(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係るUSB(Universal Serial Bus)コンセント(Outlet)10の概要について、図1及び図4を参照して説明する。
本実施形態に係るUSBコンセント10は、機器9のUSBコネクタ91を接続可能な装置である。USBコンセント10は、USBコネクタ91が接続された状態で、USBコネクタ91を通して機器9(一例として、スマートフォン等)に電力を供給する装置である。機器9は、USBコンセント10から供給される電力にて、例えば、機器9に含まれている蓄電池92(図4参照)の充電を行う。
本実施形態に係るUSBコンセント10は、例えば、建物の壁等の取付対象物81に設置される配線器具である。このようなUSBコンセント10は、100V又は200V等の交流電圧を出力する一般的なコンセント装置(Outlet)と同様に、電源(系統電源等)に対して常時、電気的に接続されており、基本的には、常時、通電状態にある。したがって、ユーザにおいては、USBコンセント10に機器9を接続するだけで、USBコンセント10からUSBコネクタ91経由で機器9に電力を供給することが可能となる。
ここで、100V又は200V等の交流電圧を出力する一般的なコンセント装置であれば、例えば、スマートフォン等の機器9を充電する場合、機器9に電力を供給するために交流電圧を直流電圧に変換する電源アダプタを用いる必要がある。これに対して、本実施形態に係るUSBコンセント10であれば、電源アダプタを用いることなく、USBコンセント10に対して機器9のUSBコネクタ91を直接的に接続することで、機器9に電力を供給することが可能である。よって、USBコンセント10によれば、電源アダプタの持ち合わせがなくても、例えば、スマートフォン等の機器9の充電が可能となり、しかも、電源アダプタが不要であるために、USBコンセント10の周辺がすっきりする。
本実施形態に係るUSBコンセント10は、筐体3と、電源回路11と、発光部14と、を備える。筐体3は、機器9のUSBコネクタ91を接続可能な接続口4を有する。電源回路11は、接続口4に接続されたUSBコネクタ91から機器9に電力を供給する。発光部14は、接続口4の位置を示すように発光する。
この構成によれば、発光部14が発光することで、USBコネクタ91を接続するための接続口4の位置を示すことができる。そのため、例えば、夜間、又は、USBコンセント10が、家具の影となる場所、若しくは窓のない室内等の暗所に設置されている場合であっても、ユーザは、発光部14の光を頼りに接続口4の位置を把握しやすくなる。特に、USBコンセント10においては、例えば、スマートフォン等の機器9の充電時にのみUSBコネクタ91が接続される等、比較的、USBコネクタ91の挿抜の頻度が高い。このようにUSBコネクタ91の挿抜の頻度が高いUSBコンセント10において、接続口4の位置が容易に把握できることは、利便性の向上に寄与しやすい。結果的に、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント10を提供することができる。
(2)詳細な構成
以下、本実施形態に係るUSBコンセント10の詳細な構成について、図1〜図4を参照して説明する。
(2.1)前提
本開示でいう「USB」は、シリアルバス規格の1つであるUSB(Universal Serial Bus)の規格を意味する。本開示において、「USB」は、例えば、USB 1.0、USB 1.1、USB 2.0、USB 3.0、USB 3.1、USB 3.2、及びUSB4といった様々な世代(転送速度の規格)のUSBを含む。また、本開示において、USBの端子形状(接続口4の形状、及びUSBコネクタ91の形状)は、様々な形状を含む。USBの端子形状は、例えば、A端子(Type-A)、B端子(Type-B)及びC端子(Type-C)、並びに、ミニUSB(mini USB)及びマイクロUSB(micro USB)等、更にはこれらの組み合わせを含む。つまり、USBの端子形状は、一例として、ミニUSBのA端子(mini USB Type-A)、及びマイクロUSBのB端子(micro USB Type-B)等を含む。本実施形態では特に断りが無い限り、USBの端子形状がA端子(USB Type-A)である場合を例に説明する。本開示では、USBの端子形状の仕様を「USBコネクタ規格」ということもある。
本開示でいう「機器のUSBコネクタ」は、機器9に一体に設けられているコネクタであってもよいし、機器9に接続可能なUSBケーブルの先端に設けられているコネクタであってもよい。つまり、機器9のUSBコネクタ91は、機器9とは別体であって、機器9に対してケーブルを介して接続されるコネクタのように、機器9に付帯するコネクタ等を含む。また、本開示でいう「コネクタ」は、レセクタプルに挿入される「プラグ」であってもよいし、プラグが挿入される「レセクタプル」であってもよい。本実施形態では特に断りが無い限り、機器9のUSBコネクタ91が、機器9に接続可能なUSBケーブルの先端に設けられているUSBプラグである場合を例に説明する。
同様に、本開示でいう「接続部」は、機器9のUSBコネクタ91を電気的に接続可能な構造であればよく、プラグが挿入される「レセクタプル」であってもよいし、レセクタプルに挿入される「プラグ」であってもよい。本実施形態では特に断りが無い限り、USBコンセント10の接続部2が、接続口4を含むレセクタプルである場合を例に説明する。つまり、本実施形態では、機器9のUSBコネクタ91がUSBプラグであるので、USBコンセント10の接続部2は、USBプラグを接続可能なレセクタプルである。そのため、USBコンセント10の筐体3が有する接続口4は、接続部2に含まれることになる。
本開示でいう「機器」は、USBコンセント10に電気的に接続可能であって、USBコンセント10から電力供給を受ける電気機器(装置、設備及びシステム)である。機器9は、例えば、スマートフォン、タブレット端末若しくはウェアラブル端末等の情報端末、モバイルバッテリ、携帯電話機、カメラ、扇風機、懐中電灯又はテレビジョン受像機等を含む。USBコンセント10は機器9に対して直流の電圧を印加することで直流電力を供給するので、機器9は直流入力に対応した機器である。この種の機器9のうち、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブル端末等の機器9は、蓄電池92を備え、USBコンセント10から供給される電力を用いて蓄電池92を充電する機能を有する。以下では、蓄電池92を充電する機能を有する機器9を「充電式の機器」と呼ぶこともある。本実施形態では特に断りが無い限り、USBコンセント10に接続される機器9が、充電式の機器9である場合を例に説明する。
