JP6748549B2 - SiCエピタキシャルウェハの製造方法及びSiCエピタキシャルウェハの製造装置 - Google Patents

SiCエピタキシャルウェハの製造方法及びSiCエピタキシャルウェハの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、SiCエピタキシャルウェハの製造方法及びSiCエピタキシャルウェハの製造装置に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きく、熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。炭化珪素はこれらの特性を有することから、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。このため、近年、上記のような半導体デバイスにSiCエピタキシャルウェハが用いられるようになっている。
SiCエピタキシャルウェハは、SiC基板上にSiC半導体デバイスの活性領域となるSiCエピタキシャル膜を成長させることによって製造される。SiC基板は、昇華法等で作製したSiCのバルク単結晶から加工して得られ、SiCエピタキシャル膜は、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)によって形成される。
SiCエピタキシャルウェハを製造するための装置としては、複数のウェハを水平に配置し、各ウェハを公転させるとともにウェハ中心を軸にしてウェハ自体を自転させる水平自公転型のエピタキシャル成長装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
このエピタキシャル成長装置では、回転可能な搭載プレート(サセプタ)上に、この搭載プレートの回転軸を囲むように複数のサテライトが設けられている。サテライトが回転駆動機構によって自転可能とされることにより、このサテライト上に載置されたSiC基板は、搭載プレートの回転軸を中心に公転するとともに自転することで、自公転可能に構成されている。
上述のようなエピタキシャル成長装置においては、原料ガスが搭載プレート上に載置されたSiC基板の外周端部の外側から通過することで、原料ガスがSiC基板上に供給される。この際、加熱手段によってSiC基板を高温に維持しながら、基板上にエピタキシャル材料を堆積させることでエピタキシャル膜を成膜する。
特許第2771585号公報 特許第2835338号公報
ここで、SiC基板上にSiCエピタキシャル膜を成長させた際に、得られるSiCエピタキシャル膜の外周部、即ちエッジ付近において膜厚が増大し、かつキャリア濃度が低くなるという問題がある。特に、4インチや6インチ等の大型のSiCエピタキシャルウェハを得るために、大型のSiC基板上にSiCエピタキシャル膜を成長させた際に、この傾向は顕著である。SiCエピタキシャルウェハの大型化に対する近年の市場からの強い要望に伴い、SiCエピタキシャル膜の膜厚およびキャリア濃度について、面内方向における均一性を高めることが求められている。膜厚やキャリア濃度の面内均一性は、膜形成に用いる反応装置の温度分布や原料ガスの供給条件などによって、ある程度は制御することができるが、限界がある。特に、ウェハ周辺部で局所的に、キャリア濃度や膜厚が変化するような分布となっている場合、これを制御することは難しい。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、SiCエピタキシャル膜の膜厚の面内均一性を高めるSiCエピタキシャルウェハの製造方法およびSiCエピタキシャルウェハの製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、検討の結果、成膜中または成膜後のSiC基板に対し、所定の位置からエッチングガスを含むキャリアガス(エッチングキャリアガスと呼ぶ)を供給することで、形成されるSiCエピタキシャル膜の厚さを制御できることを見出した。その上で、既存の装置に大幅な変更を設けず、かつ効率的に、形成されるSiCエピタキシャル膜の所定の部分の厚さを制御できるSiCエピタキシャルウェハの製造装置の構成を見出し、発明を完成させた。すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手順を提供する。
(1)本発明の一態様に係るSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、凹状収容部を有する搭載プレートと、前記凹状収容部内に配置されて上面にSiC基板が載置されるサテライトと、を用いるSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、前記凹状収容部と前記サテライトの間から前記SiCエピタキシャルウェハの外周に、エッチングガスを含むエッチングキャリアガスを供給する。
