[実施形態の概要]
以下の実施形態では、UE・ネットワーク中継によりMBMSトラフィックをリモートUEへ中継する場合において、不要なシグナリングを削減することを目的の一つとする。
実施形態に係る無線端末は、近傍サービスにおけるUE・ネットワーク中継を行うリレー端末である。前記無線端末は、前記無線端末がMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービスを受信可能か否かに関するMBMS受信情報を、前記リレー端末と前記UE・ネットワーク中継により通信を行うリモート端末に送信するコントローラを備える。
実施形態において、前記コントローラは、前記無線端末のサービングセルが前記MBMSサービスを提供していない場合に、前記MBMSサービスを受信不能であることを示す前記MBMS受信情報を送信す。
実施形態において、前記コントローラは、前記サービングセルと異なる他のセルが前記MBMSサービスを提供していない場合に、前記MBMSサービスを受信不能であることを示す前記MBMS受信情報を送信する。
実施形態において、前記コントローラは、前記MBMS受信情報として、前記無線端末が受信している所定の識別子の数を送信する。前記所定の識別子は、前記MBMSサービスを識別するための識別子、及び、前記MBMSサービスを配信するエリアを識別するための識別子、の少なくとも一方である。
実施形態において、前記コントローラは、前記MBMS受信情報として、前記無線端末がモニタ可能なMBMSサービスを提供する周波数帯の情報を送信する。
実施形態において、前記コントローラは、サービングセルと異なる周波数帯で提供されている前記MBMSサービスを受信可能か否かに関する能力情報を前記サービングセルを管理する基地局に送信する。
実施形態において、前記コントローラは、特定のMBMSサービスの受信要求を前記リモートUEから受信する。前記コントローラは、前記受信要求への応答に代えて、前記特定のMBMSサービスを識別するための第1の識別子及び前記特定のMBMSサービスを送信するために用いられる第2の識別子を含むメッセージをブロードキャストで送信する。
実施形態において、前記コントローラは、前記メッセージに、前記特定のMBMSサービスの受信要求のトリガとなるタイマを含める。
実施形態において、前記第2の識別子は、前記近傍サービスにおけるデータ送信のために用いられる宛先識別子よりも少ない情報量の識別子である。
実施形態において、前記コントローラは、複数の特定のMBMSサービスそれぞれを識別するための識別子を送信する場合、送信元の識別子として、共通の識別子を用いる。
実施形態において、前記コントローラは、前記リモート端末から前記MBMSサービスの中継を要求された場合に、前記MBMSサービスを中継するための無線リソースを基地局に要求する。
実施形態において、前記コントローラは、前記UE・ネットワーク中継によりデータを中継するための無線リソースよりも長い期間利用可能な無線リソースの割当情報を前記基地局から受信する。
実施形態において、前記コントローラは、MBMSトラフィックを送信するための送信リソースプールを基地局から受信する。
実施形態において、前記コントローラは、各MBMSトラフィックに関連付けられた送信リソースプールを前記送信リソースプールとして前記基地局から受信する。
[実施形態]
(通信システム)
以下において、実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成を示す図である。図2は、実施形態に係るMBMS/eMBMSに係るネットワーク構成を示す図である。
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。また、セルラネットワークのオペレータにより管理されない外部ネットワークには、Server400が設けられる。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
また、E−UTRAN10は、MCE(Multi−Cell/Multicast Coordinating Entity)11を含む。MCE11は、M2インターフェイスを介してeNB200と接続され、M3インターフェイスを介してMME300と接続される(図2参照)。MCE11は、MBSFN無線リソース管理・割当等を行う。
EPC20は、MBMS GW(Multimedia Broadcast Multicast Service Gateway)21を含む。MBMS GW21は、M1インターフェイスを介してeNB200と接続され、Smインターフェイスを介してMME300と接続され、SG−mb及びSGi−mbインターフェイスを介してBMSC22と接続される(図2参照)。MBMS GW21は、eNB200に対してIPマルチキャストのデータ伝送やセッション制御を行う。
また、EPC20は、BMSC(Broadcast Multicast Service Center)22を含む。BMSC22は、SG−mb及びSGi−mbインターフェイスを介してMBMS GW21と接続され、SGiインターフェイスを介してP−GW23と接続される(図2参照)。BMSC22は、主にTMGI(Temporary Mobile Group Identity)の管理・割当等を行う。
また、EPC20は、P−GW23を含む。P−GW23は、外部ネットワークから(及び外部ネットワークに)ユーザデータを中継する制御を行う。P−GW23は、Server400と接続される。
Server400は、ProSeアプリケーションサーバ(ProSe Application Server)である。この場合、Server400は、ProSeにおいて用いられる識別子を管理する。例えば、Server400は、「EPC ProSe ユーザID」及び「ProSeファンクションID」を記憶する。また、Server400は、「アプリケーションレイヤユーザID」と「EPC ProSe ユーザID」とをマッピングする。
