JP6747999B2 - インナウエザーストリップと、これを用いた車両用ドアのシール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドアにおける室内側のベルトラインに装着されるインナウエザーストリップと、これを用いた車両用ドアのシール構造に関する。
一般に、自動車を代表する車両用ドアは、窓板(窓ガラス)を挟んで室外側のドアアウターパネルと室内側のドアインナーパネルとが対向配置され、ドアインナーパネルの室内側には、さらに意匠用のドアトリムが配されてなる。そして、ドアの窓開口縁の下縁に沿ったベルトラインには、シール材としてウエザーストリップが配され、その他の窓開口縁にはガラスランチャンネルが配されている。ウエザーストリップには、ドアアウターパネルの上縁フランジに装着されるアウタウエザーストリップと、ドアインナーパネルの上縁フランジに装着されるインナウエザーストリップとがある。ガラスランチャンネルは、窓開口縁に沿って配され、上昇してきた窓板を受け入れる上縁部と、窓板の昇降を案内するよう窓板の両側縁昇降軌跡に沿って上下方向に延在する窓板案内部とを有する。
ドアアウターパネルの下部には、当該ドアアウターパネルと窓板との間からドア内に流れ込んだ雨水等をドア外へ排出するための開口(排水孔)が設けられている。また、ドアインナーパネルには、ドアハンドルやウインドウレギュレータ等を設置するための開口が設けられている。そのため、走行中のロードノイズや風切り音等の外部騒音が、ドアアウターパネルそのもの、特に下部開口を介してドア内に侵入することで、車室内に外部騒音が漏れ聞こえることがある。
このとき、ドア内に侵入した外部騒音が車室内へ侵入する代表的なルートとしては、次の3ルートがある。
第1のルート:ドアインナーパネルに設けた開口を通り、ドアトリムを透して車室内へ侵入するルート。
第2のルート:窓板とドアインナーパネルの間の隙間を通って車室内に侵入するルート。
第3のルート:ドアインナーパネルに設けた開口を通り、次いでドアインナーパネルとドアトリムとの隙間を経由して、インナウエザーストリップとドアトリムとの隙間から車室内に侵入するルート。
そこで、上記ルートを介した外部騒音の遮音手段として、従来から一般的に下記対策が施されている。第1のルートに関しては、ドアトリムに吸音材を設けて対策している。第2のルートに関しては、ドアインナーパネルに装着したインナウエザーストリップにシールリップを設け、当該シールリップを窓板と弾接させることで、隙間を塞いでいる。第3のルートに関しては、ドアインナーパネルに装着したインナウエザーストリップに頂壁リップを設け、当該頂壁リップをドアトリムと弾接させることで、隙間を塞いでいる。
第2及び第3のルート対策に使用されるインナウエザーストリップとしては、例えば特許文献1がある。このインナウエザーストリップは、窓板を備える車両用ドアにおける室内側のベルトラインに装着される長尺部材である。そして、ベルトラインに装着された状態では、その長手方向両端部が、窓板の昇降を案内するよう当該窓板の両側縁昇降軌跡に沿って上下方向に装着されたガラスランチャンネルに当接する。具体的構成としては、所定の間隔を隔てて対向する室外側側壁及び室内側側壁と、両側壁の上縁同士を一体に連結する頂壁とからなる本体部を有する。そのうえで、室外側側壁の外面には、窓板に弾接する襞状の上方シールリップ及び下方シールリップが、該室外側側壁の長手方向両端部に亘って設けられている。また、頂壁の外面には、ドアトリムに弾接する襞状の頂壁リップが、該頂壁の長手方向両端部に亘って設けられている。
特開2004−74830号公報
しかし、このようなインナウエザーストリップでは、外部騒音が車室内へ侵入する第2のルートに関して、次のような不具合が発生する。すなわち、ドアインナーパネルに装着された状態において、インナウエザーストリップの長手方向両端部はガラスランチャンネルに当接されている。ところが、インナウエザーストリップやガラスランチャンネルには、製造時において不可避的に寸法バラツキが生じているものであり、またインナウエザーストリップやガラスランチャンネルを装着する際に、組み付けバラツキが生じることもある。この場合、当該バラツキによりインナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの接触角度は変化する。これに対し、特許文献1ではインナウエザーストリップの長手方向両端部では、薄肉で襞状のシールリップや頂部リップの端面が、ガラスランチャンネルと接しているだけである。これでは、上記バラツキに起因するインナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの接触角度の変化に対してシールリップや頂壁リップでは追従できず、インナウエザーストリップとガラスランチャンネルの当接部に隙間が生じ得る。その結果、この隙間から外部騒音が車室内に侵入してしまう。
また、頂壁リップはドアトリムと弾接可能なように本体部よりも柔軟な弾性材料(例えば軟質熱可塑性エラストマーやゴム材)からなるが、薄肉な襞状を呈するので、長手方向両端部では他の部位に比して保形力が弱く、その先端の位置は不安定となる。したがって、頂壁リップがドアトリムと弾接する際に、頂壁リップの長手方向両端部が他の部位とは異なる位置や角度で当接することで、当該長手方向両端部では頂壁リップの先端が根元側に巻き込まれることがある。この場合、頂壁リップの長手方向両端部とドアトリムとの間にも隙間が生じてしまう。また、頂壁リップの長手方向両端部は、他の部位に比して保形力が弱く、ドアトリムとの弾接圧力(シール圧)も他の部位に比して弱くなる。この理由によっても、頂壁リップの長手方向両端部では、ドアトリムとの間で隙間が生じ易い。結果、上記第3のルートを通して外部騒音が車室内へ侵入することになる。
