図1と図2に示す本発明の第1の実施の形態の検知装置1は、外部基材10と、この外部基材10に取付けられるスイッチ装置20とから構成されている。外部基材10は、例えば自動車のドアの一部であり、スイッチ装置20によって、ドアの開閉やドアロックの有無などが検知される。ただし、外部基材10は、自動車のドアの一部に限定されるものではない。
図1と図2に示す検知装置1では、X1―X2方向を左右方向、Y1−Y2方向を前後方向、Z1−Z2方向を上下方向とする。
外部基材10は合成樹脂材料で形成されている。外部基材10の内部に、銅または銅合金などで形成された一対の導通板11が埋設されている。それぞれの導通板11の一部は、外部基材10のZ2側に向く上面である取付け面10aからZ2方向に向けて垂直に立ち上がっており、この立ち上がり部分が外部端子11aとなっている。
図3には、外部基材10が、前方から見た状態で、且つ導通板11を削除した状態で示されている。
図1と図2に示すように、外部基材10の取付け面10aからZ2方向に延びる筒体12が一体に形成されており、その内側面が、一対の外部端子11aを囲む壁面部12aとなっている。壁面部12aは平面形状が長円形である。なお、外部基材10に凹部が形成され、その内側面が壁面部12aとされていてもよい。
外部基材10では、筒体12よりも前方側(Y2側)に、一対の第1案内支持部13と一対の第2案内支持部14が設けられている。第1案内支持部13と第2案内支持部14は、外部基材10と一体に形成され、取付け面10aから上方(Z2方向)に向けて垂直に立ち上がっている。
一対の第1案内支持部13は、左右方向(X1−X2方向)に間隔を空けて配置されており、一対の第2案内支持部14も左右方向に間隔を空けて配置されている。それぞれの第1案内支持部13とそれぞれの第2案内支持部14との間に、上下方向に延びる案内支持凹部15が形成されている。X1側の案内支持凹部15とX2側の案内支持凹部15は、凹部が互いに対向するように形成されている。
第2案内支持部14は、案内支持突部として機能している。図3に示すように、それぞれの第2案内支持部(案内支持突部)14のZ2方向に向く上端部にはフック14aが一体に形成されている。X1側に位置する第2案内支持部14のフック14aと、X2側に位置する第2案内支持部14のフック14aは互いに向き合う方向へ突出している。それぞれの第2案内支持部14の前後方向(Y1−Y2方向)に向く側部には、上下方向(Z1−Z2方向)に延びる案内リブ14bが形成されている。案内リブ14bの下方部分は、前後方向の幅寸法が広がった幅広部14cとなっている。
図3に示すように、左右に配置された一対の第2案内支持部14の間で且つ第2案内支持部14よりも前方側(Y2側)において、外部基材10の取付け面10aに位置決め支持部16が設けられている。位置決め支持部16は一対の位置決め凹部16a,16bで構成されている。一方の位置決め凹部16aは真円形の穴である。他方の位置決め凹部16bは、前後方向(Y1−Y1方向)の開口幅が、真円形の位置決め凹部16aの内径寸法に一致している。ただし、位置決め凹部16bは、真円形の位置決め凹部16aよりも左右方向(X1−X2方向)へ少し長く形成されている。
外部基材10の前方側(Y2側)には、壁部17が形成されており、この壁部17に、スイッチ装置20を前方(Y2方向)へ露出させるための凹部18が形成されている。
図4には、スイッチ装置20が前方下側から見た斜視図が示され、図5には、スイッチ装置20を図1および図2と同じ方向から見た分解斜視図が示されている。
スイッチ装置20の筐体20aは、第1ケース21と第2ケース22とが組み合わされて構成されている。第1ケース21と第2ケース22はポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂材料で形成されている。第1ケース21は前方(Y2方向)に位置し、第2ケース22は後方(Y1方向)に位置している。
