JP6747188B2 - 電解質膜とフレームとの接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜とフレームとの接合体に関する。
従来から、燃料電池は、たとえば、電気自動車のような車両に搭載され、車両用モータを駆動させる電源として使用されている。
燃料電池は、燃料ガスと酸化剤ガスによって電力を生成する膜電極接合体と、隣り合う膜電極接合体を隔離しつつ生成された電力を通電するセパレータを、交互に複数積層している。膜電極接合体は、フレームによって支持された電解質膜を、アノードとカソードによって挟み込んで構成している。
フレーム(樹脂枠)の開口の縁の部分によって、電解質膜(高分子電解質膜)の外縁(外周縁)を支持する技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照。)。なお、燃料電池に関連して、特開2013−98155号公報に記載された技術が挙げられる。
ところで、電解質膜は、供給された媒体を吸収して膨潤し、その媒体を排出して収縮する。すなわち、電解質膜は、燃料電池の運転中に、伸び縮みするように変形する。
特開2009−181951号公報
したがって、特許文献1に記載された構成では、電解質膜が変形した場合、その電解質膜の外縁を支持するフレームの開口と干渉する虞がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜と、電解質膜の外縁を支持するフレームの開口との干渉を抑制できる接合体の提供を目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る電解質膜とフレームとの接合体は、電解質膜と、第1フレームと、第2フレームと、を有する。前記電解質膜は、燃料電池の膜電極接合体に用いる。前記第1フレームは、第1開口を備え前記電解質膜の外縁を一面の側から支持する。前記第2フレームは、第2開口を備え前記電解質膜の前記外縁を他面の側から支持する。前記第1開口の第1内縁は、前記電解質膜の前記一面に対面することなく前記電解質膜の前記外縁の側に向かって傾斜し、前記一面に最も近接した第1基端部と、前記一面から最も離間した第1先端部と、を備える。前記第2開口の第2内縁は、前記電解質膜の前記他面に対面しつつ前記第1開口の前記第1内縁と同一の方向に沿って傾斜し、前記他面に最も近接した第2基端部と、前記他面から最も離間した第2先端部と、を備える。ここで、前記第1フレームの前記第1基端部は、前記電解質膜の厚み方向に沿って前記第2フレームの前記第2基端部と同一となる位置に配置され、または前記位置よりも前記電解質膜の側端面に向かう側に配置される
電解質膜とフレームとの接合体によれば、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜と、電解質膜の外縁を支持するフレームの開口との干渉を抑制できる。
実施形態に係る燃料電池を示す斜視図である。 図1の燃料電池を分解して示す斜視図である。 図2の膜電極接合体を接合体とアノードとカソードに分解し、セパレータをアノード側セパレータとカソード側セパレータに分解して示す斜視図である。 図3の電解質膜とフレーム(第1フレームおよび第2フレーム)との接合体の領域4を示す斜視図である。 図4の接合体の領域5を示す端面図である。 図5の接合体の電解質膜が積層方向の一方に対して屈折した状態を模式的に示す端面図である。 図5の接合体の電解質膜が積層方向の他方に対して屈折した状態を模式的に示す端面図である。 接合体の製造方法を示すフローチャートである。 接合体の製造方法であって、上面に粘着剤を塗布した下部剥離紙、第2フレーム、および下面に第2接着剤を塗布した上部剥離紙の順に、下方から上方に向かって積層した状態の一部を示す模式図である。 図8Aの状態から引き続き、刃先がテーパ形状の切断刃によって、最下部に位置する下部剥離紙を除く積層部材を、上方から下方に向かって第2フレームの第2開口の形状に合わせて切断しつつ、切断部分を圧縮した状態を示す模式図である。 図8Bの状態から引き続き、切断刃を積層部材から離間させた状態を示す模式図である。 図8Cの状態から引き続き、第2フレームおよび上部剥離紙のうち、第2フレームの第2開口に位置する部分(中子)を除去した状態を示す模式図である。 図8Dの状態から引き続き、上部剥離紙から第2フレームに対して第2接着剤を転写させつつ、上部剥離紙を第2フレームから剥離した状態を示す模式図である。 図8Eの状態から引き続き、上面に第2接着剤が転写された第2フレームの第2開口の第2内縁に電解質膜の外縁を接着した状態を示す模式図である。 図8Fの状態から引き続き、電解質膜の外縁に対して、下面に第1接着剤が転写された第1フレームの第1開口の第1内縁を接着した状態を示す模式図である。 図8Gの状態から引き続き、第1フレームおよび第2フレームを圧着した後、第2フレームから下部剥離紙を除去した状態を示す模式図である。 実施形態の変形例に係る電解質膜とフレーム(第1フレームおよび第2フレーム)との接合体の要部を示す端面図である。 接合体の製造方法を示すフローチャートである。 接合体の製造方法であって、上面に粘着剤を塗布した下部剥離紙、第2フレーム、上面に第1接着剤および下面に第2接着剤を塗布した上部剥離紙、および第1フレームの順に、下方から上方に向かって積層した状態の一部を示す模式図である。 図11Aの状態から引き続き、刃先がテーパ形状の切断刃によって、最下部に位置する下部剥離紙を除く積層部材を、上方から下方に向かって第2フレームの第2開口の形状に合わせて切断しつつ、切断部分を圧縮した状態を示す模式図である。 図11Bの状態から引き続き、切断刃を積層部材から離間させた状態を示す模式図である。 図11Cの状態から引き続き、第2フレーム、上部剥離紙、および第1フレームのうち、第2フレームの第2開口に位置する部分を除去した状態を示す模式図である。 