JP5255732B1 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
接着性及び直線描画性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供する。また、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。
レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと、エポキシ基を有する樹脂とを含有する硬化性樹脂、並びに、表面をヘキサメチルジシラザンで処理された無機微粒子、及び/又は、表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された無機微粒子を含有する表面処理無機微粒子を含有し、前記表面処理無機微粒子は、平均粒子径が0.1μm以上である液晶滴下工法用シール剤。
レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと、エポキシ基を有する樹脂とを含有する硬化性樹脂、並びに、表面をヘキサメチルジシラザンで処理された無機微粒子、及び/又は、表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された無機微粒子を含有する表面処理無機微粒子を含有し、前記表面処理無機微粒子は、平均粒子径が0.1μm以上である液晶滴下工法用シール剤。
Description
本発明は、接着性及び直線描画性に優れる液晶滴下工法用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているような光硬化性樹脂、光重合開始剤、熱硬化性樹脂、及び、熱硬化剤を含有する光、熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
液晶表示素子において、シール剤には直線描画性に優れることが求められており、また、製造時には工程の効率化の為にディスペンスを高速化することが求められている。しかしながら、従来のシール剤を高速に描画した場合、シール剤を安定的に直線描画することができず、断線不良が発生したり、描画後のシール剤のラインにうねりが生じたりするという問題があった。シール剤には通常、充填剤が配合されており、直線描画性を向上させるためには、シール剤に配合する充填剤の量を減らすことが考えられるが、充填剤の量を減らすと、シール剤が基板や配向膜に対する接着性に劣るものとなるという問題があった。
本発明は、接着性及び直線描画性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと、エポキシ基を有する樹脂とを含有する硬化性樹脂、並びに、表面をヘキサメチルジシラザンで処理された無機微粒子、及び/又は、表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された無機微粒子を含有する表面処理無機微粒子を含有し、上記表面処理無機微粒子は、平均粒子径が0.1μm以上である液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂と、特定の表面処理無機微粒子とを組み合わせて用いることにより、接着性及び直線描画性に優れる液晶滴下工法用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと表面処理無機微粒子とを組み合わせて用いることによって、シール剤の直線描画性が向上する理由としては、以下のことが考えられる。即ち、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートは、液晶滴下工法用シール剤で通常用いられる樹脂に比べて極性が高いため、極性の低い表面処理無機微粒子と併用することにより、粒子と樹脂間の反発が大きくなり、見かけの粘度が下がったためであると推定される。
レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと表面処理無機微粒子とを組み合わせて用いることによって、シール剤の直線描画性が向上する理由としては、以下のことが考えられる。即ち、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートは、液晶滴下工法用シール剤で通常用いられる樹脂に比べて極性が高いため、極性の低い表面処理無機微粒子と併用することにより、粒子と樹脂間の反発が大きくなり、見かけの粘度が下がったためであると推定される。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートを含有する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記硬化性樹脂は、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートを含有する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸とレゾルシノール型エポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂中におけるレゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量の好ましい下限は20重量%である。上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が20重量%未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が、直線描画性に劣るものとなり、描画時に断線したり、描画後にうねりが生じたりすることがある。上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい下限は50重量%、更に好ましい下限は70重量%である。
また、上記硬化性樹脂中におけるレゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量の好ましい上限は90重量%である。上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が90重量%以下であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性や耐湿性が向上する。上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい上限は85重量%である。
また、上記硬化性樹脂中におけるレゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量の好ましい上限は90重量%である。上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が90重量%以下であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性や耐湿性が向上する。上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい上限は85重量%である。
上記硬化性樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートとビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートとを含有することにより、得られる液晶滴下工法用シール剤は、ディスペンス時の直線描画性がより優れるものとなり、更に、液晶汚染性と接着性も良好となる。
上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL 3700(ダイセル・サイテック社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂中におけるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量の好ましい下限は10重量%である。上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が10重量%未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が、チクソトロピー性が高くなり、塗布の際に用いるシリンジやノズル等の洗浄性が悪化することがある。上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい下限は20重量%である。