図4と図5に示すように、第1ケース21の後端部にフランジ部23が一体に形成されている。フランジ部23は、第1ケース21の外面から左右方向(X1−X2方向)と上下方向(Z1−Z2方向)へ突出して形成されており、外形は四角形状である。第2ケース22の前端部にフランジ部24が一体に形成されている。フランジ部24は、第2ケース22の外面から左右方向(X1−X2方向)と上下方向(Z1−Z2方向)へ突出して形成されており、外形は四角形状である。
第1ケース21のフランジ部23には、後方(Y1方向)に向く接合面23aが形成され、第2ケース22のフランジ部24には、前方(Y2方向)に向く接合面24a が形成されている。図4に示すように、接合面23aと接合面24aとが面接合された状態で、フランジ部23とフランジ部24とがレーザ溶接などで接合固定されて、第1ケース21と第2ケース22とが固定され、スイッチ装置20の筐体20aが構成されている。フランジ部23とフランジ部24は、レーザ溶接によって、その外周に沿って連続して接合されて、水滴などが内部に侵入しないように固定されることが好ましい。
図4に示すように、第1ケース21のフランジ部23のうちのX1側とX2側に突出するフランジ側部23bと、第2ケース22のフランジ部24のうちのX1側とX2側に突出するフランジ側部24bとの接合部が、案内突部25となっている。案内突部25は、筐体20aからX1側とX2側に突出し、上下方向(Z1−Z2方向)に延びている。すなわち、スイッチ装置20の筐体20aは、X1方向に向く側部とX2方向に向く側部を有しており、案内突部25は、それぞれの側部において、上下方向に延びるように設けられている。
図4と図5に示すように、第1ケース21のX1方向に向く側部とX2方向に向く側部に、案内凹部26が形成されている。それぞれの案内凹部26は、筐体20aのX1側の側部とX2側の側部において、上下方向(Z1−Z2方向)に連続して延びている。それぞれの案内凹部26は、前後方向(Y1−Y2方向)の開口幅寸法が上下の全長において均一である。
案内突部25および案内凹部26が延びるZ1−Z2方向は、外部基材10に対するスイッチ装置20の取付け方向であり、また、外部基材10からの外部端子11aの突出方向である。
案内突部25と案内凹部26は、スイッチ装置20を外部基材10の取付け面10aに取付ける際の案内手段を構成するものである。なお、案内凹部26は、第2ケース22に設けられてもよい。また、案内突部25と案内凹部26のいずれか一方のみが設けられていてもよいが、前記実施の形態のように、案内突部25と案内凹部26の双方が設けられていることが好ましい。
図5に示すように、スイッチ装置20の筐体20aの内部に、端子保持部材27が収納されている。端子保持部材27は、第1ケース21および第2ケース22と同じ合成樹脂材料で形成されている。
図5と図6に示すように、端子保持部材27には、第1内部端子31と第2内部端子32が保持されている。第1内部端子31と第2内部端子32は導電性の金属板で、例えばリン青銅板で形成されている。いわゆるインサート成形法により、第1内部端子31と第2内部端子32を保持した状態で端子保持部材27が合成樹脂材料で射出成型される。
図5と図6に示すように、端子保持部材27は、X−Z平面と平行な位置決め壁部27aを有している。位置決め壁部27aよりも前方側(Y2側)には、X1側に接点側保持部27bがX2側に接点側保持部27dが一体に形成されている。位置決め壁部27aよりも後方側(Y1側)には、X1側に接続側保持部27cが一体に形成され、X2側に接続側保持部27gが一体に形成されている。
第1内部端子31は、位置決め壁部27aを前後に貫通して配置されており、前方側で接点側保持部27bに保持され、後方側で接続側保持部27cに保持されている。第2内部端子32も、位置決め壁部27aを前後に貫通して配置されており、前方側で接点側保持部27dに保持され、後方側で接続側保持部27gに保持されている。また、位置決め壁部27aから後方に向けて隔壁27hが一体に形成されている。この隔壁27hは、第1内部端子31と第2内部端子32の間で、Y−Z平面と平行に上向きに立ち上がるように形成されている。この隔壁27hによって、第1内部端子31と第2内部端子32とが隔てられている。
