JP6745597B2 - 有機elデバイス用吸湿性光散乱シート - Google Patents

有機elデバイス用吸湿性光散乱シート Download PDF

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Description

本発明は、有機ELデバイス用光散乱シートに関する。
有機ELデバイスでは、EL素子内部の構成部品の表面等に吸着している水分及び/又は外部から侵入する水分によって、いわゆるダークスポット(非発光部)が発生するという問題が知られている。そこで、水分を吸着する吸湿剤又は吸湿剤を熱可塑性樹脂中に分散させ、シート状等に成形した成形物(ゲッター材と呼ばれる)を、低水分濃度雰囲気にて装置内部に封入することによって、水分によるデバイスの劣化を防止している。また、有機ELデバイスを照明に使用する際は、デバイスからの光を散乱させる部材が必要になる。
特許文献1は、ガラスクロスを樹脂に含浸させて構成されている、ヘイズ値が70%以上、全光線透過率が40%以上の有機ELデバイス用の光取り出しシートを開示している。
特許文献2は、炭酸カルシウム等の扁平粒子を含有しているシート状の光散乱層を有する有機EL素子を開示している。
特許文献3は、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)等の光散乱粒子を含有する、基板上に塗布形成した光散乱層を開示している。さらに、特許文献3は、光散乱層の表面の凹凸による電気特性の問題やショートの発生を防止するため、光散乱層と有機発光層との間に平坦化層を塗布形成すること、及び平坦化層の算術平均粗さRaを、0.200μm以下とすることが記載されている。
特開2014−150043号公報 特開2010−212184号公報 特開2009−76452号公報
しかしながら、従来知られたいずれの構成においても、光散乱層と平坦化層、並びにゲッター材は別個に設ける必要があり、それだけ部品点数が多く複雑で、スペースを多くとるという問題があった。また、光散乱層と平坦化層、並びにゲッター材の機能を併せ持つ部材はこれまで知られていなかった。
本発明は、光散乱層としての機能も有していながら、有機ELデバイスの内部を低湿度に保つことができる、新規な光散乱シートを提供することを目的とする。さらに、表面が平滑な光散乱シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決することができることを見出した。
《態様1》
第1のスキン層、吸湿剤及びバインダー樹脂を含む吸湿層、並びに第2のスキン層をこの順に少なくとも有し、かつJIS K7136に準拠して測定したヘイズ値の飽和吸湿前後の変化の絶対値が15.0%以内である、有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様2》
JIS B0601−1994に準拠して測定した場合の前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層の前記吸湿層と反対側の面の算術平均粗さRaが、0.20μm以下である、態様1に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様3》
前記吸湿材が、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される、態様1又は2に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様4》
前記吸湿剤が、前記吸湿層中に5体積%以上含まれている、態様1〜3のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様5》
前記吸湿剤が、前記吸湿層中に40体積%以下含まれている、態様1〜4のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様6》
JIS K7136に準拠して測定したヘイズ値が、飽和吸湿の前後で70%以上である、態様1〜5のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様7》
JIS K7136に準拠して測定した全光線透過率が、飽和吸湿の前後で40%以上である、態様1〜6のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様8》
前記第1のスキン層、前記バインダー、及び前記第2のスキン層が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群よりそれぞれ選択される材料で構成されている、態様1〜7のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
《態様9》
透明基材と、態様1〜8のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートと、有機EL素子と、バックシートとを積層させた有機ELデバイス。
本発明によれば、光散乱層としての機能も有していながら、有機ELデバイスの内部を低湿度に保つことができる、新規な光散乱シートを提供することができる。さらに、表面が平滑な光散乱シートを提供することができる。
本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートの側面図である。 有機ELデバイスの概略図である。