本実施形態では、USBコンセント10は、取付対象物81に固定される。本開示でいう「取付対象物」は、USBコンセント10が固定される部材であって、例えば、建物の壁、天井若しくは床等の造営物、又は机、棚、若しくはカウンタ台等の什器(建具を含む)等を含む。USBコンセント10は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校、工場、病院若しくは介護施設等の非住宅施設に設置される。本実施形態では一例として、USBコンセント10は、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具であると仮定する。特に、USBコンセント10は、建物の内部で使用される屋内用の配線器具であると仮定する。
以下、取付対象物81である住宅施設の壁にUSBコンセント10が固定された状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向をUSBコンセント10の「上下方向」として説明する場合がある。また、USBコンセント10を正面から見て下方をUSBコンセント10の「下方」として説明する場合がある。上下方向と直交し、かつ取付対象物81の表面(壁面)に平行な方向をUSBコンセント10の「左右方向」とし、USBコンセント10を正面から見て右方をUSBコンセント10の「右方」、左方をUSBコンセント10の「左方」として説明する場合がある。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり取付対象物81の表面(壁面)に直交する方向をUSBコンセント10の「前後方向」とし、取付対象物81の裏面側(壁裏側)をUSBコンセント10の「後方」として説明する場合がある。ただし、これらの方向はUSBコンセント10の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
また、USBコンセント10における筐体3の前面31は、取付対象物81である住宅施設の壁にUSBコンセント10が固定された状態において、基本的には、前方を向くことになる。ただし、筐体3の前面31が前方に向けられることを限定する趣旨ではない。例えば、USBコンセント10が天井に設置される場合には、筐体3の前面31は下方に向けられることになる。
また、本開示において、2値の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
(2.2)基本構成
次に、本実施形態に係るUSBコンセント10の基本構成について、図1〜図3Bを参照して説明する。
上述したように、本実施形態では一例として、USBコンセント10は、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具である。つまり、USBコンセント10は、取付対象物81に固定され、取付対象物81の裏側を通した配線L1(図4参照)を接続可能に構成された配線器具である。特に、このUSBコンセント10は、取付対象物81に形成されている施工孔82(図3A参照)に、筐体3の少なくとも一部が埋め込まれた状態で、筐体3が取付対象物81に固定される、埋込型の配線器具である。
また、USBコンセント10は、配線L1を接続するための端子部16(図4参照)を備えており、例えば、壁(取付対象物81)内に引き回された配線L1が端子部16に接続されることで、配線L1を介して系統電源等の電源に電気的に接続される。配線L1は、電源(系統電源等)に対して、直接的に接続されてもよいし、分電盤等を介して間接的に接続されてもよい。
本実施形態では一例として、USBコンセント10は、端子部16に配線L1が接続されることにより、配線L1を介して、単相100V、60Hzの商用の交流電源(系統電源)に電気的に接続される。ここで、USBコンセント10は、分電盤を介して交流電源(系統電源)に接続されており、分電盤のブレーカ(主幹ブレーカ及び分岐ブレーカ)が導通状態にあれば、常時、通電状態にある。そのため、USBコンセント10は、基本的には、常時、機器9に対して電力を供給可能な状態にある。
また、本実施形態では一例として、2個のUSBコネクタ91を接続可能な2個口(2ポート)タイプのUSBコンセント10を例示する。すなわち、本実施形態に係るUSBコンセント10は、USBコネクタ91を接続するための接続部2(接続口4を含む)を複数(ここでは2つ)備え、これら複数の接続部2から機器9への電力供給が可能である。そのため、USBコンセント10は、複数の機器9のUSBコネクタ91が接続された状態で、これら複数の機器9に対して同時に電力供給することが可能である。本実施形態において、複数(ここでは2つ)の接続部2を区別する場合には、個々の接続部2を、第1の接続部21、第2の接続部22ということもある。同様に、複数(ここでは2つ)の接続口4を区別する場合には、個々の接続口4を、第1の接続口41、第2の接続口42ということもある。
USBコンセント10は、図2A及び図2Bに示すように、電源回路11と、筐体3と、を備えている。図2Bは、図2Aにおける第1の接続口41付近の拡大図である。
電源回路11は、回路基板(プリント配線板)と、回路基板に実装された種々の電子部品と、を有している。電源回路11は、交流電源(系統電源)から端子部16に印加される交流電圧を、直流電圧に変換し、直流電圧を接続部2に出力する。これにより、電源回路11は、接続部2から機器9に電力を供給する。詳しくは後述するが、電源回路11の回路基板には、制御部101(図4参照)等も実装されている。電源回路11は、回路基板を1枚だけ含んでいてもよいし、複数枚の回路基板を含んでいてもよい。
筐体3は、上述したように、取付対象物81に固定される。筐体3は、電源回路11を収容する。厳密には、筐体3は、電源回路11の回路基板を収容することで、電源回路11だけでなく制御部101等も収容する。さらに、筐体3には、電源回路11及び制御部101の他、接続部2及び端子部16等の内部部品が適宜収容される。筐体3は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。
