JP6749944B2 - セルロースエーテル粉末 - Google Patents

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Description

メチルセルロース型エーテルは、多種多様な目的に有用である。メチルセルロース型エーテルは、通常、粉末の形態で生成され、ほとんどの目的のために、粉末を水に溶解することが望ましい。しかしながら、多くのメチルセルロース型エーテルは、粉末溶解温度が25℃以下である。このようなメチルセルロース型エーテルを水に溶解するためには、冷却装置が必要であり、これは、メチルセルロース型エーテルを使用するプロセスに複雑さと費用とを追加する。このようなメチルセルロース型エーテルの粉末溶解温度を上げる方法を見出すこと、及びこのような方法で生成されたメチルセルロース型エーテル粉末を見出すことが望まれている。
WO2008/050209には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのハードカプセルを生成する方法が記載されている。WO2008/050209に記載されている方法は、好ましくは60℃超の温度でHPMCを水に分散させ、分散液を室温未満に冷却してHPMCの可溶化を達成し、次いで、得られた水性組成物を浸漬コーティングプロセスで使用してカプセルを生成することを伴う。同じ化学組成のメチルセルロース型エーテルの既知の粉末よりも高い粉末溶解温度を有する粉末形態のメチルセルロース型エーテルを生成する方法を見出すことが望ましい。
以下は本発明の記述である。
本発明の第1の態様は、粉末形態のメチルセルロース型エーテルを生成する方法であって、前記方法は、
(a)前記メチルセルロース型エーテルの水溶液を提供することと、
(b)次いで、前記メチルセルロース型エーテルを前記水から分離して乾燥メチルセルロース型エーテルを生成することと、を含むが、
但し、
(i)工程(b)は粉末形態の前記メチルセルロース型エーテルを生成するか、または
(ii)工程(b)の後に、前記方法は、前記乾燥メチルセルロース型エーテルを機械的応力に供して粉末形態の前記メチルセルロース型エーテルを生成する工程(c)をさらに含むことを条件とする、方法である。
本発明の第2の態様は、メチルセルロースを含む粉末形態の組成物であり、前記組成物は、強度レベルIピークを有する14.5〜16.5度の2θ値でのピークと、強度レベルIトラフを有する16.51〜20度の2θ値でのトラフと、を示す、1.789Åのソースのx線波長での粉末X線回折スペクトルを有し、ここで、ピーク指数P指数は、
P指数=(Iピーク−Iトラフ)/Iトラフ
と定義され、式中、前記P指数は、0.01以上である。
図1は、温度に対する正規化されたトルク測定値3を示す図である。 図2は、Iピークを項目1に示し、Iトラフは項目2に示す。
以下は本発明の詳細な説明である。
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、文脈が明白に別のことを示さない限り、指定された定義を有する。
メチルセルロース型(MCT)エーテルは、セルロースの誘導体のカテゴリーである。MCTエーテルのカテゴリーのメンバーは、メチルセルロース(MC)ポリマー及びヒドロキシアルキルメチルセルロース(HAMC)ポリマーである。
メチルセルロース(MC)ポリマーは、アンヒドログルコース単位として知られている構造Iの繰り返し単位を有する:
構造Iでは、繰り返し単位が括弧内に示されている。指数nは、構造Iがポリマーであるように十分に大きい。−R、−R、及び−Rはそれぞれ独立して、−H及び−CHから選択される。−R、−R、及び−Rの選択は、各繰り返し単位の中で同じであり得るか、または異なる繰り返し単位は、−R、−R、及び−Rの異なる選択を有し得る。1つ以上の繰り返し単位は、−R、−R、及び−CHである−Rのうちの1つ以上を有する。構造1に示される数字1〜6のそれぞれは、数字に隣接する炭素原子に対応する位置ラベルである。
メチルセルロースポリマーは、メトキシル基の重量%によって特徴付けられる。重量パーセントは、メチルセルロースポリマーの全重量に基づく。慣例により、重量パーセントは、すべての置換基を含むセルロース繰り返し単位の全重量に基づく平均重量パーセントである。メトキシル基の含有量は、メトキシル基(すなわち、−OCH)の質量に基づいて報告される。メチルセルロース(MC)ポリマー中のメトキシル%の測定は、United States Pharmacopeia(USP 37、「Methylcellulose」、3776〜3778頁)に従って実施される。