《有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート》
本発明は、第1のスキン層、吸湿剤及びバインダー樹脂を含む吸湿層、並びに第2のスキン層をこの順に少なくとも有し、かつJIS K7136に準拠して測定したヘイズ値の飽和吸湿前後の変化の絶対値が15.0%以内である、有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートに関する。例えば、図1に示すように、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート10は、第1のスキン層2、吸湿層4、及び第2のスキン層6を有する。
従来の有機ELデバイス用の光散乱シートにおいては、光散乱物質が変質した場合には、光散乱シートの光学特性が大きく変化してしまうことが想定されていたために、光散乱物質としては、化学的及び/又は物理的に安定な物質が使用されてきた。それに対し、本発明者らは、光散乱物質として吸湿剤を採用することで、光散乱性に加えて吸湿性を付与することができると共に、光散乱シートのヘイズ値が吸湿前後でも変化しない場合があることを見出した。有機ELデバイスにおいては、水分の除去が極めて重要であるため、光散乱シートのヘイズ値を変化させずに吸湿性を付与できる本発明は、極めて有用であることが分かった。また、本発明においては、吸湿層をスキン層によってサンドイッチした構成となっているために、吸湿層が吸湿剤を含有していても、特に吸湿層が非常に多くの吸湿剤及び/又は光散乱物質を含有していたとしても、シートの表面を平坦化させることができ、有機ELデバイスにおいて有用となる。
第1のスキン層2及び第2のスキン層6は、本発明の光散乱シートの最外層を構成することができる。また、本発明の光散乱シートは、第1のスキン層、吸湿層、及び第2のスキン層から構成されていてもよい。ここで、本明細書において、「A層及びB層で構成される積層体」とは、本質的にはA層とB層のみを含む積層体を意味しているが、A層及びB層の他に、本発明の有利な効果が得られる範囲又は有利な効果が失われない範囲で他の層を含んでもよいことを意味している。
例えば、図2に示すように、有機ELデバイス100において、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート10は、透明基材層20、有機EL素子30、及びバックシート40とともに用いることができる。これにより、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート10は、有機ELデバイス100内部を低湿度に保つことができ、有機ELデバイスの水分による劣化を抑制することができる。また、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート10は、有機EL素子30からの光を散乱する、光散乱層としての機能を果たすことができる。さらに、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート10は、吸湿層4の上下に第1のスキン層2及び第2のスキン層6を有するため、表面の凹凸を低減し、有機ELデバイス100の電気特性に問題を生じたり、ショートが発生したりすることを抑制することができる。
本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートは、飽和吸湿前後でのヘイズ値の変化が少なく、具体的にはJIS K7136に準拠して測定したヘイズ値の飽和吸湿前後の変化の絶対値が15.0%以内、12.0%以内、10.0%以内、8%以内、又は5%以内である。そのため、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートは、吸湿機能としての役割を果たすとともに、有機EL素子からの光を散乱する、光散乱層としての役割も果たす。
ヘイズ値とは、フィルムの濁度(又は曇度)を表わす指標である。フィルム表面の粗さに起因する光線の反射及び散乱、又はフィルム内部における光の内部散乱によって濁度が決まる。ヘイズ値は、JIS K7136に準拠して、例えば測定機器として、ヘイズメーター(HR100、株式会社村上色彩研究所)を用いて測定することができる。
ヘイズ値は、下記の式のように拡散透過光の全光線透過光に対する割合から求めることができる。
ヘイズ値(%)=(拡散透過率)/(全光線透過率)×100
ヘイズ値が0%に近いほどフィルムの透明性が高く、ヘイズ値が100%に近いほどフィルムの濁りが大きいことを示している。
本発明の有機ELデバイス用光散乱シートのヘイズ値は、飽和吸湿の前後で、70%以上、80%以上、又は90%以上であってもよく、95%以下、90%以下、又は80%以下であってもよい。上記範囲によって、良好な光取り出し効率を図ることができる。
また、本発明の有機ELデバイス用光散乱シートの全光線透過率は、飽和吸湿の前後で、20%以上、30%以上、40%以上、又は50%以上であってもよく、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下であってもよい。上記範囲によって、良好な光取り出し効率を図ることができる。
(第1及び第2のスキン層)
