JP6747862B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
滴下工法では、まず、2枚の電極付き基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を基板のシール枠内に滴下し、真空下で他方の基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
このような狭額縁設計に伴い、液晶表示素子において、画素領域からシール剤までの距離が近くなっており、シール剤によって液晶が汚染されることによる表示むらが生じやすくなっている。
以下に本発明を詳述する。
上記アルミナとしては、例えば、球状、板状、針状等の形状のものが挙げられる。なかでも、上記アルミナは、アスペクト比の平均値が25以上であることが好ましい。上記アルミナのアスペクト比の平均値が25以上であることにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、接着性と硬化物の透湿防止性とを両立させる効果により優れるものとなる。なかでも、得られる液晶表示素子用シール剤の接着性と硬化物の透湿防止性とを両立させる効果に更に優れることから、上記アルミナのアスペクト比の平均値は、50以上であることがより好ましい。
また、上記アルミナのアスペクト比の平均値は、液晶表示素子のギャップ不良を防止する等の観点から、100以下であることが好ましい。
なお、本明細書において上記「アスペクト比」は、走査型電子顕微鏡を用いて、5000倍の倍率で観察した粒子の長径と短径の比率(長径/短径)で規定され、上記「アスペクト比の平均値」は、10個の粒子のアスペクト比の平均値を測定することにより求めることができる。また、上記走査型電子顕微鏡としては、S−4300(日立ハイテクノロジーズ社製)等を用いることができる。
上記表面処理としては、例えば、エポキシ基化処理、アクリロイル基化処理、メタクリロイル基化処理、ビニル基化処理、アミノ基化処理、メトキシ基化処理、トリメチルシリル基化処理、オクチルシリル基化処理、フェニル基化処理、メルカプト基化処理、イミダゾイル基化処理、イソシアネート基化処理、チオシアネート基化処理、シアノ基化処理、スチリル基化処理、又は、シリコーンオイルを用いた表面処理等が挙げられる。なかでも、エポキシ基化処理が好ましい。
また、上記アルミナの平均粒子径の実質的な下限は0.1μmである。
なお、本明細書において上記アルミナの平均粒子径は、上述した走査型電子顕微鏡を用いて、5000倍の倍率で観察した粒子10個の粒子径(長径)の平均値を意味する。
また、上記アルミナの含有量は、接着性や塗布性等の観点から、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい上限が100重量部である。
上記その他の無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、シリカ、タルクが好適である。
なお、上記無機充填剤は、上記アルミナのみからなる(上記アルミナの含有量が100重量%である)ことが好ましい。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られる(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、上記(メタ)アクリル化合物は、反応性の観点から、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものが好ましい。更に、透湿防止性の観点から、上記(メタ)アクリル化合物として、メタクリル化合物を含有することが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基(以下、併せて「(メタ)アクリロイル基」ともいう)を有する化合物を意味する。また、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。更に、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味し、例えば、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記微粒子分散エポキシ樹脂を製造する方法としては、例えば、乳化重合等により得られた(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が分散媒中に分散してなる分散液を、エポキシ樹脂と混合し、常圧下又は減圧下で撹拌しながら分散媒を除去する方法等が挙げられる。
上記微粒子分散エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、アクリセットBPF307(日本触媒社製)等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤を用いることができる。
なお、本明細書において上記「高分子アゾ化合物」とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子アゾ開始剤以外のアゾ開始剤の例としては、例えば、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、SDH、ADH(いずれも大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH、アミキュアUDH−J(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、液晶滴下工法が好適に用いられ、具体的には例えば、ITO薄膜等の電極を有する2枚の透明基板の一方に、本発明の液晶表示素子用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により枠状のシールパターンを形成する工程、液晶の微小滴をシールパターンの枠内全面に滴下塗布し、真空下で他方の基板を重ね合わせる工程、及び、シールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜3、5、6、参考例4、比較例1、2の液晶表示素子用シール剤を調製した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について、E型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いて25℃、1rpmの条件における粘度を測定した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を、平滑な離型フィルム上にコーターを用いて厚さ200〜300μmとなるように塗布した。次いで、メタルハライドランプを用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって透湿度測定用フィルムを得た。JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で透湿度試験用カップを作製し、得られた透湿度測定用フィルムを取り付け、温度80℃湿度90%RHの恒温恒湿オーブンに投入して透湿度を測定した。得られた透湿度の値が、35g/m2・24hr未満であった場合を「◎」、35g/m2・24hr以上40g/m2・24hr未満であった場合を「○」、40g/m2・24hr以上50g/m2・24hr未満であった場合を「△」、50g/m2・24hr以上であった場合を「×」として透湿防止性を評価した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、2枚のITO薄膜付きガラス基板(30×40mm)のうちの一方に微小滴下し、これにもう一方のITO薄膜付きガラス基板を十字状に貼り合わせ、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって接着性試験片を得た。得られた接着性試験片について、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/sec)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が、3.2kgf/cm2以上であった場合を「◎」、2.8kgf/cm2以上3.2kgf/cm2未満であった場合を「○」、2.2kgf/cm2以上2.8kgf/cm2未満であった場合を「△」、2.2kgf/cm2未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、脱泡処理をしてシール剤中の泡を取り除いた後、ディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、再び脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、2枚のITO薄膜付きガラス基板のうちの一方に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布し、他方のITO薄膜付きガラス基板を重ね、真空貼り合わせ装置にて5Paの減圧下にて2枚の基板を貼り合わせた。貼り合わせた後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、描画性評価試験片を作製した。得られた描画性評価試験片内のシール剤を観察し、シール剤に断線不良も端部のうねりもなくきれいなラインが描けていた場合を「◎」、断線不良はないがシール剤の端部にわずかにうねりが生じていた場合を「○」、断線不良はないがシール剤の端部にはっきりとうねりが生じていた場合を「△」、断線不良が生じていた場合を「×」として描画性を評価した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、脱泡処理をしてシール剤中の泡を取り除いた後、ディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、再び脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、2枚のITO薄膜付きガラス基板のうちの一方に枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にてシール剤の枠内に滴下塗布し、他方のITO薄膜付きガラス基板を重ね、真空貼り合わせ装置にて5Paの減圧下にて2枚の基板を貼り合わせた。貼り合わせた後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子を温度80℃、湿度90%RHの環境下にて72時間保管した後、AC3.5Vの電圧駆動をさせ、表示むら(色むら)の有無を目視で観察した。液晶表示素子の周辺部に表示むらが全く見られなかった場合を「◎」、少し薄い表示むらが見えた場合を「○」、はっきりとした濃い表示むらがあった場合を「△」、はっきりとした濃い表示むらが周辺部のみではなく、中央部まで広がっていた場合を「×」として液晶表示素子の表示性能を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は実用に全く問題のないレベルである。
Claims (5)
- 硬化性樹脂と、ラジカル重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、アルミナとを含有し、
前記アルミナの含有量が、前記硬化性樹脂100重量部に対して20重量部を超え、
前記アルミナのアスペクト比の平均値が25以上である
ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。 - アルミナの平均粒子径が5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2若しくは3記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項4記載の上下導通材料を有することを特徴とする液晶表示素子。
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