JP2015060992A - 電気機器 - Google Patents

Abstract

【課題】施工性を向上できる電力計測装置を提供する。
【解決手段】電力計測装置10は、筐体20および電力計測ユニット21を備える。筐体20は、壁面11に設置されるベース本体28、このベース本体28の周辺部から背面側に突出する側面部30、この側面部30の内側でベース本体28の背面側に形成された配線スペース32、ベース本体28の上下部で前面側と背面側とに貫通して配線スペース32に連通された配線孔33，34を有する。さらに、筐体20は、上下の配線孔33，34の互いに接近した側の縁部35に、ベース本体28の背面側から前面側に向けてベース本体28の中央部から遠ざかる方向に傾斜する傾斜ガイド部36を有する。電力計測ユニット21は、ベース本体28の前面側の中央部に配設される電力計測ユニット本体60、および、ベース本体28の前面側の上下部に配設される配線接続部61，62を有する。
【選択図】図１

Description

本発明の実施形態は、壁面に設置される電気機器に関する。

従来、壁面に設置される電気機器としては、例えば、住宅用の分電盤に隣接して壁面に設置されて、分電盤が備える各分岐ブレーカに接続された負荷毎や住宅全体の電力使用量を計測する電力計測装置等がある。

このような電気機器では、壁面に開けられた貫通孔から引き出された配線を電気機器の筐体に設けられた配線孔を通じて筐体の背面側から前面側に通し、筐体の前面側に設けられた配線接続部に接続するようにしている。

特開２０１１−２３６４号公報

しかしながら、電気機器では、壁面の貫通孔の位置と壁面に取り付ける筐体の配線孔の位置とがずれていることが多く、電源用等の太くて曲がりにくい配線を接続する場合もあるため、筐体の配線孔を通じて背面側から前面側に配線を引き出す際にその配線が配線孔の縁部に引っ掛かって引き出しにくく、さらに、筐体の背面側で配線を上手く処理しないと壁面に取り付けた筐体が浮き上がるなどの不具合が発生しやすくなり、施工に手間がかかる問題がある。

本発明が解決しようとする課題は、施工性を向上できる電気機器を提供することである。

実施形態の電気機器は、筐体および電気ユニットを備える。筐体は、壁面に設置されるベース本体、このベース本体の周辺部から背面側に突出する側面部、この側面部の内側でベース本体の背面側に形成された配線スペース、ベース本体の上下部で前面側と背面側とに貫通して配線スペースに連通された配線孔を有する。さらに、筐体は、上下の配線孔の互いに接近した側の縁部に、ベース本体の背面側から前面側に向けてベース本体の中央部から遠ざかる方向に傾斜する傾斜ガイド部を有する。電気ユニットは、ベース本体の前面側の中央部に配設される電気ユニット本体、および、ベース本体の前面側の上下部に配設される配線接続部を有する。

本発明によれば、ベース本体の背面側の広い領域に設けた配線スペースにより、壁面からの配線の引出位置に柔軟に対応して配線を収めることができ、さらに、配線孔に設けた傾斜ガイド部により、配線孔を通じて筐体の背面側から前面側に配線を容易に引き出すことができるとともに、配線を無理に曲げることなく配線孔に配置することができ、施工性が向上することが期待できる。

一実施形態を示す電気機器の断面図である。 同上電気機器の斜視図である。 同上電気機器のベースの斜視図である。 同上電気機器の化粧カバーの取り付けを説明する側面図である。 同上電気機器の化粧カバーの取り付けを説明する断面図である。

以下、一実施形態を、図１ないし図５を参照して説明する。

図１ないし図５において、10は電気機器としての電力計測装置である。この電力計測装置10は、住宅用の分電盤に隣接して壁面11に設置されて、分電盤が備える各分岐ブレーカに接続された負荷毎や住宅全体の電力使用量を計測するものである。電力計測のために、各分岐ブレーカを流れる負荷電流に応じた検出信号を出力する複数の電流センサが用いられている。複数の電流センサには検出信号を電力計測装置10に伝送する配線または電線としての信号線12が接続される。信号線12は、複数本ずつが１本にまとめられ、先端にコネクタ13が接続されている。また、電力計測装置10には、電力計測装置10が動作するための電力を供給するために配線または電線としての電源線14が接続される。信号線12および電源線14には、導体を絶縁体で被覆した被覆電線が用いられている。そして、信号線12および電源線14は、壁面11の分電盤の設置領域の側部領域に開けられる貫通孔15を通じて壁面11の裏面側から表面側に引き出され、電力計測装置10に接続される。