メチルセルロースポリマーは、5℃の水中の2重量%の溶液の粘度によっても特徴付けられる。2重量%のメチルセルロース水溶液の定常せん断流動粘度(5℃、10s−1、2重量%のMC)は、5℃で、Anton Paar Physica MCR 501レオメーターならびにコーン及びプレートサンプル固定具(CP−50/1,50mm径)を用いて、10s−1のせん断速度で測定された。このようにして測定した粘度は、本明細書では「5℃で2%の溶液粘度」として知られている。
メチルセルロースは、商s23/s26によっても特徴付けられ得る。量s23は、2及び3位の2つのヒドロキシ基がメチル基で置換され、6位が非置換ヒドロキシ基であるアンヒドログルコース単位のモル分率である。量s26は、2及び6位の2つのヒドロキシ基がメチル基で置換され、3位が非置換ヒドロキシ基であるアンヒドログルコース単位のモル分率である。商s23/s26は、s23をs26で割ることによって求められる。
セルロースエーテルにおけるエーテル置換基の決定は、一般的に知られており、例えば、Carbohydrate Research,176 (1988) 137−144,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,DISTRIBUTION OF SUBSTITUENTS IN O−ETHYL−O−(2−HYDROXYETHYL)CELLULOSE by Bengt Lindberg,Ulf Lindquist,and Olle Stenbergに記載されている。
具体的には、s23/s26の決定は、以下のように行われる。
10〜12mgのセルロースエーテルを、約90℃で撹拌させながら4.0mLの乾燥分析グレードジメチルスルホキシド(DMSO)(Merck,Darmstadt,Germany,0.3nmのモレキュラーシーブビーズ上に保存)に溶解させ、次いで再び室温に冷却させる。溶液を完全に可溶化するために室温で一晩撹拌したままにする。セルロースエーテルの可溶化を含む全反応は、4mLスクリューキャップバイアル中の乾燥窒素雰囲気を用いて行われる。可溶化後、溶解したセルロースエーテルを22mLスクリューキャップバイアルに移す。アンヒドログルコース単位のヒドロキシル基あたり30倍モル過剰の試薬水酸化ナトリウム及びヨウ化エチル中の粉末水酸化ナトリウム(新しく潰した、分析グレード)及びヨウ化エチル(合成用、銀で安定化したもの)を添加し、この溶液を周囲温度で3日間暗所で窒素下で激しく撹拌する。第1の試薬添加と比較して3倍量の試薬水酸化ナトリウム及びヨウ化エチルを添加し、さらに室温でさらに2日間撹拌してパーエチル化を繰り返す。必要に応じて、反応混合物は、反応の過程中の良好な混合を確実にするために、最大1.5mLのDMSOで希釈され得る。5mLの5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を反応混合物に注ぎ、次いで得られた溶液を4mLのジクロロメタンで3回抽出する。合わせた抽出物を2mLの水で3回洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウム(約1g)で乾燥させる。ろ過後、溶媒を穏やかな窒素気流中で除去し、さらなるサンプル調製までサンプルを4℃で保存する。
約5mgのパーエチル化サンプルの加水分解を、2mLのスクリューキャップバイアル中、1mLの90%ギ酸水溶液と共に窒素下、100℃で撹拌しながら1時間行う。酸を35〜40℃の窒素気流中で除去し、1mLの2Mの水性トリフルオロ酢酸を用いて不活性窒素雰囲気中で撹拌しながら120℃で3時間加水分解を繰り返す。完了後、共蒸留のために約1mLのトルエンを用いて周囲温度で、窒素流中で酸を乾燥状態まで除去する。
加水分解の残留物を、2Nのアンモニア水溶液(新たに調製したもの)中の0.5mLの0.5Mのホウ珪酸ナトリウムで、室温で3時間撹拌しながら還元する。過剰の試薬は、約200μLの濃酢酸の滴下添加によって破壊される。得られた溶液を約35〜40℃の窒素気流中で蒸発乾固させ、続いて室温で15分間真空乾燥させる。粘性の残渣をメタノール中の0.5mLの15%酢酸に溶解させ、室温で蒸発乾固させる。これを5回行い、純粋なメタノールで4回繰り返す。最終的な蒸発の後、サンプルを真空中で、室温で一晩乾燥させる。
還元の残渣を600μLの無水酢酸及び150μLのピリジンで、3時間90℃でアセチル化する。冷却後、サンプルバイアルをトルエンで満たし、窒素気流下室温で蒸発乾固させる。残渣を4mLのジクロロメタンに溶解し、2mLの水に注ぎ、2mLのジクロロメタンで抽出する。抽出を3回繰り返す。合わせた抽出物を4mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。その後、乾燥ジクロロメタン抽出物をGC分析に付す。GCシステムの感度に応じて、抽出物をさらに希釈する必要があり得る。