図11Dの状態から引き続き、上部剥離紙から第2フレームに対して第2接着剤を転写させつつ、上部剥離紙および第1フレームを第2フレームから剥離した状態を示す模式図である。 図11Eの状態から引き続き、上面に第2接着剤が転写された第2フレームの第2開口の第2内縁に電解質膜の外縁を接着し、上部剥離紙から第1フレームに対して第1接着剤を転写させつつ、上部剥離紙を第1フレームから除去した状態を示す模式図である。 図11Fの状態から引き続き、電解質膜の外縁に対して、下面に第1接着剤が転写された第1フレームの第1開口の第1内縁を接着した状態を示す模式図である。 図11Gの状態から引き続き、第1フレームおよび第2フレームを圧着した後、第2フレームから下部剥離紙を除去した状態を示す模式図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面において、各部材の大きさや比率は、実施形態の理解を容易にするために誇張し、実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
図7および図10を除く各図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、燃料電池100の方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、燃料電池100を構成する複数の燃料電池セル110の積層方向X(厚み)を示している。Yによって表す矢印の方向は、各々の燃料電池セル110の長手方向Y(横幅)を示している。Zによって表す矢印の方向は、各々の燃料電池セル110の短手方向Z(高さ)を示している。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る燃料電池100を示す斜視図である。図2は、図1の燃料電池100を分解して示す斜視図である。図3は、図2の膜電極接合体110Mを接合体110Nとアノード116とカソード117に分解し、セパレータ110Sをアノード側セパレータ118とカソード側セパレータ119に分解して示す斜視図である。図4は、図3の電解質膜111とフレーム(第1フレーム112および第2フレーム113)との接合体110Nの領域4を示す斜視図である。図5は、図4の接合体110Nの領域5を示す端面図である。図6Aは、図5の接合体110Nの電解質膜111が積層方向Xの一方に対して屈折した状態を模式的に示す端面図である。図6Bは、図5の接合体110Nの電解質膜111が積層方向Xの他方に対して屈折した状態を模式的に示す端面図である。
図5を参照して、実施形態に係る電解質膜111とフレーム(第1フレーム112および第2フレーム113)との接合体110Nは、概説すれば、電解質膜111と、第1フレーム112と、第2フレーム113と、を有する。電解質膜111は、燃料電池100の膜電極接合体110Mに用いる。第1フレーム112は、第1開口112jを備え電解質膜111の外縁111cを一面111aの側から支持する。第2フレーム113は、第2開口113jを備え電解質膜111の外縁111cを他面111bの側から支持する。第1開口112jの第1内縁112kは、電解質膜111の外縁111cの側に向かって傾斜し、一面111aに最も近接した第1基端部112pと、一面111aから最も離間した第1先端部112qと、を備える。第2開口113jの第2内縁113kは、第1開口112jの第1内縁112kと同一の方向に沿って傾斜し、他面111bに最も近接した第2基端部113pと、他面111bから最も離間した第2先端部113qと、を備える。ここで、第1フレーム112の第1基端部112pは、第2フレーム113の第2基端部113pを境にして、電解質膜111の側端面111dに向かう側に位置する。以下、接合体110Nを含む燃料電池100の各構成を説明する。
燃料電池100は、たとえば、電気自動車のような車両に搭載され、車両用モータを駆動させる電源として使用する。燃料電池100は、電力を生成する複数の燃料電池セル110を、電力を外部に取り出す集電ユニット120によって挟み込み、筐体ユニット130によって加圧して構成している。以下、燃料電池100の各構成を説明する。
燃料電池セル110の構成を詳述する。
燃料電池セル110は、燃料ガスと酸化剤ガスによって電力を生成する。
燃料電池セル110は、図2および図3に示すように、燃料ガスと酸化剤ガスによって電力を生成する膜電極接合体110M、および隣り合う膜電極接合体110Mを隔離しつつ生成された電力を通電するセパレータ110Sを含んでいる。互いに隣り合う燃料電池セル110は、その外周を熱硬化性樹脂によって密封している。
膜電極接合体110Mは、外部から供給された燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(酸素を含有した空気または純酸素)を化学反応させることによって電力を生成する。
膜電極接合体110Mは、図3〜図5に示すように、絶縁体からなる電解質膜111と電解質膜111を保持する一対の第1フレーム112および第2フレーム113等を有する接合体110N、アノード116、およびカソード117を含んでいる。
膜電極接合体110Mは、接合体110Nの電解質膜111をアノード116とカソード117によって挟み込んで構成している。膜電極接合体110Mは、一般的にMEA(membrane electrode assembly)と称している。
(接合体110Nの構成)
接合体110Nは、図3〜図5に示すように、絶縁体からなる電解質膜111、電解質膜111を積層方向Xに沿った一面111aの側から保持する第1フレーム112、電解質膜111を積層方向Xに沿った他面111bの側から保持する第2フレーム113、電解質膜111と第1フレーム112とを接合する第1接着剤114、および電解質膜111と第2フレーム113とを接合する第2接着剤115を有している。