そして、電力計測装置10は、筐体20、この筐体20に配置される電気ユニットとしての電力計測ユニット21、および筐体20の前面を覆う化粧カバー22を備えている。

筐体20は、ベース25、およびベース25の前面側に取り付けられるカバー26を備え、これらベース25とカバー26との間に電力計測ユニット21を収容している。

ベース25は、絶縁材料で形成されたベース本体28を備えている。ベース本体28には、平面状のベース板29、およびベース板29の周辺部で前面側および背面側にそれぞれ突出する側面部30が形成されている。ベース板29の前面側には、周囲の側面部30の内側の全域に、電力計測ユニット21を収容する収容スペース31が形成され、また、ベース板29の背面側には、周囲の側面部30の内側の全域に、信号線12および電源線14を配線する配線スペース32が形成されている。

ベース本体28の上下部には、ベース本体28の前面側と背面側とに貫通して配線スペース32に連通する配線孔33，34が形成されている。上部の配線孔33は信号線12の配線用であり、下部の配線孔34は電源線14の配線用である。配線孔33，34は横長に形成されているとともに、配線孔33，34の周囲はベース板29から前面側に突出する筒状の縁部35によって形成されている。上下の配線孔33，34の互いに接近した側の縁部35には、ベース本体28の背面側から前面側に向けてベース本体28の上下方向中央部から遠ざかる方向に傾斜する傾斜ガイド部36が形成されている。傾斜ガイド部36は、平面状の傾斜面37を有し、傾斜面37と縁部35の前端との間および傾斜面37とベース板29との間がそれぞれ曲面状に形成されている。

ベース本体28の四隅には、壁面11に筐体20をねじ止めするための取付孔38、およびベース25とカバー26とをねじ止めするための連結孔39が形成されている。

側面部30の四方の全ての面には、切り取って開口可能なノックアウト部40が形成されている。ノックアウト部40を開口させることにより、筐体20の側面からも信号線12や電源線14を配線スペース32に引き込み可能としている。

また、カバー26は、絶縁材料で形成され、上下方向中央部には前方に突出して電力計測ユニット21を収容する突出部42が形成され、上下部にベース25の前面を覆うカバー部43，44が形成されている。

突出部42には、電力計測装置10の電源を入り切りする電源スイッチ45が配置されているとともに、計測結果を電力管理を行うホームターミナルやパソコン等に無線または有線で送信する通信部としての通信アダプタ46が装着されている。さらに、突出部42には、電力計測装置10の電源入り状態で点灯表示する表示部42aが配設されている。表示部42aは電力計測ユニット21が備える例えばＬＥＤの光を導光する導光部材によって構成されている。

上下のカバー部43，44には、ベース25の上下の配線孔33，34の前端に連続して配線孔47，48が形成されている。上部のカバー部43には、配線孔47の下側に、配線用の複数の開口部49が形成されている。下部のカバー部44には、配線孔48の上側に、配線用の開口部50が形成されている。

カバー26の四隅には、ベース25の取付孔38と同軸に、筐体20を壁面11にねじ止めするための取付孔51が形成されている。

カバー26の周囲には、化粧カバー22が嵌まり込む溝部52が形成されている。カバー26の上縁部には、ベース25との間に上方に開口する引掛け溝53を形成する受部54が前方に突出形成されている。カバー26の下縁部には、係止孔55が形成されている。

次に、電力計測ユニット21は、ベース25の前面側の中央部に配設される電気ユニット本体としての電力計測ユニット本体60、およびベース25の前面側の上下部に配設される配線接続部61，62を備えている。

電力計測ユニット本体60は、基板64、およびこの基板64に実装された電子部品65を備え、基板64がベース25とカバー26との間に挟み込まれて位置決め保持されている。基板64には、電源スイッチ45、通信アダプタ46を装着する装着部、および配線接続部61，62等も実装されている。