(無線プロトコルの構成)
図3は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図3に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、HARQ(Hybrid ARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRC接続状態(RRCコネクティッドモード)であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態(RRCアイドルモード)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
(下りリンクのチャネル構成)
図4は、LTEシステムにおける下りリンクのチャネル構成を示す図である。
図4(A)は、論理チャネル(Downlink Logical Channel)とトランポートチャネル(Downlink Transport Channel)との間のマッピングを示す。
図4(A)に示すように、PCCH(Paging Control Channel)は、ページング情報、及びシステム情報変更を通知するための論理チャネルである。PCCHは、トランスポートチャネルであるPCH(Paging Channel)にマッピングされる。
BCCH(Broadcast Control Channel)は、ブロードキャスト・システム情報のための論理チャネルである。BCCHは、トランスポートチャネルであるBCH(Broadcast Control Channel)又はDL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングされる。
CCCH(Common Control Channel)は、UE100とeNB200との間の送信制御情報のための論理チャネルである。CCCHは、UE100がネットワークとの間でRRC接続を有していない場合に用いられる。CCCHは、DL−SCHにマッピングされる。
DCCH(Dedicated Control Channel)は、UE100とネットワークとの間の個別制御情報を送信するための論理チャネルである。DCCHは、UE100がRRC接続を有する場合に用いられる。DCCHは、DL−SCHにマッピングされる。
DTCH(Dedicated Traffic Channel)は、データの送信のための個別論理チャネルである。DTCHは、DL−SCHにマッピングされる。
MCCH(Multicast Control Channel)は、1対多(マルチキャスト/ブロードキャスト)伝送のための論理チャネルである。MCCHは、ネットワークからUE100へのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMSを受信する又は受信に興味があるUE100のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるMCH(Multicast Channel)にマッピングされる。
MTCH(Multicast Traffic Channel)は、ネットワークからUE100への1対多(マルチキャスト/ブロードキャスト)のデータ伝送のための論理チャネルである。MTCHは、MBMSを受信するUE100のみに用いられる。MTCHは、MCHにマッピングされる。
図4(B)は、トランポートチャネル(Downlink Transport Channel)と物理チャネル(Downlink Physical Channel)との間のマッピングを示す。
図4(B)に示すように、BCHは、PBCH(Physical Broadcast channel)にマッピングされる。
MCHは、PMCH(Physical Multicast Channel)にマッピングされる。MCHは、セルのカバレッジエリア全体にブロードキャストされる。MCHは、複数のセルによるMBSFN伝送をサポートする。
PCH及びDL−SCHは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)にマッピングされる。DL−SCHは、HARQ、リンクアダプテーション、及び動的リソース割当をサポートする。
PDCCHは、PDSCH(DL−SCH、PCH)のリソース割り当て情報及びDL−SCHに関するHARQ情報等を運搬する。また、PDCCHは、上りリンクのスケジューリンググラントを運ぶ。
(無線フレームの構成)
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムにおいて、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するためのPDCCHとして使用される領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するためのPDSCHとして使用できる領域である。また、下りリンクにおいて、MBSFN伝送用のサブフレームであるMBSFNサブフレームが設定され得る。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するためのPUCCHとして使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するためのPUSCHとして使用できる領域である。
(MBMSの概要)
以下において、MBMSの概要について説明する。LTEシステムは、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)をサポートする。MBMSでは、UE100(MBMS対応UE)は、ネットワークからマルチキャスト又はブロードキャストで配信されるマルチメディアコンテンツ(MBMSサービス)を受信する。UE100は、RRC接続状態だけでなく、RRCアイドル状態においてもMBMSデータを受信可能である。