気液(GLC)クロマトグラフィー分析は、長さ30mのキャピラリーカラム、0.25mmのID、及び0.25μmの相層厚、30m、0.25mmのID、0.25μmの相層厚を備えるガスクロマトグラフで行われ、1.5バールのヘリウムキャリヤーガスで操作される。(例えば、J&WキャピラリーカラムDB5を備えたHewlett Packard 5890A及び5890A Series II型のガスクロマトグラフを使用して)ガスクロマトグラフは、60℃で1分間一定に保持する温度プロファイルでプログラムされ、20℃/分の速度で200℃まで加熱し、さらに4℃/分の速度で250℃まで加熱し、20℃/分の速度でさらに310℃まで加熱し、ここで、さらに10分間一定に保持する。インジェクタの温度は280℃に設定され、フレームイオン化検出器(FID)の温度は300℃に設定される。1μLのサンプルを0.5分間のバルブ時間で、スプリットレスモードで注入する。データは、例えばLabSystems Atlasワークステーションで取得され、処理される。
定量的モノマー組成データは、FID検出を用いてGLCによって測定されたピーク領域から得られる。モノマーのモル反応は、有効炭素数(ECN)の概念に沿って計算されるが、以下の表に記載されるように改変される。有効炭素数(ECN)の概念は、Ackman(R.G.Ackman,J.Gas Chromatogr.,2(1964)173−179及びR.F.Addison,R.G.Ackman,J.Gas Chromatogr.,6(1968)135−138)により記載され、Sweet et.al(D.P.Sweet,R.H.Shapiro,P.Albersheim,Carbohyd.Res.,40(1975)217−225)による部分的にアルキル化されたアルジトールアセテートの定量分析に適用される。
定量的モノマー組成データは、炎イオン化検出器(FID)検出を用いてガス液体クロマトグラフィー(GLC)によって測定されたピーク領域から得られる。モノマーのモル反応は、有効炭素数(ECN)の概念に沿って計算されるが、以下の表に記載されるように改変される。有効炭素数(ECN)の概念は、Ackman(R.G.Ackman,J.Gas Chromatogr.,2(1964)173−179及びR.F.Addison,R.G.Ackman,J.Gas Chromatogr.,6(1968)135−138)により記載され、Sweet et.al(D.P.Sweet,R.H. Shapiro,P.Albersheim,Carbohyd.Res.,40(1975)217−225)による部分的にアルキル化されたアルジトールアセテートの定量分析に適用される。
ECN計算に使用されるECN増分:
モノマーの異なるモル反応を補正するために、ピーク面積に2,3,6−Meモノマーに対する応答として定義されるモル応答係数MRFモノマーを乗じる。2,3,6−Meモノマーは、s23/s26の決定において分析されたすべてのサンプル中に存在するので、参照として選択される。
MRFモノマー=ECN2,3,6−Me/ECNモノマー
モノマーのモル分率は、補正されたピーク面積を、以下の式に従って全補正ピーク面積で割ることによって計算される。
s23=23−Me+23−Me−6−HAMe+23−Me−6−HA
+23−Me−6−HAHAMe+23−Me−6−HAHA
及び
s26=26−Me+26−Me−3−HAMe+26−Me−3−HA
+26−Me−3−HAHAMe+26−Me−3−HAHA]
式中、s23は、以下の条件を満たすアンヒドログルコース単位のモル分率の合計である:
a)アンヒドログルコース単位の2及び3位の2つのヒドロキシル基がメチル基で置換され、6位が置換されていない(=23−Me)、
b)アンヒドログルコース単位の2及び3位の2つのヒドロキシル基がメチル基で置換され、6位がメチル化ヒドロキシアルキル(=23−Me−6−HAMe)または2つのヒドロキシアルキル基を含むメチル化側鎖(=23−Me−6−HAHAMe)で置換されている、ならびに
c)アンヒドログルコース単位の2及び3位の2つのヒドロキシル基がメチル基で置換され、6位がヒドロキシアルキル(=23−Me−6−HA)または2つのヒドロキシアルキル基を含む側鎖(=23−Me−6−HAHA)で置換されている。
及び、式中、s26は、以下の条件を満たすアンヒドログルコース単位のモル分率の合計である:
a)アンヒドログルコース単位の2及び6位の2つのヒドロキシル基がメチル基で置換され、3位が置換されていない(=26−Me)、
b)アンヒドログルコース単位の2及び6位の2つのヒドロキシル基がメチル基で置換され、3位がメチル化ヒドロキシアルキル(=26−Me−3−HAMe)または2つのヒドロキシアルキル基を含むメチル化側鎖(=26−Me−3−HAHAMe)で置換されている、ならびに
c)アンヒドログルコース単位の2及び6位の2つのヒドロキシル基がメチル基で置換され、3位がヒドロキシアルキル(=26−Me−3−HA)または2つのヒドロキシアルキル基を含む側鎖(=26−Me−3−HAHA)で置換されている。