本実施形態では、筐体3は、直方体状であって、3個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法に形成されている。筐体3は、筐体3が取付対象物81に取り付けられた状態で前方に露出する前面31を有する。ここでは、筐体3の前面31は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい長方形状である。筐体3の前面31には、少なくとも1つの接続口4が配置される。
本実施形態では、2個口(2ポート)タイプのUSBコンセント10であるため、筐体3の前面31には、2つの接続口4が配置される。これら2つの接続口4は、上下方向において、一定の間隔を空けて並べて配置されている。2つの接続口4の各々は、図2A及び図2Bに示すように、正面視において、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きい長方形状である。つまり、各接続口4は、横向き(横長)の長孔である。
接続口4内には、金属製のシェル及びコンタクト等が配置されている。これにより、接続口4は、シェル及びコンタクト等と共に、機器9のUSBコネクタ91を電気的かつ機械的に接続するための接続部2(レセクタプル)を構成する。このように構成される接続部2にUSBコネクタ91が正面からまっすぐ差し込まれることにより、接続部2にUSBコネクタ91が接続される。つまり、差込式のUSBコネクタ91が差込方向である前後方向に沿って接続口4に差し込まれることにより、接続部2に対してUSBコネクタ91が電気的に接続され、かつ機械的に結合されることになる。
接続部2とUSBコネクタ91とが接続された状態において、USBコネクタ91が接続部2からまっすぐ引き抜かれることにより、接続部2とUSBコネクタ91との接続が解除される。つまり、USBコネクタ91が差込方向(前後方向)に沿って接続口4から抜去されることにより、接続部2に対するUSBコネクタ91の電気的な接続が解除され、かつ機械的な結合が解除される。要するに、ユーザは、筐体3の前面31に形成された接続口4に対して、USBコネクタ91を挿抜することによって、機器9(USBコネクタ91)の接続部2に対する接続/非接続を切り替えることができる。
ここにおいて、本実施形態では、筐体3は、図3Aに示すように、筐体3を取付対象物81に固定するための取付枠84に対して、取外し可能に取り付けられている。さらに、取付枠84には、図3Aに示すように、コンセントプレート8が取り付けられる。ここで、本実施形態では、取付枠84及びコンセントプレート8を、USBコンセント10の構成要素に含まないこととする。ただし、取付枠84及びコンセントプレート8が、USBコンセント10の構成要素に含まれないことは必須でなく、取付枠84及びコンセントプレート8の少なくとも一方は、USBコンセント10の構成要素に含まれてもよい。
本実施形態では、USBコンセント10は、上述したように埋込型の配線器具であるので、例えば、埋込型のスイッチボックス等の取付部材83を用いて取付対象物81(ここでは壁)に取り付けられる。すなわち、取付対象物81には施工孔82が形成されており、取付対象物81の裏側(壁裏)に配置されたスイッチボックス等の取付部材83に対して、USBコンセント10が施工孔82を通して取り付けられる。
取付枠84は、例えば、日本工業規格によって規格化された大角形連用配線器具の取付枠である。具体的には、取付枠84は、正面視において矩形枠状に形成されている。この取付枠84の内側に筐体3が位置するように、筐体3が取付枠84に装着されている。
取付枠84は、一例として、合成樹脂製である。取付枠84には、一対の取付孔841と、一対のプレート固定孔842と、が形成されている。一対の取付孔841を通して、一対の取付ねじ843がスイッチボックス等の取付部材83に締め付けられることで、取付枠84は、取付対象物81に取り付けられる。
コンセントプレート8は、化粧プレート85と、固定プレート86と、を有している。つまり、本実施形態では、コンセントプレート8は、化粧プレート85及び固定プレート86の2部材で構成されている。コンセントプレート8(化粧プレート85及び固定プレート86)は、一例として、合成樹脂製である。
固定プレート86は、取付枠84に固定される。化粧プレート85は、固定プレート86の前面を覆うように、固定プレート86に取り付けられる。このように、化粧プレート85は、筐体3が取り付けられている取付枠84に対し、固定プレート86を介して間接的に固定される。化粧プレート85には窓孔801が形成されており、コンセントプレート8が取付枠84に取り付けられた状態では、窓孔801から筐体3の前面31が露出することになる。
つまり、コンセントプレート8は、窓孔801を有する枠状の部材であって、その窓孔801から筐体3の前面31を露出させるように、取付枠84と組み合わされる。言い換えれば、取付枠84とコンセントプレート8とが組み合われた状態では、正面視において、コンセントプレート8(化粧プレート85)の内側(窓孔801内)に筐体3の前面31が位置する。これにより、図3Bに示すように、コンセントプレート8が筐体3と共に取付対象物81に取り付けられた状態で、筐体3の周囲をコンセントプレート8が覆うことになり、取付枠84及び施工孔82等が露出せずに見映えがよくなる。
より詳細には、化粧プレート85は、正面視において矩形枠状に形成されている。化粧プレート85の中央部には、化粧プレート85を前後方向に貫通する窓孔801が形成されている。化粧プレート85は、スナップフィット構造により、取外し可能な状態で、固定プレート86と機械的に結合される。すなわち、化粧プレート85及び固定プレート86は、化粧プレート85と固定プレート86との少なくとも一方の弾性を利用して、化粧プレート85及び固定プレート86一方の爪を、他方の孔に引っ掛けることにより、機械的に結合される。
また、固定プレート86は、正面視において矩形枠状に形成されている。さらに、固定プレート86には、一対の透孔861が形成されている。一対の透孔861を通して、一対の固定ねじ844が取付枠84の一対のプレート固定孔842に締め付けられることで、固定プレート86は、取付枠84に取り付けられる。
(2.3)USBコンセントの具体的構成
次に、本実施形態に係るUSBコンセント10の具体的な構成について、図2A、図2B及び図4を参照して説明する。
