JP6745657B2 - 給湯システム - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプにより貯湯タンク内の水を加熱する給湯システムに関する。
従来、熱媒循環路の途中に接続された冷却器(蒸発器)により、熱交換器に供給される空気又は水を冷却するヒートポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたヒートポンプにおいては、冷却器内の熱媒の温度(CFT)から、蒸発器内の熱媒の温度である飽和吸入温度(SST)を引いた温度差(ピンチ度)を最小限に維持することにより、熱交換性能が確保されるようにしている。
特開2001−280713号公報
ヒートポンプは給湯システムの熱源としても使用されており、給湯システムにおいても、熱交換性能の向上が要望されている。
本発明は係る背景に鑑みてなされたものであり、給湯の熱源として使用されるヒートポンプにおける熱交換性能を向上させた給湯システムを提供することを目的とする。
本発明の給湯システムは、
熱媒が封入された熱媒循環路と、該熱媒循環路により順に接続された圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器とを有するヒートポンプと、
湯水が貯められる貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの上部と下部とを連通し、途中に前記凝縮器が接続されたタンク循環路と、
前記貯湯タンクに貯められた水を、前記タンク循環路を介して循環させるタンク循環ポンプと、
前記ヒートポンプと前記タンク循環ポンプとを作動させることにより、前記凝縮器において、前記熱媒循環路を流通する熱媒と前記タンク循環路を流通する水との間で熱交換を行って、前記貯湯タンク内の水を沸き上げ設定温度まで加熱する沸き上げ運転を実行する沸き上げ制御部と
を備えた給湯システムに関する。
そして、本発明の給湯システムは、
前記圧縮機から前記熱媒循環路に吐出される熱媒の温度を検出する圧縮機吐出温度検出部と、
前記凝縮器における熱媒の凝縮温度を検出する凝縮温度検出部と、
前記熱媒循環路から前記膨張弁に流入する熱媒の温度を検出する膨張弁流入温度検出部と、
前記タンク循環路から前記凝縮器に流入する水の入水温度を検出する入水温度検出部とを備え、
前記沸き上げ制御部は、前記沸き上げ運転の実行中に、前記圧縮機吐出温度検出部の検出温度と前記凝縮温度検出部の検出温度との差である吐出過熱度が、沸き上げ設定温度と前記入水温度に応じて、前記ヒートポンプの運転が現状よりも高効率となるように定められる目標吐出過熱度から当該目標吐出過熱度+αの範囲内となるように、当該範囲以下であるときは前記膨張弁の開度を減少し、当該範囲以上であるときは前記膨張弁の開度を増大し、且つ、前記凝縮温度検出部の検出温度と前記膨張弁流入温度検出部の検出温度との差である過冷却度が、沸き上げ設定温度と前記入水温度に応じて、前記ヒートポンプの運転が現状よりも高効率となるように定められる目標過冷却度から当該目標過冷却度+βの範囲内となるように、当該範囲以下であるときは前記膨張弁の開度を減少し、当該範囲以上であるときは前記膨張弁の開度を増大する第1膨張弁制御を実行することを特徴とする
かかる本発明によれば、貯湯タンク内の水の加熱を高能力且つ高効率に行うことができる沸き上げ運転の条件として、「吐出加熱度が目標吐出過熱度から当該目標吐出過熱度+αの範囲内」且つ「過冷却度が目標過冷却度から当該目標過冷却度+βの範囲内」であることが設定され、沸き上げ制御部は、沸き上げ運転の実行中に、これらの条件が満たされるように膨張弁の開度を調節する第1膨張弁制御を実行する。特に、沸き上げ制御部は、目標吐出過熱度(目標過冷却度)の範囲以下であるとき膨張弁の開度を減少させ、目標吐出過熱度+α(目標過冷却度+β)の範囲以上であるとき膨張弁の開度を増大させる。これにより、ヒートポンプサイクルにおけるP−h(圧力−エンタルピー)線図及びT−h(温度−エンタルピー)線図でのエンタルピー差を目標範囲内に維持して、要求出力を満たした高効率な貯湯タンク内の水の加熱を行うことができる。
また、前記沸き上げ制御部は、前記沸き上げ運転の実行中に、前記圧縮機吐出温度検出部の検出温度が、所定の上限吐出温度を超えているときには、前記第1膨張弁制御を禁止して、前記膨張弁の開度を増大させる第2膨張弁制御を実行し、該第2膨張弁制御により前記圧縮機吐出温度検出部の検出温度が前記上限吐出温度以下に設定された吐出許容温度以下になった時に、前記第2膨張弁制御を終了して前記第1膨張弁制御を実行することを特徴とする。
この構成によれば、圧縮機の吐出温度が吐出上限以上となったときに、第2膨張弁制御により膨張弁の開度を増大させることによって、圧縮機の回転速度を低下させる場合よりも給湯システムの運転条件の変化を抑えて、圧縮機を保護することができる。そして、沸き上げ制御部は、圧縮機吐出温度検出部の検出温度が吐出許容温度以下になった時に、第2膨張弁制御を終了して第1膨張弁制御を速やかに開始することができる。
また、前記熱媒循環路から前記圧縮機に吸入される熱媒の温度を検出する圧縮機吸入温度検出部と、
前記熱媒循環路から前記蒸発器に流入する熱媒の温度を検出する蒸発器流入温度検出部とを備え、
前記沸き上げ制御部は、前記沸き上げ運転の実行中に、前記圧縮機吸入温度検出部の検出温度と前記蒸発器流入温度検出部の検出温度との差である吸入過熱度が、所定の過熱下限値よりも低くなっているときには、前記第1膨張弁制御を禁止して、前記膨張弁の開度を減少させる第3膨張弁制御を実行し、該第3膨張弁制御により前記吸入過熱度が前記過熱下限値以上に設定された過熱許容値以上になった時に、前記第3膨張弁制御を終了して前記第1膨張弁制御を実行することを特徴とする。