ヒドロキシアルキルメチルセルロース(HAMC)ポリマーは、−R、−R及び−Rがそれぞれ独立して、−H、−CH及び構造IIから選択される以外は、MCポリマーについて上記で定義した構造Iの様々な特徴を有する構造Iを有する。
1つ以上の繰り返し単位は、−R、−R、及び−CHである−Rのうちの1つ以上を有する。また、1つ以上の繰り返し単位は、−R、−R、及び構造IIである−Rのうちの1つ以上を有する。指数zは1以上である。指数zは、同じ分子のHAMCポリマー上の構造IIの出現が異なる場合、同じであっても異なっていてもよい。基−R−は、2価のアルキル基である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ポリマーは、−R−が構造IIIを有するHAMCである:
ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーは、メトキシル基の重量パーセントによって特徴付けられる。重量パーセントは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーの全重量に基づく。慣例により、重量パーセントは、すべての置換基を含むセルロース繰り返し単位の全重量に基づく平均重量パーセントである。メトキシル基の含有量は、メトキシル基の質量(すなわち、−OCH)に基づいて報告される。ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー中の%メトキシルの測定は、United States Pharmacopeia(USP 37,“Hypromellose”,3296〜3298頁)に従って実施される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーは、MCポリマーについて上記したように5℃の2重量%の水溶液の粘度によっても特徴付けられる。
ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)ポリマーは、HAMCであり、ここで、−R−は−[CH−CH]−である。ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)ポリマーは、−R−が4個の炭素原子を有する二価のアルキル基であるHAMCである。HEMCポリマー及びHBMCポリマーは、異なる−R−基からなる適応を伴って、HPMCポリマーについて上述した方法によって特徴付けられる。
組成物が25℃で固体であり、粒子の集合体として存在する場合、組成物は本明細書では、粉末であるか、同義語として粉末形態であると言われる。粒子の集合体において、粒子集合体の0〜2重量%は、2mm以上の任意の寸法を有する粒子からなる。粒子の集合体において、体積平均粒径は1mm以下である。粒子が球形でない場合、その直径は本明細書では、粒子の体積に等しい体積を有する球の直径と等しいと考えられる。
本明細書で粉末形態のMCTエーテルと標識された組成物は、粉末の重量に基づき90重量%以上の量のMCTエーテルを含有する粉末である。
MCTエーテルの分子が連続液体水性媒体の分子と緊密に混合されている場合には、MCTエーテルは本明細書では水に溶解すると言われ、連続液体水性媒体は、MCTエーテルの重量を除いて、連続液体水性媒体の重量に基づき75重量%以上の水を含有する。MCTエーテルを水に溶解すると、MCTエーテルと水を含む混合物が形成され、その混合物中のMCTエーテルの量は、混合物の重量に基づき30重量%以下であり、混合物は液体として挙動する。水に懸濁したMCTエーテルは、本明細書では、水に溶解されたMCTエーテルとは異なる形態であると考えられる。体積平均直径が100nm以上であるMCTエーテルの粒子が連続液体水性媒体全体に分散している場合、MCTエーテルは水中に懸濁していると考えられ、連続液体水性媒体は、MCTエーテルの重量を除いて、連続液体水性媒体の重量に基づき75重量%以上の水を含有する。
粉末形態であるMCTエーテルのサンプルは、粉末のサンプルが粉末のサンプルの重量に基づき0〜15重量%の量の水を含有する場合、本明細書では乾燥されたと言われる。
粉末形態のMCTエーテルは、粉末溶解温度(PDT)によって特徴付けられ得る。水を粉末形態のMCTエーテルと混合する場合、混合物がPDTより上にある場合、MCTエーテルは水に溶解しない。混合物がPDTより下に冷却された場合にのみ、MCTエーテルが水に溶解する。粉末形態のMCTエーテルは、通常、50℃未満のPDTを有する。
PDTは以下のように決定される。測定は、例えばHaake RS1レオメーターで行われ得る。
