JP6750986B2 - 電力供給経路制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1及び特許文献2には、主系統の停電を検出したことに基づいて、負荷への電力の供給を主系統から予備系統へ切り替えることにより、予備系統から負荷へ電力を供給する技術が記載されている。
また、特許文献3には、主系統と、予備系統と、負荷とが常時接続されており、主系統の停電を検出したことに基づいて、主系統の接続を、予備系統と、負荷とから切り離すことにより、予備系統から負荷へ電力を供給する技術が記載されている。
また、特許文献4には、主系統と、予備系統と、負荷とが常時接続されており、主系統の停電を検出したことに基づいて、主系統の接続を、予備系統と、負荷とから短時間に切り離すことにより、予備系統から負荷へ電力を供給する技術が記載されている。
また、特許文献3に記載の技術では、主系統が停電してから、主系統の接続を予備系統と、負荷とから切り離すまでの間、停電している主系統に予備系統の電力が消費されることを抑制することが困難である場合があった。
すなわち、主系統が停電した場合、主系統の接続は、予備系統と、負荷とから早急に切り離されることが求められる場合があった。
特許文献4には、接続を短時間に切り離すことが可能である高速動作スイッチング素子を介して主系統の接続を、予備系統と、負荷とに接続する技術が記載されている。
ここで、高速動作スイッチング素子は、半導体によって構成される場合がある。この場合、高速動作スイッチング素子は、素子を構成する半導体の特性上、一次側と、二次側とに電位差が生じることにより破損する場合があった。
つまり、特許文献4に記載の技術では、主系統の接続を予備系統と、負荷とから早急に切り離すことが可能であっても、高速動作スイッチング素子の破損を抑制することが困難である場合があった。
また、従来の技術では、主系統が停電することに伴い、主系統と負荷とが切り離される際、予備系統が負荷に供給する電力が急変し、安定しない場合があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであり、主系統が停電した場合、主系統の接続を予備系統と、負荷とから早急に切り離す電力供給経路制御装置を提供する。
また、本発明は、主系統と予備系統とを接続する際に、負荷から早急に切り離す素子の破損を抑制する電力供給経路制御装置を提供する。
また、本発明は、予備系統に燃料発電システムを備える場合でも負荷に供給する電力を安定させることができる電力供給経路制御装置を提供する。
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の電力供給経路制御装置1の構成の一例を示す図である。
図1に示す通り、電力供給経路制御装置1には、主系統MSYと、燃料発電システムCGSと、蓄電池BTと、負荷L1と、負荷L2とが接続される。
主系統MSYとは、負荷L1及び負荷L2に電力を供給する電力供給源である。主系統MSYが供給する電力とは、例えば、発電所や変電所を介して供給される商用電力である。主系統MSYは、負荷L2に電力を供給する。また、主系統MSYは、電力供給経路制御装置1を介して負荷L1に電力を供給する。
以降の説明において、主系統MSYが供給する電力を主電力MPと記載する。主系統MSYは、負荷L2に主電力MPを供給する。また、主系統MSYは、電力供給経路制御装置1を介して負荷L1へ主電力MPを供給する。
また、以降の説明において、負荷L1及び負荷L2を区別しない場合には、総称して負荷Lと記載する。
予備系統SSYとは、負荷L1及びL2に電力を供給する電力供給源である。予備系統SSYとは、例えば、蓄電池BTや、燃料発電システムCGSである。予備系統SSYは、負荷L1に電力を供給する。また、予備系統SSYは、負荷L1に供給される電力の大きさに応じて、電力供給経路制御装置1を介して負荷L2に電力を供給する。
予備系統SSYは、主系統MSYが停電することにより主系統MSYが負荷L1へ供給する電力が絶たれた場合、負荷L1に電力を供給する。具体的には、燃料発電システムCGSと、蓄電池BTとは、主系統MSYが停電することにより、負荷L1へ主電力MPの供給が絶たれた場合、負荷L1に電力を供給する電力供給源である。この一例では、主系統MSYの停電には、瞬時電圧低下(以下、瞬低と記載する。)が含まれる。瞬低とは、主系統の電圧が瞬時的に低下する現象である。例えば、瞬低によって主系統MSYの電圧が低下する期間は、60msecから100msec程度である。
以降の説明において、燃料発電システムCGSと、蓄電池BTとを総称して予備系統SSYとも記載する。また、以降の説明において、燃料発電システムCGSが供給する電力を予備電力SP1と記載する。また、以降の説明において、蓄電池BTが供給する電力を予備電力SP2と記載する。また、以降の説明において、予備系統SSYが供給する予備電力SP1と、予備電力SP2とを区別しない場合には、総称して予備電力SPと記載する。
電力供給経路制御装置1は、主系統電圧検出が有るか否かに基づいて、負荷L1に供給する電力を主電力MP又は予備電力SPに切り替える。また、電力供給経路制御装置1は、主系統MSYが停電している場合、蓄電池BTを制御し、蓄電池BTが負荷L1に供給する予備電力SPを制御する。
以下、図2を参照して、本実施形態の電力供給経路制御装置1の詳細について説明する。図2は、本実施形態の電力供給経路制御装置1が定常状態である場合の構成の一例を示す図である。定常状態とは、主系統MSYが負荷Lに主電力MPを供給している場合の電力供給経路制御装置1の状態である。
電力供給経路制御装置1は、系統電圧検出器V1と、高速開閉装置FSWDと、低速開閉器SSWと、同期検出部SYTと、電流検出器C4と、制御部100とを備える。
主系統MSYと、負荷L1とは、高速開閉装置FSWDと、低速開閉器SSWとを介して接続される。具体的には、主系統MSYは、並列に接続された高速開閉装置FSWDと、低速開閉器SSWとを介して負荷L1に接続される。
また、予備系統SSYと、負荷L2とは、高速開閉装置FSWDと、低速開閉器SSWとを介して接続される。具体的には、予備系統SSYは、並列に接続された高速開閉装置FSWDと、低速開閉器SSWとを介して負荷L2に接続される。
低速開閉器SSWとは、開閉によって当該低速開閉器SSWの両端の接続を制御する開閉器である。低速開閉器SSWとは、例えば、遮断器である。低速開閉器SSWは、接点が閉じている閉状態の時に低速開閉器SSWの両端を接続する。また、低速開閉器SSWは、接点が開いている開状態の時に低速開閉器SSWの両端の接続を切り離す。
高速開閉装置FSWDとは、開閉によって当該高速開閉装置FSWDの両端の接続を制御する開閉器である。高速開閉装置FSWDは、1つの高速開閉器FSWと、2つの低速開閉器SSWとによって構成される。具体的には、高速開閉装置FSWDは、低速開閉器SSW1と、高速開閉器FSWと、低速開閉器SSW2とを備える。