図5に示すように、第1ケース21の後端部には、フランジ部23で囲まれた凹部21aが形成されており、凹部21aの内部で後方(Y1方向)に向く底面が突き当て面21bとなっている。
図13にスイッチ装置20が組み立てられた断面図が示されている。端子保持部材27の接点側保持部27b,27d およびこれに保持されている第1内部端子31と第2内部端子32の前方部分が、第1ケース21の内部空間に挿入されて、位置決め壁部27aの前面27iが突き当て面21b に面当接させられている。また、凹部21a 内では、位置決め壁部27aが左右方向(X1−X2方向)と上下方向(Z1−Z2方向)に動くことないように位置決めされて保持される。端子保持部材27の接続側保持部27c,27gおよびこれらに保持されている第1内部端子31と第2内部端子32の後方部分は、第2ケース22の内部空間に挿入されている。位置決め壁部27aが第1ケース21と第2ケース22との間に挟まれるようにして、第1ケース21と第2ケース22とが固定される。
端子保持部材27は、位置決め壁部27aの前面27iが、第1ケース21の突き当て面21bに突き当てられて、第1ケース21と端子保持部材27とが位置決めされる。あるいは、位置決め壁部27aが、第1ケース21と第2ケース22との間に挟み込まれることによって、端子保持部材27が第1ケース21と第2ケース22の双方に対して位置決めされる。また、位置決め壁部27aが第1ケース21と第2ケース22の少なくとも一方に、レーザ溶接などで固定されてもよい。
第1ケース21の内部に操作体34が動作自在に収納されている。操作体34は合成樹脂材料で形成されている。図5に示すように、操作体34にはスライダ部34aと、スライダ部34aから前方に延びる操作軸34bとが一体に形成されている。スライダ部34aの上面と下面に、前後方向に延びる摺動突部34cが形成されている。第1ケース21の上下内面に前後方向に延びる案内溝21cが形成されており、摺動突部34cが案内溝21cに摺動自在に挿入されて、第1ケース21の内部で操作体34が前後方向へ移動自在に支持されている。
図13に示すように、第1ケース21の前部には前後に貫通する摺動穴28が開口している。操作軸34bは、摺動穴28から前方に突出しており、第1ケース21の前方において、操作軸34bの外周に防水キャップ35が装着されている。防水キャップ35は耐水性の合成ゴム材料で形成されている。図4と図5に示すように、第1ケース21の前面から嵌着部21dが突出している。防水キャップ35の後端部35aは、嵌着部21d の内側に装着されて、防水キャップ35の前部の穴35bが操作軸34bの先部外周に緊密に装着されている。防水キャップ35を設けることで、操作軸34bと摺動穴28の隙間が外部から遮蔽されている。また、防水キャップ35の弾性力で、第1ケース21内で操作体34が前後方向に移動可能となっている。
図5に示すように、操作体34のスライダ部34aに可動接点36が保持されている。可動接点36はリン青銅やコルソン系銅合金(Cu−Ni−Si合金)などの、低抵抗でばね性(弾性係数)の高い金属板で形成されている。可動接点36には、X1側で上下に対向する一対の第1摺動片36aと、X2側で上下に対向する一対の第2摺動片36b とが一体に形成されている。
図5と図13に示すように、第1ケース21の内部では、可動接点36の中央部36cと、端子保持部材27の位置決め壁部27aとの間に復帰ばね部材37が介在している。復帰ばね部材37は、圧縮コイルばねであり、復帰ばね部材37の弾性力により、操作体34が常に前方(Y2方向)へ付勢されている。
図5と図6に示すように、第1内部端子31は、位置決め壁部27aよりも前方(Y2方向)において接点側保持部27bから露出している部分が接点接触部31aとなっている。第2内部端子32は、位置決め壁部27aよりも前方に突出している部分のほとんどの領域が、接点側保持部27dに埋設されている。接点側保持部27dには、前後方向に一定の厚さで延びる絶縁摺動部27fが形成されており、第2内部端子32の先端の一部が絶縁摺動部27fから露出し、この露出部分が接点接触部32aとなっている。可動接点36の第1摺動片36aは、第1内部端子31の接点接触部31aを上下から挟んでおり、第2摺動片36bは、第2内部端子32の接点接触部32aと絶縁摺動部27fを選択的に上下で挟むようになっている。