翼スターラー(スターラープレートの直径及び高さはそれぞれ30mmであり、翼プレートは直径5mmの4つの穿孔を有する)を備えるカップ(Couette)Z−34ジオメトリ。水及びセルロースエーテルの量は、2%の最終濃度を達成するように選択される。58.8gの水をカップに加え、70℃まで加熱する。この温度で、1.2gのセルロースエーテルをゆっくりと添加する。この温度で、セルロースエーテルは不溶性であり、懸濁液を500rpmで60秒間撹拌する。良好な懸濁が得られた後、300rpmで撹拌しながら、1℃/分の固定冷却速度で温度を低下させる。トルクは4データポイント/分で記録され、70℃で開始し、推定開始溶出温度よりも少なくとも20℃低い温度で終了し、温度の関数としてトルク上昇曲線を生じる。開始溶出温度のさらなる分析のために、データは、以下の式に従って正規化される:
式中、Mは特定の温度で測定されたトルクを表し、Mは300rpmで最高温度(例えば70℃)でのトルクの開始値を表し、Mmaxは最低温度(例えば2℃)での最終トルクを表す。開始溶出温度の分析において、トルク(y軸)の値を温度(x軸)に対してプロットする。得られたトルク値に対して、2.5℃をカバーする複数の温度増分に対して線形回帰を実行する。増分は0.1℃ごとに開始される。最も大きな傾きを有する線形回帰が決定され、その線形回帰と温度軸との交点がPDTである。
PDTを決定する方法は、温度に対する正規化されたトルク測定値3を示す図1の仮定的な例によって示される。最も高い傾きを有する線形回帰は点6の中心にある。線4は、最も高い傾きを有する線形回帰によって決定される。線4は点5で温度軸と交差し、点5の温度はPDTである。
溶液が水に溶解したMCTエーテルから作製した後、溶液はゲル化温度を示し得る。すなわち、多くのMCTエーテルについては、溶液を作製した後、温度を上げると、MCTエーテルはPDTを上回っても、溶液中に残る。温度をさらに上昇させると、多くのMCTエーテルについては、溶液はゲルを形成する。
ゲルの形成を以下のように評価する。MCTエーテル水溶液を、回転レオメーター(例えば、Anton Paar、MCR 501、ペルチェ温度制御システムを用いて)で1℃/分で5〜85℃に加温しながら、小振幅の振動せん断流(周波数=2Hz、歪み振幅=0.5%)に付した。振動のせん断流は、平行プレート固定具(直径50mm、1mm分離)の間に置かれたサンプルに適用される。(1)金属リング(内径65mm、幅5mm、高さ15mm)で固定具を覆うこと、及び(2)水不混和性パラフィン油をサンプル周辺に配置することによって、温度上昇中にせん断された材料への水分損失が最小限に抑えられる。振動測定値から得られるせん断保存弾性率G’は、溶液の弾性特性を表す。振動測定値から得られるせん断損失弾性率G’’は、溶液の粘度特性を表す。最も低い温度では、G’はG’’より小さい。温度が上昇すると、ある温度でゲル化プロセスが始まり、G’はG’’に等しくなるまで上昇する。ゲル化温度Tgelは、G’とG’’が等しい温度として特定される。
本発明の実施において、好ましいMCTエーテルは、30℃以上のTgelを有するものであり、より好ましくは32℃以上、より好ましくは35℃以上である。好ましいMCTエーテルは41℃以下のTgelを有し、より好ましくは39℃以下、より好ましくは37℃以下である。
好ましいMCTエーテルは、2mPa*s以上の上記定義の2%溶液粘度を有し、より好ましくは10mPa*s以上、より好ましくは30mmPa*s、より好ましくは100mPa*s以上、より好ましくは300mPa*s以上、より好ましくは1,000mPa*s以上である。好ましいMCTエーテルは、20,000Pa*s以下の上記定義の2%溶液粘度を有する。
本発明の方法は、MCTエーテルの水溶液(a)の使用を含む。好ましくは、この溶液(a)は、粉末形態のMCTエーテルの最初の部分を含む出発物質を用いて生成され、そのMCTエーテルは決して水に溶解されていない。このような粉末は、本明細書では「水和していない」MCTエーテル粉末として知られている。そのような粉末は当該技術分野において周知であり、MCTエーテルは、セルロース上の−OH基を−OCH基に変換することによってセルロースが改質されるプロセスによって作製されるのが一般的であり、このようなプロセスは通常、MCTエーテルを水に溶解することを伴わない。水和していないMCTエーテル粉末のカテゴリーには、製造中に水で膨潤していてもいなくてもよいMCTエーテル粉末が含まれるが、これまでに水に溶解したMCTエーテル粉末は含まれていない。MCTエーテル粉末を水で膨潤させると、MCTエーテル粉末と水とを含む混合物が形成され、その混合物中の水の量は、混合物の重量に基づき40重量%以下である。また、その混合物は膨潤した固体のように挙動し、液体のように挙動しない。
好ましくは、粉末形態の水和していないMCTエーテルは、25℃以下のPDTを有し、より好ましくは23℃以下であり、より好ましくは21℃以下である。