複数のセルにより1つのMBSFN(Multicast−Broadcast Single−Frequency Network)エリアが構成され、複数のMBSFNエリアによりMBMSサービスエリアが構成される。1つのセルは、複数のMBSFNエリアに属することができる。
BMSC22は、MBMSデータを配信する機能を提供する。MBMS GW21は、MBMSデータを各eNB200にブロードキャストする。MCE11は、同一MBSFNエリア内の各eNB200により使用される無線リソースを制御したり、MBSFNサブフレームを設定したりする。
(近傍サービス)
以下において、近傍サービス(ProSe:Proximity−based Services)について説明する。ProSeにおいて、複数のUE100は、eNB200を介さない直接的な無線リンクを介して各種の信号を送受信する。ProSeにおける直接的な無線リンクは、「サイドリンク(Sidelink)」と称される。
「Sidelink」は、直接ディスカバリ及び直接通信のためのUE−UE間インターフェイスである。「Sidelink」は、PC5インターフェイスに対応する。PC5は、直接ディスカバリ、直接通信及び近傍サービスによるUE・ネットワーク中継のための制御及びユーザプレーンのために用いられる近傍サービスを利用可能なUE間の参照点である。PC5インターフェイスは、ProSeにおけるUE−UE間インターフェイスである。
ProSeのモードとしては、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」及び「直接通信(Direct Communication)」の2つのモードが規定されている。
直接ディスカバリは、特定の宛先を指定しないディスカバリ信号をUE間で直接的に伝送することにより、相手先を探索するモードである。また、直接ディスカバリは、PC5を介してE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)における直接無線信号を用いて、UEの近傍における他のUEを発見するための手順である。或いは、直接ディスカバリは、E−UTRA技術で2つのUE100の能力のみを用いて、近傍サービスを実行可能な他のUE100を発見するために近傍サービスを実行可能なUE100によって採用される手順である。直接ディスカバリは、UE100がE−UTRAN(eNB200(セル))によってサービスが提供される場合にのみ、サポートされる。UE100は、セル(eNB200)に接続又はセルに在圏している場合、E−UTRANによってサービスが提供され得る。
ディスカバリ信号(ディスカバリメッセージ)の送信(アナウンスメント)のためのリソース割り当てタイプには、UE100が無線リソースを選択する「タイプ1」と、eNB200が無線リソースを選択する「タイプ2(タイプ2B)」と、がある。
「Sidelink Direct Discovery」プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、及びProSeプロトコルを含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)と称される物理チャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)と称されるトランスポートチャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。
直接通信は、特定の宛先(宛先グループ)を指定してデータをUE間で直接的に伝送するモードである。また、直接通信は、いずれのネットワークノードを通過しない経路を介してE−UTRA技術を用いたユーザプレーン伝送による、近傍サービスを実行可能である2以上のUE間の通信である。
直接通信のリソース割り当てタイプには、直接通信の無線リソースをeNB200が指定する「モード1」と、直接通信の無線リソースをUE100が選択する「モード2」と、がある。
直接通信プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びPDCP層を含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を介して制御信号が伝送され、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介してデータが伝送される。また、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を介して同期信号等が伝送されてもよい。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンク共有チャネル(SL−SCH)と称されるトランスポートチャネルを介してデータが伝送される。UE(A)のRLC層とUE(B)のRLC層との間では、サイドリンクトラフィックチャネル(STCH)と称される論理チャネルを介してデータが伝送される。
(UE・ネットワーク中継)
以下において、UE・ネットワーク中継について、図6を用いて説明する。図6は、実施形態に係るUE・ネットワーク中継を説明するための図である。
図6において、リモートUE(Remote UE)は、ネットワーク圏外(Out−of−Network)に位置するUEである。すなわち、リモートUEは、セルのカバレッジ外に位置する。尚、リモートUEは、セルのカバレッジ内に位置する場合も有り得る。従って、リモートUEは、E−UTRAN10によって直接サービスが提供されないUE100(E−UTRAN10によってサーブ(serve)されないUE100)である。また、リモートUE100は、後述するリレーUEを介してパケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)と通信できる。リモートUEは、公衆安全(Public Safety)のためのUE(ProSe−enabled Public Safety UE)であってもよい。