高速開閉器FSWとは、低速開閉器SSWよりも開閉動作を短時間に行うことができる遮断器である。高速開閉器FSWは、例えば、ゲート・ターン・オフ・サイリスタ(Gate Turn Off Thyristor)を備える。
低速開閉器SSW1の端子ts12と、高速開閉器FSWの端子tf1とが接続される。また、低速開閉器SSW2の端子ts21と、高速開閉器FSWの端子tf2とが接続される。
高速開閉装置FSWDと並列に接続される低速開閉器SSWは、端子ts1と、端子ts2とを備える。
主系統MSYは、低速開閉器SSWの端子ts1と、高速開閉装置FSWDが備える低速開閉器SSW1の端子ts11とに接続される。負荷L1と、蓄電池BTと、燃料発電システムCGSとは、低速開閉器SSWの端子ts2と、高速開閉装置FSWDが備える低速開閉器SSW2の端子ts22とに接続される。
高速開閉装置FSWDは、低速開閉器SSW1、低速開閉器SSW2及び高速開閉器FSWのいずれの接点も閉じている閉状態の時に高速開閉装置FSWDの両端を接続する。また、高速開閉装置FSWDは、接点が開いている開状態の時に高速開閉装置FSWDの両端の接続を切り離す。
以降の説明において、低速開閉器SSW及び高速開閉装置FSWDを区別しない場合には、開閉器SWと記載する。
以降の説明において、低速開閉器SSW及び高速開閉装置FSWDによって左右に区分される回路のうち、主系統MSYと、低速開閉器SSWと、高速開閉装置FSWDとが接続される回路を一次側PSと記載する。また、低速開閉器SSWと、高速開閉装置FSWDと、予備系統SSYと、負荷L1とが接続される回路を二次側SSと記載する。
したがって、低速開閉器SSWは、閉状態の時に一次側PSと、二次側SSとを接続する。また、低速開閉器SSWは、開状態の時に、一次側PSと、二次側SSとの接続を切り離す。
また、高速開閉装置FSWDは、閉状態の時に一次側PSと、二次側SSとを接続する。また、高速開閉装置FSWDは、開状態の時に、一次側PSと、二次側SSとの接続を切り離す。
低速開閉器SSWには、同期検出部SYTが並列に接続される。具体的には、低速開閉器SSWの端子ts1に同期検出部SYTの端子tsy1が接続される。また、低速開閉器SSWの端子ts2に同期検出部SYTの端子tsy2が接続される。
同期検出部SYTは、主系統MSYが供給する電力の電圧と、予備系統SSYが供給する電力の電圧との同期の状態を検出する。具体的には、同期検出部SYTは、主電圧MVと、予備電圧SVとの電位差、周波数差及び位相差を示す差分検出情報SYを検出する。主電圧MVとは、主系統MSYが供給する主電力MPの電圧である。また、予備電圧SVとは、予備系統SSYが供給する予備電力SPの電圧である。同期検出部SYTは、主電圧MVと、予備電圧SVとの電位差、周波数差及び位相差を示す差分検出情報SYを制御部100に供給する。
また、以降の説明において、主電圧MVと、予備電圧SVとに、電位差、周波数差及び位相差がない場合、主電圧MVと、予備電圧SVとが同期するとも記載する。
系統電圧検出器V1は、電力供給経路制御装置1に供給される電力又は電力供給経路制御装置1を介して供給する電力の電圧を検出する。系統電圧検出器V1とは、例えば、電圧検出器である。具体的には、系統電圧検出器V1は、主系統MSYが負荷L1に供給する主電力MPの電圧を検出する。また、系統電圧検出器V1は、予備系統SSYが負荷L2に供給する予備電力SPの電圧を検出する。
電流検出器C4は、電力供給経路制御装置1に供給される電力の電流又は電力供給経路制御装置1を介して供給する電力の電流を検出する。具体的には、主系統MSYが負荷L1の方向に主電力MPを供給する場合、電流検出器C4は、主電力MPの電流を検出する。また、予備系統SSYが負荷L2の方向に予備電力SPを供給する場合、電流検出器C4は、予備電力SPの電流を検出する。
また、発電電力検出器C3は、燃料発電システムCGSが供給する予備電力SP1の電力量を検出する。
また、電流検出器C4は、電力供給経路制御装置1に供給される電流又は電力供給経路制御装置1を介して供給する電流の方向を検出する。主系統MSYが負荷L1の方向に主電力MPを供給する場合、電流検出器C4は、電流の方向が順方向であると検出する。また、予備系統SSYが負荷L2の方向に予備電力SPを供給する場合、電流検出器C4は、電流の方向が逆方向であると検出する。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を備えており、主系統電圧検出部110と、判定部120と、高速開閉装置制御部130と、低速開閉器制御部140と、開閉判定部150と、同期判定部160と、発電電力検出部180と、蓄電池制御部190と、電流検出部200をその機能部として備える。
主系統電圧検出部110は、系統電圧検出器V1が検出する電圧の値を常時又は定期的に取得する。また、主系統電圧検出部110は、取得した電圧の値を示す情報を電圧検出結果DR1として判定部120に供給する。
判定部120は、主系統電圧検出部110から取得した電圧検出結果DR1に基づいて、主系統MSYの状態を判定する。判定部120は、主系統電圧検出部110から取得した電圧検出結果DR1に基づいて、主系統MSYが、通常動作しているか、又は停電しているかを判定する。
通常動作とは、主系統MSYが主電力MPを規定の電圧範囲において供給する動作である。規定の電圧範囲とは、主系統MSYに接続される負荷Lの動作電圧範囲として予め定められている電圧範囲である。判定部120は、電圧検出結果DR1が示す電圧が、主系統MSYが規定の電圧範囲内である場合、主系統MSYが通常動作していると判定する。
判定部120は、電圧検出結果DR1が示す電圧が、主系統MSYが通常動作時において供給する規定の電圧範囲内から、範囲外に変化した場合、主系統MSYが停電していると判定する。
判定部120は、判定した主系統MSYの状態を示す判定結果JRを開閉判定部150と、蓄電池制御部190とに供給する。
電流検出部200は、電流検出器C4が検出する電流の値と、電流の方向とを常時又は定期的に取得する。電流検出部200は、取得した電流の値と、電流の方向とを示す情報を電流検出結果DR4として蓄電池制御部190に供給する。
発電電力検出部180は、発電電力検出器C3が検出する電力量を常時又は定期的に取得する。発電電力検出部180は、取得した電力量を示す情報を予備電力検出結果DR3として蓄電池制御部190に供給する。
蓄電池制御部190は、判定部120から判定結果JRを取得する。また、蓄電池制御部190は、発電電力検出部180から予備電力検出結果DR3を取得する。また、蓄電池制御部190は、電流検出部200から電流検出結果DR4を取得する。
