[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図20に基づいて説明する。図1に示した本実施形態の電磁流量計10は、例えば水道メータとして使用されるものであって、水道管の途中に接続される流路ハウジング20(図5参照)の中間部に複数の部品を組み付けてなるメータ本体10Hを有し、そのメータ本体10Hが、直方体状のケース13に収容された構造をなしている。
なお、この電磁流量計10は、任意の姿勢で使用することができるが、説明の便宜上、図1に示すように流路ハウジング20が水平に延び、ケース13の蓋部16が上面に配置された状態で各部位の位置関係を特定して、以下、電磁流量計10の各部位の構成について説明する。
先ずは、流路ハウジング20の単体構造について説明する。図5には、流路ハウジング20が単体状態で示されている。流路ハウジング20は、水平方向に延び、その長手方向を貫通する計測流路20Rの一端から他端へと水道水が流れる。なお、図5〜図7には、水道水が流れる方向が矢印Aで示され、ケース13の外面には、水道水が流れる方向を示すマーク15M(図1参照)が刻印されている。
図6に示すように、計測流路20Rは、両端部から中央部に向かって徐々に絞られ、中央より僅かに下流側にずれた位置に、最も絞られた計測部20Kを有する。計測部20Kは、図9に示すように四隅をR面取りされた横長の長方形の断面形状をなして、図6に示すように所定長に亘って延びている。また、計測流路20Rの両端部は断面円形をなし、両端部から計測部20Kに向かって断面形状が円形から長方形に徐々に変化している。
また、流路ハウジング20は、両端部に金属製の金属スリーブ21,21を有する樹脂のインサート成形品である。図6には、流路ハウジング20のうち金属スリーブ21の金属構成部と、それ以外の樹脂構成部22とが分けて示され、図8には、流路ハウジング20の樹脂構成部22の一部を透視させて金属スリーブ21の全体が示されている。これら金属スリーブ21,21は、流路ハウジング20の両端部の外面に露出し、その露出部分に水道管に接続するための雄螺子部21Nが形成されている。
詳細には、図8に示すように、金属スリーブ21は、全体が円筒状をなし、その外周面には、金属スリーブ21の先端から基端寄り位置に亘って雄螺子部21Nが形成されている。また、図6に示すように、金属スリーブ21のうち雄螺子部21Nより基端側は、雄螺子部21Nより小径のベース部21Mに、大径フランジ部21Cと複数の小径フランジ部21Dとを間隔をあけて備えた構造をなしている。大径フランジ部21Cは、雄螺子部21Nより外径が大きい円板状をなしている。複数の小径フランジ部21Dは、大径フランジ部21Cを挟んで雄螺子部21Nの反対側に配置され、大径フランジ部21Cより小さい円板状をなしている。
また、図8に示すように、1つの小径フランジ部21Dを含む金属スリーブ21の基端部には、金属スリーブ21の中心部を径方向に横切る第1角溝21Kと、その第1角溝21Kと直交する1対の第2角溝21L,21Lとが形成されている。これにより、金属スリーブ21の基端面が周方向に凹凸を交互に繰り返した形状をなして、凹凸係合部21Qを形成している。
図6に示すように、金属スリーブ21の内面には、先端部を拡径して内側大径部21Eが形成されている。また、金属スリーブ21の先端面は、内縁部が金属スリーブ21の中心軸と直交する先端平坦面21Hをなし、内縁部より外側が先端平坦面21Hに対して僅かに傾斜した先端テーパー面21Aになっている。
1対の金属スリーブ21,21は、流路ハウジング20を成形するための図示しない樹脂成形金型に備えた1対のワーク挿入孔に挿入され、それら金属スリーブ21の大径フランジ部21Cがワーク挿入孔の内周面に嵌合されかつ、先端テーパー面21Aがワーク挿入孔の端面に当接した状態にセットされる。そして、樹脂成形金型内に樹脂が射出されて流路ハウジング20が成形される。これにより、金属スリーブ21は、先端テーパー面21Aから大径フランジ部21Cの外周面までの範囲が露出し、それ以外の部分が流路ハウジング20を構成する樹脂で覆われている。
また、金属スリーブ21の内側大径部21Eには、流路ハウジング20の樹脂構成部22の先端大径部22Eが嵌合している。そして、先端大径部22Eが、金属スリーブ21の先端面より僅かに先方に突出し、その突出部分から側方に張り出すカバーフランジ22Fにて金属スリーブ21の先端平坦面21Hが覆われている。さらに、金属スリーブ21のうち大径フランジ部21Cより基端側は、流路ハウジング20の樹脂構成部22のツール係合部23で覆われている。
図5に示すように、ツール係合部23は、大径フランジ部21Cと隣り合わせに配置されて、大径フランジ部21Cより側方に大きく張り出している。そして、ツール係合部23は、流路ハウジング20の軸方向から見ると例えば正六角形をなして、互いに平行な3組計6つの平坦面23Bを外周に備える。また、それらのうちの1対の平坦面23Bは、上下方向と平行になっている。さらに、隣り合った平坦面23B,23Bの間の角部には、ツール係合部23の厚さ方向の中央位置を面取りするように肉抜き溝23Aが形成されて、樹脂成形時の収縮歪み(所謂、「ひけ」を)が抑えられるようになっている。なお、肉抜き溝23Aの溝底面は、大径フランジ部21Cと同心の円弧面になっている。
図6に示すように、流路ハウジング20のうち両ツール係合部23,23の間には、計測流路20Rの形状に対応して外面が流路ハウジング20の軸方向の中央部に向かって徐々に絞られたベーススリーブ20Tが備えられている。また、図5に示すように、流路ハウジング20の長手方向の中央部には、ベーススリーブ20Tに直交して水平方向に延びるクロススリーブ25が備えられている。クロススリーブ25の断面形状は、流路ハウジング20の軸方向を長軸とする長円形をなし、図7に示すように、ベーススリーブ20Tの中央部分がクロススリーブ25内に配置されている。また、クロススリーブ25は、上下方向においては雄螺子部21Nの外径程度の大きさをなし、ベーススリーブ20Tとクロススリーブ25内の上面と下面との間に隙間25Sが形成され、その隙間25Sに後述するポッティング材Pが充填される。なお、上側の隙間25Sは、下側の隙間25Sより上下方向に大きくなっている。
図5に示すように、流路ハウジング20のうち両ツール係合部23,23とクロススリーブ25との間には、境界フランジ24,24が設けられている。境界フランジ24は、縦長の長方形の下端側を半円形にした形状をなしていて、流路ハウジング20の中心より下方に位置する円弧部24Aと、円弧部24Aの直径と同一の横幅の四角形をなして流路ハウジング20の中心より上方に位置する角形部24Bとからなる。また、流路ハウジング20の一端側のツール係合部23と境界フランジ24との間隔と、流路ハウジング20の他端側のツール係合部23と境界フランジ24との間隔とは同じになっていて、クロススリーブ25は、1対の境界フランジ24,24の間の一端寄り(詳細には、計測流路20Rの上流寄り)に配置されている。
流路ハウジング20のうち各ツール係合部23と境界フランジ24との間は、複数の水平リブ27Aと垂直リブ27Bとによって補強されている。水平リブ27Aは、ベーススリーブ20Tの上部と下部と上下方向の中間部とから両側方に水平に張り出しかつツール係合部23と境界フランジ24との間を連絡している。垂直リブ27Bは、ベーススリーブ20Tの最上部と最下部とから上方と下方とに張り出し、ツール係合部23と境界フランジ24との間を連絡している。なお、水平リブ27A及び垂直リブ27Bの先端部及び、水平リブ27A及び垂直リブ27Bの外面とツール係合部23、境界フランジ24、流路ハウジング20との角部は、水平リブ27A及び垂直リブ27Bの厚さに対して比較的大きなR面取りが施されている。
流路ハウジング20のうち境界フランジ24,24同士の間は、複数(例えば、5つ)の補強プレート28Aによって補強されている。複数の補強プレート28Aは水平な板状をなし、境界フランジ24,24の上端寄り位置から下端寄り位置の間に間隔を開けて配置されている。また、複数の補強プレート28Aは同じ横幅をなしている。そして、図7に示すように、最上部と最下部の補強プレート28Aを除く複数(例えば、3つ)の補強プレート28Aの幅方向の中央部分がベーススリーブ20Tに接続されている。また、最上部の補強プレート28Aとその下隣の補強プレート28Aとの間には、それらの幅方向の中央部同士を連絡する縦リブ28Bが備えられると共に、最下部の補強プレート28Aとその上隣の補強プレート28Aとの間にも、同様の縦リブ28Bが備えられている。
また、図5に示すように、補強プレート28A,28A同士の側面は面一になっている。そして、境界フランジ24が、その半円形となった下端部を除き、補強プレート28A群の両側面から両側方に突出し、最下端の補強プレート28Aのみが境界フランジ24より両側方に突出している。
また、図7に示すように、最上部の補強プレート28Aの上面とクロススリーブ25の上面とが面一に配置されると共に、最下部の補強プレート28Aの下面とクロススリーブ25の下面とが面一に配置され、全ての補強プレート28Aの中間部分がクロススリーブ25内で分断されている。また、クロススリーブ25の軸方向の両端部は、補強プレート28A群の両側面から側方に突出している。
なお、図6に示すように、クロススリーブ25の内側には、補強プレート28Aの両側面と略面一の段差面25D,25Dが備えられ、それら段差面25Dより先端側の肉厚が薄くなっている。