なお、「ProSe−enabled Public Safety UE」は、HPLMNが公衆安全のための使用を許可するように構成されている。「ProSe−enabled Public Safety UE」は、近傍サービスを利用可能であり、近傍サービスにおける手順及び公衆安全のための特定の能力をサポートしている。例えば、「ProSe−enabled Public Safety UE」は、公衆安全のための情報を近傍サービスにより送信する。公衆安全のための情報とは、例えば、災害(地震・火災など)に関する情報、消防関係者又は警察関係者に用いられる情報などである。
リモートUEは、後述するように、リレーUEからProSe中継サービスを提供される。ProSe中継サービスが提供されるリモートUEとProSe中継サービスを提供するリレーUEとの間で、UE・ネットワーク中継が実行される。
リレーUE(ProSe UE−to Network Relay)は、ProSe中継サービスをリモートUEのために提供する。具体的には、リレーUEは、リモートUEのためにパケットデータネットワークとの通信のサービス継続性を提供する。従って、リレーUEは、リモートUEとネットワークとの間でデータ(ユニキャストトラフィック)を中継する。リレーUEは、近傍サービス(直接通信)によりリモートUEのデータ(トラフィック)を中継する。具体的には、リレーUEは、PC5インターフェイスを介してリモートUEから受信したデータ(上りトラフィック)を、Uuインターフェイス(LTE−Uu)又はUnインターフェイス(LTE−Un)を介してeNB200に中継する。また、リレーUEは、Uuインターフェイス又はUnインターフェイスを介してeNB200から受信したデータ(下りトラフィック)をPC5インターフェイスを介してリモートUEへ中継する。リレーUEは、ネットワーク内(セルのカバレッジ内)にのみ位置する。
また、リレーUEは、公衆安全のための通信に関係する任意のタイプのトラフィックを中継できる包括的な機能を提供することができる。
リレーUEとリモートUEは、物理層間でデータ及び制御信号を伝送できる。同様に、リレーUEとリモートUEは、MAC層間、RLC層間及びPDCP層間でデータ及び制御信号を伝送できる。さらに、リレーUEは、PDCP層の上位層としてIPリレー(IP−Relay)層を有してもよい。リモートUEは、PDCP層の上位層としてIP層を有してもよい。リレーUEとリモートUEとは、IPリレー層とIP層との間でデータ及び制御信号を伝送できる。また、リレーUEは、IPリレー層とP−GW350のIP層との間でデータを伝送できる。
なお、リレーUEは、AS層(Access Stratum)において、ブロードキャストを用いてリモートUEにデータ(トラフィック)を送信できる。リレーUEは、AS層において、ユニキャストを用いてリモートUEにデータを送信してもよい。なお、UE・ネットワーク中継がブロードキャストを用いて実行されている場合、リレーUEとリモートUEとの間において、AS層におけるフィードバックは行われないが、NAS層におけるフィードバックは行われてもよい。また、UE・ネットワーク中継がユニキャストを用いて実行されている場合、AS層におけるフィードバックが行われてもよい。
(無線端末)
以下において、実施形態に係るUE100(無線端末)について説明する。図7は、UE100のブロック図である。図7に示すように、UE100は、レシーバ(Receiver:受信部)110、トランスミッタ(Transmitter:送信部)120、及びコントローラ(Controller:制御部)130を備える。レシーバ110とトランスミッタ120とは、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ110は、コントローラ130の制御下で各種の受信を行う。レシーバ110は、アンテナを含む。レシーバ110は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してコントローラ130に出力する。
なお、UE100は、「ProSe−enabled Public Safety UE」である場合、レシーバ110は、異なる2つの周波数における無線信号を同時に受信可能である。例えば、UE100は、2つのレシーバ110(2 RX Chain)を有する。UE100は、一方のレシーバ110によりセルラ用の無線信号を受信でき、他方のレシーバ110によりProSe用の無線信号を受信できる。
トランスミッタ120は、コントローラ130の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ120は、アンテナを含む。トランスミッタ120は、コントローラ130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
コントローラ130は、UE100における各種の制御を行う。コントローラ130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
UE100は、GNSS受信機を備えていてもよい。GNSS受信機は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をコントローラ130に出力する。或いは、UE100は、UE100の位置情報を取得するためのGPS機能を有していてもよい。
(基地局)