第1及び第2のスキン層は、主に樹脂を含み、吸湿層に含まれる吸湿剤の脱離や、吸湿層が直接外部に接触するのを防ぎ、本発明の有機ELデバイス用光散乱シート表面の凹凸を低減するために用いられる層である。
JIS B0601−2013に準拠して測定した場合の第1のスキン層の吸湿層と反対側の面及び第2のスキン層の吸湿層と反対側の面の算術平均粗さRaは、それぞれ0.40μm以下、0.30μm以下、0.20μm以下、又は0.10μm以下であってもよい。上記範囲によって、本発明の有機ELデバイス用光散乱シートを有機ELデバイスに組み込んだ際に、有機ELデバイスの電気特性に問題を生じたり、ショートが発生したりすることを抑制することができる。
第1のスキン層の吸湿層と反対側の面及び第2のスキン層の吸湿層と反対側の面の算術平均粗さRaは、JIS B0601−2013に準拠して測定することができる。例えば測定機器として、Surfcorder(ET4000A、株式会社小坂研究所)を用いて、測定することができる。
第1及び第2のスキン層に用いられる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、特に低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒を用いて重合したポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられ、さらに飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物も挙げられる。
これらの中でも特に、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)等を用いることが好ましい。
第1及び第2のスキン層は、樹脂のみで構成されていてもよいが、溶融性、剥離性などの特性及び本発明の効果を損なわない範囲でほかの成分(添加剤)を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、柔軟剤、充填剤、酸化防止剤などが挙げられる。また、第1及び第2のスキン層は、下記の吸湿剤を含んでいてもよい。第1及び第2のスキン層は1層で構成されていてもよいが、同種又は異種の複数の層からなる多層構造を有していてもよい。
第1及び第2のスキン層の厚みは、特に限定されるものではないが、3μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってもよく、また、100μm以下、70μm以下、50μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってもよい。第1及び第2のスキン層を所望の厚みにすることによって、本発明の有機ELデバイス用光散乱シートの吸湿速度を調整し、かつ/又は表面粗さも好適な範囲とすることができる。
(吸湿層)
吸湿層は、吸湿剤及びバインダーを含む。この吸湿剤は、有機EL素子からの光を散乱する光散乱剤としての役割を果たし、かつ有機ELデバイス内部を低湿度に保つ吸湿剤としての役割も果たす。吸湿層は、本発明で用いられる吸湿剤の他に、従来用いられていた光散乱剤を併せて含有していてもよい。
吸湿層に用いることができる吸湿剤としては、化学吸着剤、例えば酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物を挙げることができる。
物理吸着剤も使用できるが、生石灰、シリカゲル、ゼオライト等の一部の物理吸着剤は、吸湿とともに有機ELデバイス用光散乱シートが透明になる(ヘイズ値が低下する)ため、好ましくないことがある。
吸湿剤は、吸湿能力の観点から、吸湿層の体積に対して、3体積%以上、5体積%以上、10体積%以上、20体積%以上、30体積%以上、40体積%以上、又は50体積%以上で吸湿層に含まれていてもよい。
一方で、光拡散シートの全光線透過率を向上させる観点及び光拡散シートの表面を滑らかにする観点から、吸湿剤は、吸湿層の体積に対して、60体積%以下、50体積%以下、又は40体積%以下で吸湿層に含まれていてもよい。
吸湿剤の平均粒子径は、1.0μm以上、5.0μm以上、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってもよく、100μm以下、80μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってもよい。ここで、吸湿剤の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における体積基準メジアン径(d50)をいう。吸湿剤の粉末をより細かくすることで、実質的に表面積を広くして、水分の吸収特性を高めることができる。
吸湿層に用いることができるバインダー樹脂としては、第1及び第2のスキン層と同様の樹脂を用いることができる。
吸湿層の厚みは、吸収能力、光散乱性、及び/又は成形性の観点から、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、又は50μm以上であることが好ましく、300μm以下、200μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下であってもよい。
《有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートの製造方法》