また、上記硬化性樹脂中におけるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量の好ましい上限は60重量%である。上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が60重量%以下であることにより、粘度が好適な範囲となって、得られる液晶滴下工法用シール剤の塗布性が向上する。上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい上限は50重量%である。
また、上記硬化性樹脂中におけるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量の好ましい上限は60重量%である。上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が60重量%以下であることにより、粘度が好適な範囲となって、得られる液晶滴下工法用シール剤の塗布性が向上する。上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい上限は50重量%である。
上記硬化性樹脂は、エポキシ基を有する樹脂を含有する。
上記エポキシ基を有する樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記エポキシ基を有する樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
また、上記エポキシ基を有する樹脂として、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する樹脂を含有してもよい。このような化合物としては、例えば、2以上のエポキシ基を有する化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、ビスフェノールA型の部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂(部分(メタ)アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を含有することが好ましい。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち、市販されているものとしては、例えば、UVACURE1561(ダイセル・サイテック社製)が挙げられる。
上記硬化性樹脂中におけるエポキシ基を有する樹脂の含有量の好ましい下限は5重量%、好ましい上限は50重量%である。上記エポキシ基を有する樹脂の含有量が5重量%以上であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着性や耐湿性が向上する。上記エポキシ基を有する樹脂の含有量が50重量%以下であることにより、シール剤が液晶へ溶出し難くなり、得られる液晶表示素子に表示ムラ等が生じることを抑制できる。上記エポキシ基を有する樹脂の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は42重量%であり、更に好ましい下限は20重量%である。
また、上記硬化性樹脂は、上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートや上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート以外のその他の(メタ)アクリル樹脂を含有してもよい。
上記その他の(メタ)アクリル樹脂としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する樹脂であれば、特に限定なく使用することができ、例えば、上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートや上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート以外のその他のエポキシ(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記その他の(メタ)アクリル樹脂としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する樹脂であれば、特に限定なく使用することができ、例えば、上記レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートや上記ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート以外のその他のエポキシ(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記その他のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸と、上述したエポキシ基を有する樹脂のうち、レゾルシノール型エポキシ樹脂やビスフェノールA型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エステル化合物のうち1官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3―プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエンルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌しながら2時間反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL 230、EBECRYL 270、EBECRYL 4858、EBECRYL 8402、EBECRYL 8804、EBECRYL 8803、EBECRYL 8807、EBECRYL 9260、EBECRYL 1290、EBECRYL 5129、EBECRYL 4842、EBECRYL 210、EBECRYL 4827、EBECRYL 6700、EBECRYL 220、EBECRYL 2220(いずれもダイセル・サイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂全体における(メタ)アクリロイルオキシ基とエポキシ基との合計量に対するエポキシ基の比率の好ましい上限は50モル%である。上記エポキシ基の比率が50モル%以下であることにより、シール剤の液晶に対する溶解性が低くなって液晶汚染を抑制し、得られる液晶表示素子の表示性能が向上する。上記エポキシ基の比率のより好ましい上限は20モル%である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、表面をヘキサメチルジシラザンで処理された無機微粒子、及び/又は、表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された無機微粒子を含有する表面処理無機微粒子を含有する。上記表面処理無機微粒子は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等の役割を有する。本発明の液晶滴下工法用シール剤は、表面処理無機微粒子を、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと組み合わせて用いることにより、接着性及び直線描画性に優れるものとなる。
上記無機微粒子としては、本発明のシール剤の主成分である上述した親水性の硬化性樹脂中への分散性、本発明の液晶滴下工法用シール剤の描画性等を考慮すると、親水性の無機微粒子であることが好ましい。このような無機微粒子としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素等が挙げられる。なかでも、タルク、シリカが好ましく、接着性の観点からシリカがより好ましい。
上記無機微粒子としては、本発明のシール剤の主成分である上述した親水性の硬化性樹脂中への分散性、本発明の液晶滴下工法用シール剤の描画性等を考慮すると、親水性の無機微粒子であることが好ましい。このような無機微粒子としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素等が挙げられる。なかでも、タルク、シリカが好ましく、接着性の観点からシリカがより好ましい。