本実施形態に係るUSBコンセント10は、図4に示すように、電源回路11、少なくとも1つ(ここでは2つ)の接続部2、及び筐体3に加えて、端子部16、制御部101、発光部14及びセンサ17を更に備えている。制御部101は、発光制御部12を含んでいる。発光部14は、発光素子141を含んでいる。これら端子部16、制御部101及び発光部14の少なくとも一部は、電源回路11と共に筐体3に収容されている。
電源回路11は、交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換回路を含んでいる。電源回路11は、端子部16と接続部2との間に挿入されており、端子部16から入力される交流電圧を直流電圧に変換して接続部2に出力する。ここでは一例として、電源回路11は、交流電源(系統電源)から端子部16に印加される100Vの交流電圧を5Vの直流電圧に変換する。これにより、端子部16に入力される100Vの交流電圧は電源回路11にて5Vの直流電圧に変換されて、接続部2に5Vの直流電圧が供給される。
本実施形態では、1つの電源回路11に対して、複数(ここでは2つ)の接続部2が接続されている。つまり、電源回路11から出力される直流電圧は、第1の接続部21及び第2の接続部22の両方に印加される。これにより、電源回路11の出力を、複数(ここでは2つ)の接続部2から、機器9のUSBコネクタ91に対して出力することが可能である。
このような構成においては、複数の接続部2から機器9に出力される電流(及び電力)の合計が、1つの電源回路11の出力電流となる。そのため、例えば、複数の接続部2の定格出力(電流又は電力)は、複数の接続部2の出力電流(又は出力電力)の合計値で規定される。本開示でいう「定格出力」は、電流及び/又は電力の定格値であって、定格電流及び定格電流の少なくとも一方である。すなわち、電源回路11の定格出力(電流又は電力)によって、複数の接続部2の合計出力(電流又は電力)の定格値が決定されることになる。一例として、電源回路11の定格出力が4Aであるとすれば、複数(ここでは2つ)の接続部2の出力電流の合計が4Aで定格となる。
本実施形態では、上述したような定格出力をユーザが認識しやすいように、筐体3の前面31には、図2Aに示すように、割当表示部32が設けられている。本実施形態では一例として、割当表示部32は、筐体3の前面31に形成された刻印にて実現される。割当表示部32は、出力情報を表示する。本開示でいう「出力情報」は、接続部2の各々について出力可能な電力の大きさに関する情報である。例えば、接続部2の定格出力(電流又は電力)、つまり接続部2の定格電流及び定格電力は、いずれも接続部2の出力可能な電力の大きさに関連するので、「出力情報」に含まれる。図1では、割当表示部32の図示を省略している。
ここで、図2Aに示すように、割当表示部32は、筐体3の前面31における接続口4の周囲に配置されている。特に、本実施形態では、割当表示部32は、筐体3の前面31において、接続口4の上方及び下方に配置されている。具体的には、割当表示部32が表示する出力情報は、「2.5A」又は「1.5A」のように、接続部2ごとの定格出力(定格電流)を表す。ここでは一例として、第1の接続部21(第1の接続口41)に対応する割当表示部32は、定格出力としての「2.5A」という出力情報を文字列(テキスト)にて表記する。第2の接続部22(第2の接続口42)に対応する割当表示部32は、定格出力としての「1.5A」という出力情報を文字列(テキスト)にて表記する。
さらに、割当表示部32が表示する出力情報は、「1」又は「2」のように、接続部2ごとの優先順位を表す優先情報を含む。ここでいう「優先情報」は、複数の接続部2について、優先的に使用することを推奨する順位を表す情報であればよく、「1」又は「2」のような数字に限らず、例えば、主又は副の関係を表す情報であってもよい。ここでは一例として、第1の接続部21(第1の接続口41)に対応する割当表示部32は、優先情報として「1」という優先順位を文字列(テキスト)にて表記する。第2の接続部22(第2の接続口42)に対応する割当表示部32は、優先情報として「2」という優先順位を文字列(テキスト)にて表記する。この例では、第2の接続部2に対して第1の接続部2を優先的に使用することが推奨されている。
割当表示部32にて、このような出力情報が表示されることで、ユーザにおいては、まずは優先順位の高い第1の接続部2を使用することが推奨される。したがって、複数(ここでは2つ)の接続部2のうちの一方のみを使用する場合、ユーザは、基本的に第1の接続部2を使用することになる。そして、電源回路11の定格出力が4Aであるとすれば、第1の接続部2のみが使用されている状態では、第1の接続部2が定格(2.5A)内で使用されていれば、2つの接続部2の出力電流の合計は、当然ながら4A以内となる。また、第1の接続部2及び第2の接続部2の両方が使用されている状態では、第1の接続部2が定格(2.5A)内で使用され、かつ第2の接続部2が定格(1.5A)内で使用されていれば、2つの接続部2の出力電流の合計は、4A以内となる。
すなわち、本実施形態では、接続部2は複数設けられている。筐体3の前面31には、複数の接続部2の各々について出力可能な電力の大きさに関連する出力情報を表示する割当表示部32が設けられている。さらに、出力情報は、複数の接続部2の優先順位を表す優先情報を含む。複数の接続部2がある場合に、このような出力情報(優先情報を含む)が割当表示部32にて表示されていることで、ユーザにおいては、複数の接続部2のうちのいずれの接続部2を使用すべきか迷いにくくなる。
端子部16は、筐体3内に収容されている。ここで、筐体3の背面には、配線L1を接続するための端子孔が形成されている。端子部16は、筐体3内において端子孔に対応する位置に配置されている。端子部16は、端子板等を含み、端子孔に配線L1の先端部(心線)が差し込まれると、配線L1の先端部(心線)を機械的に保持し、かつ配線L1と電気的に接続される。本実施形態では一例として、端子部16は、端子孔から配線L1を差し込むだけで配線L1が接続される、差込式のいわゆる速結端子である。
制御部101は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成として備えている。マイクロコントローラは、1以上のメモリに記録されているプログラムを1以上のプロセッサで実行することにより、制御部101としての機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、制御部101として機能させるためのプログラムである。
