前記発光素子から周囲に放射される光の光軸が、前記検出器が設けられた前記回転体の前記回転軸と直交していることを特徴とする。
本実施形態にかかる光通信ネットワークでは、該光通信ネットワークを形成する空間に露出する形で複数の光送受信装置1A,1B,1C・・・が配置される。
適用される空間の具体例を挙げると、大規模なショッピングモールや駅の構内などが挙げられる。本発明にかかる光送受信装置は、こうした空間の天井などで構成される略同一平面に沿って複数配置される。
光送受信装置1は、検出器2と、制御器3と、集光光学系4と、複数の、例えばLEDからなる発光素子5とを備えている。この実施例では、検出器2と制御器3および集光光学系4は、回転体6に取り付けられており、検出器2と集光光学系4は同一光軸上に配置される。
そして、静止体7の下面には、例えばLEDからなる端末送信部10が設けられていて、受信した信号光に含まれる情報を利用者のスマートフォンなどの携帯情報端末に向けて発信する。
また、発光素子5の光出力が十分であれば、複数設けずに単一の発光素子を用いて、導光体によって複数の方向に放射するように導光する構成としても構わず、要は、発光素子からの発光(信号光)が周囲に全方位的に放射されるものであればよい。
後述するように、何等かの理由によってある光送受信装置からの信号光が途絶えて、検出器2で受光する信号光が閾値以下となると、制御器3から信号を出力して回転体6を回転するとともに、発光素子5の発光を停止する。
回転体6の回転により、集光光学系4も回転体の回転軸Xを中心として回転する。この回転移動によって別の光送受信装置からの信号光を探し、これを受光したとき、制御器3により回転体6の回転を停止するとともに、発光素子5を発光させるものである。
そして、光送受信装置1Bに隣接して配置された光送受信装置1Eが、この光送受信装置1Bからの信号光を受信したとき、これに内蔵された発光素子によって信号光を放射する。同様に、光送受信装置1Eから放射された信号光を光送受信装置1Cが受信したとき、この光送受信装置1Cもまた信号光を放射する。
そして、最初に情報データを受けた光送受信装置1Aから、隣接配置された光送受信装置1B,1Hへと信号光によって情報が送信され、これが繰り返される。このようにして、図1に示すように、光送受信装置1Aから最も遠隔に位置された光送受信装置1G,1Kまでもが同じ情報を共有するネットワークが構成される。
光送受信装置1は、検出器2によって受光した光を判断処理する制御器3を備えていて、この制御器3は判定部31と制御部32とからなる。この制御器3は回転体6(集光光学系4)および発光素子5の点灯消灯を司る発光素子駆動部51に接続されている。
他の光送受信装置からの信号光を検出器2が受信して、制御器3の判定部31において信号光が所定の閾値以上と判断した場合、制御部32によって回転体6、つまり集光光学系4の回転を停止するとともに、発光素子駆動部51により発光素子5を発光する。
また、検出器2の受信した信号光が閾値以下になった場合、制御部32により回転体6と集光光学系4を回転するとともに、発光素子5を消灯するものである。
光送受信装置1の駆動が開始される(スタート)と、初期設定の位置において発光素子5が消灯していると共に、回転体6が回転する(S1)。
回転体6と共に回転する集光光学系4が他の光送受信装置からの信号光を受けると、この信号光は検出器2に送られ、この検出器2が信号光を検出して、その検出値が電流値に変換されて制御器3における判定部31に送られる(S2)。
ここで、判定部31は予め設定された閾値と比較する(S3)。
受光した光(検出光)の強度(照度)が閾値以上であると判断すると、データは制御部32に送信され、回転体6の回転が停止し、発光素子5が発光する(S4)。
この発光素子5が発光し、回転体6が停止した状態が正常な機能状態であり、この正常状態で検出器2による信号光の受光状態が継続判断される。
そして、信号光が所定の閾値以上となり、発光素子5が発光し、回転体6が停止した正常な機能状態のときに、信号光に含まれる情報が端末送信部(LED)10から利用者の携帯情報端末に向けて送信される。
本発明の光送受信装置を中継器として用いた場合のネットワーク構成の一例であり、ある時点における光送受信装置間の接続状態、ならびに、各光送受信装置の信号検出方向も併せて示している。信号光を直接的に送受信する通信経路を直線の矢印で示している。また、各光送受信装置の検出器を符号101で表記し、各光送受信装置の(複数の)発光素子から放射される光の進行方向を破線102で表している。
このような、信号光の発信、受信、発信が次々に行われることで、データ送信源である光送受信装置Aから遠隔の光送受信装置までネットワークが構成されて情報が送信され、その結果、光送受信装置G或いはさらにその先の光送受信装置まで情報が伝達されることになる。