上記表面処理無機微粒子の平均粒子径の下限は0.1μmである。上記表面処理無機微粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が基板や配向膜に対する接着性に劣るものとなる。上記表面処理無機微粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.3μm、より好ましい下限は0.4μmである。
また、上記表面処理無機微粒子の平均粒子径の好ましい上限は1.0μmである。上記表面処理無機微粒子の平均粒子径が1.0μmを超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が直線描画性に劣るものとなることがある。上記表面処理無機微粒子の平均粒子径のより好ましい上限は0.8μm、更に好ましい上限は0.7μmである。
なお、本明細書において上記平均粒子径は、走査型電子顕微鏡を用いて、1万倍の倍率で観察した粒子10個の粒子径の平均値を意味する。上記走査型電子顕微鏡としては、S−4300(日立ハイテクノロジーズ社製)等を用いることができる。
また、上記表面処理無機微粒子の平均粒子径の好ましい上限は1.0μmである。上記表面処理無機微粒子の平均粒子径が1.0μmを超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が直線描画性に劣るものとなることがある。上記表面処理無機微粒子の平均粒子径のより好ましい上限は0.8μm、更に好ましい上限は0.7μmである。
なお、本明細書において上記平均粒子径は、走査型電子顕微鏡を用いて、1万倍の倍率で観察した粒子10個の粒子径の平均値を意味する。上記走査型電子顕微鏡としては、S−4300(日立ハイテクノロジーズ社製)等を用いることができる。
上記表面処理無機微粒子の粒子径の変動係数(以下、CV値ともいう)は15%以下であることが好ましい。上記表面処理無機微粒子の粒子径のCV値が15%を超えると、表面処理無機微粒子の大きさに大きなバラツキにより、得られる液晶滴下工法用シール剤が直線描画性に劣るものとなることがある。
なお、本明細書においてCV値とは、下記式により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
なお、本明細書においてCV値とは、下記式により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
上記表面処理無機微粒子の形状は特に限定されないが、球状であることが好ましい。
なお、本明細書において上記球状とは、粒子のアスペクト比(長径/厚み)が1.05未満であることを意味する。上記アスペクト比は、上述した走査型電子顕微鏡で観察することで求めることができる。
なお、本明細書において上記球状とは、粒子のアスペクト比(長径/厚み)が1.05未満であることを意味する。上記アスペクト比は、上述した走査型電子顕微鏡で観察することで求めることができる。
上記表面処理無機微粒子は、表面をヘキサメチルジシラザンで処理された無機微粒子(以下、ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子ともいう)、及び/又は、表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された無機微粒子(以下、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子ともいう)を含有する。
上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子、及び/又は、上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子と、上述したレゾルシノール型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いることにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は直線描画性及び接着性に優れるものとなる。
上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子、及び/又は、上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子と、上述したレゾルシノール型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いることにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は直線描画性及び接着性に優れるものとなる。
上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子は、例えば、シリカ等の原料となる無機微粒子(以下、原料無機微粒子ともいう)をゾルゲル法等の方法で合成し、原料無機微粒子を流動させた状態でヘキサメチルジシラザンを噴霧させる方法や、アルコール、トルエン等の有機溶媒中に原料無機微粒子を加え、更に、ヘキサメチルジシラザンと水とを加えた後、水と有機溶媒とをエバポレーターで蒸発乾燥させる方法等により作製することができる。
上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子は、例えば、原料無機微粒子をゾルゲル法等の方法で合成し、原料無機微粒子を流動させた状態で水と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの混合液を噴霧させる方法や、アルコール、トルエン等の有機溶媒中に原料無機微粒子を加え、更に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと水とを加えた後、水と有機溶媒とをエバポレーターで蒸発乾燥させる方法等により作製することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤における上記表面処理無機微粒子の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が20重量部、好ましい上限が160重量部である。上記表面処理シリカの含有量が20重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が基板や配向膜に対する接着性に劣るものとなることがある。上記表面処理シリカの含有量が160重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が直線描画性に劣るものとなることがある。
本発明の液晶滴下工法用シール剤が上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子を含有する場合、上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が20重量部、好ましい上限が150重量部である。上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子の含有量が20重量部以上であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の基板や配向膜に対する接着性が向上する。上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子の含有量が150重量部以下であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の直線描画性が向上する。上記ヘキサメチルジシラザン処理無機微粒子の含有量のより好ましい下限は40重量部、より好ましい上限は130重量部、更に好ましい下限は50重量部、更に好ましい上限は100重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤が上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子を含有する場合、上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が30重量部、好ましい上限が160重量部である。上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子の含有量が30重量部以上であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の基板や配向膜に対する接着性が向上する。