この構成によれば、吸入過熱度が過熱下限値よりも低くなって蒸発器から圧縮機への液バック(液体状態の熱媒が圧縮機に吸入される状況)が生じるおそれがあるときに、第3膨張弁制御により膨張弁の開度を減少させることによって、圧縮機を停止させる場合よりも給湯システムの運転条件の変化を抑えて圧縮機を保護することができる。そして、沸き上げ制御部は、吸入過熱度が過熱許容度以上になった時に、第3膨張弁制御を終了して第1膨張弁制御を速やかに開始することができる。
給湯システムの構成図。 図2AはヒートポンプサイクルにおけるP−h(圧力−エンタルピー)線図、図2BはヒートポンプサイクルにおけるT−h(温度−エンタルピー)線図。 トータル膨張弁制御の第1のフローチャート。 トータル膨張弁制御の第2のフローチャート。 第1膨張弁制御のフローチャート。 第2膨張弁制御のフローチャート。 第3膨張弁制御のフローチャート。
本発明の実施形態の一例について、図1〜図7を参照して説明する。
[1.給湯システムの構成]
図1を参照して、本実施形態の給湯システム1は、貯湯ユニット10、ヒートポンプユニット50、補助熱源機80、及び、給湯システム1の全体的な作動を制御するコントローラ120を備えて構成されたハイブリッド方式の給湯システムである。
なお、図1では、給湯システム1のコントローラとして一つのコントローラ120を示したが、貯湯ユニット10のコントローラと、ヒートポンプユニット50のコントローラと、補助熱源機80のコントローラを個別に備え、各コントローラ間の通信によって、給湯システム1の全体的な作動を制御する構成としてもよい。
貯湯ユニット10は、貯湯タンク11、給水管12、出湯管13等を備えている。貯湯タンク11は内部に湯を保温して貯め、高さ方向に略等間隔で配置されて、各高さでの貯湯タンク11内の湯水の温度th2〜th5を検出するタンク表面温度センサ14〜17と、貯湯タンク11の上部に配置されて貯湯タンク11から出湯管13に供給される湯水の温度th1を検出するタンク中温度センサ26が設けられている。
また、貯湯タンク11の上部と下部を接続するタンク循環路41の貯湯タンク11の下部との接続箇所の付近には、貯湯タンク11の下部に貯められた湯水の温度th6を検出するタンク下部温度センサ42が設けられている。さらに、貯湯タンク11の底部には、作業者の手動操作により開弁される排水弁18が設けられている。
給水管12は、一端が給水口30を介して図示しない上水道に接続され、他端が貯湯タンク11の下部に接続されて、貯湯タンク11内の下部に水を供給する。給水管12には、貯湯タンク11の内圧が過大になることを防止するための減圧弁19と、給水管12から貯湯タンク11への方向のみの通水を可能にして、貯湯タンク11から給水管12側への湯水の流出を阻止する第1湯側逆止弁20が設けられている。
給水管12から分岐した給水分岐管34は、湯水混合弁21を介して接続箇所Xで出湯管13に連通しており、湯水混合弁21によって貯湯タンク11から出湯管13に供給される湯水と給水分岐管34から出湯管13に供給される水との混合比が変更される。
給水分岐管34には、給水分岐管34に供給される水の温度Tw(以下、給水温度Twという)を検出する給水温度センサ22と、給水分岐管34を流通する水の流量Fwを検出する水側流量センサ23と、給水分岐管34から出湯管13への方向のみの通水を可能にして、出湯管13から給水分岐管34側への湯水の流出を阻止する水側逆止弁24とが設けられている。
出湯管13は、一端が給湯口31に接続され、他端が貯湯タンク11の上部に接続されている。貯湯タンク11の上部に貯められた湯水は、出湯管13から給湯口31を介して図示しない給湯栓(台所、洗面所、浴室のカランやシャワー等)に供給される。出湯管13には、貯湯タンク11から出湯管13への方向のみの通水を可能にして、出湯管13から貯湯タンク11側への湯水の流入を阻止する第2湯側逆止弁25と、貯湯タンク11から出湯管13に供給される湯水の流量Fhを検出する湯側流量センサ27とが設けられている。
補助熱源機80は、出湯管13の給水分岐管34との接続箇所Xよりも下流側の途中に設けられ、貯湯ユニット10には、補助熱源機80をバイパスして、補助熱源機80の下流側と上流側の出湯管13を連通する出湯バイパス管33と、出湯バイパス管33を開閉する出湯バイパス弁29とが設けられている。
出湯管13の出湯バイパス管33との分岐箇所Yと湯水混合弁21との間に、湯水混合弁21を介して出湯管13に供給される湯水の温度Tmを検出する混合温度センサ28が設けられ、出湯管13の出湯バイパス管33との合流箇所Zと給湯口31との間に、給湯口31から出湯される湯水の温度を検出する給湯温度センサ32が設けられている。
貯湯ユニット10に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、湯水混合弁21と出湯バイパス弁29の作動が制御される。
次に、ヒートポンプユニット50は、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させて加熱するものであり、屋外に設置されている。ヒートポンプユニット50は、熱媒(ハイドロフルオロカーボン(HFC)等の代替フロン、二酸化炭素等)が封入されたヒートポンプ循環路52(本発明の熱媒循環路に相当する)により接続された外気熱交換器(蒸発器)53、圧縮機54、水熱交換器(凝縮器)55、及び膨張弁56により構成されたヒートポンプ51を有している。
外気熱交換器53は、ファン60の回転により供給される空気(外気、大気)から吸熱してヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒との間で熱交換を行う。圧縮機54は、外気熱交換器53から流出する熱媒を圧縮して高圧・高温とし、水熱交換器55に吐出する。膨張弁56は、圧縮機54で加圧された熱媒を減圧する。