蓄電池制御部190は、取得した判定結果JRに応じて蓄電池BTの充放電の動作を制御する。具体的には、蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得した場合、燃料発電システムCGSが停止することなく電力を供給するように、予備電力検出結果DR3及び電流検出結果DR4に基づいて蓄電池BTの放電または充電を制御する。
以下、燃料発電システムCGSの動作について説明する。
燃料発電システムCGSは、発電量の時間変化が急変する場合、異常燃焼する状態となり、停止する。具体的には、燃料発電システムCGSは、当該燃料発電システムCGSが出力する電力が所定の変化量以上に増加した場合及び所定の変化量以下に減少した場合に、失火やノッキングにより停止する。
燃料発電システムCGSが出力する電力が急変する場合とは、例えば、主系統MSYが停電し、主系統MSYから負荷L1に主電力MPの供給が停止する場合である。これに伴い、負荷L1は、供給される電力が不足し、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する電力が急増する。
また、燃料発電システムCGSが出力する電力が急変する場合とは、例えば、主系統MSYが停電し、予備電力SPから負荷L2に予備電力SPの供給が停止する場合である。これに伴い、燃料発電システムCGSが供給する電力が余剰し、燃料発電システムCGSが負荷Lに供給する電力が急減する。
以降の説明において、燃料発電システムCGSが停止することなく電力を供給することができる増加量を動作範囲上限変化量UVと記載する。また、燃料発電システムCGSが停止することなく電力を供給することができる減少量を動作範囲下限変化量DVと記載する。ここで、増加量及び減少量とは、燃料発電システムCGSが供給する予備電力SP1の所定の時間における変化量である。動作範囲上限変化量UV及び動作範囲下限変化量DVとは、発電可能量の一例である。発電可能量とは、燃料発電システムCGSが停止することなく発電することが可能な発電電力である。
以下、図3を参照して動作範囲上限変化量UVについて説明する。
図3は、本実施形態の動作範囲上限変化量UVの一例を示すグラフである。
具体的には、図3(A)は、蓄電池BT及び燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SPを示すグラフである。また、図3(B)は、蓄電池BTが負荷L1に供給する予備電力SP2を示すグラフである。また、図3(C)は、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1を示すグラフである。
図3(A)、図3(B)及び図3(C)の横軸は、いずれも時間を示す。図3(A)、図3(B)及び図3(C)の縦軸は、主系統MSYの通常動作時を基準とした場合のPU(Per Unit)表現された電力を示す。
図3(A)に示される波形WSPは、予備電力SPの時間変化を示す。また、図3(B)に示される波形WSP2は、蓄電池BTが負荷L1に供給する予備電力SP2の時間変化を示す。また、図3(C)に示される波形WSP1は、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1の時間変化を示す。
波形WSPが示す予備系統SSYが供給する予備電力SPは、時刻t0において、主系統MSYが通常動作する場合の2.0[PU]から主系統MSYが負荷L1に供給していた主電力MPである1.0[PU]の分だけ電力が増加する。つまり、波形WSPは、時刻t0において2.0[PU]から3.0[PU]まで増加する。
主系統MSYから供給されていた分の電力が不足することにより、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1が増加する。
また、上述したように、燃料発電システムCGSは、所定の時間における予備電力SP1の変化量が動作範囲上限変化量UV以上に急増する場合、停止する。この一例では、予備電力SP1の所定時間Δtの動作範囲上限変化量UVは、1.0[PU]である。換言すると、燃料発電システムCGSは、所定時間Δtが示す時間より短い時間に予備電力SP1が1.0[PU]増加する場合、停止する。
換言すると、蓄電池BTは、電力供給経路制御装置1の制御に基づいて、負荷L1が消費する電力に対して、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1の電力では不足する分の電力を予備電力SP2として放電する。
図3に示す通り、この一例では、蓄電池BTが放電する予備電力SP2を示す波形WPS2は、時刻t0から所定時間Δt経過後の時刻t1まで減少する。また、蓄電池BTの予備電力SP2を示す波形WSP2は、時刻t1において0[PU]である。
以下、図4を参照して動作範囲下限変化量DVについて説明する。
図4は、本実施形態の動作範囲下限変化量DVの一例を示すグラフである。
具体的には、図4(A)は、蓄電池BT及び燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SPを示すグラフである。また、図4(B)は、蓄電池BTが負荷L1に供給する予備電力SP2を示すグラフである。また、図4(C)は、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1を示すグラフである。
図4(A)、図4(B)及び図4(C)の横軸は、いずれも時間を示す。図4(A)、図4(B)及び図4(C)の縦軸は、主系統MSYの通常動作時を基準とした場合のPU表現された電力を示す。
図4(A)に示される波形WSPは、予備電力SPの時間変化を示す。また、図4(B)に示される波形WSP2は、蓄電池BTが負荷L1に供給する予備電力SP2の時間変化を示す。また、図4(C)に示される波形WSP1は、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1の時間変化を示す。
波形WSPが示す予備系統SSYが供給する予備電力SPは、時刻t2において、主系統MSYが通常動作する場合の3.0[PU]から予備系統SSYが負荷L2に供給していた予備電力SPである1.0[PU]の分だけ電力が減少する。つまり、波形WSPは、時刻t2において3.0[PU]から2.0[PU]まで減少する。
負荷L2に供給されていた分の電力が余剰することにより、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP2が減少する。
また、上述したように、燃料発電システムCGSは、所定の時間におけるSP1の変化量が動作範囲下限変化量DV以上に急減する場合、停止する。この一例では、予備電力SP1の所定時間Δtの動作範囲下限変化量DVは、1.0[PU]である。換言すると、燃料発電システムCGSは、所定時間Δtが示す時間より短い時間に予備電力SP1が1.0[PU]減少する場合、停止する。