(2)上記(1)に記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法において、前記エッチングガスとしてHClガスを用いてもよい。
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法において、前記凹状収容部と前記サテライトの間から前記SiCエピタキシャルウェハの外周に、さらにドーピングガスを含むドーピングキャリアガスを供給してもよい。
(4)本発明の一態様に係るSiCエピタキシャルウェハの製造装置は、SiC基板の主面上に、化学的気相成長法によってSiCエピタキシャル膜を成長させるSiCエピタキシャルウェハの製造装置であって、凹状収容部を有する搭載プレートと、前記凹状収容部内に配置され、上面にSiC基板が載置されるサテライトと、前記サテライトの上面に載置されるSiC基板の主面に、SiCエピタキシャル膜の原料ガスを供給する第1ガス供給管と、前記凹状収容部内にエッチングガスを含むエッチングキャリアガスを供給する第2ガス供給管と、を有する。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法および製造装置を用いることにより、エピタキシャル成長による成膜中または成膜後のSiCエピタキシャル膜の外周部分に対し、局所的にエッチングガスが供給される。これにより、エピタキシャル成長して中央部分より厚く形成される外周部分のSiCエピタキシャル膜を、エッチングすることができる。したがって、エッチング量を調整すれば、形成されるSiCエピタキシャル膜の外周部分の厚さを中央部分の厚さに揃えることができ、ひいては、厚さの面内均一性を高めることができる。
本発明の一態様に係るSiCエピタキシャルウェハの製造装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造装置における搭載プレートを平面視した図である。 本発明の一実施形態にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造装置における1つのサテライト周辺を拡大した断面模式図である。
以下、本発明を適用したSiCエピタキシャルウェハの製造方法およびその製造装置について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
まず、本明細書におけるガスの名称についての定義を説明する。SiC(炭化珪素)を構成する元素を供給するガスを「原料ガス」と言う。原料ガスには、シラン系ガスと炭化水素系ガスがある。シラン系ガスとしては、シラン(SiH)、ジクロロシラン(SiCl)、トリクロロシラン(SiCl)、四塩化ケイ素(SiCl)等を用いることができる。炭化水素系ガスとしては、プロパン(C)、エタン(C)等を用いることができる。また、これらの原料ガスに加えて、後述するキャリアガス等が同時に含まれたガスを広義の「原料ガス」として説明する場合がある。
これらの炭化珪素の構成元素である主要原料ガスの他に、ドーピングを行うためのガスを「ドーパントガス」という。このドーパントガスによりSiC基板内にドーパントされたものが、SiC基板内でキャリアとして機能する。炭化珪素のドーパントガスとしては、N型ドーピングの為の窒素、アンモニア、P型ドーピングの為のトリメチルアルミニウム等が挙げられる。
CVD結晶成長において原料ガスに比べて大量に流され、原料ガスやドーピングガスを運ぶ機能を有するガスを「キャリアガス」という。キャリアガスとしては、アルゴン(Ar)、水素(H)等が挙げられる。すなわち「キャリアガス」の「キャリア」は、SiC基板内の「キャリア密度(濃度)」の「キャリア」と同じものではない。
また、「ドーパントキャリアガス」は、ドーパントガスを含んでいるガスを意味し、ドーパントガスとキャリアガスが混ざったガスも含む。例えば、ドーパントキャリアガスは、窒素ガスのみからなるものであってもよいし、窒素ガスと希ガス等のガスを混合したものであってもよい。
また、以下で説明する「エッチングキャリアガス」は、塩化水素(HCl)ガス等のエッチングガスを含んでいるガスを意味し、エッチングガスとキャリアガスが混ざったガスも含む。エッチングガスは、高温でSiCと反応してエッチング作用をもつガスで、ハライド化合物などが例示され、キャリアガスとして一般に用いられる水素は除く。
<SiCエピタキシャルウェハの製造装置>
構成を理解しやすい様に、SiCエピタキシャルウェハの製造装置から説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造装置の断面を模式的に説明する図である。
