JP6746877B2 - 化粧シートの製造方法、及び同調エンボス化粧材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目したもので、表面保護層を透明熱可塑性樹脂層に強固に固定することが可能な化粧シート、同調エンボス化粧材、及び化粧シートの製造方法を提供することを目的としている。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の同調エンボス化粧材1は、図1に示すように、基材シート2の一方の面側に、絵柄印刷層3、透明熱可塑性樹脂層4、表面保護層5、及び艶調整層6がこの順に積層されて化粧シート7が形成され、基材シート2の他方の面側に、プライマー層8を介して基材9が貼り合わされて構成される。
基材シート2は、樹脂フィルムからなるシート状の層である。樹脂フィルムとしては、特に限定されず、既知の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル(代表的には1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET−G)等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等、又はこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用することができる。特に、溶融押し出し装置での生産性、環境適合性、機械強度、耐久性、価格等を考慮すれば、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。また、樹脂フィルムは、顔料を混合して着色されており、化粧シート7の意匠に合わせた基材色が設定されている。
絵柄印刷層3は、意匠性を付与するための絵柄が印刷された層である。絵柄としては、例えば、木目、コルク、石目、タイル、焼き物、抽象柄等、化粧シート7を用いる箇所に適した絵柄を選ぶことができる。また、印刷インキについても、印刷適性や耐候性等を考慮すれば、特に限定されず、既知の印刷インキを用いることができる。例えば、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、酸化チタン、カーボンブラックを顔料とする印刷インキを使用することができる。また、顔料を組み合わせて配合することで、絵柄の表現を豊かにすることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤等を添加することで、耐候性を良好にすることもできる。
また、絵柄の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等、既知の印刷方法を用いることができ、全面に同一色を着色する場合には、印刷方法のほかコーティングの手法や装置を用いてもよい。
透明熱可塑性樹脂層4は、絵柄印刷層3の絵柄が透けて見える、透明な樹脂からなるシート状の層である。透明な樹脂としては、特に限定されず、既知の透明な樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル(代表的には1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET−G)等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等、又はこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用することができる。特に、溶融押し出し装置での生産性、環境適合性、機械強度、耐久性及び価格等を考慮すれば、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。透明熱可塑性樹脂層4の厚みは、透明熱可塑性樹脂層4の強度と透明度とをともに良好なものにする点から、20μm以上150μm以下の範囲内にあることが好ましい。
さらに、透明熱可塑性樹脂層4の積層方法としては、例えば、基材シート2及び絵柄印刷層3の積層体(後述する第1積層体18)にラミネート加工により透明熱可塑性樹脂層4を積層する方法を用いることができる。
表面保護層5は、絵柄印刷層3の絵柄が透けて見え、透明熱可塑性樹脂層4の表面を保護する、透明な樹脂からなるシート状の層である。透明な樹脂としては、特に限定されず、既知の透明な樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリレート系硬化樹脂を使用することができる。これにより、硬質で且つ強靭なものとすることができる。特に、曲げ加工適性の向上を考慮すれば、ウレタン透明熱可塑性樹脂層がより好ましい。
表面保護層5には、必要に応じて艶調整剤を適宜添加することができる。
また、表面保護層5を構成する樹脂は透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aの凹凸に入り込んでいる。これにより、表面保護層5を透明熱可塑性樹脂層4に強固に固定できる。