除霜弁61は膨張弁56をバイパスして設けられており、圧縮機54から送出される熱媒により外気熱交換器53を除霜する。ヒートポンプ循環路52の膨張弁56の上流側及び下流側、圧縮機54の上流側及び下流側には、ヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒の温度を検出する熱媒温度センサ62,63,64,65が、それぞれ設けられている。また、外気熱交換器53には、外気熱交換器53に吸入される空気(外気)の温度T6を検出する外気温度センサ67が設けられている。
以下では、熱媒温度センサ64(本発明の圧縮機吸入温度検出部に相当する)により検出される熱媒の温度(圧縮機54に吸入される熱媒の温度)を圧縮機吸入温度T1、熱媒温度センサ65(本発明の圧縮機吐出温度検出部に相当する)により検出される熱媒の温度(圧縮機54から吐出される熱媒の温度)を圧縮機吐出温度T2、熱媒温度センサ62(本発明の膨張弁流入温度検出部に相当する)により検出される熱媒の温度(膨張弁56に流入する熱媒の温度)を膨張弁流入温度T4、熱媒温度センサ63(本発明の蒸発器流入温度検出部に相当する)により検出される熱媒の温度(外気熱交換器53に流入する熱媒の温度)を外気熱交流入温度T5という。
水熱交換器55はタンク循環路41と接続され、圧縮機54により高圧・高温とされた熱媒と、タンク循環路41内を流通する水との間の熱交換により、タンク循環路41内を流通する水を加熱する。タンク循環路41には、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させるためのタンク循環ポンプ66が設けられている。
貯湯タンク11内の下部に貯まった湯水は、タンク循環ポンプ66によりタンク循環路41に導かれ、水熱交換器55で所定温度(沸き上げ温度)まで加熱されて貯湯タンク11の上部に戻される。これにより、所定温度の湯が、貯湯タンク11の上部から順次積層して貯められる。
タンク循環路41の水熱交換器55の上流側には、タンク循環路41から水熱交換器55に流入する水の温度(入水温度)T7を検出する入水温度センサ68が設けられている。また、タンク循環路41の水熱交換器55の下流側には、水熱交換器55からタンク循環路41に流出する水の温度(出水温度)T8を検出する出水温度センサ69が設けられている。さらに、水熱交換器55には、水熱交換器55における熱媒の凝縮温度T3を検出する凝縮温度センサ57(本発明の凝縮温度検出部に相当する)が設けられている。
ヒートポンプユニット50に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、圧縮機54、、膨張弁56、除霜弁61、タンク循環ポンプ66、及びファン60等の作動が制御される。
次に、補助熱源機80は、出湯管13を流通する湯水を加熱するものであり、缶体87内に収容された給湯バーナ81及び給湯バーナ81により加熱される給湯熱交換器82等を備えている。
出湯管13の給湯熱交換器82の配置箇所よりも下流側の箇所に、浴槽105に連通した湯張り管100が接続されている。湯張り管100には、湯張り管100を開閉する湯張り弁103が設けられており、コントローラ120は、湯張り弁103を開弁することによって、出湯管13から湯張り管100を介して浴槽105に湯を供給する。
給湯バーナ81には、図示しないガス供給管から燃料ガスが供給されると共に、図示しない燃焼ファンにより燃焼用空気が供給される。コントローラ120は、給湯バーナ81に供給する燃料ガスと燃焼用空気の流量を調節して、給湯バーナ81の燃焼量を制御する。
給湯熱交換器82は、出湯管13の途中に接続されており、給湯バーナ81の燃焼熱によって、内部を流通する湯水を加熱する。出湯管13には、上流側から順に、止水弁93と水量センサ88が設けられている。給湯熱交換器82の上流側と下流側は、熱源バイパス管89により連通されており、熱源バイパス管89には、熱源バイパス管89の開度を調節するための熱源バイパス弁90が設けられている。出湯管13の給湯熱交換器82の出口付近には熱交出湯温度センサ91が設けられ、出湯管13の熱源バイパス管89との接続箇所の下流側には熱源出湯温度センサ92が設けられている。
この構成により、貯湯タンク11内に湯が無いとき(湯切れ状態であるとき)に、給水管12から貯湯タンク11及び給水分岐管34を介して出湯管13に供給される水が、給湯熱交換器82により加熱されて湯となり、熱源バイパス管89からの水と混合されて、目標給湯温度の湯が給湯口31から供給されるようになっている。
補助熱源機80に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、給湯バーナ81、熱源バイパス弁90、及び湯張り弁103の作動が制御される。
コントローラ120は、図示しないCPU,メモリ等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された給湯システム1の制御用プログラムをCPUで実行することによって、給湯制御部121、湯張り制御部122、及び沸き上げ制御部123として機能する。また、メモリには、給湯システム1の運転に使用される種々の条件データ125が保持されている。
コントローラ120は、通信ケーブル130によりリモコン140と接続されている。リモコン140は、給湯システム1の運転状況や運転条件の設定等を表示するための表示器141と、各種スイッチが設けられたスイッチ部142とを備えている。給湯システム1の使用者は、リモコン140のスイッチ部142を操作することによって、給湯口31から供給される湯の温度(目標給湯温度)の設定や、湯張り運転における浴槽105への給湯温度(目標湯張り温度)及び湯張り量(目標湯張り量)の設定等を行うことができる。