本発明の一実施形態にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造装置100は、搭載プレート10と、サテライト20と、第1ガス供給管30と、第2ガス供給管40と、図視略のガス供給部を有する。また、SiCエピタキシャルウェハの製造装置100は、反応空間Kを形成するためのシーリング50及び側壁60と、反応空間Kを加熱するためのヒータ70を有する。SiCエピタキシャルウェハの製造装置100では、減圧排気可能なチャンバ(成膜室)内に、原料ガスGを供給し、加熱されたSiC基板Wの面上にSiCエピタキシャル膜を成長させる。チャンバ(成膜室)内に供給される原料ガスGは、広義の原料ガスであってもよい。
図2は、本発明の一実施形態にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造装置における搭載プレートを平面視した図である。搭載プレート10は、平面視円形状の回転台13と回転台13の中央に接続された回転軸12とからなる。回転台13には、回転台13の周方向(回転方向)に等間隔に複数並んで凹状収容部11が設けられている。図2では、凹状収容部11が等間隔に6個並んで設けられている場合を例示している。簡単のため搭載プレート10の一つの凹状収容部11にのみサテライト20を収容したが、当該構成には限られない。
搭載プレート10の中央下部には回転軸12が取り付けられている。回転軸12が図示を省略する駆動モータにより回転することで、回転台13がその中心軸周りに回転駆動できる。以下、回転軸12を中心軸とした回転を「公転」と言うことがある。
搭載プレート10は、耐熱性を有していればよく、公知の材料、例えば、黒鉛、TaCコートした黒鉛、SiCコートした黒鉛等で構成されている。
図3は、本発明の一実施形態にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造装置における1つのサテライト20周辺を拡大した断面模式図である。
サテライト20は、搭載プレート10の凹状収容部11に収容されている。サテライト20は、凹状収容部11内部で回転駆動手段によって自転することができる。すなわち、サテライト20は回転軸12に対して自公転できる。サテライト20の材質は、搭載プレート10と同様の材質とすることができる。
サテライト20の外径と凹状収容部11の内径は、ほぼ同一のサイズとし、わずかに凹状収容部11が大きいことが好ましい。凹状収容部11の大きさがサテライト20より大きすぎると、サテライト20が自転した際に、凹状収容部11内で横滑りしやすくなる。その場合、均一なSiCエピタキシャル膜を得ることが難しくなる。一方、サテライト20の外径と凹状収容部11の内径が同一であると、後述する第2ガス供給管40から供給されたガスの流路を十分に確保できなくなる。
サテライト20上には、SiC基板Wが載置される。SiC基板Wは、図3に示すように、サテライト20の上面20aに形成された凹部21に載置されることが好ましい。凹部21にSiC基板Wが載置されることにより、回転等によりSiC基板Wが横滑りすることを抑制することができる。
サテライト20のSiC基板の載置面は、円形であることが好ましい。SiC基板Wにオリエーテンションフラット(OF)が設けられている場合、載置面は、SiC基板Wと相似形でOFに対応する直線部があってもよい。これは、SiC基板Wに覆われていない部分を少なくすることにより、不要な結晶が堆積するのを防止するためである。サテライト20の載置面上に、SiC基板Wに覆われていない部分があると、その部分にも結晶が堆積することにより、SiC基板Wが載置面に対して浮く場合がある。
サテライト20上に載置されたSiC基板Wの上面(被処理面)は、回転台上面13aと同一面か、それよりも下側にあることが好ましい。SiC基板Wが回転台上面13aより上側にある場合、SiC基板Wの端部で原料ガスの流れの乱れ(層流の乱れ)が生じやすくなる。原料ガスの流れの乱れが生じると、SiC基板Wの端部に形成された膜の特性と、中央部に形成された膜の特性とで、差が生じてしまう場合がある。
第1ガス供給管30は、その第1の端部が図示略のガス供給部(外部タンク)に接続され、第2の端部がシーリング50、側壁60及び搭載プレート10で囲まれる反応空間Kに接続されている。第1ガス供給管30によって、反応空間Kに原料ガスGを供給することができる。原料ガスGとしては、SiCエピタキシャル膜の原料として一般に用いられる炭化水素系ガス及びシラン系ガスを含有するものを用いることができる。炭化水素系ガス及びシラン系ガスとしては、上述したものを用いることができる。第1ガス供給管30からは、原料ガスと同時にキャリアガス、ドーパントガスを供給してもよい。