艶調整層6は、絵柄印刷層3の絵柄と透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aとが透けて見え、絵柄印刷層3の絵柄と凹凸模様4aとに同調する艶状態による模様を有する、透明な樹脂からなるシート状の層である。透明な樹脂としては、特に限定されず、既知の透明な樹脂を用いることができる。例えば、2液硬化型ウレタン樹脂に艶調整剤を添加した組成物を使用することができる。艶調整剤としては、例えば、シリカ、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等の無機物、或いはポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等の有機物(樹脂)の微粒子を使用することができる。艶調整剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下の範囲内にあることが好ましい。艶調整剤の添加量は、所望の艶状態による模様に応じて適宜選択するが、通常は最大で30質量%とすることが好ましい。2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主成分、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を使用することができる。また、透明熱可塑性樹脂層4上に、表面保護層5及び艶調整層6を形成することにより、触感、反射による立体感、及び耐久性を向上することができる。
プライマー層8は、樹脂からなるシート状の層である。樹脂としては、特に限定されず、既知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂及びポリエステル系樹脂を使用することができる。
基材9は、金属、木材等からなる板状の部材である。金属、木材等としては、特に限定されず、既知の金属、木材等を用いることができる。例えば、アルミ、鋼、ステンレス、MDF(medium density fiberboard)、パーティクルボードを使用することができる。
(化粧シート7の製造装置)
次に、透明熱可塑性樹脂層4を形成するための透明熱可塑性樹脂層形成装置10、及び艶調整層6を形成するための艶調整層形成装置11について説明する。
図2に示すように、透明熱可塑性樹脂層形成装置10は、繰出部12、押出部13、貼合部14、及び巻取部15を備える。本実施形態では、絵柄印刷層3の形成と、透明熱可塑性樹脂層4の形成とをそれぞれ別の装置で行う。それゆえ、本実施形態の透明熱可塑性樹脂層形成装置10は、絵柄印刷層3の絵柄と、透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aとを同調させるために、伸び検出部16、及び張力制御部17を更に備える。
押出部13は、透明熱可塑性樹脂層4の形成用の透明な樹脂を溶融する。そして、押出部13は、溶融した樹脂を押し出してフィルム状に成形して貼合部14に供給する。
巻取部15は、押出ラミネート加工で形成した積層体(以下、「第2積層体20」とも呼ぶ)を巻回して第2繰り出しロール21を形成する。
なお、本実施形態と異なり、伸び検出部16と張力制御部17とを備えず、第1積層体18の通紙方向の張力を制御しない方法では、第1積層体18の通紙方向の伸びが増大し、絵柄印刷層3の絵柄と透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aとの同調性が低下する。
図3に示すように、艶調整層形成装置11は、繰出部22、塗工部23、及び巻取部24を備える。本実施形態では、絵柄印刷層3の形成と、艶調整層6の形成とをそれぞれ別の装置で行う。それゆえ、本実施形態の艶調整層形成装置11は、絵柄印刷層3の絵柄と、透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aとに加え、艶調整層6の艶状態による模様を同調させるために、伸び検出部25、及び張力制御部26を更に備える。
巻取部24は、塗工部23で形成した積層体(以下、「第4積層体29」とも呼ぶ)を巻回して第4繰り出しロール30を形成する。
なお、本実施形態では、第2トンボ検出部25bを、第1トンボ検出部25aと塗工部23との間に配置する例を示したが、他の構成を採用してもよい。例えば、第2トンボ検出部25bを、塗工部23よりも通紙方向の下流側に配置する構成としてもよい。
なお、本実施形態と異なり、伸び検出部25と張力制御部26とを備えず、第3積層体27の通紙方向の張力を制御しない方法では、第3積層体27の通紙方向の伸びが増大し、絵柄印刷層3の絵柄と艶調整層6の艶状態による模様との同調性が低下する。
次に、上記構成を有する化粧シート7の製造方法について説明する。
化粧シート7の製造では、第1工程〜第5工程をこの順に実行する。
(第1工程:絵柄印刷層形成工程)
基材シート2が巻回された繰り出しロールを用意する。続いて、用意した繰り出しロールから基材シート2を繰り出し、繰り出した基材シート2を版胴と圧胴との間を通して基材シート2の一方の面側に、絵柄を順次印刷して絵柄印刷層3を形成する。これにより、基材シート2の一方の面側に絵柄印刷層3が積層された第1積層体18を形成する。続いて、形成した第1積層体18を巻回して第1繰り出しロール19を形成する。
図2に示すように、透明熱可塑性樹脂層形成装置10の繰出部12が、第1繰り出しロール19から設定速度αで第1積層体18(基材シート2)を繰り出し、繰り出した第1積層体18を貼合部14に移送する。また、押出部13が、透明熱可塑性樹脂層4の形成用の透明な樹脂を溶融し、溶融した樹脂を押し出してフィルム状に成形して貼合部14に供給する。そして、貼合部14が、繰出部12から移送された第1積層体18(基材シート2)と押出部13から供給されたフィルム状の樹脂とを一対のローラ14a、14bで挟み込んで貼り合わせる。これにより、第1積層体18の絵柄印刷層3上に透明熱可塑性樹脂層4が押出ラミネート加工により積層され、基材シート2の一方の面側に絵柄印刷層3及び透明熱可塑性樹脂層4が積層された積層体が形成される。同時に、ローラ14aが、透明熱可塑性樹脂層4に絵柄印刷層3の模様と同調した凹凸模様4aを形成する。