電解質膜111は、燃料電池100の膜電極接合体110Mに用いる。
電解質膜111は、絶縁体からなり、イオンを通過させつつ電子の移動を阻害する。電解質膜111は、長板形状に形成している。電解質膜111は、固体の高分子材料からなる。固体高分子材料には、水素イオンを伝導し、湿潤状態で良好な電気伝導性を有するフッ素系樹脂から構成している。
第1フレーム112は、第1開口112jを備え電解質膜111の外縁111cを一面111aの側から支持する。
第1フレーム112は、電解質膜111よりも大きい長板形状に形成している。第1フレーム112は、その中央部分に、電解質膜111の形状よりも若干小さい長方形状の第1開口112jを備えている。第1フレーム112は、その第1開口112jの第1内縁112kに、電解質膜111の一面の外縁111cを隣り合わせて配置している。第1フレーム112は、電気絶縁性を有する樹脂からなる。第1フレーム112には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)、およびPI(ポリイミド)を用いることができる。
ここで、第1フレーム112において、第1開口112jの第1内縁112kは、図5に示すように、電解質膜111の外縁111cの側に向かって傾斜している。第1内縁112kは、電解質膜111の一面111aに最も近接した第1基端部112pと、一面111aから最も離間した第1先端部112qを備えている。
第1フレーム112は、その長手方向Yの一端の側に、短手方向Zに沿ってカソードガス供給口112a、冷却流体供給口112b、およびアノードガス供給口112cを備えている。同様に、第1フレーム112は、その長手方向Yの他端の側に、短手方向Zに沿ってアノードガス排出口112d、冷却流体排出口112e、およびカソードガス排出口112fを備えている。
第2フレーム113は、第2開口113jを備え電解質膜111の外縁111cを他面111bの側から支持する。
第2フレーム113は、第1フレーム112と同様の外形形状からなる。第2フレーム113は、その第2開口113jの第2内縁113kに、電解質膜111の他面の外縁111cを隣り合わせて配置している。第2フレーム113は、第1フレーム112と同様に、電気絶縁性を有する樹脂からなる。
ここで、第2フレーム113において、第2開口113jの第2内縁113kは、図5に示すように、第1フレーム112の第1開口112jの第1内縁112kと同一の方向に沿って傾斜している。第2内縁113kは、電解質膜111の他面111bに最も近接した第2基端部113pと、他面111bから最も離間した第2先端部113qを備えている。
特に、第2フレーム113の第2基端部113pを境にして、第1フレーム112の第1基端部112pを、電解質膜111の側端面111dに向かう側に位置させている。一形態として、第2フレーム113の第2基端部113pの位置と、第1フレーム112の第1基端部112pの位置が、電解質膜111の厚み方向に沿って同一となるように配置している。この形態に限定されることはなく、第2フレーム113の第2基端部113pに対して、第1フレーム112の第1基端部112pを図5中左側にオフセットさせて配置してもよい。
第2フレーム113の第2開口113jの第2内縁113kは、第1フレーム112の第1開口112jの第1内縁112kと共に、第2フレーム113から第1フレーム112に向かって、電解質膜111の側端面111dの側に傾斜している。したがって、第1フレーム112の第1開口112jは、第2フレーム113の第2開口113jと比較して大きい。すなわち、接合体110Nは、第2フレーム113の第2開口113jから、第1フレーム112の第1開口112jにかけて、末広がりの形状となっている。
第2フレーム113は、第1フレーム112と同様に、カソードガス供給口、冷却流体供給口、アノードガス供給口、アノードガス排出口、冷却流体排出口、およびカソードガス排出口を備えている。
第1接着剤114は、少なくとも電解質膜111と第1フレーム112とが接する部分を接着する。
第1接着剤114は、第1フレーム112の全面に塗布する。第1接着剤114は、第1フレーム112の第1開口112jの第1内縁112kに対して環状に塗布してもよい。第1接着剤114は、電気絶縁性を有する接着剤からなる。
第2接着剤115は、少なくとも電解質膜111と第2フレーム113とが接する部分を接着する。
第2接着剤115は、第2フレーム113の全面に塗布する。第2接着剤115は、第2フレーム113の第2開口113jの第2内縁113kに対して環状に塗布してもよい。第2接着剤115は、第1接着剤114と同一の材質からなる。
ここで、図6Aに示すように、接合体110Nにおいて、第1フレーム112の第1内縁112kは、電解質膜111の一面111aに対面することなく、第1基端部112pから第1先端部112qにかけて斜面を形成している。さらに、第1フレーム112の第1基端部112pは、第2フレーム113の第2基端部113pから電解質膜111側の中央側に向かって突出していない。したがって、電解質膜111が膨潤または収縮して第1フレーム112の側に変形しても、電解質膜111が第1内縁112kの斜面に対して非常に接触し難く、電解質膜111が第1内縁112kに食い込むことを防止できる。このようなことから、接合体110Nは、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜111と、電解質膜111の外縁111cを支持する第1フレーム112の第1開口112jとの干渉を抑制できる。すなわち、電解質膜111が膨潤または収縮に伴って変形した場合、その電解質膜111と第1フレーム112が接触している部分の応力集中を緩和できる。この結果、電解質膜111の機械的な耐久性が向上する。
