以下、本発明の一実施形態について説明する。下記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の表示システムは、例えば需要家にて消費される資源の消費量を計測する計測装置からの計測データに基づいて需要家の資源の消費量等の表示を行うためのシステムである。ここで、資源は、例えば電力、ガス、水道、熱などであって、電力であれば電力会社が供給事業者となり、ガスであればガス会社が供給事業者となり、水道であれば水道事業者が供給事業者となる。以下では、資源が電力である場合を例として説明するが、電力に限らず、電力以外の資源についても表示システムは適用可能である。また、以下では、表示システムが、資源の需要家である集合住宅の各住戸に用いられている場合を例として説明するが、資源の需要家は、集合住宅の各住戸に限らず、例えば戸建て住宅、事務所、店舗等であってもよい。
本実施形態の表示システム1は、図1に示すように、表示装置2と、支持ベース3と、第1電源変換モジュール(電源変換モジュール)4とを備えている。この表示システム1は、例えば集合住宅の各住戸に設けられた机、テーブル等の上面に置かれて使用される卓上タイプの表示システムである。なお、以下の説明では特に断りのない限り、図1〜図7Dに示す矢印により、表示システム1及び表示装置2の上下、左右、前後の各方向を規定する。ただし、これらの方向は表示システム1及び表示装置2の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図1〜図7Dに示す矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。
表示装置2は、図2A、図2B及び図3に示すように、表示部5と、筐体6と、枠体7とを備えている。
表示部5は、例えば液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置とを組み合わせて構成された、いわゆるタッチパネルである。すなわち、表示部5は、計測装置からの計測データに基づいて需要家の電力消費量等を表示する機能と、ユーザ(例えば、集合住宅の各住戸の住人)によって押された液晶パネルの位置に応じた信号を入力する機能とを有している。なお、表示部5は、液晶パネルに限らず、有機ELパネル等であってもよい。
また、表示部5は、プリント配線板からなる制御基板を有している。制御基板の前面には、需要家の電力消費量等を表示部5に表示させる際に操作される開始スイッチと、表示部5による表示を終了させる際に操作される終了スイッチとが実装されている。また、制御基板の後面には、当該制御基板に電源を供給するための第1表示側コネクタ13(図3参照)及び第2表示側コネクタ14と、外部からのLANケーブルが着脱可能に接続される第3表示側コネクタ15とが実装されている。なお、第1表示側コネクタ13と第2表示側コネクタ14とは、制御基板に形成された導体パターンにより直結(電気的に接続)されている。
筐体6は、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の合成樹脂により左右方向に長い矩形箱状に形成されている。筐体6は、図2A、図2B及び図3に示すように、カバー61と、ボディ62とを有している。
カバー61は、後面が開口した厚みの薄い箱状である。カバー61の前面中央には、上述した表示部5の画面を露出させるための開口部611が設けられている。開口部611は、左右方向に長い矩形状である。また、カバー61の前面において開口部611の右側には、上下方向に並ぶ2つの第1貫通孔612及び第2貫通孔613が設けられている。第1貫通孔612は、制御基板に実装された開始スイッチに対応する位置に設けられており、開始スイッチの前方に位置する操作ボタン11が孔内に配置される。第2貫通孔613は、制御基板に実装された終了スイッチに対応する位置に設けられており、終了スイッチの前方に位置する操作ボタン12が孔内に配置される。
ボディ62は、前面が開口した厚みの薄い箱状であり、ボディ62の左右方向及び上下方向の寸法は、カバー61とほぼ同じである。そして、カバー61の後面開口とボディ62の前面開口とを向かい合わせた状態で両者を結合させることにより筐体6が組み立てられる。ボディ62の後面中央には、前方に凹むように形成された矩形の凹部620が設けられている。凹部620の左寄りの位置には、第1突出部621と、第2突出部622と、第3突出部623とが設けられている。