給湯制御部121は、貯湯タンク11の湯切れが生じていない状態で、水側流量センサ23により下限流量以上の通水が検出されている場合には、混合温度センサ28又は給湯温度センサ32の検出温度が目標給湯温度となるように、湯水混合弁21の分配比を調節する混合温調制御を行う。このとき、給湯制御部121は、湯張り弁103が開弁して浴槽105への給湯が行われているときは出湯バイパス弁29を閉弁し、湯張り弁103が閉弁しているときには出湯バイパス弁29を開弁する。
また、給湯制御部121は、貯湯タンク11の湯切れが生じている状態で、水側流量センサ23により下限流量以上の通水が検出されている場合には、出湯バイパス弁29を閉弁する。そして、水量センサ88により下限流量以上の通水が検出されているときに、熱源出湯温度センサ92の検出温度が目標給湯温度となるように、給湯バーナ81の燃焼量(加熱量)を調節する加熱温調制御を実行する。
湯張り制御部122は、リモコン140のスイッチ部142により、湯張りを指示する操作(湯張り開始操作)がなされたとき、或は予め設定された予約時刻に浴槽105への湯張りが終了するように、湯張り弁103を開弁して出湯管13から湯張り管100を介して浴槽105に目標湯張り量分の湯を供給する湯張り運転を実行する。湯張り制御部122は、目標湯張り温度を目標給湯温度に設定して、湯張り運転を実行する。
沸き上げ制御部123は、タンク中温度センサ26及びタンク表面温度センサ14〜17の検出温度を監視することによって、貯湯タンク11に貯められた湯の量(貯湯量)を認識する。そして、貯湯タンク11内の湯の残量が下限量以下になったときに、タンク循環ポンプ66とヒートポンプ51を作動させて、貯湯タンク11内の湯水を設定された給湯温度に応じた目標沸き上げ温度(例えば45℃)まで加熱する沸き上げ運転を実行する。
[2.ヒートポンプの動作]
次に、図2Aに示したP−h(圧力−エンタルピー)線図、及び図2Bに示したT−h(温度−エンタルピー)線図を参照して、ヒートポンプ51のヒートポンプサイクル(冷凍サイクル)について説明する。
図2Aに示したP−h線図は、横軸を熱媒のエンタルピーh(kJ/kg)に設定し、縦軸を熱媒の圧力P(kPa)に設定して示した熱媒の飽和液線・飽和蒸気線に、ヒートポンプ51のヒートポンプサイクル(圧縮機54→水熱交換器55→膨張弁56→外気熱交換器53→圧縮機54→…)を描いたものである。
圧縮機54において、熱媒の(P,h)が(P1,h1)から(P2,h2)に変化し、熱媒の温度がT1からT2に上昇している。水熱交換器55において、熱媒の(P,h)が(P2,h2)から(P2,h3(=h4))に変化し、熱媒の温度がT2からT3、さらにT4まで低下している。
膨張弁56において、熱媒の(P,h)が(P2,h3)から(P1,h4(=h3))に変化し、熱媒の温度がT4からT5に低下している。外気熱交換器53において、熱媒の(P,h)が(P1,h4)から(P1,h1)に変化し、熱媒の温度がT5からT1に上昇している。
また、図2Bに示したT−h線図は、横軸を熱媒のエンタルピーh(kJ/kg)に設定し、縦軸を熱媒の温度T(℃)に設定して示した熱媒の飽和液線・飽和蒸気線に、ヒートポンプ51のヒートポンプサイクルを描いたものである。図2BのTfwは、タンク循環路41を流通する水の水熱交換器55における温度の上昇を示したものであり、水の温度が入水温度T7から出水温度T8まで上昇している。
圧縮機54において、熱媒の(T,h)が(T1,h1)から(T2,h2)に変化している((1)→(2))。水熱交換器55において、熱媒の(T,h)が(T2,h2)から(T4,h4)に変化している((2)→(3)→(4)、(3)でTが凝縮温度T3となっている)。
膨張弁56において、熱媒の(T,h)が(T4,h4)から(T5,h4)に変化している((4)→(5))。外気熱交換器53において、熱媒の(T,h)が(T5,h4)から(T1,h1)に変化している((5)→(1))。
ここで、水熱交換器55における加熱能力(沸き上げ能力)は、圧縮機54からの熱媒の吐出温度T2が高く膨張弁56への熱媒の流入温度T4が低いほど、高くなる。すなわち、図2AのP−h線図及び図2BのT−h線図において、(2):T2〜(4):T4でのエンタルピーhの差が大きいほど高くなる。
そして、沸き上げ制御部123が、ある沸き上げ目標温度、入水温度T7、及び外気温度T6において、要求沸き上げ能力を満たして、高効率運転となる最適な回転速度で圧縮機54を作動させて、貯湯タンク11内の湯水の沸き上げ運転を実行している状況下において、ヒートポンプサイクルの安定状態及びその他の条件によって、出水温度T8が沸き上げ目標温度に達しない状況が生じ得る。
なお、圧縮機54の最適な回転速度は、実験或はコンピュータシミュレーション等に基づいて、沸き上げ目標温度、入水温度T7、及び外気温度T6に応じて設定される。
この場合、圧縮機54の吐出温度T2及び膨張弁56の流入温度T4が、予め実験等で確認できた最適なヒートポンプサイクル状態とは異なっている状況が想定される。そこで、沸き上げ制御部123は、要求される沸き上げ能力を確保できる(出水温度T8が目標沸き上げ温度となる)「最適なヒートポンプサイクル状態となる(2):T2〜(4):T4の状態」を制御することによって、要求される沸き上げ能力を確保した高効率な沸き上げ運転を実行するため、また、圧縮機54を保護するために以下の第1〜第3膨張弁制御を行う。
(1)第1膨張弁制御
圧縮機54の回転速度指示が一定の状態(圧縮機54の回転速度指示に変化がない状態)での膨張弁制御。沸き上げ制御部123は、ヒートポンプサイクルの最適化を図るために、吐出過熱度ΔTe(=圧縮機吐出温度T2−凝縮温度T3)が目標吐出過熱度〜目標吐出過熱度+αの範囲内となり、且つ、過冷却度ΔTc(=凝縮温度T3−膨張弁流入温度T4)が目標過冷却度〜目標過冷却度+βの範囲内となるように、膨張弁56(電子膨張弁)の開度を調節する。