一方、図6Bに示すように、接合体110Nにおいて、第2フレーム113の第2内縁113kは、電解質膜111の他面111bに対面しつつ、第2基端部113pから第2先端部113qにかけて鈍角な斜面を形成している。したがって、電解質膜111が膨潤または収縮して第2フレーム113の側に変形しても、電解質膜111が第2内縁113kの斜面に面接触して、電解質膜111が第2内縁113kに食い込むことを防止できる。このようなことから、接合体110Nは、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜111と、電解質膜111の外縁111cを支持する第2フレーム113の第2開口113jとの干渉を抑制できる。すなわち、電解質膜111が膨潤または収縮に伴って変形した場合、その電解質膜111と第2フレーム113が接触している部分の応力集中を緩和できる。この結果、電解質膜111の機械的な耐久性が向上する。
アノード116は、電解質膜111の一面111aに接している。
アノード116は、薄板状に形成し、電解質膜111よりも若干小さい。アノード116は、電極触媒層、撥水層、およびガス拡散層を積層して構成している。アノード116の電極触媒層は、導電性の担体に触媒成分が担持された電極触媒と高分子電解質を含んでいる。アノード116のガス拡散層は、充分なガス拡散性、および導電性を有する炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、カーボンペーパ、またはカーボンフェルトからなる。
カソード117は、電解質膜111の他面111bに接している。
カソード117は、アノード116と同様の形状および構造からなる。カソード117は、アノード116と材質を異ならせている。
セパレータ110Sは、隣り合う膜電極接合体110Mを隔離しつつ、各々の膜電極接合体110Mによって生成された電力を通電する。
セパレータ110Sは、図2および図3に示すように、アノード側セパレータ118とカソード側セパレータ119を含み、それらを接合して構成している。
アノード側セパレータ118は、膜電極接合体110Mのアノード116に接している。
アノード側セパレータ118は、長板形状に形成している。アノード側セパレータ118は、長手方向Yおよび短手方向Zに沿った長さが第1フレーム112の長さと同等である。アノード側セパレータ118は、導電性材料を有する金属からなる。
アノード側セパレータ118は、水素と冷却水を互いに隔てて流す流路部118gを備えている。流路部118gは、長手方向Yに沿って延在する凹凸形状を短手方向Zに沿って一定の間隔で備えたものである。流路部118gは、積層方向Xに沿ってアノード116と対面している。アノード側セパレータ118の流路部118gとアノード116との隙間を、アノード116に対して水素を供給する流路として構成している。
アノード側セパレータ118は、その長手方向Yの一端の側に、短手方向Zに沿ってカソードガス供給口118a、冷却流体供給口118b、およびアノードガス供給口118cを備えている。同様に、アノード側セパレータ118は、その長手方向Yの他端の側に、短手方向Zに沿ってアノードガス排出口118d、冷却流体排出口118e、およびカソードガス排出口118fを備えている。
カソード側セパレータ119は、膜電極接合体110Mのカソード117に当接している。
カソード側セパレータ119は、アノード側セパレータ118と同様に、長板形状であって、導電性材料を有する金属からなる。
カソード側セパレータ119は、図3に示すように、空気と冷却水を互いに隔てて流す流路部119gを備えている。流路部119gは、流路部118gと同様の形状からなる。流路部119gは、積層方向Xに沿ってカソード117と対面している。カソード側セパレータ119の流路部119gとカソード117との隙間を、カソード117に対して空気を供給する流路として構成している。さらに、カソード側セパレータ119の流路部119gとアノード側セパレータ118の流路部118gとの隙間を、冷却水を供給する流路として構成している。
カソード側セパレータ119は、アノード側セパレータ118と同様に、カソードガス供給口119a、冷却流体供給口119b、アノードガス供給口119c、アノードガス排出口119d、冷却流体排出口119e、およびカソードガス排出口119fを備えている。
集電ユニット120の構成を詳述する。
集電ユニット120は、複数の燃料電池セル110によって生成された電力を外部に取り出す。
集電ユニット120は、図1および図2に示すように、複数の燃料電池セル110を積層方向Xに沿って挟み込んで集電する一対の第1集電板121および第2集電板122を含んでいる。
第1集電板121は、複数積層した燃料電池セル110の一方(図2中の左側)の側から集電する。
第1集電板121は、長板形状に形成している。第1集電板121は、長手方向Yおよび短手方向Zに沿った長さが膜電極接合体110Mの長さと同等であって、積層方向Xに沿った厚みが膜電極接合体110Mの厚みと同等である。
第1集電板121は、その中央に長方形状の集電部121hを備えている。集電部121hは、ガスを透過させない緻密質カーボンのような導電性材料からなり、アノード116の外形よりも若干小さい薄板状に形成している。集電部121hは、複数積層した燃料電池セル110の一方の最外層(図2中の左側)に位置する膜電極接合体110Mのアノード116に接している。集電部121hは、その中央から突出した円柱形状の送電部121iを備えている。