以下において、実施形態に係るeNB200(基地局)について説明する。図8は、eNB200のブロック図である。図8に示すように、eNB200は、レシーバ(受信部)210、トランスミッタ(送信部)220、コントローラ(制御部)230、及びネットワークインターフェイス240を備える。レシーバ210とトランスミッタ220とは、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ210は、コントローラ230の制御下で各種の受信を行う。レシーバ210は、アンテナを含む。レシーバ210は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してコントローラ230に出力する。
トランスミッタ220は、コントローラ230の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ220は、アンテナを含む。トランスミッタ220は、コントローラ230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
コントローラ230は、eNB200における各種の制御を行う。コントローラ230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に使用される。
(実施形態に係る動作環境)
次に、実施形態に係る動作環境について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係る動作環境を説明するための図である。
図9に示すように、UE100−1は、eNB200(DeNB)が管理するセル内に位置し、eNB200とセルラ通信(LTE−Uu)を実行可能である。UE100−1は、RRCコネクティッド状態である。或いは、UE100−1は、RRCアイドル状態であり、eNB200と通信を行う場合に、RRCアイドル状態からRRCコネクティッド状態に移行してもよい。或いは、UE100−1は、MBMSトラフィックを受信する場合、RRCアイドル状態であってもよい。一方、UE100−2は、eNB200が管理するセル外に位置する。UE100−2は、RRCアイドル状態である。
UE100−1は、リレーUE(ProSe UE−to−NW Relay)であり、UE100−2は、リモートUEである。UE100−1とUE100−2とは、PC5上でUE・ネットワーク中継を実行する。
eNB200は、リモートUEのデータを中継するドナーeNBである。eNB200は、Server400からMBMSトラフィック(MBMSサービス)を受け取る。Server400は、例えば、MBMSトラフィックとして、公衆安全用途のグループ通信関連データを提供するグループ通信アプリケーションサーバである。
eNB200とUE100−1との間でUE・ネットワーク中継用の接続が確立されている。また、UE100−1とUE100−2との間でUE・ネットワーク中継用の接続が確立されている。
このような動作環境において、UE・ネットワーク中継によりMBMSトラフィックをリモートUEへ中継する場合において、不要なシグナリングを低減するために、以下の動作が実行される。
なお、以下で説明するUE100(UE100−1/UE100−2)が実行する処理(動作)について、UE100が備えるレシーバ110、トランスミッタ120、コントローラ130の少なくともいずれかが実行するが、便宜上、UE100が実行する処理として説明する。同様に、以下で説明するeNB200が実行する処理(動作)について、eNB200が備えるレシーバ210、トランスミッタ220、コントローラ230、ネットワークインターフェイス240の少なくともいずれかが実行するが、便宜上、eNB200が実行する処理として説明する。
(実施形態に係る動作)
次に、実施形態に係る動作について、図10から図12を用いて説明する。図10−図12は、実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。図10は、リモートUEがリレーUEに特定の利用可能なTMGIのモニタリング及びリレーUEがこのTMGIをブロードキャストすることを要求する手順を説明するための図である。
図10に示すように、ステップS0において、UE100−1は、UE100−1がMBMSトラフィック(MBMSサービス)を受信可能か否かに関するMBMS受信情報を、リモートUEに送信する。
UE100−1は、MBMS受信情報をユニキャスト又はブロードキャストにより送信できる。具体的には、UE100−1は、NASレベルシグナリング、RRCシグナリング、及びMACコントロールエレメント(MAC CE)の少なくともいずれかにより、MBMS受信情報をユニキャストで送信できる。UE100−1は、リレーUEとUE・ネットワーク中継の設定(接続)を行う際に、MBMS受信情報をユニキャストで送信してもよい。例えば、図11に示すように、UE100−1は、MAC CEにMBMSサービスが利用可能か否かを示す情報(1ビットインジケータ)を含める。当該情報がMBMSサービスが利用可能(「1」)を示す場合、UE100−1(リレーUE)がMBMSトラフィックを受信可能であるとリモートUEは判断する。一方、当該情報がMBMSサービスが利用不能(「0」)を示す場合、UE100−1(リレーUE)がMBMSトラフィックを受信不能であるとリモートUEは判断する。
また、UE100−1は、直接ディスカバリ(リレーディスカバリ)及びサイドリンク用のMIB(MasterInformationBlock−SL)の少なくともいずれかにより、MBMS受信情報をブロードキャストで送信できる。例えば、図12に示すように、UE100−1は、MasterInformationBlock−SLにMBMSサービスが利用可能か否かを示す情報(BIT STRING♯19)を含める。リモートUEは、当該情報に基づいて、UE100−1(リレーUE)がMBMSトラフィックを受信可能か否かを判断する。なお、MasterInformationBlock−SLは、同期基準として機能するSLSSを送信するUEによって、SL−BCHを介して送信される情報を含む。SLSS(Sidelink Synchronisation Signal)は、サイドリンク用の同期信号である。