(2)第2膨張弁制御
圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度よりも高くなったときに、圧縮機54を保護するための制御。沸き上げ制御部123は、沸き上げ運転の実行中に圧縮機吐出温度T2を監視し、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度よりも高くなったときには、膨張弁56の開度を増大させる処理を行う。
(3)第3膨張弁制御
液バック(外気熱交換器53において気化されなかった液体状態の熱媒が圧縮機54に吸入される現象)による圧縮機54の破損を防止するための制御。沸き上げ制御部123は、沸き上げ運転の実行中に、外気熱交換器53における吸入過熱度ΔTb(圧縮機吸入温度T1−外気熱交流入温度T5)を監視し、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値よりも低くなったときには、膨張弁56の開度を減少させる処理を行う。
[3.トータル膨張弁制御]
次に、図3〜図4に示したフローチャートに従って、沸き上げ制御部123により実行される膨張弁の全体的な制御(トータル膨張弁制御)について説明する。沸き上げ制御部123は、沸き上げ運転の実行時にトータル膨張弁制御を実行する。
トータル膨張弁制御においては、膨張弁56の制御状態が膨張弁制御モードにより切り替えられ、第2膨張弁制御の実行時は、第1膨張弁制御が禁止されて膨張弁制御モードが「吐出温保護」に設定され、第3膨張弁制御の実行時は、第1膨張弁制御が禁止されて膨張弁制御モードが「液バック保護」に設定される。また、第2膨張弁制御及び第3膨張弁制御が実行されていないときには、膨張弁制御モードが「通常」に設定される。
図3のSTEP1で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の起動初期動作(膨張弁56の開度を設定するモータの原点出し等)が完了しているか否かを判断する。そして、起動初期動作が完了しているときはSTEP2に進む。また、起動初期動作が完了していないときにはSTEP30に分岐し、沸き上げ制御部123は、起動初期動作を実行してSTEP31に進む。
STEP31で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の起動待機解除条件が成立しているか否かを判断する。そして、起動待機解除条件が成立しているときはSTEP3に分岐し、起動待機解除条件が成立していないときには図4のSTEP10に進む。
STEP2で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の起動待機時間が経過しているか否かを判断する。そして、起動待機時間が経過しているときはSTEP3に進んで膨張弁56の制御を開始する。この時、沸き上げ制御部123は、初期設定として、膨張弁制御モードを「通常」に設定する。一方、起動待機時間が経過していないときにはSTEP31に分岐する。
STEP3で、沸き上げ制御部123は、ヒートポンプ51が除霜運転中(空気から吸熱する外気熱交換器53の着霜状態を解消するための運転中)であるか否かを判断する。そして、除霜運転中であるときはSTEP32に分岐し、沸き上げ制御部123は、除霜運転用の膨張弁制御を実行して図4のSTEP10に進む。一方、除霜運転中でないときにはSTEP4に進む。
STEP4で、沸き上げ制御部123は、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度よりも高いか否かを判断する。そして、吐出温度T2が上限吐出温度よりも高いときはSTEP33に分岐し、沸き上げ制御部123は、膨張弁制御モード「吐出温保護」に設定してSTEP34に進む。STEP34で、沸き上げ制御部123は第2膨張弁制御(詳細は後述する)を実行して、図4のSTEP10に進む。一方、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度以下であるときにはSTEP5に進む。
STEP5で、沸き上げ制御部123は、膨張弁制御モードが「吐出温保護」に設定されているか否かを判断する。そして、膨張弁制御モードが「吐出温保護」に設定されているときはSTEP34に分岐する。一方、膨張弁制御モードが「吐出温保護」に設定されていないときにはSTEP6に進む。
STEP6で、沸き上げ制御部123は、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値よりも小さくなっているか否かを判断する。吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値よりも低いときにには、液バック状態が進行中であると想定される。そして、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値よりも低いときはSTEP35に分岐し、沸き上げ制御部123は、膨張弁制御モードを「液バック保護」に設定してSTEP36に進む。一方、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値以上であるときにはSTEP7に進む。
STEP7で、沸き上げ制御部123は、膨張弁制御モードが「液バック保護」に設定されているか否かを判断する。そして、膨張弁制御モードが「液バック保護」に設定されている場合はSTEP36に分岐する。一方、膨張弁制御モードが「液バック保護」に設定されていないときには図4のSTEP8に進む。