制御部101は、少なくとも電源回路11を制御する。また、本実施形態では上述したように、制御部101は、電源回路11の回路基板に実装されており、電源回路11と共に、筐体3に収容されている。さらに、制御部101は、図4に示すように、発光制御部12としての機能を有している。発光制御部12は、発光部14を制御する。
発光部14は、筐体3の前面に設けられており、その発光態様が、発光制御部12での制御によって変化する。本実施形態では、発光部14は、図2Bに示すように、発光素子141と、光学部材142と、を有している。発光素子141は、電力供給を受けて光を発する。この種の発光部14の発光態様には、例えば、点灯/消灯、発光色若しくは点灯パターン(点滅周期等)、又はこれらの組み合わせが含まれる。要するに、本実施形態では、発光制御部12が発光素子141に流れる電流を制御することで発光素子141を制御し、これによって、発光部14の点灯/消灯等の発光態様が変化する。
ここで、図2A及び図2Bに示すように、発光部14は、筐体3の前面31における接続口4の周囲に配置されている。特に、本実施形態では、発光部14は、筐体3の前面31において、接続口4の全周を囲むように配置されている。そのため、発光部14は、接続口4の全周にわたって発光する。言い換えれば、接続口4は、筐体3の前面31において、環状の発光部14に囲まれた領域に位置する。
具体的には、発光素子141は、例えば、制御部101からの電力供給を受けて発光する。発光素子141は、例えば、LED(Light Emitting Diode)からなる。発光素子141は、一例として白色に発光する。光学部材142は、例えば、アクリル樹脂等の透明樹脂の成形品であって、発光素子141の出力光を取り込んで、光学部材142の内部を通して光学部材142の表面(前面)まで導く、つまり導光する部材である。光学部材142は、正面視において矩形枠状に形成されており、その内側が接続口4となる。このような構成の発光部14では、発光素子141が発光することで、光学部材142の表面(前面)が発光する。つまり、接続口4を囲む光学部材142の表面(前面)が発光面となる。
また、本実施形態では、発光部14は、蓄光機能を有している。一例として、発光部14は、光学部材142に蓄光材料を含んでおり、光学部材142に蓄光機能が付与されている。そのため、光学部材142は、発光素子141の点灯時に光エネルギーを吸収し、発光素子141の消灯時に光を放出することで発光する。この構成では、発光素子141での消費電力を小さく抑えることが可能である。
さらに、本実施形態では、発光部14は、接続部2(接続口4)に機器9のUSBコネクタ91が接続された状態であっても、前方から視認可能に構成されている。具体的には、正面視において、発光部14の少なくとも一部がUSBコネクタ91の周囲にはみ出すように、発光部14が構成されている。つまり、発光部14は、接続口4の周囲に設けられながらも、接続口4に差し込まれたUSBコネクタ91にて完全に隠れることはない。これにより、USBコンセント10に機器9のUSBコネクタ91が接続された状態であっても、発光部14の発光態様は視認可能である。
また、本実施形態では、上述したように、接続部2は複数設けられている。そこで、発光部14は、複数の接続部2の各々について個別に設けられている。具体的には、発光部14は、図2A及び図2Bに示すように、接続口4ごとに設けられている。言い換えれば、発光部14は、複数の接続口4にそれぞれ対応して設けられている。つまり、発光部14は、複数の接続口4に一対一に対応するように複数設けられている。これら複数の発光部14は、第1の接続口41及び第2の接続口42のそれぞれの周囲に配置されている。図4では、発光部14は1つのように表記しているが、実際には、発光部14は複数(ここでは2つ)設けられている。発光部14の機能について詳しくは「(2.4)発光機能」の欄で説明する。
センサ17は、物理現象又は物理量を検出し、検出した物理現象又は物理量に応じた電気信号を出力する。センサ17は、一例として、接続部2(接続口4)に対してUSBコネクタ91が接続されているか否かを検出するセンサである。この種のセンサとしては、例えば、発光素子及び受光素子の間の光の到達状況に応じて出力が変化する透過型若しくは反射型の光学式センサ等の非接触式センサ、又は機械接点を有しUSBコネクタ91に押されることで接点がオンする接触式センサ等がある。他の例として、センサ17は、電源回路11から出力される電流を検出するセンサであってもよい。この種のセンサは、例えば、カレントトランス又はシャント抵抗等の適宜の電流センサにて実現可能である。
(2.4)発光機能
次に、本実施形態に係るUSBコンセント10における発光機能について説明する。発光機能は、主として制御部101に含まれる発光制御部12、及び発光部14にて実現される。
発光制御部12は、上述したように、発光素子141に流れる電流を制御することで発光素子141を制御し、これによって、発光部14の点灯/消灯等の発光態様を変化させる。本実施形態では一例として、発光制御部12は、電源回路11の出力を利用して、発光素子141に電力(電流)を供給することで、発光素子141を点灯させる。発光素子141が点灯すれば、接続口4の位置を示すように発光部14が発光することになる。
すなわち、発光部14は、上述したように、筐体3の前面31における接続口4の周囲に配置されているので、発光部14が発光することで、その付近にある接続口4の位置が示されることになる。特に、本実施形態では、発光部14は、接続口4の全周にわたって発光するので、発光部14に囲まれた領域が接続口4となる。したがって、発光部14は、接続口4の位置を示すように発光することになる。
ところで、本実施形態では、主として、接続口4にUSBコネクタ91を差し込んで接続する際に、発光部14が接続口4の位置を示すように発光することで、USBコンセント10の利便性を向上させる。そのため、発光部14は、少なくとも接続口4にUSBコネクタ91が接続されていない状態で発光すればよく、接続口4にUSBコネクタ91が接続されている状態で発光することは必須でない。そこで、本実施形態では一例として、発光制御部12は、接続口4にUSBコネクタ91が接続されていない状態でのみ発光素子141を点灯させ、接続口4にUSBコネクタ91が接続されている状態では発光素子141を消灯させる。