図5に示すように、最上部の補強プレート28Aには、クロススリーブ25より上流側部分の幅方向の中央と、下流側部分の幅方向の両端寄りとに、それぞれ取付孔28Dが形成されている。また、図示しないが、最下部の補強プレート28Aには、クロススリーブ25より上流側部分及び下流側部分の幅方向の両端寄りに、それぞれ取付孔28Dが形成されている。図5及び図7に示すように、上記した中央の取付孔28Dは、両端寄りの取付孔28Dより径が大きくなっていて、縦リブ28Bに至るまで延びている。また、両端寄りの取付孔28Dの同軸上には、補強プレート28A,28Aの間を連絡する柱部28Cが備えられ、柱部28C内に至るまで取付孔28Dが延びている。また、最下端の補強プレート28Aには、各取付孔28Dと各取付孔28Dに近い側の境界フランジ24との間から下方に位置決突部28Tが突出している。
図5に示すように、最上部の補強プレート28Aには、クロススリーブ25内に連通する電線挿通孔28Eが形成されている。電線挿通孔28Eは、クロススリーブ25の最上部でかつ補強プレート28Aの幅方向の中央に配置されている。また、補強プレート28Aの上面からは、電線挿通孔28Eと同心円形状をなした内側円形リブ28Fと外側円形リブ28Gとが突出している。また、内側円形リブ28Fと電線挿通孔28Eとの間の補強プレート28Aの上面からは、電線挿通孔28Eの周りに複数(例えば、4つ)の突部28Hが形成されて内側円形リブ28Fと一体になっている。そして、各突部28Hと補強プレート28Aとを貫通する取付孔28Jが穿孔されている。また、内側円形リブ28Fと外側円形リブ28Gとの間は円形溝28Kをなし、外側円形リブ28Gの外面からは、複数の補強突部28Lが突出している。
流路ハウジング20のうちクロススリーブ25の内側部分は、水平リブ29Aと架橋壁29Bと垂直リブ29Cとによって補強されている。そのクロススリーブ25の内側では、ベーススリーブ20Tの外形の断面形状は、全体的には横長の長円形をなしている。そして、水平リブ29Aは、水平な板状をなしてベーススリーブ20Tの上下方向の中央部分から両側方に張り出しかつ、クロススリーブ25の内面の対向部分の間を連絡している。また、架橋壁29Bは、水平な帯板状をなして、ベーススリーブ20Tの上側と下側とに配置されてベーススリーブ20Tと平行に延び、クロススリーブ25の内面の対向部分の間を連絡している。さらに、上下の架橋壁29B,29Bとベーススリーブ20Tの横方向の中央部分との間は、垂直リブ29Cによって連絡されている。また、水平リブ29Aの先端は、クロススリーブ25の段差面25Dより内側に位置し、架橋壁29Bの横幅は、両水平リブ29A,29Aの先端間の間隔より小さくなっている。
計測部20Kの上側と下側とでは、垂直リブ29C,29Cが分断されると共に、ベーススリーブ20Tが他の部位に比べて薄肉にされ、図7に示すように、ベーススリーブ20Tと架橋壁29B,29Bとの間に部品収容空間30,30が形成されている。また、ベーススリーブ20Tのうち架橋壁29B,29Bの間に位置する部分(即ち、内側に計測部20Kを有する部分)が、計測管部20Pになっている。そして、計測管部20Pの真上位置と真下位置とには、水平で平坦なヨーク配置面34,34が形成されている。また、計測部20Kのうち流路ハウジング20の軸方向の中心でかつ上下方向の中心位置からは両側方に円柱状の1対の電極支持突部31,31が突出している。そして、各電極支持突部31の中心部には、計測部20Kに連通する電極収容孔35が形成されている。
図5に示すように、各電極支持突部31の隣からは固定突部32が側方に突出している。図6に示すように、固定突部32は、一方の電極支持突部31に対しては上流側の隣に配置される一方、他方の電極支持突部31に対しては下流側の隣に配置されて、各電極支持突部31と一体になっている。また、固定突部32の先端面は、電極支持突部31の先端面と面一になっている。さらに、各固定突部32の中心部には、計測流路20Rに連通していない取付孔32Aが形成されている。
固定突部32を下流側に有する電極支持突部31の上流側の隣には、水平リブ29Aを円弧状に切除してなる円弧凹部29Dが形成されている。また、図5に示すように、固定突部32を上流側に有する電極支持突部31の上面からは、電極支持突部31と平行に延びる1対の突条33,33が突出していて、それらの間に電線収容溝33Aが設けられている。さらに、図5及び図9に示すように、ヨーク配置面34,34のうち固定突部32を上流側に有する電極支持突部31側の縁部からは、位置決壁34W,34Wが突出している。そして、図5に示すように、上側の位置決壁34Wに1対の突条33,33が連絡されて電線収容溝33Aが位置決壁34Wを貫通し、図9に示すように、電線収容溝33Aの底面が上側のヨーク配置面34と面一になっている。
図10に示すように、電極収容孔35のうち両端部を除く全体は、断面円形の中間孔部35Bになっていて、その中間孔部35Bより計測流路20Rから離れた側の端部は、中間孔部35Bに対して段付き状に拡径された断面円形の基端孔部35Cになっている。また、中間孔部35Bのうち基端孔部35C側の端部には、緩やかに傾斜したテーパー面35Dが形成されている。一方、電極収容孔35のうち計測流路20R側の端部からは内側に開口突部35Wが張り出し、その開口突部35Wの内側が流出入口35Aになっている。
図11(A)及び図11(B)に示すように、流出入口35Aは、計測流路20Rの軸方向に長い長円形をなし、その流出入口35Aの長軸方向の全長は、中間孔部35Bの内径よりも小さくなっている。また、流出入口35Aの短軸方向の全長は、計測部20Kの面取りによる曲面20G,20G(図10参照)の間の0.7〜1倍になっている(図11(B)参照)。なお、本実施形態では、流出入口35Aの長軸方向は、計測流路20Rの軸方向と平行になっている。また、中間孔部35Bの直径は、計測部20Kの短辺と略同一になっている。
流路ハウジング20の単体の構造に関する説明は以上である。次に、この流路ハウジング20に組み付けられる各部品について説明する。
図10に示すように、各電極収容孔35には、検知電極40が収容されている。検知電極40は、耐食性の高い導電金属(例えば、ステンレス)で構成されて全体が断面円形をなし、図12に示すように一端側から順番に小径先端部40A、中径胴体部40B、大径フランジ部40C、細棒部40Dを備えている。そして、図10に示すように、検知電極40は、小径先端部40AにOリング36が装着されて、小径先端部40A側から電極収容孔35に挿入されている。また、大径フランジ部40Cが基端孔部35Cの奥面35Eに突き当てられることで検知電極40が電極収容孔35に対して軸方向で位置決めされ、中径胴体部40Bの先端面が中間孔部35Bの先端寄り位置に配置されると共に、小径先端部40Aの先端面が計測流路20Rの内面と面一に配置されている。さらに、図11(A)及び図11(B)に示すように、小径先端部40Aは、流出入口35Aの中央に位置している。なお、図11(B)に示すように、小径先端部40Aの直径は、流出入口35Aの短軸方向の全長の0.6〜0.9倍になっていて、小径先端部40Aと流出入口35Aの内面との間には隙間が形成されている。
図11(A)に示すように、Oリング36は、中径胴体部40Bの先端面に当接し、開口突部35Wから離間した状態になっている。そして、電極収容孔35のうちOリング36より計測流路20R側が、計測流路20R側から水が進入する水没部屋35Hになり、検知電極40のうちOリング36より計測流路20R側が、水没部屋35H内で水と接触する水没先端部40Hになっている。
図10に示すように、1対の検知電極40,40は、1対の樹脂製の電極固定部材42,42により電極収容孔35,35内に抜け止めされている。図12に示すように、電極固定部材42は、平面視L字形状の部材ベース部43を有し、そのL字の角部を細棒挿通孔43Aが貫通し、L字の短辺部43Xの先端部を螺子挿通孔43Bが貫通し、さらに、L字の長辺部43Yの中間部を電線挿通孔44Aが貫通している。
部材ベース部43の前面からは、細棒挿通孔43Aと同心円状の当接リブ43Tが突出している。また、細棒挿通孔43Aの先端部には、テーパー面43Vが形成されている。そして、細棒挿通孔43Aに検知電極40の細棒部40Dが挿入されて大径フランジ部40Cに当接リブ43Tが当接する。
部材ベース部43のL字の短辺部43Xの先端は、螺子挿通孔43Bと同心の円弧状になっていて、その先端縁から前方に半円弧状の嵌合リブ43Sが突出している。また、図13に示すように、部材ベース部43の後面からは、螺子挿通孔43Bと同心の円形リブ43Uが突出している。そして、嵌合リブ43Sが、前述の固定突部32(図7参照)の外側に嵌合されて取付孔32Aと螺子挿通孔43Bとが対向し、螺子挿通孔43Bに通した螺子Bを取付孔32Aにねじ込むことで、電極固定部材42が流路ハウジング20に固定されている。また、これにより、検知電極40が電極固定部材42にて電極収容孔35の奥側に押されて前述の如く位置決めされている。なお、螺子Bのヘッド部は、円形リブ43U(図13参照)の内側に収まる。
図12に示すように、電線挿通孔44Aは、L字の長辺部43Yの長手方向に延びた長円形状をなし、電線挿通孔44Aの両開口縁にはテーパー面44Tが形成されている。また、図10に示すように、1対の電極固定部材42,42が流路ハウジング20に固定された状態で、それら電極固定部材42,42の長辺部43Y,43Yが各電極支持突部31,31の先端部から上方に起立し、各電極固定部材42,42の電線挿通孔44A,44Aが部品収容空間30を挟んで対向する。なお、電線挿通孔44Aの内面下端部は、上側のヨーク配置面34及び電線収容溝33Aの底面と面一に配置される。
図13に示すように、長辺部43Yの先端部の後面からは1対の対向突壁45,45が突出して長辺部43Yの幅方向で対向し、それらの間が電線受容溝45Mになっている。なお、1対の対向突壁45,45の対向する先端角部はC面取りされ、図10に示すように、電線受容溝45Mの底面と長辺部43Yの先端面との角部は、R面取りされている。