STEP8で、沸き上げ制御部123は、圧縮機54の回転速度指示が一定の状態であるか否かを判断する。沸き上げ制御部123は、圧縮機54の回転速度指示に変化があるときはSTEP40に分岐し、沸き上げ制御部123は、回転速度指示の変化あり時の膨張弁制御を実行してSTEP10に進む。一方、圧縮機54の回転速度指示が一定の状態であるときにはSTEP9に進む。
STEP9で、沸き上げ制御部123は、膨張弁の制御更新タイマ(膨張弁56の開度を調節する制御周期を計時するタイマ)がタイムアップしているか否かを判断する。そして、制御更新タイマがタイムアップしているときはSTEP41に分岐し、沸き上げ制御部123は、第1膨張弁制御(圧縮機54の回転速度指示が一定の状態であるときの膨張弁制御、詳細は後述する)を実行してSTEP42に進む。STEP42で、沸き上げ制御部123は、制御更新タイマをX秒に設定して計時をスタートさせ、STEP10に進む。
一方、STEP9で制御更新タイマがタイムアップしていないときにはSTEP10に進む。STEP10で、沸き上げ制御部123は、沸き上げ終了条件が成立しているか否かを判断する。沸き上げ終了条件としては、貯湯タンク11内の水の沸き上げが終了したこと、使用者により貯湯タンク11内の水の沸き上げを中止する操作がなされたこと等が設定されている。
そして、沸き上げ終了条件が成立したときはSTEP11に進み、沸き上げ制御部123は、沸き上げ終了時の膨張弁制御を実行する。一方、沸き上げ終了条件が成立していないときには図3のSTEP1に進む。
[4.第1膨張弁制御]
次に、図5に示したフローチャートに従って、図4のSTEP41で実行される第1膨張弁制御(圧縮機54の回転速度指示が一定の状態であるときの膨張弁制御)の処理について説明する。
沸き上げ制御部123は、図5のSTEP50で、沸き上げ設定温度が変更されたか否かを判断する。そして、沸き上げ設定温度が変更されたときはSTEP60に分岐し、沸き上げ制御部123は、沸き上げ設定温度と入水温度T7に応じて、目標吐出過熱度と目標過冷却度を設定してSTEP51に進む。一方、沸き上げ設定温度が変更されていないときにはSTEP51に進む。
STEP51で、沸き上げ制御部123は、吐出過熱度Teが目標吐出過熱度よりも低いか否かを判断する。そして、吐出過熱度ΔTeが目標吐出過熱度よりも低いときはSTEP61に分岐し、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量(膨張弁56の現在の開度からの変更量)を「−A」に設定(膨張弁56の開度をAだけ減少させる設定)してSTEP56に進む。一方、吐出過熱度ΔTeが目標吐出過熱度以上であるときにはSTEP52に進む。
STEP52で、沸き上げ制御部123は、吐出過熱度ΔTeが目標吐出過熱度+α以上であるか否かを判断する。そして、吐出過熱度ΔTeが目標吐出過熱度+α以上であるときはSTEP62に分岐し、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「+A」に設定(膨張弁56の開度をAだけ増大させる設定)してSTEP56に進む。一方、吐出過熱度ΔTeが目標吐出過熱度+αよりも低いときにはSTEP53に進む。
STEP53で、沸き上げ制御部123は、過冷却度ΔTcが目標過冷却度よりも低いか否かを判断する。そして、過冷却度ΔTcが目標過冷却度よりも低いときはSTEP63に分岐し、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「−B」に設定(膨張弁56の開度をBだけ減少させる設定)してSTEP56に進む。一方、過冷却度ΔTcが目標過冷却度以上であるときはSTEP54に進む。
STEP54で、沸き上げ制御部123は、過冷却度ΔTcが目標過冷却度+β以上であるか否かを判断する。そして、過冷却度ΔTcが目標過冷却度+β以上であるときはSTEP64に分岐し、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「+B」に設定(膨張弁56の開度をBだけ増大させる設定)してSTEP56に進む。一方、過冷却度ΔTcが目標過冷却度+βよりも低いときにはSTEP55に進む。
STEP55で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「±0」に設定(膨張弁56の開度を変更しない設定)してSTEP56に進む。STEP56で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量に応じて膨張弁56の開度を制御(変更又は維持)し、STEP50に進む。
STEP51〜STEP52、STEP61,STEP62の処理により、吐出過熱度ΔTeが目標吐出過熱度〜目標吐出過熱度+αの範囲(本発明の第1所定範囲に相当する)内に維持される。また、STEP53〜STEP54、STEP63、STEP64の処理により、過冷却度ΔTcが目標過冷却度〜目標過冷却度+βの範囲(本発明の第2所定範囲に相当する)内に維持される。
ここで、目標吐出過熱度と目標過冷却度は、沸き上げ設定温度と入水温度に応じて、ヒートポンプの運転が高効率となるようにされる。例えば、沸き上げ設定温度が45℃で入水温度T7が9℃であるときには、目標吐出過熱度が35℃、目標過冷却度が30℃等に設定される。
このように、吐出過熱度ΔTeと過冷却度ΔTcを一定範囲に維持することによって、ヒートポンプ51を、要求能力を満たして高効率で作動させることができる。
[5.第2膨張弁制御]
次に、図6に示したフローチャートに従って、図3のSTEP34で実行される第2膨張弁制御(圧縮機吐出温度T2が高温になることを、膨張弁56の開度調節によって防止する制御)の処理について説明する。