第1集電板121は、その長手方向Yの一端の側に、短手方向Zに沿ってカソードガス供給口121a、冷却流体供給口121b、およびアノードガス供給口121cを備えている。同様に、第1集電板121は、その長手方向Yの他端の側に、短手方向Zに沿ってアノードガス排出口121d、冷却流体排出口121e、およびカソードガス排出口121fを備えている。
第2集電板122は、複数積層した燃料電池セル110の他方(図2中の右側)の側から集電する。
第2集電板122は、第1集電板121の集電部121hと同様の構成からなる集電部122hを備えている。集電部122hは、複数積層した燃料電池セル110の他方の最外層(図2中の右側)に位置する膜電極接合体110Mのカソード117に接している。第2集電板122は、第1集電板121の送電部121iと同様の構成からなる送電部を備えている。
第2集電板122は、第1集電板121と同様の外形形状からなる。第2集電板122は、第1集電板121と異なり、カソードガス供給口、冷却流体供給口、アノードガス供給口、アノードガス排出口、冷却流体排出口、およびカソードガス排出口を備えていない。
筐体ユニット130の構成を詳述する。
筐体ユニット130は、集電ユニット120によって挟み込まれた状態の複数の燃料電池セル110を加圧しつつ保護する。
筐体ユニット130は、図1および図2に示すように、集電ユニット120を介して複数の燃料電池セル110を加圧する一対のエンドプレート131およびエンドプレート132、一対のエンドプレート131およびエンドプレート132を締結する一対の締結板133、一対のエンドプレート131およびエンドプレート132を補強する補強板134、および各構成部材をねじ止めするネジを含んでいる。
エンドプレート131は、第1集電板121(図2中の左側)の側から複数の燃料電池セル110を加圧する。
エンドプレート131は、長板形状に形成している。エンドプレート131は、長手方向Yおよび短手方向Zに沿った長さが第1集電板121の長さと同等であって、積層方向Xに沿った厚みが第1集電板121の厚みよりも十分に厚い。エンドプレート131は、金属からなり、第1集電板121と接する部分に絶縁層を備えている。
エンドプレート131は、その長手方向Yの一端の側に、短手方向Zに沿ってカソードガス供給口131a、冷却流体供給口131b、およびアノードガス供給口131cを備えている。同様に、エンドプレート131は、その長手方向Yの他端の側に、短手方向Zに沿ってアノードガス排出口131d、冷却流体排出口131e、およびカソードガス排出口131fを備えている。エンドプレート131は、第1集電板121の送電部121iを挿通させる貫通孔131nを備えている。
エンドプレート132は、第2集電板122(図2中の右側)の側から複数の燃料電池セル110を加圧する。
エンドプレート132は、エンドプレート131と同様の外形形状からなる。エンドプレート132は、エンドプレート131と異なり、カソードガス供給口、冷却流体供給口、アノードガス供給口、アノードガス排出口、冷却流体排出口、およびカソードガス排出口を備えていない。エンドプレート132は、エンドプレート131と同様に、第2集電板122の送電部を挿通させる貫通孔132nを備えている。
一対の締結板133は、一対のエンドプレート131およびエンドプレート132の間隔を一定に維持しつつ、燃料電池セル110の上面および下面を保護する。
一対の締結板133は、平板状に形成している。一対の締結板133は、十分な強度を備えた金属からなる。一対の締結板133は、上下に対面するように水平に延在させた状態において、複数の燃料電池セル110を加圧している一対のエンドプレート131およびエンドプレート132に対して、複数のネジを用いて固定している。一対の締結板133は、燃料電池セル110と集電ユニット120を上方および下方から被覆して保護している。
一対の補強板134は、一対のエンドプレート131およびエンドプレート132の間隔を一定に維持しつつ燃料電池セル110の両側面を保護する。
補強板134は、長板形状に形成している。補強板134は、十分な強度を備えた金属からなる。一対の補強板134は、左右に対面するように短手方向Zに沿って起立させた状態において、複数の燃料電池セル110を加圧している一対のエンドプレート131およびエンドプレート132に対して、複数のネジを用いて固定している。一対の補強板134は、燃料電池セル110と集電ユニット120を側方から被覆して保護している。
(接合体110Nの製造方法)
図7は、接合体110Nの製造方法を示すフローチャートである。図8A〜図8Hは、接合体110Nの製造方法を示す模式図である。
まず、図8Aに示すように、下部剥離紙201、第2フレーム113および上部剥離紙202の順に、下方から上方に向かって積層する。下部剥離紙201には、その上面に粘着剤201aを塗布している。上部剥離紙202には、その下面に第2接着剤115を塗布している(図7のS11)。
つぎに、図8Bに示すように、刃先がテーパ形状(直角三角形状)の切断刃203によって、最下部に位置する下部剥離紙201を除く積層部材を、上方から下方に向かって第2フレーム113の第2開口113jの形状に合わせて切断しつつ、切断部分を圧縮してテーパ形状に形成する。切断刃203の角度は、たとえば、30°〜45°である。製造工程の最後まで下部剥離紙201を切断しない(ハーフカットする)ことから、下部剥離紙201の剛性を保って、長尺状の積層部材を連続的に搬送しつつ、量産性を維持して切断や積層の加工を行うことができる(図7のS12)。
つぎに、図8Cに示すように、切断刃203を積層部材から離間させる(図7のS13)。
つぎに、図8Dに示すように、第2フレーム113および上部剥離紙202のうち、第2フレーム113の第2開口113jに位置する部分(中子)を除去する(図7のS14)。
つぎに、図8Eに示すように、上部剥離紙202を第2フレーム113から剥離する。そのときに、上部剥離紙202から第2フレーム113に対して第2接着剤115が転写される(図7のS15)。