操作体34が復帰ばね部材37によって前方(Y2方向)へ移動させられているときは、可動接点36の第1摺動片36aが接点接触部31aに接触し、第2摺動片36bが接点接触部32aに接触するため、第1内部端子31と第2内部端子32とが導通状態となる。操作体34が復帰ばね部材37の復帰力に対向して後方(Y1方向)へ押し込まれると、第1摺動片36aは接点接触部31aに接触し続けるが、第2摺動片36bが絶縁摺動部27fに接触するようになり、第1内部端子31と第2内部端子32とが非導通状態となる。
図6に示すように、第1内部端子31は、位置決め壁部27aよりも後方(Y1方向)に突出している部分が接続支持部31bであり、接続支持部31bに上下に貫通する四角形の穴である挿通部31cが開口している。第2内部端子32も、位置決め壁部27aよりも後方に突出している部分が接続支持部32bである。接続支持部32bにも上下に貫通する四角形の穴である挿通部32c が開口している。
図5と図6に示すように、第1内部端子31の接続支持部31bの上に端子接続部40aが固定されており、第2内部端子32の接続支持部32bの上に端子接続部40bが固定されている。端子接続部40aと端子接続部40bは、同じ構造で同じ寸法に形成されている。端子接続部40aと端子接続部40bは、低抵抗でばね性(弾性係数)の高い金属材料であるリン青銅やコルソン系銅合金などで、第1内部端子31および第2内部端子32よりも薄く撓みやすい板材で形成されている。なお、端子接続部40aと端子接続部40bは、第1内部端子31および第2内部端子32と同種の金属材料で形成されてもよく、また異なる金属材料を適宜組み合わせて形成してもよい。
図7と図8に端子接続部40a,40bが拡大されて示されている。
端子接続部40a,40bは、それぞれ第1固定部41と第2固定部42を有している。第1固定部(第1固定片)41と第2固定部(第2固定片)42は、前後方向(Y1−Y2方向)に間隔を空けて配置されている。第1固定部41には固定穴41aが開口している。
第1固定部41から第1支持弾性片43が上向きに折り曲げられており、第2固定部42からも第1支持弾性片44が上向きに折り曲げられている。第1支持弾性片43と第1支持弾性片44は、前後方向に間隔を空けてほぼ平行に対向している。第1支持弾性片43には屈曲部43aが形成され、第1支持弾性片44には屈曲部44aが形成されている。屈曲部43a,44aは、X−Z平面内でほぼU字形状に湾曲している。
図7と図8に示すように、第1支持弾性片43には、X2側からY1方向に折り曲げられた第2支持弾性片45が連続し、第1支持弾性片44には、X1側からY2方向に折り曲げられた第2支持弾性片46が連続している。第2支持弾性片45と第2支持弾性片46の上部に連続する接触台47が設けられており、接触台47には、Y1側とY2側から下向きに対を成す接触片48,49が折り曲げられている。
図6に示すように、第1内部端子31の接続支持部31bには、挿通部31cよりも前方に穴が形成されており、端子保持部材27を構成する合成樹脂材料の一部がこの穴から上向きに突出して固定突起27jが形成されている。端子接続部40aを第1内部端子31の接続支持部31bの上に取付ける際には、固定突起27jを第1固定部41の固定穴41aに挿入し、固定突起27jの上部を加熱して押し潰し、いわゆる熱かしめ構造を形成して、端子接続部40aを固定する。なお、図6では、固定突起27jが既に熱かしめされたのと同じ大きさと厚さで図示されている。