上部の配線接続部61は、信号線12のコネクタ13を接続可能とする複数のコネクタ66で構成され、これらコネクタ66が基板64に実装され、カバー26の上部の各開口部49に配置されている。

下部の配線接続部62は、電源線14が接続される端子台67で構成され、この端子台67が基板64に実装され、カバー26の下部の開口部50から前方に突出して配置されている。端子台67には、電源線14の複数の導体を接続する複数の端子、および各端子に導体を締め付け固定するねじ等が配置されている。端子台67の前方域は、カバー26に着脱可能に取り付けられる端子台カバー68によって覆われている。

そして、電力計測ユニット21は、電源線14からの電源供給によって動作し、信号線12からの検出信号によって分電盤が備える各分岐ブレーカに接続された負荷毎や住宅全体の電力使用量を計測し、計測結果を通信アダプタ46によって電力管理を行うホームターミナルやパソコン等に無線または有線で送信する。

次に、化粧カバー22は、絶縁材料で形成されている。そして、化粧カバー22は、前面部70および周囲の側面部71を有し、背面側が開口された蓋状に形成されている。化粧カバー22の上縁部には、化粧カバー22の上縁部が筐体20の上縁部に接する状態で、引掛け溝53に差し込まれて受部54に引っ掛かる引掛り部72が突設されている。また、化粧カバー22の下縁部には、引掛り部72が筐体20の上縁部に引っ掛かった状態で、係止孔55に差し込まれて着脱可能に係止する係止部73が突設されている。また、前面部70から一側の側面部71に亘って表示部42aが配置されるスリット74が形成されている。

そして、このように構成された電力計測装置10を壁面11に設置する場合には、予め壁面11の貫通孔15から引き出されている信号線12および電源線14を、ベース25の背面側から上部の配線孔33および下部の配線孔34にそれぞれ挿入し、筐体20の前面側に引き出す。

筐体20の背面側の余分な信号線12および電源線14を壁面11の貫通孔15に押し込んで戻しながら、壁面11の貫通孔15を覆うようにして筐体20の背面側を壁面11に押し当て、筐体20が分電盤の側部に平行に配置されるように位置合わせし、ねじを筐体20の取付孔51，38を通じて壁面11にねじ込み、筐体20を壁面11に固定する。このとき、貫通孔15と配線孔33，34との間の信号線12および電源線14の部分がベース25の背面側の配線スペース32に収容される。

筐体20の前面側に引き出されている信号線12のコネクタ13を筐体20の前面側に配置されているコネクタ66に接続する。筐体20の前面側に引き出されている電源線14の導体を筐体20の前面に配置されている端子台67に接続するとともに、その接続完了後に端子台67の付近を端子台カバー68で覆う。このとき、筐体20からの信号線12および電源線14の引出量が不足する場合には、配線孔33，34を通じて信号線12および電源線14を筐体20の前面側に引き出し、また、接続した信号線12および電源線14が大きく余る場合には配線孔33，34を通じて配線スペース32に押し戻してもよい。

最後に、化粧カバー22を筐体20の前面側に取り付ける。化粧カバー22を筐体20に取り付ける際、図４および図５に示すように、化粧カバー22の上縁部が筐体20の上縁部に接するように化粧カバー22を斜めとし、化粧カバー22の上縁部が筐体20の上縁部に接する状態で、化粧カバー22の引掛り部72を筐体20の引掛け溝53に差し込んで受部54に引っ掛ける。その後、引掛り部72が筐体20の上縁部に引っ掛かった状態で、化粧カバー22の下部側を筐体20に近付け、化粧カバー22の係止部73を筐体20の係止孔55に差し込んで係止する。

そして、電力計測装置10では、筐体20の背面側の広い領域に配線スペース32を設けているため、壁面11からの信号線12および電源線14の引出位置に柔軟に対応してこれら信号線12および電源線14を収めることができる。