換言すると、蓄電池BTは、電力供給経路制御装置1の制御に基づいて、負荷L1が消費する電力に対して、燃料発電システムCGSが負荷L1に供給する予備電力SP1の電力が余剰する分の電力を予備電力SP2として充電する。
図4に示す通り、この一例では、蓄電池BTが充電する予備電力SP2を示す波形WSP2は、時刻t2から所定時間Δt経過後の時刻t3まで減少する。また、蓄電池BTの予備電力SP2を示す波形WSP2は、時刻t3において0[PU]である。
図2に戻り、蓄電池制御部190は、電流検出部200から電流検出結果DR4を取得する。蓄電池制御部190は、バッファ(不図示)を備えており、取得した電流検出結果DR4を当該バッファに記憶する。
蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得する場合、当該判定結果JRを取得する直前の電流検出結果DR4を蓄電池BTが充放電する予備電力SP2の制御に用いる。
以降の説明において、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得する直前の電流検出結果DR4が順方向であることを示す場合、電流検出結果DR4を、電流検出結果DR41と記載する。蓄電池制御部190は、蓄電池BTが予備電力SP2を放電する場合の制御に電流検出結果DR41を用いる。
また、以降の説明において、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得する直前の電流検出結果DR4が逆方向であることを示す場合、電流検出結果DR4を、電流検出結果DR42と記載する。蓄電池制御部190は、蓄電池BTが予備電力SP2を充電する場合の制御に電流検出結果DR42を用いる。
ここで、判定結果JRを取得する直前とは、例えば、判定結果JRを取得する5msec前である。
蓄電池制御部190は、判定結果JRと、電流検出結果DR41とに基づいて、蓄電池BTが放電する予備電力SP2を制御する。
具体的には、蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得した場合、電流検出結果DR41が示す電力を予備電力SP2として放電するように蓄電池BTを制御する。
蓄電池制御部190は、判定結果JRと、電流検出結果DR42とに基づいて、蓄電池BTが充電する予備電力SP2を制御する。
具体的には、蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得した場合、電流検出結果DR42が示す電力を予備電力SP2として充電するように蓄電池BTを制御する。
同期判定部160は、主電圧MVと、予備電圧SVとが同期しているか否かを判定する。具体的には、同期判定部160は、同期検出部SYTから差分検出情報SYを常時又は定期的に取得する。同期判定部160は、差分検出情報SYが主電圧MVと、予備電圧SVとに差がないことを示す場合、主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していると判定する。また、同期判定部160は、差分検出情報SYが主電圧MVと、予備電圧SVとに差があることを示す場合、主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していないと判定する。
同期判定部160は、判定した結果を示す同期判定結果SYRを開閉判定部150及び蓄電池制御部190に供給する。
蓄電池制御部190は、同期判定部160から同期判定結果SYRを取得する。
蓄電池制御部190は、同期判定結果SYRが主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していないことを示す場合、主電圧MVと、予備電圧SVとを同期させるように蓄電池BTを制御する。
具体的には、蓄電池制御部190は、主電圧MVと、予備電圧SVとの電位、周波数及び位相を同期させるように蓄電池BTが供給する予備電力SP2を調整する。燃料発電システムCGSは、予備電力SP2が調整されることに応じて動作する。燃料発電システムCGSが供給する予備電力SP1の周波数は、燃料発電システムCGSが予備電力SP2が調整されることで速度調定率に応じて変化する。
したがって、蓄電池制御部190が予備電力SP2を調整することにより、主電圧MVと、予備電圧SVとが同期する。
開閉判定部150は、判定部120から判定結果JRを取得する。また、開閉判定部150は、高速開閉装置制御部130から高速開閉装置FSWDの開閉の状態を示す情報である高速開閉器情報FSIを取得する。また、開閉判定部150は、低速開閉器制御部140から低速開閉器SSWの開閉の状態を示す情報である低速開閉器情報SSIを取得する。また、開閉判定部150は、同期判定部160から同期判定結果SYRを取得する。
開閉判定部150は、取得した判定結果JR、高速開閉器情報FSI、低速開閉器情報SSI及び同期判定結果SYRに基づいて、高速開閉装置FSWD及び低速開閉器SSWの開閉状態を判定する。開閉判定部150は、判定した高速開閉装置FSWD及び低速開閉器SSWの開閉状態を示す開閉判定結果MBRを高速開閉装置制御部130及び低速開閉器制御部140に供給する。
高速開閉装置制御部130は、高速開閉装置FSWDと接続される。高速開閉装置制御部130は、開閉判定部150から取得した開閉判定結果MBRに基づいて、高速開閉器FSWの開閉状態を制御する。
高速開閉装置制御部130によって高速開閉装置FSWDが開状態に制御される場合、高速開閉装置FSWDが備える低速開閉器SSW1と、低速開閉器SSW2と、高速開閉器FSWとは、開状態に制御される。また、高速開閉装置制御部130によって高速開閉装置FSWDが閉状態に制御される場合、高速開閉装置FSWDが備える低速開閉器SSW1と、低速開閉器SSW2と、高速開閉器FSWとは、閉状態に制御される。
高速開閉装置制御部130は、高速開閉装置FSWDの開閉の状態を示す情報である高速開閉器情報FSIを開閉判定部150に常時又は定期的に供給する。
低速開閉器制御部140は、低速開閉器SSWと接続される。低速開閉器制御部140は、開閉判定部150から取得した開閉判定結果MBRに基づいて、低速開閉器SSWの開閉状態を制御する。
低速開閉器制御部140は、低速開閉器SSWの開閉の状態を示す情報である低速開閉器情報SSIを開閉判定部150に常時又は定期的に供給する。
以下、図5から図9までを参照して、主系統MSYの状態に応じた制御部100が備える各部の動作について説明する。
図5は、本実施形態の電力供給経路制御装置1の動作の一例を示す第1の流れ図である。
図6は、本実施形態の電力供給経路制御装置1の動作の一例を示す第2の流れ図である。
図7は、本実施形態の電力供給経路制御装置1の動作の一例を示す第3の流れ図である。
図8は、本実施形態の電力供給経路制御装置1の動作の一例を示す第4の流れ図である。