熱かしめ構造を形成した後に、接続支持部31bと端子接続部40aの第2固定部42との重ね合わせ部にレーザを照射し、接続支持部31bと第2固定部42とをスポット溶接して固定する。これにより、第1内部端子31と端子接続部40aとの電気的導通の信頼性を高めることができる。なお、溶接は抵抗溶接でもよく、例えば図6に示すX1−X2方向に沿う複数個所でスポット溶接してもよい。複数個所をスポット溶接することで電気的導通の信頼性をさらに高めることができる。
端子保持部材27では、第2内部端子32の接続支持部32bが保持されている部分においても固定突起27kが形成されている。端子接続部40bが、接続支持部32bの上に設置されるときも、前記と同様にして、端子接続部40bの第1固定部41の固定穴41aに固定突起27kを挿入して、熱かしめ構造とする。また、端子接続部40bの第2固定部42と接続支持部32bとをスポット溶接することで、第2内部端子32と端子接続部40bとを導通させる。
図13と図14に示すように、第1内部端子31の接続支持部31bの上に端子接続部40aが固定されると、端子接続部40aに形成された一対の接触片48,49が、挿通部31cの上方に位置し、その下端の先部が接続支持部31bに形成された挿通部31cの内部に入り込む。同様にして、端子接続部40bに設けられた一対の接触片48,49も、挿通部32cの上方に位置し、その下端の先部が接続支持部32bに開口している挿通部32cの内側に入り込む。
図4は、スイッチ装置20を下側から見た状態を示している。
第1ケース21には底部に一対の位置決めボス51,52が一体に形成されている。一対の位置決めボス51,52によって位置決め構造が構成されている。位置決めボス51,52は同じ直径の円柱形状である。位置決めボス51の外周面の複数箇所に、上下方向(Z1−Z2方向)に延びる圧接リブ51aが一体に形成されている。位置決めボス52の外周面の複数箇所にも同様に圧接リブ52aが形成されている。
図4および図13に示すように、第2ケース22の底部には、下方に突出する嵌合突部53が一体に形成されている。嵌合突部53は、X1−X2方向に向けて細長い領域に形成されている。嵌合突部53には、一対の開口部54が形成されている。図13に示すように、それぞれの開口部54は、第2ケース22の内部空間に連通している。
第1内部端子31の接続支持部31bに形成された挿通部31cと、第2内部端子32の接続支持部32bに形成された挿通部32cは、第2ケース22の内部において、それぞれが開口部54に対向している。
図4に示すように、第2ケース22の底部に設けられた嵌合突部53の周囲に封止部材55が装着されている。封止部材55は、耐水性の合成ゴム材料で形成されている。図13に示すように、嵌合突部53の下端には外周方向に向けて突出するフランジ部53aが形成されている。封止部材55の内周面には円周状に形成された嵌合凹部55aが形成されている。この嵌合凹部55aがフランジ部53aと嵌合することで、封止部材55が嵌合突部53から容易に外れることのないように装着される。
封止部材55の外周面には、下側突条部55bと上側突条部55cとが一体に形成されている。下側突条部55bと上側突条部55cは、封止部材55の周囲全周に沿って形成されている。図13に示すように、封止部材55が嵌合突部53に装着されると、封止部材55のうちの高さHの下方部分が、嵌合突部53の下端よりもさらに下側に突出する。前記下側突条部55bは、少なくとも一部が前記高さHで示す領域に形成されている。
封止部材55は、Z1−Z2方向に沿って上下対称な形状である。そのため、組立作業の際に、封止部材55のどちらの側を上下方向のいずれかに向けたとして、正常に装着することができる。
次に、検知装置1におけるスイッチ装置20の取付け工程と、検知出装置1の動作について説明する。
図9ないし図12には、スイッチ装置20を外部基材10に取付ける工程が示されている。
スイッチ装置20は、外部基材10の取付け面10aに向けてZ1方向へ取付けられる。スイッチ装置20は第1ケース21の底部に位置決め構造となる位置決めボス51,52が形成され、一対の外部端子11aを筐体20aの内部に導く開口部54も、第2ケース22の底部に形成されており、これらはスイッチ装置20の上方から見て確認することは難しい。