さらに、壁面11からの信号線12および電源線14の引出位置は筐体20の配線スペース32の中央部付近に位置するため、信号線12は配線スペース32において上方に向けて配線されて配線孔33から筐体20の前面側に引き出され、電源線14は配線スペース32において下方に向けて配線されて配線孔34から筐体20の前面側に引き出される。この場合、上下の配線孔33，34の互いに接近した側の縁部35が角部あるいは小さい曲面であったすると、信号線12および電源線14は小さくは曲がりにくいため、その縁部35に信号線12および電源線14が引っ掛かり、配線孔33，34を通じて筐体20の背面側から前面側に信号線12および電源線14を引き出しにくいことになる。本実施形態では、上下の配線孔33，34の互いに接近した側の縁部35に、ベース本体28の背面側から前面側に向けてベース本体28の上下方向中央部から遠ざかる方向に傾斜する傾斜ガイド部36を設けているため、信号線12および電源線14が引っ掛からずに配線孔33，34を通じて筐体20の背面側から前面側に信号線12および電源線14を容易に引き出すことができる。しかも、信号線12および電源線14を無理に曲げることなく配線孔33，34に配置することができるため、信号線12および電源線14の剛性によって筐体20が壁面11から浮き上がるのを防止できる。

したがって、電力計測装置10は、信号線12および電源線14の処理を容易にでき、施工性を向上できる。

また、上部の配線接続部61を信号用、下部の配線接続部62を電源用として分けているため、誤配線を防止できるとともに、信号へのノイズの影響を防止できる。

また、化粧カバー22を筐体20に取り付ける際、図４および図５に示すように、化粧カバー22の上縁部が筐体20の上縁部に接する状態で、化粧カバー22の引掛り部72が筐体20の引掛け溝53に差し込まれて受部54に引っ掛かるため、信号線12を化粧カバー22の上縁部と筐体20の上縁部との間で挟み込んでしまうのを防止することができる。さらに、引掛り部72が筐体20の上縁部に引っ掛かった状態で、化粧カバー22の下部側を筐体20に近付け、化粧カバー22の係止部73を筐体20の係止孔55に差し込んで係止することによっても、信号線12を化粧カバー22の両側縁部と筐体20の両側縁部との間で挟み込んでしまうのを防止することができる。

なお、電力計測装置10は、化粧カバー22を用いずに、筐体20の前面側が露出した状態で運用することもできる。この場合、筐体20の前面側には、化粧カバー22を取り付けるための爪等が突出されていないため（化粧カバー22に引掛り部72および係止部73が突出されているため）、化粧カバー22がなくても、筐体20の外観が損なわれることがない。

また、電気機器としては、電力計測装置に限らず、壁面に設置する配線器具等、他の電気機器でもよい。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

10 電気機器としての電力計測装置
11 壁面
20 筐体
21 電気ユニットとしての電力計測ユニット
22 化粧カバー
28 ベース本体
30 側面部
32 配線スペース
33，34 配線孔
35 縁部
36 傾斜ガイド部
60 電気ユニット本体としての電力計測ユニット本体
61，62 配線接続部
72 引掛り部
73 係止部

Claims (2)

1. 壁面に設置されるベース本体、このベース本体の周辺部から背面側に突出する側面部、この側面部の内側で前記ベース本体の背面側に形成された配線スペース、前記ベース本体の上下部で前面側と背面側とに貫通して前記配線スペースに連通された配線孔、および、上下の前記配線孔の互いに接近した側の縁部に、前記ベース本体の背面側から前面側に向けて前記ベース本体の中央部から遠ざかる方向に傾斜する傾斜ガイド部を有する筐体と；
   前記ベース本体の前面側の中央部に配設される電気ユニット本体、および、前記ベース本体の前面側の上下部に配設される配線接続部を有する電気ユニットと；
   を具備することを特徴とする電気機器。
2. 前記筐体の前面側を覆って前記筐体に取り付けられる化粧カバーを備え、
   前記化粧カバーの上縁部には前記化粧カバーの上縁部が前記筐体の上縁部に接する状態で前記筐体に引っ掛かる引掛り部が突設され、前記化粧カバーの下縁部には前記引掛り部が前記筐体の上縁部に引っ掛かった状態で前記筐体に着脱可能に係止する係止部が突設されている
   ことを特徴とする請求項１記載の電気機器。

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