図6〜8は、各光送受信装置間に遮蔽物が介在して通信が途絶えてしまった例である。
この例では、図6に示すように、光送受信装置Bと光送受信装置Eの間が遮光されて光送受信装置Eが光送受信装置Bからの信号光113を受信できなくなった場合を想定する。
光送受信装置Eは、検出器において信号光113を検出できない状態となると、発光素子の点灯を停止し、これと同時に、回転体(集光光学系)を回転させて、他の光送受信装置からの信号光の検出を開始する。
この時、光送受信装置Eの発光素子の発光が停止されることで、同図の信号光114,115もなくなる。したがって、光送受信装置C及び光送受信装置Iもまた信号光を検出できない状態となって、光送受信装置Eと同様に発光素子が消灯し、回転体が回転するという操作が開始されることになる。以下、同様にして、これら光送受信装置C,Iにつながる光送受信装置F,D,G,Jも信号光がなくなり、通信接続が絶たれる。
同様に、その他の光送受信装置C,D,F,G,I,Jにおいても、信号光を検出できなくなった時点で、発光素子の発光を停止して回転体の回転を開始する。
そして、光送受信装置Eが光送受信装置Aからの新たな信号光116を検出すると、回転体の回転を停止し、更に、この信号光の情報に基づいて発光素子を発光する。
これにより光送受信装置Eは光送受信装置Aと新たな通信接続関係が成立する。
光送受信装置Eは、光送受信装置Aからの信号光116を受信して、回転体の回転を停止するとともに、発光素子を発光させて6方向に光を放射する。
この光送受信装置Eとの通信が絶たれた隣接する光送受信装置Cでは、新たな信号光として例えば光送受信装置Bからの信号光117を検出すると、回転体の回転を停止し、信号光の受信が確立して、発光素子を発光させて、信号光を複数の方向に送信(放射)する。
以下同様に、光送受信装置F,I,D,G,Jも、新たに他の光送受信装置からの信号光を検出すると、回転体の回転を停止し、発光素子を発光させて、信号光を複数の方向に送信する。
こうして図8に示すような新たな通信ネットワークが構築される。
この例では、図9に示すように、光送受信装置Eが故障して、これに接続されていた光送受信装置Bからの信号光を受信できなくなったか、もしくは、受信はしていても発光素子の発光ができなくなった場合を想定する。
このいずれの場合も、光送受信装置Eの発光素子の発光が停止して、信号光114,115がなくなり、光送受信装置C,Iは、光送受信装置Eとの通信が途絶える。
こうして、通信接続の途絶えた光送受信装置C,F,D,G,I,Jは、回転体(集光光学系)が回転して、新たに他の光送受信装置からの信号光の検出を開始する。
これにより、その周囲の光送受信装置Fは、接続可能な光送受信装置が増加して通信接続の可能性が増え、その結果、例えば、光送受信装置Cと接続される。更にその先の光送受信装置D,Gとの通信も回復させることができる。
このように、光送受信装置Eが何らかの原因で故障しても、各光送受信装置は集光光学系の向きを適宜に変更することができるので、複数の方向からの信号光のいずれかを受取ることができ、故障した光送受信装置Eを迂回して、新たな通信経路を再構築することが可能となる。
図12に示す実施例では、検出器2および制御器3は、静止体7に取り付けられている。そして、回転体6の集光光学系4の光軸上に反射ミラー8が配設されている。
周囲の他の光送受信装置からの信号光を受けて、集光光学系4によって集光された光は、反射ミラー8によって反射されて静止体7上の検出器2に集光されて入射する。
信号光は、この凹面鏡9によって反射集光されて、静止体7上の検出器2に入射するものである。
デパートや大型ショッピングモールなどの飲食店フロアで、各店舗の混雑具合(待ち時間)の情報をやり取りして、利用者の携帯情報端末にその情報を発信する場合を例として説明する。
図14に示すように、飲食店フロアの天井には、フロアを照明するための照明灯具40が取り付けられていて、本発明の光送受信装置1は、この照明灯具40の内部に収納されている。勿論、照明灯具40とは別に配設することも可能である。
この場合、発光素子5からの情報通信光と、端末送信部10からの端末送信光、および照明灯具40からの照明光は、それぞれ異なる波長の光を利用することが好ましい。
また、光送受信装置1は、特定波長帯の情報通信用の光を信号光として、発光素子から天井とほぼ平行方向に、かつ、全方位的に周囲に放射し、隣接する光送受信装置がこれを受光する。
図1に示すホスト端末20には、各店舗から一定時間ごとに混雑状況(待ち時間)等が入力されており、それらの情報が携帯情報端末Sに表示されるものである。
この実施例においては、照明灯具40の光源はLEDまたはOEL(有機EL)から構成されており、これら照明用LEDまたは照明用OELは、光送受信装置1における端末送信部10を兼ねており、所定に点滅されることで信号光を構成している。