上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子の含有量が160重量部以下であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の直線描画性が向上する。上記3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理無機微粒子の含有量のより好ましい下限は50重量部、より好ましい上限は140重量部、更に好ましい下限は60重量部、更に好ましい上限は110重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、熱硬化剤及び/又はラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられる。上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、SDH、IDH、ADH(いずれも、大塚化学社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記エポキシ基を有する樹脂100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1重量部以上であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の熱硬化性が向上する。上記熱硬化剤の含有量が50重量部以下であることにより、粘度が好適な範囲となって、得られる液晶滴下工法用シール剤の塗布性が向上する。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
上記ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも、吸収波長域が広いことから、IRGACURE651、IRGACURE907、ベンゾインイソプロピルエーテル、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも、吸収波長域が広いことから、IRGACURE651、IRGACURE907、ベンゾインイソプロピルエーテル、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
また、上記高分子アゾ開始剤は、通常、光照射によっても分解してラジカルを発生することから、光ラジカル重合開始剤としても機能し得る。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
また、上記高分子アゾ開始剤は、通常、光照射によっても分解してラジカルを発生することから、光ラジカル重合開始剤としても機能し得る。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が1000以上であることにより、高分子アゾ開始剤による液晶に悪影響を抑制できる。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が30万以下であることにより、硬化性樹脂へ混合しやすくなる。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
上記高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部以上であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤の重合性が向上する。上記ラジカル重合開始剤の含有量が30重量部以下であることにより、未反応のラジカル重合開始剤の残留を抑制し、得られる液晶滴下工法用シール剤の耐候性が向上する。上記ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部であり、更に好ましい上限は5重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサー、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、E型粘度計を用いて25℃において1.0rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が20万mPa・s、好ましい上限が60万mPa・sである。上記粘度が20万mPa・s以上であることにより、得られる液晶滴下工法用シール剤を用いて形成したシールパターンを、加熱硬化するまで充分に維持できる。上記粘度が60万mPa・s以下であることにより、液晶滴下工法用シール剤の塗布性が向上する。
なお、上記E型粘度計としては、例えば、5XHBDV−III+CP(ブルックフィールド社製、ローターNo.CP−51)等を用いることができる。
なお、上記E型粘度計としては、例えば、5XHBDV−III+CP(ブルックフィールド社製、ローターNo.CP−51)等を用いることができる。
また、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、チクソトロピックインデックス(TI値)の好ましい下限が1.0、好ましい上限が3.0である。上記TI値が1.0以上であることにより、塗布時に液晶滴下工法用シール剤の粘度が好適な範囲となって、得られる液晶滴下工法用シール剤の塗布性が向上する。上記TI値が3.0以下であることにより、脱泡が容易となる。
なお、本明細書において上記「チクソトロピックインデックス(TI値)」とは、E型粘度計を用いて、25℃、0.5rpmの条件で測定した粘度を、25℃、5.0rpmの条件で測定した粘度で除した値である。
なお、本明細書において上記「チクソトロピックインデックス(TI値)」とは、E型粘度計を用いて、25℃、0.5rpmの条件で測定した粘度を、25℃、5.0rpmの条件で測定した粘度で除した値である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化物の体積抵抗値が1×1013Ω・cm以上であり、かつ、100kHzにおける誘電率が3以上であることが好ましい。上記体積抵抗値が1×1013Ω・cm以上であると、液晶滴下工法用シール剤がイオン性の不純物をほとんど含有していないことを意味し、例えば、上下導通材料として用いた場合、通電時に該イオン性の不純物が液晶中へ溶出することによる表示ムラの発生を防止できる。また、液晶の誘電率は、通常ε//(パラレル)が10、ε⊥(垂直)が3.5程度であることから、本発明の液晶滴下工法用シール剤の誘電率が3以上であることにより、シール剤が液晶中へ溶出することによる表示ムラの発生を防止できる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、表面処理無機微粒子と、熱硬化剤及び/又はラジカル重合開始剤や必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤に導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極と配向膜とを有する透明基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布し、長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせる工程、及び、本発明の液晶滴下工法用シール剤のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極と配向膜とを有する透明基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布し、長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせる工程、及び、本発明の液晶滴下工法用シール剤のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、接着性及び直線描画性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(レゾルシノール型エポキシアクリレート(硬化性樹脂A)の合成)
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、「デナコールEX−201」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸649重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、レゾルシノール型エポキシアクリレート(硬化性樹脂A)を得た。