そこで、本技術分野では、上記課題を解決するものであって車両用ドアのベルトラインに装着した際に、ガラスランチャンネル及びドアトリムとの間で隙間が生じ難いインナウエザーストリップと、これを用いた車両用ドアのシール構造が必要とされている。
そのための手段として、本発明の一つの態様は、窓板を備える車両用ドアにおける室内側のベルトラインに装着され、長手方向の端部のうち少なくとも一方が、前記車両用ドアに装着されたガラスランチャンネルに当接する長尺なインナウエザーストリップである。このインナウエザーストリップは、室外側側壁と、該室外側側壁の上縁と一体に連結した頂壁とを少なくとも有する本体部と、前記室外側側壁の外面にあって、前記窓板に弾接する少なくとも1つのシールリップと、前記頂壁の外面にあって、ドアトリムに弾接する頂壁リップとを一方の端部から他方の端部に亘って長手方向に備え、少なくとも一方の前記端部に、該長手方向と交差する向きに端面壁がある。該端面壁は、前記シールリップのうち最も上方にあるシールリップ、前記本体部、前記頂壁リップ、及び前記シールリップの先端と前記頂壁リップの先端とを結ぶ線で囲まれる範囲の大きさを少なくとも有し、端面壁と前記頂壁リップの長手方向端面の少なくとも一部とが一体的に接合している接合部を有する。
これによれば、端面壁は、室外側側壁に設けられたシールリップから頂壁に設けられた頂壁リップで囲まれる範囲の大きさを少なくとも有して、ガラスランチャンネルが装着される方向と同じ上下方向に延びた形状となっている。したがって、インナウエザーストリップとガラスランチャンネルとが当接する場合、従来のインナウエザーストリップと比べて、本発明のインナウエザーストリップはガラスランチャンネルとの接触面積が大きくなる。これにより、寸法バラツキや取り付けバラツキ等によってインナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの接触角度が変化したとしても、インナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの安定した当接状態を確保できる。而して、インナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの間に隙間が生じることを有効に防ぐことができ、外部騒音が車室内へ侵入する上記第2のルートに対する遮音性が向上する。
また、端面壁が頂壁リップの長手方向端面の少なくとも一部と接合していると、端面壁が頂壁リップに対してリブとして機能するので、長手方向の端部において頂壁リップの強度及び保形性が向上する。これは、長手方向の端部において頂壁リップの先端の位置が安定することを意味する。これにより、頂壁リップをドアトリムと弾接させた際に、頂壁リップの長手方向端部が根元側に巻き込まれることを防止することができる。しかも、端面壁と頂壁リップとが接合して、頂壁リップがドアトリムと弾接して撓めば、これに追従して端面壁も変形する。すると、その変形の反発力により、長手方向端部における頂壁リップのシール圧が高くなる。而して、インナウエザーストリップとドアトリムとの間に隙間が生じることを有効に防ぐことができ、外部騒音が車室内へ侵入する上記第3のルートに対する遮音性が向上する。
なお、前記端面壁の最も高い上縁の高さは、前記頂壁リップの先端における最も高い先端の高さ以下で設計することが好ましい。これによれば、頂壁リップより上方に端面壁の上縁が突出して目立つことがないので、見栄えが良くなる。
または、前記頂壁リップは前記端面壁と前記接合部で接合する低端部を有し、前記低端部における頂壁リップの先端の高さは前記低端部を除く頂壁リップの先端の高さよりも低く、前記端面壁の一部領域は前記接合部よりも上方にあることが好ましい。この場合、前記低端部の先端の上方には前記端面壁の一部領域と前記低端部の先端とで囲む空間がある。接合部より上方にある前記端面壁の領域は自由に変形可能で、前記空間内で変形する。したがって、インナウエザーストリップをガラスランチャンネルと当接させた際に、両者のバラツキに追従して端面壁が初期角度から変形したとしても、その変形は頂壁リップに影響せず、頂壁リップが波打つなど変形することがない。而して、インナウエザーストリップとドアトリムとのシールが安定する。
前記端面壁は、端面壁の上縁が前記ガラスランチャンネルに近接する方向に傾いていることが好ましい。これにより、インナウエザーストリップ及びガラスランチャンネルの寸法ばらつきや取り付けばらつき等によって両者の接触角度やガラスランチャンネルとインナウエザーストリップとの隙間の寸法がばらついたとしても、端面壁の少なくとも上縁が前記ガラスランチャンネルの挟持リップに当接するため、インナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの安定した当接状態を確保でき、両者の間に隙間に生じることを有効に防ぐことができる。また、前記端面壁は、前記ガラスランチャンネルの外面形状に沿って湾曲していることが好ましい。これによれば、端面壁がガラスランチャンネルとフィットし易く、より遮音性が向上する。
前記端面壁は、前記頂壁リップよりも室内側に延在することもできる。これによれば、端面壁の面積、延いてはガラスランチャンネルとの接触面積が大きくなるので、より遮音性が向上する。
さらに、インナウエザーストリップの長手方向端部において、前記端面壁は前記シールリップの長手方向端面と一体的に接合しており、前記シールリップは、前記端面壁との接合部で室内側に傾斜していることが好ましい。端面壁とシールリップとが接合している場合、端面壁はシールリップより滑りにくいので、シールリップと共に窓板に接触すると、端面壁と窓板との間で異音が発生し易い。そこで、シールリップを、接合部で室内側に傾斜させておけば、端面壁と窓板との間に隙間ができて、端面壁が窓板と接触することを避けられる。これにより、端面壁を有するインナウエザーストリップにおいて、窓板を昇降させた際に、インナウエザーストリップの長手方向端部で異音が発生することを避けることができる。