MBMS受信情報は、UE100−1のMBMSサービスの受信状況、又は、UE100−1のMBMSサービスの受信能力を示す情報である。例えば、UE100−1は、UE100−1のサービングセル(eNB200)がMBMSサービスを提供していない場合に、MBMSサービスを受信不能であることを示すMBMS受信情報を送信できる。UE100−1は、サービングセルだけでなく、サービングセルと異なる他のセルもMBMSサービスを提供していない場合に、MBMSサービスを受信不能であることを示すMBMS受信情報を送信してもよい。
なお、UE100−1は、他のセルがMBMSサービスを提供している場合であっても、セルラ通信と直接通信(UE・ネットワーク中継)とを異なる周波数帯で同時に実行している場合においてMBMSサービスを受信不能である場合は、MBMSサービスを受信不能であることを示すMBMS受信情報を送信してもよい。
一方、UE100−1は、サービングセルがMBMSサービスを提供している場合に、MBMSサービスを受信可能であることを示すMBMS受信情報を送信できる。UE100−1は、サービングセルがMBMSサービスを提供していない場合であっても、サービングセルと異なる他のセルがMBMSサービスを提供している場合に、MBMSサービスを受信可能であることを示すMBMS受信情報を送信してもよい。
また、MBMS受信情報は、UE100−1が受信している所定の識別子の数であってもよい。所定の識別子は、MBMSサービスを識別するための識別子(TMGI:Temporary Mobile Group Identity)及びMBMSサービスを配信するエリアを識別するための識別子(SAI:MBMS service area identities)の少なくとも一方である。TMGIは、特定のコンテンツに関連する識別子である。SAIは、MBMSサービスのコンテンツを配信するエリア(MBMS service area)を示す。リレーUEは、所定の識別子の数が多いほど、MBMSサービスの受信状況が良好である(又は、リレーUEの受信能力が高い)と判断できる。
また、MBMS受信情報は、UE100−1がモニタ可能なMBMSサービスを提供する周波数帯の情報であってもよい。周波数帯の情報は、MBMSサービスを提供する周波数帯(キャリア)の数を示す情報であってもよいし、当該周波数帯(キャリア)を示す情報であってもよい。リレーUEは、所定の識別子の数が多いほど、MBMSサービスの受信状況が良好であると判断できる。リレーUEは、周波数帯(キャリア)の数が多いほど、MBMSサービスの受信状況が良好である(又は、リレーUEの受信能力が高い)と判断できる。
また、MBMS受信情報は、MBMSサービスの受信品質を示す情報であってもよい。例えば、当該情報は、MBMSサービスを提供するセルの受信信号強度(RSRP)及び受信信号品質(RSRQ)の少なくとも一方を示す情報である。
リモートUEであるUE100−2は、リレーUEであるUE100−1からのMBMS受信情報に基づいて、UE100−1をリレーUEとして選択するか判断できる。例えば、MBMS受信に興味があるUE100−2は、UE100−1がMBMSサービスを受信できない場合、UE100−1をリレーUEとして選択しない。また、UE100−2は、UE100−1のMBMSサービスの受信状況が悪い又はUE100−1のMBMS受信能力が低い場合に、UE100−1をリレーUEとして選択しない。これにより、UE100−2は、希望するMBMSサービスを提供できない可能性があるUE100−1とUE・ネットワーク中継を実行するための不要なシグナリングを削減することができる。また、UE100−2は、希望するMBMSサービスを提供できない可能性があるUE100−1に対して後述するステップ2のシグナリングを送信せずにすむため、不要なシグナリングを削減することができる。
なお、UE100−1は、サービングセルと異なる周波数帯(バンド/キャリア)で提供されているMBMSサービスを受信可能か否かに関する能力情報をサービングセルを管理するeNB200に送信できる。当該能力情報は、セルラ通信と直接通信(UE・ネットワーク中継)とMBMSサービスの受信とを同時に実行可能であることを示す情報であってもよいし、セルラ通信と直接通信(UE・ネットワーク中継)とMBMSサービスの受信とを同時に実行可能な周波数帯の組み合わせを示す情報であってもよい。
eNB200は、当該能力情報に基づいて、リレーUEとなるUEを決定(設定)してもよい。例えば、eNB200は、MBMSサービスの受信能力が高いUEを、MBMSサービスの受信能力が低いUEよりも優先的にリレーUEに設定してもよい。また、eNB200は、MBMSサービスを受信不能なUEをリレーUEとして選択しなくてもよい。
MBMSサービスの受信能力を有するUEがリレーUEとして機能する機会が増えるため、リレーUEが、MBMSトラフィックを受信できる可能性が高くなる。また、サービングセルでMBMSサービスが提供されていない場合であっても、他のセルでMBMSサービスが提供されていれば、リレーUEが、MBMSトラフィックを受信できる可能性が高くなる。さらに、リレーUEは、より多くのMBMSトラフィック(グループ通信トラフィック)を受信できる可能性が高くなる。その結果、UE・ネットワーク中継によりMBMSトラフィックをリモートUEへ中継する技術を有効に活用することができる。