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、「デナコールEX−201」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸649重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、レゾルシノール型エポキシアクリレート(硬化性樹脂A)を得た。
(ビスフェノールA型エポキシアクリレート(硬化性樹脂B)の合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸424重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(硬化性樹脂B)を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸424重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(硬化性樹脂B)を得た。
(ビスフェノールF型エポキシアクリレート(硬化性樹脂C)の合成)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート806」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸462重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、ビスフェノールF型エポキシアクリレート(硬化性樹脂C)を得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート806」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸462重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、ビスフェノールF型エポキシアクリレート(硬化性樹脂C)を得た。
(部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(硬化性樹脂D)の合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸212重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、50%部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(硬化性樹脂D)を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸212重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、50%部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(硬化性樹脂D)を得た。
(部分アクリル変性レゾルシノール型エポキシ樹脂(硬化性樹脂E)の合成)
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、「デナコールEX−201」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸325重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、50%部分アクリル変性レゾルシノール型エポキシ樹脂(硬化性樹脂E)を得た。
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、「デナコールEX−201」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸325重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、50%部分アクリル変性レゾルシノール型エポキシ樹脂(硬化性樹脂E)を得た。
(ヘキサメチルジシラザン処理シリカの調製)
ゾルゲル法で合成した平均粒子径0.7μmのシリカ粒子100重量部をヘンシェルミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水0.5重量部及びヘキサメチルジシラザン10重量部を噴霧し、260℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕して、ヘキサメチルジシラザン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
また、同様にゾルゲル法で合成した平均粒子径0.05μmのシリカ粒子、平均粒子径0.1μmのシリカ粒子、平均粒子径0.4μmのシリカ粒子、平均粒子径1.0μmのシリカ粒子についても同様の操作を行い、平均粒子径0.05μm、0.1μm、0.4μm、1.0μmのヘキサメチルジシラザン処理シリカをそれぞれ調製した。
ゾルゲル法で合成した平均粒子径0.7μmのシリカ粒子100重量部をヘンシェルミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水0.5重量部及びヘキサメチルジシラザン10重量部を噴霧し、260℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕して、ヘキサメチルジシラザン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
また、同様にゾルゲル法で合成した平均粒子径0.05μmのシリカ粒子、平均粒子径0.1μmのシリカ粒子、平均粒子径0.4μmのシリカ粒子、平均粒子径1.0μmのシリカ粒子についても同様の操作を行い、平均粒子径0.05μm、0.1μm、0.4μm、1.0μmのヘキサメチルジシラザン処理シリカをそれぞれ調製した。
(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製)
ゾルゲル法で合成した平均粒子径0.7μmのシリカ粒子100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水10重量部及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部を噴霧し、150℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
また、同様にゾルゲル法で合成した平均粒子径0.05μmのシリカ粒子、平均粒子径0.1μmのシリカ粒子、平均粒子径0.4μmのシリカ粒子、平均粒子径1.0μmのシリカ粒子についても同様の操作を行い、平均粒子径0.05μm、0.1μm、0.4μm、1.0μmの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカをそれぞれ調製した。
ゾルゲル法で合成した平均粒子径0.7μmのシリカ粒子100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水10重量部及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部を噴霧し、150℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
また、同様にゾルゲル法で合成した平均粒子径0.05μmのシリカ粒子、平均粒子径0.1μmのシリカ粒子、平均粒子径0.4μmのシリカ粒子、平均粒子径1.0μmのシリカ粒子についても同様の操作を行い、平均粒子径0.05μm、0.1μm、0.4μm、1.0μmの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカをそれぞれ調製した。