加えて、車両用ドアにおいて、室内側のベルトラインにインナウエザーストリップが装着され、ガラスランチャンネルが窓板の昇降を案内するよう当該窓板の両側縁昇降軌跡に沿って上下方向に装着されており、前記インナウエザーストリップの長手方向の端部のうち少なくとも一方が前記ガラスランチャンネルに当接する、車両用ドアのシール構造であって、前記インナウエザーストリップとして上記のようなインナウエザーストリップが使用された、車両用ドアのシール構造も提供される。
本発明のインナウエザーストリップ、及びこれを用いた車両用ドアのシール構造によれば、車両用ドアのベルトラインにインナウエザーストリップを装着した際に、当該インナウエザーストリップとガラスランチャンネル及びドアトリムとの間で隙間が生じ難い。これにより、ドア内部に侵入した外部騒音が車室内へ侵入することを効果的に防止することができる。
車両用ドアの側面図である。 実施形態1のインナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの当接状態を示す斜視図である。 図2の平面図である。 実施形態1のインナウエザーストリップの側断面図である。 実施形態2のインナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの当接状態を示す斜視図である。 図5の平面図である。 実施形態2のインナウエザーストリップの側断面図である。 実施形態3のインナウエザーストリップとガラスランチャンネルとの当接状態を示す斜視図である。 図8の平面図である。 実施形態3のインナウエザーストリップの側断面図である。
(実施形態1)
先ず、本発明の適用対象となる車両用ドアについて説明する。車両用ドアとしては、典型的には自動車のサイドドアが挙げられる。図1に示すように、ドア1は室外側(図1における奥方側)のドアアウターパネルと、室内側(図1における手前側)のドアインナーパネル2とが対向配置され、その間に、窓板(窓ガラス)3が昇降可能に配されている。ドアインナーパネル2の室内側には、さらに意匠用のドアトリム4が配されている。ドアアウターパネルとドアインナーパネル2は金属性であり、ドアトリム4は樹脂製である。また、ドア1の窓開口縁の下縁に沿ったベルトラインには、シール材として長尺なウエザーストリップが配され、その他の窓開口縁にも、シール材として長尺なガラスランチャンネル5が配されている。
ガラスランチャンネル5は、窓開口縁に沿って配され、上昇してきた窓板3を受け入れる周縁部5aと、窓板3の昇降を案内するよう窓板3の両側縁昇降軌跡に沿って上下方向に延在する窓板案内部5bとを有する。ウエザーストリップは、ドアアウターパネルの上縁フランジに装着されるアウタウエザーストリップと、ドアインナーパネル2の上縁フランジ2a(図4等参照)に装着されるインナウエザーストリップ10とがある。図1〜図3に示すように、ガラスランチャンネル5及びインナウエザーストリップ10がドア1に組み付けられた状態では、インナウエザーストリップ10の長手方向(車両前後方向)のうち少なくとも一方端(本実施形態では車両前後方向での前方端)、通常は両端がガラスランチャンネル5の窓板案内部5bに当接しているのが望ましい。なお、図2及び図3はインナウエザーストリップ10の車両前方側端部周辺を図示しているが、窓板3の図示は省略している(後述の図5,6,8,9も同様)。
ガラスランチャンネル5は、長手方向両端部に亘って略一様な基本的形状を呈し、図2及び図3に示すように、底壁51と、該底壁51の両端から立設する室内側側壁52及び室外側側壁53とによって構成される、断面略U字状の挟持部50を備える。室内側側壁52及び室外側側壁53の先端縁からは、それぞれ窓板3と弾接する襞状の挟持リップ54,55が、内方に向けて対向状に突出形成されている。ガラスランチャンネル5はドアフレーム60に装着され、窓板3は、これの両側縁(車両前後方向の側縁)が挟持リップ54,55によって弾接挟持されながら、挟持部50内において昇降案内される(図示せず)。
ガラスランチャンネル5は、ゴム、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性エラストマー等の弾性変形可能なポリマー材料からなり、押出成形により製造される。なお、ガラスランチャンネル5は、全体が同じ材料で形成されていてもよいし、部分的に異なるポリマー材料によって形成することもできる。例えば、挟持部50を熱可塑性エラストマー製とし、挟持リップ54,55を発泡ゴム製とすることもできる。また、部分的に被覆層を設けることもできる。
図2〜図4に示すように、インナウエザーストリップ10は、所定の間隔を隔てて対向する室外側側壁11及び室内側側壁12と、両側壁11,12の上縁同士を一体に連結する頂壁13とからなる本体部を備える。室外側側壁11の外面には、上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dが、室外側側壁11の長手方向両端部に亘って一体的に突出形成されている。頂壁13の外面であって、室外側側壁11と接合する部分の外面には、頂壁リップ15が、頂壁13の長手方向両端部に亘って一体的に突出形成されている。そして、インナウエザーストリップ10の長手方向両端部には、端面壁16が設けられている。