本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートは、例えば多層インフレーション法によって製造することができる。これは複数の押出機によって第1のスキン層、吸湿層、及び第2のスキン層を共押出して、この中に空気を送って膨らませて、多層シートを製造する方法である。
インフレーション法によって、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートを製造する前には、好ましくはバインダー樹脂と吸湿剤とを二軸混練機で加熱混練した後に、ペレット状に加工することで、吸湿層用の樹脂組成物(ペレット)を作製する。そして、吸湿層用のペレットと、スキン層用の熱可塑性樹脂のペレットを用いて、多層インフレーション法により多層製膜を行うことで吸湿性光散乱シートを製造することができる。その他、吸湿層をインフレーション法又はTダイ法等により製造した後、別途公知の方法で製造したスキン層を、吸湿層を挟んでラミネートして、本発明の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートを得てもよい。
《有機ELデバイス》
本発明の有機EL用吸湿性光散乱シートは、有機ELデバイスの光散乱層として用いることができる。例えば、図2に示されるように、本発明の有機EL用吸湿性光散乱シート10は透明基材層20、有機EL素子30、及びバックシート40とともに用いることができる。
透明基材層20としては、光を透過させるものであれば特に制限されることなく使用することができるものであるが、例えばソーダガラスや無アルカリガラス等のリジッドな透明ガラス板、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等のフレキシブルな透明プラスチック板等が挙げられる。
有機EL素子30は、透明基材層20側から順に、少なくとも陽極、有機発光層、及び陰極を含み、有機発光層の陽極側には必要に応じて正孔注入層や正孔輸送層が積層され、また有機発光層の陽極側と反対側には必要に応じて電子輸送層や電子注入層が積層される。
バックシート40は、その片側の面に有機EL素子30が配列形成される支持体であって、公知のものであって良く、例えば、石英、ガラス、金属箔、又は樹脂製のフィルムやシートなどが用いられる。この中でも石英やガラスが好ましく、樹脂製のフィルムとして、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、また透光性や透ガス性を抑える積層構造、表面処理を行うことが好ましい。
本発明の有機ELデバイス用光散乱シート10は、有機EL素子30からの光を散乱する、光散乱層としての機能を有するとともに、有機ELデバイス100内部を低湿度に保つことができる。
以下に、実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<有機EL用吸湿性光拡散シートの作製>
第1及び第2のスキン層用の材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(エボリューSP2520、株式会社プライムポリマー)を用意した。
吸湿層用の材料として、バインダー樹脂である低密度ポリエチレン(LDPE)(ペトロセン202R、東ソー株式会社)と吸湿剤である酸化カルシウムを混練押出機に入れ、バインダー樹脂を加熱溶融しながら混練した後、これを押出機で押し出して冷却することによって、吸湿層用樹脂ペレットを得た。吸湿層用樹脂ペレットにおける酸化カルシウムの含有量は、当該ペレットの体積の5体積%とした。また、酸化カルシウムは、平均粒子径が2.0〜3.0μmのものを使用した。
第1及び第2のスキン層用樹脂ペレットと吸湿層用樹脂ペレットを用いて、第1のスキン層の厚みが10μm、吸湿層の厚みが60μm、第2のスキン層の厚みが10μmとなるように、空冷方式インフレーション成形機によって光拡散シートを成形した。インフレーション成形は、樹脂温度170℃、引取速度10m/minで、三層インフレーション成形機(3SOIB、株式会社プラコー)により行った。実施例1の評価用サンプルの構成を表1に示す。
(実施例2〜5)
吸湿層における酸化カルシウムの含有量を変えたこと以外は、実施例1と同様の手順で、評価用サンプルを得た。実施例2〜5の評価用サンプルの構成を表1に示す。
(実施例6)
第1のスキン層、吸湿層、及び第2のスキン層の厚みを変えたこと以外は、実施例1と同様の手順で、評価用サンプルを得た。実施例6の評価用サンプルの構成を表1に示す。
(比較例1)
第2のスキン層を用いなかったこと、及び吸湿層における酸化カルシウムの含有量を変えたこと以外は、実施例1と同様の手順で、評価用サンプルを得た。比較例1の評価用サンプルの構成を表1に示す。
(比較例2)
吸湿層におけるバインダーとしてエチレン−メタクリル酸共重合体(ニュクレル42115C、三井・デュポンポリケミカル株式会社)を用いたこと、吸湿剤としてゼオライト(モレキュラーシーブ3A、ユニオン昭和、平均粒子径:5μm)を用いたこと、及び吸湿層の厚みを変えたこと以外は、実施例1と同様の手順で、評価用サンプルを得た。比較例2の評価用サンプルの構成を表1に示す。
(比較例3)