(3−アミノプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部に代えて、3−アミノプロピルトリメトキシシラン2重量部を用いたこと以外は、「3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製」と同様にして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部に代えて、3−アミノプロピルトリメトキシシラン2重量部を用いたこと以外は、「3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製」と同様にして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部に代えて、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2重量部を用いたこと以外は、「3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製」と同様にして、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部に代えて、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2重量部を用いたこと以外は、「3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカの調製」と同様にして、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)を調製した。
(ヘキサメチルジシラザン処理タルクの調製)
タルク粒子(日本タルク社製、「SG−2000」)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水0.5重量部及びヘキサメチルジシラザン10重量部を噴霧し、150℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕し、ヘキサメチルジシラザン処理タルク(平均粒子径1.0μm)を調製した。
タルク粒子(日本タルク社製、「SG−2000」)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水0.5重量部及びヘキサメチルジシラザン10重量部を噴霧し、150℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕し、ヘキサメチルジシラザン処理タルク(平均粒子径1.0μm)を調製した。
(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理タルクの調製)
タルク粒子(日本タルク社製、「SG−2000」)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水10重量部及び3−グリシドキシトリメトキシシラン2重量部を噴霧し、150℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理タルク(平均粒子径1.0μm)を調製した。
タルク粒子(日本タルク社製、「SG−2000」)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下にて攪拌しながら水10重量部及び3−グリシドキシトリメトキシシラン2重量部を噴霧し、150℃で80分間加熱した後に冷却し、ボールミルで解砕し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理タルク(平均粒子径1.0μm)を調製した。
(実施例1)
硬化性樹脂として、レゾルシノール型エポキシアクリレート(硬化性樹脂A)70重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(硬化性樹脂B)20重量部、及び、50%部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(硬化性樹脂D)10重量部とを所定の容器に配合し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、光ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BASF Japan社製、「イルガキュア651」)1重量部を配合して加熱混合させ、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部を混合攪拌し、充填剤としてヘキサメチルジシラザン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)15重量部、及び、熱硬化剤としてマロン酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製)0.8重量部を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合してシール剤を得た。
硬化性樹脂として、レゾルシノール型エポキシアクリレート(硬化性樹脂A)70重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(硬化性樹脂B)20重量部、及び、50%部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(硬化性樹脂D)10重量部とを所定の容器に配合し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、光ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BASF Japan社製、「イルガキュア651」)1重量部を配合して加熱混合させ、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部を混合攪拌し、充填剤としてヘキサメチルジシラザン処理シリカ(平均粒子径0.7μm)15重量部、及び、熱硬化剤としてマロン酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製)0.8重量部を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合してシール剤を得た。
(実施例2〜25、比較例1〜8)
硬化性樹脂及び充填剤を、表1〜4に記載された材料及び配合比とし、実施例1と同様にして、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合攪拌した後、更にセラミック3本ロールにて均一に混合することにより実施例2〜25、比較例1〜8の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
硬化性樹脂及び充填剤を、表1〜4に記載された材料及び配合比とし、実施例1と同様にして、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合攪拌した後、更にセラミック3本ロールにて均一に混合することにより実施例2〜25、比較例1〜8の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1〜4に示した。
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1〜4に示した。
(接着性)
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、2枚のTN配向膜付きアルカリガラス試験片(30×40mm)のうち一方に微小滴下し、これにもう一方のガラス試験片を十字状に貼り合わせたものに、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって接着試験片を得た。得られた接着試験片に対して、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/min)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が30kgf/cm2以上であった場合を「◎」、15kgf/cm2以上30kgf/cm2未満であった場合を「○」、10kgf/cm2以上15kgf/cm2未満であった場合を「△」、10kgf/cm2未満であった場合を「×」として評価した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、2枚のTN配向膜付きアルカリガラス試験片(30×40mm)のうち一方に微小滴下し、これにもう一方のガラス試験片を十字状に貼り合わせたものに、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって接着試験片を得た。得られた接着試験片に対して、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/min)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が30kgf/cm2以上であった場合を「◎」、15kgf/cm2以上30kgf/cm2未満であった場合を「○」、10kgf/cm2以上15kgf/cm2未満であった場合を「△」、10kgf/cm2未満であった場合を「×」として評価した。