上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dは、略平坦な襞状を呈し、室外側側壁11から斜め上方に向けて突出している。下方シールリップ14dは、上方シールリップ14uよりも若干肉厚となっており、上方シールリップ14uよりも水平方向に対する傾斜角度が小さい(やや水平寄りの角度になっている)。頂壁リップ15は、上下方向中央部で屈曲した断面く字型の襞状部材であって、頂壁13から上方に向けて突出している。上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dの突出量(先端14p,14p’高さ位置)、並びに頂壁リップ15の本体部からの突出量(先端15p高さ位置)は、それぞれ長手方向両端部に亘って略一様である。
窓板3と接触する上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dの外面は、シリコーン樹脂材料、フッ素樹脂材料又はパイル等からなる低摩擦材層14c(シールリップの材料よりも静摩擦係数の低い材料で形成された層)で被覆されている。上方シールリップ14uの長手方向両端面は端面壁16と接合部16kで接合しており、前記端面壁16の側縁16aは上方シールリップ14uの外面形状と同形状で形成されている。前記端面壁16の側縁16aは上方シールリップ14uと異なり低摩擦材層14cで被覆されていない。これは低摩擦材層14cを被覆した後の上方シールリップ14uの長手方向端面に端面壁16をポリマー材料で射出成形により一体化するため、前記端面壁16の側縁16aには低摩擦材層14cを配すことができないからである。そのため、前記端面壁16の側縁16aは低摩擦材層14cを被覆してある上方シールリップ14uの外面よりすべり難い。窓板3の昇降時において、上方シールリップ14uの外面と同様に前記端面壁16の側縁16aが窓板3と接触すると、前記端面壁16の側縁16aと窓板3との間で異音が発生し易い。そこで、上方シールリップ14uは、端面壁16との接合部16kで室内側(頂壁リップ15側)に傾斜させてある。これにより、低摩擦材層14cで被覆されていない前記端面壁16の側縁16aは窓板3から離間するので、窓板3の昇降時に異音が発生することを避けられる。なお、前記の「室内側(頂壁リップ15側)に傾斜」とは、上方シールリップ14u全体が室外側側壁11と接合している根元を中心に回転して室内側に変位している状態を意味する。
室内側側壁12の内面には、襞状の保持リップ17が、室内側側壁12の長手方向両端部に亘って一体的に上下二段突出形成されている。室内側側壁12の外面には、係止片18が、室内側側壁12の長手方向両端部に亘って一体的に突出形成されている。室内側側壁12の下縁には、襞状の遮蔽リップ19が、室内側側壁12の長手方向両端部に亘って一体的に突出形成されている。
インナウエザーストリップ10の本体部(室外側側壁11、室内側側壁12、及び頂壁13)と係止片18は、所定の剛性(例えばJIS K 7215のデュロメーター硬度HDAで85〜95度)を有し、僅かに弾性変形可能な材料からなる。具体的には、PP、PE、AES等の熱可塑性合成樹脂や、熱可塑性エラストマー、又はゴムなどを使用できる。中でも、半硬質又は硬質の熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を主体とする材料を用いることがより好ましい。
一方、上方,下方シールリップ14u,14d、頂壁リップ15、保持リップ17、遮蔽リップ19も、室外側側壁11等の本体部と一体的に共押出し成形されるので、基本的には本体部と同種の材料によって形成されている。但し、各種部材に弾接する部位なので、本体部よりも柔軟で容易に弾性変形可能な材料とする。具体的には、JIS K 7215のデュロメーター硬度HDAで60〜80度の材料とする。例えば、軟質又は半硬質の熱可塑性樹脂、又はオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を主体とする材料を用いることが好ましい。
インナウエザーストリップ10は、ドアインナーパネル2の上縁フランジ2aへ上方から覆い被せるように装着する。このとき、上縁フランジ2aには、複数の係止爪2bが長手方向に等間隔で溶接等により接合されており、各係止爪2bがインナウエザーストリップ10の室外側側壁11の内面に形成された段部11aに係止される。同時に、保持リップ17が上縁フランジ2aと弾接することで、インナウエザーストリップ10がドアインナーパネル2に対して安定保持される。また、遮蔽リップ19もドアインナーパネル2と弾接することで、インナウエザーストリップ10の室内側側壁12とドアインナーパネル2との隙間が遮蔽される。
一方、上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dは、窓板3と弾接する。これにより、ドアインナーパネル2と窓板3との隙間がインナウエザーストリップ10によって遮蔽される。特に、下方シールリップ14dは上方シールリップ14uよりも厚肉なので、上方シールリップ14uよりも窓板3との弾接圧力が大きい。なお、上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dの外面が低摩擦材層14cで被覆されていることで、窓板3は、上方シールリップ14u及び下方シールリップ14dと弾接しながら円滑に(異音の発生なく)昇降できる。
また、頂壁リップ15はドアトリム4と弾接する。これにより、窓板とドアトリム4との隙間がインナウエザーストリップ10によって遮蔽される。なお、図示していないが、インナウエザーストリップ10の係止片18は、ドアトリム4の内面から下方へ向けて一体形成された係止板の係止孔に挿通係止される。これにより、インナウエザーストリップ10がドアトリム4に対して安定して固定される。