第1突出部621は、制御基板に実装された第1表示側コネクタ13と対応する位置に設けられている。第1突出部621は、凹部620の底面から後方に突出した角筒状である。第1突出部621の右側面には、左右方向に貫通する第1露出孔6210(図3参照)が設けられている。そして、表示装置2を組み立てた状態では、第1表示側コネクタ13が第1露出孔6210内に配置される(図3参照)。
第1表示側コネクタ13には、第1電源変換モジュール4からの電源ケーブル42の先端に設けられた第1電源側コネクタ43が着脱可能に接続される(図1参照)。また、第1表示側コネクタ13は、第1電源側コネクタ43の移動を規制しない状態で、第1表示側コネクタ13の第1表示側接続端子130と第1電源側コネクタ43の第1電源側接続端子430(図1参照)とが電気的に接続されるように構成されている。言い換えると、第1表示側コネクタ13及び第1電源側コネクタ43には、第1表示側コネクタ13から第1電源側コネクタ43が抜けないようにするための抜け止め機構が設けられていない。そのため、第1表示側コネクタ13に対して第1電源側コネクタ43を容易に着脱することができる。このように、着脱容易なコネクタを使用することによって、表示装置2を卓上に置いて使用する場合に、表示装置2の位置を容易に変更することができる。
第2突出部622は、制御基板に実装された第2表示側コネクタ14と対応する位置に設けられている。第2突出部622は、凹部620の底面から後方に突出した直方体状である。第2突出部622の第2表示側コネクタ14との対向面には、前後方向に貫通する第2露出孔6220が設けられている。そして、表示装置2を組み立てた状態では、第2表示側コネクタ14が第2露出孔6220内に配置される。
第2表示側コネクタ14には、後述する第2電源変換モジュール9からの電源ケーブル93の先端に設けられた第2電源側コネクタ94が着脱可能に接続される(図7A〜図7D参照)。また、第2表示側コネクタ14は、第2電源側コネクタ94の移動を規制している状態で、第2表示側コネクタ14の第2表示側接続端子140と第2電源側コネクタ94の第2電源側接続端子940(図7A参照)とが電気的に接続されるように構成されている。言い換えると、第2表示側コネクタ14及び第2電源側コネクタ94には、第2表示側コネクタ14から第2電源側コネクタ94が抜けないようにするための抜け止め機構が設けられている。抜け止め機構は、例えば第2表示側コネクタ14に設けられた引掛爪と、第2電源側コネクタ94に設けられ上記引掛爪が引っ掛けられる引掛溝とで構成される。なお、抜け止め機構は上記構成に限定されない。
第3突出部623は、制御基板に実装された第3表示側コネクタ15と対応する位置に設けられている。第3突出部623は、凹部620の底面から後方に突出した角筒状である。第3突出部623の第3表示側コネクタ15との対向面には、前後方向に貫通する第3露出孔6230が設けられている。そして、表示装置2を組み立てた状態では、第3表示側コネクタ15が第3露出孔6230を通して後方に露出している(図3参照)。第3表示側コネクタ15は、例えばLAN(Local Area Network)用のモジュラジャックであり、外部からのLANケーブルの先端に設けられたモジュラプラグが着脱可能に接続される。
また、第1突出部621の右側(図2Bの左側)には、第1電源変換モジュール4からの電源ケーブル42を収容するための収容溝624が上下方向に沿って設けられている。収容溝624の端縁には、収容溝624側に突出する突片625が設けられている。そのため、収容溝624に電源ケーブル42を収容させた状態では、突片625により電源ケーブル42が収容溝624内に保持される。このように、突片625により電源ケーブル42を保持させることで、第1電源側コネクタ43の移動を規制することができ、これにより電源ケーブル42に対して外力が加えられた場合でも、第1電源側コネクタ43が抜けにくくなる。
また、凹部620には、第1突台部626と、第2突台部627とが設けられている。第1突台部626は、上下方向における中央寄りで、かつ左右方向における左端の位置において、後方に突出した直方体状である。言い換えると、第1突台部626は、上述した第1突出部621、第2突出部622及び第3突出部623の左側に設けられている。第2突台部627は、上下方向における中央寄りで、かつ左右方向における右端の位置において、後方に突出した直方体状である。第2突台部627は、第1突台部626に比べて上下方向に沿った長さ寸法が短い。