ただし、筐体20aのX1側とX2側の側部に、案内突部25と案内凹部26が設けられている。そのため、スイッチ装置20を上側(Z2側)から見たときに、案内突部25と案内凹部26を上方から確認でき、さらに外部基材10に設けられた一対の第1案内支持部13と一対の第2案内支持部14も上方から確認しやすい。したがって、図1に示すように、外部基材10の限られたスペースにスイッチ装置20を組み付けるときに、案内突部25と案内凹部26を、第1案内支持部13と第2案内支持部14に合わせることで、組み付け作業の基準を容易に確認することができる。
図1および図9と図10に示すように、スイッチ装置20を外部基材10に装着するときに、外部基材10に設けられた第1案内支持部13と第2案内支持部14との間の案内支持凹部15に、筐体20aのX1側とX2側の側部に設けられた案内突部25を上側から挿入し、筐体20aのX1側とX2側の側部に設けられた案内凹部26を、案内支持突部である第2案内支持部14に上方から挿入する。これにより、スイッチ装置20を外部基材10の取付け位置に向けて導くことが可能になる。
図10に示すように、スイッチ装置20の案内突部25および案内凹部26を、外部基材の案内支持凹部15および第2案内支持部14に係合させ始めた時点では、第1ケース21に設けられた位置決めボス51,52が外部基材10から離れており、第2ケース22に形成された開口部54も、外部基材10に固定された外部端子11aから離れている。
その後に、スイッチ装置20を図11に示す位置まで下降させると、外部端子11aが、第2ケース22の開口部54の内部に入り込む。ただし、図13に示すように、この時点では、第2ケース22の内部の端子接続部40a,40bの接触片48,49が、未だ外部端子11aからわずかに離れている。
さらに、スイッチ装置20をZ1方向へ押し込むと、位置決めボス51と52が外部基材10に形成された位置決め凹部16a,16bの内部に入り込む。図3に示すように、X2側の位置決め凹部16aは真円形であり、X1側の位置決め凹部16bはX1−X2方向にやや長く形成されている。そのため、X2側に設けられた位置決めボス51と位置決め凹部16aとの凹凸嵌合部を基準として、外部基材10上でスイッチ装置20の位置が決められる。位置決めボス51には圧接リブ51aが形成されて、位置決めボス51は位置決め凹部16aに隙間なく挿入される。また位置決めボス52にはY1−Y2方向に突出する圧接リブ52aが形成されているため、位置決めボス52は位置決め凹部16b内で、Y1−Y2方向に隙間を形成することなく位置決めされて装着される。
図11と図13からさらにスイッチ装置20を押し込んで、位置決めボス51,52が位置決め凹部16a,16bに入り込んだ直後に、一対の外部端子11aが、第2ケース22内で端子接続部40a,40bの一対の接触片48,49の間に入り込む。また、外部基材10の第2案内支持部14に形成されたフック14aが第1ケース21の上面に掛止されて、外部基材10上でスイッチ装置20が固定される。そして、図12と図14に示す装着完了に至る。
図13と図14に示すように、端子保持部材27は位置決め壁部27aの前面27iが、第1ケース21の突き当て面21bに突き当てられて、端子保持部材27が、第1ケース21を基準として位置決めされている。さらに、インサート成形法で端子保持部材27に保持された第1内部端子31と第2内部端子32に、端子接続部40a,40bが固定突起27j,27kにより位置決めされて固定されている。よって、第1ケース21に形成された位置決めボス51,52に対する端子接続部40a,40bの相対位置が高い精度で決められている。
前述のように位置決めボス51,52が位置決め凹部16a,16bに入り込んだ直後に、一対の外部端子11a,11aが2つの端子接続部40a,40bの接触片48,49の間に入り込むが、位置決めボス51,52と端子接続部40a,40bとの相対位置が高精度に決められているため、一対の外部端子11a,11aは、相対位置に大きなずれを生じることなく、2つの端子接続部40a,40bのそれぞれの接触片48,49の間に確実に入り込ませることができる。