端面壁16は、インナウエザーストリップ10の長手方向と略直交する平面方向にて、所定の幅及び長さ(高さ)を有する形状に射出成形により形成されている。具体的には、端面壁16は、押出成形により形成したインナウエザーストリップ10の長手方向端部をプレスカットした後、前記長手方向端部を射出成型型に挿入して射出成形によりインナウエザーストリップ10の端末に形成するのが好ましい。しかし、前記押出成形により形成したインナウエザーストリップ10の端末に、予め射出成形により形成した端面壁16を嵌め込んでも良い。前記端面壁16は、側面視において上方シールリップ14u、室外側側壁11、及び頂壁リップ15で囲まれる範囲を含むように形成されており、その上縁16bは、上方シールリップ14uの先端14pと頂壁リップ15の先端15pとを結ぶ線と一致している。端面壁16の上縁16bは頂壁リップ15の先端15pに対して同じ高さ以下に形成されている。これにより、端面壁16は頂壁リップ15の先端15pから長手方向ではみ出て見えることなく一体感があり、インナウエザーストリップ10の外観が良い。
端面壁16は、頂壁リップ15の長手方向両端部に対してリブとして機能し、頂壁リップ15の長手方向両端部の保形性を向上させるため、少なくとも頂壁リップ15の一部と一体的に接合部16jで接合されている。本実施形態1では、端面壁16は、これを囲む上方シールリップ14u、室外側側壁11、及び頂壁リップ15の全てと一体的に接合されている。したがって、端面壁16は、上方シールリップ14u、室外側側壁11、及び頂壁リップ15と同じ種類の材料で形成されている。具体的に端面壁16は、頂壁リップ15と同程度の物性で、JIS K 7215のデュロメーター硬度HDAで60〜80度の材料を使用することが望ましいが、頂壁リップ15より低い硬度に設定しても良い。使用する材料としては、軟質又は半硬質の熱可塑性樹脂、又はオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を主体とする材料を用いることが好ましい。本実施形態1では、端面壁16は略平坦壁となっている。
インナウエザーストリップ10をドアインナーパネル2に装着した際、その長手方向両端部がガラスランチャンネル5と当接する。詳しくは、インナウエザーストリップ10の長手方向端部に接合する端面壁16は上縁16bが前記インナウエザーストリップ10の本体部の長手方向端末よりガラスランチャンネルに近接する方向に傾いており、インナウエザーストリップ10はドアインナーパネル2に装着した際に前記上縁16bがガラスランチャンネル5の室内側側壁52に設けられた挟持リップ54と当接する。これにより、インナウエザーストリップ10及びガラスランチャンネル5の寸法バラツキや取り付けバラツキ等によって両者の接触角度やガラスランチャンネル5とインナウエザーストリップ10との隙間の寸法が変化したとしても、インナウエザーストリップ10は常に上縁16bで前記ガラスランチャンネル5の挟持リップ54に当接して、一定の接触面積を確保するので、インナウエザーストリップ10とガラスランチャンネル5との安定した当接状態を確保でき、両者の間に隙間が生じることを有効に防ぐことができる。
また、頂壁リップ15に対してリブとして働く端面壁16が頂壁リップ15に接合部16jで接合されているので、長手方向両端部においても頂壁リップ15の保形性が向上する。これにより、頂壁リップ15をドアトリム4と弾接させた際に、頂壁リップ15の長手方向両端部が根元側に巻き込まれることを防止することができる。しかも、頂壁リップ15がドアトリム4と弾接して撓めば、これに追従して端面壁16も変形する。すると、その変形の反発力により、長手方向両端部における頂壁リップ15のシール圧が高くなる。これにより、インナウエザーストリップ10とドアトリム4との間に隙間が生じることを有効に防ぐことができる。さらに、端面壁16は上方シールリップ14uにも接合部16kで接合されているので、上方シールリップ14uは端面壁16に対してリブとして働き、端面壁16の保形性も向上する。そして端面壁16がガラスランチャンネル5の挟持リップ54に当接する際に、リブとして働く上方シールリップ14uの反発力で端面壁16とガラスランチャンネル5とのシール圧も高くなる。
(実施形態2)
図5〜図7に、インナウエザーストリップの実施形態2を示す。本実施形態2のインナウエザーストリップ20は実施形態1の変形例であって、図1に示す実施形態1のインナウエザーストリップ10と同様に車両用のドア1に適用される。したがって、本願発明に関係しない構成であるドア1及びガラスランチャンネル5等については、実施形態1における説明を援用し、同じ部材に同じ又は類似の符号を付してその説明を省略することがある。図2〜4に示される実施形態1のインナウエザーストリップ10においては、各部位に対し、符号11,11a,12,13,14c,14d,14u,14p,14p’,15,15p,16,16a,16b,16j,16k,17,18,19を付した。これに対し、図5〜7に示される実施形態2のインナウエザーストリップ20においては、実施形態1のインナウエザーストリップ10と対応する各部位に対し、類似の符号21,21a,22,23,24c,24d,24u,24p,24p’,25,25p,26,26a,26b,26j,26k,27,28,29を付した。
本実施形態2においても、上方シールリップ24u及び下方シールリップ24dは、略平坦な襞状を呈し、室外側側壁21から斜め上方に向けて突出している。下方シールリップ24dは、上方シールリップ24uよりも若干肉厚となっており、上方シールリップ24uよりも水平方向に対する傾斜角度が小さい(やや水平寄りの角度になっている)。頂壁リップ25は、上下方向中央部で屈曲した断面く字型の襞状部材であって、頂壁23から上方に向けて突出している。上方シールリップ24u及び下方シールリップ24dの本体部からの突出量(先端24p、24p’高さ位置)は、それぞれ長手方向両端部に亘って略一様である。一方、頂壁リップ25の低端部25sは、その他の部位よりも低く形成されている。頂壁リップ25における低端部25sを除いたその他の部位(長手方向中央部)は、本体部からの突出量(先端25pの高さ位置)が略一様である。