(描画性)
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、脱泡処理をしてシール剤中の泡を取り除いた。その後、内径300μmの精密ノズル(武蔵エンジニアリング社製、「NH−0.3」を装着したディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、再び脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布し(塗布速度100mm/sec)、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置にて23℃、5.0Paの減圧下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルをメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶セルを各シール剤につき5枚ずつ作製した。この液晶セル内のシール剤を観察し、シール剤に断線不良も端部のうねりもなくきれいなラインが描けていた場合を「◎」、断線不良はないがシール剤の端部にわずかにうねりが生じていた場合を「○」、断線不良はないがシール剤の端部にはっきりとうねりが生じていた場合を「△」、断線不良が生じていた場合を「×」として評価した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、脱泡処理をしてシール剤中の泡を取り除いた。その後、内径300μmの精密ノズル(武蔵エンジニアリング社製、「NH−0.3」を装着したディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、再び脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布し(塗布速度100mm/sec)、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置にて23℃、5.0Paの減圧下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルをメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶セルを各シール剤につき5枚ずつ作製した。この液晶セル内のシール剤を観察し、シール剤に断線不良も端部のうねりもなくきれいなラインが描けていた場合を「◎」、断線不良はないがシール剤の端部にわずかにうねりが生じていた場合を「○」、断線不良はないがシール剤の端部にはっきりとうねりが生じていた場合を「△」、断線不良が生じていた場合を「×」として評価した。
(液晶汚染性(比抵抗保持率))
サンプル瓶に液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)1.0gを入れ、各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤0.02gを加えて振とうした後、120℃で1時間加熱した。室温(25℃)に戻ってから、液晶比抵抗測定装置(KEITHLEY Instruments社製、「6517A」)、電極に液体用電極(安藤電気社製、「LE−21 型」)を用い、標準温度湿度状態(20℃、65%RH)で液晶部分の液晶比抵抗を測定した。下記式により液晶比抵抗保持率を求め、液晶比抵抗保持率が0.1より高かった場合を「○」、液晶比抵抗保持率が0.1以下であった場合を「△」として液晶汚染性を評価した。
液晶比抵抗保持率=(シール剤添加後の使用液晶比抵抗/シール剤未添加での使用液晶比抵抗)×100
サンプル瓶に液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)1.0gを入れ、各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤0.02gを加えて振とうした後、120℃で1時間加熱した。室温(25℃)に戻ってから、液晶比抵抗測定装置(KEITHLEY Instruments社製、「6517A」)、電極に液体用電極(安藤電気社製、「LE−21 型」)を用い、標準温度湿度状態(20℃、65%RH)で液晶部分の液晶比抵抗を測定した。下記式により液晶比抵抗保持率を求め、液晶比抵抗保持率が0.1より高かった場合を「○」、液晶比抵抗保持率が0.1以下であった場合を「△」として液晶汚染性を評価した。
液晶比抵抗保持率=(シール剤添加後の使用液晶比抵抗/シール剤未添加での使用液晶比抵抗)×100
(液晶表示素子の色むら評価)
各実施例及び各比較例で得られたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。張り合わせ後のセルをメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を各シール剤につき5枚ずつ作製した。得られた液晶表示素子をAC3.5Vの電圧駆動をさせ、中間調のシール剤周辺を目視で観察した。シール剤部周辺に色むらが全く見られなかった場合を「○」、少し薄い色むらが見えた場合を「△」、はっきりとした濃い色むらがあった場合を「×」として評価した。
各実施例及び各比較例で得られたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。張り合わせ後のセルをメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を各シール剤につき5枚ずつ作製した。得られた液晶表示素子をAC3.5Vの電圧駆動をさせ、中間調のシール剤周辺を目視で観察した。シール剤部周辺に色むらが全く見られなかった場合を「○」、少し薄い色むらが見えた場合を「△」、はっきりとした濃い色むらがあった場合を「×」として評価した。
本発明によれば、接着性及び直線描画性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供する事ができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
Claims (9)
- レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートと、エポキシ基を有する樹脂とを含有する硬化性樹脂、並びに、表面をヘキサメチルジシラザンで処理された無機微粒子、及び/又は、表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された無機微粒子を含有する表面処理無機微粒子を含有し、
前記表面処理無機微粒子は、平均粒子径が0.1μm以上である
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 無機微粒子は、シリカであることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 表面処理無機微粒子の含有量が、硬化性樹脂100重量部に対して20〜160重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂中におけるレゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が20重量%以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂中におけるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が10重量%以上であることを特徴とする請求項5記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 表面処理無機微粒子は、平均粒子径が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4、5、6若しくは7記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項8記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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