図13に示すように、電極固定部材42を貫通した検知電極40の細棒部40Dの先端には電線90を接続するための電線接続部材46が固定されている。電線接続部材46は、全体が円柱状をなし、その一端面には径方向に延びる電線受容溝46Mが形成され、中心部には貫通孔46Aが形成されている。そして、細棒部40Dが電線受容溝46Mの反対側から貫通孔46Aに圧入されて、電線受容溝46Mの底面と細棒部40Dの先端面とが面一にされた状態になっている。
電線90は、例えば銅製の芯線90Bを絶縁被覆90Aで覆ってなる。そして、絶縁被覆90Aから露出された芯線90Bの末端部が電線受容溝46M内に配置された状態に半田付け又は蝋付けされている。ここで、検知電極40は、前述したように耐食性が高い例えばステンレスで構成されているのに対し、電線接続部材46は、半田又は蝋に対する濡れ性が高い導電部材(例えば、銅)で構成されている。これにより、検知電極40の耐食性を確保しつつ検知電極40と電線90に対する接続信頼性の向上が図られている。また、電線接続部材46は、細棒部40Dの先端に固定されて樹脂製の電極固定部材42から離されているので、半田付け等の熱による電極固定部材42の変形防止も図られる。
図9に示すように、一方の電極支持突部31の隣には、コイルユニット53が配置されている。図14に示すように、コイルユニット53は、樹脂製のボビン53Aにコイル53Cが巻回されかつボビン53Aの中心部をコアシャフト51Jが貫通した構造をなしている。また、ボビン53Aの中心軸は上下方向を向いていて、そのボビン53Aの上下の両端部のフランジ部53F,53Fから突片53E,53Eが水平に延設されている。そして、コイル53Cのうち突片53E,53Eが張り出す側と反対側が図6に示した前述の円弧凹部29Dに受容されている。
図14に示すように、下側の突片53Eの先端からは下方に端子支持壁53Hが突出し、その端子支持壁53Hを1対の端子53G,53Gが貫通している。それら1対の端子53G,53Gの図示しない基端部には、コイル53Cの両端末が接続されている。一方、1対の端子53G,53Gの先端部は、突片53Eの先端面から先方に突出すると共に2つ折りカシメられ、そこに図示しない電線の芯線が挟まれた状態で半田付け又は蝋付けされている。
一方、上側の突片53Eの先端部には、電線挿通孔53J,53Jが上下に貫通していて、それら電線挿通孔53J,53Jの一部が突片53Eの先端面に開放している。そして、端子53G,53Gが、図14に示された状態から上方に直角に曲げられ、それら端子53G,53Gに接続された1対の電線が電線挿通孔53J,53Jに通されて上方に延ばされている。
コアシャフト51Jの両端部はフランジ部53F,53Fの外面から突出していて、それらコアシャフト51Jの両端部を囲むように、フランジ部53F,53Fから包囲壁53K,53Kが突出している。包囲壁53Kは、コアシャフト51Jを中心とする円形をなし、流路ハウジング20のヨーク配置面34,34側を向いた一部が切り欠かれている。そして、それら包囲壁53K,53K内に次述する1対のヨーク51,51の基端板部51A,51Aが収容されている。
ヨーク51は、例えば、フェライト系金属の板金を打ち抜いてなり、円板状の基端板部51Aと、長方形の先端板部51Cと、それらの間を連絡する帯板状の中間板部51Bとで構成されている。基端板部51Aの中心部には、貫通孔51Fが形成されている。また、中間板部51Bは、先端板部51Cの一角部から対角線方向に延びている。そして、図9に示すように、コイルユニット53の上下の包囲壁53K,53K内に1対のヨーク51,51の基端板部51A,51Aが収容されて、コアシャフト51Jの両端部が各基端板部51Aの貫通孔51Fに嵌合している。また、1対のヨーク51,51の中間板部51B,51Bが包囲壁53K,53Kの切欠部分から引き出され、先端板部51C,51Cの表裏の一方の面である磁束貫通面51Z,51Z(図14参照)が、ヨーク配置面34,34に重ねられている。
先端板部51Cは、前述した流路ハウジング20の位置決壁34Wとその位置決壁34Wの両側の壁部(図7参照)とにより三方から位置決めされ、先端板部51Cの長辺方向が1対の検知電極40,40の対向方向に向けられると共に、1対の検知電極40,40の同軸の中心線の真上に先端板部51Cの短辺方向の中央部が配置されている。また、コイルユニット53の隣の電極支持突部31には、ヨーク押え52が嵌合されて、そのヨーク押え52と位置決壁34Wとの間に各先端板部51Cが挟まれている。さらに、ヨーク押え52から突出した図示しない楔片が、各先端板部51Cと架橋壁29Bとの間に押し込まれて、各先端板部51Cがヨーク配置面34に押し付けられている。
図14に示すように、上側に配置されるヨーク51の先端板部51Cには、短辺方向の中央部分を磁束貫通面51Zの反対側に半円形に膨出させて溝形突条51Dが形成されている。そして、溝形突条51Dの内側の電線受容溝51Eが、前述の電線収容溝33Aの延長線上に配置されている。また、図9に示すように、ヨーク押え52にも、電線受容溝51Eの延長線上に電線受容溝52Eが形成されている。
図9に示すように、コイルユニット53から離れた側の一方の検知電極40の電線90は、その検知電極40の上方で曲げられて、一方の電極固定部材42の電線挿通孔44A、電線収容溝33A、電線受容溝51E,52E、及び、他方の(即ち、コイルユニット53側の)電極固定部材42の電線挿通孔44Aに通されている。そして、他方の電極固定部材42の電線挿通孔44Aに通されてから上方に向けて曲げられている。また、コイルユニット53側の検知電極40の電線90は、その検知電極40から上方に延びている。そして、両検知電極40,40の電線90,90の中間部分が、電極固定部材42の電線受容溝45Mに、その奥行き方向に並べて受容され、さらに、その上方で曲げられて流路ハウジング20の横方向の中央側に延ばされ、さらに、電線挿通孔28Eから流路ハウジング20の上方に導出されて、後述する制御基板73に接続されている。また、コイルユニット53から延びた図示しない1対の電線も、電線挿通孔28Eから上方に導出されて制御基板73に接続されている。
図4に示すように、流路ハウジング20におけるクロススリーブ25の両端部は、1対のサイドキャップ37,37によって閉塞されている。サイドキャップ37は、長円形のキャップ形状をなし、その開口端側がクロススリーブ25の内側に嵌合されると共に、クロススリーブ25の周面から側方に張り出したフランジ37Fがクロススリーブ25の先端面に当接している。また、サイドキャップ37の外面の先端部が段付き状に窄んでシール嵌合部37Aになっていて、そのシール嵌合部37Aの外側に嵌合されたOリング38が、シール嵌合部37Aの基端側の段差面37Dとクロススリーブ25の段差面25Dとの間に挟まれている。また、各サイドキャップ37の外面からは、クロススリーブ25の軸方向に向かって突片37Bが張り出し、次述するメインシールド部材47の内面に突き合わされ、これにより各サイドキャップ37がクロススリーブ25に抜け止めされている。
図4に示すように、流路ハウジング20の中央部は、側方から磁気シールド47Uによって包囲されている。磁気シールド47Uは、メインシールド部材47とサブシールド部材48からなり、それらメインシールド部材47とサブシールド部材48は、磁性体の板金を角U字形に折り曲げてなる。そして、メインシールド部材47の底辺部47Aが流路ハウジング20の下面に重ねられて、図3に示すように流路ハウジング20の位置決突部28T,28Tの間に丁度収まっている。また、メインシールド部材47の底辺部47Aには、流路ハウジング20の取付孔28D(図7参照)に対応する図示しない複数の螺子挿通孔が形成され、それらに通した螺子Bを取付孔28Dに締め込むことで、メインシールド部材47が流路ハウジング20に固定されている。なお、メインシールド部材47の1対の縦辺部47B,47Bは、流路ハウジング20の上面より上方位置まで延びている。
一方、サブシールド部材48の底辺部48Aは、流路ハウジング20の上面に重ねられている。その底辺部48Aには、流路ハウジング20の上面の外側円形リブ28Gを受容する貫通孔48Cと、流路ハウジング20の上側の取付孔28D(図7参照)に対応する図示しない複数の螺子挿通孔とが備えられ、それら螺子挿通孔に通した螺子Bを取付孔28Dに締め込むことで、サブシールド部材48が流路ハウジング20に固定されている。また、サブシールド部材48の1対の縦辺部48B,48Bは、メインシールド部材47の縦辺部47B,47Bの内面に重ねられ、それら縦辺部47Bと縦辺部48Bの上面同士が面一になっている。
さらに、図4における右側の縦辺部47B,48Bには、図3に示すように、後述の基板ケース60から張り出すフード部66との干渉を回避するための第1切欠部47Eと、フード部66から下方に導出されて上方に折り返される外部接続ケーブル93を通すための第2切欠部47Fとが形成されている。
流路ハウジング20の中央部には、サブシールド部材48の上から制御ユニット10Uが組み付けられている。制御ユニット10Uは、直方体状の樹脂製の基板ケース60に、バッテリー72、制御基板73,モニタ74,アンテナ基板75等を収容してなる。
図15に示すように、基板ケース60は、上側収容部60Aと下側収容部60Bとからなる。上側収容部60Aは、平面形状が長方形の直方体構造をなし、蓋体70にて閉塞された上面開口60Wを有する。一方、下側収容部60Bは、全体が、上側収容部60Aから1対の短辺部分と一方の長辺部分とを段付きに絞ってなる直方体状をなしている。これにより、上側収容部60Aと下側収容部60Bとの間には、上側収容部60Aの平面形状である長方形の3辺に沿って水平に延びた段差面60Dが形成されている(図4及び図15参照)。また、下側収容部60Bには、円柱形状のバッテリー72がその軸方向を矩形収容部60Aの長辺方向に向けられた状態で収容されている。そして、下側収容部60Bの一側壁の下端部が、バッテリー72の形状に対応させて円弧状に湾曲している。なお、バッテリー72の上部は、上側収容部60A内に位置している。