端面壁26は、インナウエザーストリップ20の長手方向と直交する平面方向にて、所定の幅及び長さ(高さ)を有する形状に形成されている。具体的には、端面壁26は、側面視において上方シールリップ24u、室外側側壁21、及び頂壁リップ25で囲まれる範囲に形成されている。そのうえで、端面壁26は、ガラスランチャンネル5の外面形状、詳しくは室内側側壁52に設けられた挟持リップ54の外面形状に沿って湾曲している。
一方、端面壁26の上縁26bは、低端部25sを除く頂壁リップ25における一定高さの先端25pに対して同じ高さ以下に位置している。これにより、実施形態1と同様に、端面壁26は頂壁リップ25の先端25pから長手方向ではみ出て見えることなく、インナウエザーストリップ20の外観が良い。頂壁リップ25の低端部25sは、頂壁リップ25の先端25pから端面壁26に向かって高さを徐々に低くして端面壁26と接合部26jで接合しており、接合部26jより上方には端面壁26の一部領域がある。前記低端部25sの上方には、前記端面壁26の一部領域と前記低端部25sの先端とで囲む空間がある。本実施形態の端面壁26と低端部25sは、押出成形により形成したインナウエザーストリップ20の長手方向端部をプレスカットした後、前記長手方向端部を射出成型型に挿入して射出成形により形成する。端面壁26と低端部25sの形成は上記の方法にとらわれず、押出成形により形成したインナウエザーストリップ20の頂壁リップ25の長手方向端末を低端部25sの形状にプレスカットした後、予め射出成形により形成された端面壁26をインナウエザーストリップ20の端末に嵌め込んで低端部25sと一体にしても良い。端面壁26は、これを囲む上方シールリップ24u、室外側側壁21、及び頂壁リップ25の全てと一体的に接合されている。
インナウエザーストリップ20をドアインナーパネル2に装着した際、その長手方向両端部がガラスランチャンネル5と当接される。詳しくは、インナウエザーストリップ20は、ガラスランチャンネル5の室内側側壁52に設けられた挟持リップ54と当接する。このとき、インナウエザーストリップ20の長手方向両端部にある端面壁26は挟持リップ54の外面形状に合わせて湾曲しており、端面壁26はガラスランチャンネル5の挟持リップ54と的確に接触する。これにより、インナウエザーストリップ20及びガラスランチャンネル5の寸法バラツキや取り付けバラツキ等によって両者の接触角度が変化したとしても、これに追従して端面壁26も容易に変形するので、インナウエザーストリップ20とガラスランチャンネル5との安定した当接状態を確保でき、両者の間に隙間が生じることを有効に防ぐことができる。
また、端面壁26と頂壁リップ25の低端部25sとが接合されているので、低端部25sにおいても頂壁リップ25の保形性が向上する。これにより、頂壁リップ25をドアトリム4と弾接させた際に、頂壁リップ25の低端部25sが根元側に巻き込まれることを防止することができる。しかも、端面壁26と頂壁リップ25とが接合されているので、頂壁リップ25の低端部25sがドアトリム4と弾接して撓めば、これに追従して端面壁26も変形する。すると、その変形の反発力により、低端部25sにおける頂壁リップ25のシール圧が高くなる。これにより、インナウエザーストリップ20とドアトリム4との間に隙間が生じることを有効に防ぐことができる。さらに、端面壁26は上方シールリップ24uにも接合されているので、上方シールリップ24uと端面壁26の保形性も向上し、インナウエザーストリップ20とガラスランチャンネル5とのシール圧も高くなる。
また、頂壁リップ25の低端部25sが低端部25sを除く部位よりも低く形成されて、接合部26jで端面壁26と接合している。前記接合部26jよりも上方にある端面壁26の一部領域は、リブとして働く前記頂壁リップ25が接合している領域よりも変形しやすい。これにより、インナウエザーストリップ20をガラスランチャンネル5と当接させた際に、両者のバラツキに追従して端面壁26が初期角度から変形したとしても、その変形は、前記接合部26jよりも上方にあって変形しやすい端面壁26の一部領域に止まり、前記一部領域と前記低端部25sの先端とで囲む空間内で変形する。よって前記変形が接合部26jに伝播して頂壁リップ25へ影響することなく、頂壁リップ25が波打つなど変形することが避けられるので、インナウエザーストリップ20とドアトリム4とのシールが安定する。
(実施形態3)
図8〜図10に、インナウエザーストリップの実施形態3を示す。本実施形態3のインナウエザーストリップ30も実施形態1の変形例であって、図1に示す実施形態1のインナウエザーストリップ10と同様に車両用のドア1に適用される。したがって、本願発明に関係しない構成であるドア1及びガラスランチャンネル5等については、実施形態1における説明を援用し、同じ部材に同じ又は類似の符号を付してその説明を省略することがある。図2〜4に示される実施形態1のインナウエザーストリップ10においては、各部位に対し、符号11,11a,12,13,14c,14d,14u,14p,14p’,15,15p,16,16a,16b,16j,16k,17,18,19を付した。これに対し、図8〜10に示される実施形態3のインナウエザーストリップ30においては、実施形態1のインナウエザーストリップ10と対応する各部位に対し、類似の符号31,31a,32,33,34c,34d,34u,34p,34p’,35,35p,36,36a,36b,36j,36k,37,38,39を付した。