好ましくは、溶液(a)中のMCTエーテルの濃度は、溶液の重量に基づき0.2重量%以上であり、より好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは1重量%以上である。好ましくは、溶液(a)中のMCTエーテルの濃度は、溶液の重量に基づき15重量%以下であり、より好ましくは12重量%以下であり、より好ましくは9重量%以下であり、より好ましくは6重量%以下である。
好ましくは、溶液(a)は、水及び水和していないMCTエーテル粉末を含有する混合物を形成することによって生成される。好ましくは、その混合物を撹拌する。好ましくは、混合物を25℃未満の温度に冷却し、より好ましくはMCTエーテル粉末のPDTより低い温度に冷却し、より好ましくはMCTエーテル粉末のPDTより2℃以上低い温度に冷却する。好ましくは、MCTエーテルが溶解して連続液体水性媒体中に溶液を形成するまで撹拌を行い、こうして溶液(a)を形成する。好ましくは、溶液(a)は均質である。
本発明の方法において、溶液(a)はMCTエーテルが水から分離されて乾燥MCTエーテルを生成する工程(b)に付される。溶液(a)中の水からMCTエーテルを分離する方法は、「直接粉末」法または「間接乾燥」法のいずれかに分類され得る。直接粉末法は、粉末形態ではない固体物質を分離するための機械的に壮大な応力を必要とせずに粉末形態のMCTエーテルを生成する。好ましい直接粉末法は噴霧乾燥法である。噴霧乾燥では、溶液(a)を噴霧器またはノズルに通して液滴を生成させ、これを気体と接触させる。好ましくは、ガスは25℃超の温度の空気である。液滴は蒸発によって水分を失って粉末粒子になる。噴霧乾燥によって生成された粉末粒子は、場合によっては流動床に付される。
様々な間接乾燥法が適している。間接乾燥法は、粉末粒子として適格ではない形態の乾燥MCTエーテルを生成する。乾燥MCTエーテルは、例えば、粉末粒子としてあまりにも大きすぎて認定できない大きさのビーズの形態、固体塊もしくは固体塊の集合体の形態、基材上のフィルムの形態、別の形態、またはそれらの組み合わせであり得る。好ましい間接乾燥方法は、熱水中での沈殿、有機溶媒中での沈殿、簡単な蒸発、及び凍結乾燥である。
熱水中で沈殿を達成するために、溶液(a)を約25℃で、Tgelより高い温度に保った水にゆっくり加える。ゲル化したMCTエーテル型のビーズであり、大部分の水から機械的に分離されている。次いで、ゲル化したビーズを均質化することができる。ゲル化したビーズまたはゲル化したビーズを均質化した生成物を乾燥させてフィルムまたは固体塊を形成する。
有機溶媒中で沈殿を達成するために、水と混和性であり、25℃で水100gあたり0.1グラムのMCTエーテルを超える量のMCTエーテルを溶解しない有機溶媒が特定される。好ましい有機溶媒はアセトンである。約25℃の溶液(a)をアセトンに加え、MCTエーテル形態をゲル化させる。ゲル化したビーズは、混合物中の流体の大部分から分離される。次いで、ゲル化したビーズを均質化することができる。ゲル化したビーズまたはゲル化したビーズを均質化した生成物を乾燥させてフィルムまたは固体塊を形成する。
簡単な蒸発を達成するために、溶液(a)の開放容器を30℃〜95℃の空気雰囲気中に置き、水を蒸発させる。典型的には、フィルムは容器の表面上に形成され、フィルムは容器から機械的に除去され、フィルムの除去は通常、フィルムを複数の部分に分割することを含む。
凍結乾燥を達成するために、溶液(a)は、溶液(a)を凍結させるのに十分低い温度まで冷却される。次いで、凍結した溶液(a)を1気圧未満の昇華圧力及び昇華温度に付す。昇華温度及び昇華圧力は、水が昇華プロセスによって凍結溶液(a)から出るように選択される。その後材料は場合により、さらなる乾燥プロセスに付されてもよい。凍結乾燥は通常、乾燥MCTエーテルのシートを生成する。
間接乾燥法は、乾燥MCTエーテルを、1つ以上の寸法が大きすぎて粉末として認定することができない形態で生成する。そのような形態は好ましくは、機械的応力を受けてサイズを減少させ、次いで粉末として認定にされる。好ましい機械的応力は、1つ以上の粉砕プロセス、1つ以上の研削プロセス、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、乾燥MCTエーテルは最初に、回転金属ビーター(衝撃粉砕とも呼ばれるプロセス)を用いて粉砕され、その後、1つ以上の25℃未満の温度の、遠心粉砕、ボール粉砕、サイクロン粉砕、ディスク粉砕、他の技術、またはそれらの組み合わせを使用して、得られた材料を粉砕機により細かく粉砕することに付する。
好ましくは、粉末形態のMCTエーテルは、10〜500μmの体積平均粒径を有する。