図1に示すように、第1ガス供給管30の第2の端部(反応空間側の供給口)は、搭載プレート10の中央に対向する位置に設けられていることが好ましい。第1ガス供給管30の供給口が搭載プレート10の中央に対向して設けられていることで、第1ガス供給管30から供給された原料ガスの流れを搭載プレート10の中央から外周に向かうように制御することができる。すなわち、搭載プレート10上に載置されたサテライト20に対して、均一に原料ガスを供給することができる。
第2ガス供給管40は、その第1の端部が図示略のガス供給部(外部タンク)等に接続され、第2の端部が凹状収容部11に接続されている。ガス供給部は、エッチングキャリアガスをいれたタンクを用いてもよい。あるいは、ガス供給部として、水素などのキャリアガスとエッチングガスを制御された流量で混合するガス混合装置を用いることができる。ガス混合装置は、キャリアガスとエッチングガスを一定の比率で混合し、その混合ガスの一部または全部を所定の流量や圧力で第2ガス供給管に供給するものであり、マスフローコントローラーや圧力コントローラー等によって構成することができる。図1では、第2ガス供給管40は、搭載プレート10の回転軸12及び回転台13内を貫通して形成され、凹状収容部の上面11aに供給口41を有する。
第2ガス供給管40は凹状収容部の上面11aに供給口41を有する。そのため、凹状収容部11にサテライト20が収納された場合、サテライト20の下面20bと凹状収容部11の間にガスが供給される。サテライト20は、供給口41から供給されたガスにより凹状収容部の上面11aからわずかに浮上する。したがって、凹状収容部11とサテライト20の間に加わる摩擦力が低減され、サテライト20はその中心を軸として回転自在となる。サテライト20を中心軸周りに回転駆動することで、サテライト20に載置されたSiC基板Wに対して均等に成膜を行うことができる。
サテライト20の回転は、供給口41から排出されたガスによって制御されるように構成されていてもよい。供給口41から排出されたガスは、サテライト20を浮揚させる機能と回転させる機能とを有している。
例えば、凹状収容部11の底面にらせん状の溝を形成し、その溝に沿ってガスが流れるように誘導することにより、ガスの粘性でサテライト20にトルクを与えて、これを回転させることができる。
あるいは、サテライト20の裏面側にらせん状の溝を形成し、その溝に沿ってガスが流れるように誘導しても、同様に回転させることができる。つまり、サテライト20を回転させるために、外部電源等を有する駆動手段を別途準備する必要が無く、SiCエピタキシャル製造装置の構成は簡便なものとなる。
このように供給口41から供給されるガスは、サテライトを浮揚させる機能と、回転させる機能とを有する。供給口41の数が限定されることはない。例えば、図3に示すように供給口41を一つ設け、そこから浮揚させるガス、回転させるガスの両方を供給してもよいし、供給口41を二つ設け、その一方から浮揚させるガスを供給し、他方から回転させるガスを供給してもよい。エッチングキャリアガスは、浮揚させるガスの供給口、回転させるガスの供給口のいずれから供給してもよい。
第2ガス供給管40は、図視略の外部タンクから反応空間Kにエッチングガスを含むエッチングキャリアガスを供給する。第2ガス供給管40から供給されたエッチングキャリアガスは、図3に示すように、凹状収容部11とサテライト20の間を経由して反応空間Kに供給される。すなわち、サテライト20に載置されたSiC基板Wに対し、その外周から中央に向かってエッチングキャリアガスが供給される。そのため、SiC基板Wの外周部分のエッチング量を、中央部分のエッチング量に対して高めることができる。
シーリング50は、搭載プレート10及びサテライト20を上方から覆うように配置されている。シーリング50も、搭載プレート10およびサテライト20と同様に、黒鉛を材料とする基材の表面がコーティングされてなる円盤状部材である。シーリング50の表面をコーティングする被覆膜は、従来公知のTaCやSiC等を用いて形成することが可能である。
側壁60は、公知の材料で構成されている。例えば、図1に示すように支持部61が設けられていてもよい。支持部61は、側壁60の内周面に全周に亘って設けられたシーリング支持部であり、このシーリング支持部上にシーリング50の外周部を載置することができる。チャンバ内で不要になったガスは、側壁60と搭載プレート10の間に設けられた排気口からチャンバの外へと排出することができる。
ヒータ70は、反応空間Kを加熱するものである。ヒータ70としては、例えば誘導コイル等を用いることができる。図示を省略する高周波電源から誘導コイルに高周波電流が供給されると、搭載プレート10およびシーリング50が高周波誘導加熱により加熱される。加熱された搭載プレート10およびシーリング50からの輻射や、サテライト20からの熱伝導等により、サテライト20に載置されたSiC基板Wを加熱することができる。なお、加熱手段は、搭載プレート10(回転台13)の下面側およびシーリング50の上面側に配置された構成に限らず、これらのいずれか一方側のみに配置された構成とすることも可能である。また、ヒータ70としては、高周波誘導加熱に限らず、抵抗加熱によるもの等を用いてもよい。