沸き上げ制御部123は、図6のSTEP70で、膨張弁56の開度が最大開度未満であるか否かを判断する。そして、膨張弁56の開度が最大開度未満であるときはSTEP71に進み、膨張弁56の開度が最大開度であるときにはSTEP80に分岐する。
STEP80で、沸き上げ制御部123は、膨張弁の制御モードを「通常」に設定してSTEP81に進む。STEP81で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「±0」に設定(膨張弁56の開度変更無しに設定)してSTEP75に進む。
STEP71で、沸き上げ制御部123は、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度よりも高いか否かを判断する。そして、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度よりも高いときにはSTEP72に進み、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度以下であるときにはSTEP80に進む。
STEP72で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の第1保護更新タイマ(圧縮機吐出温度T2に応じて膨張弁56の開度を調節する周期を計時するタイマ)がタイムアップしているか否かを判断する。そして、第1保護更新タイマがタイムアップしているときはSTEP73に進み、第1保護更新タイマがタイムアップしていないときにはSTEP81に分岐する。
STEP73で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「+C」に設定(膨張弁56の開度をCだけ増大させる設定)する。続くSTEP74で、沸き上げ制御部123は、第1保護更新タイマをY秒に設定して計時をスタートさせる。
次のSTEP75で、沸き上げ制御部123は、STEP73又はSTEP81で設定した制御量に応じて、膨張弁56の開度を制御(変更又は維持)する。
第2膨張弁制御により、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度を超えたときに(STEP71でYES)、膨張弁56の開度をCだけ増大する処理が行われて(STEP73)、圧縮機54に吸入される熱媒の流量が増加する。吸入される熱媒の流量の増加によって、圧縮機54から吐出される熱媒の温度が低下して圧縮機54が保護される。
また、圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度以下になったときには、膨張弁56の制御モードを「通常」に設定して(STEP80)、第1膨張弁制御を速やかに再開することができる。なお、本実施形態では、STEP71で圧縮機吐出温度T2が上限吐出温度以下となったときに、STEP80に分岐して膨張弁制御モードを「通常」に戻したが、上限吐出温度よりも低い許容吐出温度を設定し、圧縮機吐出温度T2が許容吐出温度以下になったときに膨張弁制御モードを「通常」に戻すようにしてもよい。
[6.第3膨張弁制御]
次に、図7に示したフローチャートに従って、図3のSTEP36で実行される第3膨張弁制御(外気熱交換器53からの液バックを、膨張弁56の開度調節によって防止する制御)の処理について説明する。
沸き上げ制御部123は、図7のSTEP90で、膨張弁56の開度が最小開度よりも大きいか否かを判断する。そして、膨張弁56の開度が最小開度よりも大きいときはSTEP91に進み、膨張弁56の開度が最小開度であるときにはSTEP100に分岐する。
STEP100で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御モードを「通常」に設定する。続くSTEP101で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「±0」に設定してSTEP95に進む。
STEP91で、沸き上げ制御部123は、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値以上であるか否か(液バック状態が解消されたか否か)を判断する。そして、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値以上であるときはSTEP100に分岐し、吸入過熱度ΔTbが吸入過熱下限値よりも低いときにはSTEP92に分岐する。
STEP92で、沸き上げ制御部123は、第2保護更新タイマ(吸入過熱度ΔTbに応じて膨張弁56の開度を調節する周期を計時するタイマ)がタイムアップしているか否かを判断する。そして、第2保護更新タイマがタイムアップしているときはSTEP93に進み、第2保護更新タイマがタイムアップしていないときにはSTEP101に分岐する。
STEP93で、沸き上げ制御部123は、膨張弁56の制御量を「−D」に設定(膨張弁56の開度をDだけ減少させる設定)する。続くSTEP94で、沸き上げ制御部123は、第2保護タイマをZ秒に設定して計時をスタートさせる。
次のSTEP95で、沸き上げ制御部123は、STEP93又はSTEP101で設定した制御量に応じて、膨張弁56の開度を制御(変更又は維持)する。
第3膨張弁制御部により、液バック状態となっているおそれがあるとき(図3のSTEP6でYES)に、膨張弁56の開度をDだけ減少させる処理が行われて(図7のSTEP93,STEP95)、外気熱交換器53に流入する熱媒の流量が減少する。これにより、外気熱交換器53における熱媒の気化が促進されて液バック状態が生じることが回避され、液体状態の熱媒が吸入されることによる圧縮機54の故障を防止することができる。