本発明の方法の1つの利点は、本発明の方法は好ましくは、望ましくないほど低いPDTを有する粉末形態の加水分解されていないMCTエーテルを、同じ化学組成を有するがより高いPDTを有する粉末形態のMCTエーテルに変換するために使用されることであると考えられる。本発明はいかなる特定の理論にも限定されないが、変換はMCTエーテルの結晶構造を変えることによって達成されると考えられる。
以下の実施例は、本発明の方法によって提供される利点を説明するのに役立つ。例えば、食品製造業者は、約36℃のTgelを有するMCTエーテルを食品に組み込むことを望む場合がある。そのようなMCTエーテルを食品中に組み込む1つの理由は、37℃の摂取者の体内のMCTエーテルのゲル化が満腹感を引き起こし、摂食者が過食するのを妨げるためである。しかしながら、過去において、以前知られたTgelが約36℃のMCTエーテルの一部は、非常に低いPDTを有する粉末として利用可能であるに過ぎず、こういった粉末を水に溶解させるためには水を25℃未満に冷却する必要があり、そのためには冷却装置が必要となる。MCTエーテルを食品に組み込むことは通常、MCTエーテルを水に溶解することを含む。したがって、過去において、食品製造業者は、所望のMCTエーテルの使用が冷却装置を使用する必要性の欠点に関連することをしばしば見出したであろう。
将来、食品製造業者が本発明の利益を享受する方法の例は、以下の通りである。食品製造業者は、本発明の方法によって生成された粉末形態のMCTエーテル(「新しい」MCTエーテル粉末)を得ることができた。このような粉末形態のMCTエーテルは、本発明の方法によって生成されなかった同じ化学組成のMCTエーテル粉末(「古い」MCTエーテル粉末)のPDTよりもPDTが高いことが企図される。食品製造業者がMCTエーテルを水に溶解すると、新しいMCTエーテル粉末は、古いMCTエーテル粉末が必要としていたよりも、溶解プロセス中に冷却を必要としないことが明らかであろう。いくつかの場合において、新しいMCTエーテル粉末は、食品製造業者によって行われる溶解プロセス中に全く冷却を必要としない。したがって、食品製造業者が新しいMCTエーテルを食品中に組み込むことはより容易であろう。MCTエーテルの化学組成は本発明の方法によって変化しないと考えられるので、TgelのようなMCTエーテル分子に固有の特性は不変のままであると予想される。
MCTエーテルの中では、メチルセルロースが好ましい。メチルセルロースの中では、アンヒドログルコース単位のヒドロキシ基をs23/s26が0.36以下、より好ましくは0.33以下、より好ましくは0.30以下、より好ましくは0.27以下、より好ましくは0.24以下となるようにメチル基で置換したものが好ましい。メチルセルロースの中では、好ましくはs23/s26が0.08以上、より好ましくは0.10以上、より好ましくは0.12以上、より好ましくは0.17以上、より好ましくは0.18以上、より好ましくは0.19以上、より好ましくは0.20以上、より好ましくは0.21以上である。このようなs23/s26比を有する2つ以上のメチルセルロースの場合、メチルセルロースに関する重量範囲及び重量比は、s23/s26が0.36以下であるすべてのメチルセルロースの全重量に関する。
本発明の方法によって生成される粉末形態の好ましいメチルセルロースは、粉末X線回折スペクトルの特徴により、加水分解されていないメチルセルロースとは区別される。粉末X線回折スペクトルは、30kV及び50mAでCoKα1ソース(λ=1.789Å)を有するシータ−シータ回折計を用いて得られ得る。
本発明の方法によって生成されたメチルセルロース粉末は、14.5〜16.5度の2θ値で1.789ÅのソースX線波長を用いて粉末X線回折スペクトルにおけるピーク(ここではピークII)を示す。対照的に、ソースX線波長1.789Åを用いた加水分解されていないメチルセルロース粉末のX線回折スペクトルは、上記の14.5〜16.5度の2θ範囲にこのようなピークを示さない。本発明の方法によって製造されたメチルセルロースはまた、16.51〜20度の2θ値でトラフ(本明細書ではトラフII)を示す。
ピークIIの顕著さは、以下のように特徴付けられ得る。ピークII(Iピーク)の強度レベルは以下のように決定される。ピークIIの最大点が決定され、その点は2θ値(2θpII)及び全強度値(Iピーク)を有する。Iピークは図2の項目1に示す量である。トラフIIの最小点が決定され、その点は2θ値(2θtII)及び全強度値(Iトラフ)を有する。Iトラフは図2の項目2に示す量である。次いで、ピークIIの顕著さは、ピーク指数(P指数)によって次のように特徴付けられる。
P指数=(Iピーク−Iトラフ)/Iトラフ
ピークIIが存在しない場合、P指数は「ピークなし」として報告される。
好ましくは、本発明のメチルセルロースは、P指数が0.01以上であり、より好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.3以上である。