発光制御部12は、接続口4にUSBコネクタ91が接続されているか否かを、例えば、センサ17の出力に基づいて判断する。すなわち、センサ17は、上述したように、接続部2(接続口4)に対してUSBコネクタ91が接続されているか否かを検出するので、センサ17の出力(検出結果)に基づいて、発光制御部12は、発光素子141を制御する。具体的には、センサ17の出力が、接続口4にUSBコネクタ91が接続されていないことを示す場合には、発光制御部12は、発光素子141を点灯させる。一方、センサ17の出力が、接続口4にUSBコネクタ91が接続されていることを示す場合には、発光制御部12は、発光素子141を消灯させる。ただし、本実施形態では、発光部14は蓄光機能を有するので、接続口4にUSBコネクタ91が接続されている状態、つまり発光素子141が消灯している状態であっても、蓄光機能により発光部14は発光する。
また、本実施形態では、上述したように接続部2は複数設けられている。そこで、発光制御部12は、複数の接続部2(接続口4)の各々について個別にUSBコネクタ91が接続されているか否かを判断する。そして、第1の接続部21及び第2の接続部22の両方にUSBコネクタ91が接続されていない状態では、発光制御部12は、第1の接続部21及び第2の接続部22の両方に対応する発光部14の発光素子141を点灯させる。第1の接続部21及び第2の接続部22の両方にUSBコネクタ91が接続されている状態では、発光制御部12は、第1の接続部21及び第2の接続部22の両方に対応する発光部14の発光素子141を消灯させる。第1の接続部21のみUSBコネクタ91が接続されている状態では、発光制御部12は、第2の接続部22に対応する発光部14の発光素子141のみを点灯させる。第2の接続部22のみUSBコネクタ91が接続されている状態では、発光制御部12は、第1の接続部21に対応する発光部14の発光素子141のみを点灯させる。
(3)動作
次に、本実施形態に係るUSBコンセント10の動作について、図5を参照して説明する。
USBコンセント10は、起動後、まずは発光制御部12にて発光部14の発光素子141を点灯させる(S1)。このとき、発光部14では、発光素子141が白色に点灯することで、光学部材142の表面(前面)からなる発光面が白色に発光する。その後、USBコンセント10は、接続部2に対してUSBコネクタ91が接続されることをセンサ17にて検出する(S2)。接続部2に対してUSBコネクタ91が接続されなければ(S2:No)、USBコンセント10は、発光素子141の点灯を継続する(S1)。
接続部2に対してUSBコネクタ91が接続されると(S2:Yes)、USBコンセント10は、発光制御部12にて発光部14の発光素子141を消灯させる(S3)。このとき、発光部14は、発光素子141が消灯することで、蓄光機能により、光学部材142の表面(前面)からなる発光面が発光する。その後、USBコンセント10は、接続部2に対するUSBコネクタ91の接続の解除をセンサ17にて検出する(S4)。USBコネクタ91の接続が解除されなければ(S4:No)、USBコンセント10は、発光素子141の消灯を継続する(S3)。
一方、USBコネクタ91の接続が解除されると(S4:Yes)、USBコンセント10は、発光制御部12にて発光部14の発光素子141を点灯させる(S1)。
USBコンセント10は、上記S1〜S4の処理を繰り返し実行する。図5のフローチャートは、USBコンセント10の動作の一例に過ぎず、処理を適宜省略又は追加してもよいし、処理の順番が適宜変更されていてもよい。
このように、本実施形態に係るUSBコンセント10は、少なくとも接続口4にUSBコネクタ91が接続されていない状態で発光部14が発光する。発光部14は、接続口4の位置を示すように発光するので、USBコネクタ91を接続するための接続口4の位置がわかりやすくなる。そのため、例えば、夜間、又は、USBコンセント10が、家具の影となる場所、若しくは窓のない室内等の暗所に設置されている場合であっても、ユーザは、発光部14の光を頼りに接続口4の位置を把握しやすくなる。特に、USBコンセント10においては、例えば、スマートフォン等の機器9の充電時にのみUSBコネクタ91が接続される等、比較的、USBコネクタ91の挿抜の頻度が高い。このようにUSBコネクタ91の挿抜の頻度が高いUSBコンセント10において、接続口4の位置が容易に把握できることは、利便性の向上に寄与しやすい。結果的に、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント10を提供することができる。
さらに、発光部14からの光でユーザの手元(少なくともユーザが持つUSBコネクタ91)が照らされていれば、接続口4に対するUSBコネクタ91の接続作業がより行いやすくなる。例えば、USBの端子形状がA端子(USB Type-A)である場合には、接続口4にUSBコネクタ91を差し込む際に、USBコネクタ91の向きを合わせる必要があるが、ユーザの手元が照らされていれば、USBコネクタ91の向きを合わせやすい。これにより、例えば、USBコネクタ91が誤った向きで無理やり差し込まれることによる接続部2の破損等が生じにくい、という利点がある。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1に係るUSBコンセント10と同等の機能は、方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
USBコンセント10の基本構成についても、実施形態1で説明した構成に限らず、例えば、図6A〜図6Cに示すような種々の態様のUSBコンセント10A〜10Cを実現可能である。
図6Aに示す態様では、USBコンセント10Aは、発光部14の態様が実施形態1とは異なり、対応する接続口4を囲む形状ではなく、接続口4の周囲の1カ所に配置されている。具体的には、図6Aの例では、発光部14は、対応する接続口4の上方に配置された点光源である。
図6Bに示す態様では、USBコンセント10Bは、筐体3が2個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法に形成されている。このUSBコンセント10Bは、例えば、100Vの交流電圧を出力するコンセント装置51と共に、取付枠84(図3A参照)にて取付対象物81(図3A参照)に取り付けられる。