また、凹部620には、支持ベース3を取り付けるための4つの支持片628が設けられている。これら4つの支持片628は、上下方向に長い板状である。4つの支持片628のうちの2つは、上下方向における上端で、かつ左右方向における右端の位置、及び上下方向における上端で、かつ左右方向における左端の位置にそれぞれ設けられている。また、4つの支持片628のうち残りの2つは、上述した第1突台部626及び第2突台部627の下端にそれぞれ設けられている。これら4つの支持片628は、凹部620の底面との間に間隔を空けた状態で設けられている。
また、凹部620には、2つの引掛部629が設けられている。2つの引掛部629は、上述した第1突台部626及び第2突台部627の上側にそれぞれ設けられている。各引掛部629は、上下方向に間隔を空けて配置された一対の横片6290と、一対の横片6290を連結する縦片6291とで、前後方向から見た形状がU字状に形成されている(図3参照)。また、各引掛部629の縦片6291には、内向きに突出する三角状の突起630が設けられている。
枠体7は、例えばアクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂により矩形枠状に形成されている。枠体7は、筐体6の上面に沿って配置される上枠部71と、筐体6の右側面に沿って配置される右枠部72と、筐体6の下面に沿って配置される下枠部73と、筐体6の左側面に沿って配置される左枠部74とを有している。枠体7は、上述の制御基板に実装された複数の発光素子からなる光源からの光を外部に拡散させる拡散部材として機能する。発光部は、例えば需要家の電力消費量の目標値に対する達成度に応じて、点灯させる発光素子の個数を変更したり、発光色を変更したりするように構成されている。
支持ベース3は、筐体6と同様に、例えばABS樹脂等の合成樹脂により形成されている。支持ベース3は、図4A〜図4Cに示すように、ベース本体31と、ベース本体31の下部において一体に形成された脚部32とを有している。ベース本体31は、矩形板状であり、表示装置2に支持ベース3が取り付けられた状態で凹部620の全体を覆う大きさに形成されている。ベース本体31の前面における四隅近傍には、差込片311がそれぞれ設けられている。各差込片311は、ベース本体31の前面から前方に突出し、かつその先端から上方に突出したL字状である。また、4つの差込片311のうち上側に位置する2つの差込片311の下側には、ベース本体31の前面から前方に突出した三角状の突起312がそれぞれ設けられている。
さらに、ベース本体31の左寄りの位置には、前後方向に貫通する矩形の開口部313が設けられている。この開口部313は、表示装置2に支持ベース3が取り付けられた状態において第3表示側コネクタ15と対応する位置に設けられている。そして、外部からのLANケーブルを表示装置2に接続する場合には、開口部313内に位置する第3表示側コネクタ15にLANケーブルの第3電源側コネクタ(図示せず)を接続する。また、LANケーブルを表示装置2に接続しない場合には、着脱可能に設けられた目隠し板33によって開口部313が塞がれる(図4C参照)。
ベース本体31の下部には、脚部32が一体に形成されている。この脚部32は、左右方向から見た形状が三角状であって、ベース本体31から後方に突出している。脚部32の下面には、第1電源変換モジュール4からの電源ケーブル42及び電源ケーブル42の先端に設けられた第1電源側コネクタ43を通すための開口部321が設けられている。
第1電源変換モジュール4は、例えば商用電源から入力される交流電力を直流電力に変換するAC−DCアダプタである。第1電源変換モジュール4は、図1に示すように、アダプタ本体41と、アダプタ本体41に収納された電源変換回路の出力端に電気的に接続された電源ケーブル42と、電源ケーブル42の先端に設けられた第1電源側コネクタ43とを有している。アダプタ本体41の一面(図1の下面)には、電源変換回路の入力端に電気的に接続された一対の栓刃410が設けられている。ここで、電源変換回路は、外部から供給される電力(交流電力)を表示装置2に適した電力(直流電力)に変換するように構成されている。例えば本実施形態では、電源変換回路は、商用電源から供給されるAC100〔V〕を表示装置2に適したDC5〔V〕に変換する。すなわち、表示装置2には、第1電源変換モジュール4により変換されたDC5〔V〕が動作電源として供給される。