図4に示すように、基板ケース60のうち上側収容部60Aの平面形状の一方の短辺に相当する一外側面からは、フード部66が突出している。図3に示すように、フード部66は、L字形状をなし、上側収容部60Aの側方位置で横方向に延びかつ、その一端部から下側収容部60Bの下端部位置まで延びている。また、フード部66の先端面の全体は、鉛直方向と平行になっている。さらに、フード部66のうちL字の横辺部分と縦辺部分との間には、横方向に延びる仕切壁66Eにより仕切られ、その仕切壁66Eの先端面はフード部66全体の先端面よりフード部66の奥側に位置している。また、フード部66の下端部には、上下に貫通する円形の貫通孔66Fが形成されている。さらに、フード部66のうちL字の縦辺部分内には、基板ケース60の外側面から突出した1対のガイド突部66Gと、基板ケース60の側壁を貫通する1対のケーブル挿通孔66Hとが形成されている。1対のガイド突部66Gは、貫通孔66Fの上方に位置し、1対のケーブル挿通孔66Hは、さらにその上方に位置している。
図4に示すように、基板ケース60の下面からは、円筒壁64が突出し、その円筒壁64内の下端寄り位置に円形底壁65Sが備えられている。また、円形底壁65Sの中心部に電線挿通孔65Aが形成されると共に、その電線挿通孔65Aの周囲に複数の螺子挿通孔65Bが形成されている。さらに、円筒壁64には、複数箇所に、流路ハウジング20の上面の補強突部28L(図5参照)に対応する複数の切欠部64A(図15参照)が形成されている。そして、円筒壁64が流路ハウジング20の上面の外側円形リブ28Gの外側に嵌合され、螺子挿通孔65Bに挿通した螺子Bが流路ハウジング20の取付孔28Jに締め込まれて基板ケース60が流路ハウジング20に固定されている。また、流路ハウジング20の内側円形リブ28Fと外側円形リブ28Gとの間にOリング39が収容されて、流路ハウジング20と基板ケース60との間で押し潰されている。
蓋体70は、長方形のキャップ形状をなし、その開口端側が基板ケース60の内側に嵌合される。それら蓋体70と基板ケース60の上面同士が面一になっている。蓋体70の下端寄り位置の外周面には、リング溝70Mが形成されている。そのリング溝70MにOリング71が収容されて、蓋体70と基板ケース60との間で押し潰されている。また、蓋体70は、全体が透明な材料(例えば、樹脂やガラス等)から構成され、蓋体70には、後述するアンテナ基板75の窓部75Mに対応する長方形の透光部70Aが設けられている。透光部70Aは、蓋体70の上面からは、段付き状に僅かに突出している。また、蓋体70の下面においては、図4に示すように枠状突条70Bによって外縁部を縁取られている。なお、枠状突条70Bの外側には、蓋体70の下面を僅かに陥没させて枠状溝70Cが形成されている。そして、蓋体70の下面のうち枠状突条70Bより外側が、例えば黒色に塗装又は着色されていて、透光部70Aを通してのみ基板ケース60内を視認することができるようになっている。
図15に示すように、基板ケース60の段差面60Dからは、第1支柱63と第2支柱62と第3支柱61とが起立している。第1支柱63は、上側収容部60Aの一方の長辺に沿った段差面60Dの中央から僅かに一方の短辺側にずれた位置に配置され、断面円形の円柱状をなしている。また、第1支柱63の中心部には、上面から上下方向の途中位置に亘って基板固定孔63Nが穿孔されている。
第2支柱62は、上側収容部60Aの一方の短辺に沿った段差面60Dにおける第1支柱63から離れた側の端部と、他方の短辺に沿った基板ケース60における第1支柱63に近い側の端部とに配置されている。第2支柱62は、上側から順番に、小径部62A,小拡径部62B及び大拡径部62Cを備え、下方に向かって段付き状に外径が大きくなっている。また、両第2支柱62,62における小拡径部62Bと大拡径部62Cとの間の段差面62Yは、第1支柱63の上端面と面一になっている。なお、大拡径部62Cの外径は、第3支柱61より大きくなっている。
第3支柱61は、上側収容部60Aの一方の短辺に沿った段差面60Dにおける第1支柱63に近い側の端部に配置されている。第3支柱61は、上端寄り位置に段差面61Xを備えて、その段差面61Xが第2支柱62の段差面62Xと面一をなしている。また、第3支柱61のうち上端の小径部61Aと、第2支柱62の上端の小径部62Aとは、外径が同じになっている。さらに、第3支柱61のうち小径部61Aより下側の大径部61Bは、第2支柱62の大拡径部62Cより細く、小拡径部62Bより太くなっている。また、第2及び第3の支柱61,62は、一部が段差面60D上に位置し、残りは下側収容部60Bの内側面から張り出したリブ60C上に位置している。そして、第2及び第3の支柱61,62の下端部は、補強リブ61L,62Lによって補強されている。
図16には、制御基板73の平面形状が示されている。同図に示すように制御基板73は、上側収容部60Aに丁度収まる大きさの長方形の四隅を、四角形に切り欠かれた形状をなしている。制御基板73は、基板ケース60の上面と平行に配置される。また、制御基板73には、前述の1対の第2支柱62,62の小拡径部62B,62Bの下端部まで貫通する1対の貫通孔73A,73Aが備えられ、それら1対の貫通孔73A,73Aの開口縁に、1対の第2支柱62,62の段差面62Y,62Yが当接している。また、制御基板73には、第1支柱63の基板固定孔63Nに対応した貫通孔73Bが備えられ、そこに通された基板固定用螺子99が基板固定孔63Nにねじ込まれている。これらにより、制御基板73が上側収容部60Aの上下方向の略中央位置に位置決めされて基板ケース60に固定されている。なお、第3支柱61は、制御基板73の1つの角部の切り欠き部分を通過して制御基板73の上方に延びている。
図17には、アンテナ基板75の平面形状が示されている。同図に示すようにアンテナ基板75は、長方形の環形構造(即ち、枠状構造)をなし、内側に長方形の窓部75Mを有する。そして、窓部75Mの回りに巻回するようにループアンテナ75Tが、アンテナ基板75にプリントされると共に、ループアンテナ75Tの両端末が接続された1対のピンホール75P,75Pが備えられている。また、アンテナ基板75には、前述の1対の第2支柱62,62の小径部62A,62Aが貫通する1対の貫通孔75A,75Aと、第3支柱61の小径部61Aが貫通する貫通溝75Bとが備えられ、それら貫通孔75A及び貫通溝75Bの開口縁に、第2支柱62の段差面62Xと第3支柱61の段差面61Xが当接している。そして、小径部61A,小径部62Aにおけるアンテナ基板75より上方に突出した部分が熱かしめされ、図4に示したヘッド部62Tが形成されている。これらにより、アンテナ基板75が上側収容部60Aの上下方向の上端部に位置決めされて基板ケース60に固定されている。
また、ピンホール75P,75Pを貫通する図示しない1対のピンが制御基板73の図示しないピンホールも貫通して、ピンの両端部がピンホールに半田付けされている。これにより、制御基板73とアンテナ基板75とが電気接続されている。
制御基板73のうちアンテナ基板75に覆われる部分には、モニタ74が実装されている。モニタ74は、例えば、複数のピンが外縁部から下方に向かって垂下するピングリットアレイ構造をなして、それら複数のピンの下端部が、制御基板73に半田付けされて、制御基板73から上方に浮いた状態に保持されている。また、モニタ74の上面のうち1対の対向する外縁部を除く全体は、液晶画面になっていて、そこに積算の流量と、単位時間当たりの流量とが表示されるようになっている。そして、図17に示すように、アンテナ基板75の窓部75Mを通してモニタ74のうち上記した1対の外縁部を除く全体を視認することができるようになっている。
図20に示すように、制御基板73には、モニタ74以外に、マイクロコンピュータ91、無線回路94、A/Dコンバータ92、コイル駆動回路96及び電源回路97が実装されている。そして、マイクロコンピュータ91が、コイル駆動回路96によってコイル53Cの励磁を制御すると共に、検知電極40の検出結果をA/Dコンバータ92を通して取り込んで流量を演算する。そして、その流量を近距離無線通信によって無線回路94、アンテナ75を用いて無線送信する。
また、マイクロコンピュータ91には、インターフェース98を介して外部接続ケーブル93が接続されている。外部接続ケーブル93は、対をなして、フード部66の貫通孔66Fに装着したエラストマー性の筒状ブッシュ66K内に引き込まれている。外部接続ケーブル93は、フード部66内で1対のガイド突部66G,66Gに挟まれた状態で、その挟まれた部分より上方で曲げられて、フード部66内からケーブル挿通孔66Hを通して基板ケース60内に引き込まれている。また、外部接続ケーブル93のうち貫通孔66Fとガイド突部66Gとの間には、金属製のコードクリップ66Dが固定されている。また、外部接続ケーブル93のうちガイド突部66Gとケーブル挿通孔66Hとの間には、絶縁被覆を剥かれた浸透水遮断部93Dが設けられている。
図3に示すように、外部接続ケーブル93のうちフード部66から下方に延びた部分は、磁気シールド47Uに備えたケーブル挿通孔48Dを通して磁気シールド47U内に収容されてから上方に折り返され、別のケーブル挿通孔48Dから外部に排出され、そこで第2切欠部47Fを通過するように外側に折り曲げられている。なお、外部接続ケーブル93における第2切欠部47Fの手前位置には、結束バンド80が巻かれて第2切欠部47Fの縁部に係止している。