図9は、本実施形態の電力供給経路制御装置1の動作の一例を示す第5の流れ図である。
上述したように、図2には、電力供給経路制御装置1が定常状態である場合の構成の一例が示される。図2に示す通り、電力供給経路制御装置1が定常状態である場合には、電力供給経路制御装置1が備える高速開閉装置FSWDは、閉状態であり、低速開閉器SSWは、開状態である。また、電力供給経路制御装置1は、定常状態の間、開閉器SWの状態を保持する。
以下、電力供給経路制御装置1が定常状態の間、開閉器SWの状態を保持する場合の動作について説明する。
判定部120は、主系統電圧検出部110から電圧検出結果DR1を取得する(図5 ステップS130)。判定部120は、取得した電圧検出結果DR1に基づいて、主系統MSYの状態を判定する(図5 ステップS140)。判定部120は、判定した主系統MSYの状態を示す判定結果JRを開閉判定部150と、蓄電池制御部190とに供給する(図5 ステップS150)。
定常状態の例では、電圧検出結果DR1が示す主系統MSYの電圧範囲は、規定の電圧範囲内である。また、判定結果JRは、主系統MSYが通常動作していることを示す。
同期判定部160は、判定した結果を示す同期判定結果SYRを開閉判定部150に供給する(図5 ステップS200)。
定常状態の例では、判定結果JRは、主系統MSYが通常動作していることを示すため、開閉判定部150は、処理をステップS270に進める。
定常状態の例では、高速開閉器情報FSIは、高速開閉装置FSWDが閉状態であることを示す。また、低速開閉器情報SSIは、低速開閉器SSWが開状態であることを示す。これにより、開閉判定部150は、処理をステップS300に進める。
定常状態の例では、高速開閉器情報FSIは、高速開閉装置FSWDが閉状態であることを示し、低速開閉器情報SSIは、低速開閉器SSWが開状態であることを示す(図5 ステップS300;NO)。このため、開閉判定部150は、処理をステップS320に進める。
定常状態の例では、低速開閉器情報SSIは、低速開閉器SSWが開状態であることを示す。すなわち、開閉判定部150は、処理を終了する。
これにより、主系統MSYが通常動作している場合、主系統MSYは、高速開閉装置FSWDを介して主電力MPを負荷L1に供給する。また、予備系統SSYは、負荷L1に供給される電力の大きさに応じて、高速開閉装置FSWDを介して予備電力SPを負荷L2に供給する。
図10は、本実施形態の電力供給経路制御装置1が停電補償状態である場合の構成の一例を示す図である。停電補償状態とは、主系統MSYが停電している場合、負荷L1が、予備系統SSYから電力の供給を受ける状態である。停電補償状態では、主系統MSYが停電し、主電力MPの供給がない場合であっても、負荷L1には、予備系統SSYから電力が供給される。これにより、停電補償状態では、主系統MSYが停電する場合であっても、負荷L1への電力の供給は補償される。
以下、主系統MSYが停電することに伴い、電力供給経路制御装置1が図2に示される状態から図10に示される状態まで各部を制御する動作について説明する。
停電補償状態の例では、開閉判定部150は、主系統MSYが停電していることを示す判定結果JRを取得する。また、開閉判定部150は、主系統MSYが停電し、電力供給経路制御装置1が停電補償状態に制御される前の状態(図2 定常状態)では、高速開閉装置FSWDが閉状態であることを示す高速開閉器情報FSIを取得する。また、開閉判定部150は、低速開閉器SSWが開状態であることを示す低速開閉器情報SSIを取得する。
また、停電補償状態の例では、開閉判定部150は、主系統MSYが停電しているため、主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していないことを示す同期判定結果SYRを取得する。
上述したように、停電補償状態の例では、判定結果JRは、主系統MSYが停電していることを示すため、開閉判定部150は、処理をステップS260に進める。開閉判定部150は、高速開閉装置FSWDを開状態に制御すると判定する(図6 ステップS260)。開閉判定部150は、高速開閉装置FSWDを開状態に制御する判定の結果を示す開閉判定結果MBRを高速開閉装置制御部130と、低速開閉器制御部140とに供給する(図6 ステップS340)。
上述したように、開閉判定結果MBRは、高速開閉装置FSWDを開状態に制御することを示す。高速開閉装置制御部130は、開閉判定結果MBRに基づいて、高速開閉装置FSWDを開状態に制御する。
これにより、主系統MSYと、予備系統SSYとの接続が高速に切り離される。すなわち、一次側PSと、二次側SSとが短時間で切り離される。短時間とは、例えば、2msから5ms程度の時間である。
二次側SSに接続される負荷L1には、予備系統SSYから予備電力SPが供給される。具体的には、負荷L1には、蓄電池BTと、燃料発電システムCGSとから予備電力SP1と、予備電力SP2とが供給される。これにより、負荷L1には、停電が生じない。換言すると、負荷L1への電力の供給は補償される。
以下、停電補償状態における蓄電池BTの放電制御及び充電制御について説明する。
発電電力検出部180は、発電電力検出器C3の検出結果に基づいて、予備電力検出結果DR3を蓄電池制御部190に供給する(図8 ステップS430)。
電流検出部200は、電流検出器C4の検出結果に基づいて、電流検出結果DR4を蓄電池制御部190に供給する(図8 ステップS440)。
蓄電池制御部190は、主系統MSYの状態を判定する(図8 ステップS490)。蓄電池制御部190は、主系統MSYが通常動作していることを示す場合(図8 ステップS490;NO)、処理を終了する。
蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電していることを示す場合(図8 ステップS490;YES)、処理をステップS500に進める。
蓄電池制御部190は、電流検出結果DR4が順方向であるか否かを判定する(図8 ステップS500)。蓄電池制御部190は、電流検出結果DR4が順方向であることを示す場合(図8 ステップS500;YES)、電流検出結果DR41と、予備電力検出結果DR3とに基づいて、蓄電池BTの放電を制御する(図8 ステップS510)。また、蓄電池制御部190は、電流検出結果DR4が逆方向であることを示す場合(図8 ステップS500;NO)、電流検出結果DR42と、予備電力検出結果DR3とに基づいて、蓄電池BTの充電を制御する(図8 ステップS520)。
蓄電池制御部190は、停電時の電流検出結果DR4が順方向である場合、上述したように、電流検出結果DR41に基づいて、蓄電池BTが放電する予備電力SP2を制御する。また、蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電し、当該主系統MSYが供給していた電流検出結果DR41に基づいて、予備電力SP2を制御した後、二次側SSに接続される負荷L1が消費する電力の変化に応じて蓄電池BTを制御する。具体的には、蓄電池制御部190は、予備電力検出結果DR3と、動作範囲上限変化量UVとに基づいて、燃料発電システムCGSが停止することを抑制するように、蓄電池BTが放電する予備電力SP2を制御する。