本実施形態に係るSiCエピタキシャルウェハの製造装置100を用いることにより、エピタキシャル成長による成膜中または成膜後のSiCエピタキシャル膜の外周部分に対し、局所的にエッチングガスが供給される。これにより、エピタキシャル成長によって中央部分より厚く形成される外周部分のSiCエピタキシャル膜を、エッチングすることができる。したがって、エッチング量を調整すれば、形成されるSiCエピタキシャル膜の外周部分の厚さを中央部分の厚さに揃えることができ、ひいては、厚さの面内均一性を高めることができる。
エピタキシャル層の成長量は、気体側の原料がエピ成長表面に取り込まれる量から、エピ成長表面のSiCが気体側に取り去られる量の差分である。エッチングガスが流されたエピ表面部分では、SiCエピ層表面上の原子がエッチングガスと反応することにより、表面のSiCのうち気体側に取り去られる量が増加する。さらに、エッチングガスが流された気体側部分では、ウェハ表面近傍の気体側の原料がエッチングガスと反応することにより減少し、気体側の原料が成長表面に取り込まれる量も減る。これらの効果が合わさり、エッチングガスが供給される外周部でエピタキシャル膜の成長量が局所的に減少する。
SiCエピタキシャル膜の外周部分へのエッチングガスの供給は、既存の装置に大幅な変更を設けないで行うことができるため、SiCエピタキシャル膜の厚さの面内均一性の向上を、安価かつ容易に実現することができる。
<SiCエピタキシャルウェハの製造方法>
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、凹状収容部を有する搭載プレートと、凹状収容部内に配置され上面にSiC基板が載置されるサテライトと、を備えるSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、凹状収容部とサテライトの間からSiCエピタキシャルウェハの外周に、塩化水素(HCl)等のエッチングガスを含むエッチングキャリアガスを供給する。
図1のSiCエピタキシャルウェハの製造装置100を用いた場合を例にして、SiCエピタキシャルウェハの製造方法について説明する。
まず、サテライト20に載置するSiC基板Wを準備する。SiC基板Wは、ワイヤーソー等により、SiC単結晶のインゴットを円板状にスライス加工することで得ることができる。また、その外周部を面取りしてもよい。この際、SiCバルク単結晶の成長方法や、インゴットの研削加工方法、スライス加工方法等については、特に限定されることなく、従来公知の方法を採用できる。
次いで、得られたSiC基板Wを研磨する。研磨の方法は、従来公知の方法を採用できる。粗研磨と鏡面研磨の両方を行うことが好ましい。粗研磨は、例えば、ラップ研磨等の機械式研磨法等を用いて行うことができる。粗研磨により、SiC基板Wにおける大きなうねりや加工歪等の凹凸を除去することができる。鏡面研磨は、例えばCMP法等により行うことができる。鏡面研磨では、粗研磨で凹凸及び平行度が整えられたSiC基板の平坦度をより高めることができる。
次いで、得られたSiC基板W上にSiCエピタキシャル膜を成長させる。
まず、上述のSiCエピタキシャルウェハの製造装置100のサテライト20上に、SiC基板Wを載置する。
SiC基板Wの載置後に、図示略の真空ポンプにより反応空間Kを真空排気した上で、第1ガス供給管30から水素やアルゴン等のガスを流して一定の減圧状態にする。また、ヒータ70により反応空間Kを加熱する。さらに、回転軸12を図示略の駆動モータにより回転駆動させると共に、サテライト20を公転させる。サテライト20の自転は、第2ガス供給管40から供給されるガスによって行うことが好ましい。第2ガス供給管40から供給されるガスを利用することで、装置が複雑化することを避けることができる。サテライト20は、回転軸12に対して自公転する。
この状態で、さらに原料ガスGを第1ガス供給管30から供給する。反応空間Kに供給された原料ガスGは、搭載プレート10の中央から外周に向かって広がり、搭載プレート10と側壁60の間を通って外部に排出される。この際、サテライト20上に載置されたSiC基板Wでは、原料ガス中のシラン系ガスと炭化水素系ガスが反応し、SiCエピタキシャル膜が成長する。また、原料ガスGにドーパントガスを混ぜることで、半導体のドーパントとして寄与するドーパント元素を含んだSiCエピタキシャル膜を成長させることができる。
第2ガス供給管40から供給されたガスは、凹状収容部11とサテライト20の間を経由して反応空間Kに供給される。そのため、第2ガス供給管40から供給されるガスは、SiC基板Wを基準に対し、その外周から中央に向かって供給される。そのため、第2ガス供給管40から供給されるガスにエッチングガスを含めることで、エピタキシャル成長するSiCエピタキシャル膜の中央部に対する外周部のエッチング量を多くすることができる。