なお、本実施形態では、張力制御部17が、一対のローラ14a、14b間のプレス力を制御することで、第1積層体18の通紙方向の張力を制御する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、ローラ14aの回転数を制御することで、第1積層体18の通紙方向の張力を制御する構成としてもよい。具体的には、第1積層体18(基材シート2)の通紙方向の伸びが設定範囲の下限値(0.02%)より小さい場合には、張力制御部17が、ローラ14aの回転数を増大させて、第1積層体18の通紙方向の伸びを増加させる。また、伸び検出部16が検出した、第1積層体18(基材シート2)の通紙方向の伸びが設定範囲の上限値(3.0%)より大きい場合には、張力制御部17が、ローラ14aの回転数を低減させて、第1積層体18の通紙方向の伸びを低減させる。
第2繰り出しロール21から第2積層体20(基材シート2)を繰り出し、繰り出した第2積層体20(基材シート2)の透明熱可塑性樹脂層4上に、表面保護層5の形成用の樹脂を塗工する。これにより、第2積層体20に表面保護層5が積層された第3積層体27を形成する。その際、表面保護層5を構成する樹脂は透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aの凹凸に入り込む。これにより、表面保護層5が透明熱可塑性樹脂層4に強固に固定される。続いて、形成した第3積層体27を巻回し第3繰り出しロール28を形成する。
図3に示すように、艶調整層形成装置11の繰出部22が、第3繰り出しロール28から設定速度βで第3積層体27(基材シート2)を繰り出し、繰り出した第3積層体27を塗工部23に移送する。そして、塗工部23が、繰出部22から移送された第3積層体27(基材シート2)に、艶調整層6の形成用の樹脂を塗工して絵柄印刷層3の絵柄に同調した艶状態による模様を有する艶調整層6を形成する。これにより、第3積層体27の表面保護層5上に艶調整層6が積層され、基材シート2の一方の面側に、絵柄印刷層3、透明熱可塑性樹脂層4、表面保護層5及び艶調整層6が積層された積層体が形成される。
また、巻取部24が、一対のローラ23a、23bで形成した積層体(第4積層体29)を巻回して第4繰り出しロール30を形成する。
第4繰り出しロール30から第4積層体29(基材シート2)を繰り出し、繰り出した第4積層体29(基材シート2)の他方の面側に、プライマー層8の形成用の樹脂を塗工する。これにより、第4積層体29にプライマー層8を積層し、化粧シート7を得た。
本実施形態に係る発明は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る化粧シート7は、基材シート2の一方の面側に、絵柄が印刷された絵柄印刷層3、絵柄と同調する凹凸模様4aを有する透明熱可塑性樹脂層4、透明熱可塑性樹脂層4の表面を保護する表面保護層5、及び絵柄と同調する艶状態による模様を有する艶調整層6をこの順に積層してなり、透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aの凹凸に表面保護層5を構成する樹脂が入り込んでいる。
このような構成によれば、表面保護層5を透明熱可塑性樹脂層4に強固に固定できる。
このような構成によれば、透明熱可塑性樹脂層4と絵柄印刷層3との間の接着剤を抑制でき、透明熱可塑性樹脂層4越しに絵柄印刷層3の絵柄をより鮮明に見ることができる。
(3)本実施形態に係る化粧シート7では、透明熱可塑性樹脂層4が、ポリオレフィン系樹脂、及びポリエステル系樹脂のいずれかからなる。
このような構成によれば、押出ラミネート加工をより適切に行うことができる。
このような構成によれば、透明熱可塑性樹脂層4の強度と透明度とをともに良好なものとすることができる。
(5)本実施形態に係る化粧シート7は、基材シート2の他方の面側に、プライマー層8を設けた。
このような構成によれば、基材9への接着性を良好なものとすることができる。
このような構成によれば、凹凸模様4a(エンボス)を有する透明熱可塑性樹脂層4により、触感、立体感、及び耐傷性を良好にすることができる。また、表面保護層5及び艶調整層6により、触感、反射による立体感、及び耐久性を良好にすることができる。これにより、高級感のある同調エンボス化粧材1を提供することができる。
このような構成によれば、第1積層体18が通紙方向に伸長しても、絵柄印刷層3の絵柄と透明熱可塑性樹脂層4の凹凸模様4aとの同調性を良好にすることができる。
このような構成によれば、第3積層体27が通紙方向に伸長しても、絵柄印刷層3の絵柄と艶調整層6の艶状態による模様との同調性を良好にすることができる。
(実施例1)