図4に示すように、第2ケース22に嵌合突部53が形成され、この嵌合突部53に前記開口部54が形成され、さらに嵌合突部53の外周に封止部材55が装着されている。したがって、図13から図14に示すように、スイッチ装置20を外部基材10の取付け面10aに押し付ける際に、封止部材55が、外部基材10に形成された筒体12の内部に入り込む。
封止部材55の外周には、下側突条部55bと上側突条部55cが形成されており、下側突条部55bと上側突条部55cの外形寸法は、筒体12の内面である壁面部12aの内形寸法よりも大きくなっている。しかし、図13に示すように、封止部材55の下部であって下側突条部55bが形成されている高さHの部分が、嵌合突部53の下端よりも下側へ突出しているため、高さHの部分で封止部材55が中心に向けて変形しやすくなっている。また、壁面部12aの上部は、広がり寸法が徐々に広くなるテーパ面12bとなっている。
そのため、スイッチ装置20をZ1方向へ押し込むときに、下側突条部55bがテーパ面12bで案内され、この部分が中心方向へ収縮するように変形しやすくなり、下側突条部55bが壁面部12aの内部に容易に入り込むことができる。その後は、封止部材55の上部で内側に嵌合突部53を有する部分が壁面部12aの内部に入り込むため、下側突条部55bと上側突条部55cが、圧縮された状態で壁面部12aに密着し、壁面部12aと嵌合突部53との装着部を確実にシールすることができる。
すなわち、封止部材55は第2ケース22の底部に設けられて、上方から封止部材55の位置を目視することができないが、案内突部25と案内凹部26を、第1案内支持部13と第2案内支持部14に上から組み合わせるようにして、スイッチ装置20を外部基材10の取付け面10aに装着すれば、封止部材55を壁面部12aの内部に容易に入り込ませることができる。
図14に示すように、外部基材10にスイッチ装置20が装着された状態で、筐体20aの内部を封止でき、水分や油分が筐体20aの内部に入るのを防止できるようになる。スイッチ装置20では、第1ケース21と第2ケース22との境界部に、端子保持部材27の位置決め壁部27aが挟まれており、この位置決め壁部27aによって、第1ケース21の内部空間と第2ケース22の内部空間とが完全に仕切られている。さらに好ましくは、第1ケース21のフランジ部23と第2ケース22のフランジ部24とが外周に沿って連続して溶接されて接合されていると、第1ケース21の内部における第1内部端子31および第2内部端子32と、可動接点36との接触摺動部を、密閉された空間内に配置でき、外部からの水分や油分などの介入を防止できるようになる。
また、第2ケース22の内部空間も、封止部材55と壁面部12aとの密着による封止構造により外部から完全に隔絶されているため、外部からの水分や油分などの介入を防止できるようになっている。
図7と図8に示すように、端子接続部40a,40bでは、第1支持弾性片43,44が前後方向(Y1−Y2方向)へ沿って弾性変形可能であるため、接触片48,49を有する接触台47は、前後方向(Y1−Y2方向)へ動くことができる。すなわち、接触片48,49は外部端子11aを挟持している方向である前後方向(Y1−Y2方向)に移動可能である。そのため、スイッチ装置20が外部基材10に装着される際に、外部端子11aが接触片48と49の間に入り込むときに、接触片48,49が挟持方向である前後方向に動きながら、外部端子11aに倣うようにして、外部端子11aを挟持することができる。また、挟持後も接触片48と49とで、外部端子11aが前後方向から均等な力で挟持されるようになる。
さらに、接触片48,49を有する接触台47は、第2支持弾性片45,46の弾性変形により左右方向(X1−X2方向)へ沿っても動くことができるので、接触片48,49で外部端子11aを挟持するときに、接触片48,49が外部端子11aの左右方向への動きにも倣うことができる。