つぎに、図8Fに示すように、上面に第2接着剤115が転写された第2フレーム113の第2開口113jに対して、電解質膜111の外縁111cを接着する(図7のS16)。
つぎに、下面に第1接着剤114が転写された第1フレーム112は、上面に第2接着剤115が転写された第2フレーム113を製造する方法に準じて、別途製造する。その上で、図8Gに示すように、電解質膜111の外縁111cに対して、下面に第1接着剤114が転写された第1フレーム112の第1開口112jを接着する(図7のS17)。
つぎに、図8Hに示すように、第1フレーム112および第2フレーム113を圧着する。さらに、第2フレーム113から下部剥離紙201を除去する。下部剥離紙201に塗布されている粘着剤201aは、第2フレーム113に転写されない(図7のS18)。
以上、説明した実施形態の作用効果を説明する。
電解質膜111とフレーム(第1フレーム112および第2フレーム113)との接合体110Nは、電解質膜111と、第1フレーム112と、第2フレーム113と、を有する。電解質膜111は、燃料電池100の膜電極接合体110Mに用いる。第1フレーム112は、第1開口112jを備え電解質膜111の外縁111cを一面111aの側から支持する。第2フレーム113は、第2開口113jを備え電解質膜111の外縁111cを他面111bの側から支持する。第1開口112jの第1内縁112kは、電解質膜111の外縁111cの側に向かって傾斜し、一面111aに最も近接した第1基端部112pと、一面111aから最も離間した第1先端部112qと、を備える。第2開口113jの第2内縁113kは、第1開口112jの第1内縁112kと同一の方向に沿って傾斜し、他面111bに最も近接した第2基端部113pと、他面111bから最も離間した第2先端部113qと、を備える。ここで、第1フレーム112の第1基端部112pは、第2フレーム113の第2基端部113pを境にして、電解質膜111の側端面111dに向かう側に位置する。
かかる接合体110Nによれば、第1開口112jの第1内縁112kは、電解質膜111の一面111aに対面することなく、第1基端部112pから第1先端部112qにかけて斜面を形成している。さらに、第1フレーム112の第1基端部112pは、第2フレーム113の第2基端部113pから電解質膜111側の中央側に向かって突出していない。したがって、電解質膜111が膨潤または収縮して第1フレーム112の側に変形しても、電解質膜111が第1内縁112kの斜面に対して非常に接触し難く、電解質膜111が第1内縁112kに食い込むことを防止できる。
一方、接合体110Nにおいて、第2開口113jの第2内縁113kは、電解質膜111の他面111bに対面しつつ、第2基端部113pから第2先端部113qにかけて斜面を形成している。したがって、電解質膜111が膨潤または収縮して第2フレーム113の側に変形しても、電解質膜111が第2内縁113kの斜面に面接触して、電解質膜111が第2内縁113kに食い込むことを防止できる。
このようなことから、接合体110Nは、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜111と、電解質膜111の外縁111cを支持するフレーム(第1フレーム112および第2フレーム113)の開口(第1開口112jおよび第2開口113j)との干渉を抑制できる。
接合体110Nは、第1内縁112kが、第1基端部112pから電解質膜111の外縁111cの側に向かって傾斜している。第1フレーム112の第1開口112jが、第2フレーム113の第2開口113jよりも大きい。ここで、電解質膜111の一面111aの側に、膜電極接合体110Mに用いるアノード116を臨ませることが好ましい。
かかる接合体110Nによれば、燃料電池100の運転時に、電解質膜111が、カソード117側から応力を受けてアノード116側に向かって変形しても、第2開口113jよりも大きい第1開口112jに対面したアノード116との、過度な干渉を回避することができる。なお、燃料電池100の運転時に、カソード117とアノード116とで圧力差が生じ、カソード117の方が相対的に高圧になるために、上記構成とする。
接合体110Nは、少なくとも電解質膜111と第1フレーム112とが接する部分を第1接着剤114によって接合し、少なくとも電解質膜111と第2フレーム113とが接する部分を第2接着剤115によって接合することが好ましい。
かかる接合体110Nによれば、第1フレーム112と第2フレーム113によって、第1接着剤114および第2接着剤115を介して、電解質膜111を十分に固定して支持することができる。
電解質膜111とフレーム(第1フレーム112および第2フレーム113)との接合体110Nの製造方法は、燃料電池100の膜電極接合体110Mに用いる電解質膜111の外縁111cを一面111aの側から支持する第1フレーム112における第1開口112jの第1内縁112kを、電解質膜111の外縁111cの側に向かって傾斜するように切断して形成し、電解質膜111の外縁111cを他面111bの側から支持する第2フレーム113における第2開口113jの第2内縁113kを、第1内縁112kと同一の方向に沿って傾斜するように切断して形成し、形成した第1内縁112kは、一面111aに最も近接した第1基端部112pと、一面111aから最も離間した第1先端部112qと、を備え、形成した第2内縁113kは、他面111bに最も近接した第2基端部113pと、他面111bから最も離間した第2先端部113qと、を備え、第1フレーム112の第1基端部112pが、第2フレーム113の第2基端部113pを境にして、電解質膜111の側端面111dに向かう側に位置するように、膜電極接合体110Mを第1フレーム112と第2フレーム113とによって挟み込んで積層する。