蓄電池制御部190は、停電時の電流検出結果DR4が逆方向である場合、上述したように、電流検出結果DR42に基づいて、蓄電池BTが充電する予備電力SP2を制御する。また、蓄電池制御部190は、主系統MSYが停電し、当該主系統MSYが供給していた電流検出結果DR42に基づいて、予備電力SP2を制御した後、二次側SSに接続される負荷L1が消費する電力の変化に応じて蓄電池BTを制御する。具体的には、蓄電池制御部190は、予備電力検出結果DR3と、動作範囲下限変化量DVとに基づいて、燃料発電システムCGSが停止することを抑制するように、蓄電池BTが充電する予備電力SP2を制御する。
図11は、本実施形態の電力供給経路制御装置1が第1復電状態である場合の構成の一例を示す図である。
以降の説明において、主系統MSYが停電から復電し、通常動作している場合であって、かつ電力供給経路制御装置1の状態が図2に示す定常状態ではない電力供給経路制御装置1の状態を復電状態と記載する。
ここで、主系統MSYの動作が停電から通常動作に遷移する際、電力供給経路制御装置1は、図10に示す停電補償状態から、図11に示す第1復電状態及び図12に示す第2復電状態を経て、図2に示す定常状態に遷移する。
以下、主系統MSYの動作が停電から通常動作に遷移したことに伴い、電力供給経路制御装置1が図10に示される状態から図11に示される状態まで各部を制御する動作について説明する。
また、以降の説明において、主系統MSYの動作が停電から通常動作に遷移することを、主系統MSYが復電するとも記載する。
第1復電状態の例では、開閉判定部150は、主系統MSYが通常動作していることを示す判定結果JRを取得する。
また、開閉判定部150は、主系統MSYが通常動作し、電力供給経路制御装置1の状態が第1復電状態に制御される前の状態(図10 停電補償状態)では、高速開閉装置FSWDが開状態であることを示す高速開閉器情報FSIを取得する。また、開閉判定部150は、低速開閉器SSWが開状態であることを示す低速開閉器情報SSIを取得する。また、開閉判定部150は、同期判定部160から同期判定結果SYRを取得する。
上述したように、主系統MSYが通常動作し、電力供給経路制御装置1の状態が第1復電状態に制御される前の状態(図10 停電補償状態)では、高速開閉器情報FSI及び低速開閉器情報SSIは、高速開閉装置FSWD及び低速開閉器SSWが開状態であることを示す。これにより、開閉判定部150は、低速開閉器SSWと、高速開閉装置FSWDとが開状態であると判定し(図6 ステップS270;YES)、処理をステップS280に進める。
開閉判定部150は、同期判定部160から取得した同期判定結果SYRが主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していることを示すかを判定する(図6 ステップS280)。開閉判定部150は、取得した同期判定結果SYRが主系統MSYと、予備系統SSYとが同期していないことを示す場合(図6 ステップS280;NO)、ステップS280の処理を繰り返す。
以下、図9を参照して主系統MSYと、予備系統SSYとの同期について説明する。
図9は、本実施形態の蓄電池制御部190の動作の一例を示す第5の流れ図である。
具体的には、図9は、蓄電池制御部190が主電圧MVと、予備電圧SVとを同期させるように蓄電池BTを制御する動作の一例を示す流れ図である。
蓄電池制御部190は、同期判定部160から同期判定結果SYRを取得する(図9 ステップS600)。
蓄電池制御部190は、同期判定結果SYRが主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していることを示すかを判定する(図9 ステップS610)。蓄電池制御部190は、同期判定結果SYRが主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していることを示す場合(図9 ステップS610;YES)、主電圧MVと、予備電圧SVとを同期させる制御を行わず、処理を終了する。
蓄電池制御部190は、同期判定結果SYRが主電圧MVと、予備電圧SVとが同期していないことを示す場合(図9 ステップS610;NO)、主電圧MVと、予備電圧SVとを同期させる制御を行う(図9 ステップS620)。
開閉判定部150は、低速開閉器SSWを閉状態に制御する判定の結果を示す開閉判定結果MBRを高速開閉装置制御部130と、低速開閉器制御部140とに供給する(図6 ステップS340)。
上述したように、開閉判定結果MBRは、低速開閉器SSWを閉状態に制御することを示す。低速開閉器制御部140は、開閉判定結果MBRに基づいて、低速開閉器SSWを閉状態に制御する。
これにより、主系統MSYと、負荷L1とが低速開閉器SSWを介して接続される。すなわち、一次側PSと、二次側SSとが低速開閉器SSWを介して接続される。この場合、図11に示す通り、主系統MSYは、低速開閉器SSWを介して負荷L1に主電力MPを供給する。また、予備系統SSYは、負荷L1に供給される電力の大きさに応じて、低速開閉器SSWを介して負荷L2に予備電力SPを供給する。
図12は、本実施形態の電力供給経路制御装置1が第2復電状態である場合の構成の一例を示す図である。
ここで、高速開閉装置FSWDによって主系統MSYと、予備系統SSYとを接続するまでに、電力供給経路制御装置1は、電力供給経路制御装置1が備える各部を、図11に示す第1復電状態から、図12に示す第2復電状態に制御する。
以下、主系統MSYの動作が停電から通常動作に遷移することに伴い、電力供給経路制御装置1が図11に示される第1復電状態から図12に示される第2復電状態まで各部を制御する動作について説明する。
第2復電状態の例では、開閉判定部150は、主系統MSYが通常動作していることを示す判定結果JRを取得する。また、開閉判定部150は、主系統MSYが通常動作し、電力供給経路制御装置1の状態が第2復電状態に制御される前の状態(図11 第1復電状態)では、高速開閉装置FSWDが開状態であることを示す高速開閉器情報FSIを取得する。また、開閉判定部150は、低速開閉器SSWが閉状態であることを示す低速開閉器情報SSIを取得する。また、開閉判定部150は、主電圧MVと予備電圧SVとが同期していることを示す同期判定結果SYRを取得する。