次に、本実施形態の表示システム1の組立手順について、図1、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5Aは、表示装置2に支持ベース3を取り付ける前の要部を示す断面図である。図5Bは、表示装置2に支持ベース3を取り付けた後の要部を示す断面図である。なお、図5A及び図5Bでは、上側かつ右側に設けられた差込片311及び支持片628のみが図示されているが、残りの3つの差込片311及び支持片628についても同様である。また、図5A及び図5Bでは、右側に設けられた突起312,630のみが図示されているが、左側の突起312,630についても同様である。
最初に、ユーザは、支持ベース3の脚部32に設けられた開口部321に第1電源変換モジュール4の電源ケーブル42を通す。このとき、ユーザは、第1電源側コネクタ43側(つまりアダプタ本体41と反対側)から電源ケーブル42を開口部321に通す。次に、ユーザは、表示装置2に設けられた第1表示側コネクタ13に第1電源側コネクタ43を接続し、第1表示側接続端子130と第1電源側接続端子430(図1参照)とを電気的に接続する。その後、ユーザは、第1電源側コネクタ43から伸びる電源ケーブル42を収容溝624に収容する。
続けて、ユーザは、表示装置2のボディ62に設けられた凹部620を支持ベース3のベース本体31で覆う。このとき、支持ベース3に設けられた4つの差込片311の各々は、ボディ62に設けられた4つの支持片628のうち対応する支持片628の下側に位置している(図5A参照)。またこのとき、支持ベース3に設けられた2つの突起312の各々は、ボディ62に設けられた2つの突起630のうち対応する突起630に引っ掛かっていない(図5A参照)。
その後、ユーザは、表示装置2に対して支持ベース3を上向きにスライドさせる。これにより、表示装置2に支持ベース3が取り付けられる。このとき、4つの差込片311の各々は、対応する支持片628と凹部620の底面との間に差し込まれる(図5B参照)。またこのとき、2つの突起312の各々は、対応する突起630に引っ掛かる(図5B参照)。
なお、表示装置2から支持ベース3を取り外す場合には、表示装置2に対して支持ベース3を下向きにスライドさせる。これにより、4つの差込片311の各々は、対応する支持片628から外れる方向(下方向)に移動し、かつ2つの突起312の各々は、対応する突起630から外れる(図5A参照)。その後、表示装置2に対して支持ベース3を後方に移動させることにより、表示装置2から支持ベース3が取り外される。
ここで、表示装置2に支持ベース3が取り付けられた状態では、ベース本体31によって第2表示側コネクタ14が覆われている。そのため、表示装置2を卓上設置する場合には、表示装置2に第2電源変換モジュール9を接続することができない。すなわち、表示装置2に第1表示側コネクタ13と第2表示側コネクタ14とが設けられていても、いずれか一方のコネクタしか使用することができない。このように、本実施形態の表示システム1によれば、第1電源変換モジュール4と第2電源変換モジュール9とが表示装置2に同時に接続されるのを防ぐことができる。
ところで、本実施形態の表示システム1は、上述した支持ベース3及び第1電源変換モジュール4の代わりに、電源変換ユニット8を用いることにより、壁等の造営材に取り付けて使用することもできる。以下、表示システム1を造営材に取り付けて使用する場合について図6及び図7A〜図7Dを参照して説明する。
本実施形態の表示システム1は、図6に示すように、表示装置2と、電源変換ユニット8とを備えている。なお、表示装置2については既に述べているため、ここでは説明を省略する。
電源変換ユニット8は、図7A〜図7Dに示すように、第2電源変換モジュール9と、取付ベース10とが一体に構成されている。
第2電源変換モジュール9は、例えばABS樹脂等の合成樹脂により直方体状に形成されたケース91と、電源変換回路と、電源変換回路の入力端に電気的に接続された一対の速結端子92とを備えている。電源変換回路及び一対の速結端子92は、ケース91に収納される。