また、組み立てられて使用されているときに、検知装置1に外部振動が作用し、スイッチ装置20と外部基材10とが相対的に動いたとしても、端子接続部40a,40bの、第1支持弾性片43,44と第2支持弾性片45,46の弾性変形によって、接触片48,49が外部端子11aの相対的な振動に追従できるようになる。
図13と図14に示すように、スイッチ装置20の第2ケース22では、底部に形成された嵌合突部53に開口部54が形成されているために、開口部54が上下方向(Z1−Z2方向)に長く開口している。第2ケース22の内部では、開口部54の内側に、第1内部端子31の挿通部31c と第2内部端子32の挿通部32cが対向している。さらに、第1内部端子31と第2内部端子32において、端子接続部40a,40bの接触片38,39が、開口部54と逆側に配置されている。
第2ケース22における開口部54の下端の開口部から接触片38,39までの距離が長くなり、さらにその間に挿通部31c,32cも介在しているため、外部基材10に取付けられる前のスイッチ装置20において、外部から開口部54の内部に異物が挿入されることがあっても、接触片38,39に変形力などが加わりにくくなっている。
また、第2ケース22の内部空間は、端子保持部材27の隔壁27hによってX1−X2方向で二分されているため、第1内部端子31に固定された端子接触部40aと、第2内部端子32に固定された端子接触部40bとを異なる空間内に配置でき、小型に構成したとしても、端子接触部40aと端子接触部40bとが接触して短絡を生じるようなことはない。
図15(A)(B)に本発明の第2の実施の形態のスイッチ装置120が示され、図16には、外部基材10にスイッチ装置120が取付けられた第2の実施の形態の検知装置101が示されている。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同じ機能を発揮する構造部に同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
第2の実施の形態のスイッチ装置120の筐体20a では、第1ケース21に位置決めボス51,52が設けられていない。図15(A)(B)に示すように、第2の実施の形態のスイッチ装置120では、位置決め構造として、案内凹部26の内部に圧接リブ56a,56bが形成されている。案内凹部26のX1方向とX2方向に向く内側面には、2本の圧接リブ56aが上下方向に延びて形成されている。案内凹部26の前後方向(Y1−Y2方向)に対向する内端面には、それぞれ1本ずつの圧接リブ56bが上下方向に延びて形成されている。図15(B)に示すように、案内凹部26の内部において、圧接リブ56a,56bは、下方部分にのみ設けられている。
スイッチ装置120が取付けられる外部基材10は、図3に示す第1の実施の形態と同じものが使用される。ただし、位置決め凹部16a,16bは不要である。
スイッチ装置120を外部基材10に取付ける工程は、図9ないし図11に示した第1の実施の形態の取付工程と同様に、筐体20aに形成された案内突部25と案内凹部26を、外部基材10の第1案内支持部13と第2案内支持部14に挿通させ案内させて、スイッチ装置120を取付け面10aに向けて押し下げる。スイッチ装置120を、第1の実施の形態における図11から図12の位置まで押し下げるときに、図16に示すように、案内凹部26の内部に形成された圧接リブ56aが、第2の案内支持部14の対向面に圧接し、さらに、圧接リブ56bが、案内リブ14bの下方部分の幅広部14cに圧接し、外部基材10上でスイッチ装置120が位置決めされる。そして、第2案内支持部14の上部のフック14aが第1ケース21の上面に掛止される。
第2の実施の形態においても、スイッチ装置120は、第1案内支持部13と第2案内支持部14で案内されて、外部基材10の取付け面10aに向けて導かれ、その押し下げ工程の最終段階で位置決め構造を構成する圧接リブ56a,56bによって、スイッチ装置120が位置決めされる。
なお、本発明では、第1の内部端子31および第2の内部端子32に、端子接続部40a,40bが、別部品としてではなく、一体に形成されていてもよい。