ステップS1において、UE100−2は、UE100−1を発見する。UE100−2は、MBMS受信情報の受信に基づいて、UE100−1を発見してもよい。その後、UE100−2は、UE100−1及びeNB200を介して、ユーザサービス説明情報であるUSD(User Service Description)をServer400から取得する。USDは、関連するMBMSサービスを受信するために使用すべきTMGI、周波数及びSAIを含む。UE100−2は、eNB200のセルカバレッジ内に位置する場合に、eNB200からUSDを取得していてもよい。
ステップS2において、UE100−2は、MBMSサービスの受信に興味があるTMGI(値)とSAIとを含むTMGIモニタリング要求をUE100−1に送信する。TMGIモニタリング要求は、TMGIによって示される特定のMBMSサービスの受信(モニタリング)を要求するものである。
ステップS3において、UE100−1は、eNB200(セル)からSAIのリストを受信し、UE100−2から受信したSAIがSAIリストに含まれるか否かをチェックする。
ステップS4において、UE100−1は、TMGIモニタリング要求に対する応答をUE100−2に送信する。UE100−1は、UE100−2からの少なくとも1つのSAIを検出した場合に、TMGIモニタリング要求に対する肯定応答をUE100−2に送信する。肯定応答は、グループ識別子(Prose Layer 2 Group ID_traffic)及びリフレッシュタイマ(TMGI_Monitoring_Refresh Timer)を含む。
グループ識別子は、TMGIモニタリング要求に含まれるTMGIに関連するMBMSサービス(MBMSコンテンツ)をリモートUE(UE100−2)へ送信(転送)するために用いられる。グループ識別子は、特定のMBMSサービスを送信するために用いられる識別子である。具体的には、グループ識別子は、UE100−1がTMGIによって示される特定のMBMSサービスの送信先を示す識別子(宛先識別子)である。グループ識別子は、近傍サービス(直接ディスカバリ/直接通信/UE・ネットワーク中継)におけるデータ送信のために用いられるグループ識別子(例えば、24ビット)よりも少ない情報量(例えば、8ビット)の識別子であってもよい。従って、MBMSトラフィック送信用のグループ識別子は、短縮された識別子であってもよい。例えば、当該グループ識別子は、制御情報(PSCCH)で利用されるLSB(8ビット)のグループ識別子であってもよい。
リフレッシュタイマは、TMGIモニタリング要求のトリガとなるタイマである。UE100−2がTMGIをモニタすることがまだ必要である場合に、リフレッシュタイマが満了した場合に(すなわち、リフレッシュタイマで示される時間が経過した場合に)UE100−2がTMGIモニタリング要求を実行する。リフレッシュタイマが満了した時に、UE100−2(及び他のUE)がTMGIモニタリング要求手順を実行していない場合、UE100−1は、TMGIのモニタを終了する。
ステップS5において、UE100−1は、モニタが要求されたTMGIを検出する。UE100−1は、検出したTMGIによって示されるMBMSサービスのモニタ(受信)を開始する。
ステップS6において、TMGIの検出に応じて、UE100−1は、有効なTMGI及び対応するグループ識別子を含むTMGIアナウンスメントメッセージをブロードキャストによりUE100−2に送る。UE100−1は、直接ディスカバリによりTMGIアナウンスメントメッセージを送ることができる。UE100−1は、リフレッシュタイマよりも短い周期でTMGIアナウンスメントメッセージを繰り返し送信してもよい。また、UE100−1は、グループ識別子に関連するサイドリンク上でグループ識別子に関連するMBMSトラフィック(MBMSサービス)をブロードキャストで送信する。UE100−1は、当該MBMSトラフィックをユニキャストで送信してもよい。
ステップS7において、UE100−2は、ステップS6のアナウンスメントを検出し、グループ識別子に関連するサイドリンク上でブロードキャスト内容の受信を開始する。UE100−2は、ユニキャストでの配布を解放する要求をUE100−1に送信してもよい。
ステップS8において、UE100−1は、ネットワークからTMGIを検出できない場合、有効なTMGIのブロードキャストを終了する。また、UE100−1は、MBMSトラフィックの送信(中継)を終了する。
ステップS9において、UE100−2は、グループ識別子に関連するサイドリンク上でのブロードキャストでのMBMSトラフィックの受信を終了する。
(変更例1)
次に、実施形態の変更例1について説明する。
上述した実施形態では、UE100−1は、TMGIモニタリング要求を受信した場合、当該要求に対する応答をUE100−1へ送信していた(ステップS4参照)。
しかしながら、UE100−1は、当該応答に代えて、TMGIモニタリング要求に含まれるTMGI及び当該TMGIに対応するグループ識別子を含むメッセージ(TMGIアナウンスメントメッセージ)をブロードキャストで送信してもよい。すなわち、UE100−1は、ステップS4における応答の送信を省略してもよい。また、UE100−1は、TMGIアナウンスメントメッセージに、リフレッシュタイマを含めてもよい。
UE100−2は、TMGIアナウンスメントメッセージを要求に対する応答と見なすことができる。UE100−1は、TMGIモニタリング要求に対する応答を送信しなくてもよいため、不要なシグナリングを削減できる。
なお、他のリモートUEは、自身が希望するTMGIを含むTMGIアナウンスメントメッセージを受信した場合、TMGIモニタリング要求の送信を省略してもよい。
また、UE100−1は、複数の特定のMBMSサービスそれぞれを識別するためのTMGIを送信する場合、送信元の識別子として共通の識別子を用いてもよい。
また、UE100−1は、第1実施形態と同様に、TMGIアナウンスメントメッセージに含まれるグループ識別子として、近傍サービスにおけるデータ送信のために用いられるグループ識別子よりも少ない情報量の識別子を用いてもよい。これにより、TMGIアナウンスメントメッセージのサイズを小さくできるため、TMGIアナウンスメントメッセージの送信使用する無線リソース量を低減できる。