電源変換回路は、外部から供給される電力(交流電力)を表示装置2に適した電力(直流電力)に変換するように構成されている。例えば本実施形態では、電源変換回路は、商用電源から供給されるAC100〔V〕を表示装置2に適したDC5〔V〕に変換する。一対の速結端子92の各々は、ケース91に設けられた一対の電線挿入孔911(図7C参照)のうち対応する電線挿入孔911内に配置されている。そして、商用電源からの電源線の各芯線を一対の速結端子92の各々に接続することにより、商用電源から電源変換回路にAC100〔V〕が供給される。
また、電源変換回路の出力端には、電源ケーブル93が電気的に接続されている。この電源ケーブル93の先端には、表示装置2に設けられた第2表示側コネクタ14に着脱可能に接続される第2電源側コネクタ94が設けられている。第2表示側コネクタ14及び第2電源側コネクタ94には、上述したように抜け止め機構が設けられており、第2表示側コネクタ14に第2電源側コネクタ94が接続された状態では、第2電源側コネクタ94が抜けないように構成されている。表示システム1を造営材に取り付ける場合、電源変換ユニット8は、造営材の内側(裏側)に配置されることになるため、第2表示側コネクタ14及び第2電源側コネクタ94のように、簡単に外れにくい構成であることが好ましい。
ケース91の左側面には、電源ケーブル93を外部に引き出すための引き出し孔912と、引き出し孔912から外部に引き出された電源ケーブル93を保持するケーブル保持部913とが設けられている。ケーブル保持部913は、ケース91の左側面から左向きに突出し、かつその先端が後向きに突出したL字状である。
取付ベース10は、例えばABS樹脂等の合成樹脂により矩形平板状に形成されている。取付ベース10の四隅近傍には、外向き(左向き又は右向き)に突出する矩形の差込片101がそれぞれ設けられている。これら4つの差込片101は、取付ベース10に表示装置2が取り付けられた状態において、表示装置2の筐体6(厳密にはボディ62)に設けられた4つの支持片628と凹部620の底面との間にそれぞれ差し込まれる。また、4つの差込片101のうち上側に位置する2つの差込片101の下側には、外向き(左向き又は右向き)に突出する三角状の突起102がそれぞれ設けられている。
さらに、取付ベース10の左右方向における両側には、表示装置2の筐体6(厳密にはボディ62)に設けられた第1突台部626及び第2突台部627を逃がすための逃がし部103がそれぞれ設けられている。これらの逃がし部103は、取付ベース10に表示装置2を取り付ける際に第1突台部626又は第2突台部627が接触しない大きさに形成されている。また、取付ベース10の左寄りの位置には、前後方向に貫通する矩形の開口部104が設けられている。この開口部104は、取付ベース10に表示装置2が取り付けられた状態で、第1突出部621、第2突出部622及び第3突出部623と対応する位置に設けられている。そのため、第2電源変換モジュール9からの電源ケーブル93を、開口部104を通して表示装置2に接続することができ、さらに造営材の内側(裏側)に配線されたLANケーブルを、開口部104を通して表示装置2に接続することができる。
また、取付ベース10の前面には、前方に突出する矩形板状の接続阻止部106が設けられている。この接続阻止部106は、取付ベース10に表示装置2が取り付けられた状態において、第1露出孔6210を塞ぐように構成されている。言い換えると、接続阻止部106は、取付ベース10に表示装置2が取り付けられた状態において、第1露出孔6210と対向する位置に設けられている。したがって、取付ベース10に表示装置2が取り付けられた状態では、接続阻止部106によって第1露出孔6210が塞がれており、第1電源変換モジュール4からの第1電源側コネクタ43を第1表示側コネクタ13に接続することができない。つまり、この場合にも、第1電源変換モジュール4と第2電源変換モジュール9とを表示装置2に同時に接続することができない。
取付ベース10は、前後方向に貫通する4つの取付孔105に通された固定ねじを用いて、造営材に埋め込まれた埋込ボックスに取り付けることができる。そして、埋込ボックスに取り付けられた取付ベース10に表示装置2を取り付けることで、表示システム1の施工が完了する。