好ましくは、本発明の方法によって生成された粉末形態のMCTエーテルは、同じ化学組成の加水分解されていないエーテルよりも高いPDTを有する。PDTの差異は、以下のようにΔPDTによって特徴付けられ得る。
ΔPDT=(本発明の粉末のPDT)−(加水分解されていないMCTエーテルのPDT)
好ましくは、ΔPDTは0.15℃以上であり、より好ましくは0.5℃以上、より好ましくは3℃以上、より好ましくは5℃以上、より好ましくは7℃超である。
以下は、本発明の実施例である。
以下のMCTエーテルを使用した。略語「約(approx)」は「近似(approximatey)」を意味する。
Haake RS1(商標)レオメーターを用いて、粉末溶解温度(PDT)を上記のように評価した。
NH−MCサンプルの溶液は以下のようにして調製した。溶液は、溶液の重量に基づき2重量%のメチルセルロースであった。NH−MCを粉砕し、すりつぶし、乾燥させた。次いで、3gのNH−MCを、147gの20〜25℃の水道水にオーバーヘッドインペラースターラーで撹拌しながら添加した。インペラーは2cmの翼を有した。回転速度は750rpmであった。混合物を氷浴中で2℃未満の温度に冷却し、この温度を750rpmで180分間撹拌を続けながら2℃未満に保った。この溶液を冷蔵庫に一晩保存した。一晩保存した後、その後の使用または分析の前に、溶液を氷浴中で、100rpmで15分間撹拌した。
噴霧乾燥は次のように行った。20℃で一晩保持した1500mlのNH−MC溶液。Buchi Mini−Spray Dryer B290を使用した。空気流を150℃に加熱し、アスピレーターを100%に設定し、ポンプ流量を最大噴霧流量で35%に設定した。
熱水中での沈殿は次のように行った。1500mLのNH−MC溶液を250rpmで撹拌しながら熱水(95℃)中に滴下して加えた(1滴あたり0.4g溶液)。物質が完全にゲル化した後、ゲル化したビーズが容器の底に沈むように撹拌を停止した。上清を捨て、残りのホットゲルビーズをUltra−Turraxホモジナイザーを用いて30秒間均質化した。均質化したホットゲル塊を65℃の乾燥オーブンに一晩置いた。生成物をIKA A11 Basicミルを用いて小片に切断し、次いでクリオミル(Retsch ZM100)を用いて粉末にすりつぶした。
アセトン中での沈殿は次のように行った。約23℃、250rpmで撹拌しながら、1500mLのNH−MC溶液をアセトン中に滴下して加えた(1滴あたり0.4g溶液)。物質が完全に沈殿した後、沈殿したビーズが容器の底に沈むように撹拌を停止した。上清を捨て、残りのホットゲルビーズをUltra−Turraxホモジナイザーを用いて30秒間均質化した。均質化したホットゲル塊を65℃の乾燥オーブンに一晩置いた。生成物をIKA A11 Basicミルを用いて小片に切断し、次いでクリオミル(Retsch ZM100)を用いて粉末にすりつぶした。
簡単な蒸発は以下のように行った。250mLのNH−MC溶液を40℃の乾燥オーブン内の開いたビーカー(直径30cm)に入れた。水が完全に蒸発した後、フィルムが得られた。フィルムをIKA A11 Basicミルを用いて小片に切断し、次いでクリオミル(Retsch ZM100)を用いて粉末にすりつぶした。
粉末X線回折スペクトルを、Vantec検出器を備えたBruker D8 ADVANCE(商標)機器を使用して、上記のように測定し分析した。
結果は以下の通りであった。略語「ppt」は「沈殿」を意味する。
すべての試験において、本発明の方法は、PDTを増加させ、粉末X線回折スペクトルにおいてピークIIの出現を引き起こした。これらの方法の中で、噴霧乾燥が最も効果的であるようであった。メチルセルロースのサンプルの中で、MC−4はPDTにおいて最も増大し、最も顕著なピークIIを示した。

Claims (2)

  1. 粉末形態のメチルセルロースを含む粉末形態の組成物であって、
    前記メチルセルロースは、0.27以下のs23/s26を有し、
    前記組成物は、強度レベルIピークを有する14.5〜16.5度の2θ値でのピークと、強度レベルIトラフを有する16.51〜20度の2θ値でのトラフと、を示す、1.789Åのソースx線波長での粉末X線回折スペクトルを有し、
    前記Iピークは、前記粉末X線回折スペクトルにおける前記ピークでの回折X線の絶対強度値であり、前記Iトラフは、前記粉末X線回折スペクトルにおける前記トラフでの回折X線の絶対強度値であり、
    ここで、ピーク指数P指数は、
    P指数=(Iピーク−Iトラフ)/Iトラフ
    と定義され、式中、前記P指数は、0.2以上である、組成物。
  2. 前記P指数が、0.3以上である、請求項1に記載の組成物。
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