吸湿層におけるバインダーとしてエチレン−メタクリル酸共重合体(ニュクレル42115C、三井・デュポンポリケミカル株式会社)を用いたこと及び吸湿剤としてゼオライト(モレキュラーシーブ3A、ユニオン昭和、平均粒子径:5μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で、評価用サンプルを得た。比較例3の評価用サンプルの構成を表1に示す。
(評価1:飽和吸湿量の測定)
実施例1〜6及び比較例1〜3の評価用サンプルの飽和吸湿量を以下の手順で測定した。まず瓶に水を浸した不織布を敷き、60℃のオーブンに入れることで高温多湿の環境を準備した。次にあらかじめ吸湿前の重量を測定した10cm角の評価用サンプルを瓶に入れ、60℃のオーブンに14時間保管した。保管後、サンプルを取り出し、表面の水分を拭き取り、温度23℃、相対湿度50%の環境で3時間静置して、吸湿後の重量を測定した。吸湿前後のサンプルの重量変化から各サンプルの飽和吸湿量を求めた。結果を表1に示す。
(評価2:全光線透過率及びヘイズ値の測定)
実施例1〜6並びに比較例2及び3の評価用サンプルの飽和吸湿前後の全光線透過率及びヘイズ値をJIS K7136に準拠して測定した。測定機器として、ヘイズメーター(HR100、株式会社村上色彩研究所)を用いた。ヘイズ値は、下記の式にように拡散透過光の全光線透過光に対する割合から求めることができる。各サンプルについて4回ずつ測定し、平均値を算出した。結果を表1に示す。
ヘイズ値(%)=(拡散透過率)/(全光線透過率)×100
(評価3:表面粗さの測定)
実施例1〜6及び比較例1〜3の各評価サンプルの第1のスキン層の吸湿層と反対側の面及び第2のスキン層の吸湿層と反対側の面の算術平均粗さRaを、JIS B0601−1994に準拠して測定した。測定機器として、Surfcorder(ET4000A、株式会社小坂研究所)を用いて、各サンプルをガラス板に紙テープで固定して、流れ方向(MD方向)に針が移動するように測定を行った。比較例1については、第2のスキン層を有さないため、吸湿層の第1のスキン層と反対側の面について測定を行った。各サンプルについて4回ずつ測定し、平均値を算出した。
結果を表1に示す。
Figure 0006745597
表1の結果からわかるように、第2のスキン層を有しない比較例1と比較して、第1のスキン層及び第2のスキン層を有する実施例1〜6では、第1のスキン層及び第2のスキン層の吸湿層と反対側の面の凹凸が抑えられ、表面粗さが低減している。
また、実施例1〜6では、飽和吸湿前後でのヘイズ値の変化がほとんどなかった。
2 第1のスキン層
4 吸湿層
6 第2のスキン層
10 吸湿性光散乱シート
20 透明基材層
30 有機EL素子
40 バックシート
100 有機ELデバイス

Claims (7)

  1. 第1のスキン層、吸湿剤及びバインダー樹脂を含む吸湿層、並びに第2のスキン層をこの順に少なくとも有し、前記吸湿剤が、酸化カルシウムであり、前記バインダー樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、かつJIS K7136に準拠して測定したヘイズ値の飽和吸湿前後の変化の絶対値が15.0%以内であり、かつ前記ヘイズ値が飽和吸湿の前後で70%以上である、有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
  2. JIS B0601−1994に準拠して測定した場合の前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層の前記吸湿層と反対側の面の算術平均粗さRaが、0.20μm以下である、請求項1に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
  3. 前記吸湿剤が、前記吸湿層中に5体積%以上含まれている、請求項1又は2に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
  4. 前記吸湿剤が、前記吸湿層中に40体積%以下含まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
  5. JIS K7136に準拠して測定した全光線透過率が、飽和吸湿の前後で40%以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
  6. 前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群よりそれぞれ選択される材料で構成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機ELデバイス用吸湿性光散乱シート。
  7. 透明基材と、有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートと、有機EL素子と、バックシートとを積層させた有機ELデバイスであって、
    前記有機ELデバイス用吸湿性光散乱シートが、第1のスキン層、吸湿剤及びバインダー樹脂を含む吸湿層、並びに第2のスキン層をこの順に少なくとも有し、前記吸湿剤が、酸化カルシウムであり、前記バインダー樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、かつJIS K7136に準拠して測定したヘイズ値の飽和吸湿前後の変化の絶対値が15.0%以内である、
    有機ELデバイス
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