ここで、取付ベース10の前面側に設けられた切替スイッチ16(図7A参照)は、第2電源変換モジュール9から表示装置2へ供給される直流電力(DC5〔V〕)を供給する状態と、直流電力の供給を停止する状態とを切り替えるためのスイッチである。
次に、造営材に取り付けられた取付ベース10に表示装置2を取り付ける手順について説明する。以下では、商用電源からの電源線の各芯線が一対の速結端子92の各々に予め接続されていると仮定して説明する。
最初に、施工者は、取付ベース10に設けられた開口部104を通して、第2電源変換モジュール9からの電源ケーブル93を前方に引き出し、表示装置2の第2表示側コネクタ14に電源ケーブル93の先端に設けられた第2電源側コネクタ94を接続する。続けて、施工者は、表示装置2の後面側(ボディ62側)を造営材側に向けた状態で取付ベース10に近づけていき、表示装置2の筐体6に設けられた凹部620内に取付ベース10を収納する。このとき、取付ベース10に設けられた4つの差込片101の各々は、表示装置2に設けられた4つの支持片628のうち対応する支持片628の下側に位置している。またこのとき、取付ベース10に設けられた2つの突起102の各々は、表示装置2に設けられた2つの突起630のうち対応する突起630に引っ掛かっていない。
その後、施工者は、取付ベース10に対して表示装置2を下向きにスライドさせることで、取付ベース10に表示装置2が取り付けられる。このとき、4つの差込片101の各々は、対応する支持片628と凹部620の底面との間に差し込まれる(図6参照)。またこのとき、2つの突起102の各々は、対応する突起630に引っ掛かる(図6参照)。
ここで、本実施形態の表示システム1では、表示装置2のボディ62に設けられた第1突台部626及び第2突台部627を逃がすための逃がし部103を取付ベース10に設けており、これにより取付ベース10を凹部620内に収めることができる。その結果、造営材からの突出量を小さくすることができる。
また、本実施形態の表示システム1では、支持ベース3と第1電源変換モジュール4とを用いることで卓上に置いて使用することができ、電源変換ユニット8を用いることで造営材に取り付けて使用することができる。つまり、本実施形態の表示システム1によれば、表示装置2の設置形態を需要家ごとに選択することができる。
さらに、本実施形態の表示システム1では、表示装置2を造営材に取り付ける場合には第2表示側コネクタ14と第2電源側コネクタ94とを接続し、表示装置2を卓上に置く場合には第1表示側コネクタ13と第1電源側コネクタ43とを接続する。つまり、本実施形態の表示システム1によれば、表示装置2への給電方式を、表示装置2の設置形態に応じて選択することができる。言い換えると、本実施形態の表示システム1によれば、複数種類の給電方式に対応することができる。
以下、本実施形態の表示システム1、表示装置2及び電源変換モジュール(第1電源変換モジュール4、第2電源変換モジュール9)の変形例について説明する。
上述の実施形態では、表示装置2が、計測装置からの計測データに基づいて需要家の資源の消費量等を表示する場合を例として説明したが、表示装置2は、外部からの情報に基づいて表示を行うように構成されていればよく、上述の実施形態に限定されない。例えば、表示装置2は、インターホンシステムに用いられて、玄関等に設置されたカメラからの映像を表示可能な宅内モニタ(インターホン親機)であってもよい。
また、上述の実施形態では、第1電源変換モジュール4と第2電源変換モジュール9とが選択的に用いられる場合を例として説明したが、3種類以上の電源変換モジュールが選択的に用いられるように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態で説明した第1表示側コネクタ13及び第2表示側コネクタ14の接続端子の形状は一例であって、本実施形態に限定されない。また、第1電源側コネクタ43及び第2電源側コネクタ94の接続端子の形状についても一例であり、第1表示側コネクタ13及び第2表示側コネクタ14の接続端子の形状に合わせて適宜変更可能である。
また、上述の実施形態では、接続阻止部106により第1電源側コネクタ43が差し込まれる第1露出孔6210を塞ぐように構成されているが、第1電源側コネクタ43を接続できないように構成されていればよく、第1露出孔6210が塞がれていなくてもよい。