かかる接合体110Nの製造方法によれば、非常に簡便な方法によって、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜111と、電解質膜111の外縁111cを支持するフレーム(第1フレーム112および第2フレーム113)の開口(第1開口112jおよび第2開口113j)との干渉を抑制できる接合体110Nを製造することができる。
接合体110Nの製造方法は、電解質膜111と第1フレーム112とを第1接着剤114によって接合し、電解質膜111と第2フレーム113とを第2接着剤115によって接合することが好ましい。
かかる接合体110Nの製造方法によれば、第1接着剤114および第2接着剤115を用い、電解質膜111と第1フレーム112および第2フレーム113を十分に固定することができる。
(実施形態の変形例)
図9は、実施形態の変形例に係る電解質膜111とフレーム(第1フレーム312および第2フレーム313)との接合体310Nの要部を示す端面図である。図10は、接合体310Nの製造方法を示すフローチャートである。図11A〜図11Hは、接合体310Nの製造方法を示す模式図である。
実施形態の変形例の電解質膜111とフレーム(第1フレーム312および第2フレーム313)との接合体310Nは、第1フレーム312の第1内縁312kおよび第2フレーム313の第2内縁313k等を電解質膜111に対して一直線上に傾斜させた点において、上述した実施形態と相違する。
実施形態の変形例では、上述した実施形態とは異なる接合体310Nの構成および製造方法について説明する。
(接合体310Nの構成)
接合体310Nは、第1フレーム312の第1内縁312k、硬化した第1接着剤114の第1端部114a、硬化した第2接着剤115の第2端部115a、および第2フレーム313の第2内縁313kが、電解質膜111に対して一直線上に傾斜している。すなわち、第1フレーム312の第1内縁312kと硬化した第1接着剤114の第1端部114aによって一つの連続した斜面を形成している。同様に、硬化した第2接着剤115の第2端部115aと第2フレーム313の第2内縁313kによって一つの連続した斜面を形成している。
接合体310Nにおいて、第1内縁312kと第1端部114aからなる斜面と、第2端部115aと第2内縁313kからなる斜面は、電解質膜111を介して、一つの斜面を構成している。すなわち、接合体310Nは、第2フレーム313の第2開口313jから、第1フレーム312の第1開口312jにかけて、末広がりの形状となっている。
(接合体310Nの製造方法)
まず、図11Aに示すように、下部剥離紙201、第2フレーム313、上部剥離紙202、および第1フレーム312の順に、下方から上方に向かって積層する。下部剥離紙201には、その上面に粘着剤201aを塗布している。上部剥離紙202には、その上面に第1接着剤114および下面に第2接着剤115を塗布している(図10のS21)。
つぎに、図11Bに示すように、刃先がテーパ形状(直角三角形状)の切断刃203によって、最下部に位置する下部剥離紙201を除く積層部材を、上方から下方に向かって第2フレーム313の第2開口313jの形状に合わせて切断しつつ、切断部分を圧縮してテーパ形状に形成する。後の工程によって電解質膜111と入れ替える上部剥離紙202の厚みは、電解質膜111の厚みと等しい。
このようにして、第1フレーム312の第1内縁312k、第1接着剤114の第1端部114a、第2接着剤115の第2端部115a、および第2フレーム313の第2内縁313kを、同一の角度によって一直線上に傾斜させる。特に、切断刃203によって切断しつつ、第1フレーム312の第1内縁312kと、第2フレーム313の第2内縁313kの相対的な位置合わせを行うことができる。したがって、量産性に優れている。製造工程の最後まで下部剥離紙201を切断しない(ハーフカットする)ことから、下部剥離紙201の剛性を保って、長尺状の積層部材を連続的に搬送しつつ、量産性を維持して切断や積層の加工を行うことができる(図10のS22)。
つぎに、図11Cに示すように、切断刃203を積層部材から離間させる(図10のS23)。
つぎに、図11Dに示すように、第2フレーム313、上部剥離紙202、および第1フレーム312のうち、第2フレーム313の第2開口313jに位置する部分(中子)を除去する(図10のS24)。
つぎに、図11Eに示すように、上部剥離紙202および第1フレーム312を第2フレーム313から剥離する。そのときに、上部剥離紙202から第2フレーム313に対して第2接着剤115が転写される(図10のS25)。
つぎに、図11Fに示すように、上面に第2接着剤115が転写された第2フレーム313の第2開口313jに対して、電解質膜111の外縁111cを接着する。さらに、図11Eに示す製造工程における上部剥離紙202を、第1フレーム312から除去する。そのときに、上部剥離紙202から第1フレーム312に対して第1接着剤114が転写される(図10のS26)。
つぎに、図11Gに示すように、電解質膜111の外縁111cに対して、下面に第1接着剤114が転写された第1フレーム312の第1開口312jを接着する(図10のS27)。
つぎに、図11Hに示すように、第1フレーム312および第2フレーム313を圧着する。さらに、第2フレーム313から下部剥離紙201を除去する。下部剥離紙201に塗布されている粘着剤201aは、第2フレーム313に転写されない(図10のS28)。
以上、説明した実施形態の変形例の作用効果を説明する。