本実施形態3においても、上方シールリップ34u及び下方シールリップ34dは、略平坦な襞状を呈し、室外側側壁31から斜め上方に向けて突出している。下方シールリップ34dは、上方シールリップ34uよりも若干肉厚となっており、上方シールリップ34uよりも水平方向に対する傾斜角度が小さい(やや水平寄りの角度になっている)。頂壁リップ35は、上下方向中央部で屈曲した断面く字型の襞状部材であって、頂壁33から上方に向けて突出している。上方シールリップ34u及び下方シールリップ34dの本体部からの突出量(先端34p、34p’高さ位置)は、それぞれ長手方向両端部に亘って略一様である。一方、頂壁リップ35の低端部35sは、低端部を除く部位よりも低く形成されている。頂壁リップ35における低端部35sを除いた部位は、本体部からの突出量(先端高さ35p位置)が略一様である。
さらに、端面壁36は、インナウエザーストリップ30の長手方向と直交する平面方向にて、所定の幅及び長さ(高さ)を有する形状に形成されている。具体的には、端面壁36は、側面視において上方シールリップ34u、室外側側壁31、及び頂壁リップ35で囲まれる範囲に加えて、頂壁リップ35を超えて室内側まで延在している。詳しくは、頂壁リップ35を超えて頂壁33の幅方向(短手方向)中央部にまで達している。これにより、実施形態2の端面壁26よりも端面壁36が大きくなり、ガラスランチャンネル5との当接面積がより大きくなる。そのうえで、端面壁36は、ガラスランチャンネル5の外面形状、詳しくは室内側側壁52に設けられた挟持リップ54の外面形状に沿って湾曲している。上述のように実施形態2よりガラスランチャンネルとの接触面積が大きくなるので、より遮音性が向上する。
一方、端面壁36の一部領域は、頂壁リップ35との接合部36kよりも上方に突出している。但し、端面壁36の上縁36bは頂壁リップ35の低端部35sを除く部位の高さ以下である。端面壁36は、上方シールリップ34u、室外側側壁31、頂壁リップ35、及び頂壁33と一体的に接合されている。
インナウエザーストリップ30をドアインナーパネル2に装着した際、その長手方向両端部がガラスランチャンネル5と当接される。詳しくは、インナウエザーストリップ30は、ガラスランチャンネル5の室内側側壁52に設けられた挟持リップ54と当接する。このとき、インナウエザーストリップ30の長手方向両端部に接合している端面壁36は挟持リップ54の外面形状に合わせて湾曲しており、端面壁36はガラスランチャンネル5の挟持リップ54と的確に接触する。これにより、インナウエザーストリップ30及びガラスランチャンネル5の寸法バラツキや取り付けバラツキ等によって両者の接触角度が変化したとしても、これに追従して端面壁36も容易に変形するので、インナウエザーストリップ30とガラスランチャンネル5との安定した当接状態を確保でき、両者の間に隙間が生じることを有効に防ぐことができる。
また、端面壁36と頂壁リップ35の低端部35sとが接合されているので、低端部35sにおいても頂壁リップ35の保形性が向上する。これにより、頂壁リップ35をドアトリム4と弾接させた際に、頂壁リップ35の低端部35sが根元側に巻き込まれることを防止することができる。しかも、端面壁36と頂壁リップ35の低端部35sとが接合されているので、頂壁リップ35がドアトリム4と弾接して撓めば、これに追従して端面壁36も変形する。すると、その変形の反発力により、低端部35sにおける頂壁リップ35のシール圧が高くなる。これにより、インナウエザーストリップ30とドアトリム4との間に隙間が生じることを有効に防ぐことができる。さらに、端面壁36は上方シールリップ34u及び頂壁33にも接合されているので、上方シールリップ34uと端面壁36の保形性も向上し、インナウエザーストリップ30とガラスランチャンネル5とのシール圧も高くなる。
また、頂壁リップ35の低端部35sが低端部35sを除く部位よりも低く形成されて接合部36jで端面壁36と接合している。前記接合部36jよりも上方にある端面壁36の一部領域は、リブとして機能する前記頂壁リップ35が接合している領域よりも変形しやすい。これにより、インナウエザーストリップ30をガラスランチャンネル5と当接させた際に、両者のバラツキに追従して端面壁36が初期角度から変形したとしても、その変形、前記接合部36jよりも上方にあって変形しやすい端面壁36の一部領域に止まり、前記一部領域と前記低端部35sの先端とで囲む空間内で変形する。よって前記変形が接合部36jに伝播しては頂壁リップ35へ影響することがなく、頂壁リップ35が波打つなど変形することが避けられるので、インナウエザーストリップ30とドアトリム4とのシールが安定する。
(その他の実施形態)
上記実施形態では室外側側壁と、室内側側壁と、頂壁とからなる本体部を備えるインナウエザーストリップを例示したが、インナウエザーストリップの中には室内側側壁を有しないもの、すなわち本体部が室外側側壁と頂壁とからなるものもある。また、上記実施形態ではシールリップが上下二段設けられたインナウエザーストリップを例示したが、インナウエザーストリップの中にはシールリップが1つのみ設けられたものもある。本発明は、これらのインナウエザーストリップに対しても適用可能である。
頂壁リップ15の高さ(先端高さ位置)が長手方向両端に亘って略一様な実施形態1では、端面壁16を頂壁リップ15よりも低く設定することができる。この場合、端面壁16の存在があまり目立たなくなることで、インナウエザーストリップ10の見栄えが良くなる。
実施形態1〜3では、頂壁リップを頂壁と室外側側壁とが接合している部分の外面に設けたが、頂壁リップはこの位置に限定されず、頂壁の外面であればどこに設けてもよい。