実施例1では、着色ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂92.2重量%、無機顔料7.8重量%)を使用して基材シート2を設けた。基材シート2の厚みは60μmとした。基材シート2の質量は53.8g/m2とした。基材シート2の表面に、無機顔料、光輝性顔料(パール顔料)18.8重量%、有機顔料0.1重量%、ウレタン樹脂、有機樹脂17.5重量%からなるインキ(乾燥重量4.2g/m2)で木目柄を印刷して絵柄印刷層3を設けた。基材シート2及び絵柄印刷層3の第1積層体18に透明熱可塑性樹脂層4(透明ポリプロピレン樹脂99.85重量%、無機顔料0.15重量%)を押出ラミネート加工により積層した。透明熱可塑性樹脂層4の厚みは70μmとした。透明熱可塑性樹脂層4の質量は63.0g/m2とした。押出ラミネート加工では、透明熱可塑性樹脂層4表面に絵柄印刷層3の木目柄と同調する凹凸模様4a(エンボス)も形成した。
続いて、基材シート2の裏面に、無機顔料シリカ30.3重量%、ウレタン樹脂69.7重量%からなる塗工液でグラビア塗工(乾燥重量1.2g/m2)によりプライマー層8を設けて、化粧シート7を得た。
実施例2では、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(ポリブチレンテレフタレート系樹脂93.7重量%、無機顔料5.3重量%)を基材シート2として使用し、基材シート2の厚さを73μm、質量を91.3g/m2に調整した。それ以外は、実施例1と同様の手順により、化粧シート7を作製した。
実施例1、実施例2に代表されるように、基材シート2の一方の面側に、絵柄が印刷された絵柄印刷層3、絵柄と同調する凹凸模様4aを有する透明熱可塑性樹脂層4、透明熱可塑性樹脂層4の表面を保護する表面保護層5、及び絵柄と同調する艶状態による模様を有する艶調整層6をこの順に積層して、本発明の範囲を満足する場合には、絵柄印刷層3の模様と艶調整層6の艶状態による模様とが同調してリアルな化粧シート7となることが分かった。また、凹凸模様4aの凹凸に表面保護層5を構成する樹脂が入り込んでいるため、表面保護層5を透明熱可塑性樹脂層4に強固に固定できることが分かった。
また、基材シート2の幅方向寸法は、絵柄印刷層3の形成前に1297mmであったが、凹凸模様4a(エンボス)の形成後に1.5mm縮み、1295.5mmに変化した。しかしながら、エンボス版を幅方向に0.06%縮めていたので、意匠上の見当は問題なかった。測定器は、2000mm直定規、SHINWA製C型JIS一級を使用した。
2 基材シート
3 絵柄印刷層
4 透明熱可塑性樹脂層
4a 凹凸模様
5 表面保護層
6 艶調整層
7 化粧シート
8 プライマー層
9 基材
10 透明熱可塑性樹脂層形成装置
11 艶調整層形成装置
16a 第1トンボ検出部
16b 第2トンボ検出部
16c 伸び量演算部
17 張力制御部
25a 第1トンボ検出部
25b 第2トンボ検出部
25c 伸び量演算部
26 張力制御部
Claims (7)
- 基材シートの一方の面側に、絵柄が印刷された絵柄印刷層、前記絵柄と同調する凹凸模様を有する透明熱可塑性樹脂層、前記透明熱可塑性樹脂層の表面を保護する表面保護層、及び前記絵柄と同調する艶状態による模様を有する艶調整層をこの順に積層してなり、
前記凹凸模様の凹凸に前記表面保護層を構成する樹脂が入り込んでおり、
前記基材シートの一方の面側に、前記絵柄印刷層、前記透明熱可塑性樹脂層のみが順に積層された積層体は、当該積層体を通紙する方向と平行な方向に0.02%以上3.0%以下の範囲で伸長可能であり、当該積層体を通紙する方向と直交する方向に0.02%以上0.9%以下の範囲で縮小可能であり、
前記基材シートは、セルロース系樹脂、塩素系樹脂及びフッ素系樹脂の少なくとも一種を含み、
前記絵柄印刷層は、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、酸化チタン、及びカーボンブラックの少なくとも一種を顔料として含む化粧シートの製造方法であって、
前記化粧シートの透明熱可塑性樹脂層に凹凸模様を設けるときに、目的とする凹凸模様よりも、基材シートの一方の面側に絵柄印刷層、前記透明熱可塑性樹脂層のみが順に積層された積層体を通紙する方向と平行な方向を0.02%以上3.0%以下の範囲で伸長し、当該方向と直交する方向を0.02%以上0.9%以下の範囲で縮小した凹凸形状を有する印刷版を使用することを特徴とする化粧シートの製造方法。 - 前記艶調整層は、露出していることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートの製造方法。
- 前記基材シート及び前記絵柄印刷層の積層体に前記透明熱可塑性樹脂層が押出ラミネート加工により積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シートの製造方法。
- 前記透明熱可塑性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂、及びポリエステル系樹脂のいずれかからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧シートの製造方法。
- 前記透明熱可塑性樹脂層の厚みが20μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の化粧シートの製造方法。
- 前記基材シートの他方の面側に、プライマー層を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の化粧シートの製造方法。
- 請求項6に記載の化粧シートの製造方法により製造された化粧シートにプライマー層を介して基材が貼り合わされていることを特徴とする同調エンボス化粧材の製造方法。
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