電解質膜111とフレーム(第1フレーム312および第2フレーム313)との接合体310Nは、第1フレーム312の第1内縁312k、第1接着剤114の第1端部114a、第2接着剤115の第2端部115a、および第2フレーム313の第2内縁313kが、電解質膜111に対して一直線上に傾斜している。
かかる接合体310Nによれば、第1開口312jの第1内縁312kは、硬化した第1接着剤114の第1端部114aと共に、電解質膜111の一面111aに対面することなく、第1基端部312pから第1先端部312qにかけて斜面を形成している。さらに、第1フレーム312の第1基端部312pおよび硬化した第1接着剤114の第1端部114aは、第2フレーム313の第2基端部313pから電解質膜111側の中央側に向かって突出していない。したがって、電解質膜111が膨潤または収縮して第1フレーム312の側に変形しても、電解質膜111が第1内縁312kおよび第1端部114aからなる斜面に対して非常に接触し難く、電解質膜111が第1内縁312kに食い込むことを防止できる。
一方、接合体310Nにおいて、第2開口313jの第2内縁313kは、硬化した第2接着剤115の第2端部115aと共に、電解質膜111の他面111bに対面しつつ、第2基端部313pから第2先端部313qにかけて斜面を形成している。したがって、電解質膜111が膨潤または収縮して第2フレーム313の側に変形しても、電解質膜111が第2内縁313kおよび第2端部115aからなる斜面に面接触して、電解質膜111が第2内縁313kに食い込むことを防止できる。
このようなことから、接合体310Nは、膨潤または収縮に伴って変形する電解質膜111と、電解質膜111の外縁111cを支持するフレーム(第1フレーム312および第2フレーム313)の開口(第1開口312jおよび第2開口313j)との干渉を抑制できる。
接合体310Nの製造方法は、第1内縁312kと第2内縁313kとが、電解質膜111に対して一直線上に傾斜して並ぶように、第1フレーム312と第2フレーム313とを一の切断刃203によって連続して切断して、第1内縁312kおよび第2内縁313kを形成することが好ましい。
かかる接合体310Nの製造方法によれば、非常に簡便な方法によって、第1開口312jと第2開口313jの相対的な位置決めを行うことができ、かつ、第1フレーム312と第2フレーム313を連続して成形することができる。したがって、接合体310Nの製造方法によれば、接合体310Nを構成する第1フレーム312と第2フレーム313の開口部分における位置決め精度を一定に保つことができ、かつ、接合体310Nの製造に要するタクトを短縮することができる。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
100 燃料電池、
110 燃料電池セル、
110M 膜電極接合体、
110N,310N 接合体、
111 電解質膜、
111a 一面、
111b 他面、
111c 外縁、
111d 側端面、
112,312 第1フレーム、
112j,312j 第1開口、
112k,312k 第1内縁、
112p,312p 第1基端部、
112q,312q 第1先端部、
113,313 第2フレーム、
113j,313j 第2開口、
113k,313k 第2内縁、
113p,313p 第2基端部、
113q,313q 第2先端部、
114 第1接着剤、
114a 第1端部、
115 第2接着剤、
115a 第2端部、
116 アノード、
117 カソード、
110S セパレータ、
118 アノード側セパレータ、
119 カソード側セパレータ、
120 集電ユニット、
121 第1集電板、
122 第2集電板、
130 筐体ユニット、
131,132 エンドプレート、
133 締結板、
134 補強板、
201 下部剥離紙、
201a 粘着剤、
202 上部剥離紙、
203 切断刃、
X (燃料電池100を構成する複数の燃料電池セル110の)積層方向、
Y (各々の燃料電池セル110の)長手方向、
Z (各々の燃料電池セル110)の短手方向。

Claims (4)

  1. 燃料電池の膜電極接合体に用いる電解質膜と、
    第1開口を備え前記電解質膜の外縁を一面の側から支持する第1フレームと、
    第2開口を備え前記電解質膜の前記外縁を他面の側から支持する第2フレームと、を有し、
    前記第1開口の第1内縁は、前記電解質膜の前記一面に対面することなく前記電解質膜の前記外縁の側に向かって傾斜し、前記一面に最も近接した第1基端部と、前記一面から最も離間した第1先端部と、を備え、
    前記第2開口の第2内縁は、前記電解質膜の前記他面に対面しつつ前記第1開口の前記第1内縁と同一の方向に沿って傾斜し、前記他面に最も近接した第2基端部と、前記他面から最も離間した第2先端部と、を備え、
    前記第1フレームの前記第1基端部は、前記電解質膜の厚み方向に沿って前記第2フレームの前記第2基端部と同一となる位置に配置され、または前記位置よりも前記電解質膜の側端面に向かう側に配置される、電解質膜とフレームとの接合体。
  2. 記電解質膜の前記一面の側に、前記膜電極接合体に用いるアノードを臨ませる、請求項1に記載の電解質膜とフレームとの接合体。
  3. 少なくとも前記電解質膜と前記第1フレームとが接する部分を第1接着剤によって接合し、少なくとも前記電解質膜と前記第2フレームとが接する部分を第2接着剤によって接合した、請求項1または2に記載の電解質膜とフレームとの接合体。
  4. 前記第1フレームの前記第1内縁、前記第1接着剤の前記第1開口に臨んでいる第1端部、前記第2接着剤の前記第2開口に臨んでいる第2端部、および前記第2フレームの前記第2内縁は、前記電解質膜に対して一直線上に傾斜した、請求項3に記載の電解質膜とフレームとの接合体。
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