高速開閉装置FSWDが閉状態に制御される場合、高速開閉装置FSWDが備える低速開閉器SSW1と、低速開閉器SSW2とが、高速開閉装置FSWDより先に閉状態に制御される。高速開閉装置FSWDが備える高速開閉器FSWは、低速開閉器SSW1と、低速開閉器SSW2とが閉状態に制御されたことに伴い、閉状態に制御される。すなわち、高速開閉装置FSWDは、高速開閉装置FSWDの両端に電位差が生じていない状態において閉状態に制御される。
ここで、低速開閉器SSWが先に閉状態に制御されることによって、高速開閉装置FSWDが閉状態に制御される際、一次側PSと、二次側SSとは、同期する。換言すると、一次側PSと、二次側SSとの間に電位差が生じない。一次側PSと、二次側SSとが低速開閉器SSWによって先に接続されることに伴い、高速開閉装置FSWDは、一次側PSと、二次側SSとの電位差が解消された後に、閉状態に制御される。
上述したように、図2は、電力供給経路制御装置1が定常状態である場合の構成の一例を示す図である。
以下、主系統MSYの動作が停電から通常動作に遷移することに伴い、電力供給経路制御装置1が図12に示される状態から図2に示される状態まで各部を制御する動作について説明する。
定常状態の例では、開閉判定部150は、主系統MSYが通常動作していることを示す判定結果JRを取得する。また、開閉判定部150は、主系統MSYが通常動作し、電力供給経路制御装置1の状態が定常状態に制御される前の状態(図12 第2復電状態)では、高速開閉装置FSWDが閉状態であることを示す高速開閉器情報FSIを取得する。また、開閉判定部150は、低速開閉器SSWが閉状態であることを示す低速開閉器情報SSIを取得する。また、開閉判定部150は、主電圧MVと予備電圧SVとが同期していることを示す同期判定結果SYRを取得する。
上述したように、主系統MSYが通常動作し、電力供給経路制御装置1の状態が定常状態に制御される前の状態(図12 第2復電状態)では、高速開閉器情報FSI及び低速開閉器情報SSIは、高速開閉装置FSWD及び低速開閉器SSWが閉状態であることを示す。これにより、開閉判定部150は、低速開閉器SSWと、高速開閉装置FSWDとが閉状態であると判定し(図6 ステップS270;NO)(図6 ステップS300;YES)、処理をステップS310に進める。
開閉判定部150は、低速開閉器SSWを開状態に制御すると判定する(図6 ステップS310)。開閉判定部150は、判定した低速開閉器SSWを開状態に制御することを示す開閉判定結果MBRを高速開閉装置制御部130と、低速開閉器制御部140とに供給する(図6 ステップS340)。
これにより、主系統MSYと、予備系統SSYとが高速開閉装置FSWDのみを介して接続される。すなわち、主系統MSYは、高速開閉装置FSWDを介して負荷L1に主電力MPを供給する。また、予備系統SSYは、負荷L1に供給する電力の大きさに応じて、高速開閉装置FSWDを介して負荷L2に予備電力SPを供給する。
また、電力供給経路制御装置1は、主系統MSYが停電及び停電から復電することに伴い、予備系統SSYが負荷L1に供給する電力の急変によって燃料発電システムCGSが停止することを抑制する。
以上説明したように、本実施形態の電力供給経路制御装置1は、電流検出部(本実施形態の一例では、電流検出器C4)と、主系統電圧検出部(本実施形態の一例では、系統電圧検出器V1)と、高速開閉器(本実施形態の一例では、高速開閉装置FSWD)と、低速開閉器(本実施形態の一例では、低速開閉器SSW)と、制御部100とを備える。制御部100は、CPUを備えており、停電判定部(本実施形態の一例では、判定部120)と、高速開閉装置制御部(本実施形態の一例では、高速開閉装置制御部130)と、低速開閉器制御部(本実施形態の一例では、低速開閉器制御部140)と、蓄電池制御部(本実施形態の一例では、蓄電池制御部190)とをその機能部として備える。
停電判定部は、主系統電圧検出部の検出結果(本実施形態の一例では、電圧検出結果DR1)に基づいて、主系統MSYが、通常動作しているか又は停電しているかを判定する。
高速開閉装置制御部130は、停電判定部の判定結果(本実施形態の一例では、判定結果JR)と、低速開閉器SSWの状態とに基づいて、高速開閉装置FSWDの動作を制御する。
低速開閉器制御部140は、停電判定部の判定結果と、高速開閉装置FSWDの状態とに基づいて、低速開閉器SSWの動作を制御する。
蓄電池制御部190は、電流検出器C4の検出結果(本実施形態の一例では、電流検出結果DR4)に基づいて、蓄電池BTの動作を制御する。
すなわち、従来の技術では、負荷L1に停電又は瞬低が生じることを抑制することが困難である場合があった。
すなわち、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、負荷L1に停電又は瞬低が生じることを抑制することができる。
つまり、予備系統は、主系統が停電してから低速開閉器が開状態に制御されるまでの間、予め電力の供給が想定された負荷より大きな負荷が接続される。
この場合、予備系統である燃料発電システムが、主系統が停電したことに伴い、動作を開始する際に、大きな負荷に接続されることで、エンジンの回転を安定させることができず、停止する場合がある。この場合には、予備系統は、負荷に安定した電力を供給することが困難である場合があった。
すなわち、従来の技術では、主系統と、予備系統及び負荷とが、低速開閉器を介して接続される場合、予備系統SSYは、負荷へ安定して電力を供給することが困難である場合があった。
つまり、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、主系統MSYの停電時に予備系統SSYへの切り替えを早急に行うことができる。これにより、本実施形態の電力供給経路制御装置1は、予備系統SSYが燃料発電システムCGSである場合、燃料発電システムCGSが停止することを抑制することができる。すなわち、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、予備系統SSYが負荷L1へ安定して電力を供給することができる。
また、主系統が停電時の高速開閉装置によって予備系統と負荷が主系統との接続を早急に切り替えられることにより、予備系統が負荷へ供給する予備電力の電力が急減する場合があった。この場合、燃料発電システムは、供給する電力が急変することに伴い、停止する場合があった。
これにより、主系統MSYが停電した場合に、予備系統SSYが負荷L1に供給する予備電力SPが急変した場合であっても燃料発電システムCGSが停止することを抑制することができる。すなわち、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、主系統MSYが停電することに伴い、予備電力SPが急変した場合であっても、負荷L1に安定して電力を供給することができる。