ところで、基板ケース60に対し、前述の1対のサイドキャップ37,37にて閉塞されたクロススリーブ25は、検知電極40等を収容する電極ケース25Xになっている。また、電極ケース25Xと基板ケース60とは連通して1つの電気部品ケース69になっている。そして、電気部品ケース69内全体であるケース内エリアを収容物毎に区別すると、電極ケース25X内が、コイル53Cと1対の検知電極40,40を収容する下部エリアA1をなし、基板ケース60の下側収容部60B全体と上側収容部60Aの下部とが、バッテリー72を収容する中部エリアA2をなし、その上側全体が制御基板73とモニタ74とを収容する上部エリアA3をなしているということができる。そして、収容物の特性等を考慮して、電気部品ケース69内全体に、複数種類のポッティング材が分けて充填されると共に、電気部品ケース69内と外部とを隔絶するために、フード部66内のフード部内エリアA4にもポッティング材が分けて充填されている。
具体的には、本実施形態では、電子部品ケース69内に充填されているポッティング材Pは、第1〜第3ポッティング材P1〜P3の3種類のポッティング材で構成される。
第1ポッティング材P1は、上部エリアA3と中部エリアA2の上部とに(即ち、上側収容部60A内に)充填されている。第1ポッティング材P1は、シリコン系樹脂で構成される。第1ポッティング材P1は、透明であるので、蓋体70と第1ポッティング材P1を通してモニタ74が視認可能になっている。また、第1ポッティング材P1は、バッテリー72の上部を覆っている。
第2ポッティング材P2は、フード部内エリアA4に充填されていると共に、エポキシ系樹脂で構成される。第2ポッティング材P2は、外部接続ケーブル93の浸透水遮断部93Dと密着していて、これにより、外部接続ケーブル93の固定の安定化が図られる。また、第2ポッティング材P2は、外部接続ケーブル93に固定されたコードクリップ66Dとも密着していて、これによっても、外部接続ケーブル93の固定の安定化が図られる。
第3ポッティング材P3は、下部エリアA1と中部エリアA2の下側部分とに(即ち、電極ケース25X内と下側収容部60B内とに)に充填されている。第3ポッティング材P3と第1ポッティング材P1は、上下に隣接していて、第3ポッティング材P3は、バッテリー72の下側部分を覆っている。本実施形態では、第3ポッティング材P3は、第2ポッティング材P2とは異なる種類のエポキシ系樹脂で構成されている。
本実施形態の電磁流量計10では、電気部品ケース69内全体とフード部内エリアA4に充填された第1〜第3ポッティング材P1〜P3により、電気部品ケース69及びフード部内エリアA4に収容された電気部品(制御基板73、モニタ74、アンテナ基板75等の基板、それら基板に接続された電線、ヨーク51等)の固定の安定化が図られると共に、防水性能を高めることが可能となっている。
第1〜第3ポッティング材P1〜P3の詳細については、以下のようになっている。第1ポッティング材P1は、例えば、紫外線吸収剤等が添加されていて、紫外線による変色が抑制されている。また、第1ポッティング材P1は、第2ポッティング材P2と第3ポッティング材P3に比べて、針入度(JIS K−2235に準拠)が高くなっている。これにより、制御基板73、モニタ74、アンテナ基板75等の基板が割れるおそれが抑制される。
また、本実施形態では、第2ポッティング材P2と第3ポッティング材P3は、第1ポッティング材P1よりも、金属に対して接着し易いものとなっている。これにより、第2ポッティング材P2が、外部接続ケーブル93の金属芯部からなる浸透水遮断部93Dと金属製のコードクリップ66Dとに接着し易くなっていると共に、第3ポッティング材P3が、ヨーク51、検知電極40等と接着し易くなっている。
また、本実施形態では、第1ポッティング材と第3ポッティング材P3とは、第2ポッティング材P2よりも、硬化温度が低くなっている。従って、バッテリー72と接する部分の充填に、第2ポッティング材P2を用いる場合に比べて、ポッティング材を硬化させるための熱によりバッテリー72が劣化することが抑制される。第1ポッティング材P1と第3ポッティング材P3は、100℃以下で硬化可能であることが好ましく、80℃以下で硬化可能であることがさらに好ましい。また、第1ポッティング材P1と第3ポッティング材P3は、第2ポッティング材P2よりも、硬化時に発熱しにくいものとなっている。この点においても、バッテリー72の劣化が抑制される。
本実施形態では、第2ポッティング材P2と第3ポッティング材P3とは、共にエポキシ系樹脂からなるが、以下の点でも異なる物性を有している。第3ポッティング材P3は、第2ポッティング材P2よりも、硬化前の粘度が低くなっている。従って、図4に示すように、電気部品ケース69の内部のうち、くびれた部分であるケーブル挿通孔28Eや、クロススリーブ25内の入り組んだ部分にポッティング材を流し込むことが容易となる。また、本実施形態では、第3ポッティング材P3は、第2ポッティング材P2よりも、フード部66を構成する樹脂(本実施形態では、ABS樹脂)と接着し易くなっている。従って、フード部66からの水の浸入を一層抑制可能となる。
以上のように、本実施形態の電磁流量計10では、電気部品ケース69内及びフード部内エリアR2が、各部位に適した種類のポッティング材によって充填されている。
なお、本実施形態では、第1〜第3ポッティング材P1〜P3は、例えば、以下のようにして充填される。まず、流路ハウジング20に、電気部品ケース69を構成する部材(サイドキャップ37、基板ケース60及びフード部66)や、電気部品ケース69に収容される電気部品(検知電極40、ヨーク51、制御基板73、モニタ74、電線90等)が組み付けられる。次に、基板ケース60が上側に配置された姿勢(図4に示す姿勢)で、第3ポッティング材P3がフード部66から基板ケース60の途中まで(具体的には、下側収容部60Bの上端まで)注入されて、硬化させられる。その後、フード部66の開口が上側に向くように電気部品ケース69が横倒しにされる。そして、その横倒し姿勢で、第1ポッティング材P1がフード部66から基板ケース60内に(即ち、上側収容部60Aに)注入されて、硬化させられる。次いで、その横倒し姿勢のまま、フード部66に第2ポッティング材P2が注入されて、硬化させられる。以上により、内部領域Rに第1〜第3ポッティング材P1〜P3が充填される。なお、蓋体70は、第2ポッティング材P2を注入する前に基板ケース60に取り付けられればよく、第1ポッティング材P1の注入及び硬化の際には、取り付けられていなくてもよい。この場合、基板ケース60の上面開口60Wから第1ポッティング材P1が注入されてもよい。
以上のようにして、電気部品ケース69内とフード部66内とにポッティング材が充填されて電磁流量計10のメータ本体10Hが完成する。そして、その電磁流量計10は、冒頭で説明したようにケース13に収容される。以下、ケース13について説明する。
図18に示すように、ケース13は、上ケース15と下ケース14とからなる。上ケース15と下ケース14とは、互いに対向する面が開放された箱形をなしている。そして、メータ本体10Hのうち、基板ケース60及びその内部に収容された部品からなる制御部10Bが上ケース15に収容される一方、メータ本体10Hのうち基板ケース60より下側部分、即ち、流路ハウジング20の中間部(即ち、1対の境界フランジ24,24に挟まれた部分)とそこに組み付けられた部品とからなる検出部10Aが下ケース14に収容されている。
図2に示すように、上ケース15及び下ケース14は、平面形状が横長の長方形をなし、上ケース15が下ケース14より僅かに上下方向に大きくなっている。また、下ケース14の内面には、上端寄り位置全体に段差面が形成され、その段差面より上側が僅かに肉厚が薄くなったケース嵌合部14Tになっている。一方、上ケース15の外面には、下端寄り位置全体に段差面が形成され、その段差面より下側が僅かに肉厚が薄くなった内側嵌合部15Tになっている。そして、図19に示すように、下ケース14のケース嵌合部14Tの内側に上ケース15の内側嵌合部15Tが嵌合する。
下ケース14の1対の長辺側壁14X,14Xの横方向の中央には、1対の側壁溝14A,14Aが形成されている。側壁溝14Aは、流路ハウジング20の境界フランジ24に対応して、上端から下端寄り位置まで均一幅をなしかつ下端部が半円形になっている。また、長辺側壁14Xの内側面のうち側壁溝14Aの両側位置には、1対の第1縦リブ78,78が備えられている。第1縦リブ78は、長辺側壁14Xの上端から下端の全体に亘って延び、ケース嵌合部14Tとの間に隙間を有し、さらに、ケース嵌合部14T側の上端角部を面取りされている。
長辺側壁14Xの内面のうち側壁溝14Aの内側開口縁には、角溝形の内側カバー部77が形成されている。内側カバー部77の両辺部分は、1対の第1縦リブ78,78に一体形成されて、長辺側壁14Xの下端からケース嵌合部14Tの手前位置に亘って延びかつ、側壁溝14Aの両側部から側壁溝14Aの内側に張り出している。また、内側カバー部77の底辺部分は、1対の第1縦リブ78,78の下端部の間を連絡するように延び、その中間部分が側壁溝14Aの下端部から側壁溝14Aの内側に張り出している。
下ケース14の1対の短辺側壁14Y,14Yの横方向の両端寄り位置には、1対の第2縦リブ14L,14Lが備えられている。第2縦リブ14Lは、第1縦リブ78と同様に、短辺側壁14Yの上端から下端の全体に亘って延び、ケース嵌合部14Tとの間に隙間を有し、上端角部を面取りされている。また、1対の短辺側壁14Y,14Yの間で対向する1対の第2縦リブ14L,14Lの下端部の間は、底壁14Zから突出する横リブ14Mによって連絡されている。
下ケース14の底壁14Zには、その底壁14Zの短手方向で、1対の横リブ14M,14Mを挟んで対向する2対の弾性挟持片19,19が、短辺側壁14Y,14Y寄り位置に備えられている。また、各弾性挟持片19の対向面側の上端部には、係止突部19Tが備えられている。
一方の短辺側壁14Yの一端部と第2縦リブ14Lと間には、ケーブルガイド76が備えられ、短辺側壁14Yより上方に突出し、その突出部分にはケーブル溝76Mが設けられている。