図6Cに示す態様では、USBコンセント10Cは、筐体3が2個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法であって、かつ1個のUSBコネクタ91を接続可能な1個口(1ポート)タイプのUSBコンセントである。図6Cの例では、接続口4は、正面視において、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい長方形状である。つまり、接続口4は、縦向き(縦長)に配置されている。さらに、このUSBコンセント10Cは、例えば、人感センサ等のセンサ装置52と共に、取付枠84(図3A参照)にて取付対象物81(図3A参照)に取り付けられる。センサ装置52は、人感センサに限らず、例えば、明るさセンサ、振動センサ、近接センサ若しくは音センサ、又はこれらの組み合わせであってもよい。USBコンセント10Cは、センサ装置52の出力に基づいて動作してもよい。例えば、センサ装置52が人感センサである場合には、USBコンセント10Cは、周辺に人が存在しなければ、接続部2への通電をオフとする。
また、USBコンセントにおいて、接続部2(接続口4)は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
また、複数の接続部2は、世代(転送速度の規格)及び/又はUSBの端子形状が異なる2つ以上の接続部2を含んでいてもよい。例えば、USBコンセント10は、A端子(USB Type-A)の接続部2と、C端子(USB Type-C)の接続部2と、を備えていてもよい。
本開示におけるUSBコンセント10は、制御部101等にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるUSBコンセント10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、USBコンセント10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体3内に集約されていることはUSBコンセント10に必須の構成ではなく、USBコンセント10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、制御部101の一部の機能が、接続部2(接続口4)とは別の筐体に設けられていてもよい。また、制御部101等の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
また、USBコンセント10は、屋内用に限らず屋外用であってもよい。屋外用のUSBコンセント10においては、防雨(防滴)構造等が適宜採用される。
また、実施形態1では、USBコンセント10に接続される機器9が、充電式の機器9である場合を例に説明したが、この例に限らず、USBコンセント10には、充電式でない機器9(充電式の機器9以外の機器9)を接続することも可能である。
また、USBコンセント10は、例えば、USBコンセント10に接続されている機器9が充電式か否かを判別する機能を有していてもよい。このような判別機能は、一例として、USBコンセント10が、USBコネクタ91を通した有線通信、又は無線通信により、機器9と通信することによって実現される。
また、USBコンセント10は、埋込型の配線器具に限らない。すなわち、USBコンセント10は、その全体が壁等の取付対象物81の表面から露出するように配置される「露出型」の配線器具であってもよい。この場合、USBコンセント10は、埋込型ではなく露出型のスイッチボックスを用いて取付対象物81に取り付けられる。また、USBコンセント10は、例えば、挟み金具等の、スイッチボックス以外の取付部材を用いて取付対象物81に取り付けられてもよい。
また、筐体3が取付枠84に取り付けられることは、USBコンセント10に必須の構成ではなく、例えば、筐体3は取付枠84と一体化されていてもよい。さらに、取付枠84に、コンセントプレート8が取り付けられることも、USBコンセント10に必須の構成ではなく、コンセントプレート8は適宜省略されてもよい。
USBコンセント10は、例えば、パーソナルコンピュータ等の機器に備わっていてもよい。
また、実施形態1では、1つの電源回路11に対して、複数の接続部2が接続されているが、この構成はUSBコンセント10に必須の構成ではなく、複数の接続部2の各々に対して個別の電源回路11が設けられていてもよい。つまり、USBコンセント10は、複数の接続部2と、複数の接続部2に一対一に対応する複数の電源回路11と、を備えていてもよい。この場合、複数の接続部2には、それぞれ個別の電源回路11から電力が供給されるので、定格出力(電流又は電力)に関しても、各接続部2について個別に規定される。
また、割当表示部32は、筐体3の前面31に形成された刻印に限らず、例えば、印字、シール、表示灯(発光素子)又はディスプレイ等で実現されてもよい。割当表示部32が表示灯又はディスプレイ等で実現される場合には、割当表示部32の表示内容は適宜変更可能である。
また、割当表示部32は、USBコンセント10に必須の構成ではなく、割当表示部32は適宜省略されてもよい。
また、発光部14が発光素子141と光学部材142とを有することは、USBコンセント10に必須の構成ではなく、例えば、光学部材142が適宜省略されてもよい。また、発光部14は、複数の発光素子141を有していてもよい。さらに、発光部14は、例えば、発光素子141として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)素子等を有してもよい。
また、センサ17は、近距離にある物体の存在を検知する近距離センサであってもよい。このようなセンサ17は、例えば、筐体3の前面31に配置され、筐体3の前方に設定される検知エリア内に存在する物体を検知する。この種のセンサ17の具体例としては、検知エリア内の人を検知する焦電型の人感センサ、超音波センサ、光学式センサ又は電波センサ等で実現される。この場合においても、発光制御部12は、センサ17の出力(検知結果)に基づいて発光素子141を制御する。一例として、発光制御部12は、筐体3近傍の検知エリア内に人が存在することをセンサ17が検知した場合に発光素子141を点灯させ、筐体3近傍の検知エリア内に人が存在しなければ発光素子141を消灯させる。これにより、USBコンセント10を視認可能な位置に人がいなければ、発光素子141は消灯することになり、発光素子141での消費電力を抑えることが可能である。すなわち、本変形例では、USBコンセント10は、筐体3から所定距離内における物体の存在を検知するセンサ17を備えている。そして、発光部14は、センサ17の検知結果に基づいて発光する。