また、上述の実施形態では、第1電源変換モジュール4がAC−DCアダプタである場合を例として説明したが、第1電源変換モジュール4はAC−DCアダプタに限らず、例えばAC−ACアダプタ、DC−DCアダプタ等であってもよい。すなわち、電源変換モジュールは、外部から入力される電力を表示装置に適した電力に変更可能であればよい。
また、表示装置2を卓上設置する場合、上述した支持ベース3及び第1電源変換モジュール4の代わりに、クレードルで構成されていてもよい。この場合、クレードルに表示装置2を置くことにより、クレードルから表示装置2に電力が供給される。またこの場合、計測装置からの計測データが、クレードルを介して表示装置2に伝送されるように構成されていてもよい。
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様の表示システム1は、表示装置2と、電源変換モジュール(第1電源変換モジュール4、第2電源変換モジュール9)とを備える。表示装置2は、外部からの情報に基づいて表示を行う。電源変換モジュールは、外部から供給される電力を表示装置2に適した電力に変換する。表示システム1では、電源変換モジュールとして、第1電源変換モジュール4及び第2電源変換モジュール9を含む複数種類の電源変換モジュールのいずれかが選択的に用いられる。第1電源変換モジュール4は、第1電源側接続端子430を有する。第2電源変換モジュール9は、第1電源側接続端子430と形状が異なる第2電源側接続端子940を有する。表示装置2は、第1表示側接続端子130及び第2表示側接続端子140を含む複数種類の表示側接続端子を有する。第1表示側接続端子130は、第1電源側接続端子430の移動を規制しない状態で第1電源側接続端子430が電気的に接続されるように構成されている。第2表示側接続端子140は、第2電源側接続端子940の移動を規制している状態で第2電源側接続端子940が電気的に接続されるように構成されている。
第1の態様によれば、第1表示側接続端子130及び第2表示側接続端子140を含む複数種類の表示側接続端子が表示装置2に設けられているので、表示装置2への給電方式を選択することができる。言い換えると、第1の態様によれば、複数種類の給電方式に対応することができる。
第2の態様の表示システム1では、第1の態様において、第2電源変換モジュール9は、表示装置2に対して着脱可能である。第2電源変換モジュール9は、表示装置2に取り付けられた状態において複数種類の表示側接続端子のうち第2表示側接続端子140を除いた残りの表示側接続端子への接続を阻止する接続阻止部106を有している。
第2の態様によれば、第2電源変換モジュール9に接続阻止部106が設けられているので、第2電源変換モジュール9を表示装置2に取り付けた状態では、第2表示側接続端子140を除いた残りの表示側接続端子に電源側接続端子が接続されるのを阻止できる。ただし、この構成は表示システムの必須の構成ではなく、接続阻止部は省略されていてもよい。
第3の態様の表示システム1では、第1又は2の態様において、第2電源変換モジュール9は、造営材に表示装置2を取り付けるための取付ベース10と一体である。
第3の態様によれば、第2電源変換モジュール9と取付ベース10とを一体に構成しているので、第2電源変換モジュール9からの電源側接続端子を表示側接続端子に接続した後、取付ベース10に表示装置2を取り付けるだけでよく、施工性が向上する。ただし、この構成は表示システムの必須の構成ではなく、第2電源変換モジュールは、取付ベースと別体であってもよい。
第4の態様の表示システム1では、第3の態様において、第2電源変換モジュール9は、造営材に表示装置2を取り付けた状態において造営材の内側に埋め込まれている。
第4の態様によれば、造営材に表示装置2を取り付けた状態では、第2電源変換モジュール9は造営材の内側(裏側)に埋め込まれているので、造営材の表面側から見て表示装置2のみが見えることになり、見栄えを向上させることができる。ただし、この構成は表示システムの必須の構成ではなく、例えば造営材に表示装置を取り付けた状態において第2電源変換モジュールの一部が造営材から露出していてもよい。
第5の態様の表示装置2は、上述の表示システム1に用いられる。
第5の態様によれば、複数種類の給電方式に対応することができる。
第6の態様の電源変換モジュール(第1電源変換モジュール9及び第2電源変換モジュール4)は、上述の表示システム1に用いられる。
第6の態様によれば、複数種類の給電方式に対応することができる。