メータ本体10Hが下ケース14に収容されると、流路ハウジング20の1対の境界フランジ24,24が下ケース14の側壁溝14A,14Aに収まり、磁気シールド47Uのメインシールド部材47が1対の横リブ14M,14Mによって下方から支持される。また、2対の第2縦リブ14Lによりメインシールド部材47が下ケース14の長手方向で位置決めされると共に、2対の弾性挟持片19によりメインシールド部材47の底辺部47Aが挟まれて下ケース14の短手方向で位置決めされ、さらに、弾性挟持片19の係止突部19Tが底辺部47Aに上面側から係止してメインシールド部材47が下ケース14に抜け止めされる。また、内側カバー部77が境界フランジ24の外縁部に内側から重なって境界フランジ24と下ケース14との隙間が塞がれる。また、境界フランジ24の外面と長辺側壁14Xの外面は、面一に配置される。
また、メータ本体10Hの外部接続ケーブル93がケーブルガイド76のケーブル溝76Mに収まって下ケース14の外側に引き出された状態になる。
なお、メータ本体10Hを下ケース14に上方から押し込むだけで、係止突部19Tの傾斜面19Aにメインシールド部材47の底辺部47Aが摺接して弾性挟持片19群が弾性変形し、電磁流量計10が下ケース14の奥まで押し込まれると、弾性挟持片19群が弾性復帰して係止突部19Tの係止面19Bがメインシールド部材47の底辺部47Aに係止して上述した状態になる。
下ケース14における各長辺側壁14Xの横方向の両端部と、短辺側壁14Yの横方向の中央とには、それぞれ弾性係合片17が備えられている。長辺側壁14Xの弾性係合片17は、帯板状をなして長辺側壁14Xの内面に重なって上下方向に延びかつ長辺側壁14Xより上方に突出し、ケース嵌合部14Tとの間には隙間を有している。また、弾性係合片17のうち長辺側壁14Xより上方に突出する部分には、四角形の貫通孔が形成されて、その内側が係合部17Aになっている。また、短辺側壁14Yの弾性係合片17は、長辺側壁14Xの弾性係合片17の四角形の貫通孔より下側部分全体を除去した構造になっている。
図18に示すように、上ケース15の内面には、弾性係合片17に対応して係合突部18が設けられている。係合突部18は、上下方向に対して傾斜した傾斜面18Aと、上端部で水平になった係合面18Bとを有する。そして、メータ本体10Hの検出部10Aを収容した状態の下ケース14に対して上ケース15を上方から嵌合させると、その過程で弾性係合片17群が一斉に係合突部18群の傾斜面18Aに摺接して内側に弾性変形し、ケース嵌合部14T,内側嵌合部15T同士が嵌合したとこで、弾性係合片17群が一斉に係合突部18群を乗り越えて弾性復帰し、図19に示すように、弾性係合片17の係合部17Aに係合突部18が係合して、上ケース15と下ケース14とを分離不能(即ち、嵌め殺し状態)に連結される。
なお、ケース13における上述以外の詳細構造は、以下のようになっている。即ち,上ケース15の一方の短辺側壁15Yには、ケーブル溝76Mに対応した切欠部15Bが備えられ、その上ケース15に外部接続ケーブル93の途中部分が受容される。上ケース15の長辺側壁15Xには、2対の第3縦リブ15L,15Lが備えられていて、上ケース15が補強されている。制御部10Bが上ケース15に収容されると、第3縦リブ15L,15Lが本体ケース10Hと当接する。また、上ケース15の上面には、蓋体70の透光部70Aに対応する長方形の上面窓部15Wが設けられている。そして、図1に示すように、上ケース15の上部には蓋部16が回転可能に取り付けられて、上面窓部15Wを塞いでいる。上ケース15の下流側の長辺側壁15Xの横方向の中央に、蓋部16のヒンジ部16Hが設けられていて、蓋部16がヒンジ部16Hを中心として回転し開くようになっている。蓋部16を開けやすいように、上流側の長辺側壁15Xの横方向の中央の上端には、凹部15Aが設けられている。また、図3に示すように、上ケース15の上面から下方に向けて突出した係合突部15Dが備えられている。この係合突部15Dが、蓋体70の上面に設けられた係合凹部26と係合する。これにより、上ケース15と基板ケース60との一体化が図られて、上ケース15が強化される。また、係合突部15Dと係合凹部26とを配置する位置によって、上ケース15の向きが、本来の向きと逆になって下ケース14と組み付けられることを抑制することも可能である。
また、図2に示すように、下ケース14の長辺側壁14Xのうち側壁溝14A寄り位置の上端には、ワイヤー止め79が備えられている。ワイヤー止め79は貫通孔79Aを有していて、図示しないワイヤーが貫通孔79Aを通って水道管に巻き付けられ、下ケース14が水道管に固定される。
本実施形態の電磁流量計10の構成に関する説明は、以上である。次に、この電磁流量計10の作用効果について説明する。電磁流量計10は、水道管の途中に接続されて作動し、水道管を流れる水の流量を測定する。そのために、制御基板73が、コイル53Cに交流電流を通電する。すると、コアシャフト51Jと1対のヨーク51,51と、それらヨーク51,51の磁束貫通面51Z,51Z間の計測管部20Pとから磁気回路が形成され、計測管部20P内を流れる水に、その流れ方向と交差する方向から磁束(磁界)が付与される。また、検知電極40,40の間の水と検知電極40,40とそれらの電線90と制御基板73とによって閉回路89(図20参照。以下、「計測用閉回路89」という)が形成される。そして、計測管部20P内を水が流れると、電磁誘導により、計測用閉回路89における1対の検知電極40,40の先端面の間に計測管部20P内の水の流速に応じた電位差が生じる。制御基板73は、その電位差と計測管部20P内の計測流路20R(即ち、計測部20K)の断面積等に基づいて単位時間当たりの水の流量を演算する共に、その流量を積算して積算流量を演算する。そして、それら演算結果がモニタ74に表示される。
ところで、計測用閉回路89内を貫通する磁束の強度が変化すると、それがノイズとなって測定精度を下げる原因になる。これに対し、本実施形態では、図9に示すように、一方のヨーク51に電線受容溝51Eが形成され、そこに一方の検知電極40の電線90を受容して他方の検知電極40の電線90側に延びるように支持したことで、一方の検知電極40の電線90と、両検知電極40,40の間の水による電路89Wとが、磁束が延びる方向(図9の上下方向)に並び、計測用閉回路89内を磁束が貫通し難い状態になる。
より詳細には、電線受容溝51Eは、ヨーク配置面34,34と直交する基準面S(図8,9に示された切断面)内に、両検知電極40,40と共に配置されているから、一方の検知電極40の電線90と、検知電極40,40の間の水による電路89Wとが磁束方向で重なり合い、磁束が計測用閉回路89内を貫通することを抑えることができる。また、両検知電極40,40が同一直線上に配置される棒状をなし、電線受容溝51Eの延長線上に延びる電線収容溝33A及び電線受容溝52Eに一方の検知電極40の電線90が受容されることで、ヨーク51,51の磁束貫通面51Z,51Zの側方でも、磁束が計測用閉回路89内を貫通することが抑えられる。
また、検知電極40,40の電線90,90が、共にヨーク51,51の側方を通過して制御基板73まで延び、それら電線90,90が基準面S内で横並びになるように保持されることで、磁束貫通面51Z,51Zから側方に漏れた磁束が計測用閉回路89内を貫通することが防がれる。
さらに、1対のヨーク51,51が計測管部20Pを挟んで対向するように設けられているので、しかも、ヨーク配置面34,34及び磁束貫通面51Z,51Zは平坦であるから、これらにより磁束の側方への拡がりが抑えられ、この点においても計測用閉回路89内を磁束が貫通し難い状態になる。これらにより、計測用閉回路89におけるノイズの発生を抑えて流量の測定精度を向上させることができる。
なお、電線収容溝33A及び電線受容溝52Eを通過する電線90の両側の屈曲部の近傍部分が電線挿通孔44A,44Aに通されて支持されるので、電線90が配置が安定する。また、電線受容溝51Eは、計測管部20Pのヨーク配置面34に形成してもよいが、磁束貫通面51Zに形成すれば(即ち、ヨーク51に形成すれば)、計測管部20Pの強度確保が容易になる。
また、電磁流量計10が水道管に取り付けられる前は、計測流路20R内は水が無い状態になる。また、水道の断水により計測流路20R内から水が抜け出る場合もある。ここで、計測流路20Rに水が流れ込んだときに、検知電極40と電極収容孔35との隙間に空気が留まってしまうことが懸念される。具体的には、従来の電磁流量計では、上記隙間に空気が入り込む容量を可能な限り減らすために隙間を小さくしていたので、隙間に水も入り難くなり、一度、隙間に空気が溜まるとそれが排除されないことがあり、これが測定精度が低下する原因になっていたと考えられる。
これに対し、本実施形態の電磁流量計10では、図11(A)に示すように、各電極収容孔35の端部に、検知電極40の水没先端部40Hを収容する水没部屋35Hが備えられ、それら各水没部屋35Hに、計測流路20R内の水の有無に応じて水が出入りする流出入口35Aが設けられている。これにより、水没部屋35Hに空気が入り込んでも、その空気を容易に排除することができる。
詳細には、水道水の供給が開始又は再開されて計測流路20Rに水が流れると、長円形の流出入口35Aの一端から水没部屋35Hに水が流れ込み、水没部屋35H内の空気を長円形の流出入口35Aの他端から押し出す。ここで、流出入口35Aは、短軸方向の全長が計測流路20Rの内側面のうちR面取りされた曲面20G,20G間の距離の0.7〜1倍になるまで拡げられているので、確実に水没部屋35Hに水を取り込むことができる。また、水没部屋35Hのうち計測流路20R側の縁部から開口突部35Wが内側に突出し、その開口突部35Wの内側が流出入口35Aになっているので、万が一、Oリング36が計測流路20R側に吸引されても計測流路20R側へと離脱することはない。さらに、Oリング36を開口突部35Wから離して設けたことで、水没部屋35H内が広くなり、水が水没部屋35Hに流れ込み易くなると共に、水没部屋35H内に仮に僅かに空気が残っても、その空気を検知電極40の水没先端部40Hから離して、水没先端部40H全体を水没させることができる。しかも、長円形の流出入口35Aの長軸方向と、計測流路20Rの軸方向、即ち、水が流れる方向とが平行になっているので、計測流路20R内の水の流れを利用して水没部屋35Hに容易に水が取り込まれる。