実施形態1でも、実施形態2,3のように、端面壁16をガラスランチャンネル5の外面形状に合わせて湾曲させることができる。逆に、実施形態2,3でも、端面壁26,36を略平坦に形成してもよい。また、実施形態1でも、実施形態3のように端面壁16が頂壁リップ15を超えて室内側(頂壁13側)へ延在してもよい。
実施形態1〜3では、端面壁を上方シールリップ、室外側側壁、及び頂壁リップの全てと接合したが(実施形態3では頂壁とも接合)、上方シールリップや室外側側壁とは(実施形態3では頂壁とも)必ずしも接合しなくてもよい。また、頂壁リップとも、全体的に接合せずに先端側の一部のみで接合してもよい。
実施形態1〜3において上方シールリップは、必ずしも端面壁との接合部で室内側へ傾斜させなくてもよい。
実施形態2〜3では、低端部の形状を低端部以外の頂壁リップの先端から端面壁に向かって高さを徐々に低くなる形状としたが、U字やV字の急激に変化する形状にしても良い。低端部は、端面壁がガラスランチャンネルと当接した際に、端面壁先端部分の変形を受け入れる空間を形成できれば良い。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、これに限られることは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
1 ドア
2 ドアインナーパネル
3 窓板
4 ドアトリム
5 ガラスランチャンネル
10,20,30 インナウエザーストリップ
11,21,31 室外側側壁
12,22,32 室内側側壁
13,23,33 頂壁
14c,24c,34c 低摩擦材層
14d,24d,34d 下方シールリップ
14u,24u,34u 上方シールリップ
14p,24p,34p 上方シールリップの先端
14p’,24p’,34p’ 下方シールリップの先端
15,25,35 頂壁リップ
15p,25p,35p 頂壁リップの先端
16,26,36 端面壁
16a,26a,36a 端面壁の側縁
16b,26b,36b 端面壁の上縁
16j,26j,36j 端面壁と頂壁リップとの接合部
16k,26k,36k 端面壁と上方シールリップとの接合部
25s,35s 低端部
50 挟持部
51 底壁
52 室内側側壁
53 室外側側壁
54,55 挟持リップ

Claims (8)

  1. 窓板を備える車両用ドアにおける室内側のベルトラインに装着され、長手方向の端部のうち少なくとも一方が前記車両用ドアに装着されたガラスランチャンネルに当接する長尺なインナウエザーストリップであって、
    室外側側壁と、該室外側側壁の上縁と一体に連結した頂壁とを少なくとも有する本体部と、
    前記室外側側壁の外面にあって前記窓板に弾接する少なくとも1つのシールリップと、
    前記頂壁の外面にあってドアトリムに弾接する頂壁リップとを、
    一方の端部から他方の端部に亘って長手方向に備え、
    少なくとも一方の前記端部に、該長手方向と交差する向きに端面壁があり、
    該端面壁は、前記シールリップのうち最も上方にあるシールリップ、前記本体部、前記頂壁リップ、及び前記シールリップの先端と前記頂壁リップの先端とを結ぶ線で囲まれる範囲の大きさを少なくとも有し、端面壁と前記頂壁リップの長手方向端面の少なくとも一部とが一体的に接合している接合部を有する、インナウエザーストリップ。
  2. 請求項1に記載のインナウエザーストリップであって、
    前記端面壁の最も高い上縁の高さは、前記頂壁リップの先端における最も高い先端の高さ以下である、インナウエザーストリップ。
  3. 請求項2に記載のインナウエザーストリップであって、
    前記頂壁リップは前記端面壁と前記接合部で接合する低端部を有し、前記低端部における頂壁リップの先端の高さは前記低端部を除く頂壁リップの先端の高さよりも低く、前記端面壁の一部領域は前記接合部より上方にある、インナウエザーストリップ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインナウエザーストリップであって、
    前記端面壁は、端面壁の上縁が前記ガラスランチャンネルに近接する方向に傾いている、インナウエザーストリップ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインナウエザーストリップであって、
    前記端面壁は、前記ガラスランチャンネルの外面形状に沿って湾曲している、インナウエザーストリップ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインナウエザーストリップであって、
    前記端面壁は、前記頂壁リップよりも室内側に延在している、インナウエザーストリップ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のインナウエザーストリップであって、
    前記端面壁は、前記シールリップの長手方向端面とも一体的に接合しており、
    前記シールリップは、前記端面壁との接合部で室内側に傾斜している、インナウエザーストリップ。
  8. 車両用ドアにおいて、室内側のベルトラインにインナウエザーストリップが装着され、窓板の昇降を案内するよう該窓板の両側縁昇降軌跡に沿ってガラスランチャンネルが上下方向に装着されており、前記インナウエザーストリップの長手方向の端部のうち少なくとも一方が前記ガラスランチャンネルに当接する、車両用ドアのシール構造であって、
    前記インナウエザーストリップとして、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のインナウエザーストリップが使用されている、車両用ドアのシール構造。

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