すなわち、端末送信部10から携帯情報端末Sに向けて送信される情報は、照明灯具(LEDまたはOEL)40からの光によって形成されており、情報を形成するための端末送信光(信号光)がフロアを照明する。
光送受信装置1における発光素子5はLEDからなる。この発光素子(LED)5からの光で形成される情報通信光のスペクトルと、照明用(LEDまたはOELからの放射光)の端末送信光のスペクトルとは、互いに異なった光とされており、フロア照明用の光と発光素子5からの光とが重畳したり混合したりしても、検出器2或いは携帯情報端末Sにおいて信号光を処理する際は所定のスペクトル光からなる信号光を検出するので、情報の更新が停滞したり混線したりすることはない。
そして、いずれかの光送受信装置が、故障や光通信経路の遮断などにより信号光を受光できなくなって光通信ネットワークが一時的に破断されるようなことが起きても、直ちに他の利用できる光送受信装置を探知して、時を経ずして新たな光通信ネットワークを構築することができるという効果もある。
2 検出器
3 制御器
31 判定部
32 制御部
4 集光光学系
5 発光素子
51 発光素子駆動部
6 回転体
7 静止体
8 反射ミラー
9 凹面鏡(集光光学系)
10 端末送信部
20 ホスト端末
40 照明灯具
S 携帯情報端末
M 利用者
Claims (8)
- 光通信ネットワークを形成するために中継器として略同一平面内に複数配置された光送受信装置であって、
前記光送受信装置は、
他の光送受信装置から送信される信号光を受信するための検出器と、
前記光送受信装置が配置された平面と直交する回転軸を有する回転体に取り付
けられて、前記検出器に信号光を集光する集光光学系と、
前記回転体とは別体の静止体に取り付けられて、当該光送受信装置の周囲の多
方向に信号光を送信するための複数の発光素子と、
前記検出器が受信した信号光を処理する制御器と、を備え、
前記制御器は、受信した信号光が、許容値以下であると判定した場合に、他の光送受信装置からの信号光を受信するように、前記回転体とともに前記集光光学系を回転させた状態で、前記検出器による信号光の受光と判定を繰り返すよう制御することを特徴とする光送受信装置。 - 前記検出器が、前記回転体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光送受信装置。
- 前記検出器が、前記静止体に取り付けられて、その受光面が前記回転体の回転軸に直交して配置されており、
前記回転体には、前記集光光学系からの光を前記検出器に導く反射ミラーが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光送受信装置。 - 前記検出器が、前記静止体に取り付けられて、その受光面が前記回転体の回転軸に直交して配置されており、
前記集光光学系が凹面鏡よりなることを特徴とする請求項1に記載の光送受信装置。 - 光通信ネットワークを形成するために中継器として略同一平面内に複数配置された光送受信装置であって、
前記光送受信装置は、
他の光送受信装置から送信される信号光を受信するための検出器と、
前記光送受信装置が配置された平面と直交する回転軸を有する回転体に取り付
けられて、前記検出器に信号光を集光する集光光学系と、
前記回転体とは別体の静止体に取り付けられて、当該光送受信装置の周囲の多
方向に信号光を送信するための複数の発光素子と、
を備え、
前記光送受信装置は、携帯情報端末に向けて情報を発信する端末送信部を有するとともに、照明灯具に収納されており、
前記端末送信部から前記携帯情報端末に向けて発信する情報は光により形成され、前記照明灯具からの照明光に重畳されていることを特徴とする光送受信装置。 - 前記発光素子および前記端末送信部はLEDからなり、前記照明灯具にもLEDが組み込まれていて、
前記発光素子、前記端末送信部および前記照明灯具におけるLEDからの放射光はいずれも波長が異なることを特徴とする請求項5に記載の光送受信装置。 - 前記端末送信部からの情報は、照明灯具におけるLEDまたはOELから放射された光により形成されるものであり、
前記発光素子からの放射光のスペクトルと前記照明灯具におけるLEDまたはOELからの放射光のスペクトルとは、互いに異なることを特徴とする請求項5に記載の光送受信装置。 - 請求項1または5に記載の光送受信装置を用いた光通信ネットワークであって、
前記光送受信装置が、略同一平面において複数個所に設けられ、
該光送受信装置の前記発光素子から周囲に放射される光の光軸が、前記検出器が設けられた前記回転体の前記回転軸と直交していることを特徴とする光通信ネットワーク。
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