以上により、本実施形態の電磁流量計10では、1対の検知電極40,40の水没先端部40H,40H全体が確実に水没して検知電極40,40と水との接触面積のばらつきが抑えられ、測定精度が向上する。
また、電磁流量計10は、水道水の流量の計測結果を、外部から近距離無線通信(Near field radio communication)による所定の無線信号に応じて、無線信号で返信する。
ここで、電磁流量計10では、環形構造のアンテナ基板75を設けて、そこに近距離無線通信用のループアンテナ75Tをプリントしたので、モニタ74の周囲の所謂デッドスペースを利用してループアンテナ75Tを大きくすることができ、基板ケース60の大型化を抑えつつ無線の受信感度の向上を図ることができる。また、制御基板73がアンテナ基板75より下側に離れているので、制御基板73からアンテナ基板75へのノイズの影響も抑えられる。それでいて、モニタ74は、制御基板73に対して浮かせた状態に保持され、蓋体70の透光部70Aに近づけられているので、モニタ74を良好に視認することができる。
また、単に制御基板73とは別個にアンテナ基板75を設けると、組み付け作業の手間が増えて製造コストが高くなるが、本実施形態の電磁流量計10では、制御基板73を螺子止めする第1支柱63とは別に複数の第2支柱62及び第3支柱61を設け、それらの上端部の熱かしめによりアンテナ基板75を固定すると共に、それら第2支柱62が制御基板73及びアンテナ基板75を貫通することにより位置決めが行われるので、手間がかかる螺子作業を減らして、製造コストを抑えることができる。
また、基板ケース60が、制御基板73の下方にバッテリー72を収容するので基板ケース60の底部から第1支柱63及び第2支柱62が起立すると、第1支柱63等が長くなって支持が不安定になり得るが、本実施形態の電磁流量計10では、基板ケース60の内側面における上下方向の途中部分に段差面60Dを設けて、その段差面60Dから第1〜第3の支柱63,62,61を起立させたので、制御基板73及びアンテナ基板75の支持が安定する。
また、電磁流量計10は、水道管に接続される流路ハウジング20の両端部を除く全体を、上ケース15と下ケース14(以下、適宜「上下のケース14,15」という)とを合体してなるケース13に収容される。そして、それら上下のケース14,15は、合体すると分離不能になるので従来に比べて不正操作を効果的に防ぐことができる。また、上下のケース14,15を分離不能とするために、下ケース14に備えた弾性係合片17が、弾性変形を伴って上ケース15の内側に挿入され、ケース合体状態で弾性復帰し、上ケース15の内面の係合突部18に係合する構造(所謂、「嵌め殺し」構造)になっているので、電磁流量計10の組立作業を容易に行うことができる。
弾性係合片17は、下ケース14の内側面のうち先端部から離れた位置から立ち上がっていて、図19に示すように、上ケース15の内側嵌合部15Tが、下ケース14のケース嵌合部14Tと弾性係合片17との間に嵌合するので、上ケース15の側壁を押し引きしても、その上ケース15の側壁と一緒に弾性係合片17も移動し、弾性係合片17の係合が外されることを確実に防ぐことができる。また、下ケース14の長辺側壁14X及び短辺側壁14Yを補強する複数の第1と第2の縦リブ14L,78が上ケース15の内側に挿入されるので、上下のケース14,15の横ずれを強固に防ぐことができる。また、第2縦リブ14L,14L同士が横リブ14Mで連絡されているので、それら連続している第2縦リブ14L,14Lと横リブ14Mとにより、下ケース14全体を効果的に補強することができる。
また、下ケース14及び上ケース15は、平断面が四角形をなし、弾性係合片17は、下ケース14の平断面の四角形の全ての辺に配置されているので、上下のケース14,15の何れの側壁間においても隙間の発生が抑えられ、不正操作を確実に防ぐことができる。しかも、下ケース14のうち強度低下が懸念される各側壁溝14Aの両側に弾性係合片17がそれぞれ対をなして配置されているので、強度低下分を弾性係合片17の係合によって補うことができる。
また、流路ハウジング20から側方に張り出す境界フランジ24,24が、下ケース14の側壁溝14A,14Aに嵌まって下ケース14の外側面及び上面と面一になるので、流路ハウジング20と下ケース14との一体感が高くなり、審美性が向上する。それら境界フランジ24,24及び側壁溝14Aは、下端部が円弧状になっているので、応力集中が防がれて強度を高くすることができる。また、下ケース14の内側カバー部77が、境界フランジ24,24の縁部に内側から重なるので、不正に工具等が挿入される隙間の発生を防ぐことができる。
また、メインシールド部材47とサブシールド部材48によって検出部10Aが四方から包囲されて磁気シールドされ、外部から磁界を付与して電磁流量計10を誤作動させる不正操作を防ぐことができる。また、メインシールド部材47の底辺部の両端部が、下ケース14の底面から起立する2対の弾性挟持片19によって挟持されると共に、各弾性挟持片19の係止突部19Tがメインシールド部材47の底辺部に上方から係止することで、下ケース14とメインシールド部材47との一体化が図られて、下ケース14が強化される。
本実施形態の電磁流量計10では、流路ハウジング20のインサート成形によって金属スリーブ21を流路ハウジング20に固定し、その金属スリーブ21に配管に接続するための雄螺子部21Nを備えたので、軽量化と高強度化の両方を図ることができる。
ここで、電磁流量計10を配管に取り付ける際に、電磁流量計10のケース13を把持して雄螺子部21Nに対する螺合部品の締め付け操作を行うと、電磁流量計10に大きな捻れ負荷がかかり得るが、本実施形態では、流路ハウジング20の両端寄り位置にツール係合部23が備えているので、そこに工具を係合して流路ハウジング20を回り止めすることで、電磁流量計10に大きな捻れ負荷がかかることを防ぐことができる。また、ツール係合部23は、流路ハウジング20に一体成形されているので、ツール係合部23を設けたことによる製造コスト及び重量の増加が抑えられる。また、本実施形態のように、ツール係合部23を多角形のフランジ形状にした場合、多角形の各角部の稜線の中間部を横切る肉抜き溝23Aを備えることで、流路ハウジング20の樹脂成形時の「ひけ」による成形歪みを抑えることができる。
本実施形態では、金属スリーブ21の先端面を覆うカバーフランジ22Fが流路ハウジング20に一体成形されているので、金属スリーブ21の内面からの流路ハウジング20の剥離が防がれ、耐久性が向上する。また、本実施形態によれば、金属スリーブ21の先端面の外縁部を、流路ハウジング20をインサート成形するための金型に押し付けて、金属スリーブ21の雄螺子部21N側への溶融樹脂の流れ込みを防ぐことができる。また、金属スリーブ21の先端面の外縁部は、テーパー形状をなしているので、金型に対する金属スリーブ21の心出しを容易に行うことができる。
本実施形態によれば、金属スリーブ21の大径フランジ部21Cの外周面を、流路ハウジング20をインサート成形するための金型に嵌合して、金属スリーブ21の雄螺子部21N側への溶融樹脂の流れ込みを防ぐことができる。しかも、金属スリーブ21の先端面の外縁部は、テーパー形状をなしているので、金型に対する金属スリーブ21の心出しを容易に行うことができる。
また、小径フランジ部21Dや内側大径部21Eが、金属スリーブ21に備えられ、流路ハウジング20の樹脂で覆われているので、流路ハウジング20に対する金属スリーブ21の抜け止めが強化される。そのうえ、金属スリーブ21に、周方向で凹凸が繰り返す形状の凹凸係合部21Qが設けられているので、流路ハウジング20に対する金属スリーブ21の回り止めが強化される。
本実施形態では、クロススリーブ25により流路ハウジング20の中間部が補強され、そのクロススリーブ25は1対のサイドキャップ37,37によって両端部を補強される。さらに、コイル53C及び検知電極40はクロススリーブ25に収容されることで保護される。
また、本実施形態では、流路ハウジング20のうち1対のヨーク51,51に挟まれた部分が、1対の架橋壁29B,29Bによって補強される。これにより、流路ハウジング20のうち1対のヨーク51,51に挟まれる部分を薄くしてその内側の計測流路20Rへの磁界強度を高めることができ、計測精度を上げることが可能になる。また、流路ハウジング20から側方に張り出す複数の水平リブ29Aをクロススリーブ25の内部に備えて補強を増せば、さらに、流路ハウジング20のうち1対のヨーク51,51に挟まれる部分を薄くすることができる。
本実施形態では、流路ハウジング20のうちクロススリーブ25を間に挟んだ2箇所から側方に張り出す1対の境界フランジ24,24の間に上端と下端の補強プレート28A,28Aが差し渡されると共に、1対の境界フランジ24,24とクロススリーブ25との間に複数の補強プレート28Aが差し渡されることで、流路ハウジング20のうちクロススリーブ25を含む中間部全体が補強される。これに加え、流路ハウジング20のうち1対の境界フランジ24,24より端部側の側面から複数の水平リブ27Aが張り出していることで流路ハウジング20全体が補強される。
また、本実施形態では、計測流路20Rのうちコイル53Cからの磁界を受ける部分が、板金をU字形に折り曲げてなるメインシールド部材47によって三方から包囲されて磁気シールドされるので、外部から磁界を付与して電磁流量計10を誤作動させる不正操作を防ぐことができる。また、メインシールド部材47によってクロススリーブ25が補強もされる。そのメインシールド部材47の1対の側辺部に両端部が重ねられるサブシールド部材48が加えられることで、磁気シールド及び補強が強化される。