すなわち、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、主電圧MVと、予備電圧SVとに電位差、周波数差、位相差が生じていない場合に、低速開閉器SSWと、高速開閉装置FSWDとを閉状態に制御することができる。つまり、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、高速開閉装置FSWDの一次側PSと、二次側SSとに電位差、周波数差及び位相差が生じていない場合に、高速開閉装置FSWDを閉状態に制御することができる。
従来の技術では、ゲート・ターン・オフ・サイリスタ等の半導体素子によって構成される高速開閉器は、素子を構成する半導体の特性上、高速開閉器の一次側と、二次側とに電位差が生じることにより、破損する場合があった。
また、同期検出部は、燃料発電システムCGS及び蓄電池BTのうち少なくとも1つと、主系統MSYとが供給する電圧の同期の状態を検出する。
同期判定部160は、同期検出部SYTから同期判定結果SYRを取得する。同期判定部160は、同期判定結果SYRに基づいて、主系統MSYが供給する主電力MPの主電圧MVと、予備系統SSYが供給する予備電力SPの予備電圧SVとが同期しているか否かを判定する。
本実施形態の電力供給経路制御装置1は、同期検出部SYTが一次側PSと、二次側SSとが同期しているか否かを検出する。ここで、同期検出部SYTが一次側PSと、二次側SSとが同期していないことを示す場合、蓄電池制御部190は、一次側PSと、二次側SSとを同期させるように蓄電池BTを制御する。これにより、低速開閉器SSWの一次側PSの主電力MPと、二次側SSの予備電力SPとが同期される。つまり、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、低速開閉器SSWと、高速開閉装置FSWDとの一次側と、二次側SSとに電位差、周波数差、位相差が生じていない状態おいて、高速開閉装置FSWDを閉状態に制御することができる。
すなわち、本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、高速開閉装置FSWDの一次側PSと、二次側SSとに生じる電位差、周波数差、位相差によって高速開閉装置FSWDが備える高速開閉器FSWが破損することを抑制する。
すなわち、従来の技術では、主系統に接続される負荷が予備系統の供給する予備電力を消費することにより、予備系統に接続される負荷のバックアップ電力が小さくなることを抑制することが困難である場合があった。
例えば、主系統MSYに地絡、短絡および断線等の事故が生じる場合、予備系統SSYからみて、事故点は、負荷L1以外の負荷のような挙動となる。つまり、主系統MSYに事故が生じる場合、予備系統SSYは、事故が生じている事故点に電力を供給する。
本実施形態の電力供給経路制御装置1によれば、主系統MSYに事故が生じる場合、予備系統SSYが事故点に電力を供給することを抑制することができる。
高速開閉装置FSWDは、低速開閉器SSW1と、低速開閉器SSW2とのうち、少なくとも低速開閉器SSW2と、高速開閉器FSWとを備えていてもよい。この場合、高速開閉装置制御部130は、高速開閉器制御部であってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
Claims (4)
- 第1負荷に接続され前記第1負荷へ電力を供給する主系統と、前記第1負荷に接続され前記第1負荷へ電力を供給する燃料発電システムと、前記第1負荷に接続され前記第1負荷へ電力を供給する蓄電池とのうち、前記主系統が前記第1負荷に供給する電圧を検出する主系統電圧検出部と、
前記主系統が前記第1負荷に供給する電流及び前記電流の方向を検出する電流検出部と、
前記主系統と、前記第1負荷との間に接続される高速開閉器と、
前記高速開閉器と並列に接続される低速開閉器と、
前記主系統電圧検出部の検出結果に基づいて、前記主系統が前記第1負荷に供給する電圧の状態を判定する停電判定部と、
前記停電判定部の判定結果が、前記主系統が停電したことを示す状態から前記主系統が復電したことを示す状態に遷移した場合、前記低速開閉器が閉状態に制御されたことに応じて、前記高速開閉器を閉状態に制御する高速開閉器制御部と、
前記停電判定部の判定結果が、前記主系統が停電したことを示す状態から前記主系統が復電したことを示す状態に遷移した場合、前記低速開閉器を閉状態に制御する低速開閉器制御部と、
前記停電判定部の判定結果に基づいて、前記蓄電池の動作を制御する蓄電池制御部と、
を備え、
前記蓄電池制御部は、停電したことを示す状態の判定結果を取得する直前の電流検出結果が示す電流の方向が、前記主系統によって第1負荷に電力が供給される順方向である場合に、前記電流検出結果が示す電流に基づいて、前記燃料発電システムが停止しない動作範囲で、前記蓄電池が放電する電力を減少させる制御を行いつつ、前記蓄電池を、前記燃料発電システムが前記第1負荷に供給する予備電力と前記第1負荷が消費する電力との差を放電し、前記電流検出結果が示す電流の方向が、前記蓄電池と前記燃料発電システムとによって前記主系統と直接接続される第2負荷に電力が供給される逆方向である場合に、前記電流検出結果が示す電流に基づいて、前記燃料発電システムが停止しない動作範囲で、前記蓄電池が充電する電力を減少させる制御を行いつつ、前記蓄電池を、前記燃料発電システムが前記第1負荷に供給する電力である予備電力と、前記第1負荷が消費する電力との差を充電する電力供給経路制御装置。 - 前記燃料発電システム及び前記蓄電池のうち少なくとも1つが供給する電圧と、前記主系統が供給する電圧との同期の状態を検出する同期検出部と、
前記同期検出部が検出した前記同期の状態に基づいて、前記燃料発電システム及び前記蓄電池のうち少なくとも1つと、前記主系統とが同期しているか否かを判定する同期判定部と
を更に備え、
前記同期検出部は、
前記低速開閉器と並列に接続され、
前記蓄電池制御部は、
前記同期判定部が前記燃料発電システム及び前記蓄電池のうち少なくとも1つと、前記主系統とが同期していないと判定した場合、前記燃料発電システム及び前記蓄電池のうち少なくとも1つと、前記主系統とを同期させ、
前記高速開閉器が開状態にある停電状態から復電し、前記同期判定部が前記燃料発電システム及び前記蓄電池のうち少なくとも1つと、前記主系統とが同期していると判定した場合、前記低速開閉器制御部は、前記低速開閉器を、閉状態に制御する
請求項1に記載の電力供給経路制御装置。 - 前記高速開閉器は、
両端にそれぞれ低速開閉器を備える
請求項1又は請求項2に記載の電力供給経路制御装置。 - 前記蓄電池制御部は、
前記燃料発電システムの異常燃焼を生じる発電量の時間変化に基づいて、前記蓄電池の充放電を制御する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力供給経路制御装置。
Priority Applications (1)
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