(変更例2)
次に、実施形態の変更例2について、図13を用いて説明する。図13は、実施形態の変更例2に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
変更例2では、MBMSサービスの送信(中継)に用いられる無線リソースについて説明する。なお、上述した実施形態及び変更例1と同様の部分は、説明を適宜省略する。
図13に示すように、ステップS101において、UE100−2は、TMGIモニタリング要求をUE100−1に送信する。
ステップS102において、UE100−1は、TMGIモニタリング要求により、リモートUEからMBMSサービスの中継が要求されたと判断する。UE100−1は、MBMSサービスを中継するための無線リソースをeNB200に要求する。UE100−1は、例えば、SLUE情報メッセージ(SL UE information)を用いて、当該無線リソースをeNB200に要求する。SLUE情報メッセージは、例えば、UEが近傍サービス(例えば、直接ディスカバリ、直接通信、UE・ネットワーク中継など)に興味がある場合に用いられるメッセージである。
eNB200は、UE100−1からの無線リソースの要求に応じて、MBMSサービスを中継するための無線リソースをUE100−1に割り当てる。ここで、eNB200は、通常のUE・ネットワーク中継に用いられる第1の無線リソースとは異なる第2の無線リソースを割り当てることができる。eNB200は、ユニキャスト用の第1の無線リソースではなく、マルチキャスト又はブロードキャスト用の第2の無線リソースを割り当てることができる。
第2の無線リソースは、例えば、第1の無線リソースよりも長い期間利用可能な無線リソースである。eNB200は、第2の無線リソースの期間を特定するための情報を第2の無線リソースの割当情報と共に、UE100−1へ送信してもよい。当該特定するための情報は、例えば、絶対時間を示す情報(例えば、タイマ)、第2の無線リソースが送信リソースプールの何周期分かを示す情報などである。
ステップS103において、eNB200は、MBMSサービスを中継するために用いられる無線リソース(第2の無線リソース)の割当情報をUE100−2に送信する。
ステップS104において、UE100−1は、無線リソースの割当情報に基づいて、無線リソースを用いて、MBMSサービス(MBMSトラフィック)をリモートUEへ中継(送信)する。
(変更例3)
次に、実施形態の変更例3について、図14を用いて説明する。図14は、実施形態の変更例3に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
変更例2では、UE100−1がMBMSサービスの送信(中継)に用いられる無線リソースをeNB200に要求していた。本変更例3では、UE100−1は、MBMSサービスの送信(中継)に用いられる無線リソースをeNB200に要求しないケースである。なお、上述した実施形態及び各変更例と同様の部分は、説明を適宜省略する。
図14に示すように、ステップS201において、eNB200は、送信リソースプールの情報をUE100−1に送信する。eNB200は、送信リソースプールの情報を、リレーUEに対してユニキャスト(例えば、RRCシグナリング)で送信してもよいし、ブロードキャスト(例えば、SIB(System Information Block))で送信してもよい。ここでの送信リソースプールは、UE・ネットワーク中継によりMBMSサービスを中継するために用いられる無線リソースが配置されたリソースプールである。
eNB200は、各MBMSトラフィックに対応する送信リソースプールの情報をUE100−1に送信してもよい。具体的には、eNB200は、配信中の各MBMSトラフィックと対応する送信リソースプールとが関連付けられた情報を所定の周波数でブロードキャスト(例えば、SIB13)によりUE100−1に送信する。当該情報は、TMGIと送信リソースプールとを関連付けた情報であってもよい。
ステップS202は、ステップS101に対応する。
ステップS203において、UE100−1は、要求されたTMGIに対応する送信リソースプール(無線リソース)をチェックする。具体的には、UE100−1は、UE100−2から受信したTMGI(に対応するMBMSトラフィック)を特定する。UE100−1は、送信リソースプールの情報に基づいて、特定したTMGI(MBMSトラフィック)に対応する送信リソースプールを選択する。
ステップS204は、ステップS104に対応する。UE100−1は、選択した送信リソースプールの中から、所定の無線リソースを用いて、MBMSトラフィックを中継する。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態によって、本出願の内容を説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本出願の内容を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述した各実施形態では特に触れていないが、上述した各ノード(UE100、eNB200など)のいずれかが行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
或いは、UE100及びeNB200のいずれかが行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサ)によって構成されるチップが提供されてもよい。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
日本国特許出願第2015−159480号(2015年8月12日出願)の全内容が、参照により本願明細書に組み込まれている。