ここで、水に接触するために耐食性を要する検知電極は、その耐食性のために半田又は蝋に対する濡れ性は低い。このため、制御基板73から延びる1対の電線90,90を1対の検知電極40,40に半田付けした場合には、導通接続の信頼性が低くなる。また、電線90と検知電極40との接続部分にカシメ構造を適用した場合には、接続部分の接触面積の確保が困難である。これらに対し、本実施形態の電磁流量計10は、検知電極40より半田又は蝋に対する濡れ性が高い導電部材で構成された1対の電線接続部材46,46を備え、それら1対の電線接続部材46,46と1対の検知電極40,40とを圧入接続すると共に、制御基板73から1対の検知電極40,40に対して延びる1対の電線90,90の芯線を1対の電線接続部材46,46に半田付け又は蝋付けしたので、導通接続の信頼性と耐食性の両方を高くすることができる。
また、本実施形態の電磁流量計10では、流路ハウジング20の少なくとも一部を包囲しかつ電線接続部材46,46を収容する電極ケース25にポッティング材Pが充填されるので電極接続部材46の周辺部分の防水が図られる。しかも、電極接続部材46と検知電極40とは圧入によって接続されているので、それらの隙間にポッティング材Pが入り込むことはなく、ポッティング材Pが入り込んで接触不良が発生することが防がれる。
検知電極40を構成する部材としては、ステンレス等が挙げられ、電線接続部材46を構成する部材としては、銅等が挙げられる。なお、検知電極40は、メッキ等によって表面に耐食処理が施されたものを使用してもよい。また、検知電極40としては、磁性を有しない又は低いオーステナイト系の金属であることが好ましい。
本実施形態では、電線90の芯線を受容する電線受容溝46Mを電線接続部材46に形成したので、溶融した半田又は蝋を電線受容溝46Mに流し込んで容易に半田付け又は蝋付けを行うことができる。また、細棒部40Dの端面が、電線受容溝46Mの底面と面一になっているので、電線受容溝46Mの底面と芯線との間に隙間を生じ難くなり、接続の信頼性が向上する。しかも、本実施形態の電磁流量計10では、検知電極40を電極収容孔35に挿入する前に、検知電極40の細棒部40Dを電極固定部材42に貫通させて、その細棒部40Dの端部に電線接続部材46を圧入しておくことで、検知電極40と電線接続部材46と電極固定部材42とを1つのアッシにしておくことができ、その後の組み付けが容易になる。
また、本実施形態では、検知電極40を抜け止めする樹脂製の電線固定部材42と電線接続部材46とが離間しているので、半田付け又は蝋付けを行うときの熱によって電極固定部材42が変形することが防がれる。そのうえ、本実施形態の電磁流量計10では、電線受容溝45M又は電線挿通孔44Aを利用して電線90を容易に取り廻すことができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記第1実施形態の流出入口35Aは、長円形であったが、楕円形であってもよいし、図21(A)に示すように円形であってもよい。また、流出入口35Aは、図21(C)に示す長方形や、図21(D)に示す菱形のように、流路ハウジング20の軸方向に長くなった多角形状であってもよいし、正多角形状であってもよい。また、流出入口35Aは、図21(B)に示すように、検知電極40と同軸の円形開口部35Xの上流側と下流側の端部に半円形状等の切欠き部35Y,35Yが形成された形状であってもよい。なお、この場合、円形開口部35Xが、検知電極40の小径先端部40Aと嵌合する構成であってもよく、この構成では、切欠き部35Yから水が水没部屋35Hに流れ込む。
(2)上記第1実施形態では、Oリング36の離脱を防ぐ突部が、開口突部35Wで構成されていてが、開口突部35Wとは別に(例えば、開口突部35WとOリング36の間に)設けられていてもよい。
(3)上記実施形態では、制御基板73の基板ケース60への固定が、基板固定用螺子99によって行われていたが、第3支柱61のように、第1支柱63の上端に制御基板73の貫通孔73Bを貫通する小径部を設けて、その小径部を熱かしめすることによって行われてもよい。
(4)上記実施形態において、制御基板73やアンテナ基板75が、第1〜第3の支柱63,62,61によって支持される代わりに、基板ケース60の上側収容部60Aの内面から突出した突部によって支持されてもよいし、基板ケース60の上側収容部60Aの内面に設けられて上側を向いた段差面によって支持されてもよい。
(5)上記実施形態において、第1の支柱63や第3の支柱61が複数設けられていてもよい。また、第2の支柱62が1つ又は3つ以上設けられていてもよい。
(6)上記実施形態では、弾性係合片17が下ケース14のみに設けられると共に係合突部18が上ケース15のみに設けられていたが、逆の構成で、弾性係合片17が上ケース15のみに設けられると共に係合突部18が下ケース14のみに設けられていてもよい。また、弾性係合片17と係合突部18の両方が、下ケース14と上ケース15とにそれぞれ設けられていてもよい。
(7)上記実施形態では、弾性係合片17が、下ケース14の長辺側壁14Xと短辺側壁14Yの両方に設けられていたが、長辺側壁14Xのみに設けられていてもよいし、短辺側壁14Yのみに設けられていてもよい。
(8)上記実施形態において、図22(A)に示すように、弾性係合片17に貫通孔の代わりに凹部を設けて、その凹部の内側を係合部17Aとしてもよい。また、図22(B)に示すように、弾性係合片17に貫通孔の代わりに突部を設けて、その突部の下面を係合部17Aとしてもよく、この場合、その係合部17Aと係合する部位として、上ケース15の内面に係合突部18が設けられていてもよいし、図22(C)に示すように、凹部が設けられていてもよい。
(9)上記実施形態では、第1ポッティング材P1と第3ポッティング材P3との境界が、中部エリアA2の途中部分に設けられていたが、上部エリアA3と中部エリアA2の境界部分に設けられていてもよいし、中部エリアA2と下部エリアA1との境界部分に設けられていてもよいし、下部エリアA1の途中部分に設けられていてもよい。
(10)上記実施形態では、第2ポッティング材P1と第3ポッティング材P3とを構成するエポキシ系樹脂が、異なる種類であったが、同じ種類であってもよい。
(11)上記実施形態において、第3ポッティング材P3の代わりに、エポキシ系樹脂以外の樹脂(例えば、シリコン系樹脂)からなるポッティング材が充填されていてもよい。この場合、例えば、電気部品ケース69内全体に、第1ポッティング材P1が充填されていていもよい。
(12)上記実施形態において、電気部品ケース69内に充填されるポッティング材が、上下方向に分かれて3種類以上充填されていてもよい。この場合、例えば、上部エリアA3に第1ポッティング材P1が充填され、下部エリアA1に第3ポッティング材P3が充填され、中部エリアA2に、第1ポッティング材P1と第3ポッティング材P3とは異なるポッティング材が充填されていてもよい。
(13)上記実施形態において、電磁流量計10を、電気部品ケース69内にポッティング材Pが充填されていない構成とすることもできる。
(14)上記実施形態では、流路ハウジング20のツール係合部23は、樹脂で構成されていたが、金属で構成されていてもよい。この場合、ツール係合部23は、樹脂構成部22に嵌合することで組み付けられてもよいし、インサート成形により樹脂構成部22と一体になっていてもよい。
(15)上記実施形態では、流路ハウジング20のツール係合部23は、断面六角形であったが、これに限定されず、流路ハウジング20を水道管に接続するための工具が係合すれば他の形状であってもよい。このような形状として、例えば、工具と係合する凹部や突部が設けられた形状であってもよい。
(16)上記実施形態では、電線接続部材46において、検知電極40(詳細には、検知電極40の細棒部40D)が圧入される部分が、貫通孔46Aであったが、凹部であってもよい。
(17)上記実施形態では、電線接続部材46と検知電極40の固定が、検知電極40が電線接続部材46に圧入されることで行われていたが、電線接続部材46が検知電極40に圧入されることで行われてもよい。この場合、検知電極40に、電線接続部材46が圧入される孔又は凹部が形成される。
(18)上記実施形態では、電線受容溝46Mが、電線接続部材46の貫通孔46Aと連通していたが、連通していなくてもよい。また、電線受容溝46Mは、電線接続部材46の外周面に設けられていてもよい。
(19)上記実施形態では、電線接続部材46に電線受容溝46Mが設けられていたが、電線接続部材46に電線受容溝46Mが設けられずに電線接続部材46の一端面が平坦面となっていもよい。
(20)上記実施形態では、電極固定部材42が樹脂製であったが、金属製であってもよい。この場合、電極固定部材42と電線接続部材46が隣接していてもよい。
(21)上記実施形態では、ヨーク51が1対設けられていたが、電線受容溝51E側のヨーク51が1つだけ設けられていてもよい。
(22)上記実施形態では、電線受容溝51Eが、ヨーク51に設けられていたが、計測管部20Pに設けられていてもよい。この場合、流路ハウジング20におけるヨーク押え52と対向する部分のうち、電線受容溝51Eの延長線上に電線受容溝52Eが設けられてもよい。
(23)上記実施形態では、磁束貫通面51Zは、平坦であったが、湾曲していてもよい。
(24)上記実施形態では、ヨーク51の電線受容溝51Eが、基準面S内に配置されていたが、基準面S内に配置されていなくてもよい。この場合、ヨーク51の電線受容溝51Eが、基準面Sに沿って配置されていることが好ましい。
(25)上記実施形態では、制御基板73は、ヨーク51の上側に配置されていたが、ヨーク51の側方に配置されていてもよい。