第1ガス供給管30から供給されるガスの総量に対する第2ガス供給管40から供給されるガスの総量は、1/300〜1/50であることが好ましい。第2ガス供給管40から供給されるガスの総量を、第1ガス供給管から供給されるガスの総量と比較して少なくしておくことで、チャンバ内のガスの流れを搭載プレート10の中央から外周に向かう方向が主となるように制御することができ、乱流等の発生を抑制することができる。
以上は、自公転のエピタキシャル成長装置で説明したが、凹状収容部とサテライトの間から前記SiCエピタキシャルウェハの外周にドーパントガスを含むドーパントキャリアガスを供給する構成を含めば、自公転のエピタキシャル成長装置に限定されるものではない。例えばウェハが自転のみする装置であってもよいし、公転のみする装置でサテライトが浮揚しているだけの装置でもよい。
本実施形態に係るSiCエピタキシャルウェハの製造方法を用いることにより、エピタキシャル成長による成膜中または成膜後のSiCエピタキシャル膜の外周部分に、エッチングガスが供給される。これにより、エピタキシャル成長して中央部分より厚く形成される外周部分のSiCエピタキシャル膜を、エッチングすることができる。したがって、エッチング量を調整すれば、形成されるSiCエピタキシャル膜の外周部分の厚さを中央部分の厚さに揃えることができ、ひいては、厚さの面内均一性を高めることができる。
なお、第2ガス供給管40から、エッチングキャリアガスとともに、窒素等のドーパントガスを含むドーパントキャリアガスを供給してもよい。この場合、エッチングキャリアガスとともに、ドーパントキャリアガスが、凹状収容部11とサテライト20の間を経由して反応空間Kに供給され、続いてSiC基板Wの外周から中央に向かって供給される。
そのため、SiC基板Wの外周部分のエッチング量を、中央部分のエッチング量に対して高めるとともに、SiC基板Wの外周部分のキャリア供給量を中央部分の供給量に対して高めることができる。したがって、エッチング量およびキャリア供給量をそれぞれ調整すれば、形成されるSiCエピタキシャル膜の外周部分の膜厚およびキャリア濃度を中央部分と揃えることができ、ひいては、膜厚およびキャリア濃度の面内均一性をともに高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造装置は、電気特性に優れたSiCエピタキシャルウェハを、簡便な装置で生産性良く製造できることから、例えば、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等に用いられるSiCエピタキシャルウェハを製造することができる。
10…搭載プレート、11…凹状収容部、11a…上面、12…回転軸、13…回転台、
13a…回転台上面、14…溝、20…サテライト、20a…上面、20b…下面、21
…凹部、30…第1ガス供給管、40…第2ガス供給管、41…供給口、50…シーリン
グ、60…側壁、61…支持部、70…ヒータ、100…SiCエピタキシャルウェハの
製造装置、G…原料ガス、K…反応空間、W…SiCウェハ

Claims (3)

  1. 凹状収容部を有する搭載プレートと、前記凹状収容部内に配置されて上面にSiC基板が載置されるサテライトと、を用いるSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、
    前記凹状収容部と前記サテライトの間から前記SiCエピタキシャルウェハの外周に、エッチングガスを含むエッチングキャリアガスを供給し、さらにドーピングガスを含むドーピングキャリアガスを供給することを特徴とするSiCエピタキシャルウェハの製造方法。
  2. 前記エッチングガスとしてHClガスを用いることを特徴とする請求項1に記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法。
  3. SiC基板の主面上に、化学的気相成長法によってSiCエピタキシャル膜を成長させるSiCエピタキシャルウェハの製造装置であって、
    凹状収容部を有する搭載プレートと、
    前記凹状収容部内に配置され、上面にSiC基板が載置されるサテライトと、
    前記サテライトの上面に載置されるSiC基板の主面に、SiCエピタキシャル膜の原料ガスを供給する第1ガス供給管と、
    前記凹状収容部内にエッチングガスを含むエッチングキャリアガスを供給し、さらにドーピングガスを含むドーピングキャリアガスを供給する第2ガス供給管と、を有するSiCエピタキシャルウェハの製造装置。
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