また、液バック状態が解消されたときには、膨張弁56の制御モードを「通常」に設定して(STEP100)第3膨張弁制御を終了し、第1膨張弁制御を速やかに再開することができる。
[7.他の実施形態]
上記実施形態では、第1膨張弁制御、第2膨張弁制御、及び第3膨張弁制御を実行する例を示したが、少なくとも第1膨張弁制御を実行することによって本発明の効果を得ることができ、第2膨張弁制御と第3膨張弁制御のいずれか又は両方を実行しない構成としてもよい。或は、第2膨張弁制御及び第3膨張弁制御以外の膨張弁制御と、第1膨張弁制御とを組み合わせて実行する構成としてもよい。
上記実施形態では、貯湯タンク11に貯められた湯を出湯管13に供給する給湯システム1を示したが、貯湯タンク11に貯められた湯を暖房端末に循環供給して、暖房端末から放熱する給湯システムに対しても本発明の適用が可能である。
上記実施形態では、水熱交換器55における熱媒の凝縮温度を凝縮温度センサ57(サーミスタ等により構成される)により直接検出したが、凝縮圧力を検出して飽和凝縮温度を検出してもよい。また、外気熱交換器53における熱媒の蒸発温度についても、蒸発圧力を検出して飽和蒸発温度を検出してもよい。
上記実施形態における膨張弁56の開度の調節値A,B,C,Dは、固定値であってもよいし、沸き上げ温度や圧縮機54の回転速度に応じて変更してもよい。
1…給湯システム、10…貯湯ユニット、11…貯湯タンク、12…給水管、13…出湯管、22…給水温度センサ、34…給水分岐管、41…タンク循環路、50…ヒートポンプユニット、51…ヒートポンプ、52…ヒートポンプ循環路(熱媒循環路)、53…外気熱交換器(蒸発器)、54…圧縮機、55…水熱交換器(凝縮器)、56…膨張弁、57…凝縮温度センサ(凝縮温度検出部)、62…熱媒温度センサ(膨張弁流入温度検出部)、65…熱媒温度センサ(圧縮機吐出温度検出部)、66…タンク循環ポンプ、67…外気温度センサ、120…コントローラ、121…給湯制御部、122…湯張り制御部、123…沸き上げ制御部。

Claims (3)

  1. 熱媒が封入された熱媒循環路と、該熱媒循環路により順に接続された圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器とを有するヒートポンプと、
    湯水が貯められる貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの上部と下部とを連通し、途中に前記凝縮器が接続されたタンク循環路と、
    前記貯湯タンクに貯められた水を、前記タンク循環路を介して循環させるタンク循環ポンプと、
    前記ヒートポンプと前記タンク循環ポンプとを作動させることにより、前記凝縮器において、前記熱媒循環路を流通する熱媒と前記タンク循環路を流通する水との間で熱交換を行って、前記貯湯タンク内の水を沸き上げ設定温度まで加熱する沸き上げ運転を実行する沸き上げ制御部と
    を備えた給湯システムにおいて、
    前記圧縮機から前記熱媒循環路に吐出される熱媒の温度を検出する圧縮機吐出温度検出部と、
    前記凝縮器における熱媒の凝縮温度を検出する凝縮温度検出部と、
    前記熱媒循環路から前記膨張弁に流入する熱媒の温度を検出する膨張弁流入温度検出部と、
    前記タンク循環路から前記凝縮器に流入する水の入水温度を検出する入水温度検出部とを備え、
    前記沸き上げ制御部は、前記沸き上げ運転の実行中に、前記圧縮機吐出温度検出部の検出温度と前記凝縮温度検出部の検出温度との差である吐出過熱度が、沸き上げ設定温度と前記入水温度に応じて、前記ヒートポンプの運転が現状よりも高効率となるように定められる目標吐出過熱度から当該目標吐出過熱度+αの範囲内となるように、当該範囲以下であるときは前記膨張弁の開度を減少し、当該範囲以上であるときは前記膨張弁の開度を増大し、且つ、前記凝縮温度検出部の検出温度と前記膨張弁流入温度検出部の検出温度との差である過冷却度が、沸き上げ設定温度と前記入水温度に応じて、前記ヒートポンプの運転が現状よりも高効率となるように定められる目標過冷却度から当該目標過冷却度+βの範囲内となるように、当該範囲以下であるときは前記膨張弁の開度を減少し、当該範囲以上であるときは前記膨張弁の開度を増大する第1膨張弁制御を実行することを特徴とする給湯システム。
  2. 請求項1に記載の給湯システムにおいて、
    前記沸き上げ制御部は、前記沸き上げ運転の実行中に、前記圧縮機吐出温度検出部の検出温度が、所定の上限吐出温度を超えているときには、前記第1膨張弁制御を禁止して、前記膨張弁の開度を増大させる第2膨張弁制御を実行し、該第2膨張弁制御により前記圧縮機吐出温度検出部の検出温度が前記上限吐出温度以下に設定された吐出許容温度以下になった時に、前記第2膨張弁制御を終了して前記第1膨張弁制御を実行することを特徴とする給湯システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の給湯システムにおいて、
    前記熱媒循環路から前記圧縮機に吸入される熱媒の温度を検出する圧縮機吸入温度検出部と、
    前記熱媒循環路から前記蒸発器に流入する熱媒の温度を検出する蒸発器流入温度検出部とを備え、
    前記沸き上げ制御部は、前記沸き上げ運転の実行中に、前記圧縮機吸入温度検出部の検出温度と前記蒸発器流入温度検出部の検出温度との差である吸入過熱度が、所定の過熱下限値よりも低くなっているときには、前記第1膨張弁制御を禁止して、前記膨張弁の開度を減少させる第3膨張弁制御を実行し、該第3膨張弁制御により前記吸入過熱度が前記過熱下限値以上に設定された過熱許容値以上になった時に、前記第3膨張弁制御を終了して前記第1膨張弁制御を実行することを特徴とする給湯システム。
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