(実施形態2)
本実施形態に係るUSBコンセント10Dは、図7A及び図7Bに示すように、筐体3がガイド部143を有する点で、実施形態1に係るUSBコンセント10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係るUSBコンセント10Dは、ガイド部143を有している。ガイド部143は、接続口4へのUSBコネクタ91(図1参照)の挿入をガイドする。本実施形態では一例として、ガイド部143は、図7Bに示すように、筐体3の前面31における接続口4の周囲に形成されたテーパ面からなる。特に、本実施形態では、発光部14Aの光学部材142の表面(前面)が、ガイド部143として機能する。つまり、発光部14Aの光学部材142の表面は、接続口4を包囲しつつ前方に向けて傾斜した傾斜面からなる。言い換えれば、接続口4の周囲には、光学部材142の表面によって、筐体3の前面31を基準とし接続口4に近づくにつれて大きく窪んだ凹所が形成されており、この凹所の底部に接続口4が位置する。
このようなガイド部143が形成されていることにより、接続口4にUSBコネクタ91が挿入される際に、USBコネクタ91が接続口4に案内されやすくなって、USBコネクタ91の挿入が比較的簡単になる。つまり、接続口4へのUSBコネクタ91の挿入に際して、USBコネクタ91の先端がガイド部143に接触することで、ガイド部143に沿ってUSBコネクタ91が接続口4側に誘導されることになる。そのため、ユーザにおいては、例えば、USBコネクタ91の先端がガイド部143に接触した以降は、接続口4の周辺を目視できなくても、手探りでUSBコネクタ91をガイド部143に差し込むことが比較的簡単になる。結果的に、接続口4に対するUSBコネクタ91の挿入が比較的簡単になり、USBコンセント10Dの利便性の更なる向上を図ることができる。
また、本実施形態の変形例として、ガイド部143は、発光部14Aとは別に設けられていてもよい。さらに、ガイド部143は、テーパ面に限らず、例えば、筐体3の前面31から突出する構造であってもよい。
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
第1の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)は、筐体(3)と、電源回路(11)と、発光部(14,14A)と、を備える。筐体(3)は、機器(9)のUSBコネクタ(91)を接続可能な接続口(4)を有する。電源回路(11)は、接続口(4)に接続されたUSBコネクタ(91)から機器(9)に電力を供給する。発光部(14,14A)は、接続口(4)の位置を示すように発光する。
この態様によれば、発光部(14,14A)が発光することで、USBコネクタ(91)を接続するための接続口(4)の位置を示すことができる。そのため、例えば、夜間、又は、USBコンセント(10,10A〜10D)が、家具の影となる場所、若しくは窓のない室内等の暗所に設置されている場合であっても、ユーザは、発光部(14,14A)の光を頼りに接続口(4)の位置を把握しやすくなる。結果的に、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10,10A〜10D)を提供することができる。
第2の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)は、第1の態様において、発光部(14,14A)は、筐体(3)の前面(31)における接続口(4)の周囲に配置される。
この態様によれば、筐体(3)の前面(31)における接続口(4)の周囲で発光部(14,14A)が発光することで、ユーザにおいては、接続口(4)の位置が把握しやすくなる。
第3の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)では、第2の態様において、発光部(14,14A)は、接続口(4)の全周にわたって発光する。
この態様によれば、接続口(4)の全周にわたって発光部(14,14A)が発光することで、ユーザにおいては、接続口(4)の位置が把握しやすくなる。
第4の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)では、第1〜3のいずれかの態様において、発光部(14,14A)は、蓄光機能を有する。
この態様によれば、発光部(14,14A)に対して常時通電しなくても、発光部(14,14A)を発光させることが可能である。
第5の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)では、第1〜4のいずれかの態様において、発光部(14,14A)は、電力供給を受けて光を発する発光素子(141)を有する。
この態様によれば、発光素子(141)を制御することで、発光部(14,14A)の発光態様に多様性を持たせることができる。
第6の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)では、第1〜5のいずれかの態様において、接続口(4)は複数設けられている。発光部(14,14A)は、複数の接続口(4)にそれぞれ対応して設けられている。
この態様によれば、複数の接続口(4)の位置を複数の発光部(14,14A)にて個別に示すことができる。
第7の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)は、第1〜6のいずれかの態様において、筐体(3)から所定距離内における物体の存在を検知するセンサ(17)を更に備える。発光部(14,14A)は、センサ(17)の検知結果に基づいて発光する。
この態様によれば、必要なときだけ発光部(14,14A)を発光させることで、発光部(14,14A)の無駄な発光にかかるエネルギーを低減できる。
第8の態様に係るUSBコンセント(10,10A〜10D)では、第1〜7のいずれかの態様において、筐体(3)は、接続口(4)へのUSBコネクタ(91)の挿入をガイドするガイド部(143)を更に有する。
この態様によれば、接続口(4)にUSBコネクタ(91)が挿入される際に、USBコネクタ(91)が接続口(4)に案内されやすくなって、USBコネクタ(91)の挿入が比較的簡単になる。
第2〜8の態様に係る構成については、USBコンセント(10,10A〜10D)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。